キョン(今日も仕事か…)佐々木「……聞いてるかい?」 4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/09(金) 01:08:36.39 ID:maneGJ/YO キョン(毎日毎日、上司の機嫌とりに得意先の接待…) 佐々木「今日は、その、早く帰ってきてほしいんだ」 キョン(最近はもう、頭を下げることに何の躊躇いもなくなってきた) 佐々木「ほら、今日はあの日…だろう?わかっているとは思うが、まぁ念のために確認を」 キョン(くそっ…一体俺は何のために働いているんだ) 佐々木「……聞いてるかい?」 21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/09(金) 10:44:54.80 ID:maneGJ/YO キョン「え?ああスマン、なんだ」 佐々木「なんだ?って…キョン、君が忙しいのは僕もわかっているけれど」 キョン「わかってるなら、どうか大目に見てくれないか?」 キョン「毎日接待だ残業だで、正直へとへとなんだ」 佐々木「…ああ、気遣いが足りずすまなかった…」 キョン(少し強く言い過ぎたか?) 22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/09(金) 10:50:41.23 ID:maneGJ/YO キョン「いや、そこまで畏まられても困るんだが」 佐々木「…すまない、僕らしくなかったかな」 キョン「いいって…それで、話ってのはなんだったんだ?」 佐々木「いやなに、変な話じゃないんだ、ただ今日は」 キョン「と、スマン、もう出る時間になっちまった」 26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/09(金) 10:55:23.98 ID:maneGJ/YO 佐々木「え?ああ本当だ」 佐々木「思ったより話しこんでしまったようだ、すまない」 キョン「だから、そう謝る必要はないって」 キョン「その話とやらは帰ってきたら聞いてやるから」 佐々木「わかった、わかったけどキョン、1つだけ」 佐々木「今日は…できる限り早く帰ってきてほしい」 27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/09(金) 11:00:12.29 ID:maneGJ/YO キョン「ん?早く?」 佐々木「そう、だって今日は」 キョン「OKわかった、とにかくもう行かないと遅刻しちまう」 キョン「早く帰るようには善処する、それでいいだろ?」 佐々木「…うん、わかってくれればいいんだ」 キョン「それじゃ、行ってくる」 佐々木「行ってらっしゃい、キョン」 28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/09(金) 11:03:42.77 ID:maneGJ/YO 佐々木「…」 佐々木「忙しい、か」 佐々木「まさか、忘れているわけでは」 佐々木「ないん、だろうけど…」 佐々木「…ダメだな僕は、こんな弱気になってしまって」 佐々木「大丈夫、キョンならきっと…大丈夫なはずさ」 30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/09(金) 11:09:17.69 ID:maneGJ/YO キョン「ぐっ…」 キョン(毎日乗っているとはいえ、満員電車ほど慣れないし慣れたくないものはないな) キョン(くそっ、バランスがうまくとれない) キョン(っ!このうすらハゲ、臭い頭を近づけるんじゃねぇ!) キョン(朝から最悪だ、この野郎) 38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/09(金) 11:45:33.73 ID:maneGJ/YO キョン「はい…そちらの件に関してはもう話を通していますので…はい、よろしくお願いします」 キョン「ふぅ」 同僚「どうしたキョン、お疲れみたいだけど」 キョン「そのあだ名で呼ぶなと言っているだろ…全く」 キョン「電話越しでも必死に頭を下げなくちゃいけないんだ、気が滅入ってしょうがない」 40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/09(金) 11:49:35.73 ID:maneGJ/YO 同僚「だがそんなキョンに残念なお知らせだ」 同僚「あれ、呼んでるぞ」 キョン「…マジか」 同僚「マジだ」 キョン「…嫌な予感はしてたんだよなぁ」 同僚「心中察する、死んでこい、キョン」 キョン「ああ…」 42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/09(金) 11:53:35.75 ID:maneGJ/YO 上司「待ってたよキョン君、忙しいところ呼び出して悪いねぇ」 キョン(うっ…相変わらずの臭さだな) キョン「いえ、こちらも一区切りついたところでしたので問題ありません」 キョン「それで、自分に用事というのは?」 上司「いやいやいや、用事というほどのことでもないんだがね」 43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/09(金) 11:57:38.25 ID:maneGJ/YO キョン「…」 同僚「1時間か…部署内新記録じゃないか?」 キョン「やめてくれ、今の俺には冗談を冗談と割り切れるほど余裕はない」 同僚「しっかし、あのじじいもなんとかしてほしいもんだ」 同僚「無駄話したところで、仕事がその分きつくなるだけなのに」 キョン(今日も残業か…くそ) 44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/09(金) 12:01:10.90 ID:maneGJ/YO 同僚「それじゃあ俺はそろそろ上がるな」 キョン「ああ…お疲れ…」 同僚「…ま、上司に気に入られてるのは悪いことじゃないからな」 同僚「頑張れよ、じゃあ」 キョン「…」 キョン(あんな豚野郎に好きになってもらっても何も嬉しくない) キョン(仕事でなきゃ誰が好き好んでこんなことするか) 46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/09(金) 12:04:39.91 ID:maneGJ/YO 発車します、閉まるドアにご注意ください キョン「待、て、待ってくれ」 キョン「はぁ、はぁ」 キョン(なんとか…終電には間に合ったな) キョン(今日は疲れたな、朝からあまりいいこともなかったし) キョン(最悪な1日だ) 48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/09(金) 12:08:11.05 ID:maneGJ/YO キョン「ただいま、っと」 キョン(ん?いつもならこの時間でも出迎えてきてくれるはずなんだが) キョン(寝ちまったのかな) キョン(…俺が今日、どんなに苦労したかも知らないで…) 佐々木「おかえり、キョン」 51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/09(金) 12:13:28.20 ID:maneGJ/YO キョン「うお!なんだ、起きてるなら電気ぐらいつけたらいいだろう」 キョン「こんな暗い中…で…」 佐々木「…」 キョン「…なんだ、凄い豪勢な食事だな」 佐々木「もう全部冷めきってしまったけどね」 キョン「…なんか、あったのか?」 53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/09(金) 12:18:34.51 ID:maneGJ/YO 佐々木「何か、だって?」 佐々木「キョン、君は…君は本当に覚えていないのかい?」 キョン「な、なんだ、そんな大事なことがあったか」 佐々木「…」 佐々木「わかって、わかってはいたけどね」 佐々木「君が今どういう状況にいて、こういったことに疎いことも」 55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/09(金) 12:22:27.35 ID:maneGJ/YO キョン「だから、さっきからお前は何を言って」 佐々木「くく、そういうことを障りもなく言えてしまうのが君の悪いところだよ」 佐々木「罪な男…君は、僕達が再会したあの頃からその片鱗は見せていたけど」 キョン「おい、いい加減に…」 キョン(まさか、泣いてる…?) 59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/09(金) 12:30:01.69 ID:maneGJ/YO 佐々木「君は…僕や他の彼女らが一体どういう気持ちでいたのか知りもしなかっただろう?」 佐々木「いや、別に責めるつもりはないんだ、ただ…」 佐々木「ただ…もう少し、だけでもっ…」 キョン「…」 キョン「その…悪かった」 佐々木「謝らないでくれ!!」 61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/09(金) 12:33:58.52 ID:maneGJ/YO キョン「なっ」 佐々木「君は!僕の気持ちを塵1つでも考えたことがあるのか!?」 佐々木「いつもいつも僕は空回りだ…何をしても、君は応えてくれないんだ」 佐々木「僕…僕、の…」 キョン(…なんだ、なんなんだ) キョン(俺が、何をしたって言うんだ) 73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/09(金) 13:38:01.21 ID:maneGJ/YO 橘「で…大声で怒鳴り散らした揚句、そのまま一言も喋らず一人でふて寝して」 橘「朝起きたらもうキョン君は仕事に行ってしまっていた、と」 佐々木「…思い出させないで、まだかなり凹んでるんだから…」 橘「そうですねぇ、確かに佐々木さんにしてはあまり賢くない行動です」 佐々木「はぁ…なんでこんなことに…」 76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/09(金) 13:42:17.14 ID:maneGJ/YO 橘「なんでも何も、キョン君が一方的に悪いに決まってるじゃないですか」 橘「いくらお仕事が忙しいからって、愛しの人をそこまで放っておくなんて」 橘「神が許しても私が許しません」 佐々木「でも、私がもっと彼に気をつかってあげればいいだけのことではあるし…」 佐々木「さすがに昨日は、感情的になりすぎたかなぁ、って」 78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/09(金) 13:45:18.89 ID:maneGJ/YO 橘「はぁ」 佐々木「確かにキョンだってあの態度はないと思う」 佐々木「でもそれは私のために仕事頑張ってくれているからで、悪気があるわけじゃないし…」 橘「…はぁ」 佐々木「だから…そんな、私が気にすることじゃ」 橘「佐々木さん」 80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/09(金) 13:58:23.90 ID:maneGJ/YO 橘「それじゃあダメです」 佐々木「え?」 橘「男性という生き物は、こちらが下手にでるとすぐに調子に乗るものです」 橘「文句があるならある程度言っておかないと後悔することになりますよ」 佐々木「そ、そういうものなの?」 橘「そういうものです」 81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/09(金) 14:01:20.15 ID:maneGJ/YO 橘「特にキョンさんの場合人がいいですから、案外軽く他の女性に着いて行ってしまうかもしれません」 佐々木「ちょっと、キョンのことを悪く」 橘「キョンさんの悪口を言ってるわけではありません」 橘「これは、単に警告ですよ、佐々木さんへの」 佐々木「警告?」 83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/09(金) 14:05:12.24 ID:maneGJ/YO 橘「はい、人とはえてして一時の感情に流れやすいですから」 橘「心に隙間がある人なんかは、簡単に判断を間違えてしまうものです」 佐々木「…人って、難しいわね」 橘「難しいですねぇ」 佐々木「じゃあ、私は何をするべきかしら」 85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/09(金) 14:08:42.20 ID:maneGJ/YO 橘「とりあえず昨日の非を謝って、そのあとちょっと釘をさしておくのがいいでしょう」 橘「飴と鞭ですね、そのバランスが大切です」 佐々木「…でも橘さん、今みたいな話に凄い詳しいわね」 佐々木「少し感心した」 橘「まぁ…私もいろいろ苦労してるんですよ…」 86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/09(金) 14:11:32.13 ID:maneGJ/YO 佐々木「相談に乗ってくれてありがとう、頑張ってみるね」 橘「お構いなく、私達は今はただの友達なんですから」 佐々木「ふふ、ありがとう」 橘「それじゃあまた」 佐々木「さて、頑張ってみようかな」 90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/09(金) 14:14:06.58 ID:maneGJ/YO キョン「はい…はい…申し訳ございません、それらは全てこちらの不手際で」 キョン「…はい、失礼します…」 キョン「くそ…」 同僚「どうしたんだよキョン、らしくねーぞ」 キョン「悪い、少しの間一人にしてくれないか」 同僚「そうしたいのは山々なんだがな…ほら、あれ」 91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/09(金) 14:18:39.38 ID:maneGJ/YO キョン「…マジ、なのか」 同僚「しかもありゃいつもの雑談する空気じゃねぇな、今の電話が関係してるんじゃ」 キョン「……」 同僚「おいキョン、大丈夫か」 キョン「っ、ああスマン、問題ない」 キョン「行ってくる、伝言ありがとな」 同僚「おお…無理すんなよ」 92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/09(金) 14:21:13.38 ID:maneGJ/YO …ご注意ください キョン「はぁ、はぁ、…くそが!」 キョン(ぎりぎり間に合わないとは…駄目な日はとことん駄目だな) キョン「ちくしょう…」 キョン(タクシーで帰るしか…) キョン(…) 93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/09(金) 14:23:57.10 ID:maneGJ/YO キョン(今家に帰ったところで、ただ気まずいだけじゃないか?) キョン(今朝も何も話せなかったし) キョン(…俺が) キョン(俺が何をしたっていうんだ…) キョン(…久しぶりに、一人酒でもするか) 95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/09(金) 14:26:39.51 ID:maneGJ/YO 佐々木「…はぁ」 佐々木「今日も、遅いみたいだな」 佐々木「…連絡、してみようかな」 佐々木「でもまだ仕事中だったりしたら」 佐々木「…待つか」 98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/09(金) 14:33:26.02 ID:maneGJ/YO キョン「ああ…久々にがっつり飲んだ」 キョン(家じゃ酒も厳しく規制されちまってるからなぁ) キョン「うっ…頭が…」 キョン「…はぁ、何やってんだろうな、俺は」 キョン「こんなの、現実逃避もいいところ…」 ハルヒ「あれ?キョン?」 99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/09(金) 14:38:23.45 ID:maneGJ/YO キョン「え?」 ハルヒ「あ、やっぱりキョンじゃない!久しぶり」 キョン「ハルヒ…か?」 ハルヒ「そうに決まってるでしょう、懐かしいわね、前にSOS団で集まったとき以来かしら」 キョン「なんで、こんなところに?」 ハルヒ「今住んでる家がここの近くなのよ、だから、帰宅途中」 100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/09(金) 14:41:27.18 ID:maneGJ/YO キョン「そう、だったのか、奇遇だな…っ」 ハルヒ「ってちょっと、あんためちゃくちゃ顔赤いじゃない!?大丈夫?」 キョン「ああ、問題ない…ないから、大丈夫、大丈夫…」 ハルヒ「残念だけど、とてもそうは見えないわよ…ええと、タクシー呼んでこようか?」 キョン「……」 ハルヒ「…ってキョン?ちょっと?起きなさいよもう!」 102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/09(金) 14:44:01.96 ID:maneGJ/YO キョン「…ぐ、ん?」 ハルヒ「あ、やっと起きた?」 キョン「ハルヒ…?っ、ここは、どこだ」 ハルヒ「私ん家よ…お水飲める?」 キョン「すまん、頼む」 ハルヒ「わかった、ちょっと待ってて」 105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/09(金) 14:47:32.95 ID:maneGJ/YO キョン(なんで俺がハルヒん家にいるんだ…?) キョン(確か、終電逃して、そのあと酒飲みに行って、それで…) キョン(ダメだ、そこら辺からの記憶がない) ハルヒ「はい、お水」 キョン「ああ、頂くよ…」 ハルヒ「あんたってば、いきなり眠っちゃうんだからびっくりしたわよ」 106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/09(金) 14:51:43.09 ID:maneGJ/YO キョン「そう、だったか?」 ハルヒ「そうよ、近かったとはいえあんた一人支えて帰ってくるのは疲れたわよ」 キョン「…本当、悪いな、迷惑かけちまったみたいで」 ハルヒ「め、迷惑だなんて思うはずないでしょ!」 ハルヒ「団長が団員の世話を見るのは当たり前なんだから!」 キョン「それでも、だ」 キョン「ありがとな」 ハルヒ「…うん」 108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/09(金) 14:55:32.02 ID:maneGJ/YO キョン「さて、目も覚めたし、そろそろ帰るよ…っと」 ハルヒ「ちょ、まだ足ふらふらしてんじゃない!無理しないで」 キョン「…すまん」 ハルヒ「別にいいわよ、私は明日仕事休みで1日暇だから」 キョン「そうか」 ハルヒ「…だから、もう少しゆっくりしていきなさいよね」 109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/09(金) 14:58:08.27 ID:maneGJ/YO キョン「はぁ…」 ハルヒ「…」 キョン「…」 ハルヒ「…」 キョン「なぁ」 ハルヒ「なに?」 キョン「なんでそんなじっと見てるんだ?」 ハルヒ「じ!じっとなんか見てないわよバカキョン!」 キョン(怒らないでくれ、頭に響く) 111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/09(金) 15:01:59.27 ID:maneGJ/YO ハルヒ「…ねぇ、あんた今働いてるの?」 キョン「見ればわかるだろう、しがないサラリーマンだ」 キョン「そういうお前はどうなんだ?」 ハルヒ「私?私も適当にOLやってるわよ」 キョン「へぇ、お前がOLってなんだかイメージ湧かないな」 ハルヒ「どういう意味よ、それ」 キョン「深く考えてくれるな」 113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/09(金) 15:10:08.67 ID:maneGJ/YO キョン「っと、もうこんな時間か」 キョン「さすがに帰るよ、世話になったな」 ハルヒ「…ううん、気にしないでいいから、気をつけて帰りなさいよ」 キョン「ああ、よっこい…っと!」 ハルヒ「え?あ!危な」 ハルヒ「…」 キョン「…」 ハルヒ「ちょっと…どいてよ…」 115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/09(金) 15:12:16.14 ID:maneGJ/YO キョン「…」 ハルヒ「…キョン?」 キョン「あ、ああすまないすぐに」 ハルヒ「ま、待って!」 キョン「…どいてくれと言った後に、その手は矛盾してないか?」 ハルヒ「…」 ハルヒ「も…少しだけ」 118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/09(金) 15:15:24.14 ID:maneGJ/YO キョン「は?」 ハルヒ「…」 キョン(…高校のときから思っていたが、こいつは黙っていれば本当にただの美少女だな) キョン(あ、今は美少女じゃなくて美女になるのか) キョン(って、俺は一体何を) ハルヒ「…キョン」 キョン「…なんだ」 ハルヒ「もっと顔…近づけてよ」 119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/09(金) 15:18:35.42 ID:maneGJ/YO 佐々木「…さすがに遅すぎだ」 佐々木(もしかして…何か事故か何かに…) 佐々木(…いや、考えすぎだな) 佐々木(キョンのことだ、どうせ気まずくて帰れなくてどこかでお酒でも飲んでいるんだろう) 佐々木(くっくっく、そういえば去年にもあったな、私が彼の行為を目撃してしまったときに) 120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/09(金) 15:21:28.24 ID:maneGJ/YO 佐々木(あのときのキョンのびっくりした顔…可愛かったなぁ) 佐々木(朝酔っ払って帰ってきて、それ以来家でのお酒も制限したんだっけ) 佐々木(キョン…) 佐々木「会いたい…会って、ちゃんと仲直りしたいよキョン…」 佐々木(…メールだけ、送っておこうかな) 125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/09(金) 15:34:35.72 ID:maneGJ/YO キョン「ハル、ヒ…?」 ハルヒ「私ね、今OLやってるって言ったじゃない」 ハルヒ「働いてる会社は結構大きいところで、私もそれなりにやりがいを感じてる」 ハルヒ「でも…時々ヘマしちゃったり、嫌なことがあったりすると…」 ハルヒ「考えちゃうのよ、私何やってるんだろうって」 キョン「…」 128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/09(金) 15:38:04.35 ID:maneGJ/YO ハルヒ「誰かのためじゃない、自分のために働くのは普通だって…当たり前なのに」 ハルヒ「一人じゃ、やっぱり耐えられなくなるのよ」 ハルヒ「昔みたいに…SOS団みたいな仲間がいたころを思い出さずにはいられないの」 キョン「ハルヒ…」 キョン(俺も、俺も同じだ) キョン(仕事に…今現在の自分がわからなくなって、不安になる…) キョン(ハルヒも、苦しんでたのか) 130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/09(金) 15:40:37.80 ID:maneGJ/YO ハルヒ「キョン…」 キョン(つらいのは、俺だけじゃなかった) ハルヒ「お願いだから…」 キョン(こいつだって、ハルヒだって…) ハルヒ「もっと顔を近づけて…」 キョン(ハルヒ…) ハルヒ「キョ…ん」 132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/09(金) 15:44:57.44 ID:maneGJ/YO 佐々木「どんなメールにしようかな」 佐々木「飲みすぎないように…っていうのもおかしいか、向こうの動きが全部わかってるわけじゃないんだし」 佐々木「あまり遅くならないゆうに…もう十分遅いか」 佐々木「…気をつけて帰ってきて、でいいか」 佐々木「くっくっく、我ながら、かわいらしい一文だ」 佐々木「…さて、朝帰りのキョンを出迎えてあげるために、もう眠っておくか」 151 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/09(金) 16:17:26.92 ID:maneGJ/YO キョン「ん…んん…」 キョン「頭痛ぇ…ここは、どこだ」 キョン「確か昨日は、終電間に合わなくて、そんで酒…を…」 153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/09(金) 16:19:27.23 ID:maneGJ/YO ハルヒ「すぅ…すぅ…」 キョン「…」 キョン「お?」 キョン「えと…ハルヒ、か?」 キョン「な、なんでこいつが俺の隣で寝て…しかも裸…」 キョン「あ」 155 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/09(金) 16:21:43.13 ID:maneGJ/YO キョン「そうだ、そうだった…思い出した」 キョン(昨日、俺が酔っ払って、そんでハルヒん家に来て) キョン(それで…) キョン「……マジ、だよなぁこれ」 ハルヒ「ん…キョン?」 158 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/09(金) 16:25:45.18 ID:maneGJ/YO キョン「っ!ハ、ハルヒ…」 ハルヒ「おはよう、って何アホみたいな顔してんの?」 キョン「ま、前を隠せ前を」 ハルヒ「前?…い!」 キョン(殴られる!…ん?) ハルヒ「べ、別に構わないわよ、昨日…あんな…」 キョン(って言いながら隠してるのはやっぱり恥ずかしいからか…ってそうじゃなくてだ!) 162 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/09(金) 16:34:42.07 ID:maneGJ/YO ハルヒ「と、ところであんた、大丈夫なの?」 キョン(いや、なんかいろいろとダメな気しかしないな…とは言えない) ハルヒ「時間、とか…私は今日休みだけど、キョンは仕事じゃないの?」 キョン「え?…い、今何時だ!?」 ハルヒ「へ?」 キョン「しまった寝過ごした!す、すまんハルヒ!もう行かないとなんだ!」 163 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/09(金) 16:37:50.90 ID:maneGJ/YO ハルヒ「ちょ、ちょっとキョン?」 キョン「なんだ?今服着てるから手は離せないぞ」 ハルヒ「えっと…はい、できた」 キョン「ん?」 ハルヒ「これ、私ん家と駅までの道だから、これ見て行けば大体わかるでしょ」 キョン「おお、恩に着る」 ハルヒ「あ、あとそれから…」 164 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/09(金) 16:40:39.46 ID:maneGJ/YO キョン「っ!」 ハルヒ「ま、待ってる…から」 ハルヒ「私今日は1日家にいると思うし、その…仕事終わって、都合ついたらでいいから」 キョン「ハルヒ…」 ハルヒ「…な、何よ!時間危ないんでしょ!早く行きなさいよ!!」 キョン「わ!わかった、わかったから押すなって!」 169 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/09(金) 16:43:15.66 ID:maneGJ/YO キョン「はぁ、はぁ…なんとか、これなら間に合いそうだ」 キョン(これもハルヒの地図のおかげだな…) キョン(……) キョン(どうしたものか) キョン「とりあえず携帯で連絡を…って」 キョン「電源切れてやがる…」 174 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/09(金) 16:48:53.73 ID:maneGJ/YO 佐々木「…もう、出勤時間か」 佐々木「結局、帰って来なかったな」 佐々木「メールも…何も連絡はないし」 佐々木「…万が一、なんてことは…」 佐々木「…」 佐々木「会社に電話してみよう」 176 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/09(金) 16:53:13.42 ID:maneGJ/YO キョン「ま、間に合った…」 同僚「おっすキョン、なんだ、朝からバテバテだな」 キョン「少しばかり寝坊してな、慌ててきたんだ」 同僚「へぇ?寝坊?」 キョン「…なんかおかしいか?」 同僚「あぁ、お前今まで寝坊なんてしたことなかっただろ?だから、珍しいなって」 183 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/09(金) 17:01:53.58 ID:maneGJ/YO キョン「そうだったか?」 同僚「少なくとも遅刻はしてないよな…お気に入りの目覚ましでもこわれたのか?」 キョン「はあ?そんなんじゃ…」 キョン「…」 同僚「ま、これ以上あのじじいの逆鱗にだけは触れないように努力しろよな」 キョン「何様だバカ」 同僚「あははは」 185 名前:しまった[sage] 投稿日:2009/10/09(金) 17:06:12.68 ID:maneGJ/YO キョン(ああそっか…今まで俺は寝坊したことがなかったんだ) キョン(そりゃ気づかないはずだ…だって、自分で起きたことなんて、そうそうなかったんだから) キョン(…ダメだな、俺は) キョン「同僚」 同僚「なんだ」 キョン「俺を殴れ」 同僚「はぁ?」 187 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/09(金) 17:10:03.79 ID:maneGJ/YO 佐々木(もうさすがに…会社についてるよな) 佐々木「…」 佐々木「あ、もしもし…私そちらで…はい、その…」 佐々木「本当ですか?あ、別に問題というわけでは…」 佐々木「はい…彼が、ええと、弁当を忘れていってしまってそれで…はい」 佐々木「ありがとうございました、失礼します…」 佐々木(…変な言い訳をしてしまったな) 191 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/09(金) 17:15:05.40 ID:maneGJ/YO 同僚「キョンー、今日も弁当か…ってあれ?」 キョン「悪かったな、今日は外でくってくるよ」 同僚「…今日のお前は珍しい尽くしだな、引っ越しでもしたのか?」 キョン「ばっ、んなわけねぇだろ!」 同僚「冗談だって…そんじゃ、また午後な」 キョン「おう」 193 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/09(金) 17:18:53.55 ID:maneGJ/YO 上司「んん?キョン君の姿が見えないようだが」 同僚(うげっ) 同僚「あいつなら外で食べてくるって言ってましたけど…」 上司「むむむそうか、それはちょっと困ったなぁ」 同僚「と、言いますと?」 上司「いや、これからキョン君の」 佐々木「失礼します」 199 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/09(金) 17:31:37.25 ID:maneGJ/YO いらっしゃいませー キョン(今日はできる限り早く帰って、全部謝ろう) キョン(…黙って、秘密にしてるのが1番駄目だよな) キョン(ハルヒにも、ちゃんと話さないと) キョン(…うし、頑張ろう) 200 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/10/09(金) 17:34:23.78 ID:maneGJ/YO キョン「よっしゃ、午後も頑張るかなぁっと」 同僚「おいキョン」 キョン「ん?」 同僚「もう一回、殴ってもいいか」 キョン「はぁ?」 203 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/09(金) 17:38:20.66 ID:maneGJ/YO キョン(弁当…) 同僚「そりゃ確かに毎日あんな手のこんだ弁当見てたし薄々気づいてたけど」 キョン(わざわざ…ここまで持ってきてくれたのか) 同僚「でもさ、お前だけは…味方だって信じていたかったんだ」 キョン(本当に、情けないやつだな、俺は) キョン「同僚」 同僚「あ?」 キョン「殴ってく」 同僚「任せろ!」 214 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/09(金) 17:46:07.73 ID:maneGJ/YO 上司「いやはや、今日はキョン君のおかげで助かったよ」 上司「まさに名誉挽回、改めて素晴らしいと思うよ」 キョン「ありがとうございます」 上司「キョン君を見てると若いころの私を思い出すな…あれは」 キョン「すいません、今日は早く帰りたいんです」 上司「うん?ああそうだね、早く帰ってあげなさい」 キョン「はい、失礼します」 上司「明日は休みだからね、ゆっくりしておいで」 219 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/09(金) 17:51:32.45 ID:maneGJ/YO キョン「さて、それじゃ帰るとしますか」 ハルヒ『待ってるから』 キョン「…あー」 キョン(あいつにもちゃんと、話つけないといけないんだよなぁ) キョン(どうせいつもより早いし連絡は取れないし…ハルヒに先に会いに行っておくか) 227 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/09(金) 17:59:26.82 ID:maneGJ/YO 佐々木「キョン…お弁当食べてくれたかな」 佐々木「くっくっく、君だけだよ、僕をこんな弱々しい思いにさせてしまうのは」 佐々木「…久しぶりに、駅まで迎えに行ってあげようかな」 佐々木「…飴を与えすぎだろうか」 佐々木「くっくっく」 230 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/09(金) 18:04:04.09 ID:maneGJ/YO すいません、用事あるので夜まで落ちます 251 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/09(金) 19:02:47.81 ID:maneGJ/YO キョン「すー…はー…」 キョン(俺のやったことは最低だが、このまま引きずるのはもっと最悪なんだ) キョン(勇気を出しやがれ…っ!) ピンポーン ハルヒ『はい』 キョン「ああハルヒか?俺だ」 ハルヒ『あ!キョン!ちょっと待ってて、すぐ行くから!』 投下ペース遅くなります 申し訳ない 255 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/09(金) 19:13:19.85 ID:maneGJ/YO ハルヒ「おかえり!キョン」 キョン「おかえりって…別にここは俺ん家ではないだろ」 ハルヒ「あ、うん…ごめんなさい…」 キョン「おいおい、そこまで落ち込むなよ、怒ってるわけじゃないんだから」 ハルヒ「う、うるさいわね!どうしようと私の勝手でしょ!」 キョン(全く…こいつは変わったんだか、変わってないんだか) 257 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/09(金) 19:23:00.10 ID:maneGJ/YO ハルヒ「キョン、もうご飯食べて来ちゃった?」 キョン「…いや、まだだが」 ハルヒ「よかったぁ、私あんたの分まで余計に作っちゃったのよ」 キョン「…ハルヒ、聞いてほしい」 ハルヒ「あ、あれよ?最初からあんたのも作ろうとか思ってたわけじゃなくて」 キョン「ハルヒ…」 ハルヒ「昨日の、その…お詫びとかそういうつもりじゃ」 キョン「…聞いてくれハルヒ!」 260 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/09(金) 19:27:53.12 ID:maneGJ/YO ハルヒ「えっ?」 キョン「俺は…お前に謝らなくちゃならん」 ハルヒ「や、やめなさいよそんな土下座なんて、みっともない」 ハルヒ「昨日のことなら、ほら、私は全然気にしてないし」 ハルヒ「だから顔上げ」 キョン「…俺には」 キョン「俺には今、真剣に付き合ってる彼女がいる」 261 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/09(金) 19:35:37.39 ID:maneGJ/YO ハルヒ「…え?」 キョン「なのに…すまなかった」 ハルヒ「え、ええと」 ハルヒ「冗談、とかじゃなくて?」 キョン「…」 ハルヒ「…単に、私に責任感じて面倒になったとかじゃなくて?」 キョン「…」 ハルヒ「…」 267 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/09(金) 19:45:29.58 ID:maneGJ/YO ハルヒ「…相手は」 ハルヒ「私の、知ってる人?」 キョン「…高校のとき会った佐々木って、覚えてるか?」 ハルヒ「…あの子、か」 キョン「…」 ハルヒ「もういいから、顔上げてよ」 270 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/09(金) 19:57:01.27 ID:maneGJ/YO キョン「…本当に、すまなかった」 ハルヒ「だーかーら、もう謝らなくていいってば」 ハルヒ「昨日はあんたかなり酔ってたし、私も仕事で凹んでたし」 ハルヒ「一時の気の迷いみたいなものだったんだから、私は平気」 キョン「…そういってもらえると、助かる」 ハルヒ「ていうかキョン、あんた私なんかより佐々木さんに謝るべきじゃないの?」 276 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/09(金) 20:09:16.49 ID:maneGJ/YO ハルヒ「佐々木さんがどこに住んでるのか知ってるの?」 キョン「ああ、一応一緒に住んでるからな」 ハルヒ「いっ…ま、まぁわかってるなら話は早いわ」 ハルヒ「早く行ってきなさい」 キョン「だが」 ハルヒ「うるさい!恋人をないがしろにするなんて団員にあるまじき行為だわ!」 281 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/09(金) 20:14:18.91 ID:maneGJ/YO キョン「おわっ、だから押すなって」 ハルヒ「うるさいって言ってんの!早く、行きなさいよ!」 キョン「うるさいのはどっちだ、って痛い痛いわかったから!」 ハルヒ「しっかりけじめ、つけてきなさい!」 キョン「…ああ」 283 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/09(金) 20:20:24.87 ID:maneGJ/YO ハルヒ「はぁ…」 ハルヒ「キョン、行っちゃった」 ハルヒ「…どうしようかなぁ、このご飯」 ハルヒ「頑張って、食べるしかないわよね…」 ハルヒ「…」 ハルヒ「うっ、ひう…」 ハルヒ「泣いて…ひくっ、なんか、やらな、いんだからっ…うっ」 293 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/09(金) 20:33:34.84 ID:maneGJ/YO キョン(佐々木…) キョン(…そういや、こんなことになったきっかけは、なんだったかな) キョン(一昨日の口論、というか俺が一方的に責められてただけな気がするが) キョン(…一昨日?) キョン「ああ、なるほど、しまった」 キョン(やっぱり俺は、どうしようもない駄目なやつだったんだな) キョン「ここまで駄目だと、もはや笑えてくるな」 297 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/09(金) 20:37:28.92 ID:maneGJ/YO キョン(っと、バカなことを考えてる暇はない) キョン(帰る前にもう1つ、用事ができちまったからな…) 佐々木(…夜は案外冷えるものだな) 佐々木(もう少し着込んできてもよかったかもしれない) 佐々木(…キョン) 298 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/09(金) 20:45:51.55 ID:maneGJ/YO 佐々木(くっくっく、つい最近まで、会えたとしても朝と夜の少しの間だけだったのに) 佐々木(ほんの1日、全く会えなくなるだけでここまで) 佐々木(ここまで…苦しくなるなんてね) 佐々木「…はぁ」 佐々木(キョン…キョン…) 299 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/09(金) 20:50:46.64 ID:maneGJ/YO キョン(結局、かなり遅くなってしまったか) キョン(…佐々木、実家に帰ってたりしてないだろうな) キョン(…) キョン(その展開はかなり恐ろしい、というか、想像したくない) キョン(どれ、家までダッシュで) 佐々木「やぁキョン、おかえり」 300 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/09(金) 20:55:29.28 ID:maneGJ/YO キョン「うおわ!!」 佐々木「ふむ…随分とご挨拶なリアクションだね」 佐々木「それとも、1日ぶりに僕に会えたのがそんなに嬉しいのかな?」 キョン「あーいや、その…」 佐々木「くっくっく」 佐々木「とりあえず、帰ろう」 佐々木「ここは、少し冷える」 304 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/09(金) 21:00:02.90 ID:maneGJ/YO 佐々木「…」 キョン「…」 佐々木「…」 キョン(く、空気が重い) キョン(もうすぐにでも、全部吐き出したい…っ) キョン「なぁ、佐々」 佐々木「話は帰ってから、にしてくれ」 キョン「はい…」 306 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/09(金) 21:07:34.69 ID:maneGJ/YO キョン「た、ただいま」 佐々木「はい、おかえりなさい」 キョン「…で、話」 佐々木「まずは手荒いうがいだ、そうだろう?」 キョン「はい…」 佐々木「この季節、ただでさえ風邪をひきやすいんだ、しっかり予防しないと」 307 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/09(金) 21:10:46.08 ID:maneGJ/YO キョン「…」 佐々木「待たせたね、キョン」 キョン「いや…」 佐々木「さて、君が話したくて堪らないであろうことを聞く準備がようやくできた」 佐々木「私からも言いたいことはあるが、それはそのあとでいい」 キョン「え?なら佐々木が先に」 佐々木「キョン」 キョン「はい」 311 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/09(金) 21:16:48.57 ID:maneGJ/YO 佐々木「…」 キョン「…以上だ」 佐々木「…」 キョン「っ!す、すまなかった」 佐々木「…」 キョン「……」 佐々木「…うん、そのまま、頭を下げたままで聞いてくれ」 315 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/09(金) 21:22:55.70 ID:maneGJ/YO 佐々木「…くっくっく」 佐々木「さすがはキョン、とでも言うべきなんだろうか」 佐々木「正直、この1日でそこまでされるとは思っていなかったよ」 キョン「っ、佐々木!俺は真面目に」 佐々木「頭を上げないでくれと言っただろう?」 キョン「う…」 佐々木「…」 318 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/09(金) 21:26:55.02 ID:maneGJ/YO 佐々木「正直…呆れた、というより驚愕の一言に尽きる」 佐々木「まさか橘さんの言うことがここまで的確に…」 キョン(橘?) 佐々木「うん、何と言うか、キョン」 佐々木「僕は今、非常に悲しい」 キョン「…」 323 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/09(金) 21:31:55.86 ID:maneGJ/YO 佐々木「悲しくて…泣いてしまいそうだ」 佐々木「もしかしたら君には平気そうに感じるかもしれないが」 佐々木「僕は今、自分を見失わないようにするので精一杯だよ」 キョン「…すまん」 佐々木「とても…とても悲しくて…」 佐々木「そして、悔しい」 328 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/09(金) 21:35:06.39 ID:maneGJ/YO キョン(え…) 佐々木「キョン、こっちを向いて」 キョン「へっ…っ!?」 佐々木「くっくっく…」 キョン「な…」 佐々木「キス、するのも1日…いや、2日ぶりかな」 335 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/09(金) 21:44:25.55 ID:maneGJ/YO キョン「な、なにを、いきなり」 佐々木「…言っただろう、悔しいって」 佐々木「一昨日のことも、昨日のことも…どれも愛想をつかせるには十分過ぎる理由だ」 佐々木「それでも僕は」 佐々木「っ…君をこんなにも愛している」 佐々木「それが、とても悔しい」 363 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/09(金) 22:30:54.60 ID:maneGJ/YO キョン「…」 佐々木「くっくっく、その顔、最高だよ」 キョン「…なんだかなぁ」 佐々木「言っておくけどね、僕は君のしたことを完全に許したわけではない」 佐々木「今後、同じようなことは慎んでほしい」 佐々木「これは、君の恋人としてのお願いだ」 キョン「…当然、そうするさ」 佐々木「うん、頼む」 366 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/09(金) 22:34:41.03 ID:maneGJ/YO 佐々木「…ふぅ、なんだかものすごく疲れたよ」 佐々木「キョン、明日は休みだったよね?」 佐々木「仕事で疲れた君に愛を尽くして奉仕したいところだが、この調子では無理なようだ」 佐々木「少し、休ませてくれ」 キョン「ちょっと待て、最後にもう1つ」 373 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/09(金) 22:39:19.49 ID:maneGJ/YO 佐々木「なんだい?まさか、まだ僕に隠してることでも?」 キョン「そんな心底うんざりな顔をしないでくれ」 キョン「これは、俺なりのけじめだ」 佐々木「うん?」 キョン「2日遅れだが、付き合って1周年、ありがとう」 キョン「そして、これからもずっと一緒にいてほしい」 380 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/09(金) 22:42:09.75 ID:maneGJ/YO 佐々木「…」 キョン「結婚しよう」 佐々木「…くっ」 佐々木「くっくっくっく」 佐々木「キョン、君というやつは…」 佐々木「浮気をしたその次の日にプロポーズかい?」 佐々木「とても、正気とは、思えな…いよ…」 佐々木「…ひっ…ひう…本、当…バカ…」 388 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/09(金) 22:45:24.55 ID:maneGJ/YO キョン「別に、許してほしくて言ってるんじゃない」 キョン「あえて言うなら、俺は一生をかけてこの罪をつぐなっていくつもりだ」 キョン「…愛してる」 佐々木「…も…うっ、意味が、わからないな…」 佐々木「指輪まで、用意、して…だったら、浮気なん、てするなよ、バカぁ…ぐすっ」 391 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/09(金) 22:48:12.15 ID:maneGJ/YO キョン「…悪かった」 佐々木「ひぐっ…絶対、許さないよ」 佐々木「一生、僕らが死ぬまで、許して、なんか、やるものか」 キョン「…ああ、わかった」 一生愛してるよ、キョン 402 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/09(金) 22:54:20.73 ID:maneGJ/YO 1ヶ月後 キョン「んー、久々の休みは家でのんびりするのにかぎるな」 佐々木「また親父くさいことを…そのうち、本当にただの中年に成り下がってしまうぞ」 キョン「いや、中年になるのは避けられない道だしなぁ…っと、携帯携帯」 佐々木「…キョン、僕、君に1つ大切な話があるんだ」 キョン「ハルヒ?なんの用だ」 407 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/09(金) 22:57:48.95 ID:maneGJ/YO 佐々木「たいした話じゃない…というと語弊があるが、まぁたしかに僕達にとっては大切な話だ」 キョン「この1ヶ月、なにしてたんだよハルヒ」 キョン「結婚式の話をしようにもここ数週間は全く連絡取れなかったし」 ハルヒ『うん、ゴメンね、キョン』 ハルヒ『私にもいろいろあったの…』 412 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/09(金) 23:00:51.44 ID:maneGJ/YO 佐々木「僕らが未来永劫人生をともにするというのなら、確実に重要だ」 佐々木「だから、心して聞いてほしい」 ハルヒ『ねぇキョン?私、今どこにいるかわかる?』 キョン「はぁ?そんなもんわかるわけ」 ハルヒ『病院よ、産婦人科』 キョン「あ?」 ハルヒ『私、妊娠してるの』 421 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/09(金) 23:04:07.21 ID:maneGJ/YO キョン「は…」 佐々木「ちょっとキョン……聞いてるかい?」 佐々木「って何だ、電話してたのか…邪魔して悪かっ」 キョン「どういうことだ」 佐々木「…キョン?」 ハルヒ『どうって、私ここ何ヶ月、忙しくて男なんてずっといなかったのよ?』 ハルヒ『キョン、あなた以外は』 428 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/09(金) 23:07:37.52 ID:maneGJ/YO ハルヒ『うふふ…まさかあの夜だけでできちゃうなんて…奇跡だと思わない?』 キョン「待って、待ってくれ、ハルヒ」 佐々木「ハルヒ?相手は涼宮さんなのかい?」 ハルヒ『今すぐキョンに会いたいなぁ…それで、お腹の子に見せてあげるの』 ハルヒ『あなたのパパよぉ、って』 436 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/09(金) 23:10:04.54 ID:maneGJ/YO 佐々木「キョン?涼宮さんと何を話しているんだ?顔が真っ青だぞ」 キョン「そ…んな…」 佐々木「キョン!聞いてるかい!?キョン!!」 ハルヒ『ふふ…私達は、ずっと、ずぅーっと一緒』 ハルヒ『…愛してるわ、キョン』 444 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/10/09(金) 23:20:12.12 ID:maneGJ/YO 決めましたもう終わり ハッピーエンドがいい人は>>391で終わりな感じで 自分はもっと欝な感じなのを書きたかったんですけど、佐々木がかわい過ぎて無理でした 保守支援してくれた人ありがとうございました