キョン「古泉! もうオナニーを止めるんだ!」 1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/13(土) 23:25:46.64 ID:0eeeOX0B0 「まだですよ……まだ、まだ……」 そう言って古泉はペニスから手を離さない。 既に毛細血管が破壊され、赤黒く変色したペニスを右手でしごく。 「無理だ、古泉……」 俺はそう呟くしかない。 「無理でも、無茶でも。やらなくては世界が滅びます」 力無く微笑む古泉。 今日の団活が終わった後の、ハルヒの言葉。 『明日までに、このバケツに一杯に精液を溜めておいてね、古泉君!』 古泉は、その言葉に忠実にバケツに精液を流し込んでいた。 4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/13(土) 23:33:56.03 ID:0eeeOX0B0 「大体、あんな言葉はハルヒの気まぐれだろう?」 古泉は頭を横に振る。 「僕には分かるんですよ。何故、彼女が僕の精液をバケツ一杯に欲しているか……。  その意味は不明です。しかし涼宮さんは本気ですよ」 「本気でバケツ一杯の精液を欲しがっているというのか?」 古泉がしこりながら呟く。 「はい。今現在、閉鎖空間は拡大中です。  明日のこの時間。それまでに、このバケツが精液で一杯でなかったら……」 俺は唾を飲み込んだ。 「世界は――崩壊します」 時計の音。 明日までの時間は、残り少ない。 古泉の表情は険しく、バケツには十分の一ほどの精液しか存在しない。 精液で世界が崩壊する? そんな馬鹿な! と叫びたいが、これは覆しの無い事実であり、喉元に突きつけられた刃物の様な現実だった。 16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/13(土) 23:43:42.72 ID:0eeeOX0B0 精液独特の臭気の中、古泉を見守るのは俺、長門、朝比奈さん。 古泉は、俺が貸してやった【お兄ちゃん!Hしよ?】というエロ本を片手に、二時間オナニーを続けている。 長門はいつも通りの冷静な目で古泉を見つめ。 朝比奈さんは細かく震えながら、お盆を握り締めている。 「……しまった」 「どうした、古泉?」 古泉は途方にくれたように俺を見る。 まさか……! 「このエロ本に、飽きてしまいました」 なんてこった。 いくら上質のエロ本であっても、何十、何百回とオナネタにすれば飽きるに決まってる。 俺は鞄の中身を漁る。 しかし、今日はいつものように何冊もエロ本は常備していなかった。 そう――自分の部屋に広げ、陰干しする日だったんだ。 なんて都合が悪いんだ。 いつもなら、【妹シリーズ】の十冊や二十冊は持ち歩いているというのに! 18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/13(土) 23:49:37.12 ID:0eeeOX0B0 恭しくエロ本を俺に返す古泉。 それを受け取る事しかできない、俺。 俺は何と無力な存在なんだ。 古泉のオナニーを支えてもやれないなんて。 「長門さん。お願いがあります」 古泉が顔を上げる。 お前、まさか? 「僕を、罵ってください」 何て素敵な馬鹿野郎だ。 こいつは、プライドも、何もかも捨てるつもりだ。 俺も言った。 「長門、頼む。古泉を、罵ってやってくれ」 毎度毎度助けになってくれる、このスーパー宇宙人は、自信に満ちた表情で頷いた。 「任せて欲しい」 19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/13(土) 23:55:15.54 ID:0eeeOX0B0 「この変態」 「っ!」 「いつも視姦している事は気づいている」 「ぉっ!」 「正直、気持ち悪い。吐き気がする」 「んっ!」 どくどくと、よく残っていたものだと感心するくらいに、古泉は三回、射精した。 しかし、長門の言葉が止まる。 「どうした、長門?」 「……これ以上、仲間を悪く言いたくは無い。例え本当の事だとしても」 長門は、長門の表情はまるで泣きそうだった。 俺は長門の頭を撫で、労う。 「もういい。もういいんだ」 「うっ!」 何かが琴線に響いたのか、古泉がもう一度射精した。 28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/14(日) 00:13:40.36 ID:tfKel41O0 バケツの中は、まだまだ一杯というにはほど遠い。 「済まない、古泉一樹」 長門が謝る。 「いえ、無理なお願いをして、こちらこそ申し訳ありません」 古泉はそう答えながらも、自分のペニスをしごき続ける。 そのペニスは、ぐったりと頭を下げ、まるで長門に謝っているかの様だった。 「あっ、あの!」 朝比奈さんが声を上げる。 「わ、わたしにも……手伝える事は、ありませんか……?」 耳まで真っ赤になりながら、目を涙ぐませて言う朝比奈さん。 正直言って、俺は勃起した。 「朝比奈さん……」 古泉が驚いたように朝比奈さんを見つめる。 「では……では。目の前で縄跳びをして頂けますか?」 34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/14(日) 00:20:52.35 ID:tfKel41O0 「縄……飛びですか?」 朝比奈さんはその意味が分かっていないようだ。 長門が縄跳びのロープをどこからか見つけ出し、差し出す。 「じゃ、じゃあ、飛びます」 朝比奈さんが飛ぶ。 髪が、胸が揺れる。 朝比奈さんが飛ぶ。 汗が迸り、乳が揺れる。 古泉、お前はこんな時まで紳士的な奴だな。 朝比奈さんに羞恥心を与えないために、あえてこれを選ぶとは。 朝比奈さんの胸が、上へ、下へ。 古泉の右手が、上へ、下へ。 それは調和の取れたダンスのようであり、俺には美しさすら感じた。 「おぅっ!」 「はぅっ!」 立て続けに、ニ回の射精をする古泉。 俺のペニスもカチカチだ。 38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/14(日) 00:27:28.30 ID:tfKel41O0 と、ここで予期せぬアクシデントが発生した。 縄跳びのロープに足を引っ掛けた朝比奈さんが、転んだ。 そこには、古泉が懸命に出した精液が入ったバケツ。 必死に手を伸ばす俺。 全てがスローモーションの様に視え、聴こえる。 しかし。 大きな音を立ててバケツはひっくり返された。 そこにあったのは、バケツに頭を突っ込んだ朝比奈さんの、無残な姿だった。 時計の音のみが、静寂を遮っている。 ああ、時間を戻せれば。 せめて、俺が股間を勃起させていなければ。 こんな事態には、ならなかっただろう。 床に零れ、流れる精液。 古泉の産みの苦しみが、一瞬で泡と化した。 43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/14(日) 00:35:23.86 ID:tfKel41O0 「は、はは……」 流石の古泉も笑顔が引きつっている。 「ふdぎhgggghr7g777f!?」 朝比奈さんがバケツの中で何か叫んでいる。 長門は数秒、その光景を眺めた後、掃除道具入れからホウキを取り出した。 「この、役立たず。この、無駄乳。この、脳無し」 およそ長門らしく無い事を言いながら、ホウキで朝比奈さんの尻を叩く。 「長門。止めるんだ」 「しかし」 古泉が、朝比奈さんの頭からバケツを外しながら言う。 「いいんですよ、長門さん」 「……そう」 朝比奈さんは、髪の毛を精液まみれにして、呆けて座り込んでいた。 「わっ、わた、わたしっ、こんなドジをっ、せっかくっ、古泉君がっ」 朝比奈さんの目から、涙が溢れる。 48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/14(日) 00:46:19.33 ID:tfKel41O0 朝比奈さんは、がくがく震えながら呟く。 「わたし、が、役立たず、で、だから、バケツを、こんな」 古泉がふらつきながら朝比奈さんの肩をぽん、と叩く。 「大丈夫ですよ。……精液は、また出せばいいんです」 その言葉に、俺が止める間も無く、長門が言う。 「実際的な問題として、これ以上の古泉一樹の自慰行為は危険」 「長門!」 「現実は現実。目を背けてはいけない」 「そうかもしれないが! 今のは事故だ!」 「事故。そうかもしれない。朝比奈みくるは、事故を起こした」 「長門さん!」 その時、朝比奈さんが急に立ち上がり、脱兎の如く団室から飛び出した。 「朝比奈さん!」 古泉は、下に何かを着る暇も無く、朝比奈さんを追いかける。 俺、そして長門が一足遅れてそれに続いた。 55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/14(日) 00:53:58.11 ID:tfKel41O0 何という足の速さ。 まるで朝比奈さんとは思えない。 古泉はペチンペチンとペニスが両股に当たるのも意に介さず、走る。 俺も勃起を気にせず走る。 追いつけない。見失う。 朝比奈さんから垂れた精液の跡は、屋上への階段へと続いていた。 「これは……!」 「朝比奈さん、まさか!」 真夜中の屋上は、寒かった。 月明かりの中、人影を探す。 いた。 フェンスの外に、髪を精液で濡らせた美少女が。 「朝比奈さん!」 古泉が、ペニスをぶらぶらさせながら飛び出す。 俺も、勃起させながら飛び出した。 「――来ないで!」 拒絶する、朝比奈さんの声。 58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/14(日) 01:04:27.82 ID:tfKel41O0 「朝比奈さん……」 古泉と俺は、その場で立ち止まる。 朝比奈さんが、喋る。 「わたしは。未来から来て。SOS団に入って。最初は嫌だった。  でも。楽しくて。みんながいて。いる。それが嬉しくて」 朝比奈さんの言葉は、支離滅裂だ。 「一所懸命。わたしなりに。頑張って。でも。違うの。  何の役にも。わたし。駄目だから。馬鹿だから。胸が大きくて可愛いだけ」 「朝比奈さん!」 俺が叫ぶ。けれど彼女には届かない。 「世界が。崩壊しちゃう。なら。わたしは。責任。先に。死ななきゃ」 「駄目だ! それは駄目だ、朝比奈さん!」 俺が走って手を伸ばす。 古泉が走ってペニスを突き出す。 その、どちらにも、朝比奈さんは応じない。 涙を滲ませ、消える朝比奈さん。 影が走った。 62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/14(日) 01:13:40.07 ID:tfKel41O0 フェンスをぶち破り、朝比奈さんにぶつかった影。 長門! 長門はそのまま朝比奈さんを米俵のように担ぎ、宙を蹴り、屋上へと戻ってきた。 「長門さん、朝比奈さんは?」 「問題無い。気絶してるだけ」 「そうか……。良かった、ありがとう、長門」 「……いい。朝比奈みくるは、大切な仲間だから」 そうかい。 俺は長門の頭を撫でた。 嬉しかった。 「しかし……長門さん、先程は空中で方向転換されたように見えましたが」 「例の情報操作ってやつじゃないのか?」 「違う。古泉一樹、気づかない?」 古泉の顔色が変わる。 「閉鎖空間……!」 「そう。既に世界は99%が崩壊している。残ったのはこの校舎。  私は、閉鎖空間の壁を蹴って戻ってきた」 65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/14(日) 01:23:12.15 ID:tfKel41O0 「早すぎる! バケツ一杯の精液は、明日までだろ!?」 「……恐らく、涼宮さんは気づいたのでしょう。  たった一日で、精液をバケツ一杯にする事などできないという事を」 何だってんだ、あの気まぐれな神様は! 一日くらい待ちやがれ! ふと、視線に気がつく。 屋上に上る階段の建物の上。 そこに、ハルヒが立っていた。 「……あれは、涼宮さん本人です。間違いありません」 「なら、説得するしかないだろう」 「精液が無いんですよ?」 「それでもだ。……最後まで、足掻いてみようじゃないか、副団長?」 「貴方って人は……分かりました。お付き合い致しましょう」 「勿論、私も」 長門は朝比奈さんを担ぎ、頷いた。 それじゃあSOS団員全員で、団長様に抗議するか。 67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/14(日) 01:37:27.41 ID:tfKel41O0 「ハルヒ」 「……キョン? 古泉君? 有希? みくるちゃん?」 「お前、何が不満なんだ。精液は明日必ず用意すると、古泉が言ったはずだろ?」 「……無理よ。家に帰って、ネットで調べたら――古泉君一人でそんな量は出せないって分かったの」 「大体、何で僕の精液をバケツ一杯なんて欲しがったんです!?」 ハルヒは、熱に浮かされたように話し出す。 「知ってる? クレオパトラって、精液を美容に使ってたそうよ」 「……そう。だから?」 「あたしも精液を顔に塗ったり、飲んだりすれば、今より更に綺麗になれるんじゃないか、ってね」 「古泉一樹の精液でなければいけない理由は?」 「別に……。イケメンの精液なら、効果が高いかな、って思っただけ。  でも、もういいの。すぐに手に入らないのなら、精液なんて要らない」 ――そうかい、そういう事かい、ハルヒ。 綺麗になりたかった、それだけの為に古泉に無理をさせた。 それが叶わないとなると、世界を崩壊させるってか? ふざけるなよ。 俺たちが、いつもお前の事で苦労させられてるって知りもしないくせに。 72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/14(日) 01:45:33.01 ID:tfKel41O0 俺がいつの間にか握り締めていた拳を、古泉が抑えた。 ああ、分かってるよ。 「ハルヒ。精液なら、俺のをやる」 「あんたの? でも、バケツ一杯になんて無理でしょう?」 「そんな事は無いさ。ここから見える風景を、俺の精液で埋め尽くす事もできる」 「嘘! 嘘よ!」 「本当だ! ハルヒ、お前が望むなら、俺にはできる!」 その時。 勃起していた俺のペニスは更なる怒張を始め、 ズボンを突き破り常識では考えられないほどの大きさ――俺自身と同じサイズにまで膨れ上がった。 「キョン……!」 俺は両手でペニスを抱えると、摩擦を始めた。 感度は良好、ハルヒの姿はペニスで見えないが、視線はばっちり感じるぜ! 「おっおっおっおっおっ〜〜〜っ!」 俺のペニスの尿道から出た精液は、打ち上げ花火のように空高く舞い上がり、止め処なく溢れかえった。 「凄い、凄い! 精液の雨よ! あはっ、あはははははっ!」 94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/11/14(日) 01:57:27.44 ID:tfKel41O0 俺の精液は、閉鎖空間、というより残っていた世界を埋め尽くした。 ハルヒがいつのまにか全裸になり、精液の海を泳いでいる。 長門が朝比奈さんをボードにしてサーフィンをしている。 古泉が沈んだまま浮いてこない。 この、まるで地獄のような楽園で何時間過ごしたか――。 目が覚めると、自分の部屋のベッドの上だった。 フロイトがどうのとか思う前に、あれが夢でなかった事を示すものがあった。 俺自身と同じサイズの、俺のペニス。 抱き枕を抱くようにして、俺は横たわっていた。 妹が闖入してダイブしてくる。 おいおい、そっちは俺のペニスだぞ? 妹に触れられたお陰で射精したせいで、俺の部屋は精液まみれになった。 俺は精液まみれの制服を着て、ペニスを抱えて学校への坂道を歩く。 前を歩く、馴染み深いカチューシャの女生徒が振り返って俺を見た。 ハルヒは、確かに前より綺麗になったように見えた。  〜fin〜 95 名前:南部十四朗 ◆pTqMLhEhmY [sage] 投稿日:2010/11/14(日) 01:58:09.12 ID:tfKel41O0  オナニーSSに付き合って頂き、ありがとうございました。  それでは、おやすみなさい。