キョン「俺だけ一般人ってのは納得がいかない」 1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/21(月) 00:27:29.71 ID:tTTGjz7W0 嫁氏じゃないけど続き書く 3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/21(月) 00:32:54.38 ID:tTTGjz7W0 結局、土曜日は何の進展もなかった。古泉によれば機関の人間からも長門の記憶は抹消されているらしい。 朝比奈さんも未来に戻ることはできなかったようだ。確定した未来、つまり俺と朝倉涼子しかいない世界 から朝比奈さんがもともといた世界に行くのは並行移動になってしまうからだそうだ。仕方ないのでその まま日曜日のハルヒの予定につきあうことになった。1時間早く行くことは古泉と朝比奈さんにも伝えて おいたが。あのハルヒのことだ、仮に二人が先に着いて隠れて待っていても気づいてしまうだろう。それ にハルヒと話しているうちに打開策をおもいつくかもしれんからな。 4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/21(月) 00:34:41.86 ID:tTTGjz7W0 〜待ち合わせ場所〜 キョン「今日は珍しく俺が先だな」 ハルヒ「だからってあんたのオゴリがなくなるわけじゃないわよ」 キョン「はいはい」 キョン「う〜ん、やはり祭りの出店となるとメニューもだいたいきまってくるが……ハルヒは何がいいんだ?」 ハルヒ「そうねえ……とりあえずたこ焼きでも食べようかな」 キョン「とりあえずってことは」 ハルヒ「まああと1時間近くはあるんだしいいでしょそれくらい」 キョン「やれやれ」 〜約1時間後〜 キョン(ハルヒは食べるのに忙しくてあまり話せなかったな……) 朝比奈「涼宮さんキョンくんすみません、遅れました〜」 ハルヒ「全然いいのよみくるちゃん!5分くらいの遅刻でガタガタ言うほうが人間が小さいわよ」 キョン「そうなると普段の俺の立場は……って古泉はまだか?」 5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/21(月) 00:36:58.61 ID:tTTGjz7W0 ハルヒ「古泉って誰?」 朝比奈「キョン君今日は3人だけのはずですけど……」 キョン「!……ハルヒ、SOS団のメンバーは何人だ」 ハルヒ「?何言ってんのキョン、3人にきまってるでしょ」 なんてこった………… どうなっている?最初に長門が消えたのは同じ宇宙人である朝倉涼子がいるからだ。しかし古泉、 つまり超能力者の代わりはいない。ということは消えるのは同じ属性を持つ奴がハルヒの近くに いるかどうかはもはや関係ないのか。この反応だと既に朝比奈さんも記憶が書きかえられているのか? どのみち俺と朝倉だけになると考えると……時間がない。しかし…… 6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/21(月) 00:39:17.22 ID:tTTGjz7W0 ハルヒ「キョン?あんた今日おかしいわよ。私が食べてる時もこっちをずっと見てたし……それに古泉 なんて人知らないけど」 キョン「悪いなんでもないんだ気にしないでくれ……」 ハルヒ「あっ!そういえば一昨日の夜言ってた長門って誰なの?もしかして今言った古泉って人と何か 関係あるの?どっちもSOS団がらみみたいだし」 ああ、そうさその通りですよ。まったくこいつの勘の良さはどこからくるんだろうね。これで思い出して くれればいいんだがどうすればいい?消失のときみたいにジョン・スミスであることを明かすか? ハルヒ「はは〜ん、さてはあんたなんか隠しごとしてるわね。正直に白状しなさい。SOS団の団長を騙そう なんて100万年早いわよ!」 もう言うしかないのか?あの時は長門がヒントを残してくれたが今回はその本人が消えちまってる。おまけ に古泉まで消えてるとなると朝比奈さんやハルヒまで……ハルヒが消える前になんとかしないと 7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/21(月) 00:42:01.15 ID:tTTGjz7W0 キョン「わ、わかった。正直に話すよ。ハルヒ、3年前の七夕の時のこと覚えてるか?何があったか」 ハルヒ「もちろん覚えているわよ。でも、私が何をしたかなんてあんたも知ってるでしょ」 キョン「そうだな。それは校庭の落書きのことを言ってるんだよな。あれはハルヒが書いたのか?」 ハルヒ「そうよ」 キョン「本当に?お前のことだ、誰かにやらせたんじゃないのか?……そうだな、例えば通りすがりの 男子高校生に」 ハルヒ「え……キョンもしかして」 キョン「そう。俺がその男子高校生、ジョン・スミスだ」 ハルヒ「まさか……ちょっと待ってありえないでしょ!なんで当時の高校生が今高1なのよ、まさか キョンって……年齢詐称?」 キョン「それは違うぞハルヒ、今隣にいる人に連れていってもらったんだ。3年前の七夕に」 8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/21(月) 00:44:25.54 ID:tTTGjz7W0 ハルヒ「みくるちゃん!?」 朝比奈「!は……はい」 ハルヒ「前にキョンが言ってたみたいにほんとにタイムトラベラーなの!?」 朝比奈「……キョン君……言っても大丈夫なんですか?」 キョン「ええ、非常事態ですから。いま思いつく方法を取るしか……時間がないですし」 朝比奈「非常事態がなんなのかわかんないですけど…………はい」 ハルヒ「今の話が本当なら祭りどころじゃないわ!あんたとみくるちゃんにはやまほど 聞きたいことがあるから今すぐこっちに来なさい!」 こうして祭りの予定は消えていつもの喫茶店に行くこととなった。記憶が操作されているので またしても朝比奈さんには事態がわからず気の毒だが。 9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/21(月) 00:47:36.98 ID:tTTGjz7W0 消失のときのようにハルヒが神ということはぼかしてあらましを説明した。長門と古泉のことはまだ 言ってないが……話をして確認できたが朝比奈さんの記憶からはやはり二人とも消されているようだ。 自分が未来人ということは覚えていたが。しかし問題はここからだ。どうやって長門や古泉のいる世界 に戻る?ハルヒは矢継ぎ早に質問を繰り出すので考える暇がなかった。 ハルヒ「話としてはわかったわ。でもキョン、なんで今まで隠してたの?」 キョン「いいところに気がついたな。それは逆にいえば今言わないといけない事情ができたってことだ」 朝比奈「キョン君大丈夫なんですか?」 キョン「はい。むしろ今現時点のほうが大丈夫じゃないんで」 キョン「ハルヒ、最初にクラスで自己紹介した時のこと覚えてるか?」 ハルヒ「ただの人間には興味ありません。宇宙人、未来人……って奴?」 キョン「そう。それで朝比奈さんはさっき説明したとおり未来人だ。じゃあ他の奴はどこにいる?」 ハルヒ「それは探してるじゃないの。SOS団の活動を何だと思ってるの?」 10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/21(月) 00:49:35.96 ID:tTTGjz7W0 キョン「いや……本当はもう見つかっていたんだよ宇宙人も超能力者も」 ハルヒ「!それこそ早く私に在り処を言うべきことじゃないの!」 キョン「そうなんだけどな……いなくなっちまったんだよ」 ハルヒ「えええ?だったら早く探さないとダメじゃない!」 キョン「単に場所を探すなら簡単なんだがなあ……お前の記憶からもいなくなってるし……」 ハルヒ「どういうこと!?本当は私はその二人を知ってるの?」 朝比奈「あ、あの〜私もですか?」 キョン「そうですよ、朝比奈さん。何故か俺だけ覚えているが、な……」 ハルヒ「それがさっきあんたの言ってた長門って人と古泉って人なの?」 キョン「そうだ。フルネームは長門有希と古泉一樹。長門が宇宙人で古泉が超能力者」 ハルヒ「だったらなんで消えちゃったのか」 キョン「だから今それを考えてるんだよ」 ……この流れだと消えた過程を話さないとダメなのか?そして俺が一般人であることに不満を 抱いて長門に頼んで超能力者にしてもらったことも…… 11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/21(月) 00:52:37.93 ID:tTTGjz7W0 ハルヒ「とにかくまずはその長門さんと古泉くんを探しましょう!キョン、二人がいそうなところはどこがある?」 キョン「実は長門が消えた後に住んでいるマンションに行ったんだが……マンションごと消えていて、他にあてが ……古泉のほうはどこに住んでいるか知らないし……」 ハルヒ「でもそこしか知らないんだったらとりあえず行くしかないでしょ!もしかしたら何か手掛かりがあるかも しれないし」 キョン「……そうだな、ここで喋っていてもしょうがないし、あの時はマンションごとなくなって絶望しかして なかったが……お前が言うとなんとかなりそうな気がしてきたよ、ありがとうハルヒ」 ハルヒ「礼はいいから二人ともさっさと行くわよ!」 13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/21(月) 00:57:03.82 ID:tTTGjz7W0 【The future of 73%】 朝倉「残念。もうこのマンションに長門さんはいないわよ」 キョン「お前は!」 ハルヒ「!なんであんたがここにいるのよ。カナダに転校したんじゃなかったの?」 朝倉「いちおうそういうことになってるけどね。事情があって戻ってきたのよ」 キョン「ハルヒ、よく聞け。こいつが今回の事件の首謀者だ」 ハルヒ「えっ!じゃあこいつもただの人間じゃな」 キョン「そうだ。長門と同じような奴だが性格は全然違う」 朝倉「キョンくん人聞き悪いなあ、確かにきっかけは与えたかもしれないけど、私は首謀者ではないわよ」 キョン「じゃあだれがこんなことしたっていうんだ!?」 朝倉「それはあなたよ」 キョン「!?」 朝倉「まあいいわ、そんなことは。じゃああなたから消えてもらいましょうか、未来人の朝比奈みくるさん」 朝比奈「ひっ」 16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/21(月) 01:01:26.42 ID:tTTGjz7W0 俺が首謀者?どういうことだ?朝倉が長門や古泉を消したのではないのか?そもそも俺が超能力者になりたい と言わなければ良かったのか?それ以外考えられないよな…………話すしかないのか。しかしそんなことを 考えている間に長門のマンションのあった場所に着いてしまった。 キョン「そ……そんなバカな」 ハルヒ「キョン?あのマンションじゃないの?」 キョン「確かに一昨日の夜は消えていたのに……」 まさかこれは朝倉完全復活の予兆か? 時間がない。 キョン「ハルヒ、ごめん。今回のことは俺が原因かもしれん」 ハルヒ「なんで?あんたは自分で一般人って言ってたじゃない!」 17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/21(月) 01:04:04.78 ID:tTTGjz7W0 キョン「そうなんだけどな、ほら、SOS団って俺以外みんな普通の人間じゃないだろ?というかそうだったんだよ。 それなのに俺だけが……周りが普通の人間でないせいで色んなことに巻き込まれるし、正直言って疎外感を感じた ことがないと言ったらウソになる。それでこの前頼んだんだ。宇宙人の長門に。俺を超能力者にしてくれって。 それで長門は快くそうしてくれたんだ。でも」 ハルヒ「ちょっと待って。その宇宙人はキョンを超能力者にしたの?」 キョン「そうだ」 ハルヒ「それはどんな能力?」 キョン「未来の予知」 朝比奈「!キョン君……それはもしかして並行世界を覗く能力のことじゃ……」 キョン「その通りです」 朝比奈「信じられません。そんな能力を他人に渡せる存在がこんなに身近にいたなんて……」 18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/21(月) 01:07:50.52 ID:tTTGjz7W0 ハルヒ「ということは……キョンは見たんでしょ?見たくない未来を」 キョン「しかも確率100%のな。長門が言うには未来は確定していてこの場合は一度はその道を通らないと いけないみたいだ」 ハルヒ「具体的にはどんな?」 キョン「俺と朝倉しかいなくてハルヒが能力を失っている世界。……実は朝倉も宇宙人だったんだがな、 長門と同じ種類の。でも長門とは違って現状に不満を持っててハルヒの能力に介入して自分の望みを叶えよう としていた。結局長門に阻止されて消されたが。でもその朝倉が復活しているというわけだ」 ハルヒ「突然転校したのはそれが原因だったのね。それで……あんたはどうしたいの?」 キョン「もちろん元の世界に帰りたいさ。SOS団がなければ超能力なんて無意味だしな。ただ、帰れた場合でも 時間ごと戻るから金曜日以降の俺たちの記憶もなくなってやり直しだ」 19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/21(月) 01:18:52.02 ID:tTTGjz7W0 ハルヒ「……つまり私の能力のことやジョン・スミスのことも忘れるってことね」 キョン「そのことについては謝る。一度知ったことをまた忘れろなんて勝手だよな」 ハルヒ「別にいいわよそんなこと。また教えてくれればいいんだし。それよりも今は世界が異常な状態なんでしょ? それでそれを修正できるのは私だけなのよね?」 キョン「その通りだ」 ハルヒ「わかった。私は世界が元に戻るように願うわ。私が知らないといっても宇宙人や超能力者が身近にた方が 絶対に面白いはずだし」 キョン「ありがとう……」 ハルヒ「その代わり!あんたも朝倉さんに会ったらガツンと言うのよ。こんな世界はお断りですってね!」 キョン「ああ」 キョン「朝倉に何をされるか分からないが今の世界を拒否するよ。正直また刺されたりするのは嫌だけどな……」 朝比奈「刺されるって……」 「キョンくん? 20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/21(月) 01:23:21.53 ID:tTTGjz7W0 お ひ さ し ぶ り」 キョン(周りの景色が暗く……あの時と同じような) キョン「悪い、ハルヒ……朝比奈さん……」 朝倉「随分と楽しんでたみたいね。キョン君」 キョン「…朝倉」 朝倉「ふふ、長門さんに超能力を貰ったのよね? カッコいいわ」 キョン「…」 朝倉「もうここには、長門さんも朝比奈みくるも古泉一樹も……涼宮ハルヒもいないわよ」 キョン「…」 朝倉「あなたが好きなだけ並行世界を行き来した結果。全ての世界が集結する最後の世界」 キョン「……俺は……」 21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/21(月) 01:27:14.07 ID:tTTGjz7W0 朝倉「ここが最後よ。時間を前にも後ろ、どこに進んでも……あなたはここに行き着くの」 朝倉「長門さんに頼れなくなって、不安? 皆がいなくなって、悲しい?」 朝倉「ウフフ……それも全部終りにしてあげる。全部私が……終わらせてあげるからね?」 キョン「そうか。それは感謝するよ。だがあいにくだな、最後にするつもりはこれっぽっちもないぞ」 朝倉「あら、この事態はあなたが望んだものだと思ったけど」 キョン「俺はこんな世界は望んでないぞ」 朝倉「そうなの?長門さんに頼んで超能力者にしてもらったのに?」 キョン「確かにそれは望んだ。しかし、SOS団がなくなったら意味がないだろう!」 23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/21(月) 01:30:49.80 ID:tTTGjz7W0 誰もいないか? 朝倉「私はあなたがSOS団の崩壊を願っていると思って残しておいてあげたのに。私の願いと同じだったから」 キョン「SOS団の崩壊……前に俺を襲ったのはそれも原因なのか?」 朝倉「そうかもしれないわね。……今から考えると私は長門さんを羨んでいたのかもしれない。SOS団に中にいる 長門さんを。でも、私は違う。何故?何故同じ情報統合思念体なのに彼女は選ばれ、私は選ばれなかった?」 キョン「それは……ハルヒの選択だからな、どうしようもないだろう」 朝倉「そうよ。だから私は涼宮さんを消したかった。でも、彼女は神のごとき存在。私ひとりでは手出しできない。 だから、あなたを利用させてもらった」 キョン「どうして俺なんだ」 26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/21(月) 01:36:34.83 ID:tTTGjz7W0 朝倉「結果論からいえば偶然よ。でも…私と似ていたから、という理由をつけられないこともないかも しれないわね。あなたはSOS団に入っていたものの他のメンバーと違ってただの一般人。あなたは疎外感 を感じていた。涼宮さんのおかげで色んなことに巻き込まれるしね、私に襲われたことも含めて。そんな あなたが今の境遇に不満を持つようになるのは容易に想像できたわ」 キョン「それで俺の願いがかなえられると同時にこうなったというわけか」 朝倉「その通り」 キョン「確かにあの時の俺は自分のことしか考えていなかったし、能力を自分のために使おうとした。 それは朝倉と同じだったかもしれない」 朝倉「でしょ?だったら私と一緒に新世界をつくりましょうよ」 キョン「お断りだ」 27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/21(月) 01:40:05.18 ID:tTTGjz7W0 朝倉「何故?今の私は神に近しき存在。あなたがSOS団の再結成を望めばそれを叶えることさえ可能なのよ。 そうすれば元通り、涼宮さんや長門さん、他のメンバーも戻ってくるわ」 キョン「お前はSOS団の崩壊を願っていたのではなかったのか?なんで今さらそんなことをする必要がある?」 朝倉「私がそれを願ったのは妬みが原因よ。でも今は私の思い通りに世界をつくることができるんだから、 そんなことは些細なことだわ」 キョン「それでもだめだ」 朝倉「私が神になるのが気に入らないのかな?私が神になったら涼宮さんのときみたいにあなたに苦労をかける こともないわよ」 キョン「ダメなんだよそれは、ハルヒじゃないと。それにそれは他のSOS団のメンバーにしたってそうだ。長門は 宇宙人、古泉は超能力者、朝比奈さんは未来人、そして団員その1のこの俺はただ一般人でなければ」 朝倉「それはあなたが超能力者の資格を放棄するということ?」 キョン「そういうことになる」 朝倉「交渉決裂ね。あなたには消えてもらうわ」 キョン「自分の都合に合わなくなると俺も消すか……そうか!」 28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/21(月) 01:43:24.34 ID:tTTGjz7W0 朝倉「どうしたの?気が変わったんなら早く言ったほうが身のためよ」 キョン「気持ちは変わってない。ただ、SOS団を復活させたとしてもお前をこの世界の頂に立たすわけにいかない 理由がはっきりしただけだ」 朝倉「確かに涼宮さんじゃないとダメな理由はあなたは言ってないわ。聞かせてもらいましょうか」 キョン「結局のところ自覚を持って常人にはない力を自分のためだけに行使しているのはお前だけだからだ。SOS団 の団員には一人としてそういう奴はいない」 朝倉「涼宮さんの傍若無人ぶりを見てもそんなことが言えるのかしら」 キョン「確かにハルヒは自己中心的なところがないとは言わないが……しかし自覚を持ったとしてもあいつは自分の ためだけに能力を使っているわけではないぞ、お前と違ってな」 朝倉「ずいぶんと彼女を高くかってるのね。そんなのあなたの思い込みじゃない?なにか証拠でもあるのかしら」 29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/21(月) 01:48:06.18 ID:tTTGjz7W0 キョン「証拠か……俺が今ここにいることがその証拠になる。ハルヒは……一時的に自分の存在を消してまでも俺を ここに連れてこさせた。それは俺のためであり、世界のためでもある」 朝倉「何を言ってるの?ここにあなたを連れてきたのはこの私よ。もう話が通じないようね。今度こそあなたを消すわ」 キョン「一時的にだがな。俺はハルヒを信じている、必ず元の世界に戻すと。それに長門とも約束した。何かあったら 復元ポイントを作成するってな」 朝倉「何を言っているの?もう今は私が神よ」 キョン「それでも俺は……やっぱり……お前はいつもナイ……」 ……………………………… 朝倉「涼宮さんが他人のために能力を使うっていうなら……私にも使ってくれればよかったのに……」 31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/21(月) 01:55:28.83 ID:tTTGjz7W0 ……………………………… キョン(夢……か?) キョン(ここは部室……) キョン「長門……」 長門「大丈夫?」 キョン「えっ? なにがだ?」 長門「……なんでもない」 キョン「?」 長門「あなたは帰ってきた。私と、私以外のあなた達も存在する世界に」 キョン「…」 長門「諦めなかった。可能性は存在する。無数に存在する並行世界の中に、答えは存在する」 長門「あなたはそれを見つけることを……諦めなかった」 長門「おかえりなさい」 キョン「……あ…ああ…ただいま」 32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/21(月) 02:01:37.66 ID:tTTGjz7W0 しばらくして古泉と朝比奈さんも来たので、今回起こったことを2人に話した。もう古泉はなれっこなのか表情一つ 変えやしない。朝比奈さんはまあ…いつも通りだ。そう、いつも通り。戻ってこれたんだ、いつも通りの日常に…… 古泉「しかしあなたも僕の知らないところで色んな目に遭ってますね。下手な超能力者より稀有な体験をしていると 言ってもいいでしょう」 朝比奈「私もちょっと信じられません」 長門「今回のことは完全に私のミス。申し訳ない」 キョン「気にするな、長門。もとはと言えば俺がこんなことを頼んだのがいけなかったんだ。それに無事にもとの 世界に戻ってこれたからな。ただなんだか俺は世界を混乱させただけで何もやってないようにも思えるんだが……」 長門「そうではない。あなたは朝倉涼子にSOS団の再結成を持ちかけられても断固として拒否した。その行動の結果 として今の世界がある。自分を卑下する必要はない」 33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/21(月) 02:07:27.33 ID:tTTGjz7W0 キョン「そう言ってくれるのはありがたいんだが……しかし結局朝倉復活と長門の消失の直接の原因はなん だったんだ?」 長門「朝倉涼子が最初にあなたを襲ったとき、私はあらかじめ崩壊因子をいれておくことで介入を阻止した。 しかしそこに隙があった。彼女が崩壊するときに逆に崩壊因子をこちらに挿入された」 キョン「でも今までなんともなかったよな。それが突然発動したのはなんでなんだ?」 長門「朝倉涼子は急進派であると同時に朝倉涼子個人の復活も目論んでいた。しかし、情報統合思念体といえ ども涼宮ハルヒの能力に対抗することはできない。そこで以前の私と同様に彼女の能力を利用した」 キョン「どうやってだ?」 長門「涼宮ハルヒはSOS団のパーソナルアイデンティティを非常に重要視している。本人の自覚がなくとも 宇宙人などの属性は気にしている。そして彼女はSOS団の現状維持を強く望んでいる。逆にいえばそこが 崩れると世界は不安定な状態に陥り彼女の能力は低下、あるいは能力が彼女の範疇を逸脱することになる」 34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/21(月) 02:14:02.81 ID:tTTGjz7W0 キョン「その状態を利用して朝倉は新たな支配者になろうとしたのか?」 長門「そう」 長門「完全な形とはならなかったが、彼女が復活したのは今回が初めてではない」 古泉「それは消失事件のことを指しているのですか?長門さん」 長門「そう。あの時はただの人間であったが、私がSOS団の属性を操作したために彼女は復活した」 キョン「ということはその変えた属性を元に戻せば自然に朝倉は消えるということか。消失の時は修正された 世界でのSOS団結成をきっかけにして、今回はハルヒが元の世界の復活を願い俺が超能力者という属性を拒否 することによって」 長門「そう」 35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/21(月) 02:18:59.96 ID:tTTGjz7W0 キョン「しかしそうなるとそもそも何故あの時の長門は俺に超能力を与えることができたんだ?普段の長門なら こんなことしないだろう。超能力を使って俺やSOS団のメンバーを動かしたことはあったが、力そのものを渡す ことはなかったはずだ」 長門「それもおそらく涼宮ハルヒの影響」 キョン「願望実現能力で?」 長門「そう。彼女の能力は何も彼女自身に関する願望のみを実現するわけではない」 古泉「……つまり今回の場合はあなたの願望が叶ってほしいという願望が涼宮さん自身にあったってことですよ」 キョン「なるほど……今回はそれが裏目に出てしまったってことか。もう二度と超能力者になりたいなんて言わないさ」 36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/21(月) 02:23:43.75 ID:tTTGjz7W0 朝比奈「でも朝倉さんがキョン君を最後に残したのは本当にそれだけが理由なんでしょうか」 長門「彼はこの世界の鍵だから」 キョン「なんかその台詞前もどっかで……」 長門「いずれわかる」 キョン「ま、まあ長門がそう言うなら……」 キョン「しかし今日はハルヒが来るのが遅いな。今度はいったい何を企んでいるんだ?」 37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/21(月) 02:32:02.03 ID:tTTGjz7W0 バターン ハルヒ「みんなお待たせー!今日はなんと、SOS団の新メンバーを紹介するわよ!」 キョン「!……え?」 ハルヒ「昨日カナダから戻ってきた朝倉涼子ちゃんよ!」 そして朝倉は俺に近づき耳元でこう囁いた 「あの時キョン君が拒否してくれたから、涼宮さんは私のことを不憫に思って入れてくれたようだわ。 本人に自覚はないでしょうけど。これからもよろしくね」 ハルヒは今度はなんと朝倉の願望を叶えてしまったようだ……やれやれ おわり 39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/21(月) 02:34:32.78 ID:tTTGjz7W0 初SSで途中から書くのは無理があったかも…… 感想あればよろしくお願いします 41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/06/21(月) 02:41:07.15 ID:tTTGjz7W0 なんか途中で終わったのがもったいなかったので 失礼しました