夜神月「涼宮ハルヒ…?」 1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/09(火) 22:22:49.08 ID:qFWwE9z2O ハルヒ「ねえキョン、今日転校生が来るらしいわ」 キョン「らしいな…男って聞いてたが」 ハルヒ「あたしの目に止まるような奴ならいいけど…」 キョン『お前の目に止まるような奴に来られたらまた面倒なことになるだろ…』 ハルヒ「あっ、来たみたい!」 岡部「今日はみんなに転校生を紹介しようと思う、君…挨拶をしてくれ」 月「初めまして…夜神月です」 ハルヒ「…何か普通の優等生って感じね」 キョン「いや…ビックリするくらい良い顔してると思うが」 キョン『古泉以上に整った顔ってのも珍しいな…』 4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/09(火) 22:26:21.26 ID:qFWwE9z2O 放課後 月『全く…まさか転校して一人暮らしをすることになるとは思わなかったな…』 月『まあいい…どこであろうと犯罪者を裁くことは出来る…』 ハルヒ「ちょっとあんた!」 月「…僕かい?」 ハルヒ「あんた…宇宙人っていると思う?」 月『何だ…この女?初対面の相手に向かって…ここは無難に受けておくべきか』 月「まあ…いても不思議ではないじゃないんじゃないかな?」 ハルヒ「未来人や超能力者とかは?」 月「いたら面白いだろうね、僕も一度お目に掛かりたいよ」 ハルヒ「ふーん…それなりには信じているんだ」 6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/09(火) 22:31:05.58 ID:qFWwE9z2O リューク『面白いな、この女』 月『リューク…お前は黙っていろ』 ハルヒ「少しは見込みがありそうね…今度、あんたを部活に連れていくから!」 月「いや…残念だけど、僕は部活をやるつもりはないんだ」 ハルヒ「あんたの意志は関係ないの!あたしが連れてくって言ったら連れて行くから!」 月「……分かった、時間があれば顔を出させてもらうよ」 月『この女…自分を中心に世界が回っているとでも思っているのか?』 8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/09(火) 22:36:53.47 ID:qFWwE9z2O 帰宅後 リューク『どうした月…あの女の言うことはずいぶんあっさり聞いたな?』 月「世の中には話の通じるバカと通じないバカがいるんだよ…あれは後者だった」 リューク『つまりバカしかいないってことか……』 月「まあいい、適当にあしらっておくよ…大した問題じゃない」 月「…さて、裁きを始めようか」 数日後−朝 テレビ『犯罪者が次々と心臓麻痺で……』 月「よし…キラの存在も徐々に認知されつつある…良い傾向だ」 11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/09(火) 22:41:07.64 ID:qFWwE9z2O −学校 谷口「オイ月!キラって知ってるか?」 月「ああ…名前は最近よく聞くね」 谷口「あれ…犯罪者を裁いて殺してるんだよな?」 月「…みたいだね」 谷口「やべーよ…数々の女をナンパしてきた俺にも裁きが下ったら…」 月「それはないから安心していいよ…あ、君は国木田君だったかな?」 国木田「そうだけど?」 月「この学校の授業の進度が分からないんだ、ノートを貸してくれないかな?」 国木田「あ…そうだよね、いいよ、授業の内容は全部写してあるから」 13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/09(火) 22:45:04.14 ID:qFWwE9z2O 放課後 月「さて…帰ろうかな」 ハルヒ「あんた、今日はあたしの部活に来なさい!命令よ!」 月「あ、ああ…そういえば顔を出すって言ってたね…」 月『お、女に命令をされたのは初めてだ……』 部室 ハルヒ「……と言うわけで連れてきたわ!夜神月くんよ!」 月「初めまして…夜神月です」 みくる「こんにちは」 長門「……」 古泉「お初にお目に掛かりますね、古泉です」 キョン『ハルヒに捕まっちまうとは…あいつも大変だな』 19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/09(火) 22:48:12.30 ID:qFWwE9z2O キョン「で…何故お前は夜神くんを引っ張ってきたんだ?」 ハルヒ「期間限定のお試しキャンペーンで!」 キョン「…それだけか」 キョン『夜神くんとやら……すまん』 月『お、女を殴りたいと思ったのもこれが初めてだ…』 みくる「あの…今日の活動は何なんですか?」 ハルヒ「よく聞いたわねみくるちゃん!今日の活動はこれよ!」 『キラを捕まえるための緊急対策会議!』 キョン「キラ…?」 古泉「ふむ…なるほど」 月『フ…キラを捕まえる方法か…まあ、少しは興味を持てる話題かな』 27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/09(火) 22:51:59.59 ID:qFWwE9z2O ハルヒ「最近、この世の犯罪者がどんどん死んでいますがこれは殺人事件です!」 ハルヒ「あたしたちには犯人を逮捕する義務があるわ!」 キョン「そういうのは警察の仕事だと思うんだが」 ハルヒ「そうやって国家に頼ってばかりだと国民はだめになります!」 キョン「……付き合いきれん」 長門「……」 古泉「まあまあ、世を騒がせているキラ…その正体は誰もが知りたいところでしょう」 キョン「お前まで何を言い出すんだ…」 ハルヒ「あーごちゃごちゃうるさいわね!あたしが探すって言ったら探すのよ!」 月『この女以外の人間は比較的まともなのか…それだけが救いだな』 29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/09(火) 22:55:17.50 ID:qFWwE9z2O キョン「じゃあ聞くが…お前がキラについて何か推理して見ろよ」 ハルヒ「いいわよ!聞いて驚きなさい!そしてあたしを崇めなさい!」 月『この女じゃ所詮くだらない推理を披露するのが…』 ハルヒ「あたしの推理では…キラはこの学校にいます!」 月「!」 キョン「…はぁ?」 長門「……」 33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/09(火) 22:59:46.48 ID:qFWwE9z2O 月『なっ…こ、こいつ…いや、焦るな…ここで動揺するのは不自然だ』 月「ははは…面白い発想だね」 キョン「ハルヒ…何故この学校にいると決めつける、その根拠は何だ?」 ハルヒ「言ったでしょ…勘よ、勘!」 キョン「……」 みくる「えっと…でも、キラって自由に人を殺せちゃうんですよね?」 みくる「そんな人が学生だとはとても思えないんですけど…」 ハルヒ「甘いわねみくるちゃん、そこが盲点なのよ!」 キョン「朝比奈さんの意見は至極まともだと思うがな…」 35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/09(火) 23:03:35.21 ID:qFWwE9z2O ハルヒ「じゃあキョン!キラは何で殺人犯を殺してるんだと思う?」 キョン「さあ…漠然と凶悪犯を殺しているとしか考えてなかったな」 ハルヒ「ダメよそんなんじゃ!30点!じゃあ古泉君は?」 古泉「そうですね…凶悪犯を裁くことで犯罪のない世界を作ろうとしているのでは?」 ハルヒ「そうよ!ビンゴ!90点!」 キョン「…で、それがなんだと言うのだ」 ハルヒ「あったま悪いわね!まだわかんないの?」 キョン「どうせ俺は赤点ギリギリだよ」 ハルヒ「いい?犯罪者を始末して世の中を変えようなんて考える奴は限られてるわ!」 ハルヒ「そんなのは多分、中学生か高校生くらいがすることよ!」 43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/09(火) 23:12:11.34 ID:qFWwE9z2O 古泉「なるほど…たしかに中高生という推理は一理ありますね」 古泉「キラが人を自在に殺せる能力を持っている人間だとするならば…」 古泉「成人した大人ならばその力を自分の私腹を肥やすために使うでしょうからね」 キョン「逆に子供ならそんな能力は怖くて使えないってか…まあわからんでもないな」 月「……」 月『頭のおかしい馬鹿な女だと思っていたが…予想以上に頭は切れるらしい…』 キョン「…キラが中高生ってのはまあいいとしてだ、何故この学校にいると?」 ハルヒ「そこの部分が勘!いる気がするのよ!」 キョン「やれやれ…」 長門「……」 49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/09(火) 23:18:38.94 ID:qFWwE9z2O 数時間後 ハルヒ「じゃあ今日の団活は終わり!みんな、キラについて推理してくるのよ!」 キョン「へいへい…」 ハルヒ「あ、あんたはお試しキャンペーンが終わるまでは毎日来なさい!」 月「じ…時間が合えば顔を出すよ」 キョン『ご愁傷様だな…夜神君』 キョン「さて…俺も帰るかな」 長門「今日、家に来てほしい…話がある」 キョン「ん?」 51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/09(火) 23:22:07.10 ID:qFWwE9z2O 長門宅 キョン「よう、みんなもいたのか」 古泉「どうも」 みくる「キョン君も長門さんに呼ばれて来たんですか?」 キョン「ええ…それで長門、話とは?」 長門「キラについて…そして夜神月について」 キョン「…?」 古泉「やはり彼の話ですか…ある程度予想はしていましたが…」 キョン「予想していた?何かあったのか?」 古泉「お気付きになりませんか?あの涼宮さんが仮とはいえ、仲間にいれたのですよ?」 古泉「通常とは異なるものを好む傾向がある彼女がです…」 キョン『俺は普通の男子高校生でいたつもりなんだがな』 55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/09(火) 23:26:08.93 ID:qFWwE9z2O 古泉「そして…今日の話題…覚えていますよね」 みくる「キ、キラについて…ですか?」 古泉「そう…キラについてです…犯罪者を心臓麻痺で殺しているとされる人物…」 キョン「お…おい、まさか…」 古泉「そのまさかですよ…」 長門「夜神月はキラである可能性が高い」 キョン「!」 59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/09(火) 23:29:16.35 ID:qFWwE9z2O キョン「まさか…さすがにそれはあり得んだろう」 古泉「有り得ない…その言葉は涼宮さんの前では何の意味も持ちませんよ」 古泉「第一、犯罪者を心臓麻痺で自由に殺せる…これも一般にはあり得ないことです」 キョン「……長門、夜神月=キラというのは確定なのか?」 長門「確定ではない」 キョン「お前の能力で調べられんのか?それくらいなら出来ると思っていたが…」 長門「キラの力は統合思念体も知り得ない、端末の私が能力を解析することは不可能」 キョン「…長門でも解析できない?」 古泉「思念体ですら分からない能力…ある意味では涼宮さんを超えていますね」 68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/09(火) 23:34:37.71 ID:qFWwE9z2O キョン「…考え過ぎじゃないのか」 古泉「ですが…もし彼がキラならば、僕たちは非常に危険です」 みくる「ど、どうすればいいんですか?」 長門「彼がキラであるとの決定的証拠を私たちで掴む」 キョン「お、オイ!マジで言ってるのか?」 古泉「長門さん…最悪、あなたの能力で彼を消し去ることも考えては…」 みくる「け、消し去るって…古泉君まさか!」 古泉「何をおっしゃりたいかは分かります…ですが、最悪のパターンも想定すべきです」 長門「それはできない」 72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/09(火) 23:37:53.55 ID:qFWwE9z2O 古泉「できない…とおっしゃいますと?」 長門「私は敵性と判定された対象以外には手出しをすることが出来ない」 長門「加えて…統合思念体はキラと呼ばれる人間の持つ能力に興味を示している」 長門「能力を解析することなくキラを消し去ることを思念体は許可しない」 古泉「つまり…今回、長門さんは僕たちを守れないということですか?」 長門「キラの能力が分からない以上…プロテクトを展開することは不可能」 77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/09(火) 23:41:32.13 ID:qFWwE9z2O 古泉「守ることが出来ないだけでなく…長門さんから攻撃することも不可能であると」 長門「私が彼に攻撃出来るのは、彼が涼宮ハルヒやその仲間に危害を加えた時のみ」 みくる「き、危害って…つまり…」 キョン「俺やハルヒ…SOS団の誰かが殺されてからでなければ動けないってことか」 長門「彼が私達に殺意を持っていると明らかになり、殺人方法も判明すれば動ける」 キョン(統合思念体は俺達の命よりもキラの能力を調べるのが大事だってのか…) 82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/09(火) 23:44:58.66 ID:qFWwE9z2O キョン「だ…だが、あいつがキラだと確定したわけじゃないんだよな?」 長門「そう、疑わしいのみで確実ではない」 キョン「なら…」 古泉「疑わしいのなら…やはり調べておくべきです、機関にも連絡しておきましょう」 みくる「古泉君の機関は…動くことは出来ないんですか?」 古泉「残念ながら…殺しの方法が分からない状況では下手に手は出せませんね」 古泉「もっとも…何もしないわけではありませんが……」 キョン(マジかよ…頼むぞ夜神君とやら、キラであってくれるなよ…) 87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/09(火) 23:49:12.84 ID:qFWwE9z2O −−− 全員帰宅後、長門宅 長門(今、私がすべきこと…夜神月がキラであるかの確認…仲間の安全の確保…) 長門(………) −−− 月宅 月(SOS団…キラを高校生と推測したのは驚いたが…気にかけるほどでもないな) 月(キラがこの学校内にいるとの発言も根拠のない勘にすぎない…大丈夫だ) リューク(にしても、あの女の勘すげー) prrrr 月「電話か…非通知?…もしもし」 長門「話がある…指定した場所に来てほしい」 月「……長門さん?」 月(何故僕の携帯の番号を…) 93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/09(火) 23:57:09.29 ID:qFWwE9z2O 月「はは、話だったら電話越しにすれば良いじゃないか」 長門「それでは私の伝えたい内容が正確に伝わらない、直にあって話をしたい」 月(電話じゃ伝わらない…一体何を…?) 月「…分かった、どこに行けばいい?」 某公園 月「すまない…待たせたね長門さん」 長門「気にしなくていい、急に私が誘ったせい」 月「…それで、話って何かな?」 長門「私のこと…涼宮ハルヒのこと…その仲間たちのこと…そしてあなたのこと」 月「…どういうことかな?」 長門「率直に言う、私は人間ではない」 月「!?」 リューク『クク…コイツも面白っ!』 98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/10(水) 00:03:18.91 ID:qFWwE9z2O 月(な、何を言い出すんだコイツ!あの女以上の馬鹿なのか!?) 月「ははは…人間じゃないだって?」 長門「私だけではない、古泉一樹、朝比奈みくるも一般人ではない」 長門「簡潔に説明すれば古泉一樹は超能力者、朝比奈みくるは未来人」 月(コイツ…ただの妄想を口にしているだけなのか…本物の馬鹿なのか…) 長門「そして私は対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェース」 月「…それを言うためにわざわざ僕を呼び出したのかい?それなら僕は帰るよ」 月(貴重な時間を無駄にしたな…こんな妄想に付き合うほど僕は暇じゃない) 長門「…本題に入る、あなたはキラ?」 月(!) 100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/10(水) 00:07:29.51 ID:ATWYRZm8O 月(この女……訳の分からないこと話し出したかと思えば…僕を撹乱しているのか?) 月(…焦ることはない、落ち着いて受け答えをするんだ) 月「僕がキラだって?冗談のつもりかい?」 長門「……」 月(ここで黙り込むか…何を考えている?) 長門(彼は私の発言を信じていない…信じさせるには能力の一端を見せる必要がある) 106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/10(水) 00:13:02.45 ID:ATWYRZm8O 長門「あの木」 月「…木?向こう側にある木かい?」 長門「この位置から切り倒す」 月「…宇宙人の力でかい?…面白いね、是非見てみたいよ」 長門「……」 月(何だ…あいつの腕が光りを帯びて……) ヒュン! 月「なっ…!!」 月(う、腕が伸びて木を…バカな!!こ、こんなことが……!) 長門「さらに…切った木を再生する」 月(あ、有り得ない…!こんな……コイツが宇宙人と言うのも嘘ではないのか…!) 長門「信じた?」 月(れ…冷静になれ、落ち着くんだ…!) 115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/10(水) 00:19:35.06 ID:ATWYRZm8O 月「し、信じられない…僕は夢を見ているのか?」 長門「夢ではない…話を戻す、私はあなたがキラなのではないかと疑っている」 月(疑っている…つまり確証はないということか、デスノートの存在は知らない…) 月(くっ…コイツは何としても消したいが…宇宙人にノートの効果が通用するのか…) 長門「今はあなたに危害を加えることはない、だが…」 長門「あなたから涼宮ハルヒやSOS団に危害を加えたならば話は別」 長門「そちらから何か仕掛けてくれば、私はあなたに容赦なく攻撃するだろう」 月(なるほど…これは仲間に手を出せばお前を殺すと言う警告か) 125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/10(水) 00:25:06.99 ID:ATWYRZm8O 月「僕はキラなんかじゃない…君は勘違いをしている」 長門「…仮にあなたが私を殺したとしても、あなたは極秘に拘束されるだろう」 月(!…僕をキラと疑っている奴はコイツだけではない……) 長門「私が言いたいのはそれだけ、あなたがキラならば迂闊に手を出すべきではない」 月「…もう一度だけ言うよ、僕はキラなんかじゃない」 長門「そうであることを私も祈る」 132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/10(水) 00:29:04.92 ID:ATWYRZm8O 月(…コイツが超常的な力を持ち、僕をキラだと疑っていることは事実……) 月(いずれ、確実にコイツは殺さなければならない…か……) 月(だが…下手にコイツや仲間を殺せば否応無しに僕は拘束される…) 月(この宇宙人が相手では抵抗は出来ないだろう…) 長門(彼に対する牽制は成功した、これで彼は迂闊に私達に仕掛けてこられない) 長門(敵が攻め倦ねているその隙に必ず殺しの証拠を見つけ出す…) リューク(ククク…面白くなってきたな) 135 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/10(水) 00:33:57.63 ID:ATWYRZm8O 帰宅後、月宅 月『死神が実在したんだ、宇宙人がいても不思議ではないが…まさかこんなことに…』 月『自分の部屋でゆっくりと今後のことを考え……』 月『……!』 月『…早速向こうから仕掛けてきたか』 −−− 某所 古泉「帰って来ましたね…」 森「彼は自分の部屋に誰かが入っているのか…扉に紙を挟んで確認していたわ」 古泉「見られたくないものでもあるのでしょうか…それとも単なる遊び心ですかね」 139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/10(水) 00:37:55.47 ID:ATWYRZm8O −−− 月(扉に挟んだシャーペンの芯が折れ…僕の部屋にある家具が微妙に動いている) 月(監視か……だが机は燃えていない…デスノートは見つかっていないか) リューク『なあ月、誰もいないんだし一緒に遊戯王やろうぜ』 月「……」 リューク『今日こそお前のパーミッションデッキに勝ってやるぜ』 月「………」 リューク『…聞いてる?』 −−− 古泉「おや…また出かけるようですね」 森「まさか監視カメラに気が付いて…いや、それはないわね」 古泉「ええ…仕掛けた数は多くともこれほど早く気付けるとは思えません」 145 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/10(水) 00:43:13.47 ID:ATWYRZm8O −−− 月(尾行もついているな…リュークとも小声で話さなければ…服に盗聴器はない……) 月「リューク…僕の部屋に監視カメラ、そして盗聴器が仕掛けられている可能性がある」 リューク『えっ!?だ、だから遊戯王に誘ったとき何も言わなかったのか…』 月「ああ…どうやらあの自称宇宙人が言っていたこともまんざら嘘ではないらしい」 150 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/10(水) 00:49:12.64 ID:ATWYRZm8O リューク『クク…どうするんだ月、宇宙人が相手なんてヤバいんじゃないのか?』 月「宇宙人だけじゃない…超能力者と未来人にも気を配る必要がある」 月「勘の働く涼宮ハルヒも一応マークしておく」 リューク『あの面白いニックネームの奴は?』 月「注意するに越したことはないが…優先度は低めだな」 リューク『まあいい…俺はお前と奴らの勝負を観戦させてもらうぜ』 月(面白い…監視でも何でもするがいい、僕は必ずお前達の上をいく) 155 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/10(水) 00:54:08.87 ID:ATWYRZm8O 月「さてリューク…お前もうリンゴ食えないな」 リューク『え?』 月「監視カメラがある状況でお前がリンゴを食べられるわけないだろう」 リューク『あっ…で、でも外で食えば…』 月「言っただろう…今は尾行も付いてるんだ」 リューク『…ま、待ってくれ月!リンゴ食えないんじゃ俺は…』 月「なら…部屋の監視カメラの位置、探ってくれるな?」 リューク『お、俺が探すのかよ…』 月「悪い話じゃないはずだ…お互いにメリットがある」 リューク『……ああ、分かった…全部探したら後で遊戯王、勝負してくれよ』 162 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/10(水) 00:59:44.74 ID:ATWYRZm8O 月(カメラを仕掛けたのはおそらくは未来人か超能力者の一派…) 月(まずはそいつらに僕が白だと信じ込ませカメラを外させなければ……) 月(奴らの監視下にある状況で目立った行動を起こすことなく裁きを続ける…) 月(怪しい点が見受けられなければいずれ監視カメラは外れるはずだ) 月(仮に外れなくとも問題はない…) 月(カメラを偶然見つけたかのように振る舞い、盗撮されていたことを父に話す…) 月(警察である父がカメラを仕掛けた奴らを探ってくれれば一石二鳥だ…) 月(だが…あまり早くカメラを見つけても不自然…策をするなら最低でも十日後…) 月(まあ…おそらくそれまでにはカメラは外されているだろうが) 168 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/10(水) 01:05:33.44 ID:ATWYRZm8O 月(そして…こういう時のためにデスノートはあちこちに仕込んである…) 月(それを使って裁きを行えば監視カメラ対策は完璧だ) 一週間後 古泉「結局…何も手掛かりは出ませんでしたね」 森「夜神月が何も不審な行動をしていないにも関わらず犯罪者は殺されていった…」 古泉「彼はキラではなかったのでしょうか…カメラまで仕掛けてしまい心苦しいですね…」 森「そうね…でも」 古泉「?」 森「もし彼がカメラに気づき、それをかいくぐり殺人を続けていたのだとすれば…」 古泉「…彼の頭脳、そして精神力は凄まじいですね……」 森「何にしても一週間経った…カメラはすべて外しましょう」 173 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/10(水) 01:12:24.79 ID:ATWYRZm8O −−− リューク『オイ月!カメラ外れてるぜ!盗聴器もだ!』 月(よし…ここまでは僕の勝ちだ) 月(次にすべきこと…宇宙人を含めた奴ら全員に僕を味方だと信じ込ませる) リューク『でもどうするんだ月、あいつら殺したらお前がヤバいんだろう?』 月「ああ…監視カメラを平気で仕掛けてくる辺り、敵も大きな組織のようだしね」 月(SOS団の奴らを皆殺しにすれば…いや、そんな単純な話ではないだろう) 月(第一、そんなことをすればSOS団に接触していた僕が真っ先に怪しまれる…) 月「…少し策を練る必要がありそうだな」 178 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/10(水) 01:16:32.24 ID:ATWYRZm8O −−− 古泉「ええ…常に見張っていましたが、彼は何も怪しい行動はしていませんでした」 長門「了解した」 古泉「…長門さん、もしも彼がキラだとすれば…かなりの強敵ですよ」 長門「分かっている…」 長門(彼がキラだとしても…私の牽制が効いている限り手を出すことはしないはず…) 長門(それより…どうやって彼を追いつめるか…それを考えなければ……) 181 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/10(水) 01:24:17.41 ID:ATWYRZm8O 翌日、放課後 月「チェックメイト」 古泉「…負けましたね」 キョン「わずか三十分で十回も負けるとは…」 みくる「さ、三分に一度負けてる計算になりますよね…」 長門「次は私がやる」 月「長門さんが?」 キョン(長門が負けることなど想像出来んが…正直楽しみな対戦ではあるな) 月「じゃあ始めようか」 −−− キョン(まさか三十分経っても決着が着かないとは…) 長門(私の手に対して必ず最良の手を返してくる…人間とは思えないほどの正確さ) 月(さすがは宇宙人と言うべきか…付け入る隙がない) 191 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/10(水) 01:30:24.98 ID:ATWYRZm8O ハルヒ「やっほー!みんな、遅れちゃったわね!」 キョン「ハルヒ、お前何やってたんだ?」 ハルヒ「岡部に呼び出し食らってたのよ、全く…くだらないことで時間を無駄にしたわ!」 ハルヒ「じゃあ…今からSOS団の定例ミィーティングを始めます」 月「…残念だけど、勝負は預けようか」 長門「了解した」 みくる(今の決着…すごく気になります) 199 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/10(水) 01:36:42.77 ID:ATWYRZm8O ハルヒ「みんな!ちゃんとキラについて考えてきたわね?意見を発表してもらいます!」 キョン「あー、前にそんなこと言ってたな…」 ハルヒ「じゃあ夜神君から!」 月「僕からかい?」 古泉(さて…どうでるのでしょう) 長門(彼がキラなら…情報を漏らすことを恐れて簡潔な推理しかしないはず…) 月「僕の推理じゃキラは日本人…学業が優秀で裕福な暮らしをしている高校生かな」 ハルヒ「へぇ…面白いじゃない!詳しく話して!」 203 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/10(水) 01:40:30.74 ID:ATWYRZm8O 月「以前涼宮さんがキラを高校生と推理したところから派生させたんだ」 月「みんなも気づいていると思うけど…キラは日本人である確率が高い」 キョン(気付いていなかった…) みくる(気付きませんでした…) 月「何故なら…キラの殺人には若干偏りがある」 月「海外の国の犯罪者で裁かれているのは大量殺人犯などの重罪がほとんどだ」 月「対して日本の犯罪者は一人を殺しただけでも裁きが下っているケースがある…」 月「これはキラが日本にいて日本のテレビなどのメディアから情報を得ている証だ」 ハルヒ「なるほど…やるじゃない夜神くん!」 205 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/10(水) 01:45:58.43 ID:ATWYRZm8O 月「加えて…キラの殺しに必要なのは顔と名前だと思う」 ハルヒ「顔と…名前?」 古泉(彼がキラなら…そんな大事な情報を気安く話すとは思えませんが…) 長門(顔と名前が必要…私の推理とも合致するが…彼がキラなら何故それを…) 長門(…ある程度の推理力を示そうとしているか、キラではないとのアピールか…) 月「キラが裁いた犯罪者を少し調べてみたんだ、するとあることに気が付いた」 月「どんな凶悪犯罪者でも顔と名前、一方でも分かっていなければ裁かれていない」 月「殺しの方法までは分からないけど…少なくとも顔と名前は必要なんだろうね」 ハルヒ「やるじゃない夜神君!ホームズの脱帽の推理力だわ!」 210 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/10(水) 01:50:00.96 ID:ATWYRZm8O 誤字が酷すぎる…誤字で萎えた人いたら申し訳ないです 月「僕の推理はこんな所かな…じゃあ次はみんなの推理を聞きたいね」 古泉「ええ…次は僕たちの番ですね」 月『キラの年齢層…国籍…殺しのルール…ここまでは頭の切れる奴なら推理出来る』 月『これ以上のことはよほどの組織力、推理力がなければ推理出来ない…』 月『さあ見せてみろ…お前達はどこまで掴んでいる……』 古泉『困りましたね…僕のしていた推理など彼にはまるで及ばないものです……』 キョン『まいったな…頭からあんな推理されたんじゃ何て言ったもんか…』 みくる『ど、どうしましょう……』 215 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/10(水) 01:55:36.42 ID:ATWYRZm8O 長門「次は私」 ハルヒ「はい、じゃあ次は有希の番ね!」 月『やはりお前から来るか…最も警戒すべきはやはりコイツか……』 長門「キラは単独犯…そして幼稚で負けず嫌いな性格」 キョン「幼稚で負けず嫌い…?」 月『キラは幼稚……僕を挑発しているつもりか?所詮はこの程度の推理か…』 長門「そして…キラは死の前の行動を操ることが出来る」 月『!……コイツ…どうやってそれを……』 ハルヒ「また面白い推理が出てきたわね!続けてちょうだい!」 217 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/10(水) 02:00:31.68 ID:ATWYRZm8O 長門「一般に犯罪は協力者が多いほど成功する確率が低いとされる」 長門「仮にキラが複数犯で世界中にいるとすれば少なくともその数は五十人以上…」 長門「五十人もの大人数での犯罪成功率は限りなくゼロに近い」 長門「加えて…他人を自由に殺せる能力があるならば仲間を集う必要などない」 長門「逆に仲間から命を狙われる危険性さえある…よって、キラは単独犯と推測される」 みくる「な、なるほど……」 312 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/10(水) 16:31:14.10 ID:ATWYRZm8O すみません、少しゴタゴタして来るのが遅れてしまってます ハルヒ「じゃあ死の前の行動を操れるっていうのは?」 長門「キラは刑務所内にいる犯罪者を使ってテストをしていることが判明した」 長門「心臓麻痺で死ぬ前に奇妙な行動を取った囚人が存在する」 月『!……確かにそれは僕が行ったテストだ、だが何故それを…』 月「そんな情報は聞いたことがないけど…どこかのメディアで取り上げていたのかい?」 長門「警察庁のメインコンピュータに侵入して得た情報、一般には公開されていない」 月『僕と同じく警視庁のパソコンをハッキングして…!コイツそんな技術まで…』 315 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/10(水) 16:40:36.46 ID:ATWYRZm8O キョン「侵入って…それ犯罪じゃないのか?」 長門「痕跡は残していない」 キョン「いや…そういう問題じゃないんだが…」 長門「…夜神月、あなたの意見も聞きたい」 月(この女…一体何を……まさか……) 長門「……」 月(やはり……間違いない、コイツは僕の反応を観察しているんだ…) 月(僕の表情や仕草を伺って動揺していないか探っている……) 月(ここは自分の知り得ない情報を調べてきた友人に感嘆する夜神月を演じなければ…) 夜神「こんな重要なことを調べられるなんて…さすがは長門さん」 夜神「僕の推理なんかじゃ足元にも及ばないよ、ははは」 リューク(何その明るいキャラ) 317 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/10(水) 16:48:21.10 ID:ATWYRZm8O 長門(死の前の行動を操れる…これが事実ならキラにとって知られたくないはず…) 長門(だが夜神月からは動揺も焦りも見られない…やはりキラではない……?) ハルヒ「じゃあ有希、負けず嫌いっていうのは?」 長門「キラはゲームに負けることを嫌う…そう感じた」 ハルヒ「うーん…なんかはそれだけは説得力がないわね…」 長門「これは根拠のない私の想像…気にしないでいい」 月(さっきのチェスか…だが奴もあんな遊びまではプロファイルしていないはず…) 322 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/10(水) 17:01:57.13 ID:ATWYRZm8O −−− ハルヒ「じゃあ今日はここまでね!一番の功績者は夜神君と有希よ!」 ハルヒ「みくるちゃんたちもこの二人の推理を見習いなさい!」 キョン「無茶言うな、俺は頭の出来そのものが悪いんだ」 ハルヒ「アンタはせめてもっとまともな推理をしなさい」 ハルヒ「『キラは地球上に存在する』…こんなの誰でも分かってるわよ」 キョン「…正直すまん」 326 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/10(水) 17:13:10.99 ID:ATWYRZm8O 帰宅後、月宅 月「あの宇宙人……ハッキングまで出来るとは…」 月(どんな力があるにせよ……奴ら全員に僕がキラでないと信じ込ませ…) 月(尚かつ奴らを確実に殺さなければならない……) 月(だが…奴らを殺せば今度はそのバックにいる組織に僕が拘束される……) 月(もしノートを押さえられでもすれば僕の負けだ……) 月(僕に疑いを向けられることなく奴らを殺す方法……) 月(………) 月「…リューク」 リューク『ん?』 月「さよならだ」 リューク『えっ!?』 333 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/10(水) 17:25:55.44 ID:ATWYRZm8O −−− 月「……と言うわけだ、そして最後にもう一つだけ付け加えておく」 月「僕が今度捨てるいう単語を口にしたら…それはノートを捨てることを意味する」 リューク「はいよ、だが月…本当にそんな上手くいくのか?」 月「問題ない…あらゆる状況は想定済みだ」 リューク「まあ…俺は面白ければいいけど」 月(よし…時が来るまで犯罪者裁きは中断だ……) 382 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/10(水) 19:14:28.67 ID:ATWYRZm8O −−− キラの裁きが息を潜めてから約二週間後 キョン「ハルヒ…いつまでキラ探しなんて続けるんだ」 ハルヒ「決まってるじゃない、キラが見つかるまでよ!」 キョン「もう二週間近くキラによる殺人は起こってないぞ?」 ハルヒ「あたしたちの推理に恐れをなしたに違いないわ!キラ逮捕まで後一歩よ!」 キョン「聞いた俺がバカだったよ…」 岡部「ホームルームを始める…全員席について」 岡部「重大なことを話す…昨晩、他クラスの男子生徒が……心臓麻痺で亡くなった」 ハルヒ「!?」 キョン「なっ…?」 388 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/10(水) 19:28:34.70 ID:ATWYRZm8O 放課後 ハルヒ「みんな…聞いてるわよね」 古泉「ええ…もちろんです」 みくる「う、うぅ…」 長門「聞いている」 月「大変なことが起こってしまったね…」 ハルヒ「キラを探すなんて言ってたけど…まさか本当にこの学校で死人が出るなんて…」 キョン「キラの仕業って決まった訳じゃ…」 ハルヒ「そうに決まってるわ!聞いた話によると死んだ生徒は札付きの悪だったらしいし…」 古泉「ええ…、いじめやカツ上げ、果てには暴力事件…羅列したらキリがありません」 ハルヒ「キラに狙われるには十分でしょ!」 キョン「んなことないだろ、落ち着けって!」 夜神「僕もその意見には同意するよ、涼宮さんは少し冷静さを欠いてる」 390 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/10(水) 19:32:40.69 ID:ATWYRZm8O ハルヒ「キラじゃなかったら何だって言うのよ!」 長門「この事件はキラによる犯行の可能性があることは事実、だが断定は出来ない」 長門「死んだ生徒は悪事を働いていたとはいえ、殺人などの大罪は犯していない」 古泉「確かに…今までのキラならこの程度の悪人を殺しはしませんでしたね…」 ハルヒ「い、言われてみれば…ごめん、ちょっと混乱してたわ」 みくる「涼宮さん……」 393 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/10(水) 19:50:37.63 ID:ATWYRZm8O 長門(この事件がキラ、夜神月によるものだとすれば何の目的が…?) 長門(これではキラはこの付近に潜んでいると教えているようなもの……) 古泉(もし僕がキラならば自分に近い場所での殺人は控えますが…この死は偶然…?) ハルヒ(どうしよう…キラが学校にいる、って勘が当たっちゃうなんて…) みくる(み、未来はどうなってしまうんでしょうか……) キョン(まさか北高で死人が出るとは…くそっ!) 月「……」 397 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/10(水) 19:56:44.35 ID:ATWYRZm8O ハルヒ「ごめん…今日の団活はもうお終い、ちょっと色々考えたいから」 キョン「…ああ、そうしよう」 ハルヒ「あたし…先に帰るから」 古泉「…帰られましたか、彼女なら一層キラを捕まえようとするかと思いましたが……」 キョン「アイツだって自分の近辺から死人が出ることは望んじゃいなかったんだろ…」 キョン「いつだったかの孤島殺人事件と同じだ」 みくる「で、でも…今回は本当に人が……」 長門「……」 404 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/10(水) 20:32:01.81 ID:ATWYRZm8O 長門「…夜神月」 月「…何かな?」 長門「あなたを拘束する…」 月「なっ…何だって…」 キョン「お、オイ長門…!」 長門「あなたはキラである可能性が高く、その近辺で心臓麻痺が起こった」 長門「はっきり言って私はあなたへの疑いをより深めている…」 月「落ち着いてくれ…君の理論は飛躍しすぎているよ」 キョン(確かに長門らしくない…いつものアイツならもっと慎重に行きそうだが…) 長門(北高生の死の理由は分からない、だが夜神月が動いている可能性は極めて高い…) 長門(ここで放置しておけばさらに何か仕掛けてくる可能性が高い…) 長門(彼はここで無理にでも拘束しておく必要がある…) 411 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/10(水) 20:49:14.07 ID:ATWYRZm8O 古泉「失礼ですが…夜神くん、あなたには僕らの監視下に入っていただきます」 みくる「こ、古泉くんっ!?」 月(思っていたよりも行動が早いな…まあ、問題は全くないが) 月「ほ…本気なのか…?それが宇宙人の出した指令なのか?」 キョン「!お前…長門の正体を知っているのか?」 月「知っているも何も彼女本人から聞いたんだ…未来人や超能力者のこともね」 古泉「な、長門さん…何故僕たちのことを……」 長門「理由があった…後で詳しく説明する」 月「あくまで君達は僕を疑うのか…僕は君達を仲間と思っていたのに……」 月「まさか…こんな形で裏切られることになるとはね……」 418 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/10(水) 21:05:40.01 ID:ATWYRZm8O 古泉(とても演技には見えませんね…演技だとすればわざとらしすぎますし…) 月「…分かった、僕を拘束するといい」 キョン「お前…それでいいのか…?」 月「どうせイヤだと言っても無駄なんだ…余計な抵抗はしないよ」 月「気の済むまで調べればいい…それで僕の無実の証明になるならね」 古泉(ここまで簡単に承諾するとは…キラならば拒否しようとするはずですが…) 長門(まさか…私達が疑いの目を向けてこうなることも最初から見抜いて…) 422 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/10(水) 21:14:25.72 ID:ATWYRZm8O 長門「…拘束は今から」 月「それは当然だね…時間を空ければ証拠を隠されてしまう可能性も高い」 キョン「…いいのか、夜神くん?」 月「構わないよ…僕は君たちが僕が無実だと理解してくれる、そう信じてるからね」 キョン「…すまん」 みくる『これで夜神くんがキラじゃなかったら私…なんて謝れば…』 古泉『彼がキラではなかったら…そう考えると胸が痛みますね』 月『これでいい…事は思い通りに進んでいる……あとはノートを捨てるだけだ』 423 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/10(水) 21:21:06.12 ID:ATWYRZm8O −−− 同日、某時刻 谷口「じゃあな国木田、キラには気をつけろよ」 国木田「大丈夫だよ、僕は何も悪いことはしてないから…谷口もナンパは程ほどにね」 谷口「うっせ!大きなお世話だ!」 国木田宅 国木田「…あれ、このノート……?」 国木田「…僕のノートじゃない、誰かのを間違えて持って来ちゃったのかな?」 国木田「DEATH NOTE…死のノート?嫌がらせかな…」 国木田「英語で何か書いてある…いたずらにしても結構凝ってるなぁ」 426 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/10(水) 21:28:40.59 ID:ATWYRZm8O 国木田「えーっと…このノートに名前を書かれた人間は死ぬ?…まさかね」 テレビ『現在、犯人は銀行に人質を取って立てこもっており…』 国木田「………」 『渋井丸卓男』 国木田「……何も起こらないな、やっぱりただのいたずら…」 テレビ『あっ、人質です!人質が中から出てきました!』 国木田「え…?」 テレビ『証言によりますと…犯人が急に胸を押さえて苦しみだしたと……』 国木田「!?」 国木田「ま、まさか…こんな偶然…いや、偶然なわけない…このノート…ほ、本物だ!」 国木田「と、とにかく…このノートのルールをよく確認しておかないと……!」 434 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/10(水) 21:39:24.61 ID:ATWYRZm8O −−− 国木田「……そうか、だからか…だからこの学校の生徒が死んだのか…」 国木田「ど、どうしよう…僕もこのままじゃ死ぬしか…」 国木田「……まだ時間はある、もう少し考えよう」 −−− 同日 長門「夜神月…私はあなたを信じたい、あなたがキラでないことを祈っている」 長門「この拘束はあなたの無実を証明するためのものでもある」 月(僕を信じている、か……フ、建て前にも程がある…) 月「ああ…この監禁で僕がキラでないと証明されるなら喜んで捕まるよ」 439 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/10(水) 21:51:40.09 ID:ATWYRZm8O 月、拘束生活一日目 古泉「監視カメラで機関の仲間や長門さんが常に見張り…なおかつ何もない部屋……」 古泉「この状況で殺人をするのはさすがに不可能でしょうが…」 長門「彼は私が二十四時間片時も目を離さずに見張る」 みくる「でも長門さん…学校とかはどうするんですか?」 長門「心配ない、上手く状況操作をしておく」 みくる「分かりました…じゃあ後は任せます」 月(ノートを捨てるタイミングにも気を使わなければならないな…) 長門(夜神月が拘束されること予想していたなら…裁きは止まらないはず…) 長門(彼が果たしてどこまで策を用意しているのか…) 441 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/10(水) 22:00:31.32 ID:ATWYRZm8O 月、拘束生活二日目 月「長門さん…キラ事件について何か動きは?」 長門「あなたにそれを教えることは出来ない」 月「そうか…残念だ」 長門「……」 長門(夜神月を拘束する直前の二週間は犯罪者が裁かれなかった…) 長門(そして復活したキラに最初に裁かれたのは大して罪の重くない北高生…) 長門(…繋がらない、だが北高生の心臓麻痺が偶然起こったものとは思えない……) 古泉「長門さん、よろしいですか?」 長門「何?」 古泉「犯罪者裁きですが…今日の所ははまだ起こっていません」 長門「了解した」 450 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/10(水) 22:21:26.41 ID:ATWYRZm8O 古泉「長門さん…どう思われていますか?」 長門「?」 古泉「いえ…僕にはここ最近のキラの動きがどうも解せないのですよ」 長門「それは私も同じ」 古泉「キラは何故北高生を殺したのでしょうか…」 長門「それについては私も分からない」 長門(今日の犯罪者裁きは0…私の予想と反する流れ…) 長門(監禁されている状態で裁きが続けば夜神月はキラでないと判断せざるを得ない…) 長門(そのために何か策を仕組んでおいたと思っていた…だが裁きはまだない…) 月「……」 452 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/10(水) 22:27:11.82 ID:ATWYRZm8O 数日後 月「……」 古泉「彼の様子はどうですか?かなり疲弊しているようですが…」 長門「…夜神月、聞こえている?」 月「ああ…聞こえているよ」 長門「あなたが拘束されてから裁きは未だに行われてない、疑いはより深まっている」 月「…僕は自分がキラでないと確信している、キラでないことを証明するためなら……」 月「くだらないプライドは全て……捨てる」 リューク『!…あいよ、じゃあな』 月「……」 455 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/10(水) 22:31:32.78 ID:ATWYRZm8O 月「……?」 月『僕は…何をやっているんだ?』 月「長門さん」 長門「何?」 月「…こんなことをやっていても仕方ない、時間の無駄だ!」 長門「…?」 古泉「彼は…いったい何を言っているのですか?」 長門「……」 −−− 国木田「あれから数日経った…やるしかない、やるしかないんだ……」 国木田「そうだ…何も一般人を殺すんじゃない、殺すのは犯罪者だけじゃないか…」 471 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/10(水) 22:42:21.96 ID:ATWYRZm8O 国木田「よし…やろう……」 リューク『ククク…お前が今のデスノートの使用者か?』 国木田「し…死…神……!」 リューク『おいおい驚くなよ…まあ驚かない方が無理か』 国木田「な、何しに来たんだ…まさか僕を殺しに来たのか!?」 リューク『殺しに?俺がお前を?』 国木田「心配ないよ死神…僕は決めたんだ、犯罪者を裁き続けると」 リューク(俺は別に命を奪ったりしないけど…面白いから黙ってよう) 国木田「キラの力は僕に移されたんだ…いや、移ってしまったと言うべきだけどね」 国木田「キラとして…この世の正義は僕が作っていくよ」 リューク(月…お前、なかなか面白い奴にノートを譲ったな) 475 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/10(水) 22:51:01.54 ID:ATWYRZm8O 国木田「ところで死神、このノートの最後のページだけど…少し破れてるんだ」 国木田「この破れたほうに名前を書いても人は死ぬのかい?」 リューク『さあ…死神はそんな使い方はしないからな』 国木田「…ちぎったノートでも人が殺せるなら便利だ、どこへでも携帯出来るからね」 国木田「さて…裁きをしようか…」 −−− 古泉「長門さん、キラが復活しました!数十人が一気に裁かれています」 長門「……」 479 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/10(水) 23:05:01.98 ID:ATWYRZm8O 長門「……夜神月」 月「何だ…?」 長門「未だに犯罪者は裁かれていない、自白を求める」 古泉(長門さん…キラである可能性がある限りは徹底的に追求するつもりですね…) 月「状況的には僕の嫌疑が深まってもおかしくはないがこれは罠だ…」 月「僕はキラじゃない…キラは他にいる」 長門「……」 長門(とても嘘を言っているようには見えない…私が……間違えていた?) 長門(だが…あと数日は様子を見る必要がある…) 480 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/10(水) 23:11:10.44 ID:ATWYRZm8O −−− 国木田「キラも大変だね、裁かれていない犯罪者がこんなにいるとは思わなかったよ」 国木田「まあいいさ…前のキラに代わって僕が裁くだけだからね」 −−− 月「……」 古泉「彼が拘束されている間、キラの裁きが急速に増えつつありますね…」 みくる「長門さん…やっぱり夜神くんは潔白なんじゃありませんか?」 長門「……最後に一つだけ試させてほしい」 キョン「…まだ何かするのか?」 長門「彼がキラでないという確信が欲しい…今回は私も命を懸ける」 キョン「な、長門…?」 481 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/10(水) 23:15:51.78 ID:ATWYRZm8O −−− 長門「夜神月」 月「長門さん…?僕を開放してくれるのかい?」 長門「違う…あなたの生命活動を停止させる」 月「なっ…い、一体何を言ってるんだ!」 長門「証拠は揃っていない…だが私はあなたがキラだと確信している」 長門「以前木を切って見せたのと同じように一瞬で貫く、痛みはない」 月「ま、待ってくれ!証拠も出ていない状況でこんなことを…」 長門「……」 ヒュン 月「!!」 485 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/10(水) 23:24:26.04 ID:ATWYRZm8O 長門「……」 月「……寸止め…?」 古泉「…決まりですね」 月「…古泉くん?一体何を…?」 古泉「長門さんはあなたを試したんですよ…あなたがキラであるか確認するためにね」 古泉「キラならば長門さんを殺そうとしたでしょうが…あなたはそれをしなかった」 みくる「やっぱり…夜神くんはキラなんかじゃありませんでした…」 496 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/10(水) 23:30:28.00 ID:ATWYRZm8O 月「…捕まえよう、キラを必ずね」 みくる「え…?」 月「僕に謝る暇があるなら…一緒にキラを捕まえる方法を考えよう」 古泉「夜神くん……ありがとうございます」 翌日、学校 ハルヒ「夜神くん…大丈夫なの?盲腸だったって聞いたけど…」 月(盲腸?…ああ、そういうことになっているのか…) 月「ああ、すっかり治ったから問題ないよ」 ハルヒ「そう…」 月(彼女らしくないな…いつもより元気がないように見える…) 503 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/10(水) 23:37:43.72 ID:ATWYRZm8O 放課後 月「やあ…」 古泉「どうも、お越しいただいて嬉しいですよ」 月「涼宮さんは来ていないんだね」 キョン「…あいつは最近来ていない」 月「具合でも悪いのかい?元気がないようだったけど…」 キョン「あいつ前に、キラがこの学校にいるって言ってただろ?」 キョン「で…キラの仕業かどうかは分からんが実際に心臓麻痺で死者が出ちまった…」 キョン「自分が余計な予想をしなければ…とか考えちまってるのかもしれんな」 月(彼女…思っていたよりも繊細なんだな) 505 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/10(水) 23:41:23.77 ID:ATWYRZm8O 長門「本題に入る…キラについて」 みくる「やっぱり…まだ追うんですか?」 月「僕は追うよ、たとえ君たちが追わなくてもね」 古泉「…あなたにあれほど酷いことをしてしまったのです、今更投げたしはしません」 長門「それは私も同じ…あなたには本当にすまないことをした」 月「いや…悪いのはキラだ、君たちが謝る事じゃない…」 月「切り替えようか…僕の考えだけど、キラはやはりこの学校にいると思う」 510 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/10(水) 23:47:45.01 ID:ATWYRZm8O 古泉「それは…やはり北高生の心臓麻痺死から判断なさったのですか?」 月「ああ…もちろん偶然と言うことも考えられるが…調べる価値はあると思う」 キョン「だが北高生と言ってもその数はなかなか多いぞ?」 みくる「まさか一人ひとり調べるわけにも…いきませんよね?」 月「いや、最悪はそうなるかもしれないね…」 −−− 数時間後 古泉「もう日も暮れました…今日はもう帰りましょうか?」 月「僕も明日までに色々と考えてくるよ」 みくる「わ、私も頑張ります…!…役に立てるかは分かりませんけど」 キョン「その志があれば十分ですよ」 長門「…夜神月、あとで話がしたい」 月「?」 515 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/10(水) 23:54:36.44 ID:ATWYRZm8O −−− 月「みんな帰ったけど…話っていうのは?」 長門「あなたはキラではない…私はそう心から信じたい」 長門「ただ…私の中にあなたを疑う疑念があるのも事実」 月「…僕はまだ完全には信用されてないのか?」 長門「先に言ったように私はあなたを信じたい…だから私の心を素直に打ち明けた」 月「…分かった」 長門(夜神月…まだキラである可能性がゼロになったわけではない…) 長門(それとも…私が単に一つの推理に固執しすぎている…?) 月宅 月「長門さん…まだ僕を疑っていたのか」 月(だが…彼女の推理力は評価に値する、その彼女があれだけ……) 月「……少し調べてみるか」 518 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/10(水) 23:58:53.95 ID:ATWYRZm8O −−− 月「…別人だ、今のキラと僕が監禁される前のキラは……!」 月(以前のキラは情状酌量の余地があるものは極力裁いていない…) 月(だが今は違う…凶悪犯罪であればどんな背景があろうと即座に裁いている) 月(…仮に僕がキラならば、今のキラのような裁きはしないだろう) 月(そして前のキラが犯罪者に対して裁きを下す基準…僕の基準と恐ろしく近い) 月「バカな!」 月(僕には殺人をしていた記憶などない…記憶もなく殺人をするなんて有り得ない…) 649 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/11(木) 10:38:53.26 ID:NizEIiV1O 批判も多いようですが…中途半端にするのもアレなのでもう少しやらせてください デスノート原作は大好きです、原作を汚すような形になってしまいすみません 翌日 月「涼宮さんは今日も来ていないのか…心の傷が浅ければいいけど…」 キョン「大丈夫だ…あいつは強い」 古泉「僕たちだけで…何とか今はキラを追いましょう」 長門「考えていた…仮にキラがこの学校にいるならば私たちは非常に危険」 長門「名簿や写真表を観ればすぐに顔と名前が分かる…下手を打てば即座に殺される」 キョン「捕まえんなら即座に一発でやらないとダメってことか」 月「……」 月(彼らには打ち明けるべきか…キラが今までとは別人になっていることを…) 653 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/11(木) 10:54:58.07 ID:NizEIiV1O 月(もし僕がキラだったとすれば…今裁きを行っているのは……) 月「……みんな」 古泉「どうかなさいましたか?」 月「僕が言う二人を調べてくれないか?」 キョン「まさか…容疑者が絞れたのか!?」 月「…ああ、まあね」 古泉「…誰ですか?」 月「谷口…そして国木田、この二人だ」 キョン「なっ…」 古泉「何故…そのお二人だと?」 月「確定的証拠は何もない…」 キョン「あいつらがキラ…?そんなわけ…」 月「そして…彼らの内のどちらかがキラならば…僕も十中八九キラだ」 長門「!」 659 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/11(木) 11:08:42.88 ID:NizEIiV1O みくる「ど、どういうことですか…?」 月「少し調べてみたんだ…キラのターゲットになっている犯罪者をね」 月「僕が監禁される前のキラ…そして今のキラは裁いている犯罪者の傾向がまるで違う」 月「他にも色々と調べたが…監禁前のキラと今のキラは別人であると断定出来た」 キョン「別人…?」 月「つまり…キラの力を持った人間が複数いるか…キラの能力が他人に移ったのか…」 古泉「なるほど…続けてください」 661 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/11(木) 11:17:38.20 ID:NizEIiV1O 月「ここからは長門さんの推理が的中していて、僕がキラだったらという仮定の話だが…」 月「キラの思想に染まった僕なら…キラの力を他人に気安く譲りはしないだろう」 月「おそらく…長門さんたちに疑われていたから一時的に手放しただけだ」 月「必ずその力が自分の元に戻ってくるように何か策を練っているはず…」 月「そして…策に利用するなら性格や思想を多少なりとも知っている人物を選ぶ…」 月「…この学校に来て日の浅い僕が親しくしていた人物は少ない」 キョン「親しくしていた人物…それが谷口と国木田なのか」 月「…その通り」 663 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/11(木) 11:24:20.96 ID:NizEIiV1O 古泉「…お二人を調べましょう」 キョン「ほ、本気か古泉!?」 古泉「1%でもキラである可能性があるならば調べるべきです」 キョン「……」 長門「夜神月…あなたに殺人をしていたという記憶は?」 月「…ない、もちろん殺しの方法も分からない」 長門「そう…」 長門(殺人をしていた記憶もない…?だが…夜神月が嘘を付いているようにも…) 古泉「とにかく…機関に手回しをして二人の家に監視カメラと盗聴器を仕掛けます」 664 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/11(木) 11:35:29.15 ID:NizEIiV1O −−− 古泉「さて…まずは…」 キョン「谷口からか…アイツは馬鹿だが殺人なんかする奴ではないと思うんだがな…」 古泉「僕も同意見ですが…念のためです」 −−− 谷口宅 谷口「あーあ、全く何だって俺には彼女が出来ねえんだ…」 谷口「世の中か?世の中の治安が悪いから俺に幸が巡ってこないのか?」 谷口「だったら…」 665 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/11(木) 11:48:18.75 ID:NizEIiV1O −−− キョン「…あの馬鹿は一体何言ってるんだ」 古泉「引き出しから何か取り出しましたね…まさか殺しの道具を…?」 キョン「なっ……何を取り出したか確認できんのか?」 古泉「カメラをズームしてみましょう…」 『秘蔵DVD−女子○生の秘密の放課後』 キョン「古泉、もういい、俺はあいつがキラじゃないと確信した」 古泉「……僕も彼がキラだとは思いたくありませんね」 キョン「朝比奈さんたちがいなくて良かったな…」 668 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/11(木) 11:54:16.85 ID:NizEIiV1O −−− 月「こうしていざ監視となると心が苦しいな…人道に反しているしね」 みくる「仕方ありません…もしもの時はちゃんと謝りましょう」 長門「帰ってきた、注意して」 −−− 国木田「やれやれ…犯罪は減少傾向にあるけどまだまだなくならないね」 リューク『クク…毎日人を殺しまくってるお前が言うか…』 国木田「おかしなことを言うねリューク、僕のは殺人じゃないよ…神聖なる裁きだ」 670 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/11(木) 11:59:36.29 ID:NizEIiV1O −−− みくる「一人言でしょうか…」 月「いや…誰かと間違いなく喋っている……」 月(リューク…話相手の名前か?) 長門「……」 みくる「ノートに何か書き始めましたね…何なんでしょう?」 長門「人の名前を書き込んでいる…書き込まれているのは犯罪者ばかり」 月「犯罪者…裁き…リューク…?」 長門「……」 672 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/11(木) 12:04:13.23 ID:NizEIiV1O −−− 古泉「1日監視していましたが…怪しい点は見られませんでしたね」 キョン「気分的にはかなりデカいダメージを受けたがな…長門たちは?」 長門「監視対象者の不審な行動を目撃…キラである可能性がある」 キョン「く、国木田が…?」 長門「確定的ではない、ただ調べる余地がまだあるということ」 古泉(つまり…夜神くんがキラであった可能性も高まったと……) 674 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/11(木) 12:07:45.77 ID:NizEIiV1O 月「みんな…仮に国木田君がキラだったとしたら、僕の行動にも用心しておいてくれ」 月「いつ僕にキラとしての記憶が戻るか分からない…」 キョン「…お前がキラだったと決まったわけじゃないだろう?」 月「そうだね…少し疲れているのかもしれないな」 月(僕がキラであったという物的証拠は何もない…だが、嫌な予感がしてならない…) 古泉「彼には尾行も付けましょう、何か得られる者があるかもしれません」 676 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/11(木) 12:16:05.31 ID:NizEIiV1O −−− 放課後、帰宅路 国木田(デスノート…これさえあれば僕は何だって出来る…思いのままだ) リューク『なあ…一つ言っていいか?』 国木田「ん?何だい?」 リューク『さっきからお前、誰かに尾行されてるぞ』 国木田「なっ…ど、どうして教えてくれなかったんだ…」 リューク『俺は別にお前の味方じゃないしな』 国木田(くっ…まさかキラの容疑者として僕は疑われているのか?) 国木田(でも尾行している奴を殺したりしたら僕がキラだとバレる…) 国木田(…うまくやり過ごすしかない) 679 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/11(木) 12:39:59.87 ID:NizEIiV1O 国木田宅 国木田(尾行…まさか監視までされてるなんてことは……) 国木田(でも何故バレたんだ…北高生の心臓麻痺死が怪しまれていたのか?) 国木田(でも…デスノートが押さえられない限りは僕が捕まることはない…) −−− みくる「あの…強引なやり方ですけど…国木田君を捕まえちゃえば…」 月「いや…キラの能力が分からない以上それは危険ですよ」 月「それに…捕まえてもキラの能力が移動してしまったら意味がない…」 みくる「そ、そうでした…すみません」 682 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/11(木) 12:51:41.69 ID:NizEIiV1O 古泉「しかし困りましたね…森さんにずっと尾行させるのも危険です」 古泉「何か殺人方法を断定する良い手段はないものでしょうか…」 月「ないわけじゃない…でも命を懸けることになる…」 みくる「い、命…ですか?」 月「僕らのうちの誰かが彼に接触して…直接追い詰めるんだ」 月「つまるところ…前に長門さんが僕にやったのと同じだね」 687 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/11(木) 13:04:24.67 ID:NizEIiV1O 古泉「確かに…ここまで真相を掴んでいると示せば何か動きがあるでしょうが…」 キョン「危険極まりないな…リスクはでかすぎる」 月「…僕がやるよ」 古泉「あなたが…?」 月「…僕はキラであった確率が一番高い、これは僕が招いた種だ」 月「もし僕が殺されたら…それで国木田君を確保する根拠が出来る」 月「そして…第一のキラの容疑がある僕も同時に消え去る…これ以上ない最善の手だ」 693 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/11(木) 13:13:15.73 ID:NizEIiV1O キョン「ダメだ…それは俺がやる…!」 みくる「き、キョン君…?」 キョン「この中で国木田と一番親しくしていたのはこの俺だ…俺が話をする…」 キョン「俺はあいつを信じる…国木田はそんな奴じゃない」 月「いや…やっぱり僕がやるべき……」 キョン「頼む…俺にやらせてくれ!…もしアイツがキラだったなら…」 キョン「アイツのことぶん殴ってでも目を覚まさせてやる!」 みくる「キョン君…」 長門「……」 古泉「…分かりました、今のあなたには何を言っても無駄でしょう」 古泉「ですが…約束してください、絶対に死なないと…」 キョン「…ああ」 696 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/11(木) 13:21:49.04 ID:NizEIiV1O −−− 翌日 ハルヒ「キョン……おはよ」 キョン「ハルヒ…まだ元気ないみたいだな」 ハルヒ「え…そ、そんなことないわよ!あたしはいつも…」 キョン「ハルヒ……すまん」 ハルヒ「えっ…?」 キョン「いや、何でもない」 放課後 キョン「国木田…お前に少しばかり内密な話がある、屋上にでも行かないか?」 国木田(内密な話……?) 国木田「…分かった、いいよ」 703 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/11(木) 13:35:32.08 ID:NizEIiV1O 屋上 国木田「で…キョン、話って何かな?」 キョン「率直にいう…キラについてだ」 国木田「!」 国木田(まさか…僕を調べ回っていたのは…キョン?) 国木田「キラ…ああ、世間を騒がせているあれかい?」 キョン「お前…キラについてどう思う?」 国木田「どうって…殺人はやっぱりいけないことだと思うよ…」 キョン「そうか…」 キョン(躊躇うな…ここまで来ちまったら言うしかない…!) キョン「正直に言うが…俺はお前がキラなのではないかと疑っているんだ」 国木田「!」 国木田(そうかキョン…やっぱり君だったのか……) 707 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/11(木) 13:45:44.57 ID:NizEIiV1O 国木田「おかしなことを言うねキョン…僕がキラだって?」 キョン「俺はあまり信じたくないんだがな…」 国木田(『俺は』か…つまり仲間がいる…キョンの仲間…涼宮さんたちか…) 国木田(でも…SOS団の力だけで僕がキラだと調べられるはずもないはず…) キョン「お前の口から聞きたい…お前は…キラなのか?」 国木田「…君は友達を疑うのかい?」 キョン「すまん…だがお前を信じたいからこそ聞いているんだ」 国木田「…安心していいよキョン、僕はキラなんかじゃない」 キョン「そうか…分かった、変なことを聞いてすまなかったな」 国木田「……」 国木田(残念だよキョン…君とはもう少し長く友達でいたかったかな…) 712 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/11(木) 13:57:59.94 ID:NizEIiV1O 帰宅路 国木田(今日も尾行が付いているのか…家の中も監視されているとすると…) −−− prrrr 古泉「電話…監視役の森さんから…!」 森「古泉、聞こえてる?監視対象が帰宅路の途中にあるコンビニの化粧室に入ったわ」 古泉「誰の目も届かない化粧室…ま、まさか…」 月「殺しの作業を…?き、危険だ!このままでは彼が…」 キョン「よう、一応だが国木田と話しはしてきたぞ…」 古泉「……」 キョン「…どうかしたのか?」 古泉「…無事なようですね」 キョン「何がだ?」 月「……」 月(いや…キラは死の直前の行動を操れる…まさか…!) 718 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/11(木) 14:07:10.45 ID:NizEIiV1O キョン「さっき国木田と話してきたが…あいつは自分をキラじゃないと言った」 キョン「俺は…あいつの言葉を信じたい、正直監視ももう止めたいくらいだ…」 古泉「分かっています…ですが彼の疑いが晴れるまでは…仕方ありません」 キョン「そうか…」 月「……」 月(監視したくない…これは監視カメラを外してほしいとも取れる…) 長門「……」 726 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/11(木) 14:15:11.76 ID:NizEIiV1O キョン「すまん…今日は早めに帰らせてくれ、少し疲れた…」 古泉「ええ…お疲れさまでした」 キョン「ああ…じゃあ」 長門「…古泉一樹、彼の後を追ってほしい」 古泉「彼の…尾行ですか?」 月(やはり…長門さんも彼が操られている可能性を…) 長門「尾行ではない…ただ、彼が不審な行動をしたら止めてもらいたい」 長門「何もなければ私の勘違いですむ」 古泉「…分かりました」 734 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/11(木) 14:29:00.80 ID:NizEIiV1O みくる「あの…どうしてキョン君まで見張るんですか?」 長門「…キラに操られている可能性があるため」 月「想像したくないが…そうだとしたら彼がどんな行動を取るか分からないからね」 みくる「そ、そんな…キョン君…」 みくる(ま、まさか……) −−− 古泉「特に異常は見受けられませんね……おや、あれは…?」 ハルヒ「キョン…!」 740 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/11(木) 14:37:50.82 ID:NizEIiV1O キョン「ん?ハルヒか……どうした?」 古泉「あれは涼宮さん…彼が帰るのを待っていたのでしょうか…?」 ハルヒ「ねえキョン…あんた、朝のアレ…どういう意味だったの?」 ハルヒ「あたし…何だかあんたがどっかに行っちゃうみたいに感じて…」 キョン「アレ…?ああ、あれはお前に……ぐ…あっ…」 ハルヒ「キョ……キョン!?」 古泉「なっ…!」 古泉(ま…まさか……!) 744 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/11(木) 14:48:28.39 ID:NizEIiV1O キョン「ぐっ…頭が…あ……!」 ハルヒ「キョン!大丈夫!?しっかりして!」 古泉「どうなさいましたか!」 ハルヒ「古泉君!キョンが…急に頭が痛いって!」 古泉(心臓麻痺ではなく頭…!?とにかく今は…) 古泉「大至急救急車を手配します…!」 キョン「…すま…古……泉…約…束……やぶ…」 古泉「…!」 ハルヒ「キョン!ダメよ!」 キョン「ハル……ごめ…な…………」 750 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/11(木) 14:58:01.88 ID:NizEIiV1O キョン「……」 ハルヒ「キョン…?ねえ…起きなさいよ…起きろって言ってんでしょ!」 古泉「僕としたことが……僕としたことが……!」 ハルヒ「ねえキョン…起きてよ…あたしの…命令なんだから…!」 古泉「…涼宮さん、どうか落ち着いて……」 ハルヒ「こんなの…こんな…キョン…い、嫌…あたし信じない……!」 ハルヒ「こんなの…絶対信じない!!」 −−− 長門「!!」 長門(強烈な情報改変が…膨大な情報フレアが発生している…!) 756 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/11(木) 15:08:49.42 ID:NizEIiV1O −−− 古泉「……戻りました」 長門「……」 みくる「キョン君は…大丈夫でしたか?」 古泉「彼は…脳内の血管が切れ…亡くなりました」 月「なっ……!」 みくる「キョン…君……が?」 古泉「すみません…僕は…僕は目の前で彼を…!」 月(これで…彼がキラであることがほぼ確定した…だが心臓麻痺ではない…) 月(キラは心臓麻痺以外でもって人を殺せる…この情報は大きい…) 月(だが…それと引き換えに仲間の命が……) 758 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/11(木) 15:19:07.69 ID:NizEIiV1O 長門「涼宮ハルヒは?」 古泉「強引でしたが…僕が当て身をして気を失わせました」 古泉「まもなく目が覚めるかと思われます」 長門「そう…」 月「キラめ…くそっ…やっぱり僕が行くべきだったんだ……!」 みくる「夜神君…」 −−− 国木田「キョンを殺したことは大きいね…相手も相当驚いていると思うよ」 リューク『でもいいのか?お前と話してからすぐ死んだんだぞ?』 761 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/11(木) 15:27:00.24 ID:NizEIiV1O リューク『でも怪しまれるんじゃないか?お前と話してからすぐ死んだんだぞ?』 国木田「ああ…僕により疑いを深め…いや、僕がキラだと確信するだろうね…」 リューク『お前…何を狙ってるんだ?』 国木田「どうせなら僕を探している奴ら全員を殺さないとダメだ…」 国木田「敵が僕に疑いを深めてより接触を深めてきたところをまとめて始末するよ」 リューク(そんなに上手くいくとは思えねーけど…敵には月もいるんだし) 766 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/11(木) 15:39:27.48 ID:NizEIiV1O リューク『あれ?でも何で心臓麻痺で殺さなかったんだ?』 国木田「死の直前の行動を操れることや心臓麻痺以外でも人を殺せると教えておけば…」 国木田「敵は仲間内で誰かがキラに操られているのでは、と探り合いが起こる…」 国木田「そうして崩れてくれた方が僕もやりやすいからね」 リューク『へえ…』 国木田(ノートを押さえられない限りは僕は負けることはない…大丈夫だ) 769 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/11(木) 15:51:25.74 ID:NizEIiV1O −−− 月(キラの殺人には何か道具が必要なのか…それとも念ずれば人を殺せるのか…) 月(仮にキラが道具を使って人を殺しているのだとすれば…) 月(キラは殺しのための道具を常に持ち歩いていることになる…) 月「……」 月(学生が常に持ち歩くもの…携帯、シャープペン、ノート、教科書……) 月(こんなもので人を殺すことなど出来るわけが…) 778 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/11(木) 16:01:41.66 ID:NizEIiV1O 古泉「…明日、勝負を仕掛けましょう」 みくる「仕掛けるって…ま、まさか…」 古泉「ええ…明日、彼を確保します」 月「!」 みくる「危ないです!もし…キョン君みたいに…ぐすっ…」 古泉「危険は承知です…ですが、もうやるしかありません」 長門「……分かった」 みくる「な、長門さん…?」 長門「これ以上半端に仕掛けては犠牲者が増えるだけ…死を覚悟で挑むしかない」 みくる「……分かりました、私も…役に立てるかは分かりませんけど…頑張ります」 782 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/11(木) 16:12:32.73 ID:NizEIiV1O 月「待ってくれ、危険だ!ここで僕たちが全滅したら…」 古泉「必ず勝ちます…何としてでも」 月(ダメだ…仲間を殺されてみんな冷静さを欠いている…) 月(下手をすれば…全員殺される可能性すら…!) 月(だが…みんなは僕が何と言っても止まらないだろう……ならせめて…) 月「キラを捕まえる際には…僕の指示に従ってほしい」 古泉「あなたの…?」 月「キラを捕まえるならそれなりの策が必要だ…僕にはそれがある」 古泉「…お聞かせ願えますか?」 789 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/11(木) 16:26:41.73 ID:NizEIiV1O 月「まず第一に…死者を出さないことが最優先だ、無駄に命を散らすことはない…」 月「そして…殺しの方法が分からない以上、真正面からぶつかるのは危険だ…」 月「いつ、誰がキラに操られているのか分からないからね」 古泉「確かに…一理ありますね」 月「そして…確保するなら屋上がいいと僕は思う」 みくる「お、屋上…ですか?」 月「そう…あそこなら出入り口が一つだけだから逃げることは困難だ」 月「加えてそれなりの広さもあるからね…色々とやりやすいだろう」 古泉「なるほど…確かにそうですね」 792 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/11(木) 16:40:42.98 ID:NizEIiV1O 月「そして…仮に殺しの道具が存在するならそれも押さえなければならない……」 月「キラの能力が移動されでもしたら…国木田君を捕まえても意味がなくなってしまう」 古泉「…どうするおつもりですか?」 月「殺しをしなければならない状況を作り出し…殺しの作業をしている所を拘束する」 月「その辺は僕が上手く彼を誘導する…」 長門「了解した」 古泉「僕も…明日に備えて準備を整えておきます」 799 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/11(木) 16:49:24.07 ID:NizEIiV1O みくる「そうだ…涼宮さんはどこですか?」 古泉「機関が管轄する病院で寝ています…彼の死のショックが相当大きかったようです」 古泉「未だに目を覚ましていないと聞いていますが…」 みくる「そうですか…」 みくる(今日の内にちゃんと渡しておかなきゃ…約束ですから…) 808 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/11(木) 17:00:30.38 ID:NizEIiV1O 翌日、放課後 国木田「さて…帰ろうかな」 月「国木田君…少し話でもしないか?」 国木田「やあ夜神君…どうしたんだい?」 月「…キラについて」 国木田(来た…夜神君もキラを探る一員だったのか) 屋上 月「国木田君…率直に聞くよ、君はキラなんじゃないのかい?」 国木田「酷いな夜神君…いきなり何を言い出すんだい?」 月「とぼけなくていいよ…君のことは分かってるんだ」 国木田(はったりだね…僕から情報を引き出すつもりなのかな?) 月「名前と顔だけで人を殺せるなんて…君は恐ろしいな…」 国木田(なっ…!まさか…ノートのことを?) 812 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/11(木) 17:12:18.64 ID:NizEIiV1O 月「…どうする?君の謎を知っている僕を殺すかい?」 国木田「……」 国木田(夜神君の発言はどこかぼかした部分がある…ノートという単語が出てこない) 国木田(…ノートの存在は知らないのかな?) 国木田「じゃあ夜神君…僕はどうやって人を殺しているんだと思う?」 月「……」 月(殺しのルールを言えばそこから誘導して殺人方法を明らかに出来るかと思ったが…) 月(やはりそうやすやすとはいかないか…) 814 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/11(木) 17:22:42.39 ID:NizEIiV1O 月「……」 国木田「分からないのかい?」 国木田(でも思ったより鋭いな…これ以上何か聞かれるのもマズい) 国木田(殺しのルールが分かってないなら…今、鞄の中のデスノートを使うことも…) 国木田(こういう時のため予めノートには死亡条件書き込んである…) 『自殺…自分が知っているキラに関する情報をすべて抹消 その後、死体が誰にも見つからない最大限の方法を考えて自殺』 国木田(この条件が書き込まれているページに夜神君の名前を書けば……) 国木田(鞄からノートを取り出し…胸ポケットのペンで夜神月と書く…ほんの数秒だ) 国木田(広い屋上なら彼から距離を取ることも出来る…) 823 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/11(木) 17:39:04.22 ID:NizEIiV1O 月「……」 国木田(…よし、ここからなら夜神君が走ってきても間に合わない…今だ!) 月「!」 ヒュン! 国木田「うっ!」 国木田(な、何かにペンが弾き飛ばされた…一体…) 長門「……」 古泉「止まっていただきますよ…国木田さん」 国木田「古泉君…そして長門さん…朝比奈さんまで…」 月「確信したよ国木田君…ノートに名前を書く、それがキラの殺人方法なんだとね」 国木田「くっ…」 国木田(待ち伏せしてたのか…だが今の攻撃は一体……) 830 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/11(木) 17:49:12.54 ID:NizEIiV1O 長門「あなたに何か特殊な能力があるのか…それともそのノートかペンが特別なのか…」 長門「それは後で調べれば分かること…あなたの負け」 国木田(まだ…僕に逃げ道はある) 国木田「……フ、調べるだって?」 古泉「…何が可笑しいのですか?」 国木田「教えてあげるよ…このノートに触れた人間は…死ぬんだよ」 長門「……」 月「触ったら…死ぬ?」 国木田「もちろん…すぐに死ぬ訳じゃないけどね……」 国木田「信じられないならこのノートは地面に置いてあげるよ…誰か拾いにくればいい」 古泉(触れれば死ぬ…殺人ノート…?) 長門(罠の可能性もある…迂闊には動けない……) 835 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/11(木) 17:53:13.91 ID:NizEIiV1O みくる「わ、私が拾いに行きます!」 古泉「朝比奈さん!?」 みくる「私…これくらいしか役に立てませんから……みんなに迷惑かけてばかりで…」 みくる「キョン君にも……わ…私、何もしてあげられなくて…」 月「…僕がやる、僕じゃなければダメだ……!」 長門「夜神月…」 月「長門さん…仮に僕がノートに名前を書き込んだりしようしたら…」 月「その時は容赦なく僕を殺してくれ」 長門「…了解した」 885 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/11(木) 18:32:19.40 ID:NizEIiV1O みくる「だ、ダメです…夜神君みたいな頭の良い人が犠牲になっちゃ…」 月「彼に力が移る前は僕がキラだった…死刑になっても当然です…」 国木田(彼がキラだった…?) 月(殺人ノート…拾うのも覚悟がいるな…) 月「……ぐっ…あぁあああっ!!」 長門「!?」 古泉「夜神君!」 月「………」 国木田「君が何を勘違いしているのかしらないけど…僕の前のキラは既に死んでいるよ」 長門「死んでいる…?」 古泉「彼が…夜神君がキラだったのではないのですか?」 月(………勝った) 904 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/11(木) 18:38:48.14 ID:NizEIiV1O −−− 夜神月が拘束される二週間前 月「リューク」 リューク『ん?』 月「さよならだ」 リューク『えっ!?』 月「奴らを出し抜くために…一度ノートの所有権を放棄する」 リューク『出し抜く?どうやって?』 月「記憶をなくす前に…一人の社会的に問題ある北高生を裁いておく」 月「今から約二週間後に心臓麻痺で死ぬように設定してね」 911 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/11(木) 18:42:20.73 ID:NizEIiV1O リューク『おいおい、良いのか?そんな身近にいる奴を殺して…』 リューク『キラはこの近辺にいると教えているようなものじゃないのか?』 月「それだよリューク、リュークですらそう思う……」 月「キラが自分の身近にいる人間を殺すはずがない…それを利用するんだ」 リューク『?』 月「…リューク、どうすれば僕の勝ちになると思う?」 リューク『そりゃ…あの女たちを全員殺したら良いんだろう?』 月「それだけじゃダメだ…その一歩先まで手を回さなければね」 リューク『…?』 917 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/11(木) 18:45:08.73 ID:NizEIiV1O 月「今から僕がデスノートを譲る人間…その人間が奴らを殺したことにする…」 リューク『そんなこと出来るのか?』 月「リューク…お前にも少しだけ動いてもらう」 リューク『言っておくが…俺はお前に有利になりすぎるようなことはしないぞ』 月「分かってるさ、奴らを殺してくれとは言わない…ただ嘘のルールを付け足してほしい」 リューク『嘘のルール?…まあそれくらいならいいけど』 934 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/11(木) 18:52:29.93 ID:NizEIiV1O 月「ルールは二つ…」 月「このノートに触れた人間は13日以内に新しく名前を書かなければならない」 月「13日以内に名前を書き込まなければ心臓麻痺で自分が死ぬ…」 月「これが一つ目だ…」 リューク『あいよ…もう一つは?』 月「このノートを焼く等して使えなくすると今までにノートに触れた全ての人間が死ぬ…」 月「これが二つ目だ」 リューク『いいぜ…これで面白い物が観られるなら書いてやる』 月『よし…後はノートに少し手を加えておく』 956 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/11(木) 19:04:19.41 ID:NizEIiV1O リューク『ところで月、このルールに何か意味があるのか?』 月「最初に言っただろ?キラが自分の近辺にいる人間を殺すはずがないと」 リューク『ああ』 月「奴らは考えるだろう…北高生の心臓麻痺死は一体何が原因なのか…」 月「キラの裁きか…たんなる偶然か…キラの裁きならば何故殺されたのか」 月「その疑念を奴らがノートを押さえた際に解消出来るようにしておく」 リューク『月…ここまで言われてお前の策が理解出来ないのは俺の頭が悪いからか?』 29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/11(木) 19:31:48.08 ID:NizEIiV1O 月「つまり…最初に死んだ北高生はキラだった、だがノートを紛失してしまい…」 月「期限までに新たな犯罪者を裁けず…それが原因となって心臓麻痺で死んだ…」 月「そう奴らに誤認させる…そのために犯罪者裁きも一時中断するよ」 リューク『ああ…13日の嘘ルールのせいでキラが死んだと思わせるのか』 月「そうだ…こうすれば嘘ルールを疑われる危険性がなくなる」 リューク『まあ、実際に一人死んでるしな』 32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/11(木) 19:34:38.42 ID:NizEIiV1O 月「そしてこのルールは次のキラに裁きを継続させるためにも必要だ…」 月「裁きを続けなければ自分が死ぬんだからね…嫌でも殺さざるを得ない」 リューク『なるほどな…』 月「そしてもう一つ…このルールが僕の潔白を証明する……」 月「おそらく奴らは僕の身動きを封じるか、監視の目を一層強化するだろう…」 月「だがノートを放棄した僕から証拠は出ない…僕が拘束されている間も裁きは続く…」 月「いずれ…夜神月はキラではない、との決断を下さざるを得なくなる」 37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/11(木) 19:41:48.33 ID:NizEIiV1O 月「そして記憶を失った僕は宇宙人たちと協力して間違いなくキラを捕らえるはずだ…」 月「そしてデスノートを押さえ、このルールが明らかになったとき…」 月「拘束されていて犯罪者を裁ける状況になかった僕の無実は確定する!」 リューク『だが月…それじゃお前だけがノートに触らないとダメなんだろう?』 リューク『他の奴らに触らたらどうするつもりなんだ?』 月「ここでも嘘ルールが効果を出す…ノートに触れたら裁きをしなければならない」 月「裁きをしなければ自分が死ぬ…かと言って裁きをするわけにもいかない…」 月「つまり…このノートには死ぬ覚悟がある人間しか触れることが出来ないんだ」 41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/11(木) 19:52:40.69 ID:NizEIiV1O リューク『死ぬ覚悟ねぇ…お前、キラ事件を解決するためなら死んでもいいのか?』 月「単純にキラを追っているだけなら死のうとは思わないさ…」 リューク『?』 月「記憶を失った僕は…おそらく、自分がキラであったことに気が付くはずだ」 月「自分が大量殺人をしていたキラ…記憶のない僕にはどれほどの衝撃だろうね」 月「そして…僕は自分がキラであった意識に苛まれ…危険な行為でも進んで行うはずさ」 リューク『記憶を失った自分のことまで予想してるのか…』 47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/11(木) 20:00:05.32 ID:NizEIiV1O リューク『だが月…まだ懸念事項はあるぞ』 月「何だ?」 リューク『お前がノートを譲る第二のキラ…お前の推理だと捕まっちまうんだろう?』 月「ああ…間違いなく捕まるだろうね」 リューク『捕まったキラに尋問とかされたら色々とヤバいんじゃねーの?』 リューク『それ以前に…お前がノート触れて記憶が戻っても所有権までは戻らない』 リューク『お前がノートに触れたまま第二のキラが死ななきゃダメなんだぞ?』 月「心配ないよ…第二のキラは死ぬことになる、捕まってすぐにね」 リューク『?』 月(リューク…僕はお前の性格を理解している…お前なら……) 51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/11(木) 20:09:27.56 ID:NizEIiV1O −−− 古泉「や…夜神君、大丈夫ですか?」 月「…ば…化物が……!キラのそばに化物がいるんだ!」 古泉「化物…?」 長門「おそらく…あなたはノートに触れたら見えている」 みくる「そんな…私たちには何も見えないのに…」 国木田「……」 国木田(今…この場の全員の注意は夜神君に向いている……) 国木田(今なら…切り取って仕込んであるノートに名前を……) 月(……) 59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/11(木) 20:23:06.92 ID:NizEIiV1O 国木田(よし…今しかない…!) 月(来たな…!) 月「みんな!キラが何かしている!まさか…」 みくる「えっ!」 古泉「何か書き込んで…まさか!」 長門「!」 ヒュン 国木田「ぐうっ…!」 古泉「ま、間に合いましたか…さすがは長門さん、危ないところでしたね」 みくる「ノ…ノートって一冊だけじゃないんでしょうか?」 長門「……」 国木田(くそっ…仕込んだノートも…僕はもう……いや…) 64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/11(木) 20:36:09.08 ID:NizEIiV1O 国木田「リューク!君が書いてくれ!君があいつらを殺すんだ!」 リューク『…俺が?』 国木田「そうだよ…君が持っているノートにあいつらの名前を書くんだ!」 リューク『……』 古泉「彼は…何を言っているのですか?」 月「死神と話してる…死神も別に一冊ノートを持っているらしい…」 みくる「とっ…止めないと!」 古泉「無理です!僕たちには死神を見ることすら…!」 長門「死神…私にも感知出来ない…」 リューク『…ああ、書いてやる』 国木田「やった…もう君たちは助からない!僕を殺したって遅いんだ!」 リューク『いや…死ぬのは国木田…お前だ』 国木田「え…?」 月(…計 画 通 り) 78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/11(木) 20:50:05.99 ID:NizEIiV1O 月(……国木田…お前は本当に僕の予想通りに動いてくれたよ) 月(仕込んだノートに名前を書こうとしたのも…最後はリュークに頼ることも…) 月(そして…リュークに殺されることまで…全て僕の計画通りだ…) 月(お前はリュークの性格を知らなかった…リュークは所有者に味方はしない) 月(面白いものを求めるリュークに助けを乞うなんて…殺してくれと言うようなものだ) 月(デスノートの所有者は死神に名前を書かれて死ぬんだよ…) 92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/11(木) 21:02:11.55 ID:NizEIiV1O 国木田「リューク!ぼ、僕は死ぬのか!?」 リューク『ああ…もう決まりだ、ノートに書かれたことは二度と取り消せない』 国木田「そ…そんな…待ってくれ!僕はまだ死にたくない!」 古泉「何が起こっているのですか…?」 月「死神が国木田君の名前をノートに書いた…」 みくる「えっ…そ、それって…まさか…!」 国木田「嫌だ!まだ僕は死にたく……ぐっ!…う……く…そ……」 長門「彼は…生命活動を停止する」 月「……」 月(ああ…死ぬさ…次は長門有希、お前たちの番だ……) 143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/11(木) 22:26:06.91 ID:NizEIiV1O 正直、先の展開に困ってました −−− 月「……終わったようだね」 古泉「これで全てが解決したのでしょうか…死神が見えませんから何か釈然と…」 月「触ってみるかい……?」 古泉「…遠慮しておきましょう」 長門「……」 長門(終わった…?何か違和感が……) みくる「あの…正直、私はまだ事件の真相がよく分かっていないんです」 みくる「国木田君の前のキラが死んじゃってるって言ってましたけど…」 古泉「夜神君が監禁される前に亡くなった北高生を覚えていますか?」 みくる「あ…はい」 古泉「彼が…第一のキラだったのですよ」 157 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/11(木) 22:46:07.15 ID:NizEIiV1O 月「このノートの裏表紙にある…13日以内に新しい名前を書かなければ死ぬ…」 月「このルールに掛かって死んだようだね…」 長門「……」 長門(確かに…キラは二週間ほど裁きをしていない時期があった…) 長門(あの北高生がキラ…そして同じ北高生である国木田にキラの力が移った…) 長門(涼宮ハルヒのキラが学校内にいる、と言っていた予言にも似た勘とも一致…) 長門(一応全ての筋は通る…) 長門(そして13日のルールがあるならば…監禁されていた夜神月は潔白…) 長門(実際に第一のキラも13日のルールで死亡している…疑いようがない…) 長門(なのに何故…まだ違和感が…?) 176 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/11(木) 23:07:25.60 ID:NizEIiV1O 月「問題は…このノートをどうするかだ…」 古泉「触れれば…13日後に死にますからね」 月「つまり…僕が死ぬことは既に決定しているんだ…」 みくる「な、長門さん…何とかなりませんか?」 長門「このノートは地球には存在しない物質…宇宙空間にも私が知る限り存在しない」 長門「解析にはかなりの時間を要する」 古泉「そうですか…」 月「僕のことはいいよ……今はこのノートをどう処分するか考えるんだ」 182 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/11(木) 23:14:32.93 ID:NizEIiV1O 古泉「機関で保管しておくのはどうでしょう?」 月「危険だ…君の機関の中でこのノートの事が知れたら…」 古泉「…そうですね、無理にでも手に入れようとする人がいるかも知れません」 みくる「わ…私には…こんなのを責任持って保管なんて……」 月「…長門さん、頼めるかい?」 長門「…了解した」 193 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/11(木) 23:20:49.02 ID:NizEIiV1O 月宅 月「さて…久しぶりだな、リューク」 リューク『ククク…面白いものを観させて貰ったぜ、まさかこの俺を利用するとはな』 月「利用だって?あれはリュークが勝手に殺したんだろう」 リューク『白々しいこと言いやがって…全部計算済みだったんだろ?』 月「リューク…これでもお前の性格は理解していたんだよ…」 リューク『まあいいさ…で、あいつらはいつ殺すんだ?』 リューク『前もってデスノートからは何ページか切り取ってあったんだろ?』 月「ああ…もう僕はいつでもあいつらを殺せる…数日後には殺すつもりさ」 月(殺すときには奴らの死に顔を見ておきたいからな…) 202 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/11(木) 23:32:49.65 ID:NizEIiV1O 数日後 月「みんな…ノートについて重大なことが分かった…」 古泉「重大なこと…?」 みくる「な、何ですか…?」 月「まだ…キラ事件は終わっていない、裁きはこれからも続く…」 古泉「…そんなバカな…キラはもう全員捕まり……ぐっ…!?」 みくる「こ、古泉君?…あっ……うっ……」 長門(これは…まさか…!) 長門「夜神月…あなたが……!」 長門「…っ………」 216 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/11(木) 23:39:25.78 ID:NizEIiV1O 月「……」 長門「…くっ……」 月「流石は宇宙人…しぶといね」 長門「夜神月…やはり…あなたが……キラ……」 月「君を僕の手で殺せて良かったよ…長門有希」 長門「…私は……す…はる…たく……」 月(…勝った、この勝負はお前たちの負けだ…僕は新世界の神となる) 240 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/11(木) 23:52:06.29 ID:NizEIiV1O ハルヒ「……やっぱり…アンタがキラだったのね…!」 月「……!」 月(涼宮ハルヒ…何故ここに…いや、この女の名前も書いたはず!) 月(何故…この女が生きている…!) 月「…何故僕がキラだと?」 ハルヒ「…キョンが教えてくれたのよ」 月(キョン…あいつは最初に死んだはず…あいつが何を…?) ハルヒ「キョンがあたしに遺した手紙…色々と書いてあったわ」 ハルヒ「キラの力が移動すること…キラの殺しの傾向が変わっていること……」 ハルヒ「あんたが自分自身はキラであった可能性が高いと推理していたことも…」 月(手紙…そんなモノをいつ…待て…確か国木田を捕らえる前の日…) 月(朝比奈みくるがこいつの病院を探していた……) 247 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/12(金) 00:04:55.70 ID:Q6mfa8MrO 月「何故…僕がキラだと思う?」 ハルヒ「第一のキラ…確か、心臓麻痺で死んだ北高生って言ってたわね」 月「ああ…それが何かあったのか?」 ハルヒ「考えてもみなさい…そいつ…不良だったんでしょ?」 月「……」 ハルヒ「犯罪者を裁いて世の中をよくしようなんて考えてる奴が札付きの悪…?」 ハルヒ「そんなの…どう考えてもおかしいじゃない!」 ハルヒ「あたしは最初に死んだ北高生がキラだったって所から不信に思ってたのよ」 月(勘に任せた強引な推理だが……大幅にずれているわけでもない…) 444 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/12(金) 18:54:13.51 ID:Q6mfa8MrO ハルヒ「そして…あんたを監禁してから殺人傾向は変わった…疑わない方がおかしいわ」 ハルヒ「有希も違和感を感じていたんでしょうけど…13日ルールにやられたのね…」 月(……ここまで来ているならとぼけても無駄だな) 月「何故…お前は死なない?僕はお前の名前をノートに書いた」 月「お前はとっくに死んでいなければならないはずだ…なのに何故…」 ハルヒ「有希のおかげよ…有希がノートのことを教えてくれたからね」 月(この女…一体何を……?) 447 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/12(金) 19:00:53.82 ID:Q6mfa8MrO ハルヒ「教えておいてあげるわ…今のあたしにはあんたの死神が見えてるのよ」 リューク『ん?俺?』 ハルヒ「そう……あんたよ」 月(リュークが見えているだと…コ、コイツ…まさか…!) ハルヒ「唯一のあんたの失敗は有希にこのノートを預けたことよ…」 月「な…何故お前がそのノートを…!」 ハルヒ「ノートに触れば死ぬ…だから誰も触ることは出来ないとでも思ったんでしょ?」 449 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2010/02/12(金) 19:12:50.31 ID:Q6mfa8MrO 月「書いたのか…お前…自分の名前を……」 ハルヒ「………」 月「…僕がキラじゃなかったらどうするつもりだったんだ?」 月「お前はただ無駄死にをする可能性もあった…なのに何故…」 ハルヒ「…あんたがキョンを殺したからよ……キョンのいない世界なんて……」 ハルヒ「あたしはあんたを許さない…キョン…みんなを殺したあんたのことを!」 月「………」