古泉「…ざ、残念です…」ポロポロ 1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/06(日) 00:25:52.57 ID:lVbLdchl0 キョン「おっす」 古泉「こんにちは」 キョン「なんだ、お前だけか…」 古泉「はい…さっそくですが、一勝負いかがですか?」 キョン「悪いが今日はパスだ、宿題をしたいんでな」 古泉「そうですか…」 古泉「…ざ、残念です…」ポロポロ キョン「!?」 古泉「こ…これはっ、グスッ、一体…!?」ポロポロ キョン「おちちち落ち着け古泉、何故突然泣く!?」 古泉「ぼ、ふぇ、僕もさっぱり…っ」ポロポロ 3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/06(日) 00:37:33.48 ID:lVbLdchl0 キョン「こ…こういうときは…」 古泉「こういうときは…?」ポロポロ キョン「長門ー!!!長門を呼ぶしかない!」 古泉「たっ他力本願ですかっ」ポロ 長門「呼んだ?」 キョン「ぬわー!!」 古泉「ふっん!?」ボロボロ キョン「いつから部室に居たんだ!」 長門「あなたが『おっす』と発言したとき、後ろに居た」 キョン「気付かなかった…今度から声掛けてくれよ」 長門「分かった」 古泉「な、長門さん…ヒック、これは、一体…?」ポロポロ 長門「涼宮ハルヒの能力による、一時的な身体への情報操作」 キョン「もしかして…昨日のあの話の所為か…?」 5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/06(日) 00:42:57.52 ID:lVbLdchl0 〜昨日〜 ハルヒ「ねえキョン」 キョン「なんだ」 ハルヒ「古泉くんって泣いたりしないのかしら?いつもニコニコしてるじゃない、あんた見たことない?」 キョン「ねぇよ、第一そんなもん見たくない」 ハルヒ「そう?あたしは気になるわね!古泉くんはどういう風に泣くのかしら!みくるちゃんみたいに泣いたりして…」 キョン「あれは朝比奈さんだから許されるのであって、古泉なんぞがやったら俺が泣く」 ハルヒ「あんたの泣き顔には興味ないから泣かなくていいわ」 長門「…」 〜〜 キョン「ってなことがあった」 古泉「その会話が…原因ですね…ヒッ」ポロポロ 6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/06(日) 00:52:55.31 ID:lVbLdchl0 古泉「ふう…だいぶ治まってきました」 キョン「これでもう古泉は治ったのか?」 長門「まだ、この改変は今日の23:59まで続くと思われる」 古泉「あと半日…ですか」 長門「そう」 古泉「普通の会話ができるということは、この改変は感情の起伏によって発生するということですか?」 長門「…」コクッ キョン「なら古泉に対して文句だとか、驚かせるようなことはしなかったら大丈夫なわけだ」 古泉「おそらく、まああなたと違ってあまりそういったことは言われないので大丈夫だと思います…ただ驚いても涙が出る、というのは少々やっかいですね」 キョン「ケンカ売ってんのか?」 古泉「はは、まさか」 7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/06(日) 01:00:13.60 ID:lVbLdchl0 長門「発生条件はそれだけではない」 キョン「なんだと?」 長門「ここに立って」 キョン「俺が?」 長門「…」コクリ キョン「一体なにをするんだ?」 長門「もみあげが異様に長い」 キョン「!?」 古泉「!?」 長門「話が長い、喋り方が生理的に受け付けない、上から目線にイライラする、ギャグがおもしろくない、空気が読めない…総括するとうざい」 キョン「や、やめろー!」グサグサ 古泉「ぇぐっ…ひっ…ひどいですっ」ボロボロボロ 8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/06(日) 01:14:30.33 ID:lVbLdchl0 長門「このように、他人が言われていることも自分のことに置き換えてしまう」 古泉「なるっ、ほど…っヒッ、しかし、これは…」ボロボロ キョン「古泉より俺へのダメージがでかいんだが…」 長門「そう」 キョン「今のって、冗談だよな?そうだよな?」 長門「…チッ」 古泉「ふえぇぇーん!」ボロロロロロ キョン「泣きたいのは俺のほうだ馬鹿野郎!」 長門「…つまり、涼宮ハルヒがあなたと衝突すると、古泉一樹の改変が行われる」 長門「それは避けるべき、よって…あなたに分かりやすい言語を選ぶなら、空気を読めモミアゲ」 キョン「すみません引きちぎってきます」 古泉「ぶわあーん!!」ボボボボボ 10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/06(日) 01:22:54.99 ID:lVbLdchl0 古泉「き、今日はっ…バイトということでっ涼宮さんに会わない、ッうちに帰ります…」ポロポロ キョン「俺も帰ろうかな…」 長門「…来た」 ハルヒ「おまったせー!聞いてよ、岡部の筋肉馬鹿がさー、もうすっごくうざいったらないわ!」 キョン「さっそくかよおおお!」 ハルヒ「なにが?」 古泉「すみませんが今日はバイトがあるので失礼しますねそれではまた明日」スタスタスタ ハルヒ「あっうんバイバーイ…ってもういない」 キョン「早いな…」 ハルヒ「ところでキョン、あんた髪の毛引っ張って…なにしてるの?」 キョン「触れてくれるな」 長門「…」ペラッ 11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/06(日) 01:29:56.68 ID:lVbLdchl0 古泉「随分と不思議な改変をしたものです」スタスタ 古泉「まあ家では驚くこともないでしょうし…今日はゆっくりすごすとしましょう」ガチャッ 森「古泉ー!おかえりー!」スパパパーン 古泉「!?ちょっ…森さっ…」ポロポロポロ 森「え、なに、なにが起きたの?古泉?なに?え?」 〜説明〜 古泉「…というわけです」 森「なるほど、いやーびっくりしたあ…まさか古泉がクラッカー如きで泣くとは思わなかったから」 古泉「というか何故クラッカーを鳴らしたんですか?」 森「驚かそうと思って!大成功だったわね」 古泉「ハハ…そうですね…」 12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/06(日) 01:36:29.98 ID:lVbLdchl0 森「ところで古泉」 古泉「はい?」 森「笑顔が鬱陶しい」 古泉「ひっ…やめてくださっ…グスッ」ポロポロ 森「おー泣き出した」 古泉「な、にするんですかっ」ポロポロ 森「いや、めったに見られないから見ておこうと思って」 古泉「追い出しますよ」ポロポロ 森「ご飯作ってあげるから許して」 古泉「…その間にお風呂に入ってきます」ポロ 森「りょーかい」 古泉「あ…森さんが居ることに違和感がなかった」 森「ちょくちょく遊びに来るからかしら…いっそのこと一緒に住もうか?」 古泉「嫌です」 13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/06(日) 01:41:32.33 ID:lVbLdchl0 〜夕食後〜 古泉「はあ…泣きすぎて頭が痛い…」 森「ごめん、古泉で遊びすぎた」 古泉「全くです、あなたは限度を知った方がいいです、僕は明日学校なんです」 森「ごめんなさい」 古泉「…また泊まっていくんですか?」 森「…だめ?」 古泉「……いつものところに布団があるので自分で出してください」 森「ありがと」ニコッ 古泉「…おやすみなさい」 森「うん、おやすみ」 14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/06(日) 01:49:00.22 ID:lVbLdchl0 〜夜中〜 森「トイレ…」むくっ …ぐすっ、ひっ… 森「あん?」ガチャ 古泉「…ふぐっ、ヒック…」 森「おーい古泉?なにが悲しいの?」 古泉「ひ、うぅ…」 森「寝てんのかい」 森「……えい」ボスッ 古泉「ぐっ」 森「よいしょ」モゾモゾ 森「おやすみー…」 古泉「……」 16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/06(日) 01:55:44.07 ID:lVbLdchl0 〜次の日〜 森「よく寝た…」 古泉「…」 森「あれ、古泉がまだ寝てるなんて珍しい…起きろー古泉ー」 古泉「ふ、うん…はぁい…」 森「さっさと起きろ!」 古泉「ふわぁっ!?ご、ごめんなしゃい!…ってええええ!!?あなた、誰ですか!?」 森「あ?」 古泉「ここどこですか〜!?どうやってここまで…って声が男の人みたい…!?」 森「…もしかして、朝比奈みくる…?」 古泉(みくる)「ど、どうしてあたしの名前を知ってるんですかぁ?…あれ、どこかで見たことある…?」ビクビク 森「どうしよう…うざい」 古泉(みくる)「ぴえぇぇっ!?」 17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/06(日) 02:01:36.90 ID:lVbLdchl0 森「古泉と朝比奈さんが入れ替わったのかしら?」 古泉(みくる)「えぇぇっ!?あたし、古泉くんになってるんですかぁ!?そして古泉くんがあたしに…はわわわ」 森「黙れ」イラッ 古泉(みくる)「ぴいぃっ」 森「だとしたらそろそろ古泉から連絡が…」 ピリリリリ 森「もしもし」 みくる『あ、すみません、森さんですか?古泉です、分かりますか?』 森「おー、こっちも状況はなんとなく理解してる」 みくる(古泉)『助かります…困りましたね』 森「そうねー…あんたたち今日学校どうするの?」 みくる(古泉)『状況が状況なのでサボります、あとは長門さんと連絡をとって対策を練るしか方法はないですね…』 18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/06(日) 02:08:56.90 ID:lVbLdchl0 森「分かった、とりあえずどこかに集合しましょう…あんたこっちくる?」 みくる(古泉)『そうしたいのは山々ですが…できればこちらに来ていただけると幸いです』 森「なんでよ?」 みくる(古泉)『…着替えが…ですね…』 森「分かった、そっち行くから待ってなさい」 みくる(古泉)『ありがとうございます…では、待っている間に長門さんにも連絡をとっておきますね、では』 森「朝比奈さん」 古泉(みくる)「ひゃいっ!」 森「…あなたの家まで案内してくれる?古泉と長門さんと作戦会議をするわよ!」 古泉(みくる)「あっあの…着替えは…?」 森「そこのタンス!一番下がズボン!その上が上着!」 古泉(みくる)「わっわかりましたぁ!」 森「40秒で支度!」 古泉(みくる)「ぴいっ!無理ですよう〜!!」オロオロ 森「…」イラッ 20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/06(日) 02:17:10.64 ID:lVbLdchl0 ピンポーン みくる(古泉)「お待ちしていました」 長門「…」 古泉(みくる)「遅くなっちゃってごめんなさぁ〜い」 森「…」イライラ みくる(古泉)「(森さんイライラしてる…)長門さん、これは一体どういうことですか?」 長門「朝比奈みくると古泉一樹の精神が入れ替わった…おそらく昨日の古泉一樹への改変がより具体的になり、古泉一樹が朝比奈みくると同じようになるという願望のために起きた改変こ…れは私にはどうすることもできない」 古泉(みくる)「じゃっじゃあ一生このままなんですかあ〜!?」ポロポロ 長門「今週末には元に戻る…はず」 森「じゃああと3日の辛抱じゃない」 みくる(古泉)「今週末って…たしか…」 長門「SOS団で遊園地に行く予定」 古泉(みくる)「大変ですぅ〜!どっどうしましょう!?」 森「決まってるじゃない」 21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/06(日) 02:25:03.97 ID:lVbLdchl0 森「決まってるじゃない!特訓よ!」 古泉(みくる)「特訓ですかあ?」 森「そう!今のままじゃ両方ともすぐに涼宮ハルヒにばれちゃうわ!」 みくる(古泉)「僕もですか?」 森「もっと朝比奈みくるはおどおどしてて鬱陶しい!」 長門「同意」 古泉(みくる)「ひっひどいですよう〜!」ポロポロ 森「ほら!このうざさをコピーして!」 みくる(古泉)「ひっ…ひどいですよう…」カアァァ 森「照れる必要なんてないのよ!あなたは今朝比奈みくるなんだから!」 みくる(古泉)「そうは言われましても…この喋り方はいささか恥ずかしいものがあります…」 長門「私があなたを鍛える」 古泉(みくる)「ぴっ…よ、よろしくお願いします…」 長門「…」コクリ 22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/06(日) 02:30:07.87 ID:lVbLdchl0 古泉(みくる)「こんにちは…」 長門「もっと自信を持って」 古泉(みくる)「こんにちわぁ!」 長門「語尾はのばさない」 古泉(みくる)「こんにちゅは!」 長門「噛まない」 古泉(みくる)「こ、古泉くん難しいです〜…」 長門「弱音を吐かない」 古泉(みくる)「すみましぇん」 長門「…」イラッ 森「…」イラッ みくる(古泉)「森さん、落ち着いてください」 23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/06(日) 02:37:15.88 ID:lVbLdchl0 〜放課後〜 長門「彼も呼んで、明日のためのデモンストレーションを行う」 みくる(古泉)「それはいい考えですね」 古泉(みくる)「がんばりますよ〜!」 森「わたしは監督でもやろうかしら」 長門「あなたには涼宮ハルヒの代わりを務めてもらう」 森「わたしが涼宮ハルヒぃ?できるかしら…」 みくる(古泉)「いつもの森さんのままで十分ですよ」 森「…それって褒めてるのかしら?」 みくる(古泉)「ええ、とても」 24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/06(日) 02:44:27.70 ID:lVbLdchl0 キョン「なんだかまたややこしいことになってるな」 古泉(みくる)「すみましぇ〜ん…迷惑かけちゃって…」 キョン「なんだかすごくうざい」 古泉(みくる)「えぇっ!?」 みくる(古泉)「なるほどなるほど」 キョン「なんです…なんだ古泉」 みくる(古泉)「つまりこういうことです…あなたは今までの朝比奈さん、の場合ああいった話しかたに腹を立てるどころか癒されていました」 キョン「そうだな」 みくる(古泉)「ですが、今回僕と入れ替わって朝比奈さんの外見が変わる…するとどうでしょう、話し方が耳障りなものへと変化した…これがなにを意味するかわかりますか?」 25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/06(日) 02:47:02.26 ID:lVbLdchl0 長門「彼は朝比奈みくるの容姿しか見ていなかった」 みくる(古泉)「正解です」 キョン「んなっ!?」 古泉(みくる)「キョ、キョンくんひどすぎますっ!」 森「身体目当てだったのね!」 キョン「誤解です!そんなことは決してありません!」 古泉(みくる)「本当ですか?キョンくん…」ジー キョン「こ…朝比奈さん…」ジー みくる(古泉)「端から見ていて気分の良いものではないので見つめ合わないで下さい」 キョン「ううう…俺は…俺は…」 長門「最低」 キョン「最近長門さんが冷たい」 26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/06(日) 02:51:30.64 ID:lVbLdchl0 森「わたし気付いたことが一つあるの」 みくる(古泉)「なんですか?」 森「朝比奈さん、キョンさんのことを『キョンくん』って呼ぶのやめたほうがいいわ、気色悪い」 長門「古泉一樹は彼のことをニックネームで呼ばない」 古泉(みくる)「分かりました!えーと、あなた、って呼べばいいんですか?」 森「そうね、それで…古泉!あんたは逆に『キョンくん』って呼ばないと」 みくる(古泉)「えぇっ!?」 森「そりゃあそうでしょう、そういうところからボロが出ちゃうかもしれないんだし」 みくる(古泉)「…キ…き…キョ…」 キョン「…」ドキドキ みくる(古泉)「…彼に話しかけないので練習する必要はありません」プイッ キョン「止めの一撃をありがとう」 27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/06/06(日) 02:53:13.83 ID:lVbLdchl0 終わりが見えない 次のSSはがんばります このSSのオチは遊園地に行ってなんだかんだで森さんと古泉がいい感じになる話でした お疲れ様でした