ハルヒ「チョコ作るわよ」 66 名前:54[] 投稿日:2011/02/15(火) 01:08:56.39 ID:w/Lu9Ifh0 2/13(日)キョン宅にて ハルヒ「チョコ作るわよ」 妹「はーい!」 長門「了承した」 みくる「頑張りますっ!」 ……………… ………… …… ハルヒ「……固まらないわね」 妹「わたしのもー」 みくる「なんか白ぽいです…」 長門「…割れた」 67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/15(火) 01:10:24.36 ID:w/Lu9Ifh0 ハルヒ「って、言ってたところに、あんたが返ってきたってわけ」 至極分かりにくい説明だな… まあ、シンクの上のバットを見れば、大体想像はつく。 ようするに、だ。 キョン「生チョコを作ろうとして、失敗した訳だな…」 ハルヒ「そうとも言うわね」 そうとしか言わん。 …鍋にチョコが入ってるのはいいんだが… キョン「コゲてんな…」 長門「湯撰という手法を忘れていた、迂闊だった。」 キョン「…まあ、ハルヒ達は湯せんはさすがに知ってたみたいだが…湯が混ざったな?」 ハルヒ「ちょっとぐらい問題ないわ」 キョン「ちょっとで問題になった奴が言うな」 大体、生チョコ作るときはちょっとでもチョコレートの成分が変わったら……? 68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/15(火) 01:14:45.76 ID:w/Lu9Ifh0 さて、俺の目線の先には、ふたが開けっぱなしのごみ箱があるわけだが… 茶色い包み紙とアルミホイルが大多数を占める中に、赤いものが見え隠れしている。 キョン「ハルヒ」 ハルヒ「なによ?」 キョン「M○rinagaとL○TTE混ぜたな」 ハルヒ「そうよ?この組み合わせ一番おいしいんだから!」 キョン「で、ほかのみんなは明○か…レシピは全員○治についてるレシピで作ったのか?」 みくる「そうですけど…」 なるほどね。ハルヒのは固まって当然だな。 69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/15(火) 01:15:46.27 ID:w/Lu9Ifh0 ハルヒ「どうしてよ?」 チョコレートっていうのは、たとえ板チョコでも、メーカーによって、カカオや砂糖、バターなんかの量が 全然違ってくる。 大抵パッケージに書かれてる調理例っていうのは、その板チョコを使うことが前提になってるから、 別のメーカーのを使うとうまく固まらないことが多い。 こっちのほうが高いからとか質がいいからとか美味しいとか、バレンタインデーだからと張り切るのは いいんだが、その結果失敗してちゃ、本末転倒だな。 妹「ねえねえ、キョン君。私のは?」 お前のも似たようなもんだ。こっちは生クリームが途中で別のが混ざってる。 みくる「でも、メーカーは一緒ですよ?」 キョン「成分が異なるものは、たとえ同じメーカー製でも混ぜてはいけないんです。」 というか、そもそも、この場合は生クリームが途中でホイップになってるし。 70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/15(火) 01:22:01.36 ID:w/Lu9Ifh0 キョン「朝比奈さんは…分離してますね。」 みくる「何がダメだったんですか?」 キョン「多分ですが、生クリーム、あんまり温まってなかったんじゃないでしょうか?」 みくる「でも、湯気がたってましたよ?」 キョン「生チョコの場合は、沸騰するかしないかのギリギリまで温めるんです」 長門「!?」 おっと、長門は心当たりがあるみたいだな。なら、説明は省いちまうか。 キョン「まあ、論より証拠だな」 71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/15(火) 01:23:10.37 ID:w/Lu9Ifh0 さて、お菓子と言うと、料理よりも難しいと思う奴らが多いと思う。 実際その通りと言えなくもないが、ある意味、こちらのほうが簡単かもしれない。 とりあえず言えることは、メーカーのサイトの指示通りのこと以外しなければ、絶対にそれができる。 これは補償できる。今回は一番スタンダードなやり方を紹介している、明治製菓のレシピどおりに動いていく。 食いたい奴はググれ。多分作れるから。 ハルヒ「ちょっと、石畳チョコって書いてあるわよ?」 キョン「生チョコの別名だ。おはぎとぼた餅みたいなもんだから気にするな。」 とりあえず、今回はA4紙大の生チョコのレシピだ、 メモっといてもいいが、これはあくまである程度の人数分作ることを前提にしてることを忘れるなよ。 明治ミルクチョコレート8枚(464g) 明治ピュアココア適量 生クリーム240ml はちみつ大さじ2杯 73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/15(火) 01:24:57.86 ID:w/Lu9Ifh0 さて、ここからが本番だな。 まずキッチンを15〜18℃程度にする。 これ以上だとチョコが解けるし、これ以下だとのちのちの作業がやりにくい。 次に清潔で「乾燥した」まな板を用意する。 みくる「乾燥させるんですか?」 キョン「水は熱伝導率が悪いので、まな板に残っていると、刻んだチョコが溶けやすくなるんです。」 次にチョコレートを細かく刻んでいく。 このとき、包丁が板チョコに対して斜めになるように細かく刻む。 後でだまになるのを防ぐために、均等な薄さになるように刻むのがコツだ。 切り終わったらA4紙大のバット(常温)にラップを敷いて置く。 このとき、見栄えを良くするために、ラップとバットの間に、 なるべく空気が残らないようにしたほうがいい。 まあ、底も切るから関係ないって人はそのままでもいいがな。 ハルヒ「どっちよ?」 キョン「どっちでもいいってことだ。」 ちなみに、バットを用意したからって、刻んだチョコをここに入れるわけじゃないからな。 長門「………」 妹「あははは…」 75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/15(火) 01:26:33.12 ID:w/Lu9Ifh0 さて、次はチョコを溶かすわけだが、 今回はめんどくさいので湯せんはしない。失敗が目に見えてるしな。 みくる「でも、直接火にかけたらまずいですよね…」 キョン「当然ですねぇ」 そんなことしたらコゲるからな。 みくる「なら、どうして鍋を出したんですか?」 なるほど、そういうことか。 キョン「別に、これに今すぐチョコを入れはしませんよ。」 ハルヒ「わかった!鍋を熱してから入れるのね!」 キョン「ハズレだ」 それじゃどの道焦げるだろ。 76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/15(火) 01:29:14.19 ID:w/Lu9Ifh0 キョン「まあ、答え合わせと行くか。まず生クリームを鍋に入れる。はちみつはこの時一緒に入れる。 比加減は中火にして、生クリームが泡立たないように、木べらで混ぜながら温める。」 ここで長門マジック、すでに湯気がでてるな。 キョン「ふつふつとぐつぐつの中間くらいで火を止めて、作業がしやすいようにシンクへ移動させる。」 もし誤って沸騰させた場合は、あきらめてコーヒーのお供にしたほうがいい。 無理に使うとチョコが乳化せず、しかも水分が少なくなったために割れちまうからな。 長門の失敗は多分これだな…。 77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/15(火) 01:30:16.64 ID:w/Lu9Ifh0 さて、生クリームが温まったところで、刻んだチョコのご登場というわけだ。 チョコを静かに投入しながら混ぜ始めるわけだが、余り強い力で混ぜると、 空気が多く入ってしまうから注意が必要だ。泡立て器で混ぜるのは最初の内だけにして、 途中からはゴムべらを使ったほうがいいな。 ハルヒ「温度が足りなくて解けない時はどうすんの?」 そんときは湯せんで温めるしかない。間違っても、鍋ごとに火かけるなよ? 後、湯せんをするときは温度に注意がいる。余り温めすぎると、チョコが分離しちまうから気をつけろ。 なめらかになったところで、バットに流し込む。 表面が平らになるように慣らした後、冷蔵庫で2時間程度冷やしておく。 まあ、リビングで映画でも見てるうちに終わるな。 78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/15(火) 01:33:49.47 ID:w/Lu9Ifh0 妹「じゃあ、トイストーリー見ようよ!」 妹の一言により、いきなり3を見る羽目になっちまった。 まあ、やることもないし、断る必要もない。 子どもの娯楽につきあってやるさ。 ………。 ………………。 キョン「さて、あんな子供向けの映画で泣かされちまったわけだが…」 ハルヒ「あたし、家に帰ったらリカちゃん探してみるわ…」 さすがのハルヒも、すっかり感化されたようだ。 さて、俺のトミカとプラレールは…確か倉庫にまだあったはずだよな… まあ、それはさておき、チョコレートは…っと。 79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/15(火) 01:34:57.83 ID:w/Lu9Ifh0 なんともほほえましいやり取りを聞きつつ、冷蔵庫を開けてラップの上からチョコを押してみる。 まあまあの硬さだ。 バットからラップごとチョコの塊を取り出して、まな板の上に載せる。 包丁を湯通しして温めた後、ふきんで水気を良く拭き取って、 大体1.5〜2cm四方の大きさに切り分けていく。 切れ端は胃の中に処分してかまわん。 最後にココアを入れた容器の中に少量ずつ サイコロ状態の生チョコを投入して転がしていけば完成だ。 妹「わーっ!!すごーいっ!」 さすがに小学生だけあって、妹が一番うれしそうだ。 料理に限ったことじゃないが、子どもの歓喜ってのは一番の労いだね。 80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/15(火) 01:35:55.46 ID:w/Lu9Ifh0 妹「絶対おいしいよ、これっ!」 食ってもいいが、友達にあげる分は残しとけよ。 妹「わーい!キョン君大好きっ!」 そうかい。なんとも現金な奴だな。まあ、悪い気はしないがな。 みくる「本当に美味しそうですね」 そうだといいんですがね ハルヒ「これ、もらっていいの?」 ああ、かまわん。食うもよし、もっていくもよし、誰かにあげるもよしだ。 長門「………」パク どうだ?うまいか? 長門「…興味深い」 どういうふうに? 長門「甘いとも苦いとも言い難い。硬くもなく、軟らかくもないが、やわらかく硬い。」 そうかい。なら… キョン「今回は上出来だな。」 81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/15(火) 01:39:45.22 ID:w/Lu9Ifh0 キョン「つーのが、まあ、昨日の我が家の台所の一部始終だ。」パチ 古泉「それはそれは、なかなか面白いお話ですね。」パチ キョン「面白いと言えば、お前の玉将がそろそろ面白いことになってるな。」パチ 古泉「つまりです。あなたのかばんに入っている包みのうち、3つはあなたが作ったもの、ということですね。」パチ      バチッ キョン「王手、と。言っとくがな、お前の包みのうち3つも同じことが言えるわけだぞ?」 古泉「おや、負けてしまいましたね。でしたら、ホワイトデーはあなたにもお送りいたしましょうか?」 キョン「どうせまた俺がおまえの分も作るんだろ?結局自分に回ってきてるだけじゃねえか。」 古泉「いっそのこと、我々団員全員で作る、というのはどうでしょうか」 キョン「……好きにしろよ。」 83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/15(火) 01:42:24.02 ID:w/Lu9Ifh0 これで一応おしまい。 で、これ書いてるうちに倉庫にあるはずのミニ四駆が気にあったのであさってくる。