キョン「鈍感な男主人公なんてもう流行らねぇよ」 1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/03(日) 10:54:23.30 ID:TYsiqwncO ハルヒ「は?」 キョン「だから鈍感な主人公なんてもう流行らねぇよ     女の子があんなにアピールしたら気づくだろ普通」 ハルヒ(どの口が言うのやら……) キョン「お前今、どの口が言うのやらって思っただろ?」 ハルヒ「え?」 3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/03(日) 10:58:43.39 ID:TYsiqwncO キョン「前々から言おう言おうと思っていたんだが」 ハルヒ「何よ」 キョン「お前は俺を勘違いしている」 ハルヒ「はあ?」 キョン「俺のこと鈍感だと思ってるだろ?」 ハルヒ「じゃあなんだっていうのよ」 キョン「……はあ、ったく。やれやれだ」 ハルヒ「答えなさいよ!」 キョン「俺のことが好きなら好きって言えよ。もう少し素直になった方がいいぞ」 ハルヒ「は、はぁぁぁあ!?///」 5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/03(日) 11:02:45.59 ID:TYsiqwncO キョン「お前はなあ……」 ハルヒ「ちょっ、ちょちょ、ちょっと待ちなさいよ!///」 キョン「なんだよ。俺はどこにも行ってねぇぞ」 ハルヒ「……え?」 キョン「だからなんだよ」 ハルヒ「訳がわからないわ」 キョン「ごまかしたって無駄無駄。俺はもうわかってるんだよ」 キョン「ハルヒは俺のことが好きなんだろ?」 ハルヒ「そ、そんなわけないわよ!」 6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/03(日) 11:07:04.72 ID:TYsiqwncO キョン「ほーう。じゃああれはなんだったんだろうなー」 ハルヒ「あれって何よ」 キョン「前に野球やった時にさ、お前が朝比奈さんをポニーテールにしようとしただろ?」 ハルヒ「あったわねそんなことも……」 キョン「その時、俺がつい朝比奈さんに見とれちまったんだよ。まあそれは仕方ないさ。あの人は美しい」 キョン「そしたらお前、明らかにむっとした顔したよな」 ハルヒ「し、してないわよ」 キョン「……へぇー」 ハルヒ「くっ……腹立つわね」 キョン「嫉妬ってやつじゃないのか? ん?」 ハルヒ「う、うっさい!!」 8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/03(日) 11:09:51.16 ID:TYsiqwncO キョン「そういえばあんなこともあったなー」 ハルヒ「な、何よ」 キョン「ほら、前に映画撮影のために公園行ったろ?」 ハルヒ「ええ」 キョン「その時に偶然、ぐーうぜん俺の服とハルヒがペアルックに近い感じだったんだよな」 ハルヒ「」ドキッ キョン「ハルヒさ、その日俺の遅刻許してくれたよな」 ハルヒ「な、なななっ」 キョン「だから言っただろ? 俺は色んなことに気づいてるんだよ」 11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/03(日) 11:14:21.72 ID:TYsiqwncO キョン「あー長門かわいいなー!」 長門「……」 キョン「長門、今日もかわいいぞ」チラッ ハルヒ「ぐっ……」イライライライラ キョン「あれ? どうしたハルヒ? なんかイライラしてないか?」 ハルヒ「な、んでもないわよ……」 キョン「長門、今度の日曜日デートでもしないか?」 長門「図書館」 ハルヒ「ダ、ダメよっ! その日は不思議探索があるのよ!?」 キョン「ああ、じゃあ俺と長門を一日中ペアにしてくれ」 ハルヒ「ダメったらダメ!! もう全部ダメ!!」 キョン「なんだよそれ」 13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/03(日) 11:23:17.40 ID:TYsiqwncO キョン「じゃあその日は一日中ハルヒとペアにしてくれ」 ハルヒ「え!?」 ハルヒ「……キョ、キョンがいいなら……」 キョン「待て、それはおかしい」 キョン「長門とは駄目なのにハルヒとはいいのか?     何故だ?」 ハルヒ「あ……う……」 キョン「理由を聞かせてくれ」 ハルヒ「……うぐ」 ハルヒ「……わ、わかったわよ」 キョン「ああ、頼む」 ハルヒ「あ、あんたが……好きだからよ、キョン」 キョン「……やっとか」 15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/03(日) 11:28:36.14 ID:TYsiqwncO パンっ! パンっ! その時、文芸部室内に大きな破裂音が響いた。 どうやら長門がクラッカーを鳴らしたらしい。 そして、ガチャリという音と同時にハイテンションの古泉が部屋の中にかけこんできた。 古泉「おめでとうございまーす!!」 ハルヒ「え? え?」 ハルヒ「何これ?」 古泉「見事涼宮さんは彼と付き合うことになったのです!!」 長門「おめでとう」 古泉「おめでとうございます!!」 ハルヒ「は? え?」 キョン「よろしくな……ハルヒ」 ハルヒ「や、やったー……」 -Fin- 18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/03(日) 11:37:25.11 ID:TYsiqwncO 後日談としてあまあまな二人書くから飯食うまで待っといて 24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/03(日) 11:51:36.91 ID:TYsiqwncO キョン「よう、遅かったな」 俺の目の前には悔しそうに両手の拳を握りしめるハルヒがいた。 まさか自分より先に俺が来ているとは思わなかったのだろう。 今日は日曜日。 本来あるはずの不思議探索は俺達の都合により中止になった。 キョン「ハルヒと一日中ペアにしてくれ」 そんなセリフを言った覚えがあったが、まさか実現するとはな。 ハルヒ「あ、あんたにしては早いじゃないの……」 不機嫌そうに白いワンピースが揺れる。 キョン「似合ってる」 俺の何気ないその一言に、ハルヒの頬はみるみる赤に染まっていった。 ハルヒ「と、当然よ!」 そんなハルヒをみて、思わず俺の頬も緩む。 天気は快晴。 今日は絶好のデート日和だな。 26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/03(日) 12:01:36.23 ID:TYsiqwncO 特にどこに行くかなどは決めていなかったので、とりあえず俺とハルヒは街を歩くことにした。 暑いわけでもなく、寒いわけでもない、ポカポカとした陽気が俺を撫でる。 そんな風に吹かれてなびくハルヒの短い髪が、太陽に照らされて輝いている。 透き通ったその肌と、綺麗な髪に俺は見とれてしまった。 ハルヒ「何よ」 そんな俺を不思議に思ったのか、ハルヒが問いかけてきた。 キョン「なんでもない」 何故かはわからないが、咄嗟にごまかしてしまった。 ああ、そうか。 「かわいいね」なんて、とてもじゃないが俺のガラじゃない。 ハルヒ「あんまり人の顔ジロジロみないでよね」 そう言うと、ハルヒはツンッと視線を前に戻した。 27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/03(日) 12:12:18.83 ID:TYsiqwncO 「というか、どこに行くかくらい決めておくべきだったわね」 相変わらず前を向いたまま、ハルヒが言った。 「ああ、そうだな。すまん」 「なんであんたが謝るのよ」 「普通そういうのは男が決めるもんだろう?」 「何よそれ。二人のデートじゃない。というかあたしは普通なんて求めてないわよ」 俺の横をスタスタと歩くハルヒが、なんだかとても小さく思えた。 ハルヒの口から「デート」という言葉を聞いて、意識してしまったのかもしれない。 「ま、デートなんて二人の認識次第よね」 「……どういうことだ?」 俺のその発言に、少し呆れた顔をするハルヒ。 「二人がデートだと思ってれば、こんな風に歩くだけでも、それは十分にデートなのよ」 「そういうもんなのか?」 「そういうもんなのよ」 そう言うと、ハルヒはふふっと笑って、俺の半歩前を歩きだした。 30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/03(日) 12:23:41.31 ID:TYsiqwncO そんなハルヒが、くるりとこちらに振り返る。 「キョンは今楽しいのかしら?」 突然の質問だったが、俺は慌てずに心のままに答えた。 「ああ、楽しい。それにすごく心地好いな」 そう言うと、ハルヒは満足そうな笑顔を浮かべた。 「じゃあ、このまま歩くってのもいいかも知れないわね」 「確かにそれは新鮮だな」 「決まりね! 目的地は未定! 気になったところに留まりましょ?」 そう言ったハルヒは、まるで不思議を探しに行くかのように、ワクワクした顔をしている。 無理もない。 目的地のない散歩なんて、なんだかすごくいいじゃないか。 それも横にはハルヒがいる。 「ふっふふん」 軽快に鼻歌を歌いながら歩くハルヒは、まるで子供みたいだった。 31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/10/03(日) 12:35:14.42 ID:TYsiqwncO これで終わりでもいいかな 後日談なんだし -Fin-