のび太父「ドラえもん話がある」 1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/05(日) 17:36:16.01 ID:xTY/QuXr0 ドラえもん「パパさん、改まってどうしたんですか?」 父「未来へ帰ってくれ、あとタイムマシンの入口も閉じてくれ」 ドラえもん「……?何かあったんですか?」 父「のび太、という名前の由来は知ってるね?けど、君が来てからののび太は、のびのびとしているだろうか 秘密道具に魅せられ、頼る毎日。のび太は君という狭い世界から逸脱できていない 僕はね、あの子がどんな道を歩もうとも“後悔”はしない、それがあの子の人生だからだ、のびのび生きた結果だからだ。もちろん悪の道に進めば、それは正してやらなければならないけどね」 ドラえもん「でものび太君はこのままじゃジャイコと結婚するはめに!」 母「かーえーれ…」 ドラえもん「え…?」 母「かーえーれ、かーえーれ、かーえーれ」 父・母「かーえーれ!かーえーれ!かーえーれ!」 4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/05(日) 17:38:12.10 ID:xTY/QuXr0 のび太「ママー!ドラえもんしらなーい?」 母「帰ったわ、未来にね」 のび太「え?なんでさ!?」 父「僕がそうするよう頼んだんだ」 のび太「な、なんで…」 父「のび太、ドラえもんに頼るのはもう終わりだ…これからは…」 のび太「パパのばかぁー!」ダッ 6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/05(日) 17:41:41.40 ID:xTY/QuXr0 母「のび太ぁー!出てきなさい!いつまでひきこもってるの!?」ダンダンダン 母「ご飯、置いとくわよ…」 父「ん?のび太はまだひきこもってるのか?」 母「これでもう1週間よ…ねぇ、ドラちゃんにはもう帰ってきてもらうしか…」 父「それはできない、タイムマシンの入口は閉じてしまったからね」 母「…」 父「今は待つしかないだろう…これものび太のためだ」 9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/05(日) 17:45:40.20 ID:xTY/QuXr0 のび太「おはよう…」 母「のび太!」 父「のび太…」 のび太「ごめん…僕、一人で頑張るから…もう心配しないで…」 父「やっと決心がついたか…これからは、誰に頼るでもなく、お前のやりたいようにやるんだぞ」 学校 ジャイアン「よぉのび太!久しぶりだな!」 のび太「あ、うん…」 スネオ「けけ!こいつやつれてやがる!病人みたいだな!」 10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/05(日) 17:49:25.68 ID:xTY/QuXr0 ジャイアン「今日は野球するかよのび太もこいよな!」 のび太(またか…) (誰に頼るでもなく、お前のやりたいように…) のび太「僕は、いい…」 スネオ「のび太のくせに生意気だな!やっちゃおうよジャイアン!」 のび太(こうなるのは…わかってたさ…) 帰り道 のび太「いてて…ジャイアンのやつ…」 ワンワン! のび太「わぁー!犬だぁ!」 ブッブー! のび太「わぁー!車だぁ!」 のび太「」 11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/05(日) 17:52:19.14 ID:xTY/QuXr0 のび太「ドラえもーん!助けてよぅ!」 のび太(なーんて…今はいないんだった) のび太(今?いやずっとか) のび太(ずっと…?そんな…ずっとこんな日常が続くのか?ジャンケンにすら勝てない、こんな不運な人生が…) ガラッ のび太(タイムマシン…やっぱりない…) のび太(そんな…こんなことってあるかよ…頑張ろうと思った矢先にこの有り様だ…神様はきっと僕が嫌いなんだ…) のび太(…) 14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/05(日) 17:57:03.62 ID:xTY/QuXr0 のび太「何で僕はこんな不幸なの?」 母「え?」 のび太「だってそうじゃないか?ジャンケンにすら勝てないなんて、これはもう不運なんてレベルじゃない…僕は呪われてるんだ…」 母「なにを言ってるの…?」 のび太「神様って酷いだろ?」 父「のび太!いい加減にしろ!」 のび太「僕の事をわからないから、僕が世迷い言を言ってるんだと思ってるんでしょ?わかるわけないよね、パパもママも幸せだからね」 21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/05(日) 18:03:16.56 ID:xTY/QuXr0 母「のび太ぁー!出てきなさーい!」ダンダンダン 母「ご飯置いとくわよ…」 父「…またか」 母「うっ…どうしてこんなことに…」 父「待つしかないだろう…それしかできない…」 24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/05(日) 18:07:10.34 ID:xTY/QuXr0 警察「えぇ、じゃあ昨夜までは生存は確認できてたんですね?」 母「は、はい…多分…うっ…うっ…」 警察「また詳しい事情は後で訊きます、今は心を落ち着けて…」 父「おーい!」 母「うっ…あ、あなた…のび太が…のび太がぁ…」 警察「実は…」 父「のび太が首吊り自殺!」 父「そんな…」 31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/05(日) 18:12:19.90 ID:xTY/QuXr0 父「…」 母「…」 ガチャ 父「!?」 ドラえもん「こんばんは…お二方…」 父「ど、ドラえもん!?助けてくれ!のび太が!のび太が!」 ドラえもん「後悔、したね…」 父「へ…?」 ドラえもん「言ってたじゃないですか…どんな道を行こうと後悔しないって…」 父「死んでしまってはもともこもない!」 ドラえもん「信じてたんですよ…僕は…その言葉を…」 ドラえもん「あなた達が…のび太君を殺したんだ…」 43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/05(日) 18:17:07.96 ID:xTY/QuXr0 父「も、もとは君がいたからのび太は君に依存して!」 ドラえもん「あなた達と話す事はもうありません…」 母「待って!タイムマシンで!のび太が死ぬ前に!のび太が死ぬ過去を!」 ギリッ ドラえもん「それだけは…絶対にしちゃいけない…」 ドラえもん「さようなら…」スタスタ 父「嫌味でも言いにきたのかよ!あんたに任せればのび太は救えたと!?そう言いたいのかよぉ!あんたはぁ!」 ドラえもん「…」スタスタ 父「クソォ!」ダンッ! 46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/05(日) 18:19:50.12 ID:xTY/QuXr0 父「おい…どこへ行く…」 母「…」 父「おい…なんだそのナイフは…バカな真似はやめろ!」 母「ごめんね…のび太…私は…救えなかった…あなたを…」ザクッ バタン 父「うああああああああああああああああああ!」ダッ 55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/05(日) 18:25:43.74 ID:xTY/QuXr0 父「これは夢だこれは夢だこれは夢だこれは夢だこれは夢だこれは夢だこれは夢だこれは夢だこれは夢だあああああ!!」 ここで速報です 数日前から行方を眩ましていた野比父(43)さんが、森の中で遺体で見つかったとの情報が… 完