キョン 「おい長門、今屁をこいたろ?」 7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/26(土) 22:16:58.01 ID:zCh6D6D30 長門(…おなかがはってきた…) 長門(ガスが溜っている…) 長門(10分前におしっこしたときはなんともなかったのに…) 長門(もう一度トイレにいく…駄目。彼には短時間に何度も用足しにいく女と思われたくない…) ぽこっ 長門(…あ…ガスが…動いてる?) ハルヒ「?今なにかぽこって音しなかった?」 長門「!?」 みくる「ふぇ?」 キョン「気のせいじゃないか?」 ハルヒ「有希、その窓のあたりから聞こえた気がするんだけど」 長門「なにも聞こえなかった」 キョン「ほらな」 ハルヒ「うーん、おかしいわね。…ま、いっか」 長門(あぶなかった…。放屁に至るまではまだ余裕があるはず。でもガスは直腸に近付いている…) 9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/26(土) 22:18:26.70 ID:zCh6D6D30 長門(じっと動かずにいればガスは腸内に再吸収されるはず。ページをめくる動作も最小限にしよう) ハルヒ「ああっ!?もうっ!ねえ有希!」 長門「!?な、なに」 ハルヒ「パソコンがフリーズしちゃたのよ。ちょっとみてくれる?」 長門(見たところGUIシェルの一部が処理過負荷で反応がないように思える) 長門(該当プロセスを排除すれば解消されると推測されるが、涼宮ハルヒに口頭でそれを伝えることはできない) 長門(かといって今身体を動かすのは危険を伴う…なんらかの拍子に先ほどのような音がなってしまったら…) 長門(音どころか臭いも漏れたり…最悪の場合は放屁もありえる…彼の前で…悪夢でしかない) ハルヒ「有希?」 長門(迷っている暇は無い…決断しなければ) 長門「今みてみる」 長門(慎重に立ち上げれば大丈夫のはず…よし立った。あとは画面を確認してキーボードを借りれば) ぎゅるるるるっ 長門「!?」 ハルヒ「?今音がしたわよね?」 10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/26(土) 22:24:57.90 ID:zCh6D6D30 キョン「ん?言われてみればなんか…小さい音がした気がするが」 長門(どうしよう。彼に聞こえてしまっている…) みくる「ハードディスクの音じゃないですかぁ?」 長門(特盛りGJ) キョン「だいたいハルヒ、お前はパソコンを酷使しすぎなんだよ。少しは休ませないと壊れちまうぞ。  ディスクが動いてるんならしばらく放っとけば長門に見てもらわなくても治るだろ」 長門(やはり彼はやさしい) ハルヒ「そうかしら。あ、動き出したわ」 キョン「ほらな」 ハルヒ「有希のおかげよ。ありがと!」ぽんっ 長門(!?こ、腰に衝撃が!?) きゅぅぅぅん キョン「おい、アドバイスした俺にはお礼はなしかよ」 ハルヒ「あんたは座って勝手に喋ってただけでしょ」 長門(よかった。音には気付かれなかった) ハルヒ「ん?…なんか、変な臭いしない?」 11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/26(土) 22:35:46.83 ID:zCh6D6D30 長門「!!??!」 キョン「変な臭い?」 ハルヒ「うーん、なんか…スパイシーというか…とにかく臭かったわ。パソコンのあたりからね」 みくる「あ、いま何か少し臭いましたぁ。何の臭いかなぁ、これ…」 長門(どうしよう…適当にごまかさないと…) ハルヒ「くんくんくん…うーん、臭いが薄れてるわね」 キョン「おまえが全部吸いこんだんじゃないのか?」 長門「おそらく吸排気系のファンについたほこりが加熱部分に落ちて焦げた臭い。実害はないと思われる」 みくる「ふぇぇ。そうなんですかぁ。でも焦げ臭いと言うよりは…まあ、長門さんがいうなら間違いはないですよねぇ」 キョン「まったくおおげさなんだよ。害がないなら問題ないな」 ハルヒ「よくないわよ。ほこりが溜ってるなら掃除しなきゃ」 キョン「掃除ったって…パソコンの掃除なんてどうやるんだ?」 ハルヒ「あたしがわかるわけないでしょ?…有希、わるいけどこのパソコン、ちょっと中を開けてみてくれない?」 長門(…床に置いてある筐体を開くにはしゃがむ必要があるが…いまの状態でそれを行うことは死を意味する…でも…) ハルヒ「有希?」 14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/26(土) 22:44:37.62 ID:zCh6D6D30 長門「やってみる」 ハルヒ「お願いね。今休止状態にして…電源も落ちたっと。じゃあ、あたし隣のコンピ研で  なにかパソコン用の掃除用具見繕ってくるから」 長門(…腹筋と肛門括約筋の緊張を理想的状態に保てば音も臭いも漏れないはず) 長門(最悪の場合でも肛門括約筋を死守すれば臭いの漏出は防げる…覚悟を決めなければ) キョン「長門?どうしたんだ?」 長門「…筐体の開閉方法を思い出していた。これから行う」 長門(覚悟完了。あとはしゃがむだけ…そぉぃっ!) しゅたっ 長門(よし。音も臭いも漏れてない。筐体を開けて…思ったより固い。力を入れないと…あっ!) ぷぅっ 長門「!!!!!」 みくる「ふぇ?」 キョン「ん?」 16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/26(土) 22:52:22.33 ID:zCh6D6D30 長門(ああああああああああああああ) 長門(だめだめだめだめだめだめ) 長門(ふぇっていったふぇって!!!) 長門(ん?って!!!) 長門(やばいやばいやばいやばい) 長門(なんとか矛盾のない説明をしなければ) 長門(それよりまずは臭いの処理が必要…深呼吸を繰り返して周囲の大気から少しでも稀釈しなければ) 長門(すーっはーっすーっはーっすーっはーっ) キョン「長門どうかしたのか?息が上がってるみたいだが」 長門「問題ない。このパソコンが重くてうまく引きずれなかっただけ」 キョン「あんまり音たてて引きずると床が傷つくぞ」 長門「注意する」 長門(よしフォロー完了) キョン「重いなら手伝おうか?」 長門(優しい…でも今はまだ大気の浄化が不完全…) 19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/26(土) 23:01:47.56 ID:zCh6D6D30 長門「いい。今筐体を開けた。感謝する」 キョン「また大変だったら言ってくれよ」 長門(…周辺大気は問題ないレベルまで稀釈された。しかしこの臭い…スパイスがきつすぎる) 長門(超激辛カレーだったからカレー臭より他のスパイスが勝っていたから結果的にはよかった) 長門(焦げた臭いという比喩はあながちまちがいではなかった。これが通常のカレーならあのときわたしは終わっていた) 長門「…ほこりの付着はそれほどでもないと思われる。焦げた臭いはおそらくたまたま」 キョン「そうか」 ドア「ばぁん」 ハルヒ「有希!エアダスターもってきたわよ!」 キョン「掃除の必要はないらしいぞ」 ハルヒ「そうなの?でもせっかく見つけ出したんだし…有希、パソコン開けてくれたのね。ちょっとどいてくれる?」どんっ 長門「はうっ」 ハルヒ「?どうしたの?」 長門「どうもしない」 ぷるぷる 21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/26(土) 23:10:38.29 ID:zCh6D6D30 長門(なんとかこらえた…一度部分的に放出してしまったのが結果的には良かったのかもしれない) 長門(あとは涼宮ハルヒの気がすむまで待機した後椅子に戻り、ガスの再吸収を待てばいい) 長門(それにしてもこの中腰の体勢…腸に負荷がかかりすぎる…早くしてくれないものか) ハルヒ「エアダスターでないわねえ」 キョン「振らないとだめなんじゃないのか?」 ハルヒ「そうね。…こんな感じかしら…あっ!?」 がすっ 長門「!!!」 長門(直撃!?お腹にだなんて!?) 長門(わたしの括約筋!全力でこらえて!!!) ハルヒ「ご、ごめんね有希!?痛かった!?」 長門「平気」 長門(やばいやばいやばいやばい) 長門(さっき吸い込んだ大量の大気が腸へと供給されている…今の衝撃でガスが大量発生しつつある) キョン「長門大丈夫か?なにか顔色がわるいが…」 23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/26(土) 23:18:06.38 ID:zCh6D6D30 ぽこっつぽこぽこぽこっ 長門(ガスがガスがガスが…) ハルヒ「だ、大丈夫?お腹、さすってあげようか?」 長門(よかった音に気付いてない) ハルヒ「このへんだったかな…んしょっ」 さすりさすり 長門「あっ…」 ぽこぽこぽこぽこぽこっ 長門(駄目…これ以上接触されると…) ハルヒ「?何か音が」 長門「え、エアダスターの放出はわたしが行う。かしてほしい」 ハルヒ「いいけど、もう大丈夫なの?はい」 長門(とりあえず手早く作業を終了させてこの場を取り繕わなければ…音について質問されればエアダスターと答えればいい) ぷしゅうう ハルヒ「やっぱりほこりはあんまりでないわね…つまんない」 24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/26(土) 23:20:59.64 ID:zCh6D6D30 長門(…直腸まで達したガスを押しもどす事に成功。エアダスターの放出で気分的にもいくらかまぎれたし…いける) 長門「清掃は完了した。筐体を閉じるので少し離れてほしい」 ハルヒ「わかったわ」 長門(よし…これで一安心。ふぅ) ぷぅ 長門「!!!?!?!?」 26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/26(土) 23:30:54.83 ID:zCh6D6D30 長門(かつやくきんんんんんん!!!!) 長門(どっどおっっどどどっどうしようどうしぃおう) 長門(考えろ考えろ考えろ) 長門(音…筐体を再度引きずったことにする) 長門(臭いは…) ハルヒ「?有希?今…きゃぁっ」 ぷしゅしゅしゅしゅしゅーっ キョン「うっぷ!机のすき間からほこりが!?」 長門「筐体の裏側にややほこりが付着していた。いま筐体を移動させてエアダスターで完全に除去を行った」 キョン「げほっ」 ハルヒ「ひ、ひとこと言って欲しかったわ」 長門「申し訳ない」 みくる「けほっ。な、なんか変な臭いのほこりですねぇ…カビですかぁ?」 長門(それだ乳牛!) 長門「カビが混入していた可能性がある。部屋の換気を行うので窓を開ける」 31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/26(土) 23:43:02.15 ID:zCh6D6D30 ハルヒ「ふう。ちょっと寒いけどいい空気ね」 キョン「これからはカビが生える前に掃除をするんだぞ」 ハルヒ「はいはい」 長門(…駄目…外気の冷たさがお腹に…いま放出したばかりなのに…また出ちゃう) みくる「長門さん?さっきから顔色…悪いですよぉ?」 長門「!それだ」 みくる「ふぇ?」 長門「気のせい」 長門(これを利用してトイレで完全に放出しよう) 長門「ほこりを浴びて気分が優れない。外で少し休んで来る」 ハルヒ「あら、これだけ窓が開いていれば同じじゃない」 長門(なんですとぉ!?) みくる「それもそうですねぇ」 長門(ホルスタインおまえもかぁぁぁ!?!) 34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/26(土) 23:51:11.08 ID:zCh6D6D30 キョン「いや、長門結構ほこりがついてるぞ」 長門「そう。外で落としてく」 キョン「ほら払ってやるよ」 ぱんぱんっ 長門「がっ…!?」 すっ… 長門(しずまれしずまれえぃ!) すすすすっ 長門(えぇぃしずまれぇぃ!) キョン「こっちもか…ほらっ」 ぱんぱんっ 長門「あ…あ…」 ふすすすすすすすっ 35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/12/27(日) 00:00:07.45 ID:X4YluGk70 ハルヒ「こらキョン!女の子をそんなに乱暴にぽんぽん叩いちゃだめでしょ!」 長門(ハルビッチ?) ハルヒ「有希がびっくりしてぷるぷるしてるじゃないの。やめなさい」 長門(涼宮ハルヒ…あなたってひとは…)じーん ハルヒ「もうちょっとこうやさしく、撫でるように払うのよ」 ごしごしごしっ 長門「ぬふぅぅぅ!!」 ハルヒ「!?ゆ、有希?」 長門「(限界!!!?これ以上は…!!!??)だぁぁあぁ!」 ごすっ キョン「な、長門!?エアダスターを手刀でぶった切る…だと!?」 ぶっっしゅうううううううっ!!!ぷぅぅぅぅっ 長門「…はぁ…はぁ」 みくる「ふぇぇぇ!?ほこりが…ほこりがぁ!?」 ハルヒ「ど、どうしたの有希!?」 42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 01:32:41.97 ID:X4YluGk70 長門(どうしよう) キョン「な、長門?一体」 長門「エアダスターに蝿が止まっていた」 みくる「はぇ?」 ハルヒ「この寒いのに?」 長門「蝿 が 止 ま っ て い た」 キョン「わ、わかったよ。そんなにじっと見ないでくれ」 ハルヒ「エアダスター…ま、ひとつくらいいっか」 みくる「まっぷたつ…それほどまでに蝿さんが嫌だったんですかぁ」 長門「申し訳ない。手を洗って来る」 長門(なんとかしのいだ。この隙にトイレに…はうっ!!!) ぷるぷる 長門(そんな…放出したばかりなのに…また?) 長門(さっきからおかしい。唐突にガスが発生しすぎる。通常の生理現象では考えにくい頻度…もしや…) 長門(何者かによるハッキング…情報操作でわたしの腸内にガスが注入されていると考えるのが自然) 44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 01:33:25.14 ID:X4YluGk70 長門(攻勢防壁に反応は無かった。これを破れるのはわたし以外に…ふっふっっふふふふふっ) ハルヒ「有希?ど、どうかしたの?急に笑い出したりなんかして」 朝倉(はぁ…委員会早く終わらないかな。うっ…またお腹がはってきちゃった。長門さんには悪いけど、また送っちゃおう) 朝倉(どうせ本読んでるだけなんだから、委員会活動のほうが優先よね。緊急非難だし、ちょっとずつだからわからないだろうし) 委員長「朝倉さん、この資料なんだけど」 朝倉「ああ、それはおおほぉぉぅぅぅ!?」 委員長「あ、朝倉さん?」 朝倉(な、長門さん!?この感じ…わたしが送ったのはガスだけなのに…実まで送り返すなんてルール違反よ!) 長門「はひゃぁぁぁぁあ!?」 みくる「な、長門さぁん!?だっだだだ大丈夫ですかぁ?」 長門「はぁはぁ…問題ない。くぁwせdrfgyふじこlp;:」 朝倉「にょぉぉぉぉおお!!?くぁwせdrfgyふじこlp;:」 委員長「ちょ、朝倉さん?大丈夫?」 45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/12/27(日) 01:35:20.10 ID:X4YluGk70 キョン「お、おい長門…気分悪いのか?さっきから…体をくねらせてはぶつぶつと…」 長門「はぁはぁ…来る…ヤツが…」 ドア「ばたん」 朝倉「ふっ…うふふふふふふふ」 長門「朝倉涼子…」 朝倉「長門さぁん…あははははははっ」 みくる「ふぇぇ?」 ハルヒ「涼子?どうしたの?」 朝倉「…限界ね」 長門「…わたしも」 キョン「こうしてお互いに健闘を讃え合うかのように肩を組ながら出て行ったわけだが…なんだったんだ?」 ハルヒ「有希と涼子、気分悪そうだったけど…大丈夫かしら」 みくる「ふふっ。キョンくんの鈍感さもたまには役に立つんですねぇ。…長門さんには少し意地悪しちゃったかなぁ」 キョン「?」 fin.