長門「…ゴッホが咳をした」古泉「………」 109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/31(金) 18:27:25.13 ID:4wuhhWhXO 長門「ッコホ…ッ…」 古泉「おや、長門さん風邪ですか?」 長門「ゴッホが咳をした。ゴッホゴッホ…」 古泉「だじゃれを言っても駄目ですよ。咳が出るんですか?」 長門「喉にタンがつまっているだけ、風邪などひいていない…コホッ」 古泉「隠せてない、隠せてないですよ長門さん」 112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/31(金) 18:31:29.98 ID:4wuhhWhXO 古泉「最近は寒くなってきましたからねぇ。というか、宇宙人も風邪をひくんですか」 長門「風邪ではないと言っている」 古泉「…どれ」ピタッ 長門「!」 古泉「おでこ、少し熱くなってます。熱があるのではないでしょうか」 長門「…そう」 115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/31(金) 18:35:00.88 ID:4wuhhWhXO 古泉「今日はもう帰られたほうがいいです。悪化しては大変ですし…」 長門「……」 古泉「皆さんには僕から伝えておきますよ」 長門「……」 古泉「長門さん?」 長門「……」 古泉「…帰りたくないんですか?」 116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/31(金) 18:39:38.82 ID:4wuhhWhXO 長門「……」コクリ 古泉「…困ったものです。治るものも治りませんよ?」 長門「……帰りたくない」 古泉「治らなくてもいいと?」 長門「……そう」 古泉「…どうなっても知りませんよ?」 長門「……」 古泉「……」 118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/31(金) 18:44:40.93 ID:4wuhhWhXO 長門「……コホッ…」 古泉「!……」 長門「……」 古泉「……」ゴソゴソ 長門「……?」 古泉「あの…これ、よろしければ」 長門「風邪薬…」 古泉「はい。気休め程度ですが…あ、あとこれも…」 長門「…カイロ」 古泉「極力、暖かくしてください。あ、ストーブも近くに持ってきますね」 長門「…ありがとう」 119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/31(金) 18:50:28.56 ID:4wuhhWhXO 古泉「いえいえ。それにしても何故帰りたくないんですか?」 長門「……鬼嫁」 古泉「え?」 長門「家には鬼嫁がいるから」 古泉「鬼嫁、ですか…?」 古泉(長門さんは一人暮らしのはず…) 長門「古泉一樹」 古泉「あ、はい?」 長門「来てほしい」 古泉「…え?」 長門「家に、来てほしい」 120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/31(金) 18:58:58.03 ID:4wuhhWhXO 古泉「え、あ、長門さんの家にですか?僕が?」 長門「…だめ?」 古泉「駄目、ではないですが…」 古泉(鬼嫁って何ですか…) 長門「そう。帰る支度をする。涼宮ハルヒ、朝比奈みくる、彼には私から連絡を入れておく」ピポパポピ キョン『なんだ?長門から電話なんて珍s』 長門「今日は部活を休む。古泉一樹も休む。あなたから二人に伝えておいて」 キョン『は?ちょっ…』ブチッ 長門「何をしてるの、早く帰る準備を」スタスタ 古泉「は、はい…」 122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/31(金) 19:07:14.70 ID:4wuhhWhXO 長門「……」スタスタ 古泉「……」スタスタ 古泉(長門さんと下校なんて初めてだな…さっきの饒舌には驚いたけど…) 長門「……ゴホ」 古泉(風邪もひいているようだから、放ってはおけないし…) 古泉(はたして家にまで押し掛けていいものだろうか…) 長門「着いた」 古泉「あ…着いちゃった」 123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/31(金) 19:10:23.40 ID:4wuhhWhXO 長門「ようこそ」ガチャ 古泉「おじゃまします」 長門「気をつけて…」ボソ 古泉「え?」 朝倉「あ、長門さん!おかえりなさ…い…」 古泉「!!」 朝倉「?!」 124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/31(金) 19:16:48.56 ID:4wuhhWhXO 古泉「あなたは…」 古泉(機関から聞いた通りなら、情報統合思念体過激派の…朝倉涼子…!長門さんに情報解除され消えたはず…) 朝倉「……長門さんが…」 古泉「……?」 長門「……」 朝倉「長門さんが…っ私の長門さんが男を連れて帰ってきたああああ?!」バシュッ 古泉「うわぁ?!」 古泉(な、ナイフ?!斬りかかってきた?!) 125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/31(金) 19:22:34.97 ID:4wuhhWhXO 朝倉「なんでぇ!なんでよ長門さぁん!」ブンブンッ 古泉「お、落ち着いて…落ち着いてください!」 朝倉「入るなぁ!私と長門さんの愛の巣に入るなぁ!」 古泉「す、すいません!」 朝倉「帰れ!かえれ!さっさと帰れ!」 古泉「は、はい!帰りますから…っ」 長門「待って」ギュッ 古泉「!」 130 名前:紅白はじまっちゃった[sage] 投稿日:2010/12/31(金) 19:31:39.16 ID:4wuhhWhXO 長門「朝倉涼子…」 朝倉「ん?なあに?長門さんっ!」 長門「…また消されたいの?」ギロッ 朝倉「ひゃんっ……ご、ごめんなさい…」 長門「……コホコホッ」 古泉「だ、大丈夫ですか?」 朝倉「?!…長門さん、どうしたの?」オロオロ 古泉「風邪をひいているんですよ」 朝倉「な、なんですってー?!」 131 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/31(金) 19:38:55.46 ID:4wuhhWhXO 朝倉「ちょ、ちょ、な、長門さん!はやくお布団!冷えピタ!湯タンポ!」グイグイ 長門「あなたはまず落ち着くべき」ズルズルグイグイ 古泉(これが鬼嫁、か……というか、長門さんが袖を掴んでいるから僕まで引き摺られる形に…)ズルズル 134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/31(金) 19:45:45.66 ID:4wuhhWhXO 朝倉「ふぅ、とりあえず長門さんには横になってもらったわ…」 古泉「それはよかったです」 朝倉「…で?」 古泉「はい?」 朝倉「あなた、長門さんのなんなの?」 古泉「何、ですか。SOS団の仲間だと僕は思ってますが」 朝倉「仲間、ねぇ…」 古泉「?」 135 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/31(金) 19:56:44.44 ID:4wuhhWhXO 朝倉「……」 古泉「……」 古泉(会話が無い…沈黙が重い…) 朝倉「……なの…」 古泉「え?」 朝倉「だから、あなた長門さんの事が好きなの?」 古泉「…はい?」 朝倉「ちなみに長門さんに白紙の入部届けを押し返したり長門さんに銃を向けたり長門さんを泣かせたり悲しませたりしたら許さないわよ?」 古泉「??」 138 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/31(金) 20:02:59.16 ID:4wuhhWhXO 朝倉「あーなんかイライラしてきたわ。ちょっと待ってて…」 古泉「はぁ…」 朝倉「……」ピポパポピ キョン『はい、もしも…』 朝倉「死ね。氏ねじゃなくて死ね。死んで詫びろ」 キョン『な?!おまえは朝k…』ガチャ 朝倉「ふぅ、スッキリした」 古泉「彼も罪な方ですね…」 朝倉「うんっと重い罪と罰を与えたいけど長門さんがねぇ…許してくれないの」 朝倉「あいつはそれだけのことをしたのに」 139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/31(金) 20:10:30.53 ID:4wuhhWhXO 古泉「…それには同意しかねます。もしあなたが彼に危害を与えるのであれば、僕を始め機関が全力で止めにかかりましょう」 朝倉「あら、あなた彼が好きなの?」クスクス 古泉「…どうしたらそのような見解になるかはわかりませんが、嫌いではありませんよ?」 朝倉「そう……」ササッ 古泉「冗談です。冗談ですからそんなに後退りしないで…逃げないでくださいよ!」 140 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/31(金) 20:17:47.40 ID:4wuhhWhXO 朝倉「ふふ、冗談よ」 古泉「あ、はは…」 朝倉「……長門さん、可哀想だわ…長門さんには幸せになってほしいの…」 古泉「朝倉さん…」 朝倉「だからあなたも長門さんを裏切るようなら…」ユラリ 古泉「あ、朝倉さん…?」 朝倉「許さない…」スッ 古泉「ナイフ!ナイフ出てます!」 141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/31(金) 20:30:25.65 ID:4wuhhWhXO 長門「そこまで、朝倉涼子」ズルズル 朝倉「長門さん!寝てなきゃだめじゃない!」 長門「平気…。…古泉一樹」 古泉「はい、なんでしょうか」 長門「……」 古泉「……?」 長門「……」バタッ 古泉「な、長門さん?!」 朝倉「なななな長門さんッ?!いやああああ長門さんいやああああ死んじゃいやあああ」 長門「煩い…」 142 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/31(金) 20:37:07.92 ID:4wuhhWhXO 朝倉「あ、生きてた!よかったぁ!」 古泉「とにかく布団まで運びましょう、よいしょっ」 朝倉「…古泉一樹くん、あなた何をしているのかしら」 古泉「?ですから布団まで長門さんを運ぼうと…」 朝倉「ええ、ええそうね。でもあなた今、長門さんをお姫様抱っこしてるという自覚はあるのかしら」 144 名前:>>143なかーま[sage] 投稿日:2010/12/31(金) 20:57:18.04 ID:4wuhhWhXO 朝倉「確かに長門さんは可愛いわ。その可愛さに魅了され消されたけど勝手に復活できちゃうくらいに!」 朝倉「だからこそお風呂も床も無理矢理だけど一緒に入った私だけど!お風呂用品やお揃いのマフラーだってチェック購入済みの私だけど!」 朝倉「お姫様だっこはしたことなかったわ、ヤバイわ涼子マジでヤバい。これは非常事態よ」 朝倉「憎いあいつが長門さんの手を握ったり名字じゃなくて名前を呼んだときだって本当は後ろからブスッと刺してやろうと…」ブツブツ 長門「…古泉一樹」 古泉「はい」 長門「大事な話がある」 古泉「…はい」 145 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/31(金) 21:03:48.32 ID:4wuhhWhXO 古泉「やはり風邪が悪化してますね」 長門「そう…」 古泉(長門さん、辛そうだ…) 古泉(でも僕は何もできない…いつだってそうなんだ、僕は…) 古泉(長門さんだって、本当は僕ではなく彼に傍にいてほしいんだ…) 古泉(だから僕は、何も期待しない…期待するだけ無駄だってわかってるから…) 147 名前:奈々ちゃあああん可愛いよおおお![sage] 投稿日:2010/12/31(金) 21:22:38.21 ID:4wuhhWhXO 長門「古泉一樹…」 古泉「はい」 長門「わたしはあなたに謝らなければならない」 古泉「…はい」 長門「わたしの中に蓄積されたエラーがバクを起こし、世界を改変した事があった。わたしにはそのエラーが何なのかわからなかった」 長門「彼によって世界は元に戻ったが、私の中で再び未知のエラーが蓄積されつつある。それが、今」 長門「これが何なのか、未だに私にはわからない」 古泉(僕にはわかりますよ、長門さん…彼にだってきっとわかっていたんでしょうね) 148 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/31(金) 21:31:33.83 ID:4wuhhWhXO 古泉(涼宮さんがクリスマスパーティーを企画した時、彼と廊下で話したんですよ) 古泉(僕も涼宮さんも朝比奈さんも彼も…そして長門さん、あなたも少しずつですが変化しつつあると…) 古泉(世界改変するまで長門さんが辛かっただなんて知らなかった、知ろうとすらしなかった) 古泉(謝らなければならないのは僕の方だ…) 古泉「長門さん…ごめんなさい…」 長門「…何故あなたが謝るの」 古泉「ふふ…なぜでしょうね」 150 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/31(金) 21:43:54.52 ID:4wuhhWhXO 長門「謝るべきはわたし。あなたの気持ちを無視して、ここまで無理に引っ張ってきてしまった。ごめんなさい」 古泉「謝らないでくださいよ。それに僕は、無理に来たつもりは…」 長門「強がらなくてもいい。…あなたが彼を好きだとは知らなかった」 古泉「……え?」 長門「先程朝倉涼子との会話を盗み聞きしてしまった」 長門「わたしは同性愛に偏見は無い。朝倉涼子からも普段普遍的なアプローチも受けている、あなたとは似た者同士」 古泉「ち、ちが、なが…長門さん!誤解です、誤解です!」 152 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/31(金) 21:53:08.28 ID:4wuhhWhXO 長門「隠さなくてもいい。昨日のコミックマーケット79でもあなたと彼が絡み合っている同人誌というものをたくさん…」 古泉「わあああだめ!ダメですよ長門さん!違いますから!」 長門「そう…では、あなたが好きなのは誰?」 古泉「ふぇ…え?あ、いや…」 長門「彼ではないのなら、誰?」 長門「涼宮ハルヒ?朝比奈みくる?それとも…」グイッ 古泉「わっ…な、長門さ…!」 長門「それとも、わたし?」 154 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/31(金) 22:06:53.14 ID:4wuhhWhXO 古泉「…な、長門さん…僕は…」 長門「……」 古泉「僕は…っ…」 長門「ッゴホ…コホコホッ…!」 古泉「!だ、大丈夫ですか…?!」 長門「平気…、それより続きを…ッ」ギュッ 古泉「っ…長門さん…」 長門「聞かせて…」 155 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/31(金) 22:13:36.18 ID:4wuhhWhXO 古泉「…ごめんなさい、長門さん。今の気持ちでは、僕は何も言えない…」 長門「……そう」 古泉「……だから、今はこれで許してください…」 長門「……んっ」 古泉「ん……」 長門「………」 古泉「…お、怒りました?」 長門「…少し憤りを感じてはいる」 古泉「ごめんなさい」 長門「許さない」 古泉「えー…」 長門「責任とって」 古泉「は、はい…!」 157 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/31(金) 22:24:21.79 ID:4wuhhWhXO 古泉「ゴホッゴホッ…」 キョン「おーっす、古泉…って風邪か?」 古泉「あ、どうも…いやはや、熱は無いんですが喉をやられたようで…コホッ」 キョン「おいおい、移すなよ?」 古泉「風邪は移してなんぼと言いますからね…ふふ」 キョン「顔を近づけるな息を吹きかけるな気持ち悪いんだy」ピピピ キョン「ん?誰だ?もしもーし」 朝倉『死ね!刺しにいくわよ?!あ、長門さんも言う?』 長門『私の古泉一樹を侮辱しないで。さもなくばあなたの情報結合を解除する』ガチャ キョン「ぎゃああああ!!!」 古泉「あっははは!」 おわり 160 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/12/31(金) 22:35:13.48 ID:4wuhhWhXO 保守ありがとうございました。 消失長門が可哀想すぎて幸せになってほしくて朝倉さんに自己投影しながら書いちゃいました。パイナポゥさんのSS後に失礼しました。支援までいただいて恐縮っすw 最近は古泉変態SSばっかり見てきたので時にはこんな古泉も…ねw 来年も素敵なSSが読めますように、みなさまよいお年を。