カイジ「こいつが・・・B・N・F・・・」 1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/08/22(月) 01:35:15.85 ID:dphosvNU0 B・N・F「やあ、カイジくん」 兵藤「カイジくん、この人が例の方だ」 元手150万から・・・主に株式の売り買いによって・・・数千億という巨万の富を得た男・・・B・N・F・・・! 今宵・・・カイジがB・N・Fの家に招待された理由・・・それは・・・ 2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/08/22(月) 01:41:11.51 ID:dphosvNU0 三日前・・・ カイジ「兵藤、何のようだ」 兵藤「ククク、カイジくんに来てもらったのは、ある頼みがあるからだ」 その頼みとは・・・ 兵藤「わしの友人がガンを宣告されてな、余命もうわずか。最後に人生に華を飾りたいそうだ」 カイジ「それと俺に何の関係が・・・」 兵藤「鈍いのうカイジ。その方はお前とギャンブルがしたいと言っておる」 カイジ「ギャンブルだと・・・?そもそも、そいつは誰なんだ!」 兵藤「B・N・Fという者だ。わしもこの方に資産運用を依頼して稼いでもらった。ちょっとした恩があるのだ」 カイジ「何のゲームだ」 兵藤「それはわしも聞かされておらん。ただ、B・N・Fの方は全財産を賭けると言っておる。親も家庭もない奴に、失うものは何もない」 カイジ、B・N・Fとの対決を決意・・・! 6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/08/22(月) 01:53:38.95 ID:dphosvNU0 BNFを知らない人これ見て http://ja.wikipedia.org/wiki/B%E3%83%BBN%E3%83%BBF B・N・F「よく来てくれた」 カイジ「・・・・・・」 とても・・・とても・・・富豪には見えない・・・! 部屋の中央であぐらをかき、その脇には食べかけカップ麺 そのほかには、部屋の奥に何台ものモニターが並び、何かの金融商品のレートチャートが映し出されているのみ・・・ 特別なゲームができるような部屋ではない・・・っ! カイジは迷っていた・・・! ゲーム内容を訊くべきか・・・ 何を賭けるかを訊くべきか・・・ カイジが思いを巡らせていると・・・B・N・Fが口を開いた・・・! B・N・F「君の話は兵藤さんからうかがっているよ。いろいろとね」 9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/08/22(月) 02:04:45.95 ID:dphosvNU0 B・N・F「借金を返すために破格のギャンブルを繰り返し、幾多もの地獄を見た男・・・」 カイジ「照れるな・・・」 B・N・F「その末、ついに借金を完済し、現在は浮いた金で遊民暮らし」 これは意外・・・! カイジ「そこまで知っていたのか。なら俺にギャンブルを持ちかけても無駄だってわかるはずだが」 B・N・F「クックック・・・それは理性が発した言葉・・・本能はそんなこと言っちゃいないだろ・・・?」 10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/08/22(月) 02:13:07.20 ID:dphosvNU0 カイジ「何を言ってんだ?」 B・N・F「じゃあたとえば僕もいい。なんで僕は数千億まで稼いだんだ?」 カイジ「はあ?」 B・N・F「だって、一生働かずに暮らすのであれば、そんな額必要ないだろう」 カイジ「・・・確かに」 B・N・F「兵藤さんだってそう、遊んで暮らすためにしては金を持ちすぎてる」 兵藤「ふぉっふぉっふぉ・・・」 B・N・F「金持ちみーんなそうだ。金を稼ぐにはリスクが発生する。いままでの苦労すべてパーというリスクが。 しかしそれでも、遊んで暮らせる程度の金を稼いでも、大きなリスクを背負い金を追い続ける・・・」 カイジ「・・・・・・」 B・N・F「これはねえカイジくん。人間の性なんだよ。金を儲けるということにゴールは存在しないんだ。 人間・・・持ってしまったものの価値を過小評価してしまうのは・・・人間の性・・・!何十億稼ごうが、なぜかちっぽけに感じる・・・!!!」 13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/08/22(月) 02:20:11.30 ID:dphosvNU0 その通りだった・・・ カイジは・・・帝愛とのギャンブルによって得た金で・・・コンビニバイトをしていた頃よりもずっと良い暮らしができるようになった・・・ そこそこのマンションに住み・・・連日出前は当たり前・・・ 欲しい服を買い・・・でかいテレビを買い・・・ 四十前後のサラリーマンと同じ様な生活ができるようになった・・・! しかし・・・常にカイジの心に漂う空腹感・・・虚無感・・・倦怠感・・・ 前よりも・・・ずっと・・・ずっとずっと良い暮らしをしているはずなのに・・・ この言い知れぬ不満感は・・・どこからやってくるのか・・・ しかし・・・この不満感を払拭できるものを・・・カイジは知っている・・・!!! カイジ「・・・俺は何を賭ければいいんだ」 14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/08/22(月) 02:26:04.58 ID:dphosvNU0 B・N・F「覚悟は決まったのかい」 カイジ「ああ・・・」 カイジ「(金だ・・・金が欲しい・・・俺の欲求不満を解消できるのは金しかねえ・・・! 正直・・・兵藤から電話があったときホッとしたんだ・・・ ギャンブル・・・俺にはギャンブルしかない・・・ ビジネスで金を儲けるなんて俺にはできない・・・ 今回の話がなかったら・・・俺は発狂していたかもしれない・・・)」 カイジ「さあ言え、何を賭ければいい!」 17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/08/22(月) 02:40:47.65 ID:dphosvNU0 B・N・F「君の体だ」 カイジ「げっ・・・お前ホモか・・・?」 B・N・F「バカ言うな。君の体をもらう、そのまんまだ」 カイジ「はあ・・・?」 B・N・F「然るべき省庁・団体から認可が下りているわけではないが、某国において、 何の後遺症もなく脳を移植する手術ができるチームが存在するんだ」 カイジ「なんだと・・・」 B・N・F「君が負けたら、君がひっさげてる脳味噌をどかして、僕の脳味噌を持ってくるわけだ」 カイジ「それだったら別に俺じゃなくてもいいだろ!お前が金の力でそこらへんの奴やっちまえば!」 B・N・F「ハッハッハ、わかってないねえ。これは君に気合いを入れてもらうためだ。 僕は相場で勝ち続けてきた。感覚的に市場動向を察知し、面白いくらいにチャートの動きを予測できた。 あっという間に数千億稼ぐことができた。世間は相場をギャンブル扱いするが、僕にとってはその限りじゃなかったわけだ。 だから僕は、兵藤さんをしてギャンブルの天才と言わしめた君と、ギャンブルをしたいんだよ」 カイジ「・・・・・・」 B・N・F「勘違いしないで欲しいんだが、僕はギャンブル含め、負ける可能性のある勝負は絶対にしない。 さっき言ったように、僕は勝ち続けてきた。その中で、全財産を失って自殺した人間を何人も見てきた。 そして常々思っていたんだ・・・僕はねぇ・・・喫してみたいんだよ・・・敗北とやらを・・・ 僕は、今回の勝負では、勝っても負けても『勝ち』なのさ・・・ 殺ってくれるかい・・・この僕を・・・」 19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/08/22(月) 02:49:18.08 ID:dphosvNU0 カイジ「なるほど・・・お前を倒せるようなのは・・・俺くらいしかいないってわけか・・・」 B・N・F「やっとわかってくれたか」 カイジ「で、何をやるんだ」 B・N・F「マジシャンを呼んである」 カイジ「はあ?」 B・N・F「どうぞ入ってきてください」 カイジ「・・・・・・」 二回のノックのあと、外国人の男が、タンクトップ姿で入室・・・ マジシャン「Hello!カーイジー!」 カイジ「ハ・・・ハロー・・・」 B・N・F「カイジくん、今からこのマジシャンがマジックをする。 そのマジックのタネを見破ったら君の勝ち、見破れなかったら僕の勝ちだ。 午後6時から開始し、午前0時きっかしで終了だ・・・」 カイジ「なんだと・・・」 23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/08/22(月) 03:06:13.18 ID:dphosvNU0 B・N・Fが、このギャンブルの内容を詳しく説明する 1.午後6時ちょうどに、マジシャンがマジックを行う。 2.タネがわかった場合、「わかった」と言って実演又は口頭で説明。 3.わからなかった場合、カイジは午前0時までは何度でも再演を要求できる。マジシャンが実演中に時間を過ぎた場合はその時点で終了。カイジが実演中又は説明中の場合は最後まで行ってよし。 4.マジックにおいて使用する器具に触る機会は、一回目の直前のみ。それ以降に触った場合は反則とみなし、カイジの負け。 5.タネが外れていた場合又は制限時間を過ぎても当てられなかった場合はカイジの負け。 24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/08/22(月) 03:09:29.16 ID:dphosvNU0 カイジ「(この野郎・・・何が『敗北を喫したい』だ・・・思いっきり勝ちに来てんじゃねえか・・・)」 カイジがB・N・Fを心中罵倒している間に、午後6時・・・! B・N・F「では、始めて下さい」 マジシャン・・・実演開始・・・ 25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/08/22(月) 03:15:43.67 ID:dphosvNU0 マジシャンが持ち出したものは・・・ピンポン球・・・ マジシャン「ではまず、このピンポン球に変な仕掛けがないかどうかを確かめてくださーい」 カイジ、ピンポン球を受け取り、隅々まで確認 メーカーのロゴが薄く印され、接合の跡が線状に残っている カイジはピンポン球を地面に叩きつけ、バウンドの具合を確かめるが、 卓球の経験などほとんどないため、それが適正かどうかよくわからなかったが、おそらくは適正。このくらいだと思う・・・ カイジ「くっ・・・」 本来、マジックで使う器具に怪しさがないかどうかなど、やる前にやってもほとんど意味がないのだ どんなことをやるのかわからないのだから、どのあたりを重視して確かめれば良いかわからない そして、ほとんど、いや、世のすべてのマジシャンは、実演後に器具を触らせることなど決してない・・・! 26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/08/22(月) 03:24:50.61 ID:dphosvNU0 器具に触れるのはこの一回しかない・・・これには特に制限時間が設られていないため、ここでじっくり観察しない手ははない・・・ しかし・・・あまりにも時間をとり過ぎれば・・・実演の時間が減ってしまう・・・時間内回数無制限のルール上、無駄な時間は使いたくない・・・! カイジ「(くっそ)」 すでに十分を経過しているが、しかし・・・タネが一向に見つからない・・・! 中学時代・・・帰りがけに不良仲間とやった卓球で使った球・・・それとの違いがまったくわからない・・・! カイジ、遂に決意! カイジ「オーケーだ。やってみせてくれ」 28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/08/22(月) 03:46:18.38 ID:dphosvNU0 カイジ「(このマジシャンもB・N・Fに雇われてる人間・・・俺に勝たれたらそれなりにペナルティはあるはず・・・ 俺がピンポン球を調べてるとき・・・こいつは完全にポーカーフェイス・・・余裕なのか緊張してるのかさっぱりわかんなかった・・・ おちゃらけちゃいるが・・・なかなか据わってる・・・!)」 マジシャンは、腹の前あたりで、ピンポン球をピンと伸ばした左手の掌の上に乗せると、 そこにまたピンと伸ばした右手の掌をかぶせ、団子をつくるように、両手を平行に円状に回す。 この時点でカイジには球が見えていない。 二・三秒すると、そのまま左手の甲を見せる形で胸の方へ寄せ、左手で球を掴み右手をどかす。 球が包まれた左拳を軽くふるって手を広げて見せると・・・ カイジ「あ・・・」 オレンジ色だった玉は白に変わっていた。 29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/08/22(月) 04:00:58.37 ID:dphosvNU0 マジシャン「ジャッジャーーーン!」 カイジ「(あんなに平凡に見えたピンポン球に・・・タネがあったのか・・・)」 カイジ「(とりあえず、作戦はもう決まった。 最初の『検査』でタネがわからなかった以上、制限時間ギリギリまで何回もやらせる。 そして、こいつのミスをただひたすら待つ。それしかない。 この勝負は、こいつがミスするか否かが焦点。分かれ目。ポイント。 今からでも6時間弱。このマジックは一回につき一分もかからない。 単純計算で360回前後もやらせることができる・・・ミスはくる・・・!)」 カイジ、大方の方針を決め、部屋にあったイスにどっしりと座る。 カイジ「よおマジシャン。俺が『わかった』って言うまでずっと繰り返せ」 30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/08/22(月) 04:11:22.89 ID:dphosvNU0 カイジ「(途中でタネがわかったとしても、最後までやらせよう。 制限時間の途中で勝負を決めに言っても意味はない・・・)」 もう、何回行っているかわからない。時間は午後七時半。もう100回はやったか・・・ それでも・・・マジシャンはまったくスキを見せない・・・ しかし・・・カイジにもそれなりにわかってきたことがある・・・! カイジ「(たぶん、最初に団子つくるみたいにするやつは特にタネに関係ない。単なる時間稼ぎとカッコ付け。 初めは、右手にすり替えるための球が仕込まれてるのかと思ってたが、何回見ても球の影はない。 そしてこいつはタンクトップ。隠し持つのであればズボンしかないが、こいつが下の方に手を伸ばす瞬間なんてない。 やっぱり、タネは球にあるのか・・・?)」 B・N・F「――くん、カイジくーん」 カイジ「ああ?」 31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/08/22(月) 04:20:08.17 ID:dphosvNU0 B・N・F「やっと聞こえたか」 カイジ「話しかけるな。制限時間があんだぞ」 B・N・F「ものすごく集中してると思わないか」 カイジ「・・・・・・(無視だ無視)」 B・N・F「僕も取引してるとき、そうだった。目の前のモニターに全神経を集中していた。 大地震が来たときなんてまったく気づかなかったよ」 カイジ「(何いきなり語りだしてんだこいつは)」 B・N・F「勝負事はこれが当たり前だと思わないか?僕は投資で死んだ人間を何人も見てきたが、 そいつらは気合いが足りな過ぎるんだ。とんでもなくでかい額を賭けてるというのに、 漫画読みながらやったり、飯食いながらやったり・・・お話になりゃしない」 カイジ「(・・・・・・)」 B・N・F「奴らは負けて当然だった。そんな姿勢で金を儲けようというのがそもそも無理。 君がそういう人間じゃなくて良かったよ。なかなか楽しめそうだ。 僕のこの独り言にいちいち反応してきたらどうしようかと、内心ひやひやしていたんだ」 カイジ「(おい兵藤・・・こいつ黙んねえのか・・・)」 兵藤「ふぉっふぉっふぉ」 34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/08/22(月) 04:32:19.90 ID:dphosvNU0 カイジ「ええっ!!」 カイジ、ふと時計を見て驚愕・・・! あとたった一時間半・・・! カイジ「(めちゃめちゃ早え・・・なんて早さだ・・・物事に集中しているとこんなにも時間が過ぎるのは早いのか・・・!)」 しかし、タネの目星は突き始めている・・・! カイジが思い至ったのはこの三つ! ひとつめ、球が光を感知すると色が変化する ふたつめ、球が圧力を感知すると色が変化する みっつめ、球が振動を感知すると色が変化する そしてあるいは、このみっつのうちいくつかの複合性質・・・! カイジ「(間違いなく、俺が思いついた中に正解はある・・・だが・・・)」 だが・・・!!! カイジ「(実演は・・・一回のみ・・・!!!)」 36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/08/22(月) 04:38:37.78 ID:dphosvNU0 カイジ「(ひとつめの『球が光を感知すると色が変化する』を考えてみよう)」 ひとつめが正解だとすれば・・・ この部屋には明かりがついている。つまり、この球の元の色は白である。 最初に『検査』したとき、この球を光から遮ったことがあったかどうか・・・カイジはおぼえていない・・・! カイジ「(あのとき、球の『見た目』に気をとられてばかりで・・・『性質』には目がいかなかった・・・ いやでも、逆に考えろ。あいつは俺に球を手渡した。光を遮っただけで色が変化する球を、敵に渡せるか? 俺だったら渡さない・・・渡すことなどできない・・・)」 カイジ、この考えを基に、ひとつめの選択肢をナシとする 38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/08/22(月) 04:48:47.73 ID:dphosvNU0 カイジ「(ふたつめはどうだろうか・・・ これも違う。あまりに怖すぎる。こんなショボいタネで数百億は賭けられない) みっつめは、『検査』のとき床に叩きつけたことでナシなのがわかる 色はまったく変わっていなかった)」 結局、どの選択肢も根拠に乏しく、ひとつに絞ることができない・・・! カイジは、再びマジシャンの演技に注目する・・・ オレンジ色の球は掌の中で白に変わり、 白に変わった球は、掌の中で再びオレンジに戻る。 これが延々と繰り返されてきたのだ すり替えでなければ球にタネはあるはず・・・ カイジ「(はっ・・・)」 カイジ、ここにおいて、一筋の、光明・・・・・・ひらめき・・・・・ 40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/08/22(月) 05:02:37.23 ID:dphosvNU0 カイジは、ルールの2.が猛烈に気になり始めた・・・ ―2.タネがわかった場合、「わかった」と言って実演又は口頭で説明。 実演又は口頭で説明・・・ 実演又は口頭・・・ なぜこういうルールにしたのか・・・ マジックのタネがわかったのであれば、そのまま実演すればいい・・・ 口頭で説明などという紛らわしいことをあえてする必要などないはず・・・ ということは・・・する必要があるのだ・・・! "又は"というワードもクセモノ・・・ 口頭で説明した内容が正解であれば、その後に実演しても問題はない・・・ というより、説明した内容が正しいことを証明するために・・・どの道実演はされなければならないのだ・・・ カイジが閃いた選択肢は、口頭説明と実演の両方がなされなければならなかった・・・ そして今回の勝負のルールは・・・その条件を型にハメたようにきれいな穴があった・・・ カイジが閃いた球の性質・・・それは温度・・・! 43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/08/22(月) 05:18:30.72 ID:dphosvNU0 カイジは作戦を変更し、制限時間を残したまま・・・突進・・・ カイジ「わかった」 B・N・F「フフフ・・・、では、そこでやめ。カイジくん、口頭説明か実演か、どっちだい」 カイジ「口頭で説明させてもらおう。実演による説明だと、マジックを二回しなきゃいけねえからな」 B・N・F「ほお・・・」 カイジ、現在はオレンジ色の球を持ち、マジシャンに近づく カイジ「おいマジシャン、パフォーマンスは一切無しで、ただ、ごく普通に左手でこの球を掴め」 マジシャン「オーケーイ」 カイジはマジシャンの差し出した手の上に球を置き、握らせた後、マジシャンの腕を軽くおさえた。 カイジ「この球は、このマジシャンの手の温度に反応する。俺が握っても色は変わらない」 B・N・F「・・・・・・」 マジシャンが手を開くと、球は白に変化・・・ 今度はカイジがそれを握る・・・ カイジ「これで色が変わらなければ、俺が正解だ」 カイジ、手を開く・・・ 球は白のまま・・・! 45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/08/22(月) 05:30:17.71 ID:dphosvNU0 B・N・F「マジシャン。もういい、出て行ってくれ」 マジシャン「はい」 兵藤「ふぉっふぉっふぉっふぉ」 B・N・F「よくわかったなカイジくん」 カイジ「温度に反応するっていうのは、最初に俺が触ったとき、特に変化がなかったから選択肢に入れもしなかった。 だが、最後の方でルール2.を思い出してピンときたんだ」 B・N・F「どういうことだい?」 カイジ「なんで『口頭説明』を選べるのかってこと。タネがわかったことを証明するんだったら実演でいいはずなんだ。 マジックじゃなくて、タネ明かしのための実演だから、難しいものだったとしてもミスは許される。 それなのに『口頭説明』があるなんておかしい。これは、『実演』の選択肢はダミーで、俺だけが実演してもタネ明かしができないことの証拠だと踏んだ。 実演は一回だけだからな」 B・N・F「大正解だカイジくん・・・・・・敗北とは・・・こんなにも悔しいものなんだな・・・ハハハ・・・」 兵藤「じゃあ、B・N・Fよ、きみの財産はもらっていくよ」 B・N・F「はい・・・」 カイジ「・・・はあ!?」 46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/08/22(月) 05:41:51.02 ID:dphosvNU0 B・N・F「ああごめんカイジくん、僕は兵藤さんとも賭けをしていてね。彼には資産以外のものをすべてあげなきゃいけない」 兵藤「ふぉっふぉっふぉ、さすがカイジくん、期待を裏切らん」 カイジ「(このジジイ、俺を馬にしやがって・・・)」 B・N・F「もちろんカイジくんには全資産をあげよう。もっとも、兵藤さんにあげる不動産とかの方が総合すると価値は高いんだけどね」 カイジ「ふざけんなジジイ!てめえ何もしてねえくせに!」 兵藤「あまったれるな餓鬼。真の強者とは、表立った勝負事に参加したりはせんのだ」 カイジ「くっ・・・」 B・N・F「いいかいカイジくん、世の中、常に誰かが他の誰かのことをダシに金儲けしようとしているんだよ。 自分が大儲けしたつもりでも、その裏でもっと儲けている人間がいる。僕もそうして儲けてきた」 カイジ「きたねえ奴ら・・・」 B・N・F「きみ専用の口座をつくってある。これがカード、通帳と暗証番号。ここにもう全部入ってある。 いくらでも使ってくれ。君のものだ」 カイジ「お・・・おう・・・ であのー、ちなみになんだけどよ、兵藤」 兵藤「んあ?」 カイジ「お前は何賭けてたんだよ」 47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/08/22(月) 05:50:29.97 ID:dphosvNU0 兵藤「政治家10匹じゃ」 カイジ「せ、政治家だって?」 B・N・F「ああ、日本のために通して欲しい法案がいくつかあってね。僕は政界と通じてはいないからさ」 カイジ「想像もできないな・・・」 B・N・F「君がいま手にした金でいろいろやってみるといい」 カイジ「俺が!?」 B・N・F「ああ。結構見込みがあると思うよ。金儲けで重要なのは決断だ。 ある金融商品の価値が上がるのがわかりきっているのに、いつまでも取引に迷っていたり小額をかけたりするやつはダメだ。 君はさっきのマジックで、いくつかの選択肢を思いつき、その中のひとつに間違いないと思って、制限時間を残したまま勝負にきた。 ああいうのは普通の人間にはできないんだよ」 カイジ「いや、俺は金で金を釣るような真似はしたくねえ」 B・N・F「そうかい。残念だ。また負け」 兵藤「ふぉっふぉっふぉ、今度の賭けもわしの勝ちじゃな」 カイジ「また賭けてたのかよ!B・N・Fに金はもうないのに何を賭けてたんだ?」 兵藤「髪の毛じゃ」 終わり