ハルヒ「おまんこ侍ですって?」 1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/19(火) 22:37:03.65 ID:RNqKv7Fm0 古泉「そうです。最近、噂が広まっている正義の味方です」 キョン「おいおい、正義の味方ってどういう事だ?」 長門「例えば、夜道を歩く一人の女性がいたとする」    「彼女が暴漢に襲われた際、ただちに馬に乗って駆けつけ、暴漢を成敗する」 みくる「確か、出現する時に『おまんこ侍、見参!』と叫び」    「悪い人をやっつけた後『峰打ちじゃ、命までは取らぬ』と言って」    「去り際に『用心いたせよ』と女性に声をかけるんですよね。格好良いです!」 ハルヒ「おまんこ侍。……不思議の予感がしてきたわ!」 3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/19(火) 22:39:29.29 ID:RNqKv7Fm0 ハルヒ「あたしたちで捕まえましょう、おまんこ侍!」 キョン「正義の味方を捕まえるなよ」 古泉「しかし、一度は会ってみたいものです」 長門「サインが欲しい」 みくる「握手してほしいです」 キョン「みんなミーハーだなぁ」 みくる「だって、おまんこ侍ですよ! おまんこ侍!」 長門「おまんこ侍……どのような人間なのか。期待に胸が膨らむ」 古泉「人知れず善行を行う、おまんこ侍。素敵ですね」 ハルヒ「まあ、直接会って、話だけでも聞きたいわね! おまんこ侍!」 キョン「やれやれ。で、どうやって会うんだよ?」 4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/19(火) 22:43:18.53 ID:RNqKv7Fm0 ハルヒ「順当に考えれば囮作戦よね」 長門「朝比奈みくるが夜道を歩き、暴漢に襲われる」 古泉「そこに、おまんこ侍が!」 みくる「ふええ! もし、おまんこ侍が来てくれなかったらどうすればいいんですかぁ?」 長門「そこは心配ない」 ハルヒ「あたしたちが陰からひっそり見守ってるから!」 古泉「万一の時には警察に連絡しますよ」 みくる「分かりました! 囮作戦、頑張ります!」 ハルヒ「じゃあ、みんな! 今日の夜中に、駅前集合よ!」 一同「了解!」 キョン「……全く」 7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/19(火) 22:49:15.13 ID:RNqKv7Fm0 ― 夜中・駅前 ― ハルヒ「みんな来たわね! ってキョンは?」 古泉「妹さんが熱を出したとかで……」 ハルヒ「はあ? そんな事でおまんこ侍に会うチャンスを棒にふる気!」     「電話してやる!」 キョン『お前か……すまん、妹が49℃の高熱でな。いつ死ぬかも知れんのだ』 ハルヒ「ならしょうがないわね! ちゃんと看取ってあげなさいよ!」 キョン『殺すな。まだ生きてる。というか元気にさせるさ』 ハルヒ「ちっ……バカキョンは抜きで、おまんこ侍を誘き出すわよ!」 長門「了解」 みくる「この格好は恥ずかしいです」 ハルヒ「全裸の女の子が歩いてれば、悪い奴の一人や二人、釣れるわ! さあ、暗いほうに歩いた歩いた!」 みくる「が、頑張りますぅ〜」 10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/19(火) 22:54:59.66 ID:RNqKv7Fm0 みくる「ううっ……寒いなあ」 暴漢A「ヒャッハー! 裸の女だぜぇ!」 暴漢B「これはチョメチョメされても文句は言えないなあ、おい!」 暴漢C〜Z「ヒャハハハ!」 みくる「ひいっ! お助けぇ!」 ハルヒ(ここまでは想定通り!) 長門(後は、おまんこ侍の来るのを待つだけ) 古泉(きっと来てくれますよ、おまんこ侍は)  パカラッ パカラッ パカラッ ヒヒーン おまんこ侍「おまんこ侍、見参!」 暴漢A〜Z「ゲェーーーッ! おまんこ侍だとぉ!」  キィン ザクッ ドシュッ ズバァッ おまんこ侍「峰打ちじゃ、命までは取らぬ」 みくる「あ、あの!」 おまんこ侍「朝比奈さん。……用心いたせよ」 12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/19(火) 22:59:20.22 ID:RNqKv7Fm0 みくる「待ってください!」 おまんこ侍「……何用か?」 みくる「何故、私の名前を?」 おまんこ侍「おまんこのあるところ、おまんこ侍有り。おまんこを持つ者の名を知るなど、造作も無い事」  パカラッ パカラッ パカラッ みくる「行っちゃった……」 ハルヒ「追いかけるわよ! みくるちゃん!」 みくる「おまんこ侍は馬です! 追いつけませんよ」 古泉「機関のタクシーを呼びました」 ハルヒ「頼りになるわ、古泉君!」 新川「お乗りください」 ハルヒ「あの、おまんこ侍を追って!」 新川「承知しました」  ブロロロロローン 14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/19(火) 23:05:51.00 ID:RNqKv7Fm0 おまんこ侍「追って来るようだな……」  ヒヒヒィーーン! おまんこ侍「どうした、おめこ号!」 ???「貴様がおまんこ侍か……」 おまんこ侍「何奴!? ええい、名を名乗れ!」 おちんぽ忍者「人呼んで、おちんぽ忍者……!」 おまんこ侍「おぬしが、あの!」 おちんぽ忍者「どちらが強いか、勝負!」 ハルヒ「車を止めて! おまんこ侍が戦ってる!」 古泉「あれは……おちんぽ忍者!」 みくる「おちんぽ忍者?」 長門「おちんぽ忍者……おまんこ侍と対をなす存在」    「一般人に危害は加えないものの、腕の立つ者に勝負を挑む、迷惑なおちんぽ忍者」 ハルヒ「おまんこ侍……頑張って!」 18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/19(火) 23:10:39.67 ID:RNqKv7Fm0  キィン キィン キィン おまんこ侍「なかなかやりおる……!」 おちんぽ忍者「貴様もな」 おまんこ侍「さすれば全力を出さねばならぬな!」 おちんぽ忍者「面白い!」 おまんこ侍「おまんこ剣術奥義! 亞屁顔剣!」  ザシュウ! おちんぽ忍者「くっ……顔がアヘ顔に……しかし!」 おまんこ侍「浅かったか!」 おちんぽ忍者「おちんぽ忍法! 白粘りの術!」  ドピュウ! ドロドロ…… おまんこ侍「ぬかった! 動けぬ!」 ハルヒ「待ちなさい! おちんぽ忍者!」 おちんぽ忍者「何!?」 19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/19(火) 23:15:15.78 ID:RNqKv7Fm0 ハルヒ「おまんこ侍の代わりに……あたしが相手よ!」 おちんぽ忍者「ふふ……ははは!」 ハルヒ「何がおかしいの!?」 おちんぽ忍者「おまんこでもおちんぽでもない、ただの女に興味は無いのでござる!」 ハルヒ「甘く見ないでよね……」  ファサ おちんぽ忍者「そ、それは!」 ハルヒ「おまんこがあれば、人は誰でもおまんこ侍なのよ!」 おちんぽ忍者「そのような屁理屈を……!」 長門「屁理屈では無い。おまんこ侍はここにもいる」 おちんぽ忍者「何と!?」 みくる「こ、ここにもです!」 おちんぽ忍者「ぬう!」 古泉「くっ……おまんこ! どこかにおまんこはないのか!? 僕一人、役立たずだ!」 21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/19(火) 23:22:38.10 ID:RNqKv7Fm0 おまんこ侍「下がっておれ……娘たちよ」 ハルヒ「おまんこ侍!?」 おまんこ侍「奴には、勝てぬ……おぬしらでは」 長門「やってみなければ分からない」 みくる「そ、そうです! おまんこ侍さんは休んでてください!」 おまんこ侍「たわけっ!」 一同「!」 おまんこ侍「これはおまんこ侍とおちんぽ忍者の、一対一の決闘ぞ?」        「そこに割って入るとなど、言語道断!」 みくる「でも! おまんこ侍さんはネバネバで動けないじゃありませんか!」 おまんこ侍「ふむ……既に粘液は乾いておるよ。おぬしらが時間を稼いでくれたお陰だ」 ハルヒ「おまんこ侍……! みんな、おまんこ侍に任せましょう!」 みくる「で、でも!」 ハルヒ「分からないの!? おまんこ侍は……あたしたちの為に戦うんじゃないの!」     「そう……自分の限界を乗り越えるために戦っているのよ!」 おまんこ侍「ふふ……なかなか良い目をしておる」 23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/19(火) 23:35:53.66 ID:RNqKv7Fm0 古泉「うわああああ!」  ザシュッ! おまんこ侍「ぬうっ!」 ハルヒ「古泉君!? 何で全裸で、おまんこ侍に攻撃するの!?」 古泉「か、身体が……勝手に……」 おちんぽ忍者「ふふ……おちんぽ忍法! おちんぽ傀儡の術……!」 長門「あれは……周囲のおちんぽを自在に操る技……!」 ハルヒ「卑怯よ、おちんぽ忍者! 古泉君を操るなんて!」 おちんぽ忍者「忍者に卑怯は褒め言葉!」 みくる「そんな……!」 おまんこ侍「戦い方は違えど、全力で戦うのは当然の事! 傀儡もろとも切り捨ててくれるわ!」  ザシュッ! 古泉「あ……あ……」 おまんこ侍「安心致せ、峰打ちじゃ」 ハルヒ「流石は、おまんこ侍ね……」 27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/19(火) 23:41:57.20 ID:RNqKv7Fm0 おちんぽ忍者「ふん……傀儡はあくまで傀儡よ」          「真の忍者は、戦う前から勝っておるのだ!」 おまんこ侍「何を言っておる?」 おちんぽ忍者「この少女に見覚えはあるかな?」 ハルヒ「あれは! 妹ちゃん!」 おまんこ侍「くっ……卑怯な!」 おちんぽ忍者「ここまできて卑怯とな? くつくつ、笑わしてくれる」  ブヒヒヒィン! おまんこ侍「おめこ号!?」 おちんぽ忍者「何? 馬が!?」  ザシュ! おまんこ侍「何と……この幼子を取り戻すために!」        「おめこ号ーーーーっ!」 古泉「何という戦い……神人との戦闘とは比べ物にならない……!」 ハルヒ「おめこ号……あんた、格好良すぎるわよ……!」 28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/19(火) 23:50:18.49 ID:RNqKv7Fm0 おちんぽ忍者「しかし、その幼子……毒を盛ってある事に気づいておるか?」 おまんこ侍「何!? ではこの幼子の49℃の高熱は!」 おちんぽ忍者「くつくつくつ! 我が毒薬の効果よ! 解毒したければ……」 おまんこ侍「おぬしを倒し、解毒剤を奪うのみ、か!」        「はああああっ! おまんこ剣術奥義! 羅目絵剣!」  ズシュッ! おちんぽ忍者「くっ……らめぇ……!」 おまんこ侍「また浅かったか!」 おちんぽ忍者「おちんぽ忍法! 自慰見せつけの術!」  シコシコシコシコ……! おまんこ侍「ぬ……目が腐る!」 ハルヒ「おまんこ侍、よく見て! あれ、本物のおちんぽじゃないわ!」 おまんこ侍「何……? 張形とな!?」 おちんぽ忍者「しまった!」  キィン! ザシュウウッ! 29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/19(火) 23:59:10.16 ID:RNqKv7Fm0 おちんぽ忍者「くつくつ……まさか偽のおちんぽだとばれるとは、な……」 おまんこ侍「何ゆえ、このような事を?」 おちんぽ忍者「おちんぽを愛するがゆえに。それだけの事よ……」          「さあ、とどめを刺すがいい……」 おまんこ侍「……とどめなど、刺さぬ」 おちんぽ忍者「! 貴様、愚弄するか!」 おまんこ侍「逆よ……おぬしがおちんぽを愛すると同様、拙者もおまんこを愛しておる」        「精進せい。腕を上げたなら、また戦おうぞ!」 おちんぽ忍者「くっ……甘い、甘いぞおまんこ侍!」          「……解毒剤は、この張形の中だ。幼子に飲ませれば、すぐに回復するだろう」  ダッ タタタ…… ハルヒ「おまんこ侍! おちんぽ忍者を追わないの?」 おまんこ侍「これで良い……あやつも、人の心はあると分かった」 みくる「妹ちゃんに解毒剤を飲ませないと!」 古泉「僕が飲ませましょう。張形の扱いには慣れてますから」 妹「ハア……ハア……」ゴクリ   「スゥ……スゥ……」 31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 00:07:06.49 ID:LrDT7gVe0 おまんこ侍「これで万事解決よな」 ハルヒ「おまんこ侍……あんた、一体、何者なの?」 おまんこ侍「おまんこを愛する、一人の人間……それでいいではないか」  ブルルル…… おまんこ侍「おお! おめこ号! 生きておったか!」        「歩けるようじゃな……では、いざさらば」 長門「おまんこ侍、是非、握手を」 みくる「わたしはサインがほしいです!」 おまんこ侍「いかん、いかん。拙者のような奇人に関わりを持っては、いかん」 古泉「おまんこ侍……また、会えるでしょうか?」 おまんこ侍「さあて、な。世に吹く風は、分からぬものよ。縁があれば、あいまみえん事も無し」  パカラッ パカラッ パカラッ ハルヒ「さようなら……おまんこ侍……」 古泉「嵐のようなお人でしたね」 みくる「……妹ちゃんをキョンくんの家に連れて行かないと」 長門「……そう」 33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/20(水) 00:18:44.78 ID:LrDT7gVe0 ― 翌日・団室 ― キョン「済まなかったな、昨日は」 ハルヒ「いいのよ。妹ちゃんの様子は?」 キョン「張形を口から離さないのを除けば、もう心配なさそうだ」 みくる「良かった……」 古泉「しかし、おちんぽ忍者は許せませんね。何の関係も無い妹さんを……!」 長門「おまんこ侍のお陰で助かった」 ハルヒ「キョン! おまんこ侍にお礼を言いなさいよ!」 キョン「ああ。……会えたら、な」 キョン(おちんぽ忍者……次に会うときは更に強くなってるだろうな……) ― 別の場所で ― 佐々木「全く忌々しい……おまんこ侍め……」 橘「どうしたのですか?」 佐々木「いや。何でもないよ。何でもね……くつくつ……」                                         ― 劇終 ― 34 名前:南部十四朗 ◆pTqMLhEhmY [] 投稿日:2010/10/20(水) 00:19:43.59 ID:LrDT7gVe0  ふう、精神的に気持ち良かったです。  ジューヌ・ヴェルヌの「月世界へ行く」を読んでいて急に書きたくなりました。  古典ジュブナイルは面白いですね。  今回は少し小脳を使って書いたので眠いです。  どうもありがとうございました。おやすみなさい。