キョン「……長門? 何があったんだ?」 1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/07(木) 07:40:19.47 ID:w/pzwL/yO 長門「事態は急変した」 キョン「は?」 長門「思考の変換を確認。伝達された情報に誤りは見られない」 キョン「どういうことだよ」 長門「わたし達の意識の念頭にある意識体をアップロードし、さらに個体ごとに情報の修正を」 キョン「あー……長門、すまんがもっとわかりやすく頼む」 長門「情報統合思念体による意識の改革。    それにより対有機生命体コンタクト用ヒューマノイドインターフェイスの思考が変換された」 長門「それはわたしという個体も例外ではない」 キョン「か、考えが変わったってことだよな? 具体的にはどういう風に変わったんだ?」 長門「もはやわたしの意識はわたしを保守派にさせない。わたし達の勢力は急進派へと変化した」 キョン「なんだって?」 長門「涼宮ハルヒへの影響を最も及ぼしやすいのはあなた。勘違いしないで。わたしは朝倉涼子とは違う。    わかりやすく言うと、平和主義。あなたに協力を要請する」 4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/07(木) 07:50:24.13 ID:w/pzwL/yO キョン「……何がなんだかさっぱりだ」 長門「対有機生命体コンタクト用ヒューマノイドインターフェースは機械ではない。個々に意思がある。    それはわたしという個体と朝倉涼子を見比べれば一目瞭然」 キョン「それぞれ性格が違うってことだろ?」 長門「そう」 キョン「……」 長門「わたしは朝倉涼子ではない。正確には朝倉涼子の情報を検索し、アップロードすることによって同期も可能。    でも今は意味を持たない。個々の意思レベルで行動をするべき」 キョン「つまりお前は、朝倉みたいに俺を殺してハルヒの反応を楽しもう、なんて危ない考えはしていないということだな?」 長門「そう」 キョン「協力してくれ……とかなんとか言っていたな」 長門「そう」 キョン「具体的に俺は何をすればいいんだ?」 長門「何もしなくていい」 キョン「……」 5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/07(木) 07:58:00.87 ID:w/pzwL/yO キョン「あー……長門?」 長門「心配しないで。情報統合思念体は一つの可能性を見出だした    今回のことはそれによる試験的な改革」 キョン「可能性?」 長門「情報の伝達に齟齬が発生する。いずれ分かる」 キョン「……まあ、なんだかよくわからんが、俺は何もしなくていいんだな?」 長門「そう」 キョン「わかったよ。長門なら無茶なこともしないだろうし、一応協力させてもらう」 長門「感謝する」 キョン「で、朝一でここに呼び出しといて伝えたかったことはそれだけか?」 長門「そう」 キョン「そうか。じゃあそろそろ教室に戻らせてもらう」 長門「そう」 6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/07(木) 08:05:50.43 ID:w/pzwL/yO −教室− キョン「……長門、何の真似だ?」 長門「気にしないで。あなたはいつも通り行動すればいい」 キョン「すまんが気にしないなんてことはできそうにない。できたとしても、長門が俺の隣の席に座っている理由を聞いてからだ」 長門「あなたは協力すると言ったはず」 キョン「……これも情報統合なんちゃらの改革によるものなのか?」 長門「そう。既に情報操作も完了している」 キョン「よくわからんが、まあいい。好きにしてくれ」 長門「そう」 ハルヒ「キョン!」 キョン「ああハルヒか。どうしたんだ?」 長門「彼は今日、わたしとお昼を共にすると約束した。あなたは引くべき」 キョン「は?」 ハルヒ「……」 7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/07(木) 08:13:52.43 ID:w/pzwL/yO ハルヒ「……そ、じゃあいいわ」スタスタ 長門「……」 キョン「な、長門?」 長門「涼宮ハルヒはあなたと昼食を共にしたいと考えていた」 キョン「は? いや、それも驚きだが」 長門「あなたに接近し、涼宮ハルヒの出方を見る」 キョン「えっ……」 長門「それが今回のわたしの目的」 キョン「……」 キョン「長門、俺には何がなんだかさっぱり」 長門「あなたは何もしなくていい」 キョン「そ、そうは言っても……」 キョン(後ろからただならぬ怒りのオーラを感じるんだよ) ハルヒ「……」イライラ 長門「何?」 キョン「……いや、なんでもない」 9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/07(木) 08:23:47.48 ID:w/pzwL/yO −授業中− ハルヒ「」ツンツン キョン「ん?」クルッ ハルヒ「今週の不思議探索のことなんだけどね」 パサッ キョン「ん?」 キョン(机の上に折りたたまれた紙……? 一体誰が?) 長門「……」 ハルヒ「ねぇちょっとキョン! あんた聞いてる?」 キョン「なになに……」カサッ キョン「暇だからわたしと文通をするべき 長門有希……?」 キョン「はぁぁぁぁぁあ!?」ガタンッ 教室「」シーン キョン「あ、いや……すいません」 ハルヒ「もういいわよ! バカキョン!!」 13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/07(木) 08:38:11.32 ID:w/pzwL/yO キョン『何を言ってるんだ?』カキカキ キョン(……そうか。書いたはいいものの、長門の机に置かにゃならんのか) キョン「……」スッ ハルヒ「……!」 長門「」カサッ 長門「」カキカキ ハルヒ「キョン」 キョン「ん?」 ハルヒ「あんた何してんの?」 キョン「いや、長門と手紙のやりとりを……」 ハルヒ「今は授業中よ! そんなことしてないで集中しなさい!」 キョン「いやしかし……」 長門「」スッ パサッ ハルヒ「」イラッ 14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/07(木) 08:45:14.18 ID:w/pzwL/yO 長門『文字通り。あなたと文通がしたい』 キョン「……」 ハルヒ「キョン」 キョン「なんだよ」 ハルヒ「見せなさい」 キョン「は?」 ハルヒ「その手紙を見せなさい!」 キョン「なんでだよ」 ハルヒ「いいから! あたしは団長なの! 団員が何をしてるか把握しないといけないの!」 キョン「いや、だがな」 長門「団員にもプライバシーはある」 キョン「な、長門……」 ハルヒ「ぐっ……」 ハルヒ「わかったわよ……」 キョン「ハルヒ……」 ハルヒ「あたしとも文通しなさい、キョン」 キョン「え?」 16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/07(木) 08:56:49.49 ID:w/pzwL/yO 長門「それは無理。あなたはもっと思いやりを持つべき」 ハルヒ「なんですって?」 長門「同時に二人の相手と文通をかわすことによる彼の負担を考えるべき」 ハルヒ「そういう有希は考えてるのかしら?」 長門「考えている。畳まれた紙の端を少し谷折りすることにより極上の開きやすさを演出している」 キョン「確かに取っ手になって開きやすいな」 長門「あなたは手紙を書いてもただ一方的に彼の机に投げつけるだけ。わたしは違う」 ハルヒ「ぐぅ……」 長門「よって彼はわたしとしか文通ができない。諦めて」 キョン「おい……」 ハルヒ「わーかったわよ! そうやって二人でイチャイチャしときなさい!!」 長門「わかった」 キョン「別にイチャイチャはしていないぞ……」 17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/07(木) 08:58:22.37 ID:3ADwa+F00 急進派になったんなら朝倉を再構築すべきだろ 20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/07(木) 09:03:46.46 ID:w/pzwL/yO 長門「>>17 落ち着いて。わたしは平和主義。    朝倉涼子のエラーを取り除き再構築することも可能。    でも元の性格が温和なわたし自身が行動した方が危険因子は減り、平和にことが進む可能性は大きくなる」 キョン「なるほどな」 21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/07(木) 09:14:34.96 ID:w/pzwL/yO キーンコーンカーンコーン ハルヒ「キョン!!」 長門「喉が渇いた。自動販売機まで着いてきてほしい」 キョン「ああ、別に構わんが」 ハルヒ「うっ……」 ハルヒ(何よ有希のやつ! この前相談した時は「応援している」なんてすました顔で言ってたくせに!     なんなの? 有希もキョンが好きなの?     じゃあ容赦しないわよ。そうぬけぬけと手を引くあたしじゃないわ!     見てなさいよ……) キョン「じゃあ、行くか」 ハルヒ(こんなものはね、先に想いを伝えた方が勝ちなのよ! 先手必勝! ……い、言ってやるんだから) ハルヒ「あ、あのその、キョ、キョキョキョ、キョン?」 キョン「なんだ? なんか挙動不審だぞ」 ハルヒ「す、すすす、すっ、すす」 ハルヒ「すーっとする飲み物おねがい!」 キョン「……言っておくが俺はパシリじゃないんだぞ、じゃあな」 ハルヒ「あっ……」 ハルヒ(あほ!!! ばか!!!) 23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/07(木) 09:40:17.52 ID:w/pzwL/yO ガラッ 長門「」ゴキュゴキュゴキュ 長門「」プハァ ハルヒ「……」 キョン「なんだよハルヒのやつ。せっかく買ってきてやったのに机に突っ伏してやがる」 キョン「寝たのか?」 ハルヒ「……」 キョン「おーい、ハルヒ」 ハルヒ「……」 キョン「ハルヒー、起きろー」ピトッ ハルヒ「ひゃっ! な、何っ!?」 キョン「ほら、ジュース買ってきたぞ」 ハルヒ「え? あ ん?」 キョン「買ってきたんだから飲めよ」 ハルヒ「あ……ありがと」 25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/07(木) 10:20:50.10 ID:w/pzwL/yO ガラッ 古泉「おんどりゃあクソ長門!!」 キョン「古泉!?」 ハルヒ「ど、どうしたの!?」 古泉「おんどりゃあ! ちょっと来いおんどりゃあ!!」 長門「あなたn」 古泉「おんどりゃあああああ!!!」ガシッ 長門「つっ!」 説明しよう! 長門の意思変換による行動の影響で、世界中に計り知れない数の閉鎖空間が発生した! それにより気を違わせた古泉が、怒り狂って長門を連れていったのだ! キョン「なんだったんだよ……」 ハルヒ「超展開ね……」 27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/07(木) 10:27:18.63 ID:w/pzwL/yO これにより機関と宇宙人勢力による闘争が勃発! ただただ傍観を決め込む未来人勢力とは違い、なんとかしてその闘いを止めようと必死になるキョンだったのだが……! その甲斐虚しく両者相打ちで決着がついてしまったのだ! 同時に二人の友人を失い、悲しみに暮れるキョン! でも、神様でありすべての創造主である涼宮ハルヒの言葉により彼は立ち直る! 「あの二人の分まで生きないといけないのよ」 そうだよな。早くに死んでしまったあの二人の分まで、俺が必ず生き延びてやる! そう。 まだまだ俺達の冒険はこれからなんだ! −終劇− >>1先生の次回作にご期待ください!