キョン「全く何で俺がこんな時間に買出しに行かなきゃならんのだ…」 1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/31(月) 15:00:39.14 ID:fBM3MXJd0 俺はため息混じりに愚痴をこぼした 何故俺がこんな時間に買出し行ってるかって?そんなのは、誰でも想像できるだろう。 あのわがままな団長さんの命令だ。 それだけじゃ分からないって?仕方ないな。面倒くさいが回想シーンに入るか ――― ――――――― ――――――――― ―――――――――――――― 2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/31(月) 15:02:04.29 ID:fBM3MXJd0 prrrrrr… キョン「はぁ…あいつからか…」 携帯のディスプレイを見なくてもわかる。こんな非常識な時間に電話を掛けてくる奴は一人しかいない。正直でるのは面倒だが後で古泉からぐちぐち言われるのも嫌なので仕方なく電話にでる キョン「もしm ハルヒ『ちょっとキョン!団長からの電話だっていうのにすぐにでないってどういうことよ!』 キョン「待てハルヒ。今何時だと思ってる。健全な高校生はみんな寝てる時間だ。」 ハルヒ『団長に口答えするなんていい度胸じゃない!それに今は夏休みよ!高校生なら夜更かしぐらいしなさい!』 キョン「また訳のわからんことを…」 3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/31(月) 15:03:49.18 ID:fBM3MXJd0 ハルヒ『ふんっ!まぁそんなことはどうでもいいわ!あんた今から有希の家にきなさい!十分以内よ!いいわね!』 キョン「おい!ちょまっ…て切れてるし」 相変わらず言いたいことだけ言ってすぐ切る奴だ。 今日は女子メンバーだけのお泊り会じゃなかったのかよ。 はぁ…仕方ない。団長さんの命令だ行くしかなかろう 俺は寝ているであろう家族を起こさずに静かに家を出た。 自転車に乗りペダルをこぐ・・・・・・ 4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/31(月) 15:05:25.27 ID:fBM3MXJd0 しかしハルヒのわがままには困らされる一方だ。ちょっと強く言ってみるか?ふとニヤニヤしながら嫌みを言う古泉の顔が浮かんだ。…あいつも苦労してるんだよな。あいつのためというのは癪だが世話になったこともあるし、今日のところは我慢してやろう。 そんなことを思っていたらいつの間にか長門のマンションの前についていた。 長門の部屋の番号を押しインターホンを押す キョン「長門俺だ入れてくれ」 長門「…」(モグモグ) (ガチャ) エレベーターに乗り長門の部屋に行くと、お菓子をもくもくと食べている長門、少し色っぽい姿で可愛らしく寝ている愛しのマイエンジェール朝比奈さんに、イライラ顔をこっちに向けている団長さんがいた。 6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/31(月) 15:07:32.97 ID:fBM3MXJd0 ハルヒ「ちょっとキョン!遅いじゃない!どれだけ待たせる気よ!!!」 キョン「いきなり呼び出されてきたんだ。少しくらい大目に見てくれてもいいだろ」 ハルヒ「雑用のくせに全然反省してないわね!あんたにはお仕置きが必要みたいね!」 キョン「なんだよそれ…ん?」 少し呆れながら雑用は関係ないだろと思いながら何か足りないことに気が付いた キョン「古泉は呼んでないのか?」 長門「…」(モグモグ) 7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/31(月) 15:10:42.08 ID:fBM3MXJd0 ハルヒ「古泉君は普段からSOS団のために色々やってくれているのよ!そんな人をこんな時間に呼び出すなんて可愛そうじゃない!」 やれやれその気もちを少しでも俺に注いでくれたらな 長門「…」(モグモグ) ハルヒ「みくるちゃんが寝ちゃって暇になったのよ!それであんたを呼んだわけ!ありがたく思いなさい!」 キョン「はぁ…だからってこんな時間に呼び出すことはないだろう」 長門「…」(モグモグ) 8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/31(月) 15:13:39.86 ID:fBM3MXJd0 ハルヒ「なによ!文句あるわけってちょっちょっと有希!なにあたしのプリンまで食べてるのよ!」 長門「…うかつ」(モグモグ) ハルヒ「あーっ!お菓子も全部なくなってるじゃない!」 長門「…」ケフッ キョン「(ざまぁみろハルヒ!いいぞ長門!)」 ハルヒ「キョン!今からあたしのプリンとお菓子を買ってきなさい! もちろんあんたのお金で!」 9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/31(月) 15:16:18.17 ID:fBM3MXJd0 キョン「なっ…」 ハルヒ「何よ文句あるわけ?遅れてきた罰よ!早く行きなさい!」 長門「…お腹すいた」 キョン「(恨むぞ長門…)」 10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/31(月) 15:18:55.70 ID:fBM3MXJd0 ―――――――――――――― ――――――――――― ―――――――― ――――― ―― とまぁこんな事があった訳だが、この長い回想中に買い物は終わった。 終わったといっても団長様ご指定のプリンが無かった為コンビニを 5軒回ったがまぁよしとしよう。 キョン「ってよしじゃねーよ!ったくとんだとばっちりだぜ!」 ついつい大声で愚痴をこぼしてしっまった。携帯を見る AM3:15 ご近所の皆さんすいません。 キョン「思ったより遅くなったな。またハルヒにぐちぐち言われそうだ…」 ちょっとジャンプ読んでくる 14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/31(月) 15:52:41.28 ID:fBM3MXJd0 それにしても、通行人はともかく車すら走ってないな。 それに夜中といっても8月の中旬なのに少し肌寒い… キョン「(…くそっ)」 キョン「こんな日は何かよからぬ物が出てきそうだ…」 キョン「まっそんなことあるわけないか。ハハハ…」 自分で言っておきながら失笑してしまった 15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/31(月) 15:56:28.82 ID:fBM3MXJd0 だらだら歩いていると広い公園が見えてきた。 キョン「ふぅ…この公園を抜けたほうが早く帰れそうだな」 はじめて来る公園だったが少しでもショートカットしようと思いついつい入ってしまった。この思い付きが俺を恐怖のどん底に突き落とす事になるということは書き手しかしらなかった… キョン「思ったよりも広い公園だな…」 それもその筈だ。もうかれこれ10分は歩いてる。 そろそろ出口が見えてもいいころだと思うんだが… 17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/31(月) 16:02:09.63 ID:fBM3MXJd0 …ん?なんだ? キョン「あの人こんな時間に何をしてるんだ?」 暗くて遠目だが純白のワンピース黒くて長い髪そして靴を履いていないのが見えた。 ここで俺はもしかして幽霊?という疑問を抱いたが、すぐにその疑問を打ち消した 何故かって?そんなものがいると思ってなかったし そして何よりもあの女性に失礼だ。そんなことを思ってしまったのだ。 キョン「俺もハルヒのやつに毒付かせられてきたな。ハハ…」 と独り言はいているうちにその女性の前を通り過ぎようとしていた。 22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/31(月) 16:14:37.07 ID:fBM3MXJd0 そしてちょうどその女性の前に来た時その女性がいきなり立ち上がり 女「…づ…た」 キョン「びゃあ?」 我ながら情けない声をあげたと思うがびっくりしたのだからしかたないだろう それより女性の放った言葉が聞き取れなっかた 俺が聞き返そうと女性の顔を覗きこんだ。 23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/31(月) 16:25:38.61 ID:fBM3MXJd0 しかし俺は聞き返さなかった。いや聞き返せなかった。 何故なら俺は女性の顔を見たとたん逃げ出したのだ。 俺をへタレだと笑うがいい。だが、眼孔が黒々く沈み凄憎憎しげに睨まれたら 誰だって恐怖を感じるだろう。 キョン「なっなんなんだよっあれはっ!!」 俺は走った。オリンピック日本代表になれるんじゃないかというスピードで 「みつけた」 24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/31(月) 16:32:07.00 ID:fBM3MXJd0 後方で声が聞こえた。 俺が振り向くとあの女が追いかけてきてやがる それも物凄いスピードで 俺は再び前を向き更にスピードを上げた。 多分今の俺ならオリンピックでもメダルが取れるだろう。 そう思ったが今はそれどころじゃない キョン「あっあれもハルヒの仕業か!?」 ん?あれは出口か? 何故だか知らんがこの公園をでれば助かるそんな気がしていた。 25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/31(月) 16:44:30.44 ID:fBM3MXJd0 キョン「あっあと少しだ!ってうわっ!」 …みなさんなら軽く想像できるだろう。そう俺はこけた。こけたんだ。 ここまでくればもうお決まりのパターンだ。俺は覚悟した。 朝倉にナイフを突きつけられたときのように・・・ あの時は長門が助けに来てくれたが今回は… いくらあのインチキ宇宙人でも間に合わんだろう。 26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/31(月) 16:52:10.98 ID:fBM3MXJd0 あの女が睨んでるような喜びに満ちているような顔で 俺に覆いかぶさっているからだ。 女「 ミ ヅ ゲ ダ 」 興奮しているのだろうか。言葉が濁っている。 それにしても俺冷静だな。死を覚悟した人間と言うのは こんなにも冷静なのだろうか。 28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/31(月) 17:02:41.32 ID:fBM3MXJd0 キョン「…佐々木」 何故俺は佐々木の名を口にしたのだろうか。 もしかして俺は佐々木のことが… ふぅ…今そんなこと考えても意味のないことだよな。 そして女は俺の首に手を回してきた。 首を絞めて殺すのだろうか?そんなことを思っている時だった… 「そこまでだ!」 29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/31(月) 17:09:31.01 ID:fBM3MXJd0 聞き覚えのある声。なんと寺生まれで霊感の強いということで有名なあのTさんだ! Tさんはおもむろに女の頭をつかみ「破ぁぁあッ!!!!!」と叫んだ すると女は断末魔をあげながら燃え上がり、灰になって消えた。 俺は助かったのか… キョン「なんでTさんがここに?」 「いつも食べてるプリンがどこのコンビニに行っても売り切れでな」 そう言うとTさんは俺の持っていた袋をあさり 団長ご指定のプリンを取り出した。 「礼として貰っとくぜ」 Tさんはそう言って朝日が昇ってくる方へ歩き出した。 寺生まれってやっぱりすごい。俺は改めてそう思った。 終わる