長門(声が出なくなってしまった……) 1 名前:ひつじ[] 投稿日:2009/09/05(土) 21:07:06.06 ID:/TxWIlSZ0 長門「………」 長門(声が出なくなってしまった……)   ガチャ みくる「あれ?長門さんだけですか?」 長門「………」コク みくる「じゃあ、今のうちに着替えちゃいますね」ガサガサ 長門「………」 長門(朝比奈みくる……彼女に言っても仕方がない) 長門(おそらく彼女ではどうにもできない) 長門「………」 長門(それ以前に気づくことさえない) 2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/05(土) 21:09:48.19 ID:/TxWIlSZ0 長門「………」ジー みくる「〜〜♪」 長門「………」ジー みくる「〜〜♪」カチャカチャ 長門「………」ジー みくる「お茶がはいりましたよ〜」 長門「………」ジー みくる「?」 長門「………」 長門(やはり気づかない) 5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/05(土) 21:14:02.05 ID:/TxWIlSZ0 長門「………」 長門(朝比奈みくるではダメ) 長門(かといって涼宮ハルヒに言っても事態は好転しない) 長門(むしろ悪化する可能性が高い) 長門(彼か古泉一樹を待つべき) 長門「………」  〜20分後〜 長門「………」 長門(遅い…普段ならもう部室にいる時間……) みくる「みなさん、おそいですね〜」 長門「………」   バターン 長門「!」 10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/05(土) 21:17:58.87 ID:/TxWIlSZ0 ハルヒ「おっまたせー!」 みくる「あ、涼宮さん、こんにちは」 長門「………」 ハルヒ「遅れてごめんねー」 ハルヒ「みくるちゃん、お茶淹れてくれる?」 みくる「は〜い」カチャカチャ 長門(なぜ二人ではなく涼宮ハルヒ……) ハルヒ「まったく、何でいちいち教室の掃除なんてやらされなきゃいけないのかしら」 ハルヒ「おかげで大事な団活に遅れちゃったじゃない」ブツブツ みくる「そうだったんですか〜」カチャカチャ みくる「そういえば、キョンくんと古泉くんおそいですね〜」 ハルヒ「ああ、キョンと古泉君なら雑用を頼んであるからしばらく来ないわよ」 みくる「ふぇ〜、そうなんですかぁ」 長門(何故こんなときに……) 11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/05(土) 21:19:25.08 ID:/TxWIlSZ0 みくる「はい、涼宮さん」カチャ ハルヒ「ありがと、みくるちゃん」ゴクゴク 長門「………」 ハルヒ「ぷはっ、やっぱりみくるちゃんの淹れたお茶はおいしいわね」 みくる「ふふ、ありがとうございます」 長門(お茶はいいから早く二人を……) ハルヒ「あ、そうだ!みくるちゃんの新しい衣装を見つけたのよ!」 みくる「!?」 ハルヒ「今日持ってきたの!」 みくる「い、いえ……わたしは今の服で……」 ハルヒ「絶対みくるちゃんに似合うと思うのよ」 ハルヒ「どうせ男子はしばらく来ないんだし今のうちに着替えちゃいなさい!」 みくる「ふ、ふぇ〜」 長門(…………はぁ) 13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/05(土) 21:23:24.71 ID:/TxWIlSZ0  〜30分後〜 古泉「どうも、遅くなりました」ガチャ 長門「!」 ハルヒ「あら、古泉君」 古泉「いや〜、思ったよりも時間がかかってしまって……」 ハルヒ「いいわ、あたしが思ってたよりも早かったし」 ハルヒ「ありがとね、古泉君!」 古泉「恐縮です」 みくる「おつかれさまです、どうぞ」カチャ 古泉「ありがとうございます」 長門「………」 15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/05(土) 21:26:19.36 ID:/TxWIlSZ0 長門「………」ジー 古泉「………」ズズ 長門「………」ジー 古泉「おいしいです」ニコ みくる「ありがとうございます」 長門「………」ジー 古泉「………」ズズ 長門(視線にすら気づかない……) 17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/05(土) 21:30:36.44 ID:/TxWIlSZ0  〜5分後〜 長門「………」ジー 古泉「ん?」 長門(やっと気づいた!) 古泉「……?」 長門「………」ジー 古泉「えっと…どうかされましたか?」 長門「………」ジー 古泉「…僕の顔に何かついていますか?」 長門「………」ジー 古泉「?」 長門(ダメだ……) 21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/05(土) 21:35:24.00 ID:/TxWIlSZ0 みくる「そういえばキョンくんはどうしたんですか?」 古泉「彼ならもうじき来るはずですが……」 ハルヒ「まったく、何やってんのかしら?」 古泉「まあ、彼は僕よりも仕事の量が多かったわけですし…」 ハルヒ「後で何か罰を与えなくちゃ」 みくる「ふぇ〜」 長門「………」 長門(頼りは彼だけ……) 22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/05(土) 21:38:12.30 ID:/TxWIlSZ0  〜10分後〜 キョン「はあ、やっと終わったぞ…」ガチャ 長門「!」 ハルヒ「おそいっ!」 古泉「お疲れ様です」 長門「………」ジー キョン「あのなあ、誰のせいでこんな時間になったと思ってるんだ…」 長門「………」ジー ハルヒ「なによっ、古泉君はあんたよりも早く終わってるわよ!?」 長門「………」ジー キョン「俺と古泉とじゃあ仕事の量が違うだろ…」 長門「………」ジー 23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/05(土) 21:41:31.96 ID:/TxWIlSZ0 ハルヒ「言い訳無用よ、あんた罰としてみんなにジュース奢りなさい!」 長門「………」ジー キョン「んな無茶な…」 長門「………」ジー キョン「ん?」 長門(気づいたっ!) キョン「どうした、長門?」 長門「………」ジー キョン「?」 キョン「俺の顔に何かついてるか?」 長門「………」 長門(古泉一樹と同じ反応……) 25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/05(土) 21:46:07.93 ID:/TxWIlSZ0 長門(彼も気づいてくれなかった……) 長門(いったいどうすれば……) キョン「あれ? そういえば長門、今日は本を読んでないんだな?」 長門「!」 みくる「あれ、そういえば……」 古泉「そうですね」 ハルヒ「あら、ほんと」 長門「………」 キョン「どうしたんだ?」 長門「………」 キョン「?」 長門「………」 26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/05(土) 21:50:34.29 ID:/TxWIlSZ0 ハルヒ「きっと本を読むことに疲れたのよ」 みくる「ふぇ〜そうなんですかぁ?」 ハルヒ「たまには休憩も必要よ」 長門「………」ジー ハルヒ「キョン、そのぐらい察しなさい!」 キョン「ん?ああ……」 長門(……気づいてくれない) 長門(SOS団に私の異変を感じ取ってくれる人間はいない……) 長門「………」 キョン「……?」 27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/05(土) 21:55:36.85 ID:/TxWIlSZ0 ハルヒ「今日はここまでね」 古泉「おや、もうそんな時間ですか」 みくる「ふぇ〜、おわりですかぁ」 長門「………」 ハルヒ「それじゃあ今日は解散ね、みんなまたね」バターン 古泉「それでは僕も帰ります」 みくる「わたしは着替えてからかえります〜」 キョン「それじゃあ、俺も帰るかな」 長門「………」 キョン(長門のあんな顔、始めて見たな……) 28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/05(土) 21:57:45.71 ID:/TxWIlSZ0 長門(結局誰も気づいてくれなかった……) みくる「ふぇ?長門さんどうしたんですかぁ?」 みくる「かえらないんですかぁ?」 長門「………」ガタ 長門「………」スタスタ みくる「さようならぁ、長門さん」 長門「………」 長門(…………はあ) 29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/05(土) 21:59:38.50 ID:/TxWIlSZ0 長門「………」 長門(……誰も気づいてくれない) 長門(SOS団にとって私はその程度の存在……) 長門(……せめて彼には気づいてほしかった) 長門「………」 長門(…………はあ) 32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/05(土) 22:02:20.68 ID:/TxWIlSZ0 キョン「おーい、長門!」 長門「!」 キョン「はあ、はあ、やっと追いついた…」 長門「………」 キョン「途中でお前のことが気になってな、引き返してきた」 長門「………」 キョン「なあ、長門、お前今日様子が変だったぞ?」 キョン「どうかしたのか?」 長門「………」 34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/05(土) 22:06:39.91 ID:/TxWIlSZ0 キョン「長門?」 長門「………」 キョン(……何で長門は喋らないんだ?) キョン(もしかして……) 長門「………」 キョン「長門…お前……」 長門「………」 キョン「喋れない…のか……?」 長門「!!」 35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/05(土) 22:10:58.54 ID:/TxWIlSZ0 長門(やっと気づいてくれた) キョン「そうなのか!?」 長門「………」コクコク キョン「マジかよ…」 キョン「いったい何があったんだ?」 長門「………」 長門「………」クイ キョン「? ……着いて来いってことか?」 長門「………」コク 38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/05(土) 22:17:05.66 ID:/TxWIlSZ0 長門「………」ガチャ キョン(長門の家まで来たけど、何するつもりなんだ?) 朝倉「あら、おかえりなさーい」 長門「………」 キョン「朝倉!?」 朝倉「あら、キョン君、いらっしゃい」 長門「………」スタスタ キョン「なんでお前が……」 朝倉「だってー、まだ家がないんだもの♪」 キョン「……新しい家探す気ないだろ、お前?」 41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/05(土) 22:20:03.69 ID:/TxWIlSZ0 長門「………」 朝倉「まあ、とりあえずあがってよ」 キョン「……ああ」 朝倉「それで今日はどうしたの?」 キョン「そうだ、忘れてた!」 キョン「実は長門が――」 長門「………」クイ 朝倉「ん? どうしたの長門さん?」 長門「………」スッ 朝倉「ああ、声が出なくなったの?」 キョン「!?」 43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/05(土) 22:24:09.74 ID:/TxWIlSZ0 キョン「なんでわかったんだ!?」 朝倉「ふっふっふ、あたしぐらいになるとね……」 朝倉「一目見ただけで長門さんがどんな状態かわかっちゃうのよ!」エヘン キョン「……マジか?」 朝倉「あたしと長門さんは、それはもう深い絆で……」 長門「………」 朝倉「………」 長門「………」ギリギリ 朝倉「…いひゃい……つねらひゃいへ……ながほひゃん」 キョン「真面目にやってくれ……」 46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/05(土) 22:28:23.32 ID:/TxWIlSZ0 キョン「…で? 何で長門の言ってることがわかったんだ?」 朝倉「えーと、簡単に言うとテレパシーみたいなものかな?」 キョン「そんな便利な機能がついてるのか」 朝倉「そんなに便利でもないわよ?」 朝倉「インターフェース同士でしか使えないし、相手の体の一部に触れてなきゃ使えないし」 キョン「なるほど」 朝倉「まあ、非常会話手段ってところかしら」 長門「………」 47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/05(土) 22:30:18.61 ID:/TxWIlSZ0 キョン「なあ、長門?」 長門「?」 キョン「さっき聞こうと思って聞きそびれたんだが」 キョン「情報操作とやらで何とかならないのか?」 長門「………」フルフル 朝倉「ああ、今、長門さん情報操作使えないのよ」 キョン「へ?」 朝倉「情報操作が使えるんなら、あなたに話す前に自分でさっさと治しちゃってるわよ」 朝倉「ねぇ、長門さん?」 長門「………」コク キョン「………」 52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/05(土) 22:36:44.40 ID:/TxWIlSZ0 朝倉「それで非常会話手段に頼らなきゃいけないってわけ」 キョン「なんかこういう事態を想定して作られてるみたいだな?」 朝倉「備えあれば憂いなし、ってやつよ」 キョン「じゃあ、朝倉が情報操作を使って――」 朝倉「それも無理」 朝倉「無理に治そうとすると、逆に長門さんが壊れちゃうのよ」 キョン「打つ手なしってことか……」 長門「………」 56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/05(土) 22:42:05.23 ID:/TxWIlSZ0 キョン「そういえば、お前全然あせらないな」 朝倉「前にも同じ事例があったからね」 長門「!」 長門「………」スッ 朝倉「え?何?」 朝倉「私はそんな事例知らないって?」 長門「………」コク 朝倉「そりゃそうよ、だって長門さんにまだ報告してないもの」 長門「………」 長門「………」ゲシゲシ 朝倉「ああ、痛い!蹴らないでぇ!」 58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/05(土) 22:46:47.06 ID:/TxWIlSZ0 長門「………」ハァハァ キョン「お、落ち着け長門!」 朝倉「うぅ…」 長門「………」 キョン「…ちなみにその事例ってのはいつ起きたんだ?」 朝倉「えーと……3週間くらい前かな…?」 長門「………」ゲシゲシ 朝倉「あぁ、やめてぇ!顔は、顔は蹴らないでぇ!」 61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/05(土) 22:50:19.15 ID:/TxWIlSZ0 長門「………」ハァハァ キョン「落ち着いたか長門?」 朝倉「……うぅ」 キョン「それで?」 朝倉「へ?」 キョン「長門は元に戻るのか?」 朝倉「ああ、2〜3日たてば治ると思うわ」 長門「………」ガタ 朝倉「あら、どうしたの長門さん?」 長門「………」スッ 朝倉「ああ、おなかがすいたのね」 キョン(あれだけ暴れればな…) 63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/05(土) 22:53:09.18 ID:/TxWIlSZ0 朝倉「キョン君も食べてく?」 キョン「ん?ああ…どうするかな……」 長門「………」クイ 長門(あなたも食べていくべき) キョン「………」 長門「………」ジー キョン「……わかったよ、朝倉、俺もご一緒させてもらう」 朝倉「はーい、それじゃあ、晩御飯の用意するわね」 65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/05(土) 22:58:59.98 ID:/TxWIlSZ0 キョン「やっぱりカレーなんだな……」 朝倉「ええ……」 長門「………」モグモグ キョン「まあ、俺は久々だからいいが…」 朝倉「あたしなんて3日連続よ……」 朝倉「長門さんの家に居候して早一ヶ月…つらいわ……」 長門「………」モグモグ キョン「…まあ、居候だし文句は言えんよな」モグモグ 朝倉「うう……」 長門「………」ケプ 長門(おかわり) 68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/05(土) 23:03:39.08 ID:/TxWIlSZ0 キョン「ふぅ、もう食えん、ごちそうさん」 長門「………」ケプ 朝倉「はい、おそまつさまでした」カチャカチャ キョン「………」 キョン「なあ、朝倉」 朝倉「なーに?」カチャカチャ キョン「その…前起きた事例の人に何か聞けないのか?」 朝倉「んー?聞けるけど……大したことは聞けないと思うわよ?」 長門「………」 キョン「とりあえず、な」 キョン(お前に任せるのは不安だ) 長門(朝倉涼子に任せるのは不安) 69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/05(土) 23:06:16.45 ID:/TxWIlSZ0 朝倉「ふーん、いいわ、連絡してあげる」 キョン「ああ、頼む」 朝倉「ちょっと待っててね」スタスタ キョン「ふぅ、これで一安心かな」チラ 長門「………」コク キョン「どうやら同じこと考えてたらしいな」 長門「………」 キョン「あいつじゃ…不安だよな……」 長門「………」コク 朝倉「たっだいまー♪」 72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/05(土) 23:11:10.49 ID:/TxWIlSZ0 朝倉「すぐ来てくれるって」 長門「………」 キョン「そういえば、どういう人なんだ?」 朝倉「あなたも知ってる人よ?」 キョン「俺も知ってる…?」   ガチャ 朝倉「あら、来たみたいね」 長門「………」 キョン「まさか……」 喜緑「お邪魔します」 74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/05(土) 23:15:24.04 ID:/TxWIlSZ0 キョン「やっぱり喜緑さんでしたか」 喜緑「こんばんは」 喜緑「お話は聞かせてもらいました」 キョン「てことは、喜緑さんも?」 喜緑「ええ、私も喋れなくなったときは大変でした…」 長門「………」 喜緑「情報操作も使えないし身体能力も普通の人間以下でしたし」 朝倉「ふーん」 喜緑「長門さんも被害にあっていると聞きましたが…?」 長門「………」コク キョン「どうにかなりませんか?」 喜緑「無理ですね」 喜緑「時間がたつのを待つしかありません」 78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/05(土) 23:19:06.84 ID:/TxWIlSZ0 キョン「やっぱりダメですか……」 朝倉「ね?だから言ったでしょ?」 長門「………」 喜緑「まあ、私のときは回りに協力者がいまし――」 朝倉「長門さんにはキョン君がいるわ!」 キョン「俺かよっ!?」 朝倉「当たり前じゃない」 キョン「お前がやればいいだろ」 朝倉「あたしはカナダにいることになってるから学校へは行けないわ」 キョン「ぐ……」 79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/05(土) 23:22:46.44 ID:/TxWIlSZ0 喜緑「私は一応風邪を引いたということにし――」 朝倉「じゃあ、長門さんもそれでいいわね!」 長門「………」コク 喜緑「長門さんなら普段から喋りませんし大丈夫だと――」 朝倉「長門さんは無口だものね!」 長門「………」 喜緑「………」 朝倉「というわけで学校でのサポートはよろしくね」 キョン「まあ、仕方ないな、できる限りのことはする」 80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/05(土) 23:26:46.61 ID:/TxWIlSZ0 キョン「じゃあ俺はそろそろ帰るとするかな」 喜緑「じゃあ、私も――」 朝倉「えー!キョン君帰っちゃうの?」 喜緑「………」 キョン「いや、さすがに夜もおそいしまずいだろ」 朝倉「泊まっていけばいいじゃない」 キョン「いや、泊まるってのは……」 長門「………」クイ キョン「ん?」 長門「………」ジー キョン「……はあ、仕方ないな」 キョン「…泊まっていくよ」 83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/05(土) 23:31:02.58 ID:/TxWIlSZ0 朝倉「それじゃあ、決まりね!」 キョン(家に電話しておかないと) 長門「………」 喜緑「えっと…じゃあ、たまには私も――」 朝倉「よーし!今夜はパーティーよ!」 キョン「またかよっ!?」 朝倉「ふふ、いいじゃない」 キョン「お前まさかこのために俺を……」 朝倉「だって長門さん、キョン君がいると機嫌がいいんだもの♪」 喜緑「………」 86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/05(土) 23:36:02.31 ID:/TxWIlSZ0 キョン「どうしたんですか、喜緑さん?」 喜緑「え?」 キョン「参加するんでしょう?」 喜緑「…いいんですか?」 キョン「当たり前じゃないですか」 喜緑「ありがとうございます」 喜緑「それじゃあ、ご一緒させていた――」 朝倉「あれ?絵美里まだいたの?」 喜緑「………」 100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 01:27:50.28 ID:0gEIDN260 喜緑「………」 朝倉「………」 キョン「………」 キョン(気まずい…逃げよう…)ソロソロ 喜緑「………」 朝倉「………」 喜緑「……あなた、わざとやってるでしょ?」 朝倉「……バレた?」テヘッ 喜緑「………」   メコッ 102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 01:29:27.15 ID:0gEIDN260 キョン(変な音がしたが、気にしないでおこう) 長門「………」ウトウト キョン「なんだ、眠いのか?」 長門「!」 長門「………」フルフル 喜緑「長門さん、無理をしてはいけませんよ」 キョン「喜緑さん!」 喜緑「今のあなたは普通の人間以下なのですから」 キョン(手に着いてる液体は…ケチャップだな、きっと……) 103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 01:31:50.34 ID:0gEIDN260 長門「………」ウトウト 喜緑「仕方ありませんね」 喜緑「長門さんを寝室まで運んでもらえますか?」 キョン「俺がですか!?」 喜緑「はい、こういうのは男性の仕事でしょう?」 キョン「……わかりました」 キョン(この中で一番俺が非力なんだけどな) 朝倉「………」ピクピク 104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 01:33:30.27 ID:0gEIDN260 キョン「よっと……」 長門「………」スースー 喜緑「ご苦労様です」 キョン「いえ……」 キョン「…今思ったんですが俺はどこに寝ればいいんでしょう?」 喜緑「あら、そういえばそうですね」 喜緑「私は長門さんの横で寝るからいいとしても……」 キョン「寝室は使えない、それに朝倉の奴もいるし……」 喜緑「ああ、アレは気にしなくていいですよ?」 喜緑「朝まで玄関で寝てるでしょうし」ニコ キョン(こ、こわいこわい) 朝倉「………」ピク 105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 01:35:21.74 ID:0gEIDN260 キョン「じ、じゃあ俺はリビングで寝ますよ」 喜緑「あら、大丈夫ですか?」 キョン「この季節ですから、大丈夫だと思います」 喜緑「そうですか、それじゃあ、おやすみなさい」ニコ キョン「おやすみなさい」 キョン「………」 キョン(喜緑さん怖い……) 朝倉「………」シーン 106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 01:39:38.01 ID:0gEIDN260  〜二日目〜 朝倉「キョン君、起きて」 キョン「む、う〜ん」 朝倉「遅刻するわよ?」 キョン「!」ガバ キョン「朝倉!?」 朝倉「なーに?」 キョン「ああ、そうか長門の家に泊まったんだっけ…」 朝倉「ほら、早く起きてご飯食べなきゃ」 キョン「ん、ああ、……喜緑さんは?」 朝倉「江美里ならもう学校へ行ったわよ?」 キョン「そ、そうか」ホッ 長門「………」モグモグ 108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 01:45:20.90 ID:0gEIDN260 キョン「それじゃあ、行ってくる」 長門「………」 朝倉「はーい、いってらっしゃい」 朝倉「あっ、長門さん、ティッシュとハンカチ持った?」 長門「………」コク 朝倉「他に忘れ物ない?」 長門「………」コク 朝倉「車に気をつけるのよ?」 長門「………」コク 朝倉「寄り道しちゃ――」 キョン「いや、もういいぞ?」 109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 01:49:09.42 ID:0gEIDN260 キョン「まったく……」 長門「………」スタスタ キョン「ああっ、長門待ってくれ」 朝倉「あっ、キョン君!」 キョン「今度は何だ?」 朝倉「いってきますのチュ−は?」 キョン「………」 朝倉「ほらぁ、は・や・――」   ドグシャ 長門「………」 キョン「見事な飛び膝蹴りだな……」 朝倉「………」ピクピク 110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 01:51:11.94 ID:0gEIDN260 キョン「なあ、長門、授業の方は大丈夫なのか?」 長門「………」コク キョン「さすがに授業中まで助けられないからな…」 長門「………」 キョン「古泉と朝比奈さんには事情を話すとしても、ハルヒは……」 長門「………」クイ キョン「ん?」 長門「………」ジー キョン「………」 長門「………」ジー キョン「……風邪で押し通すのか?」 長門「………」コク 111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 01:53:16.41 ID:0gEIDN260   ―教室― 谷口「おい、キョン!」 キョン「なんだ?」 谷口「お前今朝、長門有希と一緒に登校してたらしいな」 キョン「ああ、偶然一緒になってな」 谷口「ホントかよ〜?」 谷口「もしかして昨日の夜から一緒だったんじゃ…!」 キョン「んなわけないだろう…!」 キョン(もしかしてこいつどこかで見てたのか?) 谷口「本当か〜」ニヤニヤ 113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 01:54:31.92 ID:0gEIDN260 国木田「でも涼宮さんにバレたら大変じゃない?」 キョン「?」 谷口「そうだ!涼宮にバレたらお前何言われるか…」 キョン「何でハルヒにバレたら大変なんだ?」 谷口「………」 国木田「………」 谷口「コイツは……」 国木田「…キョンらしいね」 キョン「?」 114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 01:56:27.90 ID:0gEIDN260   ―放課後― キョン「おーす」ガチャ 長門「………」 古泉「おや、お二人とも」 みくる「こんにちは」 キョン「こんにちは、朝比奈さん」 古泉「今朝も一緒に登校していたらしいですね」 キョン「ああ、二人には説明しておかなきゃな」   ―説明中― 古泉「なるほど」 みくる「ふぇー、宇宙人も風邪を引くんですねぇ」 キョン「いや、だから風邪という設定に……」 みくる「?」 キョン「……いえ、風邪でいいです」 116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 01:59:25.72 ID:0gEIDN260 古泉「しかし、2〜3日で治るのでしょう?」 キョン「たぶんな」 古泉「それならそう悲観することもないのでは?」 キョン「俺もそう思うのだが……」 長門「………」フルフル キョン「…と、いうわけだ」 古泉「ふむ、わかりました」 キョン「それとハルヒには言わない方がいいと思うんだが」 長門「?」 キョン「あいつが知ったら、長門の家におみまいに行くと言い出しかねん」 古泉「そうですね、涼宮さんには黙っておきましょう」 117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 02:00:34.90 ID:0gEIDN260 古泉「そうだ、長門さん」 長門「?」 古泉「この手帳を差し上げます」 古泉「何か緊急の要件があった場合紙に    書いていただければ僕らも長門さんの言いたいことがわかるので」 長門「………」コク 朝比奈「これで長門さんがなにを言いたいかわかりますね」 キョン「よかったな、長門」 長門「………」コク 118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 02:05:30.39 ID:0gEIDN260 古泉「そうそう、言い忘れていたことがあるのですが…」 キョン「なんだ?」 古泉「今日の昼休みごろから小規模な閉鎖空間が発生していて」 キョン「ほう」 古泉「あなたのほうで、何か心当たりはありませんか?」 キョン「…いや、これといって思い当たることは……」   バターン 119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 02:06:34.10 ID:0gEIDN260 ハルヒ「………」 朝比奈「あ、こんにちは、涼宮さん」 ハルヒ「………」ツカツカ 朝比奈「?」 古泉「どうかされましたか?」 ハルヒ「………」ポイッ   ドサ キョン「おいおい、鞄を投げるな」 長門「………」 ハルヒ「………」 ハルヒ「キョン」 120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 02:07:44.36 ID:0gEIDN260 キョン「何だ?」 ハルヒ「あんた今朝、有希と一緒に登校してたそうね?」 古泉&みくる「!」 長門「………」 キョン「それがどうした…?」 ハルヒ「どういうつもり?」 キョン「何がだ?」 ハルヒ「どういうつもりで有希と一緒に登校したのって聞いてんのよ!」 キョン「どういうつもりも何も、朝見かけたから一緒に来ただけで――」 ハルヒ「へぇ、昨日の夕方にあんたを見かけた奴がいるんだけど?」 キョン&古泉&みくる「!」 長門「………」 ハルヒ「昨日の夕方、有希のマンションの前で     有希とあんたが一緒にいるところを目撃したそうよ?」 124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 02:10:59.65 ID:0gEIDN260 古泉「それは何かの見間違えじゃあ……」 ハルヒ「古泉君は黙ってて!」 古泉「………」 ハルヒ「どうなの、キョン?」 キョン「あ、あれは……」 みくる「わ、わたしが頼んだんですっ!」 キョン「!?」 みくる「き、昨日、長門さんのようすがおかしかったから……!」 ハルヒ「……そうなの、キョン?」 キョン「あ、ああ!」 ハルヒ「………」 125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 02:13:02.69 ID:0gEIDN260 キョン「き、昨日、朝比奈さんに頼まれて長門の様子を見に行ったんだ」 キョン「長門が家に入る直前に追いついてな」 キョン「たぶんそこを見られたんだろう」 ハルヒ「そうなの、有希?」 長門「………」コク キョン「そ、そういうわけだ」 ハルヒ「家の中まで入っていったって聞いたけど…?」 キョン「あああ、と、それは……」 129 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 02:16:36.90 ID:0gEIDN260 キョン「お茶をご馳走になってたんだ!」 キョン「な、長門?」 長門「………」コク ハルヒ「ふーん」 キョン「お前も心配して訪ねてくれた友人に     お茶の一杯ぐらいだそう、とか気の利いたことぐらい考えるだろ?」 ハルヒ「まあ、それは……」 キョン「そういうことだ」 キョン「その後は普通に家に帰ったしな」 キョン「お前が疑るようなことはない」 ハルヒ「まあ、そういうことなら……」ブツブツ キョン「ありがとうございます、朝比奈さん」ボソボソ みくる「いえ、うまくいってよかったです」ボソボソ 131 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 02:18:30.25 ID:0gEIDN260 ハルヒ「………」ホッ ハルヒ「………」 ハルヒ「そもそもみくるちゃん!」 みくる「ふぇっ!?」 ハルヒ「こういうことは、まず最初にあたしに言いなさい!」 みくる「は、はい」 ハルヒ「キョンなんかに言ったってどうせ     ろくなことしないんだからあたしか古泉君に相談しなさい!」 キョン「……おいおい」 ハルヒ「有希、キョンに変なことされなかった?」 長門「………」コク キョン「断じてそんなことはせん!」 132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 02:20:06.86 ID:0gEIDN260 ハルヒ「そうだ、有希の様子が変だったって言ってたけど結局どうだったの?」 キョン「ん、ああ、結局気のせいだった」 ハルヒ「あんたに聞いてないわよ」 キョン「………」 ハルヒ「有希、大丈夫なの?」 長門「………」コク ハルヒ「そう、もし何かあったらあたしに言うのよ?」 長門「………」コク ハルヒ「わかればいいわ!」ニコ キョン&古泉&みくる(ほっ……) 134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 02:23:17.24 ID:0gEIDN260 キョン「そういえば、ハルヒ」 ハルヒ「んー?」ニコニコ キョン「その、誰から聞いたんだ? 昨日俺が長門の家に行ったこと」 ハルヒ「ああ、谷口よ」 キョン「……そうか」 キョン(あいつ……余計なことを)   ♪〜〜 キョン「ん、電話? 誰からだ?」 朝倉「話は聞かせてもらったわ…!」 キョン「あ、朝倉ー!?」 135 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 02:25:19.75 ID:0gEIDN260 ハルヒ「どうしたのよ、キョン?」 キョン「い、いや、なんでもない!」 キョン「ちょっと長くなりそうだから……」ガチャ ハルヒ「ちょっとキョン!?」   バタン ハルヒ「もう……」 みくる「キョンくんどうしたんでしょうね?」 長門「………」 ハルヒ「知らないわよあんな奴……」 136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 02:27:34.32 ID:0gEIDN260 キョン「いったいどういうつもりだ?」 キョン「っていうかどうやって俺の携帯番号を調べた!?」 朝倉「そんなのどうだっていいじゃない」 キョン「しかも話を聞いてたって…」 朝倉「江美里に頼んで部室に盗聴器を仕掛けておいたのよ」 キョン(何してんですか喜緑さん!?) 朝倉「とりあえず谷口って奴を消せばいいのね…?」 キョン「落ち着け、落ち着くんだ朝倉!」 138 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 02:30:10.18 ID:0gEIDN260 朝倉「あら、私は落ち着いてるわよ…?」 キョン「いやいや、ちょっと待て!」 キョン「頼むから手荒なことはしないでくれ」 朝倉「わかってるわよ、あくまでも    自然に…バレないように殺るから…!」 キョン「わかってない、わかってないぞ!」 キョン「頼むから俺がそっちに行くまでおとなしくしててくれ!」 朝倉「うふふ、うふふふふふ」ガチャ キョン「………」ツーツーツー キョン「さらば谷口……」 141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 02:37:20.32 ID:0gEIDN260 ハルヒ「ちょっとキョン、何してたのよ?」 キョン「ああ、すまん、大したことじゃない」 長門「………」 ハルヒ「まったく、団活中に電話するなんて非常識極まりないわ!」 キョン「すまんな、今度からは気をつけるよ」 長門「………」パタン ハルヒ「あら、もうこんな時間なのね」 ハルヒ「じゃあ、今日の団活はここまでよ!」 古泉「それじゃあ僕はこれで」ガチャ キョン「それじゃあ、俺も……」 長門「!」 長門「………」カキカキ ハルヒ「キョ、キョン!」 ハルヒ「そ、その今日は…あたしと一緒に……」ゴニョゴニョ 142 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 02:40:50.49 ID:0gEIDN260 キョン「ん?すまん、よく聞こえなかった」 ハルヒ「!」 ハルヒ「だ、だから! その……」 長門「………」バッ  “大事な用がある一緒に帰ってほしい” ハルヒ「あたしと一緒に帰りなさいって言ってるのっ!!」 キョン「……マジかよ」 キョン(二人いっぺんにそれはないだろう!?) ハルヒ&長門「………」ジー キョン「うっ……」 キョン「………」 145 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 02:46:16.93 ID:0gEIDN260 キョン「…わ、わかった、ハルヒ一緒に帰ろう」 ハルヒ「ほんとっ!?」パァ 長門「!!」 長門(そんな……) ハルヒ「じ、じゃあ早く帰りましょ!」キラキラ キョン「あー、そうだハルヒ、今日は用事があるから寄り道はできんぞ?」 ハルヒ「む、何よ用事って?」 キョン「ちょっとな」チラ ハルヒ「…ふーん、まあ、いいわ」 長門「………」 148 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 02:49:20.77 ID:0gEIDN260 ハルヒ「それじゃあ、さっさと帰りましょ?」 キョン「あ、ああ」チラ 長門「………」 キョン「長門」ボソ 長門「!」 キョン「ハルヒと分かれたらすぐに戻ってくる」ボソボソ 長門「………」 キョン「それまで待っててくれ」ボソ 長門「………」 長門「………」コク 152 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 02:53:49.37 ID:0gEIDN260 キョン「よし、じゃあ、帰るか」 ハルヒ「ええ」ニコニコ みくる「お二人とも、さようならぁ」 キョン「さようなら」 ハルヒ「バイバイ♪」   バタン みくる「涼宮さん、幸せそうでしたね」 長門「………」 みくる「長門さんはかえらないんですかぁ?」 長門「………」カキカキ  “私はまだここにいる” みくる「ふぇ〜、そうですかぁ」 みくる「じゃあ、おさきに失礼しまぁす」ガチャ   バタン 長門「………」 153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 02:55:46.02 ID:0gEIDN260 ハルヒ「キョンと二人っきりで帰るのって久しぶりね」ニコニコ キョン「そうだったか?」 ハルヒ「うん」 ハルヒ「みんなと一緒に帰ることはあったけど二人っきりは久しぶり」 キョン「そうだったかねぇ…」 ハルヒ「そうよ」ニコニコ キョン「ずいぶんご機嫌だな?」 ハルヒ「そう?」 キョン「ああ」 ハルヒ「ふふっ」ニコニコ キョン「?」 155 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 02:57:19.86 ID:0gEIDN260 キョン「まあ、機嫌が良くなってくれてよかったよ」 ハルヒ「………」 ハルヒ「ねえ、キョン」 キョン「何だ?」 ハルヒ「…本当に有希とは何もなかったのよね?」 キョン「当たり前だ」 ハルヒ「ほんっとーに本当?」ジー キョン「本当だ、そんな嘘つくはずないだろう」 ハルヒ「信じていい?」 キョン「ああ」 ハルヒ「そっか、ふふ」ニコ キョン「こんなことを聞くために二人きりで帰ろうなんて言い出したのか?」 ハルヒ「え? そ、そんなわけないじゃない!」 156 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 03:01:52.68 ID:0gEIDN260 ハルヒ「あたしはただキョンと二人っきりで……」ゴニョゴニョ キョン「ん? 二人きりがなんだって?」 ハルヒ「な、な、な、何でもないわよ!」 ハルヒ「……ねぇ、キョン…明日もあたしと……」 ハルヒ「……///」 ハルヒ「……やっぱり何でもないわ」 キョン「?」 ハルヒ「あたし家こっちだから! またねキョン!」ダッ キョン「……何なんだあいつ?」 キョン「まあ、いいか」 キョン「そろそろ長門のところへ行かないと」 157 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 03:04:11.95 ID:0gEIDN260 長門「………」 長門(遅い……) 長門(もしかして、私は忘れられた…?)   ガチャ 長門「!」 キョン「待たせたな、長門」 長門“待ってない” キョン「それじゃあ、行くか」 長門「………」コク 161 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 03:08:23.29 ID:0gEIDN260 キョン「それで大事な用って何なんだ?」 長門「………」カキカキ  “買い物に付き合ってほしい” キョン「…買い物?」 長門“喋れないから不便” キョン「…なるほどな」 キョン「そういうことなら付き合うぞ」 キョン「で、何を買うんだ?」 163 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 03:10:37.17 ID:0gEIDN260 キョン(……スーパーに来てみたが…) 長門「………」   ウィーン キョン(長門とスーパーに来るなんて思いもしなかったな…) 長門「………」スタスタ 長門「………」ヒョイ キョン「人参にじゃがいも、玉ねぎに……ん?」 キョン(この材料…もしかしなくても……) 長門「………」ヒョイ キョン「カレーのルー……」 キョン(やっぱりカレーか……) 165 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 03:12:35.96 ID:0gEIDN260 長門「………」 キョン「ん?」 長門「………」カキカキ  “あれをとってほしい” キョン「…これか?」 長門「………」コク キョン「ほら」ヒョイ 長門(…二人きりで買い物) 長門(彼と協力しての買い物……) キョン(……しかしドッグフードなんて何に使うんだ?) 167 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 03:14:53.44 ID:0gEIDN260 キョン「これで買いたいものは全部か?」 長門「………」フルフル キョン「まだあるのか?」 長門“違う店にも行く” キョン「……何軒回るつもりなんだ?」 長門「………」 長門「………」カキカキ  “あと2軒”  “イヤ?” キョン「長門には世話になってるからな」 キョン「このくらい付き合うさ」 169 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 03:16:35.30 ID:0gEIDN260 キョン「本屋か…」 長門「………」キョロキョロ 長門「………」トテトテ 長門「………」カキカキ 長門“あれをとってほしい” キョン「これか?」 長門「………」コク 長門「………」トテトテ 長門「………」カキカキ キョン「長門、指を指してくれればわかるぞ?」 長門「………」 171 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 03:18:38.19 ID:0gEIDN260 キョン(本まで買うとさすがに重くなってきたな…) 長門「………」スタスタ キョン「最後はどこのお店なんだ?」 長門「………」ピタ 長門「………」スッ キョン「駄菓子屋……?」 長門「………」コク おばあさん「いらっしゃい」 長門「………」 キョン「へぇ、いろいろあるんだな……」 長門「………」トテトテ キョン「へぇ……」キョロキョロ 176 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 03:21:40.64 ID:0gEIDN260 おばあさん「何かお探しですか?」 キョン「あ、いや、俺はあの娘の付き添いです」 長門「………」キョロキョロ おばあさん「そうかい、そうかい、かわいい彼女さんだねぇ」ニコニコ キョン「なっ!?」 長門「………」ピク キョン「い、いや別に付き合ってるわけじゃ……」 長門「………」トテトテ おばあさん「よかったねぇ、優しそうな彼氏さんで」 長門「………」コク キョン「な、長門!?」 179 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 03:25:17.98 ID:0gEIDN260 キョン(まったく、何を考えてるんだ長門の奴…) キョン(ま、まあ悪い気はしなかったが…)   ガチャ 朝倉「あら、おかえりなさーい」パタパタ 長門「………」スタスタ キョン「ふう、さすがに疲れたな…」 朝倉「どうしたのその荷物!?」 キョン「長門に買い物に付き合ってほしいって言われてな」ドサ 朝倉「買い物?めずらしいわね」 キョン「めずらしい?」 朝倉「ええ、あたし長門さんが買い物してるところなんて見たことないわ」 180 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 03:27:05.34 ID:0gEIDN260 キョン「そうなのか?」 朝倉「うん、いつも買い物はあたしの仕事だし」 キョン「へぇ…」 朝倉「どうしたのかしら?」 キョン「さぁな…」 朝倉「………」 キョン「………」 朝倉「………」 キョン「…そういえばカレーの材料買ってたぞ?」 朝倉「ええっ!? また!?」 183 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 03:31:29.08 ID:0gEIDN260 キョン「それじゃあ、俺はこれで……」 朝倉「待った!」ガシ キョン「な、何をする朝倉!?」 朝倉「キョン君も晩御飯食べていって…!」ニコ キョン(目が怖い、目が怖い) キョン「…いや、さすがに二日連続は……」 朝倉「あたしなんて4日連続よ…?」 朝倉「あなたが止めてさえくれれば…」ゴゴゴ キョン「わ、わかった!是非ご一緒させていただきます!」 朝倉「ふふふ……」スタスタ 184 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 03:33:33.77 ID:0gEIDN260 朝倉「……晩御飯、できたわよ…」 キョン「あ、ああ」 長門「………」 キョン「そ、それじゃあ、いただきます」 長門「………」モグモグ 朝倉「………」モグモグ キョン「………」モグモグ キョン(気まずいっ……!!) 185 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 03:35:20.09 ID:0gEIDN260 長門「………」 長門(そういえば、つい買ってしまったドッグフードの使い道を考えるの忘れていた…) 朝倉「………」モグモグ キョン「………」モグモグ 長門「………」モグモグ 長門(ちょうどいいのがいた) 186 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 03:38:04.73 ID:0gEIDN260 キョン「そ、そういえば長門、お菓子を大量に買い込んでたよな?」 朝倉「………」ピク 長門「………」モグモグ キョン「袋いっぱいまで買っていたけど、食べ切れるのか?」 長門「………」 朝倉「あたしが手伝って――」 長門「………」スッ 朝倉「え?あたしにお土産があるの!?」 長門「………」ゴソゴソ 朝倉(長門さんからのお土産…!いったいなんだろう?) 長門「………」スッ 朝倉「……ドッグフード…?」 187 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 03:40:11.66 ID:0gEIDN260 朝倉「あのー、これはいったい…?」 長門「………」モグモグ キョン(このために買ってきたのかよっ!?) 朝倉「…あたしは、できればお菓子とかの方が……」 長門「………」モグモグ 朝倉「長門さん?」 長門「………」 長門「………」プイ 朝倉「!」 189 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 03:45:28.23 ID:0gEIDN260 朝倉「うぅ、ひどい……」 長門「………」 長門「………」スッ 朝倉「え?」 キョン「?」 朝倉「おかわり……?」 長門「………」コク キョン(これはひどい…) 朝倉「うぅ……」 キョン(……まあ、朝倉だし、いいか)モグモグ 193 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 03:49:07.25 ID:0gEIDN260 長門「………」ケプ キョン「ふう」 キョン(さすがに二日連続はきついな…) 朝倉「………」カチャカチャ 長門「………」ガサゴソ キョン「長門、もうお菓子食べるのか!?」 長門「………」コク 長門「………」パリポリ キョン「よく食えるな……」 朝倉「あたしももらっていい?」 長門「………」 長門「………」スッ 朝倉「キャンディー1個……」 198 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 04:00:39.98 ID:0gEIDN260 長門「………」パリポリ 長門「………」 長門「………」ボー キョン「?」 朝倉「長門さん?」 長門「………」フラ   ドサッ キョン「長門っ!?」 朝倉「長門さんっ!?」 202 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 04:06:04.92 ID:0gEIDN260 長門「……ん」 長門「…?」 長門「ここは……」 長門「…部室?」 長門「何故…?」 長門「………」キョロキョロ 長門(能力が使えない……) 長門「私は自宅にいたはず…」 長門「彼と朝倉涼子を探さなくては…!」 204 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 04:08:13.52 ID:0gEIDN260 長門「………」 長門(誰もいない…) 長門「外は明るい…」 長門「この時間に誰もいないのは不自然」 長門「いったい何故…」   ガタッ 長門「!」 長門「誰?」   シーン 長門「………」 205 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 04:10:13.73 ID:0gEIDN260 長門「………」スタスタ 長門「やはり誰もいない…」 長門(声は出るのに能力は使えない……) 長門「………」スタスタ 長門「校舎外に出られない」 長門(いったいどうすれば……)   タッタッタッ 長門「!」 長門「足音…?」 208 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 04:12:49.58 ID:0gEIDN260 長門(誰かいるかもしれない…) 長門「………」タッタッタッ 長門「………」キョロキョロ 長門(いない…)   タッタッタッ 長門「………」 長門「………」タッタッタッ 長門「………」キョロキョロ 長門「!」 長門(あれは……彼!?) 210 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 04:14:55.04 ID:0gEIDN260 長門「待って」 キョン「………」スタスタ 長門(聞こえていない!?) 長門「待って!」タッタッタッ キョン「………」スタスタ 長門「はぁ、はぁ」タッタッタッ 長門(距離が縮まらない…!?) 長門(離れていく…追いつけない) 長門「待ってっ!!」 キョン「………」ピタ 212 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 04:17:31.34 ID:0gEIDN260 長門「!」 長門「はぁ、はぁ」 長門(止まってくれた)タッタッタッ 長門(声が届いた…?)ハァハァ 長門(あと…ちょっと……)タッタッタッ キョン「………」クル 長門「!」ピタ キョン「………」 長門「……?」 キョン「………」ニヤ 長門「!!」バッ 長門「……あなたは…誰?」 214 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 04:19:54.89 ID:0gEIDN260 キョン「………」 キョン「………」ツカツカ 長門「………」グッ 長門「!」 長門(動けない!?) キョン「………」ツカツカ 長門「……来ないで」 キョン「………」ピタ 長門「………」 キョン「……何を脅えているんだ?」 長門「……!」 215 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 04:21:52.64 ID:0gEIDN260 長門「あなたは誰…?」 キョン「…見てわからないか?」 長門「あなたは彼とは違う」 キョン「……同じさ」 長門「…違う、あなたは彼じゃない」 キョン「………」フッ キョン「まあ、いいさ、顔を見に来ただけだしな」 長門「!?」 キョン「じゃあな、長門有希」 長門「待って!あなたは……」 219 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 04:49:01.28 ID:0gEIDN260 長門「!!」ガバッ 長門「………」ハァハァ 長門(ここは…私の部屋…?) 朝倉「長門さん!目が覚めたのね!?」 長門(朝倉涼子?) 長門「………」パクパク 長門(声が出ない……) 226 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 05:00:22.39 ID:0gEIDN260 朝倉「どうしたの長門さん?」 長門「………」スッ 朝倉「状況説明?ああ、そうね」 朝倉「長門さん、晩御飯の後に倒れたのよ」 朝倉「覚えてない?」 長門「………」 長門(そういえば……) 朝倉「長門さん、ずいぶんとうなされていて…」 朝倉「あたしとキョン君で看病してたんだけど…」 朝倉「キョン君は疲れて途中で眠っちゃったみたい」 228 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 05:02:28.97 ID:0gEIDN260 長門「………」 朝倉「長門さん?」 長門(あれは…夢?) 朝倉「大丈夫?まだ疲れているんじゃない?」 朝倉「今は普通の人間と変わらないから風邪を引いただけだと思うけど……」 朝倉「もう少し休んでいたほうがいいわ」 長門「………」コク 朝倉「おやすみなさい、長門さん」 長門(原因不明、今は考えても仕方がない……) 230 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 05:10:53.67 ID:0gEIDN260  〜三日目〜 キョン「長門、体の方は大丈夫か?」 長門「………」コク キョン「熱は引いたみたいだが…」 朝倉「無理せず学校を休んだほうが……」 長門「………」フルフル 朝倉「…仕方ないわね」 朝倉「キョン君、長門さんのことお願いね」 キョン「ああ、まかせておけ」 長門「………」スタスタ キョン「じゃあ、行ってくる」 朝倉「気をつけてね」 朝倉(長門さんの鞄、ずいぶん膨らんでいたけど…) 朝倉(何を入れてるのかしら?) 232 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 05:20:17.03 ID:0gEIDN260 キョン「本当に大丈夫か?」 長門「………」コク キョン「授業中に気分が悪くなったら保健室に行くんだぞ?」 長門「………」コク 長門「………」スタスタ キョン「ふう、一応休み時間にでも様子を見に行くか」 キョン「………」 キョン(……そういや、あのでっかい鞄には何が入ってるんだ?) 233 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 05:28:32.77 ID:0gEIDN260   ―教室― 国木田「おはよう、キョン」 キョン「おお」 女生徒A「そういえば、昨日ここら辺で事故があったんだって」 女生徒B「えぇー、ほんとー?」 女生徒C「あー、知ってる、うちの生徒だって話だよね?」 女生徒B「マジー? こわーい」 女生徒A「気をつけないとねー」 国木田「そういえば今日、谷口来てないね」 キョン「………」 235 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 05:36:22.92 ID:0gEIDN260   ―放課後― キョン「長門、大丈夫だったか?」 長門「………」コク みくる「団活はそうたいしたほうが…」 長門「………」フルフル キョン(ん? 鞄が小さくなってるぞ……?) ハルヒ「おまたせー!」バターン キョン「朝比奈さん、ハルヒには黙っていてください」ボソ みくる「わかりました」ボソ ハルヒ「?」 長門「………」ペラ 237 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 05:42:31.73 ID:0gEIDN260 ハルヒ「あら、有希」 ハルヒ「また、本を読むようになったのね!」 長門「………」コク ハルヒ「うんうん、やっぱり有希は本を読んでる方がいいわ」 長門「………」ペラ   ガチャ 古泉「どうも、おまたせしました」 古泉「おや、僕が最後でしたか」 キョン「よう」 みくる「みなさん、いまお茶をいれますね」 242 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 05:48:09.38 ID:0gEIDN260 古泉「長門さんはどうなりました?」ボソボソ キョン「まだダメだ」ボソ 古泉「…そうですか」ボソ キョン「…むしろ前より悪化してる」ボソボソ 古泉「と、いいますと?」ボソボソ キョン「今の長門は普通の人間と変わらないからな」ボソボソ キョン「風邪を引いちまったみたいなんだ」ボソボソ 古泉「なるほど」ボソ ハルヒ「二人で何話してるのよ?」 古泉「いえ、何でもありませんよ」 キョン「男同士の話ってやつだ」 ハルヒ「ふーん、ま、別にいいけど」 243 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 05:53:13.32 ID:0gEIDN260 古泉「涼宮さんのことはこちらにお任せください」ボソボソ キョン「わかった」ボソ 古泉「そのかわり長門さんのことは任せましたよ?」ボソボソ キョン「言われんでもそのつもりだ」ボソ 古泉「ふふ、それではオセロでもやりましょうか?」 キョン「ああ、いいぜ」 長門「………」ペラ 244 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 05:55:21.79 ID:0gEIDN260 長門「………」パタン ハルヒ「それじゃあ、今日は解散ね!」 古泉「おや、もうこんな時間ですか」 長門「………」 ハルヒ「ね、ねぇ、キョン」 キョン「ん?」 ハルヒ「そ、その……今日もあたしと一緒に――」 古泉「すいません、涼宮さん」 古泉「今日は僕が先に約束をとり付けていまして…」 ハルヒ「へ?そうなの?」 245 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 06:00:20.30 ID:0gEIDN260 キョン「ああ」 ハルヒ「……もしかして、さっき話してたことと関係あるの?」 古泉「ええ、実は彼に相談事をしていまして… ハルヒ「キョンに?」 古泉「はい、異性には、いささか相談しにくいことで…」 ハルヒ「そうなの…」 古泉「先ほど話していたのも、そのことなんです」 ハルヒ「そう……」 古泉「申し訳ありません」 ハルヒ「い、いいのよ、古泉君が気にすることじゃないわ!」 ハルヒ「じ、じゃあ、あたし帰るわね!」ダッ 246 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 06:05:49.66 ID:0gEIDN260 キョン「助かったよ、古泉」 古泉「いえいえ」 古泉「それでは僕は涼宮さんが長門さんの家に    近づかないように手を打っておきます」 キョン「頼む」 古泉「では、僕はこれで」 みくる「あたしも帰ります」 みくる「がんばってくださいねキョンくん」 キョン「ええ、ありがとうございます」 みくる「長門さん、おだいじに」 長門「………」コク キョン「さて、長門、俺たちも帰るとするか?」 長門「………」コク 247 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 06:10:30.12 ID:0gEIDN260 長門「………」クイ キョン「ん?どうした?」 長門「………」カキカキ  “駄菓子屋に寄っていきたい” キョン「昨日たくさん買っていたよな?」 長門「………」コク キョン「…まさか全部食べたのか?」 長門「………」コク キョン(ってことは鞄に入っていたのはお菓子だったのか…) 249 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 06:11:40.29 ID:0gEIDN260 キョン(長門、あの駄菓子屋よほど気に入ったんだな) 長門「………」スタスタ キョン「長門、病み上がりなんだ、食べ過ぎるなよ?」 長門「………」コク キョン「お、着いたな」 長門「………」トテトテ 長門「………」キョロキョロ 少年「いらっしゃい」 キョン「ん?」 キョン(あれ?昨日は、ばあさんだったのに……) 251 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 06:15:09.90 ID:0gEIDN260 少年「はじめまして」 キョン「あ、ああ、はじめまして」 長門「………」キョロキョロ キョン「昨日来たときは、おばあさんがいたんだが……」 少年「今日はおばあちゃん休みなんだ」クスクス キョン「そ、そうか」 キョン(な、何だこの子供……?) 長門「………」クイ キョン「選び終わったのか、長門?」 長門「………」コク 少年「ふふ…」 254 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 06:18:52.73 ID:0gEIDN260 少年「また会ったね、おねえちゃん」クスクス 長門「………」 長門「?」 少年「………」クスクス キョン「長門、知り合いか?」ボソ 長門「………」フルフル キョン(もしかして長門が前に来たときに会ったのか…?) キョン(何度か見かけただけかもしれないが、あの子は知り合いになった気かもしれんし…) キョン「長門、こういうときは相手にあわせてやれ」ボソボソ 長門「………」コク 少年「ありがとうございました」クスクス 長門「………」コク 少年「またね、おねえちゃん」クスクス 長門「………」コク 256 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 06:25:01.02 ID:0gEIDN260 キョン「それにしてもずいぶん買い込んだな…」 長門「………」スタスタ キョン「……まだ喋れないのか?」スタスタ 長門「………」 長門「………」コク キョン「…そうか、喜緑さんの話ではそろそろ治ってもおかしくないんだが…」 長門「………」 キョン「まあ、ここで考えても仕方ないか」 キョン「朝倉も心配してるだろうし、帰るか」 長門「………」コク 259 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 06:28:56.50 ID:0gEIDN260 長門「………」   ガチャ みくる「おかえりなさぁい」 キョン「朝比奈さん!?」 みくる「おかえりなさい、キョンくん」 みくる「わぁ、すごい量のお菓子ですねぇ!」 キョン「え、ええ」 長門「………」 キョン「と、ところで何故朝比奈さんがここに?」 みくる「お二人が帰ったあとに、やっぱりわたしも手伝おうと思いま――」 朝倉「二人とも! 帰りが遅いから心配してたのよ?」 261 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 06:33:45.09 ID:0gEIDN260 朝倉「あ、そうだ、長門さんにプレゼント」 長門「?」 朝倉「はい、コレ」 キョン「……のど飴?」 長門「………」 朝倉「ほら、風邪を引いた時って    喉が痛くなる時が多いって聞いて今朝買って来たのよ」 キョン「なんで開いてるんだ……?」 朝倉「おいしいかなーって…」 長門「………」ポイ 朝倉「ああ、ひどいっ!」 263 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 06:37:23.48 ID:0gEIDN260 みくる「そういえば、キョンくんと長門さんはどこに――」 朝倉「もうっ! ひどいじゃない長門さん!」 長門「………」プイ キョン「………」 みくる「あの――」 朝倉「あ! ご飯できてるわよ」 みくる「………」グスン 266 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 06:42:10.72 ID:0gEIDN260 キョン「おい、朝倉」 朝倉「なーに?」 キョン「朝比奈さんをいじめるな」 朝倉「えー」 みくる「うぅ……」 朝倉「もう、仕方ないわねぇ」 キョン「まったく……」 みくる「ふぇ〜!?あれわざとだったんですかぁ?」 キョン「ほら、朝比奈さんにあやまれ」 朝倉「え〜、別にいいじゃないこの娘なら」 みくる「ひ、ひどいですぅ〜」グスン 267 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 06:45:56.82 ID:0gEIDN260 朝倉「あーもう泣かないでよ」 朝倉「仕方ないなぁ、ほら、飴あげるから」スッ みくる「グスッ……あ、ありがとうございます」 朝倉「………」 キョン「ん?飴……?」 みくる「…喉がスースーしますぅ」 キョン「やっぱりさっきののど飴かっ!?」 269 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 06:49:48.70 ID:0gEIDN260 朝倉「さーて、長門さんの回復祝いの準備しなきゃ!」トテトテ キョン「あいつ……」 みくる「ふぇ〜」スースー キョン「よくも朝比奈さんを…許さん!」 みくる「……うぅ」スースー キョン「朝比奈さん、ちょっと待っててください!」 みくる「ふぇ?」 キョン「………」ピポパ キョン「あ、もしもし?」 271 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 06:55:24.89 ID:0gEIDN260 朝倉「さて、準備もできたし長門さん、みんなを呼んできてくれる?」 長門「………」 朝倉「もう、少しは動いてよぉ…」 朝倉「仕方ないなぁ、あたしが呼びにいくわ」 朝倉「二人ともー、準備できたわよー?」 喜緑「あら、そうですか?」ニコ 朝倉「へ?」   ドゴン 朝倉「グフッ……」ドサ 272 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 06:57:49.55 ID:0gEIDN260 キョン「ありがとうございました、喜緑さん」 喜緑「いえいえ、お安い御用ですよ」 みくる「……だ、だいじょうぶですかぁ?」スースー 朝倉「………」ピクピク 長門「………」 キョン「喜緑さんも晩御飯いかがですか?」 喜緑「では、お言葉に甘えて…」 274 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 06:59:48.72 ID:0gEIDN260 喜緑「それにしてもずいぶん豪勢ですね」 キョン「そういえばそうですね」 キョン(本人に聞こうにも朝倉は気を失ってるしな) みくる「ふぇ?長門さんの回復祝いじゃないんですか?」 キョン「へ?」 喜緑「なるほど、そういうことですか」 キョン「ち、ちょっと待ってください、長門の回復祝いって何ですか?」 キョン「長門はまだ……」 喜緑「長門さんならもう治ってますよ?」 キョン「へ?」 275 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 07:01:05.47 ID:0gEIDN260 キョン「ど、どういうことですか?」 喜緑「どうもこうも、長門さんならもう喋れるようになってますよ?」 キョン「だって、さっき長門に聞いたときは……」 喜緑「それは変ですね、放課後には治っていたはずです」 キョン「なっ…」 キョン「長門、どういうことだ?」 長門「………」 みくる「長門さん?」 278 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 07:03:51.26 ID:0gEIDN260 喜緑「長門さん、正直に話していただけますか?」 長門「………」 キョン「長門……」 長門「………」 長門「……あなたと…買い物に行きたかった」 キョン「へ?」 みくる「ふぇ?」 喜緑「……買い物に?」 長門「……そう」 長門「……声の出ない私に対し、あなたは優しくしてくれた」 281 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 07:06:52.45 ID:0gEIDN260 長門「……私は…あなたの優しさを失いたくなかった…」 長門「……私が治ったことを知れば、あなたの優しさは私に向けられなくなる」 長門「……私は…」 キョン「もういい、長門」ポン 長門「!」 みくる「長門さん、キョンくんは長門さんが治ったからって      急に冷たくなるような人じゃないでしょう?」 長門「………」 キョン「そうだぞ長門、買い物くらいならいつだって付き合ってやるさ」 喜緑「…長門さん、こういうときは素直に謝っておくものです」ニコ 長門「………」 長門「……ごめんなさい」 キョン「…ああ」 282 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 07:08:52.97 ID:0gEIDN260 喜緑「さて、それじゃあ、そろそろ食べましょうか?」 みくる「そうですね、せっかくのお料理がさめてしまいますもんね」 キョン「ええ、そうしましょう」 長門「………」 朝倉「うぅ…あたしがいない間になんか終わっちゃってるし……」 喜緑「あら、起きてしまいました?」 喜緑「あなたの分の料理はありませんよ?」ニコ 朝倉「そ、そんなぁ」 284 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 07:10:23.89 ID:0gEIDN260 長門「………」 長門「………」クイ キョン「ん? どうした長門?」 長門「…今朝、不思議な夢を見た」 キョン「夢?」 長門「……そう」 長門「あなたに良く似た人に会った…」 キョン「俺に?」 長門「………」コク 285 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 07:12:12.03 ID:0gEIDN260 キョン「…どんな夢だったんだ?」 長門「………」 キョン「?」 長門「……思い出せない」 キョン「………」 キョン「まあ、そういうこともあるさ」 長門「………」 キョン「でもまあ、夢を見るってことは、長門が人間に近づいたってことだろう」 長門「……?」 287 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 07:13:02.16 ID:0gEIDN260 喜緑「それでは皆さん、食べましょうか」 朝倉「あ、あたしにも――」 喜緑&みくる「いただきます」 キョン「長門、喋れるってのもいいもんだろう?」 長門「………」コク キョン「それじゃあ、俺たちも食べるか?」 長門「………」コク 長門「……いただきます」 おわり 295 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 07:18:09.54 ID:0gEIDN260 やっと終わった…… また朝になってしまった……すいませんでした なんかグダグダになってしまいましたね 長くなりすぎました、ごめんなさい とりあえず限界なのでもう寝ます こんな時間まで付き合っていただいた皆様、本当にありがとうございました おやすみなさい… 296 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/06(日) 07:20:31.83 ID:0gEIDN260 少年や前作の本などは、次にスレ立てたときにってことでご容赦ください 中途半端でごめんなさい