古泉「どしゃ降りの中で笑っていますよ」 1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/12(土) 19:43:44.71 ID:YaAYUWVjO 僕が『転校』してきて、SOS団に入団してから一年が過ぎた。 今まで色々な事があったし勿論これからも色々な事が起こるのだろう、少しばかり胃袋に痛みを感じながらも、内心ではワクワクしている僕がいる。 このような毎日を過ごせるのは、SOS団員だけの特権なのだから。 2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/12(土) 19:45:02.81 ID:YaAYUWVjO そんな僕でも、昔は『神』を憎んだものだ。 中学一年の時に何の前触れもなく超能力を与えられ、家族から引き離され機関に……拉致と言うのが正しい表現だろう、された当時は『神』を心の底から恨んだ。 お前なんていなければいいのに、と。 6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/12(土) 19:51:12.62 ID:YaAYUWVjO 同じ中学一年の時に『神』の顔写真を見せられた。 機関の一員である以上は建前上では、機関上層部の顔よりも頭に焼き付けておくべき最優先事項なのだから。 ……そして、『涼宮ハルヒ』を見て、僕は恋に落ちた。 それ以降、どのような無理難題を課せられようと、彼女を憎む事は出来なくなった。 僕が憎むべきは、『彼女がそんな能力を持っている事』ではあっても、『彼女自身』ではなくなったから。 10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/12(土) 19:59:14.45 ID:YaAYUWVjO キョン「おい古泉、なーにを黄昏てやがるんだ、お前の番だぞ?」 キョン「まぁ、もっとも、この戦況をひっくり返すのは不可能だと思うがな」 ……彼が口元を歪めて笑いながら言う。 あぁ、そう、そうだ、まだSOS団の活動中じゃないか。 頭の中で、鬼神のように怒り狂う上司を想像して頭を冷やした後、現実世界と、そして彼と向き合う。 結果はもう見えていますがね。 12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/12(土) 20:10:36.95 ID:YaAYUWVjO 長門「……涼宮ハルヒが帰宅したのを確認、これ以上部室に居る必要はないと思われる」 キョン「そうか……やっぱり帰っちまったか」 既に、僕らがSOS団として活動している年月は一年を過ぎている。 そしてそれは、SOS団のマスコットキャラである朝比奈さんと、名誉顧問の鶴屋さんの卒業が近づいているということ。 涼宮さんも、朝比奈さんに対して「無理に来なくていい」とは言っていたものの、内心ではやはり寂しいのだろう。 こうして、欠席する日が増えてきている。 14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/12(土) 20:19:14.14 ID:YaAYUWVjO 本日のSOS団の活動は……いや、一人は読書に熱中して二人はボードゲームに熱中してただけだから活動と言えるかどうかは微妙な所ではあるが、終了となった。 彼と長門さんと別れ、一人どしゃ降りの雨の中を歩いて帰る。 涼宮さんの心の葛藤を再現したかのような、どしゃ降りの最中。 「どうしたら涼宮さんの心を晴らす事が出来るのか」 それだけを考えながら、少しだけ僕は歩きだした。 16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/12(土) 20:32:14.23 ID:YaAYUWVjO 翌日、放課後、SOS団部室。 今日は朝比奈さんが来ている為、涼宮さんも普段の2割増しぐらいに上機嫌だ。 機関の一員として、SOS団の一員として、それ以上に恋心を抱く者として、こちらも2割増しの笑顔で応える。 その結果として彼の負担も2割増しのようだったが、まぁ、これから数少なくなっていくであろう朝比奈さんが部活に参加してくれる日をぶち壊すような真似はさすがにしなかった。 やれやれ、その優しさを少しでも涼宮さんに分けてあげてくださいよ。 でなければ僕は、届かない声でこの気持ちを叫んでしまいそうだ。 18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/12(土) 20:48:00.38 ID:YaAYUWVjO 涼宮さんが好意を抱いているのは彼であって、僕ではない。 僕は所詮、SOS団という、照れ屋な恋する少女が意中の人と一緒にいる為に作った『隠れ蓑』の中の藁の一本に過ぎない。 ただ、それは役割の話であって、僕の存在自体が藁ということはない。 僕は、人間だ。 『機関の一員』より先に、『隠れ蓑の藁の一本』より先に、人間だ。 20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/12(土) 20:51:56.70 ID:YaAYUWVjO 僕は、「涼宮さんを僕が幸せにしてあげたい」「涼宮さんが幸せならそれでいい」というエゴとエゴのジレンマに苛まれている。 人間、そう、僕が人間である事は間違いない。 では、「人間らしさ」とは何なのだろうか。 僕の想いを優先するのと、涼宮さんの想いを優先するのと、どちらがより人間らしい恋なのだろうか。 21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/12(土) 20:57:55.22 ID:YaAYUWVjO ……あぁ、まただ。 そうやって、堂々巡りしかしない頭脳に、結論を出すのを一任するのはやめる事にした。 この結論に行き着くのは、中学生の頃から数えたらどれだけ途方もない数になるだろうか。 『頭脳に一任するのをやめた』のもどれだけの数になるのか、分からないけど。 そうだな、目の前の彼……SOS団の仲間であり、僕の唯一の友達であり、恋敵でもある……をゲームで負かしたら涼宮さんに告白してみようか。 そう思いながら、今日初めて思考をゲームに割いて戦況を眺める。 なんだ、最初っから負けは確定しているようだ。 ゲームも……そしておそらく、恋も。 26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/12(土) 21:07:19.35 ID:YaAYUWVjO prrrrr 夜半、電話が鳴る。 それは機関からの電話であり、閉鎖空間の発生と、それに対処する為に僕に声がかかったのを意味する。 朝比奈さんが三年生になってから、僕は布団でぐっすり眠るなんて事は体験出来ていない。 ほぼ毎日、毎夜、閉鎖空間が発生している。 僕が涼宮さんにとっての『鍵』であったら、いや、それに思考が及ぶのも、これで一体何千回目になるだろうか。 56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/12(土) 22:05:34.53 ID:YaAYUWVjO >>26から再開 「ねぇ、森さん」 「叶わない恋に落ちてしまったら、どうしたらいいんでしょうか?」 神人が消え去った後の、ちょっとしたスペクタクルな光景を眺めながら、ふと聞いてみた。 僕の頭脳では、何をどうやっても答えは出せなかったから。 「……それは、叶わない恋なのか、叶えようとしていない恋なのか、どちらかしら?」 「あなたは機関の一員でありSOS団の一員だから、そもそも恋自体が叶わないモノ、といってもいいのかもしれないけど」 「あなたは、その恋を叶えようとしたのかしら?ただ、境遇を悲観して勝手に諦めているだけじゃない?」 60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/12(土) 22:09:48.29 ID:YaAYUWVjO 「『叶えようとしていない恋』なんてね、恋じゃないのよ」 「……叶えようとしても、いいんですか?」 「恋なんて、そもそもがエゴじゃないの」 「勝手にその人を好きになって、勝手にその人に自分を好きになってほしくなって」 「エゴから始まったモノなんだから変に取り繕わないで、エゴらしく終わらせなさい……その結末が何であろうと」 「……そうですか、ありがとうございます」 「少しはアドバイスになったのかしら?」 「ええ、助かりました」 「……僕のエゴを貫き通してみて、無理だったら諦めますよ」 62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/12(土) 22:15:54.78 ID:YaAYUWVjO 翌日、放課後、SOS団部室。 「それじゃ、今日の活動は終わり!皆バイバイ!」 そう言ったかと思うと、涼宮さんは矢のような早さで部室を駆け出していく。 今までは少々寂しいものだったが、今の僕にはそのような感慨はない。 「それでは、僕も私用がありますので」 僕も涼宮さんに見習って、矢のような早さで部室を後にする。 ドアを閉める瞬間、呆気にとられた彼らの顔が見えた。 63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/12(土) 22:25:05.37 ID:YaAYUWVjO そして、部室を後にした僕は、涼宮さんを探して走り出す。 部室棟を出て校門までの道を一望する……見えないという事はおそらく、まだ学校にいる。 そのまま、涼宮さんを探して校舎中を走り回る。 まだ学校に残っていた生徒達に変な目で見られ、汗で制服が肌にまとわりつき、思わず鞄を投げ出したくなり、それでも走り続ける。 涼宮さんを探して。 「ちょっと、どうしたのよ古泉君!」 67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/12(土) 22:35:54.87 ID:YaAYUWVjO 結局、涼宮さんを見付けたのは教室。 あれだけ必死に探し回ったせいか、涼宮さんを見付けられた安心感からか、体から力が抜けて床に座り込む。 「ど、どうしたのよ古泉君、そんな汗だくになって」 「……すいません、涼宮さんを必死に探してまして、そうしたら、このようになってしまいました」 「アタシを?」 「えぇ」 「……一緒に、帰りませんか?」 68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/12(土) 22:42:18.09 ID:YaAYUWVjO 「……それだけ?」 「えぇ、それだけですよ」 今のところは、ね。 「別にいいけど、それぐらい部室で言ってくれればいいじゃない……もう、古泉君が汗ひくまでアタシも待たなくちゃならないじゃないの!」 「それは申し訳ありません、もう大丈夫ですから」 「嘘、まだまだ汗出てきてるわよ」 「えぇ、でも……涼宮さんと一緒に帰れるなら、汗も疲れも吹き飛びますから」 「なによそれ、口説き文句?」 「いえいえ、それでは行きましょうか」 72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/12(土) 22:55:16.79 ID:YaAYUWVjO 今まで言いたかったのに言わなかったし言えなかった言葉が、すらすらと出てくる。 人とは、心の持ち様だけでここまで変われるものなんですね。 「涼宮さん、あちらにクレープ屋が新しくオープンしたのですが、寄ってみませんか?」 「ふーん、面白そうじゃない、行ってみましょ!」 「古泉君って音楽どんなのが好きなの?」 「邦楽洋楽問わず、幅広く聴いていますよ」 「へぇ、なにかオススメあるかしら?」 「そうですねぇ……」 「古泉君、あれUFOじゃない!?追いかけるわよ!」 「いや、どうみてもただの飛行機……あぁもう、待ってくださいよ!」 73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/12(土) 23:02:44.19 ID:YaAYUWVjO 「ごめんね古泉君、こんな時間まで付き合わせちゃって」 「いえいえ、僕も時間はありましたし、何より楽しかったですよ」 「そう、ならいいんだけど」 「……またそのうち、こうやって一緒に帰りませんか?」 「そうね、皆で遊ぶのも楽しいけど、二人っきりも面白かったわ!」 「ありがとうございます、それでは、また明日」 「うん、今日はありがとう古泉君!」 75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/12(土) 23:17:44.21 ID:YaAYUWVjO 涼宮さんと別れ、家路へと少しだけ歩きだす。 彼とは、明日からは本当の意味での恋敵となる。 僕のこの恋がどこまで貫き通せるかは分からないけど、僕は、もう諦めたくはない。 未来が素晴らしい日々となるように、そう願いながら少しだけ歩きだす。 終わり もう疲れたよパトラッシュ 80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/12(土) 23:38:53.99 ID:YaAYUWVjO 今まで古泉苦しめるSS書いてたから気分転換で古ハル書いてみようかと思ったけど挫折した あぁぁぁぁぁどうやったらコイツラ両想いに出来るんだよぉぉぉぉ 89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/13(日) 00:09:59.57 ID:Rc25HEVdO 長門「」パタン ハルピ「あぁ、もうこんな時間ね……それじゃ解散!キョン、戸締りちゃんとやっときなさいよ!」 古泉「……それでは、僕も帰るとします、皆さんさようなら」 キョン「おう、じゃあな」 みくる「さようならぁ」 長門「……」 90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/13(日) 00:14:36.36 ID:Rc25HEVdO ……部室棟を出て、昇降口も通り過ぎたあたりで、ようやく気付いた。 鞄を忘れてきたことに。 あぁ、もう鍵がかけられていなければいいのだけれど。 そんな事を考えながら、今来た道を気だるくなりながら戻っていく。 ……話し声が聞こえる、よかった、まだ中に誰かいるようですね。 しかし、もう解散した後だというのに、何を話しているのでしょうか? 聞き耳を立ててみますか……。 92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/13(日) 00:20:26.50 ID:Rc25HEVdO 長門「……やっぱり気付いてもらえなかった」ズーン みくる「お、落ち込みしゅぎでしゅよ長門しゃん!」 キョン「だから長門、ボードゲームに熱中してる最中じゃ、いくら視線送っても気付かないに決まっているだろう」 長門「目と目で通じ合う、そういう中になりたいな」 みくる「その歌はもう古いでしゅよぅ」 キョン「もう少し踏み込まないと駄目だぞ長門、声掛けるとかしないと」 長門「それが出来たら苦労はしない、ぐすん」 ……なんですと? 94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/13(日) 00:25:54.34 ID:Rc25HEVdO よーし、落ち着いて素数を数えましょうか、一、十、百、千……。 え、いや、待ってくださいよ。 長門さんが、僕を、見てたって? キョン「だいたい、そういうのは声や態度に出さないと気付けないぞ、長門」 みくる「声や態度に出しても気付かない人もいましゅけど……」 キョン「?」 長門「……私から声を掛けたらビッチに思われる可能性が高い、危険」 キョン「いや、それはない」 96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/13(日) 00:30:32.96 ID:Rc25HEVdO みくる「長門しゃんなら大丈夫でしゅよぅ、自信持ってくだしあ」 長門「……彼にビッチだと思われたら生きていけない」ジタバタ キョン「あー、長門、鞄に顔を埋めて悶えるのやめてくれ可愛すぎる」 みくる「……」 みくる「……」ジタバタ キョン「朝比奈さん、顔に鞄を押し付けて何やってるんですか?」 みくる「……」 97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/13(日) 00:37:00.77 ID:Rc25HEVdO あぁぁぁぁぁチクショウ、鞄に顔を埋めてる長門さん見たいぃぃぃぃぃ! でもこのまま会話を聞いていたい……くそぅ。 キョン「そういや長門、この前に買った映画のペアチケット、まだ古泉に渡してないのか?」 長門「チケット購入後にネットで調べたら、ただのスイーツ(笑)映画だと判明した為、渡す事は出来ない」 みくる「そうゆうのは先に調べとかなきゃ駄目でしゅよぅ」 僕もペアで映画観たいですよ! 映画の内容なんかどうでもいいから誘って下さいよ長門さん! 98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/13(日) 00:42:10.49 ID:Rc25HEVdO 長門「だいたい、私は涼宮ハルヒのように明るい性格ではなく、朝比奈みくるのような魅力的なプロポーションもない、私の女性的魅力は皆無」 キョン「あー、それは違うぞ長門、長門には長門の魅力がある」 みくる「そうでしゅよぅ、そんなに自分を卑下しないでくだしゃい」 大丈夫です長門さん、僕はあなたの魅力をよーっく分かっていますよ。 とりあえず、明日あたり僕から声をかけてみましょうかねぇ……。 101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/13(日) 00:52:27.37 ID:Rc25HEVdO 翌日、授業終了後。 古泉「もしもし、今日はSOS団の活動はないらしいですよ」 みくる「わかりましたぁ」 古泉「もしもし、あなたの妹さんが拉致されましたよ」 キョン「!すまない古泉、恩に着る!」 古泉「もしもし涼宮さん、彼が涼宮さんと追いかけっこがしたいそうで……ほら、今教室を猛烈な勢いで走って出ていきませんでした?追いかけてあげて下さい」 ハルヒ「分かったわ!待ちなさーいキョン!」 古泉「ふぅ、これで邪魔者はいなくなった、と」 古泉「それじゃ部室に行きますか」 102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/13(日) 00:58:11.38 ID:Rc25HEVdO コンコン ガチャ 古泉「あぁ、こんにちは、長門さんだけですか」 古泉(僕がそう仕向けたんですがね) 長門「……私だけ」 長門(声掛けられちゃったよぉぉぉ誰か助けにきてぇぇぇぇ) 古泉「えーと、それじゃ、皆さん来るまで雑談でもしませんか?暇ですし」 古泉(まぁ、誰も来ませんけど) 長門「……そう」 長門(大丈夫だよね!?髪型変だったり服汚れてたり前歯に青のり付いてたりしてないよね!?) 105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/13(日) 01:06:19.40 ID:Rc25HEVdO 古泉「それじゃ、何の話しましょうか」 古泉(こっから先は考えてないんですよね) 長門「……」 長門(あぁぁぁぁぁ早く話題出さないと嫌われちゃうぅ) 古泉「そうですねぇ……長門さんはいつも本を読んでいますけど、どういう本が好きなんですか?」 長門「ユ……ユニークな本」 古泉「そ、そうですか、他には?」 長門「……ユニークな本」 古泉「……」 長門「……」 107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/13(日) 01:11:12.53 ID:Rc25HEVdO 古泉「そうですか……」 (よくよく考えたら、皆が今日は来ないのを長門さんは知らないんだから、僕から誘っていかなくちゃならないのか?) 長門「……そう」 (あぁぁぁぁぁ私の恋終わっちゃった絶対嫌われた絶対) 古泉「……」 (いやー……でも自分から誘っちゃったら只のチャラ男でしょう、そういう空気を作ってから誘わないと……) 長門「……」 (どうしよう古泉君黙りこんじゃったよぉ誰か助けてぇぇぇぇ) 111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/13(日) 01:17:37.32 ID:Rc25HEVdO 古泉「……」 (チャラ男だとは思われたくない、絶対に嫌われる) 長門「……」 (ビッチだとは思われたくない、絶対に嫌われる) ((どうしたらいいのか分からん!)) 古泉「ふぅ……男は度胸、何でもやってみるものさ」ボソッ 長門「ふぇ?」 古泉「ななな長門さん!明日、デートしませんか!?」 長門「」 古泉「」 長門「」 112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/13(日) 01:24:55.20 ID:Rc25HEVdO 古泉(ヤバい、最初っからデートって言っちゃった絶対嫌われたァァァァ!) 長門(え、古泉君今デートって言ったよね!?……でももし聞き間違いだったら自意識過剰な女だと思われて嫌われちゃうよぉぉぉぉ) 古泉(早く反応して下さいよ長門さん、こっちはものすごい胃が痛いんですよ!) 長門(どうするの、どうすればいいの!?みくるんキョン君助けてぇぇぇぇ) 114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/13(日) 01:33:51.04 ID:Rc25HEVdO 長門「……も、もう一度言ってほしい」 (聞き間違いじゃないよね聞き間違いじゃないよね) 古泉「わ、わかりました」 (冗談だと思われてるのか?だったらここは流した方が良さそうだ) 古泉「あ、いや……泥土しませんか、こう、ほら、泥んこ遊びでも」 長門「……行く」 古泉(なんだよ泥土って、もっと上手い言い訳考えろよぉぉぉ!) 長門(泥んこ遊び行くって行っちゃったぁぁぁぁ子供っぽく思われちゃうぅぅ!) 115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/13(日) 01:41:32.06 ID:Rc25HEVdO 古泉「そ、それじゃ明日、隣町の田んぼで泥んこ遊びしましょうか、ハハ……」 長門「了解した」 ((絶対嫌われたァァァァ!)) 古泉「……あ、それじゃ、メアド教えてもらえませんか?」 長門「」 古泉「あぁ、いや、その、待ち合わせで入れ違いになっちゃったりしたら困りますし」 長門「……わかった」 長門(ちょっとだけ前進……したかな?) 古泉(なんとか、二人で出掛ける事にはなりましたし……まぁいいでしょう) 121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/13(日) 01:52:34.78 ID:Rc25HEVdO その夜 長門「……服、どうしよう」 長門「泥んこ遊びが目的だから派手な服は着れない、でもせっかくのチャンスだから地味な服は着たくない」 長門「……どうしよう」 古泉「……どうしよう」 古泉「泥んこ遊びに誘ってしまった以上、デートには……ならないですよね」 古泉「……もうレストランとか予約しちゃってたんですよ」 古泉「もしかしたら行けるかもしれないから、キャンセルするのは勿体無いし」 古泉「……どうしよう」 122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/13(日) 02:01:03.42 ID:Rc25HEVdO 翌日、昼、駅前にて。 古泉「どうも、こんにちは」 長門「……こんにちは」 古泉(泥んこ遊びだから高い服は着ていけないし、着ていって嫌味に思われたら困るからジャージ着てきたけど) 長門(よくよく考えたら私は服なんて制服と体操服しか持ってないから、ジャージ着てきたけど) 古泉(さすが長門さん、ジャージが似合ってて可愛すぎる) 長門(さすが古泉君、ジャージすごい似合っててカッコいい) ((それに比べて自分は全然似合ってないぃぃぃ嫌われたぁぁぁぁ!!)) 125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/13(日) 02:08:50.70 ID:Rc25HEVdO 隣町行き電車内。 古泉「……田んぼ、楽しみですね」 長門「楽しみ」ワクワク 古泉「長門さん、その本はなんですか?」 長門「食べられる野草図鑑」 古泉「……そうですか」 長門「……そう」 長門(家庭的な女アピールしたかっただけなのに外しちゃったぁぁぁぁ) 古泉(食べられる野草って、そんな貧乏なんですか長門さん!?) 129 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/13(日) 02:14:55.62 ID:Rc25HEVdO 隣町到着、田んぼ行き道中。 長門「ホトケノザ発見」 古泉「食べられるんですか、それ?」 長門「……そう」 古泉「それはよかったですね、長門さん」 長門「嬉しい」 長門「チェリオ発見」 古泉「こんな所にあるなんて……」 長門「購入してみる」ワクワク 古泉「それじゃ、僕も買ってみますか」 長門「」ゴクゴク 古泉「」ゴクゴク 古泉「……まぁ、チェリオに味は期待出来ませんよね」 長門「……そう」 133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/13(日) 02:20:51.69 ID:Rc25HEVdO 田んぼに到着。 長門「心休まる風景」 古泉「広いですねぇー……あ、ザリガニいますよ」 長門「それはニホンザリガニ」 古泉「……アメリカザリガニ以外にもいるんですか?」 長門「赤くなくて小さいのがニホンザリガニ、赤くて大きいのがアメリカザリガニ。 長門「そもそもアメリカザリガニは外来種で、ニホンザリガニはもともと日本に居た種」 古泉「……知りませんでしたよ、ありがとうございます」 長門(うわぁぁぁんザリガニの説明なんかしなきゃよかったぁぁぁ) 古泉(相変わらず博識ですねぇ、それに比べて僕は……ヤシガニとザリガニの区別すら出来ない男ですいません) 137 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/13(日) 02:25:09.50 ID:Rc25HEVdO 古泉「……それじゃ、泥んこ遊び始めましょうか」 長門「わかった」 古泉「あ、長門さん、これカブトガニじゃないですか!?」 長門「それはカブトエビ」 長門「蛇を発見した」 古泉「……何ヘビですか、これは」 長門「キングコブラ」 古泉「ひいぇぇっ!?」 長門「……冗談」 古泉「……そうですか」 140 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/13(日) 02:31:40.17 ID:Rc25HEVdO 長門「裂きイカと糸を用意してある、木の棒があればザリガニ釣りが出来る」 古泉「木の棒、木の棒……これなんかどうですか?」 長門「それはナナフシ」 古泉「あの二匹のトンボ、さっきからずっとくっついて飛んでますけど、何をしてるんでしょうねぇ?」 長門「……///」 古泉「顔赤いですよ長門さん?」 古泉「な、長門さん、ザリガニって釣った後はどうするんですか!?」 長門「……普通に持つ」 古泉「こうですか!?……痛い痛い離して!」 長門「……背中を持てばハサミは届かない」 古泉「あ、ホントだ」 142 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/13(日) 02:37:06.05 ID:Rc25HEVdO 長門「……逃げる私を捕まえてほしい、ヨーイドン」 古泉「な、長門さん!?」 長門「うふふ、あははははー」 古泉「待ってよ有希ー」 長門「捕まえてごらーん」 古泉「よーし、いっきゅん頑張っちゃうぞー」 長門「きゃー、やだー」 古泉「長門さん、やっぱりこれは田んぼじゃなくて砂浜でやるべき事だと思うんですけど……」 長門「……迂濶」 143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/13(日) 02:47:19.69 ID:Rc25HEVdO 古泉「……さすがに、疲れましたね」 長門「二人とも泥だらけ」 古泉「さっきチェリオがあった所に駄菓子屋みたいなのありましたから、少し休憩しにいきますか」 長門「賛成」 古泉「そ、そんな……ブタ麺とうまい棒以外にも駄菓子ってあったんですか?」 古泉「10円ラーメンや10円ヨーグルトって、こんな少量なのに何の意味があるんですか?」 古泉「……なんか、ガンダムのプラモデルまでありますよ、しかも接着剤タイプの」 長門「これだから都会っ子は」 144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/13(日) 02:54:54.90 ID:Rc25HEVdO 長門「……古泉一樹」 古泉「なんでしょう?」 長門「これを見てほしい」 古泉「えーと……凧、ですか?」 長門「せっかくだから持ってきた、凧上げしてみたい」ワクワク 古泉「了解しました、それじゃ、やりましょうか」 長門(ああああああ実際やってみたら二人の距離が近すぎるぅぅぅぅぅ) 古泉(大丈夫ですよね!?風呂には三回入りましたし服はクリーニング済みですし香水ぶっかけましたし、変な臭いとかしてないですよね僕!?) 長門(しかも古泉君ずっと凧しか見てないよぉぉ失敗したぁぁぁぁ) 古泉(ここで凧を落としてしまったら失望されます、何が何でも飛び続けろ凧ぉぉぉ) 146 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/13(日) 03:03:32.44 ID:Rc25HEVdO 長門(凧上げしてるうちに夕方になってしまった……) 古泉(ふぅ、夕方まで何とか持ちこたえました) 古泉「もうすぐ暗くなりますし、帰るとしましょう」 長門「一つ質問がある」 古泉「なんでしょう?」 長門「こんな泥んこの状態で帰宅ラッシュの時間帯に電車に乗り込むのは迷惑行為だと思われる」 古泉(ヤバい、全く考えてなかった) 長門(自己中女だと思われたらどうしようぅぅぅ) 148 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/13(日) 03:14:33.29 ID:Rc25HEVdO 古泉「機関が車で迎えに来てくれるようです」 長門「ワガママを言ってごめんなさい」 古泉「いえいえ、よく考えたら当然の事です」 古泉「それで、長門さんは今日の夕食はどうなさるんですか?」 長門「……昨日作ったカレーがあるから、それが夕食」 古泉「そうですか……長門さんが作ったカレー、食べてみたいんですが」 長門「ふぇ?」 150 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/13(日) 03:20:48.41 ID:Rc25HEVdO 古泉「長門さんが「ふぇ?」とか、録音してぇぇぇ!」 長門「ひ、ひぃ!?」 古泉「なんでもないです、申し訳ありません」 長門「……そう」 古泉(思わず声に出してしまったシニタイ) 長門(私の声を録音して何に使う気なの古泉君?) 151 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/13(日) 03:27:57.96 ID:Rc25HEVdO 森「待たせたわね、古泉、長門さん」 古泉「いえいえ、迎えに来てくださってありがとうございます」 長門「さんきゅーべりーまっち」 森「ところで、なんで二人はそんなに泥まみれなのかしら?」 古泉「ええ、田んぼで遊んでたら自然とこんな風に」 長門「……泥土」 森「デートに誘ったんじゃなかったの古泉!?」(小声) 古泉「誘えたら苦労しませんよそんなの!」(小声) 森「このヘタレ!」 古泉「彼氏いない人に言われたくはないですよ!」 長門「(嘘、あんな可愛い人でも彼氏いないなんて、それじゃ私なんて絶対無理だよぉぉぉ)」 154 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/13(日) 03:47:04.77 ID:Rc25HEVdO ここらでそろそろもう一捻りネタがほしいんだが浮かんでこないという 長門マンション。 長門「……本当にカレー食べたいの?」 古泉「えぇ、もちろん」 長門「味の保証はしない、それでも?」 古泉「大丈夫ですよ、長門さんが作ったなら何だって食べてみせます」 長門「……そう」 長門(うちのカレー、ちくわ入ってるんだけどなぁ) 156 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/13(日) 03:51:48.65 ID:Rc25HEVdO 古泉「しっかし、泥まみれですねぇ、僕ら」 長門「……あなたの足にハサミムシが付いている」 古泉「ヒィィィッ!?」 長門「冗談」 古泉「……」 長門「風呂に入りたい、着替えたい、許可を」 158 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/13(日) 03:59:49.41 ID:Rc25HEVdO 古泉「……それもそうですね、どうぞ」 (あっぶねぇぇぇそうだよね別々に、だよね) 長門「……感謝する」 (ああああああ男性を自宅に招いて自分は風呂に入るとかどうみてもビッチじゃん私のばかぁぁぁぁあ) 長門in風呂 古泉「相変わらず、殺風景な部屋です」 古泉「長門さんが出てくるまで、何をやって時間を潰しましょうか」 古泉「……正直、覗きたい」 古泉「まぁ、そしたら消されちゃいますから、やりませんけど……?」 古泉「寝室、だと……?」 162 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/13(日) 04:08:00.96 ID:Rc25HEVdO 古泉「……性欲を持て余す」 古泉「森さん森さん怒り狂った森さん顔が笑ってるのに目が笑ってない森さん……よし、鎮まった」 古泉「……箪笥発見」 古泉「くそぅ、戦利品が欲しくなってきた」 古泉「涼宮ハルヒ涼宮ハルヒデコビッチハルビン……よし、鎮まった」 古泉「あー、でもやっぱり何か、せっかく長門さんの家に来たんだから、何か……」 長門(風呂から上がったら古泉君が私の寝室で一人言言ってる怖いよぉぉ) 163 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/13(日) 04:13:36.46 ID:Rc25HEVdO 長門「……古泉一樹」 古泉「(パンツ)ほしい、森さん、諦める、(ブラ)ほしい、ハルビン、諦める、(何か)ほしい、……」 長門「」 古泉「うわぁぁぁんどうしよう僕はどうしたらいいんだぁぁぁぁ」 長門「いっきゅん!」 古泉「のわぁっ!」ビクッ 長門「風呂は空いた」 古泉「……そ、そうですか、それじゃ入ってきます」 古泉「あれ、長門さんがさっき何か言ったような……思い出せない」 長門(思わずいっきゅんって呼んじゃったぁぁぁぁどうしようぅぅぅ) 165 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/13(日) 04:19:59.27 ID:Rc25HEVdO 古泉in風呂 古泉「よく考えてみたら」 古泉「つーか、あれ、この浴室に先程まで長門さんがいたんですよね」 古泉「……」 古泉「スーハースーハー、くんかくんか!」 古泉「長門さんの匂い長門さんの匂いぃぃぃぃ!」 古泉「あ、換気扇回ってるし」ショボーン 166 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/13(日) 04:24:39.63 ID:Rc25HEVdO その頃、長門。 長門「いっきゅん、私の寝室で何やってたんだろう……」 長門「もしかしたら」 長門「……///」 長門「でも、鞄の中にパンツ押収してたりとか、してないよね?」 長門「いやいや、でもそれじゃ私すんごく自意識過剰な女じゃない古泉君がそんな事するハズないよねでもやっててほしいどうしようぅぅぅ」 古泉(風呂から上がったら、長門さんが僕の鞄の前で一人言言ってる怖いよぉぉ) 167 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/13(日) 04:32:49.90 ID:Rc25HEVdO 古泉「……えーと、長門さん」 長門「ふ、ふぇ!?」 古泉「いいお湯でした、ありがとうございます」 長門「……そう」 古泉「これが長門さん印のカレーですか……感無量です」 長門「口に合ったなら嬉しい」 古泉「……美味しいです、毎日食べたいぐらいですよ」 長門「……そう」 古泉「おかわり……というか長門さんも一緒に食べましょうよ」 長門「そうする」 ごめ、ちと、腹減った俺、コンビニ言ってくる 171 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/13(日) 05:10:28.46 ID:Rc25HEVdO 食糧も買ってきたし再開 ちくわ入りカレーの元ネタってかってに改造だと思ってたんだけど、違うの? 古泉「……ごちそうさまでした」 長門「お粗末様でした」 古泉「これからどうしましょうか?」 長門「……考えてない」 古泉「僕の部屋で、映画観賞会でもどうです?ここからけっこう近いですし」 長門「……そう」 古泉(誘っちゃったぁぁぁぁ) 長門(了承しちゃったぁぁぁぁ) 172 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/13(日) 05:20:03.53 ID:Rc25HEVdO 古泉宅 長門「」ワクワク 古泉「まぁ、大したものはありませんよ」 長門「……映画は?」 古泉「近所のレンタル屋にこれから借りにいこうかと」 長門「そう」 古泉「歩いてきて疲れましたし、少し休んでからいきましょうか。それで、長門さんはどんな映画が好きなんですか?」 長門「ショーン・オブ・ザ・デッド」 古泉「……ドーンなら知っていますが」 長門「ショーン・オブ・ザ・デッド、あのシュールさは素晴らしい」 古泉「……そうですか」 174 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/13(日) 05:29:12.53 ID:Rc25HEVdO 某DVDレンタル屋 古泉「見当たらないですねぇ、ショーン・オブ・ザ・デッド」 長門「」ショボーン 古泉「まぁまぁ、他にも色々ありますから、選ぶのは長門さんに一任しますよ」 長門「了解した」 古泉「〜オブ・ザ・デッド、〜ゾンビ、死霊の〜、あたりとモンスターパニックばかりですか」 長門(「キャー怖ーい><」狙いのチョイス) 175 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/13(日) 05:35:40.95 ID:Rc25HEVdO 長門(……どうしよう) 長門(こういうのに見慣れているせいか、「キャー怖ーい><」をやるタイミングが分からない) 古泉(くそぅ、長門さんが「怖いよ古泉君、抱いて……」とか言ってくれないかと期待してましたけど) 古泉(全くそんなそぶりを見せない……どうしたらいいんだ、ホントにただの観賞会になってしまう) 長門「走るゾンビ(笑)」 古泉「……そうですね」 177 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/13(日) 05:42:47.06 ID:Rc25HEVdO 古泉(どうしよう) 長門(どうしよう) 古泉(さすがB級映画、濡れ場がありました) 長門(Hシーンがある映画を思わず選んでしまった……いや、これはチャンス?) 長門「キャー、古泉君、有希こわーい」ギュッ 古泉(いやいやいや、何をどう考えてもタイミングおかしいでしょう!?) 179 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/13(日) 05:50:19.25 ID:Rc25HEVdO 古泉(さっきまで「スプラッタ(笑)」とか言ってたのに、なんでいきなり抱き着いてきてるんですか!) 古泉(ダメだ、興奮しちゃダメだ、森さん森さんハルビン森さんデコビッチ森さん) 古泉(あー、なんか、すんごく良い香りする、森さんハルビン吹っ飛んじゃった) 古泉(もう、その気になっちゃいますよ!?なっていいんですか長門さん!?) 長門「……モンスターが出るシーンまで早送りしてほしい」ギュッ 古泉(人に抱き着きながら言うセリフですかソレ!?) 180 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/13(日) 06:01:49.32 ID:Rc25HEVdO キュルキュルキュル 早送り中 長門「……」 古泉(長門さん、すんごく良い香りするし暖かいし可愛いしちくわカレー美味しいし) 長門「……」 古泉(告白、した方がいいのかなぁ) 長門「……」 古泉(したいなぁ) 長門「……」 古泉(でも、このままでいたい気もするし、たった一回デート……じゃない泥土しただけで告白、なんてなぁ) 長門「……」 古泉(どうしよう、僕は、どうしたいんだ?) 長門「モンスターの造形がショボすぎて観る価値がない、次の映画を」 古泉「あ、ハイ」 古泉(長門さんと一緒なら、それでいいや) 182 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/13(日) 06:24:02.67 ID:Rc25HEVdO 長門「……結局夜が明けるまで映画を見続けてしまった、ウカーツ(笑)」 古泉「ちょっと、これはさすがに……眠いですね」 長門「私も眠い」 古泉「……寝ましょうか」 長門「そうする」 古泉「それでは、おやすみなさい」 長門「おやすみ」 長門「とは言ったものの」 古泉「zzz」 長門「好きな人の家で、寝てる横で、そう簡単に自分も寝れたら苦労しない」 古泉「zzz」 長門「部屋の物色を開始する」ゴソゴソ 184 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/13(日) 06:30:45.46 ID:Rc25HEVdO 長門「エロチックな本を探して、古泉一樹の嗜好を探る」ゴソゴソ 長門「」ゴソゴソ 長門「向かいのホーム」ゴソゴソ 長門「路地裏の隅」ゴソゴソ 長門「そんな所にあるはずもないのに」ゴソゴソ 長門「」ゴソゴソ 長門「ゆっ、ゆっ、ゆきりん、ゆっきりんりん」ゴソゴソ 長門「」ゴソゴソ 長門「なかなか見付からない」ゴソゴソ 185 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/13(日) 06:35:56.24 ID:Rc25HEVdO 長門「冷蔵庫の下」ゴソゴソ 長門「ベッドの下」ゴソゴソ 長門「本棚の中」ゴソゴソ 長門「」ゴソゴソ 長門「見付からない」 長門「」 長門「パソコンを発見、中身を確認する作業を開始する」カチカチ 長門「Yukiフォルダ……?」 186 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/13(日) 06:47:12.93 ID:Rc25HEVdO 長門「……パスワード」 長門「……NagatoYuki」カチカチ 長門「」 長門「合ってた」 長門「」 長門「私の画像が大量に保存されている」 長門「」 長門「……彼も、私に好意を抱いている?」 188 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/13(日) 07:03:44.31 ID:Rc25HEVdO 古泉「zzz……」 古泉「ん……ふぁ」 古泉「むにゃむにゃ……」 古泉「……長門さんっ!?」ガバッ 長門「大丈夫、まだいる」 古泉「……そうですか」 長門「勝手ながら、映画を見させてもらっている」 古泉「なるほど、僕だけ一人で眠ってしまったようですね、すいません」 長門「気にしなくていい」 189 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/13(日) 07:10:33.72 ID:Rc25HEVdO どうも、キョンだ。 ここ最近、やたら長門と古泉が親しくてな、部室にいる間、暇でしょうがないんだよ。 親しいといっても、多少会話するようになったとか、時たま並んで一緒に本を読んでるとか、時々一緒に帰るようになったとか、その程度のもんではある。 だが、それ以前のあの二人の親密度から比較して、とんでもなく進歩している。 それは間違いない。 いったい何があったかは知らんが、長門の恋を応援していた者として、嬉しい事ではある。 娘が親離れしたようで、些か寂しくもあるが。 190 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/13(日) 07:24:39.81 ID:Rc25HEVdO おーい、お前らもう付き合ってたりするのか? 長門「友達以上」 古泉「恋人未満……今のところは、そんな感じですかね」 だ、そうだ。 なんでも、本人達からしたら、それぐらいの関係が一番心地いいそうだ。 俺にはよく分からんが、相思相愛なら、とっとと付き合っちまった方がいいと思うがね。 長門「関係自体に意味はない」 古泉「二人で一緒にいられるのなら、それでいいんですよ」 そうでござんすか。 俺にはまだまだ分からん領域だな、その辺りは。 まぁ、アレだ。 お二人とも、末永くお幸せにな。 終わり 眠い疲れたテンション落ちすぎ死にたい 195 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/09/13(日) 07:59:34.13 ID:Rc25HEVdO いつもSSのラストをすっきり終わらせようとして逆に変に捻ってしまう なにがしたいんだろう俺はホントに ありがとう皆 202 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/09/13(日) 09:57:30.14 ID:Rc25HEVdO なんだよ、終わってから一時間も二時間も経った今さらになって「乙」とかw お前ら幸せになりやがれマジで ありがとう