キョン「朝比奈さんが団長机の上で大便をしていた」 1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/21(水) 04:03:35.84 ID:WyFirbYw0 俺がノックを忘れ、団室のドアを開けると、 そこにはにわかには信じられないような光景が広がっていた。 メイド服を着た朝比奈さんが、団長机の上で大便をしていたのだ。 朝比奈さんは、俺に気がつくと酷く狼狽して立ち上がり、机から転げ落ちた。 白い陶磁器のようなお尻から、まだ千切れていない一本糞。 団長机には新聞紙が敷いてあり、 その上にはとぐろを巻いた糞が朝比奈さんのお尻に繋がっていた。 朝比奈さんは今までに見たことがないくらいに狼狽し、 どうか、黙っていてください! 忘れてください! と叫んで、 新聞紙で大便を包み、お尻の大便をパンツに押し込め、団室から去っていった。 5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/21(水) 04:08:18.57 ID:WyFirbYw0 「今日、みくるちゃん休みだって?」 「ああ。俺が来た時にちょうど出くわしてな。ゴメンってさ」 ハルヒ、長門、古泉が来る前に、机や床に残っていた大便を掃除して、 窓を開けて換気をしておいた。 これで誰も気がつかないだろう。 しかし、何故、朝比奈さんはあんな事をしたのだろう? 謎は深まるばかりだ。 朝比奈さんと、大便。 結びつかない。 謎だ。 謎。 6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/21(水) 04:11:43.29 ID:WyFirbYw0 次の日。 朝比奈さんはいつものメイド服姿でお茶を入れてくれた。 しかし、俺とは目を合わそうとしない。 気持ちは分かるが、こんな事で朝比奈さんと喋れなくなるのは悲しい。 俺は、団活が終わった後、朝比奈さんにメールを打った。 『今日、会えませんか?』 返事はこうだった。 『御免なさい。会えません』 電話をしても出なかった。 俺は、どうすればいいのだろう? 7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/21(水) 04:17:29.26 ID:WyFirbYw0 その次の日、また次の日も、ぎくしゃくとした空気は続いた。 ハルヒが言う。 「あんた、最近みくるちゃんに避けられてない?」 そうかも知れん。 古泉が言う。 「何かあったんですか? ご相談に乗りましょうか?」 ありがたいが、流石に無理だろ。 長門が言う。 「状況は把握している。けれどこれは貴方と朝比奈みくる次第。私には何もできない」 そうかい。俺が行動を起こさないと駄目だってことだな。 その次の日。 俺は朝比奈さんの教室へ向かった。 8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/21(水) 04:24:57.15 ID:WyFirbYw0 朝比奈さんは、休んでいた。 鶴屋さんが、教えてくれた。 彼女は、俺が来た理由を、何となく感づいているかのようだった。 「キョン君。みくると何かあったのかい?」 「いえ……その……」 「最近のみくるの様子はおかしいよ? まるで、大好きな人にこっぴどく振られたみたいさ」 まさか俺が朝比奈さんの想い人なわけはないだろうが、 それでもあんな現場を男に見られたのだから、それは朝比奈さんにとって大きなショックだろう。 「……便」 鶴屋さんが呟いた。 「それって……」 「そう……か。キョン君も、見ちゃったんだね」 詳しい話をするからと、俺は鶴屋さんに校舎裏に連れてこられた。 10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/21(水) 04:31:44.77 ID:WyFirbYw0 「……あたしがみくると仲良くなったのは、ある所を目撃してからなのさ」 「それって」 「そう。放課後の、教室の教壇の上で、みくるは大便をしてた」 「……何で、朝比奈さんはそんな事を?」 「小さい時からの癖、らしいよ。初めて見たとき、わんわん泣いてね」 「でも、あたしは嫌いになれなかった。みくるだって、好きで机の上で大便しているわけじゃないんだからね」 「だから、友達になった……?」 「それがなくても、友達にはなったろうさ。でもね」 「みくるの事、誰にも言っちゃいけないよ」 「分かっています。でも……その癖は治す事はできないんでしょうか?」 「……うちの知り合いの心療医に診て貰ったんだけど」 「どうも無理っぽいんだ」 「そうですか」 「できれば……今まで通りに接してあげてくれないかな?」 「でも、朝比奈さんは俺を避けてます。今まで通りなんて」 そう。朝比奈さんは、俺と喋らなくなった。 もう、今まで通りには戻れない。 11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/21(水) 04:40:07.28 ID:WyFirbYw0 「……なら、話し合うしかないね」 「何を話せばいいんです? そもそも、喋ってくれないんですよ?」 「そこは、あたしがセッティングするよ」 「……キョン君には、みくるを傷つけないようにしてもらいたいだけ」 勿論、天使のような朝比奈さんの心を傷つける真似なんてしたくはない。 けれど、話し合っても、結局はそうなるんじゃないか? 「あたしは、大丈夫だと信じてる」 「キョン君は優しい人だよ」 「普通、あんな姿を見て、ここまで心配はしないさ」 「でも、俺は」 俺の口を、鶴屋さんの人差し指が封じる。 「でも、は無しだよ。大丈夫、キョン君なら……」 詳しい日取りなどは後で連絡するから、と鶴屋さんは行ってしまった。 俺に、何ができるのだろうか? 13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/21(水) 04:49:37.44 ID:WyFirbYw0 考えをまとめようと、俺は団室に向かった。 この時間なら、誰もいないだろう。 鍵を借り、ドアを開く。 そこには、朝比奈さん(大)が団長机の上で大便している姿があった。 「朝比奈さん……」 「キョン君……! また、見られちゃいましたね」 現在の朝比奈さんと違い、狼狽はしなかったものの、朝比奈さん(大)は顔を真っ赤に染めていた。 成熟した大人の女性のお尻から、出ている一本糞。 それは何故か、とても美しいものに見えた。 「今日、来たのは大便をする為だけじゃないの」 朝比奈さん(大)は言う。 「これから、この時代にいる私に接すると思うけど。キョン君の思ったとおりに行動して欲しいの」 「俺の、思った通りに、ですか?」 「うん。……それだけ」 朝比奈さん(大)はいつの間にか消えていた。大便も消えていた。 残っていたのは、糞の匂いだけだった。 俺は、窓を開けて換気しながら、朝比奈さん(大)の言った言葉を考えた。 「……俺の、思った通りに」 14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/21(水) 04:55:39.81 ID:WyFirbYw0 鶴屋さんから、電話がきた。 『みくるを、説得したよ』 「説得、ですか」 『うん。いつまでも、このままじゃ駄目だってね』 『キョン君なら、分かってくれるって言ったから』 「そりゃあ、俺は良くても……朝比奈さんが」 『それを含めて、ね。キョン君が、良い理解者になってくれるってところをアピールしてほしいな』 「……上手くいくでしょうか?」 『……正直、お姉さんにも分からない』 『けど、キョン君の思う通りにすればいいと思うよ』 『あたしは、そうして、今のみくるとの関係を創ってきたから』 「俺の、思う通りに……」 『ん。頑張ってね』 待ち合わせは、日曜日のSOS団の部室。 鍵や校内への立ち入りの方は、鶴屋さんが何とかしてくれるそうだ。 俺は、俺の思う通りに行動すればいい。 しかし、何をどうすればいいんだ? 脳裏に焼きついた朝比奈さんのお尻は、何も答えちゃくれなかった。 15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/21(水) 05:01:48.84 ID:WyFirbYw0 土曜日の不思議探索。 幸いな事に、朝比奈さんとペアになる事は無かった。 これがこんなにほっとしたのは、初めての事だった。 朝比奈さんは、口数が少なく、それは他の三人にも伝わっていた。 「一体、何があったんです? 明らかに、貴方達の様子はおかしいですよ」 古泉が言う。 顔が近い。 「……悪いが、お前にも話せない。俺たち二人の問題だから」 「そう、ですか。なら、これ以上の詮索は致しませんが」 「涼宮さんも、何か変だとは思っています。どうか、宜しくお願いしますよ」 「……分かってる」 明日だ。 明日には、解決させなければならない。 俺の思う通りに。 俺は、何を思えばいいのだろう? 朝比奈さんの大便について、何を思えばいいのだろうか? 17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/21(水) 05:06:30.14 ID:WyFirbYw0 日曜日。 午後三時。 俺は北校に入り、団室のドアを開けた。 朝比奈さんが、団長机の上で大便をしていた。 もう、驚きは無い。 「……朝比奈さん」 「……キョン君」 沈黙が続く。ぶりぶりと、大便の排泄される音だけがBGMとして流れる。 最初に口を開いたのは、朝比奈さんだった。 「……こんな、女の子、変ですよね」 「机の上で、大便するような女の子、いませんよね」 朝比奈さんは、泣いていた。 それでも、俺に向かって笑みを浮かべていた。 「笑ってください。罵ってください。私は、大便女なんです」 俺は首を横に振る。 「笑いませんよ。笑えないですよ、俺には」 19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/21(水) 05:15:00.69 ID:WyFirbYw0 「何でですか? いっそ、罵倒してくれたほうが……!」 そう言うと、朝比奈さんは顔を俯かせ、嗚咽を響かせ始めた。 俺は、何も言えなかった。 泣きながら、自分の癖を治せないでいる朝比奈さん。 大人になっても、治せない朝比奈さん(大)の姿。 今と未来。 重なり合って、どうしようもないという事だけが、俺にも分かる。 俺は朝比奈さんに近づいた。 「来ちゃ、駄目! 臭いの! 私の大便、とても臭いの!」 知ってますよ、朝比奈さん。 でも。 だからこそ。 俺は――。 「キョンくん?」 朝比奈さんが顔を上げる。 22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/21(水) 05:21:01.37 ID:WyFirbYw0 俺は朝比奈さんの隣に、そう、団長机の上に無理矢理座った。 「な、何を……」 ズボンとパンツを脱ぎ、下腹部に力を込める。 景気の良い音を立て、俺の肛門から大便が出た。 「キョン君……!」 「俺は、思ったんですがね、朝比奈さん」 行動してから、言葉を紡ぐ。 「別に、癖なんてたいしたもんじゃないんですよ」 「ハルヒは授業中によく屁をこくし」 「古泉は四六時中、股間の位置を直してます」 「長門は、本を読み出すと、止まりません」 「だから、俺の癖は――机で大便をする事なんです」 「そ、そんなわけが」 「今、ついた癖ですから。朝比奈さんにとやかく言われる筋合いはありませんよ」 団室の中には、俺たち二人の大便の音と匂いが充満していた。 朝比奈さんは、泣いていた。 俺は、下を見る。 朝比奈さんと、俺の大便が、混ざり合っていた。 26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/21(水) 05:26:46.75 ID:WyFirbYw0 新聞紙で大便を包みながら、俺たちは無言だった。 鞄の中に、ビニールに包んだ新聞紙の塊を入れ、俺は言う。 「これで、俺と朝比奈さんは同じ癖の持ち主になりましたね」 「え…・・・」 「この事は、誰にも言わないでくれますか?」 「俺たち二人の秘密です」 「……はい」 「それから」 「今度、癖が出そうな時は、俺もご一緒させてもらえますか」 「一人だと、恥ずかしいので」 「……キョン、君」 朝比奈さんは、目じりに涙を溜めながらも、微笑んで言ってくれた。 「また、一緒に、大便しましょうね。……机の上で」 俺たちは微笑みあった。 もう、わだかまりは無くなった。 代わりに、一つ、二人だけの秘密ができた。 28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/07/21(水) 05:29:46.48 ID:WyFirbYw0 土曜日の不思議探索。 今日は朝比奈さんとペアになった。 他愛も無い世間話で、笑いあう。 ハルヒたちも、俺たちを不審に思うようにはならなくなったようだ。 けど、俺と朝比奈さんの距離はずっと縮まったように思える。 というのは錯覚だろうか? 古泉が言う。 「問題は解決したようですね」 長門が言う。 「やはり貴方は、優しい人」 ハルヒが言う。 「デートじゃないんだからね!」 そう。デートじゃない。 俺と朝比奈さんは、人気の少ない公園のベンチで、大便をした。 ただ、それだけだ。 しかし、朝比奈さんの笑顔に、もう曇りは無かった。  〜fin〜 29 名前:南部十四朗 ◆pTqMLhEhmY [sage] 投稿日:2010/07/21(水) 05:30:28.59 ID:WyFirbYw0  変ですね。何故ばれたのでしょうか?  というか、何となく、自分でも分かってますよ、ええ。  糞SSは自分のライフワークですからね。  不眠症なうえに便秘続きなんでむしゃくしゃして書きました。  今は、ちょっとだけ気持ち良いです。  どうもありがとうございました。 36 名前:南部十四朗 ◆pTqMLhEhmY [sage] 投稿日:2010/07/21(水) 05:45:01.95 ID:WyFirbYw0  いや、何か色々とありがとうございます。  自分の駄SSでも読んでくださる人がいると思うと、胸が熱くなります。  ちょうど便意も来ましたのでトイレに行ってきます。  では、また。