長門「ちゃうねん」 1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 14:47:50.04 ID:L9qr4ZKT0 キョン「なんや、こう……今朝から違和感? みたいなんあるんやけど」 古泉「それや! 僕もそれ、感じてましてん!」 キョン「なんやろ?」 古泉「僕に聞かれても……また涼宮さん絡みちゃいますかね?」 長門「……ちゃうねん」 3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 14:49:03.59 ID:L9qr4ZKT0 キョン「長門やんか。何がどないなってとねん」 長門「説明するから、やいやい言わんといて」 古泉「ま、ま、そないにぷりぷりせんといてください」 長門「ぶっちゃけるとな。思念体がアレやねん」 キョン「アレってなんやねん」 長門「あ〜、上手い事、言語化でけへん」 古泉「こんな苛々してる長門さん、初めて見ますわー」 4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 14:53:55.48 ID:L9qr4ZKT0 長門「要するにな、思念体が、こう、ブワッとしてもうてな、で、こうガーッと」 キョン「ブワッと、とかガーッととかで分かるかアホ」 長門「アホちゃう。アホ言う方がアホなんですぅ」 古泉「それ、長門さんもアホですやん」 長門「古泉一樹はええよな、ほんまにアホやから」 キョン「せやで」 古泉「ちょっ、なんで僕がアホですのん!」 長門「見た目?」 キョン「あー」 古泉「あー、て! あー、て!」 8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 15:00:47.56 ID:L9qr4ZKT0 キョン「まあ、古泉いじめんのは後にしとこか」 長門「せやね。まずこの状況の確認とかせえへんとあかん」 古泉「後でいじめられんのや……僕」 長門「自分ら、口調が変わってんのに気ぃついてる?」 キョン「口調?」 古泉「どういうことですのん、長門さん!」 長門「つまり、や。うち含めて、自分ら全員、方言喋っとんねん」 古泉「……気がつきませんでしたわ」 キョン「ほんでか。古泉のしゃべくり、いつもより臭いなぁ思とってん」 長門「臭いなぁ」 古泉「え、喋りですよね? 息臭いんちゃいますよね?」 キョン「息、臭いんはデフォルトやん」 11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 15:07:55.53 ID:L9qr4ZKT0 古泉「デフォルト! 基本装備ですか臭いのん!」 長門「あんま喋らんといて。匂うから」 キョン「女に言われたらキツいなーそれ」 古泉「ちゃんとガム噛んでんのに? 休み時間、毎回、歯ぁ磨いてんのに?」 キョン「息の臭さより行動が嫌やん。潔癖症なん、自分?」 長門「さっきのん、ある意味、冗談やから気にせんでええで?」 古泉「ほんまですか? もーう、死ぬかと思いましたやん!」 キョン「神人とドつきあいしてる奴が、何を今更」 古泉「言葉の暴力はちゃいますやん!」 長門「なあ。説明せんでもええん?」 キョン「あ、したってしたって。結局どないなるん、俺ら?」 長門「上手い事やらんと、世界滅ぶねん」 キョン「マジで?」 長門「マジで」 13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 15:20:55.28 ID:L9qr4ZKT0 長門「うちらが方言……ちゅうか関西弁みたいなん喋るようになったんは、思念体のせいやねん」 キョン「お前の親分さん、なんでこんなんしてもたん?」 長門「なんや調査するー言うとったけど、よう分からへんかってん」 古泉「長門さんが分からんちゅう事は、僕らには理解しようがありまへんな」 長門「自分らアホやからな」 キョン「きっつ」 古泉「ちょいとオブラートに包んでくれはったらええのに」 長門「……自分ら知能が可哀想な人たちやから?」 キョン「もうええって。余計ひどくなっとるやん」 古泉「……それで、世界が滅ぶと言うんはどないな事なんです?」 長門「涼宮ハルヒだけは、元の標準語やねん」    「ほんで、うちや自分らの口調がおかしいのにも気がつきはじめとんねん」 古泉「いうたら、彼女一人だけ普通の状態、という事ですか」 長門「あの子だけ思念体の口調改変パワーが通じんかったらしいわ」 キョン「ハルヒ、ぼっちー(笑)! ……で、そのぼっち状態が世界崩壊につながるんか?」 長門「……可能性はあんねん。01%から99%の間で、な」 17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 15:32:58.76 ID:L9qr4ZKT0 長門「涼宮ハルヒが一番信頼を置いとるSOS団」    「その団員がけったいな喋りしとったら……」 キョン「ヤバイよヤバイよー!」 古泉「僕らが最後の砦ですやん! 責任きっついなぁ、しかし」 長門「ごたごた言うとらんで標準語の練習しとき! もう団室に来るで!」 キョン「わ、分かった! ……ハ、ハルヒさん。ご機嫌いかが?」 古泉「……」ニッコリ 長門「自分、なにしとん?」 古泉「いや、喋らなければええんとちゃいますか、思いましてね」 長門「……消してまうで?」 古泉「あ、あ、あめんぼあかいなあいうえお!」  バタム! ハルヒ「遅れた遅れた! 全く、生活指導の説教って退屈よね!」 長門(自分ら頼むでホンマ) キョン・古泉(合点承知の介) 20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 15:41:40.88 ID:L9qr4ZKT0 ハルヒ「あれ? 有希、今日は本読まないの?」 長門「今日はなんや読む気分ちゃうんねん」 キョン(な・が・とー!) 古泉(長門さんー!?) ハルヒ「そうなの? じゃあ、たまにはしりとりでもしましょ! キョンも古泉君も混ざりなさい!」 キョン(今日に限ってこのアマ!) 古泉(喋るゲームやんか! あかんあかん! 僕こういうのあかんねんて!) 長門「……自分ら根性決めて、はよ来いや」 キョン・古泉「……はい」         (というか長門隠す気ないよな? めっちゃなまっとるやん!) ハルヒ「なんだか久しぶりね、しりとり!」 キョン「そ、そうなんか……はは」 ハルヒ「そういえば、今日は教師や他のみんなの話し声がいつもと違う風に聞こえたような気がするんだけど」 古泉「げ、幻聴ですやん、そんなん! 僕もよう聞きますよ、幻聴!」 ハルヒ「そ、そうなの? そういうものなの?」 キョン「そういうもんやで、ハルヒ!」 25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 15:57:58.79 ID:L9qr4ZKT0 ハルヒ「順番は、あたし→有希→キョン→古泉君ね!」     「最初のお題は『しりとり』の『り』から!」     「じゃ、スタート! ……り、り」 キョン「まあ、しりとりなら単語言うだけでいいんとちゃう?」ボソ 古泉「言われてみればそうですやん。かえって、しりとりで良かったんとちゃいます?」ボソ ハルヒ「り、り、……りんご!」 長門「ご? ちょー待ってえな……ご、ご、ご……」 ハルヒ「何か、今日の有希、よく喋るような気が……」 キョン「いつもと変わらへんって! 気にしすぎやお前は!」 ハルヒ「そうかしら……?」 長門「ご……ごりら? ごりらでええやろ? なあ、なあって!」 古泉「大丈夫、大丈夫ですから長門さん黙っといてください!」 キョン「つ、次は俺やな……。ごりらのら、か」 ハルヒ「ラーメン! ラーメン!」 キョン「うっさいボケ!」 古泉(頼みますでほんまに) 27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 16:08:31.13 ID:L9qr4ZKT0 キョン「ら……ラード。ほら、今食べるラードって流行てるやん?」 長門「あー、あれ美味いん?」 キョン「知らん。俺、食うた事無いし」 古泉「はい! ラードの『ど』、ですね! 僕の番です! 皆さん静かに!」 ハルヒ「古泉君の言葉のイントネーションが少し変な気が……」 古泉「ど……どないなっとんねんこれまたしかし! ハイ、『し』ですよ」 ハルヒ「ドナイナットンネンコレマタシカシ……? 何それ?」 長門「古泉一樹……自分、ええ加減にせえよ?」 キョン「海より広い俺の心も、ここらが我慢の限界やで?」 古泉「僕が悪いんですか? あー、そうですか! 僕が死ねばええんですね!」 ハルヒ「え……何これ……」 古泉「腹ぁ切りますわ! 涼宮さん、介錯頼んます!」 ハルヒ「どこから出したのこの刀! ちょっと古泉君、短刀持つのやめなさい!」 古泉「なにわのド根性、見せたらぁなあーっ!」  ズブリッ! グイッ ズブリッ! グイッ ズブリッ! グイッ  29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 16:17:06.52 ID:L9qr4ZKT0 キョン「は……腹ぁ、三の字に掻っ捌きよった……!」 長門「見事や……!」 ハルヒ「いや、見事じゃなくって! 病院! 救急車呼んで!」 長門「分かってまんがな」プルルル キョン「古泉、お前……もしかして」ボソ 古泉「……そや。言葉の違いなんか、気にならなくなる事件を引き起こしたりましたで」ボソ キョン「……気が向いたら、墓にいくわ」ボソ 古泉「内臓のヤバイとこは外してますんで死にはしませんって」ボソ 長門「連絡ついたで。もうすぐ来るわ」 ハルヒ「血が……血が! 古泉君、死んじゃうの?」オロオロ キョン「はは……ハルヒのあんな顔、初めて見るで」     「なあ、古泉。……古泉?」 古泉「――」 キョン「こいずみぃーーーっ!」 救急隊員「こりゃあ……手遅れやな。あっぱれや」 32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 16:26:38.34 ID:L9qr4ZKT0 ハルヒ「古泉君が……あんな事になるなんて……」 キョン「気ぃ落とすな。あいつの寿命やったんや」 長門「せや。誰が悪いわけでもあらへん」 ハルヒ「そう、ね。……次は、確か、『し』だったわね」 キョン「ハルヒィ……お前ぇ」 ハルヒ「続けるわ、しりとり」     「し……死体。古泉君の死体……」クスクス キョン(ヤバイよヤバイよー!) 長門「次うちか。死体の『い』やな……」    「そう……『インチキ関西弁が流行ってます』の『す』や……」 ハルヒ「え……それって」 キョン「長門……そうやな。俺かて……『す』か」     「『すまん、みんなで隠してた』の『た』でどうや……」 ハルヒ「古泉君を飛ばして、あたしの番ね……『た』、ね」     「『たぶん、そうだと思ってた』……わよ!」 キョン「ハルヒ! すまん!」 ハルヒ「バカバカ! みんなのバカ!」 33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 16:37:16.83 ID:L9qr4ZKT0 ハルヒ「気づいてたんだから! 何で黙ってたりするのよ!」 キョン「スマン……ほんまスマンかった」 長門「許してもらえるやろか」 ハルヒ「特別だからね! あたしも関西弁になるわ!」 キョン「最初からこうしてれば良かったんやな」 長門「せやけど、あのゴミが腹を掻っ捌いたのがきっかけになったのは認めへんと」 キョン「化けて出られたら怖いからな」 ハルヒ「古泉君が化けて出てきたら、ふん捕まえて御堂筋で見世物にせえへん?」 長門「それはいい考えや! 見物料はなんぼ取ろか?」 キョン「計算は長門に任せるわ。ハルヒ、俺らは」 ハルヒ「古泉君の幽霊、ふん捕まえるに決まってるやん!」 キョン・ハルヒ「ほな! 行ってくるさかいに!」 長門「あんじょう頑張りやー!」  ドドドドド……  キィ 34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/11(月) 16:49:41.42 ID:L9qr4ZKT0 長門「あれ、未来の朝比奈みくるやん。ロッカーからようこそ」 みくる(大)「えらい事してくれたましたわ、皆さん。ホンマに」 長門「どないしてんな。……一人につき百円として……」 みくる(大)「未来の大変革。関西弁が標準語になった未来から、私来ましてん」 長門「あちゃー、変わったんか、未来。……子供は五十円に……」 みくる(大)「今まで本流だった朝比奈みくるは時空の狭間に巻き込まれ、その未来ごとほぼ消滅」        「まさかこうまで上手くいくとは、思わんかったですわ」 長門「ま、思念体は自律進化の可能性を、よりはっきり調査できればええだけやからな」    「地球の歴史がどうなろうが、知った事やないで」 みくる(大)「長門さん自身は、どう考えてはりますのん?」 長門「あんたが思うてる通りや」    「――関西弁の方が、セリフが多くなる。それだけの事や」 みくる(大)「古泉くんを犠牲にしてまで。怖い人やわ」 長門「あいつがおらへんかったら、解説役はうちになるやろ」 みくる(大)「おお怖」  END 35 名前:南部十四朗 ◆pTqMLhEhmY [sage] 投稿日:2010/10/11(月) 16:50:28.69 ID:L9qr4ZKT0  関西弁、というか兵庫のあの辺の言葉は微妙すぎて字にすると、結構普通なんですよね、実は。  イントネーションが違うのが大きいので文字で表しにくいったらありません。(一応、地元民ですので)  見てくださった方、ありがとうございました。