鶴屋「キョンくんの事が好きなのさ〜」 キョン「・・・」 12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/10(木) 16:24:35.59 ID:pL+hsuk90 鶴屋「キョンくんの事が好きなのさ〜」 キョン「・・・」 鶴屋「本気にょろよ?」 キョン「いや、鶴屋さん、気持ちはありがたいんですが…」 鶴屋「おやおや〜?お姉さんじゃ不満ってことかなぁ?それはめがっさ傷つくなぁ…」ニョローン キョン「いえ!そんなことはないんですが…」 14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/10(木) 16:34:01.76 ID:pL+hsuk90 鶴屋「ほんとっ?んじゃ今度の土曜日、デートだねっ」 キョン「え?いや、そのh」 鶴屋「来ないと死刑にょろよ!そいじゃね、キョンくんっ!」 キョン「やれやれ、どっかで聞いたセリフだな…」 キョン「しかし困った。次の土曜日はあの恒例行事がある日だったな…だが鶴屋さんのお誘いを断るわけにもいくまい」 16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/10(木) 16:43:52.00 ID:pL+hsuk90 prrrrr… ピッ ハルヒ「なによ?」 キョン「よう。あー…土曜の不思議探しなんだがな、急用が出来て行けそうにないんだ」 ハルヒ「はぁ?あんたに急用なんて…。まあいいわ、用事の内容によっては欠席も認めるわよ。あたしだって鬼じゃないんだから」 キョン「デートだ」 ハルヒ「え?」 キョン「デート」 ハルヒ「で、ででデートってだ、誰とよ!?何よデートって!?」 キョン「俺がデートしちゃおかしいか?まあいい、相手は鶴屋さんだ」 ハルヒ「えええええ!?つ、鶴屋さんって…。ははーん、さてはみくるちゃん関係で付き合わされてるわけね!?みくるちゃんへのプレゼント一緒に選んでくれとかでしょ!?」 キョン「いやデートだ」 ハルヒ「…」 17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/10(木) 16:57:52.91 ID:pL+hsuk90 キョン「鶴屋さんが『デートしよう』とおっしゃったんだからこれはもうデートとしか言いようがないだろ。第一朝比奈さんへのプレゼントなら同性であるお前に相談しそうなもんだがな」 ハルヒ「鶴屋さんが…デート…キョンと…」 キョン「んでどうなんだ?土曜日は」 ハルヒ「デートって…デートって…」 キョン「やれやれ、デートがゲシュタルト崩壊してきたぜ。土曜日は欠席ってことでいいんだな?んじゃな」 キョン「ふぅ、まず第一の難関は突破したぜ。しかし鶴屋さんとデートか…考えてみればこれはかなりワクワクな話じゃないか?土曜日が待ち遠しいぜ」 18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/10(木) 16:59:38.00 ID:pL+hsuk90 −−−−翌日−−−− キョン「よう、古泉か」 古泉「どうも。一つお話があるのですが」 キョン「今日ハルヒが学校を欠席していることについて以外で頼む」 古泉「すみません、ご希望には添えないようです。単刀直入にいいます、鶴屋さんとのデートを断ってください」 キョン「やなこった」 古泉「お願いします。昨日の夜から閉鎖空間が過去に類を見ない頻度と規模で発生しています。僕もなんとか抜け出して今ここにいるくらいなんです」 キョン「仕事が増えてよかったな。悪いが鶴屋さんとのデートは断われない。彼女の気持ちはどうする気だ?」 古泉「世界の破滅と天秤にかけていただきたいものです。聡明なあなたならどちらが大切かぐらいは…」 20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/10(木) 17:03:13.23 ID:pL+hsuk90 キョン「オフコース、鶴屋さんだな」 古泉「そうですか…あなたも困った方ですね」 キョン「ハルヒほどじゃないさ。もう話はいいか?今日はSOS団も休業だな、団長様がいねぇんだし。そいじゃな」 22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/10(木) 17:11:20.56 ID:pL+hsuk90 −−−−翌日、土曜日−−−− キョン「よし、まずは鶴屋さんの家だったな。しかし良いデート日和だ」 prrrrr… ピッ キョン「古泉か?」 古泉「おはようございます。我々は予定通り不思議探しを行います。もちろん、涼宮さんもね。途中からでも構いません、必ず参加してください。途中からでも参加すれば彼女の機嫌は直るでしょう」 キョン「そうだな。行けたら行くわ」 古泉「その言い回しにろくな結果が待っていないのは自明ですが…。くれぐれも、お願いします」 ピッ キョン「同じ不思議を探すなら鶴屋さんと一緒のほうが何倍も幸せな気分で探せるっつーもんだぜ」 24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/10(木) 17:19:44.17 ID:pL+hsuk90 −−−−鶴屋邸−−−− 鶴屋「キョンくーんっ!おはよっ」 キョン「おはようございます、鶴屋さん」 鶴屋「めがっさ良い天気だねー昨日お祈りした甲斐があったよっ!」 キョン「鶴屋さんに祈られて晴れない空なんて世界中探してもないでしょうね。それで、どこ行きましょうか?」 鶴屋「あはは!そうだねぇ…駅前ぶらぶらするのなんてどうにょろ?一緒にお買い物しようよっ!」 キョン (駅前か…あいつらもあそこで不思議探索をしてるだろうな。しかし土曜日で人通りも多いし大丈夫だろう) キョン「いいですね。行きましょう。駅前ならうまい店も何件か知ってますよ」 鶴屋「うわお!それはめがっさ楽しみだねっ」 25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/10(木) 17:31:26.74 ID:pL+hsuk90 −−−−駅前−−−− キョン「さて、まずどこ行きますか?」 鶴屋「あ!キ、キョンくん…ごめん!さ、財布忘れちゃったみたい…」 キョン「なんと、鶴屋さんが財布をお忘れになるなんて珍しいこともあったものですね。でも安心してください、今日は幸い手持ちが十分にあるので大丈夫ですよ」 鶴屋「ほんとごめんキョンくんっ!今度何かおごらせてもらうっさ!」 キョン「いえいえ、いつも鶴屋さんにはお世話になってますから。さ、行きましょう」 −−−−デパート内−−−− 鶴屋「これはどうにょろ?似合ってるかなっ?」 キョン「鶴屋さんなら何を着てもお似合いですよ」 鶴屋「そんなこと言わずにちゃんと見てよキョンくーん」 キョン「いえいえ、本気ですよ。……ん?」 27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/10(木) 17:48:04.53 ID:pL+hsuk90 店員「すみませんお客様、ちょっと奥へ来ていただいてもよろしいですか?」 鶴屋「え?あたしっ?」 店員「そうです。奥へお願いします」 鶴屋「なんだろ…ごめんキョンくん、ちょっと行ってくるねっ!」 キョン「はい、待ってます」 キョン「おかしい。30分も経ったのに何の音沙汰もない。鶴屋さんの事だ、大丈夫だとは思うが万一ってこともあるしな…」 ガチャ キョン「すみませーん……ん?」 鶴屋「キ、キョンくーん…助けて…」 キョン「い、一体何があったんですか?」 店員「君、この子の彼氏さん?君の彼女がどうやら万引きをしたみたいでね。これ、このポーチなんだが」 鶴屋「キョンくんっ!ち、違うにょろ!あたしはなんにもしてないっさ!ここに連れられて来て、カバンの中を見たらそのポーチが…」 29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/10(木) 17:53:18.39 ID:pL+hsuk90 キョン「分かってますよ、鶴屋さん。俺はいかなる時でも鶴屋さんのおっしゃる事を信用しますよ」 店員「君たちねぇ、あんまりしらを切るなら警察を呼ぶよ。店内には君たち以外いなかったんだし」 キョン「ちょっと待ってくれ。あんたは俺か彼女がポーチをバッグに入れたところを見たのか?」 店員「いや、直接は見ていないよ。しかしつい数十秒前に並べ直したポーチが無くなっていたからね。そして店内には会計前の君たちしかいなかった。誰かがカバンに入れたとでも?」 キョン「カメラは?」 店員「ん?」 キョン「店内に防犯カメラがあったろ。あれを見てくれ。俺や彼女はそのポーチに指一本触れていない。カメラを見れば分かる」 店員「君たちの首を絞める結果にならないといいけどね」 −−−−−−−−−− 店員「お、おかしい…この時はまだたしかにポーチはここにある…。しかし次のフレーム…ここで何故急にポーチが消えるんだ!?誰も触っていないのに!」 キョン (こ、これは……) 30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/10(木) 18:07:06.10 ID:pL+hsuk90 キョン「どうだ?俺たちは指一本そのポーチに触れちゃいないぜ。その映像でポーチが消えたその瞬間に彼女のバッグにそれが入っていたかは分からない。だが消えた瞬間数m離れた位置にいる俺たちがポーチを触ることは不可能だろ」 店員「し、しかし…」 キョン「…分かった。このポーチは買いますよ」 鶴屋「キ、キョンくん…」 キョン「だが万引きを許してもらおうと思って買うんじゃない。その映像で分かるが俺たちは指一本ポーチには触れてない。ましてやバッグに入れるなんて全くできるはずがないんだ。俺たちは無実、あんたもそれは認めてくれ」 店員「う…」 鶴屋「キョンくん…悪いにょろよそんな…」 キョン「いえいえ、いいんですって。幸いほら、可愛いポーチじゃないですか。鶴屋さんにピッタリだ」 鶴屋「キョンくぅん…」 キョン「俺たちは万引きはやっていない。しかしバッグに何故かポーチは入っていた。まあこのポーチとは前世からの因縁でもあったんだろうさ。ここはその宿命で俺が買いますよ。それでみんなチャラだ」 32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/10(木) 18:21:09.48 ID:pL+hsuk90 −−−−再び駅前、路上−−−− 鶴屋「キョンくん、ほんとごめんね…何でポーチがあたしのカバンに入ってたんだろ…」 キョン「いえ、ほんとに気にしないでください。そのポーチ、むしろ愛着が湧いてきましたよ」 鶴屋「うんっ、ありがとうキョンくん!このポーチも買ってもらいたくてカバンに入って来たのかもねっ!えへへ…大切に使うよっ!」 キョン「ええ。そうしていただければ俺もポーチも報われるってなもんです」 ポツッ ポツッ 鶴屋「え、雨?そんなぁ、今日は降水確率0%のはずにょろ〜…」ニョローン キョン「ちょっとまとまって降りそうですね。そこの喫茶店に入りましょう」 33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/10(木) 18:27:05.83 ID:pL+hsuk90 −−−−喫茶店−−−− 鶴屋「残念だねぇ…せっかく良いお天気だったのにさー」 キョン「空も気まぐれを起こしたい日もあるんですよ。さて、何か食べましょう」 鶴屋「そうだねっ!メニュー、メニューっと!……あっ!」ガチャン キョン「だ、大丈夫ですか!?」 鶴屋「はは、お水こぼしちゃったよっ…服までビッショリだっ!あはは…」 キョン「早く拭いたほうがいいですね。すいませーん!おしぼりいくつかいただけますかー!」 45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/10(木) 19:19:39.88 ID:pL+hsuk90 −−−−−−−−−−−− 鶴屋「なんかごめんねキョンくん…せっかくのデートだったのに…財布は忘れるわ万引きに間違えられるわ降水確率を無視するわ、挙げ句の果てに避難したのに服ビショビショ…あはは、なんか今日は運が悪いっさ!」 キョン (これは……。さっきの水、鶴屋さんの肘がコップに当たる前に一人でに倒れたように見えた…。そして不可解な万引き騒動、雨…おそらく鶴屋さんも財布はちゃんと持って家を出たはずだ。ここに来る前『消えた』んだろうな…。) キョン(古泉の嫌がらせか?いや、こんな馬鹿なことを考え、しかも実行できる奴は一人しかいない。大方「デートをむちゃくちゃにしてやる」とか考えてんだろうね、やれやれ) キョン「こんな日もありますよ、鶴屋さん。晴れ女も晴れてばっかりじゃ疲れちゃいます。たまには雨粒見てゆっくりすればいいんですよ」 鶴屋「あはは…それでもやっぱり悲しいっさ…昨日あんなに晴れますようにってヒックお願いしたのにねっ…財布だってきちんと持ったはず、な、なんだけどね…いつもは…こ、こんなふうじゃな、ないんだけど…グス」 46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/10(木) 19:25:35.62 ID:pL+hsuk90 キョン「……」 キョン (おいハルヒ。満足か?お前の望み通りデートは上手くいかず鶴屋さんは泣いてるぞ) キョン (くそっ!ちょっと考えればハルヒの邪魔が入ることなんて分かることじゃないか。鶴屋さんに好きと言われてデートに誘われて、浮かれてた結果がこれだ。鶴屋さんを泣かす羽目になってる。ちくしょうが。自分が恨めしいぜ) 48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/10(木) 19:34:35.69 ID:pL+hsuk90 鶴屋「あはは、なーんか涙が出てくるっさ…グス」 キョン「……」 ガーッ ハルヒ「あ!やっぱり!キョン、こんなとこにいたのね!」 みくる「す、涼宮さん、ダメですよぉ」 古泉「…神の逆鱗に触れるとはこういう事を言うんですかねぇ」 鶴屋「!!」ゴシゴシ キョン (…このクソ女、直接叩かなきゃ気が済まないってか?わぞわざ現れなくてもいいじゃないか。もう満足だろう…!) キョン「てめぇハルヒ!」 鶴屋「ま、待ってキョンくんっ!」 55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/10(木) 20:10:35.84 ID:pL+hsuk90 キョン「鶴屋さん!?」 鶴屋「やっぽー!ハルにゃんにみくるに有希っこに古泉くん!」 ハルヒ「つ、鶴屋さん…」 鶴屋「あはは、バレちゃったかっ!ごめんねっ!今日一日キョンくん借りちゃったよ!」 ハルヒ「鶴屋さん…デ、デ、デートって…」 鶴屋「ああそれ冗談っ!ほんとはさ、こっから電車でちょこーっと行ったところにいい感じの心霊スポット見つけたのさ!先にキョンくんに下見してもらって、ハルにゃんたちにサプライズでお披露目しようって計画だったにょろよ!」 キョン (鶴屋さん…?) ハルヒ「え、いい感じの心霊スポット?やあね鶴屋さん、そういうことは真っ先にあたしに言わないとダメよ!でもサプライズの精神は評価できるわ!」 鶴屋「ごめんごめんっ!あはは!」 58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/10(木) 20:21:56.40 ID:pL+hsuk90 ハルヒ「それにしてもキョン!冗談を真に受けてほんとに恥ずかしい奴ねあんたは!デートって単語でホイホイ釣られるような節操のない団員なんて認めないわよ!」 キョン「悪かったな。まあ聞いての通りだ。あくまでSOS団のサプライズイベントのためだったんだ。そう怒るな」 鶴屋「そうだ、どうせバレちゃったんだし、今からみんなで行かないかいっ?ちょうど日も暮れてきて、きっといい感じにょろよ〜?」 ハルヒ「そうね、そっちのほうが不思議を発見できそうだものね!そうと決まればみんな、すぐに行くわよ!」ダッ みくる「あ、わ、引っ張らないで涼宮さんっ」 古泉「どうにか収められたようですね。流石は鶴屋さんといったところでしょうか」 タッ 61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/10(木) 20:34:59.05 ID:pL+hsuk90 キョン (ふぅ…やれやれ) チョンチョン キョン「ん?」 鶴屋「やっぱり抜け駆けは上手く行かないっさ!ざーんねん無念っ!あははっ」 キョン「鶴屋さん…」 鶴屋「キョンくんもナイス演技だったよ!伊達にハルにゃんたちとSOS団やってないねっ」 キョン「鶴屋さん…実は今日の不運は…」 鶴屋「おっと、その先は……ね?」 キョン「ほんと鶴屋さんには頭が上がりませんよ」 鶴屋「あはは!さ、ハルにゃんたちが待ってるよっ!」 鶴屋「あ、キョンくん、ちょっと耳貸してっ」 キョン「はい?」 65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/10(木) 20:52:11.55 ID:pL+hsuk90 鶴屋「今度こそ絶対2人きりでまわるっさ。次は『冗談』にはさせないよっ」 キョン (!) キョン (来世、いや未来永劫、鶴屋さんには足を向けて寝れないな) キョン「鶴屋さん!」 鶴屋「ん?なんだいっ?」 キョン「まだ言ってませんでしたよね。…俺もあなたが好きです!」 鶴屋「えへへっ、やっぱり今日は最高に良い日にょろ!」 −−−−終わり−−−− 73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/10(木) 21:03:05.60 ID:pL+hsuk90 遅筆で本当に申し訳ないっす 初めてSS書いたから何度も推敲してたら遅くなってしまった ほらよ>>1これでいいか!俺はもう寝るぞ!