キョンと佐々木の地球防衛軍2 1 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/10(水) 18:18:50.23 ID:b3PVsDIP 注意 1.ハルヒのキャラはキョンと佐々木しか出てきません。 2.地球防衛軍2という実在のゲームのストーリーをかかなり借りています。 既にストーリーが完成しているので 推敲しながら書き込んでいきます。 投稿ペースはまあまあだと思います。 3 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/10(水) 18:20:56.36 ID:b3PVsDIP 佐々木「地球防衛軍2、ねえ。」 キョン「ああ、つい先日買ってきたゲームなんだがな、これがまた面白いんだ。」 キョンはゲームケースから青色のCDROMを取り出して言う。 佐々木は興味深げにキョンが持つCDROMを見つめている。 佐々木「へーえ、僕はゲームと言うものに縁が無いからしらないけれども、そんなに面白いのかい?」 キョン「ああ、こいつはすげえぞ、しかも定価1000円ときたもんだ。」 佐々木「ほう、それは凄い。ゲームなのに1000円とは。」 しげしげとCDROMを見つめる佐々木。 キョン「だろ?というわけで、一緒にやろうぜ。」 佐々木「え?」 キョンの突然の誘い、困惑するのは当たり前である。 キョン「このゲームって協力プレイが醍醐味なんだ。」 佐々木「なるほど、でも、なぜ僕なんだい?」 この疑問も至極もっとも。 4 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/10(水) 18:21:34.59 ID:b3PVsDIP キョン「まあ、考えてもみてくれ。俺は実は友達が少ない。」 佐々木、キョンを憐れむかのように見つめる。 キョン「や、やめろ!そんな目で俺を見るな!!」 佐々木「ああ、悪い。でも、いつもつるんでいるSOS団の人達がいるだろう?」 キョン「ああ、あいつらは駄目だ。」 佐々木「どうして?」 キョン「まず、ハルヒだが、あいつはこの手のゲームには向いてない。」 佐々木「くっくっ、ああ、それは分かるかもしれないな。」 キョン「次に、朝比奈さんだが、残念ながら戦力外通告だ。」 佐々木「まあ、全般的に機械関係が苦手そうだしね。」 キョン「そして古泉、こいつもゲームはからっきしだ。」 佐々木「へえ、そうなのかい?それは意外だな。」 キョン「最後に、長門だが……」 佐々木「長門さんか、彼女なら上手そうだけれども、何か問題が?」 苦虫を噛み潰したかのような顔で、キョンはこたえる。 キョン「あいつの場合は上手すぎて、俺がついていけない。」 佐々木「ハハハハハハ!!おっと、失礼。くっくっ、それはそれは……」 5 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/10(水) 18:22:04.06 ID:b3PVsDIP 大声で笑う佐々木。 なんとか堪えようとするも…… 佐々木「ぷ・・・・・・くすくす……」 キョン「と、いうわけで、だ。佐々木、消去法的にお前しか残らん。」 佐々木「まあ、別にいいんだけど、僕もこういうゲームはあまり得意じゃないんだ。」 キョン「安心しろ、俺も初心者なんだ。まだちょっとプレイしただけだし大して変わりはしないだろう。」 そういうとキョンは早速ゲームを用意する。 PS2の赤白黄線をテレビへと接続。 CD取り出しボタンを押し、中に入っていたドラクエ8を取り出す。 そして、手に持つ青色のCDROMをセット。 キョン「よーし、俺は一応1Pを担当する。佐々木、お前は2Pを担当してくれ。」 佐々木「くっくっ、仕方がない、それじゃあ始めようか。」 と、その時 テレビの画面が突然光りだした。 6 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/10(水) 18:22:46.15 ID:b3PVsDIP キョン「な、なんだこりゃ!?」 佐々木「お、おいキョン!どうなっている!!」 大慌ての二人を尻目に、テレビはますます強く光り輝く。 キョン「分からん!!とりあえず、電源を切るんだ!!!」 佐々木「あ、ああ!分かった!」 が、駄目っ……!テレビは操作を受け付けずっ……! 佐々木「キョン!消えないぞ!!!」 キョン「んなアホな!それじゃあ……」 キョンは強硬手段をとる。テレビのコンセントを引き抜いたのだ。が…… キョン「な……!消えない!?」 佐々木「ど、どうなってるんだ……」 次の瞬間、部屋はテレビからの強烈な光で満たされた。 が、それも一瞬の出来事で、数秒後には部屋は元通りとなる。 しかし、欠けているものが二つあった。 キョンと佐々木だけは、部屋中どこを見回しても見つからない……。 7 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/10(水) 18:23:33.60 ID:b3PVsDIP ???「おい、キョン、起きろ……!」 ???「頼む、目を開けてくれキョン……!」 キョン「う、む……こ、ここは……?」 佐々木「キョン、起きてくれたか……」 キョン「佐々木?ここは一体どこだ?」 佐々木「分からない、僕も今目覚めたところなんだ。」 佐々木とキョンは何となく無機質な感じのするスチール製の二段ベッドにいた。 佐々木曰く、佐々木は上のベッドに、キョンは下のベッドに眠っていたと言う。 キョン「とにかく、ここがどこなのかを確認しよう。」 佐々木「あ、ああ……分かった……」 キョン(佐々木、相当ヤバイな。当たり前といえば当たり前だが……) どことも知らぬ環境にいきなり放り出されたのである、このような珍事件に慣れているキョンはともかく 全く耐性のついていない佐々木が混乱し、意気消沈するのは当然のことだと言えるだろう。 8 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/10(水) 18:24:28.52 ID:b3PVsDIP キョン「とりあえずここを出るぞ佐々木。」 佐々木「あ、ああ。」 キョンと佐々木はベッドのあった部屋を出る。 すると、まるでホテルのような扉がたくさん並んだ廊下が現れた。 キョン「どうやらここはホテルか何かみたいだな。」 佐々木「ああ、そうらしいね。しかし微妙にホテルとは雰囲気が違うみたいだよ。」 先程は混乱していた佐々木だが、今は冷静な受け答えをできるまでに回復したようだ。 キョン(……流石は佐々木と言うべきか、無理をしているのか。) キョン「とりあえずこの廊下を進んでみよう。」 佐々木とキョンは廊下を進む。と…… キョン「エレベーターだ。」 佐々木「ああ、エレベーターだね。」 エレベーターを発見する二人。 キョン「よし、とりあえず一階に行ってみよう。」 エレベーターで移動する佐々木とキョン。 どうやら二人がいた場所が数十階建ての建物の六階であったことを確認する。 エレベーター「チーン♪」 軽快な音を鳴らし、エレベーターは二人の目的地1階へ到着。 9 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/10(水) 18:25:13.71 ID:b3PVsDIP キョン「よし、行くぞ。」 佐々木「あ、ちょ、ちょっとまってくれ、キョン。」 そして二人は受付らしきところへと向かった。 そこには、美しい女性が座っていた。 受付「あら、キョン二等陸尉に佐々木二等空尉、どうかなさいましたか?」 キョン、佐々木、困惑。 しかしここで佐々木が機転をきかせる。 佐々木「ああ、ちょっと自分たちの身分証明書が必要になったんだ。」 キョン「あ、ああ。」 佐々木「それで、できれば身分を証明出来るものをお借りしたいんだけど。」 受付「ああ、そういうことでしたら。」 受付が出してきたのは、EDF隊員証と左上に大きく書かれたIDカードだった。 受付「EDF隊員証はどのような機関でも使える身分証明証ですから、これをお使いになられるとよろしいかと。」 佐々木「ありがとう、感謝するよ。」 受付「いえ、隊員のサポートが、私たちの勤めですから。」 受付「他にご用はございますか?」 10 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/10(水) 18:26:25.81 ID:b3PVsDIP 佐々木「ああ、あと、外出時に外出許可は必要なのかな?」 受付「いいえ、平常時は連絡が取れる状態にして頂ければ外出は自由です。」 佐々木「ありがとう、恩に着るよ。」 受付「いえ、とんでもございません。」 佐々木はキョンを連れて外へ出る。 佐々木「キョン、分かったよ。」 キョン「……?わかったって、ここがどこか分かったてのか?」 佐々木「ああ、ここは間違いなくあの地球防衛軍2というゲームの世界だ。」 唖然とするキョン。目と口を閉じることを忘れてしまっている。 佐々木「キョン、驚くのはわかるが、その間の抜けた顔を僕に見せないでくれるかな?」 キョン「あ、ああ。スマン。しかし、あまりにもアレでな……」 佐々木「確かに、自分でも信じられないよ。でもそう考えるしか無い。」      「……もしここが本当にゲームの世界なら、恐らく今年は2019年のはず……」 佐々木は近くにあったコンビニエンスストアにキョンを連れて駆け込む。 そして、手近にあった新聞を一部手に取り…… 佐々木「……やはりね。」 キョン「信じられんな……」 夜月新聞というタイトルのその新聞には、確かに2019という年号が刻まれていた。 11 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/10(水) 18:27:25.49 ID:b3PVsDIP 佐々木「さて、これは困ったね……」 キョン「ああ、全く同感だ。」 佐々木とキョンは元居た部屋に戻っていた。 結局ここ以外に行く当てがなかったということが理由である。 佐々木「……キョン。あのゲームは戦闘系のゲームだったね?」 キョン「ああ、地球外生命体と戦うゲームだ。」 佐々木「そしてその地球外生命体と戦うのが主人公……」 キョン「認めたくはないが、俺たちは今その主人公になっちまったらしいな。」 佐々木「そう、みたいだね……」 キョン「じゃあ、このゲームをすべてクリアすると元の世界に……?」 佐々木「多分、そうだと思う。」 キョン「……考えたくはないが、ゲームオーバーになったらどうなるんだ?」 佐々木「……分からない。最悪の場合は死、だろうね。」 黙りこむ二人。死の可能性を提示され、圧倒されたのだ。 12 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/10(水) 18:28:01.07 ID:b3PVsDIP アナウンス「緊急事態発生!緊急事態発生!!」 キョン・佐々木「!?!?」 けたたましい警報音とともに、物騒なアナウンス。 アナウンス「ロンドン市内に巨大生物が出現。応援へ向かって下さい。」 アナウンス「繰り返します。ロンドン市内に巨大生物が出現。応援に向かって下さい。」 キョン「……行くか、佐々木。」 佐々木「そうだね、キョン。」 二人の目には、悲嘆と決意が宿っていた。 16 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/10(水) 22:35:35.93 ID:b3PVsDIP 〜ロンドン〜 キョン「……俺たちはどうやって移動したんだ?」 キョンと佐々木は気がつけば武器庫のようなところにいた。 佐々木「……さあ、分からないけど。……この格好は何だ、キョン、説明してくれ。」 そういった佐々木は、「ttp://up3.viploader.net/ippan/src/vlippan166448.jpg」の奥側に居る女性と同じ格好をしていた。 キョン「それはペイルウイングというこのゲームの主人公の格好だな。」 佐々木「そうか、そして君のその格好は……」 キョン「陸戦兵というこのゲームの主人公の格好だな。ペイルウイングは女性で陸戦兵は男性だ。」 そういったキョンは、「ttp://up3.viploader.net/ippan/src/vlippan166448.jpg」の手前側に居る男性と同じ格好をしていた。 佐々木「……分かった、それで、僕はどの武器を使ったらいいんだろうね。」 キョン「イズナ-Aかサンダーボウ10、そしてE1プラズマ・ランチャーあたりがいいだろう。」 佐々木「なるほど、OK理解したよ。」 キョン「ステージ1は、言ってみれば練習用のステージだ。だから、ここで武器の扱いに慣れておくといいい。」 佐々木「ああ、そうしよう。」 17 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/10(水) 22:36:13.74 ID:b3PVsDIP 〜ミッション1英国の悪夢 〜 キョン「市民は無敵状態だ!!市民を助ける必要はない!!」 逃げ惑う市民たちと他のEDF隊員による銃声で、キョンは声を張り上げざるを得なかった。 佐々木「わ、分かった!!」 多くの市民たちが巨大な黒蟻から逃げ惑っている中、キョンは佐々木に指示を出す。 キョン「よし、佐々木!一発プラズマランチャーをぶっぱなしてやれ!」 相変わらず怒鳴りつけるように佐々木に指示を飛ばすキョン。 佐々木「こ、こうかな……?」 佐々木が引き金を引いた瞬間 佐々木の持つアサルトライフルにパラボラアンテナをつけたようなデザインの プラズマランチャーから青く燃え盛る人間大のプラズマ球が放たれた。 そして目の前にいた巨大生物、黒蟻の集団に着弾。 黒蟻集団「ホゥアー!!ホゥアー!!」 佐々木「や、やった!」 敵を撃破したことに喜ぶ佐々木。 19 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/10(水) 22:48:21.28 ID:b3PVsDIP キョン「佐々木!お前はエネルギーポットってのを担いでいる!」 佐々木「あ、ああ。この背中のやつだろう?」 キョン「そうだ!そしてさっきお前が撃ったプラズマランチャーはそこからエネルギーを得て動作する!」 佐々木「なるほど、だからポッドのエネルギー残量が減ったのか。」 佐々木のヘルメットのフェイスガード(URL参照)にはエネルギー残量という指標が写されている。 それは先のプラズマランチャー使用で幾分か減少しているが、徐々に回復しているのが分かる。 キョン「そういうことだ!!そしてそのエネルギー残量は自然回復する!」 佐々木「空気中からエネルギーを取り入れたりしているのかな……?」 キョン「詳しいことは分からん。が、自然に回復することは覚えておいてくれ!!」 佐々木「分かった。」 キョン「そして、これがペイルウイングの強みなんだが、佐々木、お前は空を飛べる!」 佐々木「何だって……?」 キョン「エネルギーを消費することで空をとぶことが出来るんだ。試しにやってみてくれ!」 佐々木「やってみろと言われてもね……ん?こう、かな?」 佐々木はヘルメットの指示に従い「飛べ」と念じる。すると…… 20 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/10(水) 22:49:01.13 ID:b3PVsDIP 佐々木「と、飛んでる!?」 佐々木は真上に飛び上がった。 佐々木(右へ!左へ!下へ!) どのような方向でも思いのままに飛ぶことが出来る。 キョン「佐々木!エネルギー残量には気をつけろよ!」 佐々木「あ……」 が、キョンが言ったときには遅かった。佐々木のエネルギーポッドは既に空になっていたのである。 すると、落下している佐々木の背にあるエネルギーポッドから、けたたましい警告音が鳴り響く。 エネルギーポット「ピリュー!ピリュー!ピリュー!ピリュー!」 器用に着地する佐々木、数mもの高さから落下したのだが、平然としている。 佐々木「ど、どうしたんだ!?」 キョン「それが緊急チャージモードだ。エネルギー残量回復にのみエネルギーポッドを使うことで     エネルギー残量を通常の2倍速で回復させる。」 佐々木「へえ、そんな便利な機能が付いているんだね。」 キョン「ただし、緊急チャージモード中はエネルギーの使用が出来ない。」 佐々木「つまり、プラズマランチャーも飛ぶこともできないということだね?」 キョン「そういうことだ。」 キョンが言い終わると同時、エネルギーポットは鳴り止んだ。 エネルギーポット「ガウォーァ」 この音が、緊急チャージ完了の合図である。 21 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/10(水) 22:50:03.95 ID:b3PVsDIP キョン「よし、レクチャーはこんなもんだろう。」 キョンがそういったとき、巨大生物はちょうど市民を襲い終えたところであった。 キョン「ここから先はプラズマランチャー以外の武器を使ってみるんだ、佐々木。」 佐々木「ああ、分かった。じゃあ、このサンダーボウ10で……」 サンダーボウは、見た目もその機能もショットガンのような兵器である。 サンダーボウ10に限って言えば、10本の雷撃を銃口から発生させ その雷撃を敵にぶつけることによって攻撃を行う兵器だ。 佐々木「てい!」 佐々木はサンダーボウ10の引き金を引く。 すると、10本の閃光が黒蟻に襲いかかり…… 黒蟻「ピギュアー!!ホゥアー!!」 黒蟻は奇妙な声をあげながら絶命した。 佐々木「おお!!」 佐々木がサンダーボウに感動している間にキョンは手持ちのロケットランチャーで次々と黒蟻をなぎ払う。 キョン「よし!このエリアの巨大生物はほぼ殲滅した!」 22 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/10(水) 22:51:06.91 ID:b3PVsDIP キョン「あとは、アイテムを回収するぞ。」 佐々木「アイテム……?」 キョン「そうだ、このゲームはアーマーとウェポン、そして回復アイテムの3つのアイテムが     敵を倒したときに出現する。アーマーは体力の上限を上げ、回復アイテムは体力を即座に回復する。     そしてウェポンは新しい武器だ。」 佐々木「なるほど、新しい武器はつまり強い武器ということかな?」 キョン「そう思ってもらってもいいだろう。それじゃあ、回収にあたるぞ。」 佐々木「OK」 テキパキとアイテム回収を行う二人。 佐々木はもうペイルウイングの生命線である飛行ユニットの使い方をあらかたマスターしたようだ。 キョン「よし、こんなもんだな。」 そしてキョンは、わざと倒さないで生かしておいた黒蟻にロケットランチャーを打ち込む。 すると…… アナウンス「ミッションクリア、お疲れ様でした!」 ―MissionClear― 獲得武器:AS100F、ゴリアス99、ライサンダーZ、マスターレイピア、サンダーボウ30、RSRプラズマランチャー 23 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/10(水) 22:51:49.03 ID:b3PVsDIP 〜EDF隊員寮〜 キョン「フー、勝ったな。」 佐々木「ああ、とりあえず第一任務完了だね。」 最初に寝ていたベッドの上にいる二人。 二段ベッドの上に佐々木、下にキョン、という構図である。 キョン「一応俺はこのゲーム、Easyを全クリしたことはある。」 佐々木「なんだ、かなりやってるんじゃないか。」 キョン(……まあ、一緒にプレイする佐々木にカッコいいところを見せたかっただけなんだが。) キョン「だから、全ステージの攻略法なんかは分かってはいる。」 佐々木「くっくっ、頼りにしているよ。」 キョン「そんなこと言われてもなあ、あまり自信はないぞ。」 そんな話をしていた二人は、いつの間にか眠ってしまっていた。 初の戦闘でかなり疲れていたのだろう。 そして次の日…… 24 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/10(水) 22:53:44.37 ID:b3PVsDIP アナウンス「緊急事態発生!緊急事態発生!」 佐々木「……またか。」 キョン「ああ、まただな。」 アナウンス「ロンドン市内に巨大生物が出現しました!隊員の皆様は準備をして下さい!」 キョン「……次のステージは倫敦争乱だったか。」 佐々木「いい記憶力をしているね。出てくる敵は?」 キョン「黒蟻だけだ。確かノーマルだと噛み付き攻撃しかしてこない。」 佐々木「……?他の攻撃をする場合があるのかい?」 キョン「ステージ3からは蟻酸攻撃を仕掛けてくる。あれはなかなか恐ろしいもんだったな。」 佐々木「なるほど、それで、僕たちはいつの間にヘリに乗ったんだろうね。」 佐々木の言葉通り、キョンと佐々木はいつのまにか出撃用ヘリに乗り込んでいた。 キョン「細かいことは気にしたら負けだ。さて、じゃあとっとと準備するか。」 そういうと、キョンはヘリに積載されている武器から使用するものを吟味し始めた。 キョン「今回も練習用のステージみたいなもんだから、色んな武器を使うといいぞ。」 佐々木「なるほど、じゃあ僕はこのレイピアという武器と支援兵器とかいう武器で……」 29 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/11(木) 19:00:25.08 ID:YcTB.psP 〜ミッション2倫敦騒乱〜 黒蟻「カサカサカサカサカサカサカサカサ」 佐々木「うーん、やはり巨大な蟻が街中をカサカサ歩き回るのは気味が悪いね。」 キョン「まあ、その内慣れるだろう。それにもっと気味の悪いのも……」 佐々木「ん?何か言ったかい?」 キョン「いや。なんでもない。それより、早く殲滅しちまうか。」 〜ロンドン〜 キョン「よし、市民を囮にして黒蟻共を殲滅するぞ、佐々木!」 ロンドンの街は悲鳴と怒号と銃声に満ちていた。 その中で意思疎通を図るため、二人は声を張り上げる。 佐々木「くっくっ、酷い話だが、仕方あるまい。やるぞキョン!」 キョン「OKだ!」 キョンは相変わらずロケットランチャーにより黒蟻を薙ぎ払う。 一方佐々木は…… 30 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/11(木) 19:00:57.93 ID:YcTB.psP 佐々木(この支援兵器とやらを使ってみようか。) 佐々木「投げれば、いいのかな……?とりあえず、てい!」 佐々木が投げたのは支援兵器「パンドラ」 形状は発行する手榴弾のような武器だ。 佐々木の手を離れたパンドラは、宙を浮くかのように ゆっくりとした速度で慣性に従い放物線軌道を描く。 キョン「な……!!佐々木!パンドラを使ったのか!?」 焦るキョン。それもそのはずで、パンドラとは…… 佐々木「な、何か問題があったのかい?」 キョン「ありゃあ支援兵器という名の妨害兵器だぞ!」 キョンが言った瞬間、佐々木の手を離れたパンドラが停止し、そして…… キョン「……!!危ない!離れろ!」 佐々木「ッ!」 花を咲かせた。 パンドラは、自身から大量の光弾を無差別に射出する兵器である。 その様はまるで光り輝く雲丹のようであり、弾幕を張るには適した兵器だが その使いにくさから使い手を選ぶ兵器と言われる。 佐々木「な、なんだこの兵器は……」 キョン「だから言っただろう。こいつは使いにくさNo1の妨害兵器だよ。」 31 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/11(木) 19:01:23.11 ID:YcTB.psP 佐々木「うーん、それなら教えてくれれば良かったんだけれどもね。」 キョン「ああ、悪い。しかしまさか支援兵器を選ぶとは思わなくてな。」 パンドラは合計1800の光弾を打ち終わると、自然に消滅する。 連射性能が凄まじいために、ものの30秒としないうちにパンドラは消えてしまった。 佐々木「時間を無駄にしてしまったね。」 キョン「まあ、気にするな。とりあえずパンドラはあまり使うなよ。」 佐々木「ああ。分かったよ。」 佐々木はパンドラを封印し、もう一方の装備であるレイピアで黒蟻に戦闘を挑む。 佐々木「じゃあ、このレイピアという武器を使ってみようか。」 レイピアの試射をする佐々木。 佐々木「えっと、ここを引けばいいのかな?」 キョン「お、おい!!こんなところでレイピアを使うな!!」 佐々木「え?」 キョンの警告は一足遅かった。 32 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/11(木) 19:01:56.24 ID:YcTB.psP レイピアは射程距離の極めて短い兵器で、連射性能に優れる。 秒間60ものレーザーを撃ち放つことの出来るほどの連射性能を持つが そのぶん精度に劣り、発射したレーザーが進む方向はある程度しか定まらない。 つまり、レイピアを使用するとレイピアの発射口から逆円錐のような形にレーザー弾幕が展開されるのである。 そのような兵器を、佐々木はキョンが隣りにいる状況で用いた。 ということは…… キョン「ぎゃあああああああああああああああああああ!!!!」 凄まじい数のレーザーがキョンの隣で炸裂する。 佐々木「あ、す、すまない。」 キョン「危ないだろうが!!死ぬか思うたわ!!!」 佐々木「だ、だって……知らなかったんだもん・・・・・・」 女言葉で上目遣いにキョンに訴えかける佐々木。 キョン「……ま、まあ人にミスはつきものだよな。」 佐々木「くっくっ、計画通り」ボソッ キョン「ん?何か言ったか?」 佐々木「ううん♪全然♪何でもないよ♪」 キョン「そ、そうか……」 こんなやりとりをしている隙にキョンと佐々木の周りには黒蟻が群がってきた。 33 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/11(木) 19:02:43.22 ID:YcTB.psP キョン「とりあえず、この状況ならお前のレイピアは強いか。」 佐々木「レイピアの試射代わりにこの黒蟻を殲滅してみせよう。」 キョン「なかなか頼もしい。じゃあ、いっちょやるか!」 〜5分後〜 キョン「意外とあっさりだったな。」 たったの5分で二人は黒蟻を120体以上駆除した。 佐々木「しかし……いくらなんでも数が多すぎじゃあないかい?」 キョン「確かに、俺が最初プレイしたときはここまでの数ではなかったが……」 佐々木「もしかして、難易度により出現する敵の数が違うのかな?」 実際には、そのようなことはない。 キョン「ああ、そうかもしれないな。」 しかし、そんなことを二人が知る由もない。 キョン「じゃ、とっととアイテム回収して帰ろうぜ。」 佐々木「ああ、同感だ。」 ―MissionClear― 獲得武器:プロミネンス2、爆殺かんしゃく玉、ARC-LAZR、レーザーランス煤Aミラージュ15WR 34 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/11(木) 19:03:24.22 ID:YcTB.psP 〜EDF隊員寮〜 キョン「楽勝だったな。」 佐々木「ああ。」 二人は二段ベットの上と下で会話をしている。 キョン「なかなかいい武器も出てきたし、この調子でいけば直ぐクリア出来るだろう。」 佐々木「……ああ。」 キョンは佐々木の様子がおかしいことに気がついた。 キョン「何か気になることでもあるのか?」 佐々木「・・・・・・いや、僕の勘違いだと思う。悪い、キョン。」 キョン「いや、それなら気にしなくてもいいんだが……」 佐々木「じゃあ、おやすみ。」 キョン「ああ。おやすみ佐々木。」 そして夜は明ける。 アナウンス「緊急事態発生!緊急事態発生!」 毎度おなじみの緊急アナウンスでたたき起こされる二人。 キョン「……次は、ミッション3か」 35 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/11(木) 19:05:20.65 ID:YcTB.psP 〜ミッション3・驚異〜 キョン「……おかしい。」 キョンは険しい表情を浮かべている。 佐々木「どうかしたのかいキョン?」 キョン「次のミッション、確か広がる厄災って名前のミッションのはずなんだ。」 佐々木「……?つまり、ミッションが変わっているということかい?」 キョン「ああ、多分そういう事だと思う。」 佐々木「くっくっ、そう簡単にクリアはさせてくれないということか。」 佐々木の茶化したような言葉に、キョンは頷きつつもある不安を抱いた。 キョン(このゲーム、一発クリアは至難だ……。     せめてステージが分からなければ、どうにもならんぞ……。) キョン「オペレーター!ミッションの説明をお願いしてもいいか!」 36 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/11(木) 19:05:48.56 ID:YcTB.psP 胸にある無線機でオペレーターに連絡をとるキョン。 思惑通りならば、ミッションの説明が聞けるはずだ。 オペレーター「市街地に、巨大な怪獣が現れました。ミッションはその撃退です。」 キョンの顔が歪む。 キョン「なんてこった……。」 佐々木「どうかしたのかいキョン?」 キョン「次のミッションは、どうやらミッション13と同じようなモンらしい。」 佐々木「13……。一気に飛ばしてくるね。」 キョン「そんなに練習をする時間は与えてくれないってことか。」 41 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/12(金) 05:34:39.65 ID:bBKpzmIP 〜市街地〜 オペレーター「見てください、あれが巨大怪獣です。        我々はあの怪獣を、ソラスと呼んでいます。」 佐々木「本当に……。なんというか……。大きいね……。」 キョン「ああ、ったく厄介な……。」 そこにいたのは全長40m、いや60m以上にはなろうかと言う巨大な怪獣。 長大な尻尾を持ち、頭には短い角のようなものを生やした怪獣である。 端的に言えばゴジラに短めの角をつけたような容姿だった。 キョン「まあ、やるっきゃないか。」 佐々木「ああ、そうだね。」 戦闘が始まった。 キョン「佐々木、俺はまずアイツの正面から攻撃をする。     その隙に奴にとりついてレイピアで焼き殺せ!」 佐々木「くっくっ、僕も一応女の子なんだから、結構怖いんだけどねそれ。」 キョン「しかしこれが一番楽で安全な対処法だ。装備もレイピアにしてきちまったんだろ?」 佐々木「まあね。」 キョン「よし、やるぞ!」 42 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/12(金) 05:35:25.30 ID:bBKpzmIP 二人はまず二手に分かれた。 キョンがソラスの正面に、そして佐々木がソラスの背面に回るためである。 無線で互いに連絡をとるキョンと佐々木。 キョン「OK、こっちは準備万端だ。」 佐々木「僕もOKだよ。でも、いざとなると緊張するね。」 キョン「腹をくくれよ、行くぞ!」 打ち合わせ通りまずキョンがロケットランチャーにてソラスへ攻撃を仕掛ける。 ロケットランチャー「ゴリアス99」はロケットランチャーの中でも最高峰の性能を持ち その扱いやすさから究極のロケットランチャーと呼ばれる。 威力、爆破範囲も申し分なく、弾速も速い。 キョン「行け!」 鈍く低い爆音がロケットランチャーから発せられる。 その音にソラスが気がついたときには、もう既に弾がソラスの顔面に着弾していた。 ソラス「グォアアアアアアアアアア!!」 怒りを顕にするソラス。 このゲームには部位補正ダメージや部位破壊という概念は本来ないが そらすの反応を見るに部位補正ダメージなどはあるようだ。 佐々木はソラスがキョンに気を取られている隙を逃さず動く。 43 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/12(金) 05:36:12.78 ID:bBKpzmIP 佐々木「ハッ!!」 ソラスの後方400m程に待機していた佐々木が、一気にソラスの背後へと襲いかかる。 佐々木「行け……!速く!もっと速く!」 佐々木の意思に答えるように飛行ユニットはその速度をあげる。 300……200…100、50。急速に詰まってゆく距離。 が、30m程度まで近づいたところで異変が起こる。 佐々木「ぐぁ……!」 強い衝撃が佐々木を襲い、佐々木は気がつけば自らの進行方向から右に吹き飛ばされていた。 佐々木「きゃああああああ!!」 キョン「佐々木!?どうした!?」 何が起こったのか、佐々木にもキョンにも分からなかった。 しかし佐々木は叩きつけられた地面から起き上がり、自分の身に何が起こったのかを悟った。 佐々木「尻尾だ……!尻尾にやられたみたいだ……!」 佐々木の言うとおり、ソラスは尻尾で佐々木を叩き落としたのである。 ソラス「グォアアアアアアアアアア!!」 満足気に勝利の雄叫びを上げるソラス。 キョン「馬鹿な!?そんな攻撃パターンは無いはずだ!」 佐々木「実際にあったんだから仕方ないさ……。一旦ここは引こう。作戦の立て直しだ。」 佐々木とキョンは一旦戦線を離脱することにした。 44 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/12(金) 05:36:57.86 ID:bBKpzmIP 〜市街地辺境〜 キョン「どういうことだ!クッ!まさか攻撃パターンが変化するとは……!」 佐々木「キョン、ゲームではアイツはどんな攻撃を繰り出してくるんだい?」 キョン「火炎放射と突進だ、その二つだけだな。」 キョン「そんなことより、お前、大丈夫なのか?」 あの悲鳴とあの巨体から繰り出された攻撃を思うと、キョンの心配も当然だろう。 佐々木「ああ、HPを9割方持って行かれたけど、なんとか……。」 キョン「なんつう威力だ……。」 佐々木「キョン、あの尻尾攻撃はとても正確だ。あれがある限り近づくことは不可能だと思う。」 キョン「確かにな……。だが接近できないとなると遠距離攻撃しか無いか。」 佐々木「僕の装備はレイピアGスラスト2とARC-LAZRだよ?」 キョン「俺の装備は……。ゴリアス99両手持ちだな。     ARC-LAZRは射程が172mだからな……。微妙だ。」 ARC-LAZRはレーザービームを照射して敵を焼き殺す レーザー兵器の中でも最高の威力を持つレーザー兵器である。 射程もレーザー兵器の中で最も長いが、それでも172mしか射程がない。 キョン「遠距離戦となると一瞬でも油断したらお陀仏だな……。」 佐々木「くっくっ、キョン。大丈夫さ、僕にはちょっとした秘策があるんだ。」 45 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/12(金) 05:37:32.27 ID:bBKpzmIP 〜市街地 前線〜 キョン「さあてと……!」 佐々木「くっくっ、行こうじゃないか……!」 キョンと佐々木はソラスのいる前線へ戻ってきた。 キョン「じゃあ、行くぞ佐々木!」 佐々木「OK!いつでも来いだよ、キョン。」 二人は最初ソラスに挑んだ時のように二手に分かれる。 そして、キョンはソラスの正面へと回った。 キョン「ようし、行くぜ!」 キョンはゴリアス99をソラスへと向ける。 そして引き金を引いた。 ゴリアスから飛び出したロケット弾は真っ直ぐとソラスのある部分へ向かう。 そして、着弾。 ソラス「グオァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」 ソラスが今までにないほどの悲鳴を上げた。 キョンが狙ったソラスのある部分とは、眼だったのだ。 46 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/12(金) 05:38:20.49 ID:bBKpzmIP キョン「とりあえず予測通りだな。」 キョンは緊急回避行動をとりながら次々とソラスの眼へロケット弾を打ち込んでゆく。 緊急回避行動とは、このゲームにおいては基本中の基本動作で、前転運動を任意の方向に行い 飛んでくる弾等を避ける、という動作である。このゲームの中では最も速く生身で移動する方法だ。 ソラス「ガォアアアアアアアアア!!」 怒り狂うソラス。 やはり部位補正ダメージは存在するようである。 しかし、それでもソラスに与えられているダメージは微々たるもののようだ。 キョン「オラオラどうしたぁ!」 怒涛の如く攻撃を仕掛けるキョン。 と、ソラスが突然顔を伏せた。同時に少しだけ屈んだ。 何やら力を溜めているようにも見える。 キョン「ヤバい……!」 それを見たキョンは、ロケットランチャーを打つのをやめただひたすらに回避運動 そしてソラスから距離を取る。 ソラス「ゴルァアアアアアアアア!!」 そしてソラスが動いた。 ソラスはキョンのいる方向へと突進しだしたのだ。 47 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/12(金) 05:39:08.47 ID:bBKpzmIP キョン「うわああ!!」 間一髪避けるキョン。 佐々木「大丈夫かキョン!?」 キョン「ああ、なんとかな。ギリギリだった……。」 ソラスは、突進する勢いがあまりにも強すぎたため キョンの位置から300m程オーバーランしてしまっていた。 キョンのいる方向を振り向くソラス。 そして、今度もまた顔を伏せた状態で力を溜めている。 しかし今度ははっきりとくの字型に屈んでいる。 キョン「クッソ!なんて奴だ!」 またもや回避運動を行い続けるキョン。 しかし、今度はソラスから距離を取るのではなくただただ右へと回避運動を取る。 ソラス「グオァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」 そして次の瞬間。突然、ソラスが口から炎を吐き出した。 ソラスから吐き出された炎は飛来する龍の如くキョンがいた方向へと襲いかかる。 キョン「チッ!」 なんとか、避けきった。 48 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/12(金) 05:39:53.12 ID:bBKpzmIP 佐々木「キョン、もう少しだけ耐えてくれ。」 キョン「ああ、わーってるよ。とりあえず引きつけるからしくじるんじゃねえぞ。」 佐々木「ああ、分かっているよ。」 この時、佐々木は二人の戦っている位置からは若干ずれたところのビルに潜んでいた。 その手に、レーザー兵器を構えながら。 キョン「さて、そろそろ本気でやるか。」 そう言うと、派手にビルをロケットランチャーで爆破しながらキョンは走りだした。 キョン「来い!ソラス!」 ソラスは、攻撃と逃走を繰り返すキョンに苛立っていた。 ソラス「ゴォアアアアアアアアアアア!!」 キョンの後を追うソラス、そしてある地点で立ち止まる。 またも火炎放射を繰り出す気なのだろう、力を溜めている。 49 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/12(金) 05:41:51.06 ID:bBKpzmIP 佐々木「今だ!!」 そこに飛び出してきたのはビルの影に隠れていた佐々木。 手に構えたレーザー兵器で狙ったのは、尻尾の付け根。 佐々木「行け!!」 約100mという至近距離から佐々木はレーザー兵器を剣のごとく振り下ろす。 ソラス「グォァアアアアアアアアアア!!!!」 ソラスの尻尾が大ダメージを負う。 尻尾が自由自在に振り回せる以上、その付け根には柔軟性が求められる。 つまり、付け根の皮膚すなはち攻撃から付け根を守る装甲は非常に薄いのだ。 それを示すかのように、尻尾の付け根3分の1程度をレーザーが抉る。 佐々木「ハァッ!!」 そして佐々木は全力でソラスへ取り付く。 それに対してソラスは尻尾による振り払い攻撃で応戦しようとするが 付け根が抉られ尻尾が部位破壊を起こしているようで、もはやそれも叶わない。 50 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/12(金) 05:42:40.79 ID:bBKpzmIP 佐々木「くっくっ、イチかバチかだったけど、なんとか上手くいったようだね!」 ソラス「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」 激怒するソラス、だがそんな事はお構いなしに佐々木はソラスへと取り付いた。 佐々木「悪いけど、終わりだよ!」 武器を持ち替え引き金を引く佐々木。 取り付いた位置は胸部のど真ん中。 そこからレイピアを発射したのだ、どうなるかは自明。 ソラス「ゴグゴァアアアアアアアアアアアア!!」 ソラスは、一瞬で絶命した。 ゴゴゴゴ……。静かな轟音と共にソラスはゆっくりと地に伏した。 ドゴォン!! ――MissionClear―― 獲得武器:SG-100、XSXプラズマ・ランチャー、サンダースナイパー40、イクシオンマーク4 51 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/12(金) 05:44:15.99 ID:bBKpzmIP 〜EDF隊員寮〜 佐々木「過酷になってきたね。」 キョン「ああ、しかも全く予想外の攻撃まで繰り出してきやがった。」 佐々木「しかし、予想以上にリアルな作りになっているようだねこのゲームは。」 キョン「そうだな、部位補正ダメージやら部分破壊やらを搭載しているらしい。     元のゲームにもそういうのがあればもっと面白かったかもな。」 佐々木「キョン……。」 キョン「なんだ?」 佐々木「……。いや、少し呼んでみただけだよ。くっくっ。」 キョン「ハッ、そうか。」 気がつけば朝になっていた。 アナウンス「緊急事態発生!緊急事態発生!」 キョン「フー、で、お次はなんだ?」 佐々木「くっくっ、毎度おなじみだね。」 キョン・佐々木「「さあ、行こうか!」」 52 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/12(金) 05:44:47.98 ID:bBKpzmIP 〜ミッション4大蜘蛛〜 キョン「冗談だろ!?」 佐々木「どうしたんだいキョン?」 キョン「このミッション、本来ならミッション53のはずなんだ、難易度が桁違いに上がる。」 佐々木「53……。考えようによってはショートカットとも取れるけれどもね。」 キョン「冗談言ってる場合か!コレは本格的にヤバイぞ……。」 佐々木「で、このミッションはどういうミッションなんだい?」 キョン「ああ、それは…………」 53 名前:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/12(金) 05:47:13.78 ID:bBKpzmIP ここまで。 実は書きたいシナリオは最初から一つしかなくて それを書くために前置きを作っていったらこういう感じになった というのがこのSSなので、出現武器やらナンやらはゲームを無視しています。 ソラスは近接攻撃さえあればもっと頑張れた。 ではまた暫くお待ち下さい。 56 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/15(月) 09:09:23.62 ID:tKyJJyYP 〜市街地〜 佐々木「本当にあんな巨大な蜘蛛が……。」 戦場に立った佐々木の目の前に現れたのは全長30mはあろうかという巨大な蜘蛛。 そして大量の小型(と言っても体長は5m程ある)の同じような形状の蜘蛛だった。 小蜘蛛が50匹に大蜘蛛が1匹で1つの集団を形成しているようだ。 それが手前側と奥側にそれぞれ1団づついる。 キョン「いいか、まずあのデカイ奴を叩き潰す。」 そう言うキョンの手にあるのは巨大なアンチマテリアルライフル「ライサンダー」 そのライサンダーの中でも最強の威力を持つライサンダーZである。 その威力は、厚い防御装甲を持つ戦車すら一撃で破壊してしまうほど。 佐々木「それじゃあ僕も同時に攻撃しよう。」 佐々木の手にあったのはプラズマランチャーだった。 XSXプラズマ・ランチャー、超高出力のプラズマランチャーで 計り知れない破壊力を持つプラズマ火球を水平に4連で発射する兵器である。 キョン「間違っても奥の奴らには当てるなよ。両方同時に開いてするのはキツイ。」 佐々木「くっくっ、分かっているさ。」 57 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/15(月) 09:10:00.49 ID:tKyJJyYP そして二人は同時に引き金を引いた。 甲高い銃声と鈍い唸るような銃声とがこだまする。 まず最初に着弾したのは弾速の極めて早いライサンダー ライサンダーが大蜘蛛の目に直撃する。 大蜘蛛「グモァ!!」 奇怪な声をあげ苦しむ大蜘蛛。 それを聞いて大蜘蛛の下にいた小蜘蛛達がその8つの目で一斉にキョンと佐々木の方を見る。 だが、その小蜘蛛達が真っ先に目にしたのは、青白く光る4つのプラズマ火球。 小蜘蛛達「グモァァ!グモァァ!!」 プラズマ火球に飲み込まれ次々と命を絶たれる小蜘蛛達。 だが、佐々木とキョンは攻撃の手を緩めない。 キョン「もう一発!!」 佐々木「行け!」 次々と繰り出される突然の攻撃に、蜘蛛達は為す術も無く倒れる。 キョン「よし!行けそうだな!」 が、そう思ったのも束の間。 見れば奥側に居たはずの蜘蛛の集団がキョンと佐々木の方へ襲いかかろうと近づいてきている。 58 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/15(月) 09:10:43.29 ID:tKyJJyYP キョン「チッ!流石にゲームのようにはいかないようだな!」 佐々木「キョン!」 キョン「分かってるよ、最後に、これだけは食らわせて第二段階だ……!」 キョンの放った銃弾が大蜘蛛の頭部を貫く。 大蜘蛛「グモァ……」 大蜘蛛は計6発の銃弾と多数のプラズマ火球を受けて倒れた。 蜘蛛の団体のうち、最初手前側にいた団体はほぼ殲滅されていた。 しかし、二人にとって計算外のことが一つ。 奥側にいた団体が二人を目指して進んできているのだ。 佐々木「なんだあいつら……。飛び跳ねながら移動している……!」 キョン「そういう移動法だ、コミカルな割りに凄まじいスピードだがな。」 二人の言うように、蜘蛛達は前方へ飛び跳ねながら二人の方へ向かってきている。 スピードは時速にして約60kmというところか。 佐々木「さて、第二段階だね。」 キョン「ああ、行くぞ!」 59 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/15(月) 09:12:11.78 ID:tKyJJyYP そう言って二人は後方へ移動し始めた。 走ってはいるが、時速60km等という驚異的スピードで追いすがる蜘蛛の集団から 逃げるには、あまりにも遅すぎる。 が、二人が行く先にあったのは、ある物。 キョン「さあ、急げ!」 佐々木「くっくっ、急かすなよキョン。」 そのある物とは、EDFが作り上げた対インベーダー用決戦兵器「戦闘車両 E551 ギガンテス」。 強力な装甲と驚くべき速度、そして炸裂弾を発射する回転砲台を装備している頼もしい兵器である。 佐々木はギガンテスに取り付けられている砲塔へ、そしてキョンはパイロットとしてギガンテスへ乗り込んだ。 キョン「さあて、いっちょやってやるか。」 佐々木「くっくっ、期待しているよ。」 ギガンテスを運転し始めるキョン。 その手つきは自然で手足のごとくキャタピラと砲台を操っている。 そしてキョンはバック走行をしながら砲台を大蜘蛛に向けた。 キョン「食らいやがれ!」 地響きのごとき低い爆音が砲台から発せられる。 60 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/15(月) 09:12:59.80 ID:tKyJJyYP 佐々木「うわ!」 砲塔にいる佐々木は思わず耳をふさいだ、。 そんな佐々木をよそに発射された炸裂弾は真っ直ぐに大蜘蛛に向かう。 しかし、大蜘蛛はそれを察知し咄嗟にジャンプ、直撃は避ける。 弾速が遅めの兵器では大蜘蛛に攻撃できないようだ。 小蜘蛛達「グモァ!!」 その代わりに小蜘蛛たちの集団が爆風に巻き込まれ倒れた。 キョン「ちっ、やるな……。」 佐々木「あの蜘蛛はゲームでもあんなに頭がイイのかい?」 キョン「いや、ゲームではあんな芸当はやってのけない。」 会話している間にも蜘蛛たちが二人に襲いかかる。 キョン「チッ、早過ぎる。糸の射程圏内に入らないだけで精一杯か……!」 この蜘蛛の攻撃パターンはたったひとつしか無い。 糸吐き攻撃である。しかし、この糸が厄介きわまり無い。 触れるだけで大ダメージを負い、身動きを封じられるからである。 耐久は低いが攻撃が桁違いに強いのがこの蜘蛛と言うわけである。 61 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/15(月) 09:13:46.88 ID:tKyJJyYP キョン「佐々木!とりあえずあの取り巻きをやってくれ!俺も何とかやってみる!」 佐々木「くっくっ、言われなくてもやっているさ。」 佐々木の言葉通り、佐々木は先程からプラズマランチャーを 蜘蛛の集団に向かって乱射していた。 キョン「しかし……数が多すぎるな。」 そう言いながらキョンも器用にバック走行をし、砲台から炸裂砲弾を蜘蛛の集団に向かって撃ち込む。 〜数分後〜 佐々木「ま、こんなところかな。小型の蜘蛛は全部倒したよキョン。」 キョン「よし、じゃあ始めるとするか。作戦が通用すればいいんだが……。」 佐々木「くっくっ、まあ、やれるだけやってみようじゃないか。」 そう言うと佐々木はもう一つの武器、LASR-ACを構えた。 LASR-ACはスナイパーライフル型のレーザー銃で、射程が長いが その分多少威力に難がある兵器である。 佐々木「はてさて、この攻撃は効くかな?」 62 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/15(月) 09:14:45.44 ID:tKyJJyYP 言うと佐々木はLASR-ACの引き金を引き絞った。 狙いは大蜘蛛の8つある目玉である。 一切のタイムラグなしで高出力レーザーが大蜘蛛の眼に直撃する。 弾速が限りなく早いレーザーは、流石の大蜘蛛も避けられない。 大蜘蛛「グモァァ!!」 佐々木「くっくっ、なかなか効くようだね。移動しながらの狙撃はなかなか難しいけれど。」 キョン「こっちはこっちで追いつかれないように必死だ、頑張ってくれ。」 佐々木「はいはい。」 そう言いつつも佐々木は確実に大蜘蛛の眼を狙撃し続けていた。 そしてあっという間に大蜘蛛の8つある眼を全て焼き潰す。 佐々木「さて、これで止まってくれるのなら楽なんだけれどもね。」 が、大蜘蛛は止まらない。 正確に佐々木とキョンの乗る戦車を追跡する。 キョン「チッ!どうやって俺達の位置を特定してやがるんだ……?」 佐々木「……。」 大蜘蛛の挙動を観察する佐々木、と、あることに気がついた。 63 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/15(月) 09:15:14.06 ID:tKyJJyYP 佐々木「そうか……!キョン、あの蜘蛛はきっと足から伝わる振動をたよりに     僕たちのいる位置を特定しているんだよ。さっきまで飛び跳ねながら移動していたのに     今は地を這うようにして移動しているのが根拠だ。」 キョン「なんて奴だ全く……。」 佐々木「くっくっ、でも、攻略は容易だと思うよ。」 キョン「何?」 佐々木「こうすればいいのさ。」 すると佐々木はプラズマランチャーに武器を持ち替えた。 そして……。 佐々木「ハァ!」 掛け声と共に佐々木がプラズマランチャーをあたり一面に乱射する。 するとプラズマランチャーの着弾による衝撃波があたり一面に発生した。 同時にビルに着弾したプラズマ球によりビルが倒壊し、それによっても大きな振動が起こる。 佐々木「くっくっ、思い通り、あの蜘蛛も戸惑っているよ。」 佐々木の言葉通り、大蜘蛛は辺りを右往左往している。 大蜘蛛「ぐ……グモァぁ……。」 キョン「あれが可愛らしい女の子だったら萌ポイントだとか言い出すやつもいただろうにな。」 64 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/15(月) 09:16:31.57 ID:tKyJJyYP 佐々木「冗談を言っている場合じゃないよキョン、この戦法でいこう。     僕がプラズマランチャーで衝撃波を作るから、君は大蜘蛛に……。」 キョン「ライサンダーをぶち込んでやると。」 佐々木「くっくっ、そういう事。じゃあもう一度適当にプラズマランチャーを乱射するから     それに合わせて戦車を降りよう。その後、蜘蛛から十分に距離をとりつつ攻撃だ。」 キョン「了解。」 〜5分後〜 大蜘蛛「ぐもァ!」 佐々木「ふむ、あっさり倒せたね。」 キョン「ああ、最初はどうなることかと思ったが何とかなったみたいだな。」 ――MissionClear―― 獲得武器:無し(アイテム回収をする暇がなかったため) 65 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/15(月) 09:17:38.09 ID:tKyJJyYP 〜EDF宿舎〜 佐々木「キョン、どうやらここにはバスルームがあるらしいよ。」 キョン「……みたいだな、まあ知ってたが。」 佐々木「君も僕もよく利用していたからね、くっくっ。」 キョン「……覗いてないぞ?」 佐々木「聞いていないよ。もしかして覗いていたんじゃあないかい?」 キョン「ば、バカを言うな!本当に覗いてねえよ!」 佐々木「くっくっ、冗談だよ。何を焦っているんだかね、くっくっ。」 キョン「ったく……。」(まあ、覗いてたんだが。) 佐々木「何か言ったかい?」 キョン「何でもない、気にするな。」 佐々木「そうかい?くっくっ。」 こんな話が出来るほどにはキョンと佐々木はこの世界に順応しているようだ。 キャッキャウフフしながら過ごしているうちに二人は眠ってしまった。 アナウンス「エマージェンシー!エマージェンシー!」 佐々木「さてと……。」 キョン「行くか。」 佐々木「ああ、行こう。」 66 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/15(月) 09:18:16.65 ID:tKyJJyYP 〜Final Stage 星船〜 キョン「ファイナルステージ、か……。」 佐々木「くっくっ、なんだ、案外早く終わったね。」 キョン「しかし、このステージ名は多分このゲームの次回作地球防衛軍3のステージ名だ。」 佐々木「なんだって?どういう事だいそれは?」 キョン「恐らくこのステージは地球防衛軍3のステージなんだろう。」 佐々木「また変わった事になってきたね。それで、この星船というステージはどれくらい難しいんだい?」 キョン「……。」 佐々木「キョン?」 キョン「凄まじい難易度だ。全力を以てしてもクリアできるかどうか微妙なくらいに、だ。」 佐々木「……くっくっ、いいじゃないかそれも。」 キョン「何?」 佐々木「いいじゃないか、キョン。壁は高ければ高いほど打ち壊しがいがある。」 キョン「……フッ、ハハハッ!お前には参ったよ佐々木。」 佐々木「くっくっ、それにやるしか無いんだ、前向きに行こう。」 キョン「ああ、そうだな。確かにそのとおりだ。やるか!」 佐々木「ああ、全力で……」 キョン・佐々木「「勝つ!」」 69 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/17(水) 03:16:50.28 ID:ygb.NR6o 〜EDF武器庫〜 キョン「さて、今回は要塞が相手だ。」 キョンはライサンダーZを手にとりながら佐々木に星船の概要を説明する。 キョン「凄まじい攻撃力と防御力を誇る空飛ぶ要塞、それがラスボスであり今回の敵ってことだ。」 佐々木「なるほど。じゃあ射程距離が短い兵器はかなり不利だね。」 キョン「そうだ。だから俺はライサンダーZを2丁持ちで行く。」 佐々木「随分思い切りがいいね。僕はどうしたらいいかな?」 キョン「サンダースナイパー40とミラージュ15WR辺りを頼みたい。」 ミラージュとは、誘導思念兵器と呼ばれる兵器でいわばミサイルのようなレーザー兵器である。 放たれたレーザーが自動的に敵を追尾し、敵を撃破してくれる優れものだ。 発動原理や動作原理は全て謎に包まれているとされている。 そして、サンダースナイパーはサンダーボウの射程距離を限界まで伸ばした兵器である。 サンダースナイパー40に限って言えば、40もの雷撃を砲口から発生させるという圧巻の兵器である。 射程距離が非常に長いが、その反面エネルギー効率が悪いので使い手を選ぶ。 佐々木「サンダースナイパーはともかくどうしてミラージュなんだい?」 キョン「今回の敵は要塞だけじゃないんだ。実は要塞から大量のUFOが発進してくる。」 佐々木「なるほど、それを迎撃するためのミラージュだね?」 キョン「そういう事だ。ライサンダーやサンダースナイパーで対応できないこともないがあると楽だ。」 佐々木「了解だよ。さて、それじゃあ出撃するとしようか。」 72 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/17(水) 03:19:35.77 ID:ygb.NR6o 〜東京・EDF極東司令部〜 キョン(出撃しようと思ったら、なぜかここに飛ばされてきたな。) 佐々木(ああ、なんでだろうね?とりあえず様子を見ようか。) キョン(そうだな、なにやら会議を始めるらしいし。) キョンと佐々木は会議室のような部屋に飛ばされていた。 円形の大きな机を、十数人が囲んでいる。 その大半はキョンや佐々木と同じようなEDFの兵士のようである。 オペレーター「見てください、これが今回のターゲットです。」 スクリーンの前に立ったスーツ姿の女性がスクリーンに映像を映しだし説明する。 オペレーター「映像から推定される大きさは、直径が1.5kmという巨大な戦艦です。」 司令長官「なんて大きさだ……。」 同じくスーツを着た指定長官らしき人物が感想を漏らす。 その感想通り、スクリーンに写った星船は凄まじい大きさであった。 球形で下部に大きな穴を開けたようなその姿はスタウォーズのデススターを彷彿とさせる。 また、星船の各所には、鱗のような防壁が見て取れる。 73 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/17(水) 03:20:16.11 ID:ygb.NR6o チームΩ兵隊長「どうやってこれを撃退するんだ?」 ペイルウィング隊長「本当ね、こんなのどうやって倒せばいいの?」 オペレーター「今のところ弱点らしい弱点は発見されていません……。」 陸戦兵兵隊長「おいおいおいおい!冗談じゃねえぞ!じゃああれか?ガチンコで倒せってのか!?」 司令長官「そういうことになるな……。」       「更に今回は相手の攻撃手段も分からない、厳しい戦いになるだろう。」       「そこで、これまでの戦いを見直し最も現場指揮に長けた人間に現場指揮を依頼しようと思う。」       「ストーム1、そしてストーム2。君たちに現場指揮を頼みたい、どうか?」 真っ直ぐにキョンと佐々木を見つめながら司令長官は言った。 キョン(お、俺達のことか?) 佐々木(そうみたいだね、どうする?) 二人が戸惑っているのを見ると、長官が言葉を重ねた。 司令長官「君たちの機転の利いた作戦には感心した。君たちならば恐らくやってくれると私は信じている。」 74 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/17(水) 03:20:46.61 ID:ygb.NR6o 佐々木「……分かりました。最善を尽くしましょう。」 キョン(おいおい、大丈夫かよ佐々木?) 佐々木(分かっていないねキョン、君はこのステージを知っているんだよ?) キョン(まあ、確かに知ってはいるが。) 佐々木(それならばそれ以上現場指揮に適した人間はないだろう?) キョン「……了解しました。自分もやれるだけやってみましょう。」 チームΩ兵隊長「……まあ、順当な結果だな。」 ペイルウィング隊隊長「そうね、功績も大きいし。」 オペレーター「では作戦を開始します。作戦目標は星船の撃破。」 オペレーター「皆さん、幸運を祈ります。」 75 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/17(水) 03:21:44.50 ID:ygb.NR6o 〜東京〜 星船、それはEDF最大の敵である。 その最大の敵を倒すため、EDFは持てる戦力の全てをこの作戦に投入した。 動員数は、およそ400。 陸戦兵250、ペイルウィング隊100、そしてチームΩ50の構成である。 チームΩとは、簡単にいえばペイルウィング隊の武器を持った陸戦兵である。 しかしエネルギーユニットは軽微な物しか装備できないため、チームΩの装備は 専らレーザー兵器に限定される。 キョン「凄まじい人数だなおい。」 佐々木「本当だね、これほどの人間を指揮することになるとは。」 キョン「大丈夫か……?個人戦とチーム戦は全く別物だと思うんだが。」 佐々木「くっくっ、誰に物を言っているんだいキョン?それにもうやるしかないさ。」 キョン「まあ、そうだな。ハッ、期待してるぜ佐々木。」 そして、EDF史上最大の戦闘が幕を開けた。 キョン「まずは敵の地上戦力をそぎ落とすぞ!」 敵はたしかに星船であるが、もちろん星船は巨大生物をぞろぞろと連れている。 キョンは、まずその巨大生物を駆逐することを選んだ。 76 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/17(水) 03:22:25.27 ID:ygb.NR6o 佐々木「ペイルウィング隊は可能な者は近接武器等による一撃離脱戦法を!残りペイルウィング、陸戦兵及びΩはその援護!」 一同『Sir、Yes、Sir!!』 レイピア等の近接武器を装備したペイルウィング10程が巨大生物の群れへと突撃をかける。 巨大生物達は飛んで火に入る夏の虫とばかりにペイルウィング隊に攻撃を仕掛けるが……。 陸戦兵「させるかよぉ!」 陸戦兵「ヒャッハー!巨大生物は消毒だー!」 陸戦兵「見ろ!俺の弾で敵が倒れたぜ!」 後方で支援に回る陸戦兵の狙撃銃やアサルトライフルによって次々と吹き飛ばされる。 ペイルウィング1「敵密集地点へ到着、レイピアを5秒間照射した後に後方へ撤退します。」 佐々木「了解、その後ペイルウィング2と交代し攻撃を断続的に続行せよ。」 ペイルウィング1「Sir、Yes、Sir!」 キョン「陸戦兵部隊!一人もやらせるんじゃねえぞ!」 チームΩ兵隊長「Ωチーム、我々の力を見せてやれ!」 それぞれがそれぞれの穴を補い合うことで、EDF側は戦局を非常に有利に進めていた。 ものの数分としないうちに巨大生物は壊滅寸前へと追い込まれる。 と、その時星船が動きを作った。 77 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/17(水) 03:23:23.23 ID:ygb.NR6o オペレーター「星船に動きがあります!」 オペレーターの言葉通り、星船に動きがあった。 星船は下部にある穴から、巨大な砲台のようなものを出現させたのである。 キョン「本部、星船から巨大な砲台が出現した。我々は砲台の破壊に焦点を移したい。」 司令長官「了解した、総員、ストーム1の指揮下のもとで砲台を破壊せよ!」 佐々木「残りの巨大生物はペイルウィング隊に任せてくれていいよ。だね?」 ペイルウィング隊一同『Sir、Yes、Sir!』 キョン「よし、遠距離武装を持つものはあの砲台をいっせいに攻撃……」 と、キョンが攻撃指令を飛ばそうとしたその時だった。 星船の巨大砲台の砲口と思われる場所から、眩い光が放たれ始めた。 キョン「……!総員後退!今いる場所から離れろ!」 佐々木「何だかよく分からないけどまずそうだ……!全力で離脱!」 と、EDF総員が後退を始めた時、巨大砲台が一筋の光を地上へと撃ち放った。 その後に一瞬のタイムラグを起き、凄まじい衝撃波と爆音が一面を満たす。 78 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/17(水) 03:24:12.60 ID:ygb.NR6o 陸戦兵1「ぐわあああああああ!!」 佐々木「ぐぅう……!なんて威力だ!」 巨大砲台が放ったのは一種のプラズマであった。 その密度があまりにも高すぎたため一筋の光にしか見えなかったのだ。 キョン「体制を立て直せ!もう一発撃たれる前に砲台を落とすぞ!」 キョンの言葉に気を取り直したEDF総員は、急ぎ巨大砲台へと照準を合わせる。 キョン「遠距離攻撃班、総員攻撃!」 そして大量のロケット弾やアンチマテリアル弾、さらに数百もの青白い稲妻とレーザー光が巨大砲台へと襲いかかる。 キョン「次弾装填、砲撃用意――!」 キョン「ファイヤ!」 もう一度攻撃を加える。 が、巨大砲台はまだ健在である。 佐々木「凄まじい耐久度だね。」 チームΩ兵隊長「我々の一斉射撃を2度受けて尚これか……。」 率直な感想を二人が漏らしていると、またも巨大砲台が光を蓄え始めた。 79 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/17(水) 03:24:51.46 ID:ygb.NR6o 佐々木「後退!可能なかぎり後退だ!」 キョン「総員後退!」 そして総員が後退を始めたその時、もう一撃超高密度プラズマ弾が放たれた。 陸戦兵「うわああああああああああああ!!」 ペイルウィング「きゃああああああ!!」 キョン「クッ……!!」 この一撃に、かなりの兵士が倒れた。 が、それを悲しんでいる余裕はない。 佐々木「反撃!敵の砲台を一刻も早く破壊するんだ!」 チームΩ兵隊長「行くぞ!仲間の死を無駄にするな!」 激しい攻撃が巨大砲台に加えられる。 凄まじい耐久力を持つはずの巨大砲台だが、この攻撃には耐えられなかった。 陸戦兵「巨大放題が落ちるぞー!」 陸戦兵「勝った、人類は勝ったんだ!」 ボロボロになり星船から切り離され、そして落下した巨大砲台は地上にぶつかり爆散した。 星船の攻撃手段が削ぎ落とされ、EDF総員には勝利ムードが漂う。 だが、星船はそれ程甘い相手ではない。 80 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/17(水) 03:25:32.36 ID:ygb.NR6o オペレーター「星船下部の穴から、大量の円盤型飛行機が発進しています!」 キョン「……本部、詳細な数を教えてくれ。」 オペレーター「発進した円盤の数は……。50です!」 佐々木「随分と豪勢じゃないか。」 キョン「総員!円盤を迎撃しろ!ペイルウィング隊で思念兵器を装備している者を援護する形で迎撃する!」 一同『Sir、Yes、Sir!』 EDFと円盤の攻防は円盤の総突撃により火蓋が切られた。 円盤は下部に装備されているパルスレーザー砲を用い、EDFへ攻撃を仕掛ける。 パルスレーザー砲「ピシュン!ピシュシュシュシュシュン!」 サイレンサーを装着した銃器のような、そんな音をたてながら大量の光弾がEDFへと襲いかかる。 陸戦兵「ぐあああ!」 ペイルウィング「ぎゃあああ!」 大量の光弾に次々倒れてゆくEDF。 しかし、やられているだけではない。 81 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/17(水) 03:26:04.68 ID:ygb.NR6o 佐々木「ペイルウィング隊!思念兵器を!」 ペイルウィング隊の中で思念兵器装備している者が次々とレーザーを撃ち出す。 レーザーはまるで意思を持っているかのように敵を追尾し、そして打ち落とす。 激しい戦闘にはなったが、思念兵器の効果は絶大でものの5分とかからないうちに円盤は全て撃墜された。 しかし、EDF側の損失も激しく、最初400名だったEDFは今やその半分、200名にまでその数を減らしていた。 オペレーター「星船にさらなる変化があります!?」 陸戦兵「おいおいおいおい、なんだありゃあ……。」 ちょうど円盤を全て撃墜した所で、星船は新たな動きを作った。 星船の外殻を覆っていた鱗のような防壁が剥がれ、その鉛直上の宙に浮いているのだ。 オペレーター「星船の周りに飛んでいるのは、砲台です!総数、およそ200……。」 司令長官「今までは本気ではなかったということか!?なんという、なんという船だ……!」 キョン「総員!あの宙に浮いている奴をぶっ壊せ!サンダースナイパー系統の武器を持っている者を中心に     鶴翼の陣を取り、陣の正面に来た砲台を片っ端から落とす!」 キョンの言葉に隊員達が鶴翼の陣をとり始めたその時、砲台が砲撃を開始した。 佐々木「サンダースナイパー部隊!一斉射撃!」 佐々木「ってー!」 82 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/17(水) 03:26:47.45 ID:ygb.NR6o 佐々木の言葉と共にサンダースナイパーが砲台へと襲いかかるのがそれとほぼ同時。 陸戦兵「クッ!数が多すぎる!」 陸戦兵兵隊長「甘ったれるな!今は奴らを破壊することだけを考えろ!」 陸戦兵「ッ!Sir、Yes、Sir!」 サンダースナイパーの雷撃とスナイパーライフルやロケットランチャーの砲撃 そしてレーザー兵器の光撃が続々と砲台へと伸びる。 ペイルウィング「アーマー損傷!戦線を離脱します!」 陸戦兵「クッ!アーマーをやられた!離脱する!」 しかし、砲台側からも大量のレーザー光とプラズマ球が射出されている。 200という途方もない数の砲台から打ち出された攻撃は容赦なくEDFへと降りかかり 着実にEDFの数を減らしていく。 キョン「なんとか踏ん張れ!これを破壊すれば星船は丸裸だ!」 ライサンダーの引き金を引き絞りながら隊員たちを励ますキョン。 だが、これでもまだ星船が本気ではないことはキョンも知っている。 佐々木「なんとかかなりの数を撃ち落としたようだね。」 ペイルウィング隊兵隊長「損失が危険水域に達しつつあるわ。ペイルウィング隊は5人しか残っていない。」 83 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/17(水) 03:27:30.07 ID:ygb.NR6o 佐々木「僕達を合わせれば7人さ、やれないことはない……!」 と、砲台の数が10程度まで減ってきたところで、星船は更に動きを作った。 オペレーター「また円盤戦力の投入!?どれだけの力を蓄えているというの!?」 キョン「……数は?」 オペレーター「……50、円盤50が皆さんの所へ突撃をかけています!注意してください!」 キョン「もはや作戦すら組めない程度の人員しか残っていない、しかし、なんとか円盤を撃墜しろ!」 一同『Sir、Yes、Sir!』 チームΩ兵隊長「オメガ部隊の対空戦力を見せつけてやれ!」 チームΩ兵士「うおおおおおおおおおおおお!!」 チームΩ兵士「どうせ帰るところはないんだ、この命、くれてやる!」 陸戦兵「落ちろ!落ちろおおおおおおおおおおおおお!!」 一心不乱に円盤を攻撃するEDF。 が、ここで佐々木が動いた。 86 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/20(土) 04:57:42.59 ID:8HT4skYo 佐々木「キョン、闇雲に攻撃しても仕方ないよ。」 キョン「だがどうしろって言うんだ!?流石にこれだけしか人員がいないと……。」 佐々木「簡単さ、僕が囮になればいいだけのこと。」 キョン「……なに?」 キョンが聞き返したその時には既に佐々木は動いていた。 迫り来る円盤部隊、そこに佐々木が突撃する。 キョン「馬鹿野郎!死にてえのか!」 佐々木「くっくっ、僕をあまりなめないでほしいねキョン。」 キョンの静止を振り切り突撃を続ける佐々木。 円盤部隊は飛んで火に入る夏の虫とばかりに佐々木に攻撃をかける。 佐々木「おっと。」 佐々木は円盤の攻撃を飛行ユニットの操作放棄という手段で回避。 攻撃を回避し、そして円盤部隊の飛び交う真下へ着地する。 佐々木「まずは初激。」 そして着地と同時に思念兵器を連射、15×10の光線が円盤へと吸い込まる。 光線はすぐさま円盤に着弾、3機を撃墜する。 87 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/20(土) 04:59:33.63 ID:8HT4skYo 佐々木「ファーストインパクトとしては上出来かな。」 目の前で友軍を沈められた円盤部隊、その怒りは計り知れない。 円盤部隊は、烈火の如く佐々木へと攻撃を集中させる。 致死の光弾が大量にばらまかれた。 佐々木「これはちょっと危ないね。」 いうと佐々木は飛行ユニットで真上へと飛んだ。 地上にいた佐々木を狙う光弾は佐々木が空へと飛び出してしまったがために全て不発。 佐々木は残っているエネルギーをぎりぎりまで使い出来る限り上方へ身を躍らせる。 佐々木「2撃目、セカンドインパクトってところかな。」 サンダースナイパーを構え、自身の直下へと照準を合わせ、引き金を絞る。 佐々木「チェック。」 40の雷撃が円盤部隊へと襲いかかる。 これで数機が撃墜され、他の円盤もダメージを負ったためすぐには動けない。 が、それでも佐々木へ向かって突進する円盤が4つあった。 佐々木「さて、困ったね。エネルギーも尽きたし絶体絶命かな?」 佐々木の言葉通り、サンダースナイパーの発射でエネルギーは尽き、エネルギーポッドは緊急チャージモードに入っている。 それでも尚茶化すような言葉を放つ佐々木。 絶体絶命に見えるこの状況、がしかし佐々木に向かって突進をかけていた円盤4機が突然に爆発した。 88 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/20(土) 05:00:00.24 ID:8HT4skYo キョン「馬鹿野郎!冷や冷やさせんな!」 陸戦兵兵隊長「全く同感だな、やむを得ないとは言え褒められた戦術ではなかろう。」 円盤部隊を撃墜したのはキョンや兵隊長などのスナイパーライフルを装備したEDFの人間だった。 佐々木「くっく、君たちを信頼しているからこんな事ができたんじゃないか。」 佐々木「さて、まだまだ敵は残っているんだ。この調子で頼むよ。」 キョン「はぁ、ったく……。わーったよ。やりゃいいんだろやりゃあ。」 佐々木「素直で宜しい。くっくっ。」 このようなやりとりをしている間に緊急チャージが終わった。 円盤も混乱から立ち直り佐々木を迎撃しようと待ち構えている。 佐々木「くっくっ、待ち構えるのはいいけどこのポジションはいけなかったね。」 サンダースナイパーを直下へと向ける佐々木。 佐々木「人間には学習する能力が備わっているのだけれど、君たちには備わっていないらしい。」 またも40の雷撃が円盤部隊へと襲いかかる。 しかし、いくつかの円盤は撃墜したものの殆どはダメージを負いながら佐々木へと攻撃を仕掛けようとしている。 89 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/20(土) 05:00:35.50 ID:8HT4skYo 落ちる佐々木に、とどまる円盤、両者の距離がどんどん近づいてゆく。 しかし、この均衡はすぐに破られた。 その場にとどまり続ける円盤、それ程狙いやすい的はないだろう。 キョン「馬鹿が、佐々木は囮だッつってんだろ。」 陸戦兵部隊によるロケットランチャーやスナイパーライフル、超長射程アサルトライフルによる攻撃が円盤を襲う。 佐々木「これもついでに食らうといい。」 そして佐々木がもう一撃サンダースナイパーを発射、円盤部隊は十字砲火を浴びるような形となった。 側面、そして上面からの攻撃にかなりの数の円盤が落とされる。 佐々木「ざっと見てあと10くらいかな。このへんで僕の仕事も終わりかな。」 佐々木がそう判断した時、佐々木と円盤が同じ高さに並んだ。 これを逃すものかと佐々木に攻撃をする円盤達。 佐々木「無理だよ、直線なんて1次元的な攻撃で3次元的な動きをする僕を捕まえるなんて。」 佐々木は言葉通り、飛行ユニット操り全ての光線を回避。 しかしそれでも円盤は諦めない。 佐々木「くっくっ、これじゃあまるで、円盤とダンスだね。」 佐々木「でも、僕のエスコート役は決まっているんだよ。」 佐々木を追っていた円盤は6機、その内先行する1機が撃墜される。 90 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/20(土) 05:02:11.93 ID:8HT4skYo キョン「ってことでご退場願おうか!」 ライサンダーの次弾を装填、再射撃。 キョン「人の女に手出してんじゃねえよ!」 さらに次弾を装填、再射撃。 佐々木「くっくっ、よくそんな恥ずかしいセリフを言えるもんだねキョン。」 茶化しながら佐々木も思念兵器で円盤を迎撃、これを撃墜する。 キョン「なっ、おまえが言うな!」 さらに次弾を装填、再射撃。 佐々木「ハハハ!それもそうだねキョン!」 佐々木を追う最後の円盤、佐々木はそれに向かって思念兵器をぶち込む。 チームΩ兵隊長「なんて奴らだ……。」 ペイルウィング隊兵隊長「本当に同じ人間なの……?」 陸戦兵兵隊長「おい!ぼーっとしてんな!まだ少し残ってるんだぞ!」 キョン「最後の1機を今落とした。心配するな。」 陸戦兵兵隊長「……化物かテメーは。」 全ての円盤を撃破、地に沈めたEDF。 多少の被害を被ったもののまだ40名程が戦える状態にある。 91 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/20(土) 05:03:08.73 ID:8HT4skYo 陸戦兵兵隊長「とはいえ、これでやっと本丸をたたきつぶせる――」 オペレーター「星船から更に巨大な砲台が出現しました!」 司令長官「なんだと!?奴らはいったいどれだけの武装を隠しているんだ!?」 陸戦兵「嘘だろ……。なんだよあれ……。」 星船は、自身の側面部から8本の砲台を出現させた。 それは蜘蛛の足のを真っ直ぐに伸ばしたような形をしている。 オペレーター「あれは巨大な思念兵器砲台です!注意してください!」 陸戦兵「ぐああああああああ!」 オペレーターが注意を喚起した時には既に遅かった。 8本の思念兵器砲台はそれぞれから独自に思念レーザーを照射し EDF隊員の一人へと襲いかかる。 キョン「クソッ……・!とりあえずアレを何とかするぞ!なんとか破壊するんだ!」 しかし、思念レーザーの照射間隔が非常に短いため次々とEDF隊員がやられてゆく。 佐々木「……。」 そのような状況でも佐々木は観察と考察、そして攻撃と回避を同時にこなしていた。 佐々木「……!キョン、この砲台は一番近くにいる敵に攻撃してくるらしいよ。」 92 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/20(土) 05:04:46.59 ID:8HT4skYo キョン「お前まさか……!」 佐々木「まあそういう事だよ。」 ペイルウィング隊兵隊長「残念ね、それは私の仕事よ。」 佐々木「えっ……?」 佐々木が疑問に思ったときには既に兵隊長が動いていた。 兵隊長は飛行ユニットを操り星船へと一直線に向かう。 キョン「っ!ったく、どいつもこいつも!」 キョン「各員、ペイルウィング隊兵隊長が攻撃を引きつけている今がチャンスだ!全力で砲台を破壊しろ!」 一同『Sir、Yes、Sir!』 一斉砲火というものを体現したかのような攻撃が思念兵器砲台に降り注ぐ。 思念兵器砲台は青白い雷光やロケット弾の爆発、そしてレーザー光の赤い光に包まれた。 オペレーター「思念兵器砲台の内の半分を破壊!」 キョン「よし!いいぞ!このまま押し切る!」 好調そうなキョン達、それとは対照的にピンチに陥っているのがペイルウィング隊兵隊長である。 ペイルウィング隊兵隊長「ハァ……ハァ……!」 思念兵器を回避し続けるというのは、並大抵のことではない。 本来ならば必中のはずの弾を避けるのだ、かなりの集中力と技術を必要とする。 ペイルウィング隊兵隊長(もうそろそろ……。ヤバい、かも……。) 93 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/20(土) 05:05:40.25 ID:8HT4skYo キョン「さあ!この調子で全部落とすぞ!」 一同『Sir、Yes、Sir!』 断続的な攻撃が続く。 一本、また一本と思念兵器砲台が落ちてゆく。 ペイルウィング隊兵隊長(なんとか、なったわね……。だるー!) そして士気の高さが相まってあっという間に思念兵器砲台は全て破壊された。 星船にとっては虎の子とも言えるべき武装を、殆ど被害なしに破壊できたというのは大きい。 キョン「これでそろそろネタ切れだろう、本体を叩きに行くぞ!」 佐々木「しかし敵の弱点はまだ…・…。」 オペレーター「分かりました!」 佐々木「え?」 オペレーター「星船の弱点がわかりました、あの穴です!」 佐々木「穴だって?」 オペレーター「はい、あの穴の近くには大規模な熱エネルギー反応があります。恐らくそれはエンジンのようなものです!」 94 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/20(土) 05:06:14.86 ID:8HT4skYo 陸戦兵兵隊長「エンジンをやられれば流石に飛ぶことはできない、ということか?」 キョン「その通りだろうな。しかし問題はあの穴の周囲にはバリアが張られていることだろう?」 オペレーター「はい、その通りです。あの穴の周辺には強力なバリアが張られていて、通常攻撃は通りません。」 司令長官「何!?それでは無敵ではないか!?」 オペレーター「大丈夫です、バリアには、発生源があります。」 司令長官「そうか!まず発生源を破壊すれば……!」 佐々木「攻撃が通る、ということだね。」 オペレーター「はい、その通りです。」 キョン「よし、総員!星船の穴の近くにあるバリア発生装置を破壊するぞ!」 一同『Sir、Yes、Sir!』 EDF隊員一同がバリア発生装置を探そうと躍起になった直後、しかし絶望が訪れた。 オペレーター「星船から大量の円盤が発進しています!」 キョン「チッ!しつこい奴らだ!数は!?」 オペレーター「10……50……90……そ、そんな……!」 95 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/20(土) 05:06:52.93 ID:8HT4skYo オペレーター「発進した円盤の数は、200です……。」 チームΩ兵隊長「200だと!?それは本当なのか!?」 オペレーター「はい……。」 佐々木「くっくっ、ランチェスターの法則的には2500倍の力が必要だね。」 キョン「だがまあ、泣き言を言っても始まらない。なんとか撃墜するぞ。」 佐々木「さっきと同じような囮作戦はどうだろう?」 キョン「無理だ、奴らの学習能力は尋常じゃない。同じ手は二度と通じない。」 佐々木「……だろうね。しかしいくら何でもコレは難しいよキョン?40対200では流石にね。」 ???「プラス100だ!」 キョン「ッ!?誰だ!??」 スカウト部隊兵隊長「こちらスカウト1、スカウト部隊100名、戦闘に参加します!」 司令長官「ッ!……許可する!」 スカウト部隊は、その名の通り偵察を主な任務とする。 それゆえ装備は軽装備で、戦闘力は低い。 スカウト部隊兵隊長「これで140対200、君のいうランチェスターの法則的には2倍の力があればいいはずだ。」 96 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/20(土) 05:07:27.04 ID:8HT4skYo 佐々木「くっくっ、頼もしい。いこうじゃあないかキョン!」 キョン「ああ、そうだな。行くぞ!覚悟を決めろ!」 一同『Sir、Yes、Sir!』 星船の最後の戦力、円盤部隊200とEDF最後の戦力、140が激突する。 赤の光がEDFに降り注ぎ、青の稲妻とオレンジ色の弾道が円盤部隊を刺し貫く。 激闘、激戦、乱戦、正しく必死な戦いであった。 陸戦兵「鉛玉の味は味はどうだあ!」 ペイルウィング「落ちなさい!」 スカウト「被弾したッ!」 陸戦兵「うわあああああああああ!!」 陸戦兵「弾だ!弾をくれ!」 ペイルウィング「きゃあああああああ!!」 チームΩ隊員「宇宙へ帰りやがれ!」 この激闘の最中でも、キョンは星船の弱点たるバリア発生装置を探していた。 そしてそれらしき装置を発見しては破壊し、円盤の攻撃をかわし、円盤を撃破し、装置を探し、破壊し また円盤を破壊し、という大量の仕事をこなす。 98 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/20(土) 05:08:01.31 ID:8HT4skYo オペレーター「バリアの出力が減少!恐らくバリア発生装置は残り一基です!」 陸戦兵兵隊長「損耗が激しい!こちらの戦力は8割削られたぞ!」 ペイルウィング隊兵隊長「アーマーが……!」 チームΩ兵隊長「こんなところで死ぬわけにはいかんのだ!!」 ギリギリだった。もはやEDFは壊滅寸前。 しかしそれは円盤も同じことで、最初は無限に思えた円盤の数も今や現実的な数にまで減ってきている。 だが、戦力差は依然として圧倒的だ。 キョン「……!最後のバリア発生装置を発見した!破壊する!」 佐々木「バックアップは任せてくれ。」 佐々木がキョンの周囲の円盤を一掃する。 そしてキョンは最後のバリア発生装置に向けて砲口を向け、引き金を絞る。 何かが割れるような音がした。 ガラスのコップがコンクリートに叩きつけらてた時のような甲高い音が戦場に鳴り響く。 オペレーター「バリア発生装置を全て破壊!バリアが消滅しました!」 司令長官「やった!」 バリアが消滅するのと同時、他のEDF隊員もまた円盤を全滅させていた。 99 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/20(土) 05:08:36.41 ID:8HT4skYo 陸戦兵兵隊長「……円盤部隊を・・・・・・全滅させた。」 キョン「よし、総員であの穴を攻撃するぞ!」 陸戦兵兵隊長「どうやら、そうは……いかないらしい・・・・・・。」 人が倒れる音がした。 キョン「……?」 佐々木「なっ!」 キョンが疑問符を頭に浮かべる。しかし佐々木は気づいた。 EDFは、キョンと佐々木を残して全滅したのである。 司令長官「……彼我の戦力差は歴然だった。これでも良い結果だろう……。」 キョン「……。」 佐々木「キョン、行くぞ。」 キョン「ああ、そうだな。行こう。」 二人は星船の真下に急ぐ。 真下から攻撃を叩き込み、一気に星船を殲滅しようという考えだ。 オペレーター「……!?星船の下部の穴から巨大なエネルギーが観測されました!」 キョン「何だと!?今度は何だ!?」 佐々木「キョン!物陰に隠れろ!」 星船にはもはや武装は残されていない。 円盤部隊も全て投入した。 では、今穴にエネルギーが観測されているのはなぜか? そんなキョンの疑問はすぐさま解決された。 100 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/20(土) 05:09:13.63 ID:8HT4skYo オペレーター「大気です!星船はあの穴に大気を溜め込んでいるようです!」 巨大な空気砲。ダンボールで作られた空気砲はご存知だろう。 あの空気砲を極限まで強化した物を、星船は即席で創り上げたのだ。 キョン「空気砲だと!?だがそれくらいどうってことは……。」 佐々木「馬鹿!早く隠れるんだ!」 佐々木はキョンを引っ張りながらビルの影に隠れた。 その直後、星船は穴に溜め込んだ大気を解放、自分の真下に向かって発射した。 佐々木「来た……!キョン!つかまれ!」 キョンと佐々木を襲ったのは、風。 だが暴風などという生ぬるいものではない。言うなれば大気の津波である。 キョン「ぐぁ……!!」 佐々木「くっ!」 圧倒的な風量、風圧、それがキョンと佐々木の隠れるビルに襲いかかる。 ビルは為す術も無くボロボロになり、そして折れた。 佐々木「伏せろ!なるべくビルに寄り添いながら伏せるんだ!」 しかし、波というものは障害物の真後ろには回り込みにくい。 真後ろにいても相当の風圧を食らっているのだが、それでもまだまだマシなものである。 101 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/20(土) 05:10:12.17 ID:8HT4skYo 佐々木「なにしてるんだ!もっと近くに!」 キョン「もがぁ!佐々木!ちょっとこれはまずい!」 佐々木「馬鹿!死にたいのか!もっと近くに寄らないと本当に死ぬぞ!」 キョン「もががもががもももががが!」 少し抵抗するキョンを強引に引き寄せビルに限界まで寄り添う。 星船による大気圧縮砲とでも言うべき攻撃は約2分もの間津波を発生させ続けた。 佐々木「……やっと止んだか。」 キョン「もももがが!」 佐々木「ああ、悪かったねキョン。」 キョンを解放する佐々木。 キョン「お前、おもいっきり胸が……。」 佐々木「キョン、君は生きるか死ぬかというときに何を考えているんだ。」 キョン「いや、だってだな……。」 佐々木「もうそんな事はどうでもいい。早くあいつを沈めないともう一撃食らうハメになるよ。」 キョン「あ、ああ。そうだな。じゃあとっとと沈めに行くか。」 ビルを出て、急ぎ星船の直下へと向かう二人。 それほどの距離はない、すぐに到着する。 102 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/20(土) 05:10:46.67 ID:8HT4skYo キョン「全く、最後の最後まで手こずらせやがって。」 ライサンダーを叩き込みながら言うのはキョン。 佐々木「くっくっ、本当だね。苦労させられたよ。」 サンダースナイパーを叩き込みながら言うのは佐々木。 キョン「しかしまあ、これで終わりだな。」 佐々木「流石にコレには耐えられないと信じたいよ。」 星船「オォォーーーン……オォォーーーン……」 星船が唸りを上げる。断末魔のように。 キョン「沈め、それがお前に残された最後の手だ。」 キョンがライサンダーを叩き込むのと同時、星船がキョン達の頭上で爆発した。 佐々木「えーと、コレってまずくないかい?」 そのままキョンと佐々木は星船の爆発に巻き込まれ、意識を失った。 103 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/20(土) 05:11:13.80 ID:8HT4skYo 部屋がある。見慣れた部屋だ、そう、俺の部屋だ。 目の前には電源の入ったテレビとPS2、ご丁寧にテレビの画面にはエンディングが流れていやがる。 視点がおかしいのは、俺が寝転がっているからだろう。 さて、佐々木はどこに行った? おお、隣で寝ていたか。すやすや規則正しい寝息を立てて寝ていやがる。 無防備だな、実に無防備だ。 無防備にその口唇を晒して、なんというか、その、あれだ。 俺も男だからなあ……。 気がついたらキスしていた。 だがこれは決してそういう変態的な意図を以てして行なったものではなく そう、例えるなら放課後の教室に出されていたかわいい女の子の縦笛をなめてしまうような あれ、もっと変態的になってきたような気がするぞ……。 ええい!とりあえずは飲み物だ!何か飲みながら佐々木を起こして 何事も無く懐古話にでも花を咲かせるとしよう。 しかし、佐々木より俺のほうが先に起きられて良かったな……。 104 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/20(土) 05:12:19.53 ID:8HT4skYo ガチャリ、ドアが開く音がして、人が出てゆく音がした。 その後、部屋の中は静寂に包まれる。 だがしかし、そんな静かな部屋の中に響く声が一つだけ聞こえた気がした。        「くっくっ」 一瞬だけ、そんな声が響いたかと思ったが、もしかしたらそれは気のせいだったのかもしれない。                                                          完 105 名前:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[saga] 投稿日:2010/11/20(土) 05:14:53.06 ID:8HT4skYo という感じでキョンと佐々木の地球防衛軍2はおしまいです。 地球防衛軍2とか言いながら別に2じゃなくねと思いましたが、気にしない。 こういう長めのSS書くのは初めてで、スゲー読みにくいぞアホとか 意味わかんねえよ馬鹿とか色々思われると思いますが勘弁願います。 最後にお礼を このような拙作にお付き合い下さりありがとうございました。 また機会がありましたらお会いできると嬉しいです。 ではまた。