キョン「ナガえも〜ん」 1 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽)[] 投稿日:2011/10/29(土) 12:11:18.27 ID:4ZiZH00AO 何かがおかしい。 唐突に誰に言われるでもなくそんな感覚に襲われた今は放課後のSOS団部室内。 現在この空間には俺、古泉、朝比奈さん、ハルヒと4人の団員全員が揃い踏みしている……本当にこれで全員か? キョン「何だってんだか」 ハルヒ「何よキョン、聞いて無かったの?」 キョン「何がだ?」 ハルヒ「全く、あんたが普段から抜けてんのは周知の事実だけど、誰を差し置いてもあたしに関する事は常に気をおいてなさい!」 キョン「全く失礼な上に、どんだけお前ってのは最優先事項なんだよ」 ハルヒ「はぁ?そんなの言うまでも無いでしょ、本当にキョンはアホね」 古泉「全くその通りかと」 ハルヒ「来週の連休は古泉君の親戚が経営している温泉旅館に泊まりに行くわよって話よ!」 2 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽)[] 投稿日:2011/10/29(土) 12:15:14.17 ID:4ZiZH00AO キョン「あぁ、その話か」 ハルヒ「古泉君が行き先までの交通チケット3枚手配してくれたからね、遅刻は厳禁よ」 キョン「……すまんハルヒ、聞き違いかチケットの枚数が足らないんじゃないか?」 ハルヒ「それなんだけどね、悪いけどこの温泉旅行は定員3人なのよね」 キョン「………え?」 3 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽)[] 投稿日:2011/10/29(土) 12:19:03.83 ID:4ZiZH00AO みくる「あのぉ〜、それじゃ誰か一人いけないんじゃ…」 ハルヒ「うん、だから今回キョンはお休みよ。たまには雑用にもお休みをあげないとね〜」 古泉「全く涼宮さんの御慈悲には頭が下がるばかりですよ」 キョン「ち、ちょっと待て!何でこんな時だけ俺が不参加なんだ?」 ハルヒ「あら?あんた前にあたしと二人で市内探索した時、あれだけ愚痴ってたじゃない、『たまには休ませろ』って!感謝なさい」フフン キョン「……」 4 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽)[] 投稿日:2011/10/29(土) 12:23:19.59 ID:4ZiZH00AO みくる「あの、あの、それじゃキョン君が可哀相じゃ…」 ハルヒ「いいのよみくるちゃん、あたしがキョンを不参加にしたのはそれだけが理由じゃないんだから」 キョン「なんだ、理由があるなら言ってみろ…!どうせろくな理由じゃ」 ハルヒ「そこの温泉、露天になってて危ないのよねぇ…キョンこの前女風呂を覗きたい!っだなんて独り言を」 キョン「さらりと誤解を招く嘘つくな!」 みくる「キョン君……本当ですかぁ?」 キョン「違います!」 5 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽)[] 投稿日:2011/10/29(土) 12:27:55.92 ID:4ZiZH00AO 古泉「仕方ないんですよ…、僕達も、身内から犯罪者を出したくは無いんです」 キョン「何真剣な顔して俺をさも庇護してるみたいに言う?」 ハルヒ「ま、諦めなさい。お土産くらいは買ってきてあげるから」 キョン「……不愉快だ!今日は帰らせてもらう」 ハルヒ「あ、キョ〜ン。温泉行けないからって温泉の素買って、『俺も温泉入って来たんだぜ』みたいな事言わないでよね」 古泉&ハルヒ「あはははは」 みくる「キョン君………」 6 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽)[] 投稿日:2011/10/29(土) 12:31:13.50 ID:4ZiZH00AO キョン「うぅ…みじめだ……何で俺だけ」 キョン「ただいまぁ〜…」 キョン妹「あー、キョン君おかえり〜」 キョン「おぉ」 キョン妹「今日は早いんだね?部活無かったのぉ?」 キョン「いや、不愉快な気分にさせられたんで早引きしてきた」 キョン妹「ふぅ〜ん」 キョン妹「お母さーん、キョン君がぁ、仲間外れにされてふてて帰ってきたよぉ」 おいっ!! 7 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽)[] 投稿日:2011/10/29(土) 12:34:01.95 ID:4ZiZH00AO キョン「ただいま…」 長門「おかえり」 キョン「長門、聞いてくれよぉ…今日もハルヒの奴が」 長門「待って」 キョン「…?なんだ?」 長門「違う…」 キョン「…何が…?」 長門「私は長門では無く…ナガえもん」 キョン「…そう、だよな。何で長門だなんて」 キョン「すまん、ナガえもん」 長門「いい」 8 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽)[] 投稿日:2011/10/29(土) 12:39:05.26 ID:4ZiZH00AO 長門「それより、今日はどうしたの?」 キョン「あぁそうだ。聞いてくれよナガえもん…またハルヒの奴俺に嫌がらせを」 長門「それは愛情の裏返し」 キョン「………」 長門「彼女の愛情表現はまるで小学生のそれ」 キョン「あのさ、やっぱりあの話はマジなのか」 長門「マジ」 キョン「つまりこのまま行くと俺は間違いなく…」 長門「あなたのこれからの未来は既に語った通り」 長門「その未来とは規定事項にして絶対不変に相当するもの。簡単にその未来は変わらない」 キョン「……」 9 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽)[] 投稿日:2011/10/29(土) 12:45:03.99 ID:4ZiZH00AO 高校に入学しての俺の日常は、中学までとは比べものにならないほどに変化していた、いや変化させられたと言うべきなのだろうか。 高校入学間もなく、俺は涼宮ハルヒと言う独裁者の様な女に目をつけられ、SOS団と言う訳のわからない活動目的不明な部活とも言えない集団に入れられ毎日の様に手酷い仕打ちや理不尽な扱いを受ける毎日。 俺の高校生活は正に地獄と言っても良かった。 そんなある日、この少女はやってきた。 名をナガえもん、俺をハルヒの魔の手から救いに来てくれたヒューマノイドインターフェイスと言う……まぁざっくばらんに言うと宇宙人だ。 10 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽)[] 投稿日:2011/10/29(土) 12:49:38.20 ID:4ZiZH00AO ナガえもんが言うには、涼宮ハルヒの行っている俺いじめは全て俺の気を引きたいが為。それは正に好きな子に意地悪をしたくなる様な、独占欲の表れらしい。 最初の内はさも取り留めの無いものだろうが、行為はエスカレートしていき俺は遂にハルヒに逆らえ無くなり、ハルヒとの結婚を強要され承諾してしまうらしい。 そうなれば俺は一生、ハルヒから逃れられない生き地獄を味わい悲惨な最後を遂げるのだと、このナガえもんは警告に来てくれた。 オマケにそんな未来を変える為、俺の家にて住み込みで働いてくれると言うのだから何とも頭が下がらない。 11 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽)[] 投稿日:2011/10/29(土) 12:54:52.37 ID:4ZiZH00AO だが、そんな未来を変える為には並大抵の事ではいかないらしい。 何やらハルヒと言う存在は、とんでもない人物らしく詳しくは知らないがこいつに俺が飼い馴らされる事すらも最優先事項として取り決められているんだとか、誰が決めたのやら。 だが、俺は絶対諦めんぞ。 あんな頭のおかしいS女に一生付き纏われるなんて 絶対ナガえもんと一緒に未来を変えてやる!! …………だが、この違和感はなんだ? 何で俺はこんなにも今の状況がおかしく思える? 12 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽)[] 投稿日:2011/10/29(土) 13:01:45.98 ID:4ZiZH00AO 長門「それで、どうする」 キョン「何が?」 長門「温泉旅行、貴方は私の力を使い温泉旅行について行き、彼女ら以上に楽しみ彼女らを羨ませたい?」 キョン「う〜ん、……それはしなくてもいいだろ」 長門「何故?」 キョン「俺が不愉快になったのは不当な扱いを受けているからだが、何も好き好んで奴らと行動を共にしたくないからな、あぁ朝比奈さんは別としてだが」 長門「…そう」 キョン「それならせっかくの休みだし、ナガえもんと一緒に何処かに出掛けるのも悪く無いだろう」 長門「………そう」 キョン「じゃあ、次の連休は何処に行くか決めておいてくれよ」 長門「了解した」 13 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(山陽)[] 投稿日:2011/10/29(土) 13:07:35.50 ID:4ZiZH00AO ハルヒ「キョン、あんた結局連休は一人ぼっちで寂しく過ごすんでしょ?」 キョン「…だったらなんだ?」 ハルヒ「あたしはそれでも全然構わないんだけど、もしあんたがどうしてもあたし達について行きたいなら、土下座でもして頼むんなら考えるだけ考えてあげても良いわよ!感謝しなさい」 キョン「あぁ、それなら別に良いさ」 ハルヒ「…えっ?」 キョン「せっかくの団長様の心遣いだからな。一人でしっかりと休ませてもらうさ」 ハルヒ「あ、後でやっぱり行きた〜い、だなんて泣きついてきても知らないわよ!」 キョン「ははっ、大丈夫だぞ」 ハルヒ「………」ボカッ キョン「って!何しやがる!!」 ハルヒ「うるさい!一発殴らせろ!」 キョン(殴ってから言うなよ)