ハルヒ「あれ、あたしって匂いフェチなのかしら」 1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/01(火) 00:44:13.39 ID:S1rjF3zZ0 キョン「なんだ急に!」 ハルヒ「あたし、すぐ何でも匂い嗅いじゃう癖があるのよね」 キョン「犬かお前は」 ハルヒ「臭いもの嫌いなの、だから余計といつも確認するのかも」 キョン「あーそうかい、で、それがどうした」 ハルヒ「え?別に」 キョン「何でも無いなら一々起こすなよ!昨日あんまり寝てないんだ!」 ハルヒ「なに朝から怒鳴ってんのよ、カルシウム足りてないんじゃないの?」 キョン「まったく……俺は寝るぞ!」 ハルヒ「勝手にしなさいよ」 キョン「zzz……」 ハルヒ「はやっ」 3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/01(火) 00:49:45.59 ID:S1rjF3zZ0 ハルヒ「まるでのび太ね」 キョン「すぴー……すぴー……」 ハルヒ「どうせ授業が始まるまであと五分もないってのに、バカキョン」 キョン「……zzz」 ハルヒ「……」 キョン「zzz……」 ハルヒ「……でも、何でも匂い嗅ぐのって変なのかしら」 キョン「すぴー……」 ハルヒ「あんまりこいつも賛同してくれなかったし」 キョン「zzz……」 ハルヒ「……」 ハルヒ「そういえば、キョンってどんな匂いするのかしら」 ハルヒ「ま、どうせ汗臭いんでしょうけど」 ハルヒ「……今、チャンスよね」 4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/01(火) 00:54:00.35 ID:S1rjF3zZ0 キョン「すぴー……」 ハルヒ「どのへんがいいかな……首筋とか、耳の裏よね、やっぱり」 ごそごそ 谷口「おい、キョンのやつ、また涼宮になんかされてるぞ」 国木田「仲いいよねえ、ほんとに」 谷口「財布でも盗まれるんじゃないか、あれ」 国木田「そうかな、なんかもっと、じゃれあってるように見えるけど」 ハルヒ「起きないわよね、よーし」 ハルヒ「……」 くんくん ハルヒ「すー……すー……」 ハルヒ「……はー」 きゅん ハルヒ「あ、あれ?」 ハルヒ「(なんだろ、この感じ……この匂いわりと好きかも)」 8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/01(火) 01:00:25.49 ID:S1rjF3zZ0 ハルヒ「(もう一回嗅いでみよっかな……)」 くんくん ハルヒ「すー……はー……」 キョン「うーん……ん!」 ハルヒ「ひぁ!?」 キョン「わっ、な、なんだ!?」 ハルヒ「何よ急に起きて!びっくりするじゃないの!」 キョン「こっちの台詞だ!お前今、何かしただろ」 ハルヒ「何もしてないわよ」 キョン「嘘つけ!あ、まさか顔に落書きとかそういう……」 ハルヒ「だからしてないってば!」 キョン「やれやれ……なんだってんだ、さっきから」 ハルヒ「(なんなんだろ、あの匂い……初めてだな)」 キョン「ふぁーあ」 13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/01(火) 01:11:09.47 ID:S1rjF3zZ0 〜昼休み〜 ハルヒ「zzz……」 キョン「人に偉そうな事言っといて、こいつは授業が始まってからずっと寝てたな、まったく」 キョン「やれやれ、こんなのであれだけ成績がいいんだから、やってられないんだよなあ」 谷口「おい、キョン!五時限目は体育だろ、お前も先に着替えとけよ」 キョン「なんだあ?お前制服の下にジャージ着込んでたのか、小学生じゃあるまいし……」 谷口「準備が言いといえ、準備が!ま、着替えてる間にお前の分のパンも買っといてやるよ」 キョン「なんだ、やけに気が効くじゃないか」 谷口「いつものことだろ!」 ガラガラ 国木田「先週から購買部でバイトしてる子が目当てなのさ」 キョン「そんなこったろうと思ったよ」 国木田「隣のクラスらしいよ、かわいいんだって」 キョン「へえ……まあいいや、着替えるとしよう」 15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/01(火) 01:17:07.83 ID:S1rjF3zZ0 キョン「しかし今日も外は暑そうだなあ……」 ごそごそ ハルヒ「zzz……」 キョン「まだ寝てるのかこいつは……ま、その方が俺も着替えやすいか」 ぬぎぬぎ ハルヒ「んん、もうお昼かぁ……」 キョン「あれ、携帯どこやったかな」 ごそごそ ハルヒ「ふぁー……あれ、何かしらこの白い布」 ハルヒ「すんすん……いいにおい……むにゃ」 くんくん、すりすり キョン「あったあった、っておい!」 ハルヒ「むにゃ?」 キョン「人のTシャツで顔を拭くなよ!」 ハルヒ「うぇ!?」 18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/01(火) 01:23:05.19 ID:S1rjF3zZ0 ハルヒ「こ、これあんたのシャツ!?」 キョン「そうだといっとろうが!返せ!」 ハルヒ「うええ……」 キョン「何がうええ、だ。勝手に取っておいて」 ハルヒ「ていうか、なんでもいいけど服着なさいよ!あんた露出狂!?」 キョン「だからお前が……」イライラ ハルヒ「フン!」 キョン「はあ、やれやれ」 谷口「おい、買ってきたぞ!」 キョン「おう、今日はちょっと別の場所で食わないか」 谷口「あ?なんで?」 キョン「触らぬ神になんとやらだ、奴さん、どうも寝起きで機嫌が悪いらしい」 谷口「はっ、大変だなあお前も」 国木田「楽しそうでいいじゃない」 キョン「……見てる分にはそうかもな」 24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/01(火) 01:29:08.95 ID:S1rjF3zZ0 ハルヒ「(やっぱキョンって不思議な匂い……)」 ハルヒ「なんだろ、また嗅ぎたいな、あの匂い」 ハルヒ「……」 ハルヒ「……もうあいつらどっか行っちゃったのよね」 ハルヒ「鞄の中にさっきのシャツ入ってるかな……」 ごそごそ ハルヒ「あ、あった」 ハルヒ「……はっ!」 ハルヒ「あたしは一体何を……」 ハルヒ「……いや、でも別にただ匂い嗅ぐだけだし」 ハルヒ「いやいやおかしいおかしい」 ハルヒ「……ちょ、ちょっとだけ」 くんくん、すんすん ハルヒ「はにゃ……」 29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/01(火) 01:36:34.11 ID:S1rjF3zZ0 ハルヒ「なんだろ……これほんと」 きゅーん ハルヒ「はうう……」 キョン「……」 ハルヒ「……!?」 キョン「あの、涼宮ハルヒさん?」 ハルヒ「な、ななな、なんであんたが!ご飯食べに行ったんじゃなかったの!?」 キョン「財布を取りに戻ってきたら悪いのか、ええ?」 ハルヒ「あわ、あわわわわ」 キョン「なにをしてたんだよ、今」 ハルヒ「そ、それは、ちょっと、あの」 キョン「お前さては、俺のシャツにトカゲでも入れて驚かそうとしてたな?」 ハルヒ「そんな気持ち悪いことしないわよ!!」 キョン「退屈だからって、俺で遊ぶのはよしてくれよな……ほら、シャツ返せ、いつまで握ってんだ」 ハルヒ「あ、ご、ごめん……」 104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/01(火) 21:25:16.96 ID:S1rjF3zZ0 〜授業終了後・HR〜 キョン「あー、今日もようやく終わった」 ハルヒ「……」 もんもん ハルヒ「(何なのよもー……もやもやする)」 キョン「しかし暑い」 ハルヒ「……」 キョン「教室にクーラーくらい付いてたって罰は当たらないぞ、まったく」 ハルヒ「あんたが買ってきて付ければいいのよ」 キョン「無茶を言うなよ」 ハルヒ「(首筋に汗かいてる……体育もあったし、汗の匂いするんだろうな……)」 キョン「大体勉学に支障がでるレベルなら、学校側が何とかすべきだろう」 ハルヒ「(普通に話してるフリしながら……)」 キョン「やれやれ」 ハルヒ「(もうちょっと近づけば……)」 105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/01(火) 21:32:54.67 ID:S1rjF3zZ0 ハルヒ「(くんくん……んん、まだ匂いしない……もうちょっと)」 ずいっ キョン「あー!やってられん!」 ごちん! ハルヒ「ふぎゃ!?」 キョン「いってぇ!」 ハルヒ「ッ〜〜〜たぁぁ!」 ハルヒ「急に背筋伸ばさないでよバカキョン!頭が顔に当たったじゃない!」 キョン「なんでお前はそんな前のめりになってんだよ!こっちだって被害者だ!」 ハルヒ「うう……いたぁ……」 キョン「やれやれ……お前なんだか今日は変だぞ?」 キョン「いや、マトモだったことなんか一度もないか」 ハルヒ「何よえらそうに!全部あんたのせいでしょ!」 キョン「……?」 ハルヒ「あ、いや、その……なんでもない」 106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/01(火) 21:42:01.63 ID:S1rjF3zZ0 〜放課後・部室〜 ハルヒ「うー」 キョン「……」 ハルヒ「うー」 キョン「……なあ、ハルヒ。帰っていいか俺」 ハルヒ「なんで」 キョン「いや、古泉来ないみたいだし……することないだろ」 ハルヒ「そんなの別に今日に始まったことじゃないでしょ」 キョン「お前がそれを言ってしまうと誰がこのうさんくさい団体の存在意義を証明するんだ」 ハルヒ「台詞が長い!うるさい!」 キョン「……まったく」 ハルヒ「(あーもー!無性にキョンの匂い嗅ぎたい……イライラするわね)」 ハルヒ「あ、そうだ」 キョン「?」 ハルヒ「(こそこそしてるからいけないのよ、私としたことが灯台下暗しだわ!)」 109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/01(火) 21:47:58.37 ID:S1rjF3zZ0 ハルヒ「……キョン!」 キョン「なんだよ」 ハルヒ「あんたちょっと臭うわよ」 キョン「な、なに!?」 ハルヒ「体育のあと、ちゃんと汗拭いたの?」 キョン「何のためにタオル持ってきとるんだ俺は!しかしまあ、こんな季節だから汗くらい……って、おい」 ハルヒ「くんくん……ん、やっぱりあんたよ」 キョン「そりゃあお前、俺とお前しか今この部屋にはいないんだぞ?他から異臭がしたらそりゃ一大事だろ」 ハルヒ「くんくん……すんすん……」 キョン「お、おい!」 ハルヒ「(わ、男の子の匂い……でもなんだろ、嫌いじゃないっていうか、どきどきするっていうか……)」 ハルヒ「はにゃ……」 キョン「……?」 110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/01(火) 21:57:11.20 ID:S1rjF3zZ0 ハルヒ「(汗とキョンの体臭が混ざって……近づくとむわってなる……)」 キョン「も、もういいだろ!俺だって好きで汗かくわけじゃないんだから」 ハルヒ「(首の筋張ったラインってなんかいいわよね……汗ってしょっぱいのかしら)」 くんくん キョン「臭いなら近づくなって言うのに!」 ハルヒ「……」 ぺろ キョン「〜〜〜〜ッ!?」 ハルヒ「……あ!?あ、あたし、な、ななな、何して!」 キョン「こっちの台詞だ!」 ハルヒ「(なめちゃったキョンの首筋ぺろってなめちゃったうわあああああああ)」 キョン「冗談が過ぎるぞ!」 ハルヒ「(あああああああ何してるのよあたしはああああああ)」ドタンバタン キョン「わ!暴れるなよこんな狭い部屋で!」 ハルヒ「うわああああああああああああああ」 113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/01(火) 22:02:55.74 ID:S1rjF3zZ0 ガラガラガッシャーン キョン「ぬわーっ!!」 ハルヒ「……あ、あれ」 キョン「……ブクブク」 ハルヒ「キョンが倒れた本棚の下敷きに……ちょっと!大丈夫!?」 キョン「うーん……」 ハルヒ「死んではないみたいね、よかった」 ハルヒ「……」 ハルヒ「これでうまいこと前後の記憶とかなくならないかしら」 ハルヒ「あー、はずかし」 キョン「……」 ハルヒ「……」 ハルヒ「い、今なら起きてこないわよね」 ハルヒ「……ゴクリ」 218 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/02(水) 23:19:48.24 ID:EGLP7H8K0 >>113の続きです ハルヒ「んしょ、んしょ……」 キョン「うう……」 ハルヒ「さて、キョンの救出完了ね。体をあおむけにして、と」 ぎゅぅ ハルヒ「誰かにこんなとこ見られたら大変ね……どう見たってあたしがキョンを押し倒してるようにしか見えないもの」 ハルヒ「あー……どきどきしてきた」 くんくん ハルヒ「(ふわ……やっぱり朝より匂いがきつい……)」 すんすん ハルヒ「(でも何回も嗅ぎたくなる……やっぱこの匂い好き……)」 すりすり ハルヒ「(キョンが起きる前にやめなきゃ……でも……)」 ぎゅぅぅ ハルヒ「ふにゃ……もうちょっとだけ……」 222 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/02(水) 23:27:34.87 ID:EGLP7H8K0 ハルヒ「(頭がクラクラする……)」 キョン「うーん……」 ハルヒ「こんなに近くでキョンのことじっくり見るの初めてよね……」 ハルヒ「……」 ぺろ ハルヒ「あれ……あたしまた変なことして……」 ぺろぺろ ハルヒ「キョンの汗、しょっぱい」 ぎゅぅぅぅ ハルヒ「(こんなのおかしいよぉ……)」 すりすり ハルヒ「(キョンの匂い嗅ぐと胸の奥がきゅーってなる……)」 ハルヒ「はふ……すー……はー……」 226 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/02(水) 23:36:17.06 ID:EGLP7H8K0 ハルヒ「んふ……んん……」 ぺろぺろ、ちゅぱちゅぱ ハルヒ「(なんだか……すごくいとおしい……)」 キョン「うーん……んん、あ、あれ」 ハルヒ「んん……ふむ……」 すりすり、くんくん キョン「う、うわ!?」 ハルヒ「ひっ!?」 キョン「な……な、ななな」 ハルヒ「やっ……あの!これは、その……ええと」 キョン「お前一体何を……!」 ハルヒ「し、知らないわよ!」 がばっ キョン「うおわっ!何すんだ!」 ハルヒ「わかんないって、言ってんでしょ……あたしにも」 228 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/02(水) 23:42:53.87 ID:EGLP7H8K0 ハルヒ「こっちが聞きたいわよ……バカキョンのくせに……」 ぎゅぅぅ キョン「と、とと、とりあえず落ち着け!」 ハルヒ「んん……キョンの匂い……」 すりすり、ぺろぺろ キョン「わわっ!?」 ハルヒ「もっと……もっと……」 ぎゅぅぅぅ キョン「……」 がしっ ハルヒ「きゃ!?」 キョン「あんまり人をからかうんじゃない」 ハルヒ「ふむっ!?んん……んむっ……んちゅ……ぷはっ」 キョン「はー……俺だって思春期の一男子なんだぞ」 233 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/02(水) 23:52:12.39 ID:EGLP7H8K0 ハルヒ「……」ぽけーっ キョン「わ、わかったら早くどけ!部屋片付けるぞ」 ハルヒ「……」ぽけーっ キョン「おい、聞いてんのか」 ハルヒ「ちゅーって……キスされちゃった……」 キョン「お、おあいこだろ!お前が変なことするからだ!」 ハルヒ「唇……ぷにって……」 キョン「ええい!これでわかっただろ、お前も人から変なことされる気持ちが!」 キョン「嫌だっただろ?マトモじゃないぞ、こんなの」 ハルヒ「もっと……」 キョン「え」 ハルヒ「今の、もう一回……」 キョン「うわ、何をするやめ……んんむっ!?」 ハルヒ「ちゅぅ……ちゅぅ……ちゅぱ……んん」 239 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/03(木) 00:01:24.53 ID:EGLP7H8K0 キョン「ぐぐ……ちぇすと!」 ハルヒ「ふぎゃ!?」 ぐたっ キョン「はぁ、はぁ……間一髪だな」 ハルヒ「……ブクブク」 キョン「これは夢か?閉鎖空間か?」 キョン「そういうわけでもなさそうだな……異常であることに変わりは無いわけだが」 キョン「長門か古泉に相談するか……いや、待てよ」 キョン「どうやって説明するんだ、こんなこと」 キョン「他人に部室でハルヒとこんなことしたなんてことが知れたら……」 キョン「そんな辱めを受けるくらいなら死んだほうがましだ」 キョン「なるべく穏便に、穏便にことを解決するんだ……あいつらにも悟られないように……」 ハルヒ「うーん……あ、あれ?」 キョン「!」 キョン「さて、まず第一関門だ……」 242 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/03(木) 00:09:29.05 ID:qQruZtAA0 キョン「気がついたか、ハルヒ」 ハルヒ「あれ……ええと、あたしは」 キョン「お前自分が今しがた何したか覚えてるか」 ハルヒ「え?……あ、あー……うあ」 キョン「覚えてるようだな」 ハルヒ「や、ち、違うのよ!あれは、その、なんていうか」 キョン「言わなくてもいい、あの時お前は正気じゃなかった、そうだな?」 ハルヒ「え?ま、まあ……確かにそうかもしれないけど」 キョン「よし、あれは事故だ。いいな、他言無用だぞ」 ハルヒ「誰が好き好んでベラベラそんなこと喋るのよ!」 キョン「そうか、なら安心した……それとだな」 ハルヒ「ちょ、ちょっと!ひとつ言っとくけどね!」 ハルヒ「勘違いしないように釘を刺しとくけど、あたしが好きなのはあんたじゃなくてあんたの匂いだからね!」 キョン「に、匂い?何を言ってるんだお前は」 ハルヒ「うるさい!とにかく、あんた自身に対して何か特別な感情があるわけではないってことなの!」 246 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/03(木) 00:16:53.73 ID:qQruZtAA0 キョン「その方がややこしくなくて、俺も助かるよ……いいか、何度も言うようだがあれは事故だぞ」 ハルヒ「そうに決まってるでしょ!じゃなきゃなんであたしがあんたに……その、キスなんかするのよ」 キョン「そうだな、よし。さっさと部屋片付けるぞ、次に来た奴が地震でもあったのかと勘違いするだろ」 ハルヒ「嫌よ、あたしもう帰るからあんたが一人でしなさい」 キョン「誰が散らかしたんだ、誰が……まったく」 ハルヒ「……あ、あと」 キョン「?」 ハルヒ「今回みたいな事故が起こらないように、時々あんたの匂いを嗅がせなさい」 キョン「はあ?なんだそりゃ」 ハルヒ「お互いのためよ、あんたも協力しなさい!」 キョン「何をわけのわからないことを……あ、待て!片付け!」 ハルヒ「うるさい!」 バタン キョン「ああ畜生!なんだ!なんなんだよ今日は!」 249 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/03(木) 00:27:45.84 ID:qQruZtAA0 〜一週間後〜 谷口「はー!やっと昼休みだぜ!」 国木田「急に元気になるね、まあ、気持ちはわかるけど」 キョン「おう谷口、パン買って来いよ」 谷口「……お前、バカにしてんのか?」 キョン「なんだ、もう飽きたのか」 国木田「彼氏いたんだって、あの子」 キョン「ま、そうなるわな」 谷口「ちくしょう!イケメンなんかみんな死ね!」 キョン「ほら、さっさと飯食おうぜ」 ハルヒ「……ちょっとキョン」 キョン「……なんだよ」 ハルヒ「用があるから、ちょっと部室来なさい」 キョン「あのな」 ハルヒ「い、いいから、来なさい!」 255 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/03(木) 00:33:02.56 ID:qQruZtAA0 国木田「あーあ、連れて行っちゃった」 谷口「なんかここんとこよく見る光景だな」 国木田「いつものことじゃない」 谷口「ん、それもそうか。あいつも災難だな、限られた高校生活を涼宮なんかに奪われて」 国木田「そうかな、僕は楽しそうに見えるけど」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ キョン「おい、ハルヒよ」 ハルヒ「……何よ」 キョン「今日は朝に付き合っただろ」 ハルヒ「誰が一日一回って決めたのよ」 キョン「おかしいと思わんか?こんなこと」 ハルヒ「言うこと聞かないんなら、他の団員にこないだのことバラすわよ、あることないこと加えて」 キョン「横暴だぞ!女を盾にするなんて!」 ハルヒ「あたしが襲われたって言った方がリアリティあるもんね、わかったら黙って付いてきなさい」 キョン「言いたいことも言えないこんな世の中じゃ……」 258 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/03(木) 00:44:50.39 ID:qQruZtAA0 〜部室〜 キョン「はあ」 ハルヒ「ほら、さっさと座って!」 キョン「あのなあ」 ハルヒ「早くしなさい!」 キョン「あいた!蹴らんといて!……やれやれ」 ハルヒ「ほら、膝閉じて……座りにくいでしょ、あたしが」 ハルヒ「んしょ、っと」 ぎゅぅ ハルヒ「んふふ」 キョン「悪い夢だよ、まったく」 ハルヒ「すー……はー……くんくん」 すりすり ハルヒ「はふー……落ち着く……」 キョン「こっちは落ち着かん!」 265 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/03(木) 00:56:54.86 ID:qQruZtAA0 ハルヒ「ふにゅー……」 ぐりぐり キョン「おい、鼻をこすりつけるな!」 ハルヒ「いいじゃない、減るもんじゃなし」 くんくん キョン「お前おかしいぞ、絶対」 ハルヒ「仕方ないでしょ、誰だってひとつくらい人と違うところあるわよ」 キョン「お前の場合何もかもがおかしいから問題なんだよ!」 ハルヒ「うるさいわね、男の癖にぐちぐちぐちぐち……」 キョン「誰だって愚痴りたくもなるさ」 ハルヒ「あんただっていい思いしてるんだから、いいじゃないの。あまりある見返りよ」 むにゅむにゅ キョン「わ、わわ!変な物を押し付けるな!」 ハルヒ「じゃ、黙ってなさい」 キョン「うう……」 274 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/03(木) 01:16:33.42 ID:qQruZtAA0 ハルヒ「はふ……はふ……」 ぐりぐり、くんくん キョン「……ええい、もういいだろ」 ハルヒ「ちょっと!」 キョン「ほら、離れろって」 ハルヒ「急に動いたらバランスが……きゃ!?」 キョン「うわっと、大丈夫か」 ぎゅっ ハルヒ「……頭打つとこだったわよ」 キョン「お前が素直に降りんからだろ……やれやれ」 ハルヒ「危ないからそうやって支えてなさい」 キョン「はあ?」 ハルヒ「いいからそのまま!」 キョン「あのなあ」 ハルヒ「(ぎゅーってされると……どきどきしちゃうよぉ……)」 280 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/03(木) 01:39:30.28 ID:qQruZtAA0 キョン「なあ、もうそろそろ戻らんと昼飯を食う時間もなくなるんだが」 ハルヒ「はにゃー……」 キョン「もう終りだ!」 ハルヒ「うー!」 キョン「付きあってられるかよ、まったく……」 ハルヒ「あ、こら!待ちなさいよ!」 バタン キョン「やれやれ、どうしてこんなことに」 古泉「おや、奇遇ですね。お勤めですか?ご苦労様です」 キョン「まったくだよ……ちょっと待て、今なんていった」 古泉「いや、ですからご苦労様、と」 キョン「……おい、お前まさか」 古泉「あれ、もしかして僕達は知らないと思ってましたか?」 キョン「……」 古泉「助かってますよ、おかげで僕の仕事もこの一週間ほとんどありませんでしたから」 283 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/03(木) 01:48:21.33 ID:qQruZtAA0 キョン「やめだやめだ、アホらしい……」 古泉「おやおや、穏やかじゃないですね」 キョン「お前らに事をひた隠しにしようと、これまでハルヒの暴挙に付き合ってたんだぞ!」 古泉「暴挙、ですか。僕には恋人同士の甘いひと時のように……」 キョン「そんなに仕事がしたいなら、今すぐハルヒの顔面引っ叩いてきてやろうか」 古泉「はは、勘弁してください。僕としてはいっそのこともう少しお休みを戴きたいくらいですよ」 キョン「……で、だ」 古泉「なんです?」 キョン「覗いてたのか」 古泉「まさか」 キョン「じゃあ何で」 古泉「僕はただ、偶然何度か廊下で立ち聞きしてしまっただけですから」 キョン「故意じゃねえか!」 古泉「え?恋?」 キョン「しばくぞ!」 287 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/03(木) 02:03:59.55 ID:qQruZtAA0 〜放課後・部室〜 キョン「やれやれ、朝比奈さんまで知ってたんですか」 みくる「黙ってるつもりはなかったんですけど、うふふ」 キョン「それならそうと早く言ってくれればいいんですよ」 みくる「ごめんね、キョンくん」 キョン「まあ、これでいらぬ心配もしなくていいってわけですね」 みくる「はあ」 キョン「で、何が原因なんです、今回の一件は」 みくる「……原因、ですか?」 キョン「ええ、なんであいつがこんなことを」 みくる「あの、キョンくん。何か勘違いしてませんか?」 キョン「え」 みくる「誰でも、好きな人の匂いって興味ありますから」 キョン「……不思議だとか、トラブルだとかではなくって、単純にあいつが匂いフェチなだけってことですか」 みくる「そうだと思います」 291 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/03(木) 02:07:36.01 ID:qQruZtAA0 みくる「でも、毎日嗅ぎたくなっちゃうなんて、キョンくんどんな匂いするのかな」 ふんふん キョン「ちょ、ちょっと!恥ずかしいですから」 みくる「いいじゃないですか、ちょっとだけー」 くんくん キョン「あは、あはは……参ったなあ」 キョン「(幸せ無限大!)」 みくる「んー……ああ、そうかぁ」 ぎゅぅ キョン「(胸が!エンジェルバストが!)」 みくる「なんだか安心する匂いですねえ、キョンくんは」 くんくん キョン「あの、朝比奈さんも匂いを嗅ぐのが好きなんですか?」 みくる「えへへ、ちょっと興味あります」 キョン「(俺でよければいつでもどうぞ!)」 296 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/03(木) 02:23:07.82 ID:qQruZtAA0 〜団活終了後〜 ハルヒ「んじゃ、今日は解散ね!みんなおつかれ!」 古泉「では、また明日」 みくる「お先に失礼しますー」 長門「……帰る」 キョン「さて、と」 ハルヒ「……あんたは居残りよ。昼休み途中で逃げたから」 キョン「飯を食って何が悪いんだよ!もうお前の酔狂には付き合ってられん!」 キョン「だいたいな……」 『古泉「それに、僕が楽をしたいからというだけではなく、このまま涼宮さんの言うとおりにした方がよいかと」』 『古泉「今、彼女の精神はかつて無い平穏です。それが崩れたら、そのギャップは計り知れませんよ」』 『古泉「あえて恐怖を煽るように言いますが、あなたはあの神人とまた会いたいですか?」』 キョン「……くっ」 ハルヒ「だいたい何よ?」 キョン「何でもねえよ……やれやれ」 301 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/09/03(木) 02:41:26.52 ID:qQruZtAA0 ハルヒ「ほら、荷物置いて、椅子に座る!」 キョン「はあ」 ハルヒ「んふふ」 ぎゅぅぅ キョン「(これが朝比奈さんだったら大歓迎なんだが)」 ハルヒ「くんくん……すーはー」 ハルヒ「……」 キョン「ん?どうした」 ハルヒ「なんか違う」 キョン「え?」 ハルヒ「なんか違う匂いがする……」 キョン「なんじゃそりゃ」 ハルヒ「……これ、みくるちゃんの匂い」 キョン「!」 ハルヒ「なんであんたからみくるちゃんの匂いがするの……?」