長門「……かんぱい」 1 名前:ひつじ[] 投稿日:2009/08/22(土) 22:43:23.66 ID:XV+be3Cg0   真っ白で小さな四角い部屋 キョン「どこだ、ここ…?」 キョン「なんで俺はこんなところにいるんだ?」  見覚えがないぞこんな部屋…  目が覚めたら見知らぬ部屋に……  どうなってるんだ? キョン「………」  まてまて、こういうときは少し状況を整理しよう  ……確か今日は、いつものように学校へ向かい、  いつものように授業を受けて……  …普段と変わったところはなかったはずだ  その後、いつものように団活に出たんだったな 6 名前:ひつじ[] 投稿日:2009/08/22(土) 22:47:53.31 ID:XV+be3Cg0  15時30分 Friday キョン「うーす」ガチャ 長門「………」ペラ キョン「なんだ、長門だけか?」 長門「………」コク キョン「………」 長門「………」 キョン「……ネットでもするか」 長門「………」ペラ キョン「………」カタカタ 長門「………」ペラ 9 名前:ひつじ[] 投稿日:2009/08/22(土) 22:54:32.81 ID:XV+be3Cg0 古泉「おや」ガチャ 古泉「お二人だけですか?」 キョン「ああ、ハルヒと朝比奈さんはまだだ」 長門「………」ペラ 古泉「どうです、オセロでもしませんか?」ニコ キョン「…ん、いいぜ」 キョン「また俺の勝ちだろうがな」 古泉「ふふ、それでは用意しますね」 長門「………」ペラ 11 名前:ひつじ[] 投稿日:2009/08/22(土) 22:58:00.52 ID:XV+be3Cg0 キョン「ん?」 キョン(あれは……朝比奈さん?) キョン(何やってるんだ、あんなところで?) キョン(あ、こっち見た……隠れた…?) キョン(あぁぁ、なにをやっていても可愛いなぁ) 古泉「用意ができましたよ」 キョン「ん?ああ、それじゃあ、やるか」パチ 古泉「お手柔らかに」パチ 長門「………」ペラ 15 名前:ひつじ[] 投稿日:2009/08/22(土) 23:03:15.34 ID:XV+be3Cg0 みくる「こんにちわぁ」ガチャ キョン「朝比奈さん、こんにちわ」 古泉「どうも」ニコ 長門「………」 みくる「すみません、掃除当番だったもので」 みくる「今、お茶を淹れますね」 古泉「ありがとうございます」 キョン「ありがとうございます、朝比奈さ――」    バターン ハルヒ「ヤッホーみんな!揃ってる?」 古泉「どうも、涼宮さん」 みくる「今、お茶を……」カチャカチャ キョン「もう少し静かに開けられないのかお前は?」 ハルヒ「うるさいわねぇ、細かいこと気にしないの」 キョン(細かいことか?) 17 名前:ひつじ[] 投稿日:2009/08/22(土) 23:06:23.63 ID:XV+be3Cg0 ハルヒ「まあ、いいわ」 古泉「そちらの番ですよ」 キョン「ん、ああ」パチ 長門「………」ペラ ハルヒ「ねえねえ、みくるちゃん!」 みくる「はい?」 ハルヒ「見てこれ!」 みくる「…本……ですかぁ?」 ハルヒ「そうよ!今朝通学路で拾ったの!」 ハルヒ「きっとこれは、どこかの秘密結社の社員が落とした本よ!」 ハルヒ「中には秘密の暗号が書かれているんだわ!」 キョン「どんな状況だ、それは」パチ 20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/22(土) 23:08:50.80 ID:XV+be3Cg0 キョン「どうでもいいが、落ちてるものなんか拾ってくるなよ……」 ハルヒ「あら、いいじゃない」 ハルヒ「どんなものでも無駄にしちゃいけないわ」 キョン「……お前ならそこらへんに落ちてるものでも拾って食べそうだな」 ハルヒ「ふふん、拾ったときから団活の時に読もうって決めてたのよ!」 キョン「…なんでわざわざ団活のときに読むんだ?」パチ ハルヒ「決まってるじゃない」 ハルヒ「暗号が解読できたらSOS団総出で探しに行くのよ!」 古泉「ふふ、それは面白そうですね」パチ ハルヒ「でしょ!?さっすが古泉君!わかってるわね!」 キョン(やめろ、火に油を注ぐな!)パチ 22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/22(土) 23:10:43.69 ID:XV+be3Cg0 ハルヒ「そういうわけで、あたしはこの本の解読をするわ!」 ハルヒ「解けたらみんなにも教えてあげるから楽しみにしてなさいっ!」 古泉「ええ」パチ みくる「は、はい」 キョン「…はぁ」パチ 長門「………」ペラ キョン「…古泉、お前の負けだ」 古泉「おや、これはこれは」 28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/22(土) 23:14:15.87 ID:XV+be3Cg0  17時15分 ハルヒ「………」ペラ 長門「………」ペラ ハルヒ「……はぁ〜」パタン キョン「ん?読み終わったのか?」 ハルヒ「ダメね、特にこれといったものはなかったわ」 キョン「だろうな」 ハルヒ「しょうがないからあとは家に帰ってから読むわ」ガタン 35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/22(土) 23:19:54.47 ID:XV+be3Cg0 ハルヒ「今日は解散!明日の探索はナシね!     じゃあね、みんな!」     バタン 古泉「! ……今日はもう終わりですね」 キョン「ああ、団長様が帰っちまったしな」 長門「………」パタン みくる「それじゃあ、わたしもかえります」ガチャ 古泉「では、僕も用事があるのでこれで…」 キョン「さて、俺も帰るかな」ガタ  特に変わったことはなかったはずだ…  団活のあとの記憶は………ないぞ!?  他に思い当たる節もないし……  やはり団活の後に何かあったと考えるべきか キョン「どうして俺はこんなところに…?」 長門「………」 41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/22(土) 23:24:13.32 ID:XV+be3Cg0 キョン「長門っ!?」ビクッ キョン「いつからそこに!?」  さっきまでいなかったはずの長門が、部屋の隅に立っていた 長門「……今」  さっき見たときはいなかったんだ、そりゃ今来たにちがいない キョン「長門、ここはどこなんだ?」 長門「……ここは、私が作り出した空間、あなたは今その中にいる」 キョン「長門が作り出した空間?前のときみたいにバグがたまったのか?」 長門「………」フルフルッ キョン「じゃあどうしてこんな空間をつくったんだ?」 長門「あなたを守るため」 キョン「……守る?いったい何から?」 長門「………」 長門「……涼宮ハルヒ」 長門「…彼女はあなたを殺そうとしている」 45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/22(土) 23:27:16.02 ID:XV+be3Cg0  ……今、何て言った?  ……ハルヒが俺を…なんだって? 長門「……正確に言えば、あなたの死を望んでいる」  ハルヒが?何故? 長門「原因は不明」 キョン「どういうことだっ!?詳しく説明してくれっ!長門っ!!」 長門「詳しい原因はわかっていない」 長門「ただ、あの状況では他に打つ手がなかった…」  ちょっと待て、どうなってるんだ!?  ハルヒが俺を殺す?何故?Why? 46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/22(土) 23:28:03.63 ID:XV+be3Cg0 長門「……落ち着いて」 キョン「…っ! 落ち着いてなんかいられるはずないだろっ!」 キョン「どうなってんだよ、いったい…」 長門「………」 キョン「くそっ、どうなってんだよっ…!」 キョン「長門、ここから出してくれ!」 キョン「ハルヒの奴に直接聞いてやるっ!」 50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/22(土) 23:30:21.87 ID:XV+be3Cg0 長門「…その命令に従うことはできない」 キョン「なんでだよっ!!俺はあいつに命を狙われる覚えなんかないぞっ!」 長門「…落ち着いて、今のあなたは冷静ではない、    外に出るのは非常に危険」 キョン「…っ! ……じゃあ、どうしろってんだよ…!」 キョン「ハルヒをどうにかしなくちゃ…」 長門「今、外に出ることは推奨できない」 長門「現在、情報統合思念体の中では涼宮ハルヒの願望をかなえる動きと、    事態を見守る動きの二つに分かれている」 長門「外では急進派があなたを探している」 キョン「………」 長門「今ここを出ていけば、あなたを守るのは非常に困難」 52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/22(土) 23:31:37.37 ID:XV+be3Cg0  くそっ、確かに宇宙人相手じゃ長門に守ってもらわなきゃ  俺は死んじまうのかもしれないが… キョン「…だがこのままここに居たってどうしようもないだろうっ!?」 長門「………」 長門「…あなたはここにいて」 長門「私が外で情報を集めてくる」 53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/22(土) 23:32:41.49 ID:XV+be3Cg0  そう言い残すと、長門は真っ白な壁に扉をつくりだした  さすがは宇宙人なんでもありだ  触れただけで扉をつくりだすんだからな  その調子でハルヒの奴の馬鹿な考えをどうにかしてくれないか? 長門「…行ってくる」  まあ、そんな俺の淡い期待に応えてくれるはずもなく  長門は静かに扉の奥へと進んでいった 55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/22(土) 23:34:08.32 ID:XV+be3Cg0 キョン「長門っ!」 キョン「一つ聞いていいか?」 長門「………」ピタッ 長門「…何?」 キョン「どうやって俺をここに連れてきたんだ?」 長門「…SOS団の活動が終わった時に涼宮ハルヒに変化が現れた」 長門「その変化を感じ取った古泉一樹は機関へ戻り    私はこの空間の作成を始めた」 長門「あなたはその時に眠らせて連れてきた」 キョン「…せめてその時事情を説明してくれても……」 長門「時間がなかった」 キョン「そうですか……」 長門「……行ってくる」スタスタ  なるほど…団活の後の記憶が無いわけだ 57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/22(土) 23:35:48.56 ID:XV+be3Cg0  長門が出て行ってからどれくらい時間がたったのだろう?  どうやらここには時間がわかるものが…… キョン「!」  そうだ!携帯があるじゃないか!  なんてこった、そんなことにも気付かずにいたとは…  どうやら長門の言うとおり、俺は冷静じゃなかったらしい キョン「とりあえず時間だけでも…」   22時40分 Friday 圏外  22時!今日の団活が終わったのが17時半前だったから…  俺は5時間以上も眠っていたのか…  電波は圏外、誰かに連絡をとるのも無理そうだな  長門を待つしかない、か キョン「明日は休みか……」  そういえば明日はめずらしく不思議探索がなかったな  そんなことを考えていたら長門が帰ってきた 長門「………」 58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/22(土) 23:37:14.33 ID:XV+be3Cg0 キョン「どうだった長門?」 長門「………」 長門「……涼宮ハルヒの居場所を特定した」 キョン「…今、ハルヒはどこにいるんだ?」 長門「彼女は自宅に戻っている」 長門「しかし彼女に接触することは難しい」 長門「彼女の家の周りには情報統合思念体の一部や    古泉一樹の組織の人間が多数待機している」 キョン「…古泉の組織が?」 長門「そう」 長門「今回の件では、古泉一樹の組織は我々と敵対している」 61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/22(土) 23:39:26.44 ID:XV+be3Cg0  古泉の奴が敵…?  どうして…? キョン「………」  正直、今回の件を甘く見ていた……  なんだかんだいってもどうにかなるだろうと思っていたが  今回は相当やばそうだ……  宇宙人だけじゃなく古泉達まで敵になるとは…  どうすりゃいいんだ…… 長門「………」 長門「…事態は非常にまずい方向へと進んでいる」 キョン「………」 長門「……朝比奈みくるの居場所の特定も成功した」 キョン「………」 長門「……彼女も自宅に居る模様」 長門「しかし、接触は難しい、彼女もまた監視されている」 65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/22(土) 23:41:49.83 ID:XV+be3Cg0 キョン「……古泉の奴はどこにいるんだ?」 長門「……古泉一樹に関しては居場所を特定できなかった」 キョン「……そうか」 長門「……そう」 キョン「………」 長門「………」 キョン「………」 長門「………」 キョン「………」 66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/22(土) 23:42:46.10 ID:XV+be3Cg0 長門(今、彼は非常に不安を感じているはず)スタスタ 長門(私がなんとかしなければ…)スッ キョン「………」 長門「………」チョコン 長門「………」ピトッ キョン「………」 キョン「……長門?」 長門「……気にしないで」 長門「………私は、あなたの味方」 69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/22(土) 23:45:47.57 ID:XV+be3Cg0 キョン「……!」 キョン「…長門……」  なんてこった  長門にこんなに気を遣わせちまうなんて…… キョン「……ありがとな、長門」ナデナデ 長門「……いい」 キョン「……いつもお前に助けられてばかりだな、俺」 長門「……気にしなくていい、それが私の――」 長門「私が好きでやっていること、あなたは気にしなくていい」 キョン「…そうか」 長門「……そう」 キョン「……ありがとう、長門」 キョン「長門がいてくれて本当によかった」 長門「………」 長門「………」コクッ 70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/22(土) 23:48:12.52 ID:XV+be3Cg0   真っ暗な四角い部屋  冷たい空気で満たされた地下にある空間  この暗闇にもだいぶ目が慣れてきた…  簡素なベッドとトイレ、それ以外は何もない  鉄格子の向こうからわずかな明かりがもれてくるだけ…  それ以外の変化は何もない  静寂に包まれた空間 古泉「…彼は、無事でしょうか……?」 72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/22(土) 23:49:56.80 ID:XV+be3Cg0  僕がここに幽閉されてから  どれくらいの時間がたっただろうか…?  僕は機関の決定に従うことはできなかった  いくら世界のためとはいえ、涼宮さんの意思とはいえ  彼を、大切な友人の命を犠牲にするわけにはいかない 古泉「そういえば、ここまで機関に反対したのは初めてですね…」 古泉「その初めての反抗が世界を敵に回すものだとは…」 古泉「やれやれ、僕も運がありませんね」  あの時、機関の決定に反対して僕は牢に入れられた  任務に支障をきたす恐れがあると言われた  友人の命を犠牲にすることなど僕にはできない…  機関に反対し、牢に入れられようとしていた僕を  最後まで助けようとしてくれたのは森さんだった  彼女には迷惑をかけてばかりだ…  森さんは無事だろうか…? 古泉「………」ギリッ  今の僕には彼や森さんの無事を祈ることしかできない…… 73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/22(土) 23:51:44.09 ID:XV+be3Cg0  あれから長門は何回か外に出て情報を集めようとしてくれた  だが、とくに情報を集めることもできず、時間だけが過ぎていた キョン「なあ、長門?」 長門「……?」 キョン「その…少し休んだらどうだ?」  長門はほとんど休んでいない  外に情報を集めに行き  帰ってきては俺を安心させるために俺の横にずっといてくれる 長門「いい、今は少しでも情報を集めることが先決」 キョン「………」 キョン「なあ、長門」 キョン「一つ気になることがあるんだが…」 長門「何?」 キョン「どうしてお前は外を自由に動き回れるんだ?」 キョン「他の宇宙人たちに見つかる心配はないのか?」 長門「………」 75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/22(土) 23:53:47.51 ID:XV+be3Cg0 長門「……今の私が情報統合思念体に    見つかる可能性は極めて低い」 キョン「どういうことだ?」 キョン「また情報操作とやらを使っているのか?」 長門「……今は情報統合思念体とのアクセスを遮断している」 長門「今の私には情報操作は使えない」 76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/22(土) 23:54:32.33 ID:XV+be3Cg0 キョン「なっ!?じ、じゃあ、お前まさか」 長門「今は身体機能以外は普通の人間と変わらない」 キョン「だ、大丈夫なのか、それで?」 長門「…問題ない、あらかじめ見つからないように    プログラムを組んでおいた」 キョン「……ということは、もしかしてここもか?」 長門「そう」 長門「しかし、時間がたてばたつほど私もここも    見つかる可能性が高くなっていく」 長門「このままではいずれ見つかる」 キョン「……何か作戦でもあるのか?」 長門「………」 77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/22(土) 23:55:41.90 ID:XV+be3Cg0 長門「…朝比奈みくると接触する」 キョン「朝比奈さんと?大丈夫なのか?」 長門「…このような状況になっても、未来側は何の行動も起こしていない」 長門「未来側はこの件に関してなんらかの事情で気づいていない、    もしくは手出しできないでいる模様」 キョン「…もし、未来側が敵だったら……?」 長門「………」 長門「その可能性は否定できない、むしろその可能性も高い」 長門「しかし、現状我々には頼れる味方がいない」 長門「現状を打破するには朝比奈みくるの力を借りるしかない」 キョン「………」 キョン「…わかった」 キョン「だが、どうやって接触する?」 長門「今夜、朝比奈みくるは友人の家へ向かうと言っていた」 長門「そこをねらう」 79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/22(土) 23:57:07.39 ID:XV+be3Cg0 キョン「ねらう…って、なんか誘拐するみたいだな」 長門「間違ってはいない」 キョン「………」 長門「…朝比奈みくるが家を出るまで時間がある」 長門「それまでは接触できない」スッ キョン「長門?」 キョン「どこへ行くんだ?」 長門「情報を集めてくる」 キョン「休んでいたほうが…」 長門「ギリギリまで情報を集めておいたほうがいい」スタスタ キョン「………」 長門「………」スタスタ 83 名前: ◆se9JJA3CGI [] 投稿日:2009/08/22(土) 23:59:54.49 ID:XV+be3Cg0  18時45分 Saturday みくる「〜♪」テクテク みくる「鶴屋さんのお家で晩御飯〜♪」テクテク 長門「………」 みくる「〜〜♪」テクテク 長門(おかしい…) 長門(朝比奈みくるの監視が見当たらない…) 長門(……罠?) 長門「………」キョロキョロ 長門「!」 長門(機関の人間……数が少ない……)キョロキョロ 長門(急進派は……いない…) 長門(チャンスは今しかない…!) みくる(鶴屋さんのお家の晩御飯、豪華でおいしいから楽しみだな〜♪)テクテク 90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 00:04:08.51 ID:XV+be3Cg0 キョン「朝比奈さん!」 みくる「キョンくん!」 みくる「なんなんですか、ここ〜!?」 みくる「わたし、なんでつれてこられたんですか〜!?」 キョン「……長門よ、事情を説明してないのか?」 長門「………」コクン キョン「…本当に誘拐してきたのか……」 みくる「ふぇ〜〜」 85 名前: ◆se9JJA3CGI [] 投稿日:2009/08/23(日) 00:01:15.34 ID:v2eLsDME0   タッタッタッ 長門「………」ザッ 長門「朝比奈みくる、一緒に来て…!」ガシッ みくる「ふぇ?」 長門「………」グイッ みくる「ふぇ、な、長門さん!?」 長門「………」ダッ みくる「な、何するんですかぁ〜!?」 みくる「ふぇ〜〜(晩御飯が〜)」 92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 00:05:10.50 ID:v2eLsDME0 キョン「朝比奈さん、実は……」   〜事情説明中〜 みくる「そ、そんなぁ!おかしいです!ありえませんっ!」 みくる「だって……」 みくる「だって、わたしのいた時代では――」ハッ みくる「……っ」グッ みくる「禁則事項です……」 キョン「…朝比奈さん……」 93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 00:07:03.39 ID:v2eLsDME0 長門「今は現状をどう切り抜けるか考えるべき」 キョン「長門…」 みくる「………」 長門「朝比奈みくる、あなたに頼みたいことがある」 みくる「………」 長門「あなたには、未来と連絡をとってもらいたい」 みくる「………」 キョン「…?」 95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 00:09:36.32 ID:v2eLsDME0 みくる「………」プルプル キョン「朝比奈さん?」 みくる「ふぇ〜〜〜、キョンく〜ん」ダキッ キョン「あ、朝比奈さん!?」 キョン「ど、どうしたんですか!?」 みくる「み、未来との連絡がとれません〜!」 みくる「未来と連絡がとれなきゃ…あたし、あたし……」 キョン「そ、そんな…」 長門「………」 長門「ここは外部との接触一切断っている」 長門「ここで未来と連絡をとるのは不可能」 キョン「……あ」 みくる「……え?」 98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 00:11:26.07 ID:v2eLsDME0 みくる「ふぇ〜〜、長門さん〜     そういうことはもっと早く言ってください〜」 長門「…うかつ」 キョン(忘れてた…) みくる「それじゃあ、そとにでて連絡をとってみます」 長門「外へは私も一緒に行く」 キョン「じゃあ俺も…」 長門「あなたはここにいて」 長門「外に出ても危険が増えるだけ」 キョン「………」 99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 00:12:24.51 ID:v2eLsDME0 みくる「キョンくん…」 キョン「……わかった、朝比奈さんよろしくお願いします」 みくる「は、はい」 キョン「…長門、朝比奈さんのことを頼んだぞ」 長門「了解した」   スタスタ キョン「……はぁ」 キョン「…ふがいないな……」 101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 00:15:19.72 ID:v2eLsDME0   ヒョコッ キョン「長門?どうしたんだ?」 長門「あなたにこれを渡しておく」スッ キョン「? なんだこれ?」 長門「……お守り」 キョン「お守り?」 長門「持っていて」 キョン「…まあ、長門がそう言うんなら持っておくが……」 長門「………」スタスタ キョン「いったいなんなんだこれ?」   ポツーン キョン「って、もういないっ!?」 キョン「……もう少しなんかこう……説明ぐらい……」 キョン「………」 キョン「……はぁ」 102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 00:16:20.86 ID:v2eLsDME0 みくる「……?」 長門「………」 みくる「あ、あれ?」 長門「………」 みくる「だ、だめです、やっぱり未来と連絡がとれません〜〜」 長門「……おそらく急進派に手を打たれた」 みくる「そ、そんなぁ〜」 長門「ここにいても見つかるだけ」 長門「いったん彼のもとへ戻る」 みくる「は、はい……」 104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 00:20:26.48 ID:v2eLsDME0    カッカッカッカッ  足音がする…誰か来たのだろうか? 森「…古泉」 古泉「!! 森さん!?」 古泉「無事だったんですね!?」 森「…ああ」 古泉「……よかった」 森「…いや、事態はあまり好転していない……」 森「宇宙人が未来人とコンタクトをとった」 森「そのせいで、いままで居場所を特定できなかった宇宙人が見つかってしまった」 森「いまだ彼の居場所は判明していないが、3人でいることは間違いないだろう」 森「おそらく宇宙人を泳がして彼の居場所を突き止めることになる」 森「もう時間がない…」 古泉「そんな…」 105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 00:21:30.34 ID:v2eLsDME0 森「…古泉、今だ考えは変わらないか?」 古泉「……何をおっしゃりたいんですか?」 古泉「……変わりませんよ」 古泉「彼は、僕にとってかけがえのない友人です」 森「…そうか、わかった」 古泉「…森さん?」  ガチャガチャ キィ 古泉「!」 森「出るんだ古泉」 森「友人を守ってあげなさい」 古泉「森さん…!」 古泉「ありがとうございます!」 森「ああ」 古泉「さあ、行きましょう、森さん!」 森「………」 106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 00:25:35.61 ID:v2eLsDME0 森「………」 古泉「…どうしたんです、森さ――」 古泉「! 森さん、怪我を…!?」 森「……古泉」 古泉「?」 森「すまない、ここからは一人で行ってくれ」 古泉「…!?」 107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 00:28:09.73 ID:v2eLsDME0 森「私は……一緒には行けない」 古泉「そんな…!」 森「……さあ、行くんだ古泉」 古泉「………」 森「…時間が無いんだ、急げ古泉!!」 古泉「…!」  ダッ 森「…友達を、助けてあげなさい」 森「あなたのことは私が守ってあげるから……」 森「あなたが、ここを脱出できるように……」 森「…それが私にできるあなたへの最後の……」 112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 00:31:59.31 ID:v2eLsDME0 キョン「朝比奈さん!」 みくる「………」 キョン「…どうでした?」 みくる「…だめでした……」ショボーン キョン「そうですか……」 みくる「ごめんなさい……」 キョン「い、いえ、朝比奈さんが謝ることはありませんよ」 みくる「………」 キョン「………」 キョン「な、長門、これからどうするんだ?」 長門「…おそらく、急進派にここを特定された」 113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 00:34:01.25 ID:v2eLsDME0 キョン「!!」 みくる「!!」 キョン「ど、どういうことだ!?」 長門「急進派は、朝比奈みくるを餌に私をおびき出した」 みくる「そ、そんな、わたしのせい…で…」 みくる「ご、ごめんなさい…」 みくる「わたしのせいでキョンくんと長門さんに迷惑を…」 キョン「そ、そんな!朝比奈さんのせいじゃありませんよっ!」 長門「そう、あなたに責任はない」 長門「責任は私にある」 長門「本当に申し訳ない…」 キョン「長門……」 みくる「長門さん……」 長門「………」 114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 00:35:25.38 ID:v2eLsDME0 キョン「…気にするな長門、お前のせいじゃないさ」 キョン「むしろお前はよくやってくれたよ」 キョン「お前がいなかったら俺はとっくに殺されていたさ」 長門「………」 キョン「ありがとな、長門」 長門「………」 みくる「キョンくん……」 116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 00:38:09.85 ID:v2eLsDME0 キョン「…さて、ここが敵に見つかっちまったんなら     もうここに隠れていてもしょうがないよな?」 長門「……?」 キョン「…長門、俺をここから出してくれ」 長門「!」 長門「それはできない、そうすればあなたは――」    ポン キョン「心配してくれてありがとな、長門」ナデナデ 長門「……ぁ」 キョン「朝比奈さん、朝比奈さんも逃げてください」 キョン「ここにいたら巻き込まれるかもしれませんから」 みくる「キョンくん……」 117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 00:43:35.23 ID:v2eLsDME0 キョン「長門、朝比奈さんを頼んだぞ」 長門「………」 みくる「だ、だめですっ!キョンくんを一人で行かせるなんて…!」 キョン「ありがとうございます、朝比奈さん」 キョン「俺は二人のその気持ちだけで十分です」 みくる「……そんな」 キョン「…長門、外へ出してくれ」 長門「………」 キョン「……長門」 長門「………」フルフルッ キョン「長門っ!!」 長門「!」ビクッ キョン「ここから、出してくれ…!」 118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 00:45:25.84 ID:v2eLsDME0 長門「………」 長門「………」スッ  音もなく扉が出現した キョン「…さよなら、長門、朝比奈さん」 キョン「元気で……」 119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 00:52:36.48 ID:v2eLsDME0  彼が消えていく  私は何もできなかった  朝比奈みくるが彼と何かを話している  だけど今の私にはそれを聞くことができない  ……何も…考えられない…  彼を…守ることができなかった……  私は……  「…が…さ…?…が…さん?なが…さん!?」 みくる「長門さんっ!?」 長門「……な…に?」 みくる「ど、どうしちゃったんですか!?」 みくる「しっかりしてください、長門さん!」 長門「………」 みくる「キョンくん行っちゃいましたよ!?」 みくる「いいんですか!?」 長門「……何が?」 120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 00:54:16.39 ID:v2eLsDME0 みくる「!……なにがって…キョンくんを一人で行かせていいんですか!?」 みくる「追いかけましょう、長門さん!」 長門「……あれは、彼が望んだこと…」 長門「私には…どうすることも……」 みくる「………」 みくる「……じゃあ、わたしをここからだしてくださいっ!」 長門「…?」 みくる「わたしは、一人でもキョンくんを追いかけます!」 123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 00:55:08.77 ID:v2eLsDME0 長門「…彼がどこへいったかわかるの?」 みくる「キョンくんは……     最後は…みんなとの思い出がある部室で過ごしたいって……」 みくる「だから…学校に……うっ…う…」ポロポロ 長門「……部室」 みくる「グスッ、…だから、わたしも学校に行きます…!」 長門「部室…!」 みくる「だから、長門さんドアを……」 長門「朝比奈みくる!」ガシッ みくる「!」ビクッ 長門「…話しがある、聞いて」 124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 00:56:22.30 ID:v2eLsDME0  久しぶりに外に出た……  外は真っ暗で人っ子ひとりいない キョン「…もう夜か……」 キョン「………」ガクガク  情けないことに足の震えが止まらない… キョン「最後は部室で、か……」ブルブル  あそこにはたくさんの思い出がある  長門や朝比奈さん、古泉との思い出……  ……そして、ハルヒとの思い出  ハルヒがどうして俺の死を願ったのかはわからんが… キョン「俺はお前を恨んだりはしないさ……」 キョン「……たぶんな」 古泉「たぶんですか」 キョン「古泉っ!?」 126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 01:04:20.94 ID:v2eLsDME0 古泉「やれやれ、やっと見つけることができました」ニコ キョン「……俺を殺しに来たのか?」ジリ 古泉「んっふ、それは心外ですね」 キョン「………」 古泉「僕はあなたを殺しに来たわけではありませんよ」 キョン「…じゃあ、何しに来たんだ?」 古泉「…あなたこそどちらへ行くおつもりですか?」 古泉「……まるで死にに行くような顔ですね?」 キョン「………」 キョン「全部知ってるのか……」 古泉「まあ、ある程度の情報は入ってきましたし」 古泉「こんなところをあなた一人で歩いていれば、ね」 古泉「僕でなくとも想像できるでしょう」ニコ キョン「……そうだな」 127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 01:05:38.61 ID:v2eLsDME0 古泉「それで、どこへ向かうおつもりですか?」 キョン「部室だ」 古泉「…なぜです?」 キョン「あそこにはなんだかんだで色々思い出があるからな」 キョン「最後はあそこで……迎えたいんだ」テクテク 古泉「………」テクテク 128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 01:07:27.02 ID:v2eLsDME0 古泉「……男二人で夜の散歩というのもいいものですね」 キョン「…なんだ、突然?」 古泉「いえ、考えてみればあなたとこうして歩くこともありませんでしたし」 キョン「当たり前だ、何が悲しくて男二人で     夜の散歩などシャレ込まなくてはならんのだ」 古泉「ふふ、たまにはいいではありませんか」 キョン「まったく…」 キョン「……それより、どこまでついてくるつもりだ?」 キョン「今の状況はわかってるんだろう?」 古泉「もちろん」 キョン「だったらさっさと……」 古泉「最後まで御一緒しますよ」 132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 01:09:48.42 ID:v2eLsDME0 キョン「!」 キョン「お前…自分が何を言ってるか……」 古泉「無論、わかっているつもりです」 キョン「………」 キョン「いや、駄目だ」 キョン「お前まで巻き込むわけには……」 古泉「気にしないでください」 古泉「どうせもう戻るところはありません」 133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 01:11:15.21 ID:v2eLsDME0 キョン「どういうことだ?」 古泉「機関をぬけてきました」ニコ キョン「なっ」 古泉「今回の件で機関の意向に従わなかったもので」 古泉「恥ずかしながら機関に捕まってしまいまして」 キョン「………」 古泉「つい先ほど脱獄してきました」ニコ 古泉「ですから今ここで生き延びたとしても……」 134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 01:12:13.88 ID:v2eLsDME0 キョン「………」 キョン「……すまん」 古泉「いえ、お気になさらずに」 古泉「これは僕の意思で決めたことです、後悔はしていません」 キョン「………」 古泉「ですから御迷惑でなかったら一緒に行かせてもらえませんか?」 キョン「………」 キョン「……何言ってやがる…」 キョン「俺もちょうど一人だとつまらないと思っていたところだ」 キョン「行くところまで行こうぜ、親友」 古泉「!」 古泉「ええ、行きましょう!!」 136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 01:13:27.65 ID:v2eLsDME0 キョン「学校まであと少しか……」 キョン(そういえば足の震え、止まってるな…) キョン「こいつが来たおかげか…」ボソッ 古泉「? 何かおっしゃいましたか?」 キョン「いや、何でも――」  ザッ キョン「!」 古泉「!」 二人組「………」 キョン「…なんだ、こいつら?」 古泉「見たところ機関の人間ではなさそうですね…」 キョン「ってことは…」 古泉「ええ、おそらく長門さんと同じ宇宙人ではないかと」 キョン「…こんなところで出くわすとはな」 137 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 01:17:06.84 ID:v2eLsDME0 キョン「あと少しだってのに…!」 古泉「同感です……が、そんなことを言ってる場合ではないようですね」 古泉「来ますよ…!」 キョン「!」  ヒュン ドゴン  身構えた俺と古泉の間をすごい速さで何かが通り過ぎた  その何かは目の前にいた二人の内の一人の顔に飛び膝蹴りをかまし  勢いよく吹っ飛ばしてしまった  呆然とする俺と古泉の前に現れたのは…… キョン「長門っ!?」 139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 01:18:43.84 ID:v2eLsDME0 長門「………」 キョン「どうしてお前まで…?」 長門「ここは私が引き受ける」 長門「あなたたちは学校へ」 キョン「引き受けるって……」 みくる「ふぇ〜〜、待ってくださ〜い」ハァハァ キョン「朝比奈さんまでっ!?」 みくる「ふぇ〜、キョンくん、それに古泉くんまでぇ」ハァハァ 古泉「どうも」ニコ キョン「な、なんで…」 長門「朝比奈みくる、早く行って!」 みくる「は、はい!」 みくる「二人ともこっちです!」ダッ 142 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 01:20:19.35 ID:v2eLsDME0  タッタッタッタッ キョン「ど、どういうことですか!?」ハァハァ 古泉「僕も聞きたいですね」ハァハァ みくる「そ、それが、はあ、はあ、えっと…」ハァハァ みくる「じ、じつ、は、はあ、はあ、なが、と、さん、が」ゼェハァ キョン「い、いや、無理に話さなくても」ハァハァ 古泉「そうですね、目的地に着いた後で話していただければ」ハァハァ みくる「……は、はい…」ゼェゼェ  タッタッタッタッ キョン「朝比奈さん、がんばってくださいっ…!」ゼェハァ 古泉「ペースが大分落ちてますよっ…?」ハァハァ みくる「…ぜぇ、はあ……げほっ…」フラフラ 147 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 01:51:07.57 ID:v2eLsDME0  タッタッタッタッ キョン「!」ピタッ  ザッ 古泉「!?」ピタ 古泉「どうしました?」ハァハァ キョン「…お前は……!」ハァハァ 朝倉「ふふふ、お久しぶりねキョン君」 キョン「朝倉…!?」 朝倉「ふふっ」 古泉「彼女は…?」 キョン「急進派の一人…宇宙人だ……!」 古泉「!」 キョン「こんなところで会うとはな…!」 朝倉「あら、せっかく急いで仕事を片づけて    駆け付けたのにひどいじゃない」 みくる「…ぜぇ…ぜぇ……げほっ、げほっ……おえっ」フラフラ 149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 01:53:10.13 ID:v2eLsDME0 キョン「…お前は長門に消されたはずじゃなかったか…?」 朝倉「今回は長門さんが独断で行動しちゃったからね」 朝倉「緊急事態として再構築してもらったの」 キョン「…ここを通してもらえたりは……」 朝倉「うん、それ無理」ニコッ キョン「…だよな」   シャキン 朝倉「それじゃあ、そろそろ……死んで?」ヒュン キョン「!」 古泉「あぶないっ!」ドンッ  ビュオッ  古泉が気づいてくれたおかげで朝倉のナイフが空を切った 朝倉「…ちっ」 151 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 02:09:28.22 ID:v2eLsDME0 朝倉「あとちょっとだったのに」 朝倉「ねぇ、邪魔しないでくれる?」 古泉「………」ジリッ キョン「………」ジリッ 古泉「…ここは僕が時間を稼ぎます」ボソッ キョン「!」 古泉「あなたは朝比奈さんをつれて先に行ってください」 キョン「ば、馬鹿野郎、そんなことしたらお前は…!」 古泉「…ふふっ、大丈夫ですよ、死ぬつもりはありません」 古泉「時間を稼いだ後、逃げ出しますよ」 朝倉「………」スッ 古泉「! 来ますっ!!」  ビュンッ ガシッ 朝倉「!」 古泉「今です!行ってください!!」ググッ 152 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 02:15:08.72 ID:v2eLsDME0 キョン「古泉…!」 キョン「行きましょう、朝比奈さん!!」グイッ みくる「ふぇ?ふぇ〜〜」  タッタッタッタッ 朝倉「あら、行っちゃった」 古泉「以外ですね、追うそぶりもなしですか…?」 朝倉「ええ、だってあなたを殺せばすぐ追いつけるもの」グッ 古泉「!」バッ 古泉「ふふ、そう簡単にやられませんよ!」 朝倉「………」 朝倉「あなた……」ボソッ 古泉「…?」 朝倉「邪魔よ…!!」ビュオッ   ドスッ 154 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 02:19:19.40 ID:v2eLsDME0 みくる「はあ、はあ、古泉くん、     置いてきてしまいましたけど、いいんですかっ?」ハァハァ キョン「…今は、古泉を信じるしかありませんっ」ハァハァ キョン(死ぬなよ……古泉…!) みくる「………」ハァハァ みくる「あっ!着きましたよ、キョンくん!」ハァハァ キョン「…やっと、着いた」ハァハァ みくる「……ぶ、部室に」ハァハァ キョン「部室ですね、急ぎましょう!」 みくる「はいっ!」 155 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 02:22:28.61 ID:v2eLsDME0    ガチャ キョン「朝比奈さん、部室に何があるんです?」 みくる「えっと…たしか……」 キョン「たしか?」 みくる「長門さんがいつもの場所って…」 キョン「……いつもの場所ですか?」 みくる「はい…」 キョン「………」 みくる「………」 キョン「他に何か言ってませんでしたか?」 みくる「いえ…なにも……」 157 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 02:28:22.60 ID:v2eLsDME0   ドサッ 朝倉「さてと、キョン君を追いかけないと」 古泉「……行かせ…ません!」ガシッ 朝倉「あら?まだ生きてたの?」ゲシッ 古泉「グ…ァ……!!」 朝倉「ふふ、いつまで持つかしらね?」 古泉「くっ……!」 朝倉「…そうだ!ただ待っているのも    退屈だから少しお話しましょうか?」 古泉「!?」 朝倉「ふふ、ほら、本来ならあたし真っ先に    キョン君に会いたかったんだけど邪魔が入っちゃって」 古泉(何を話すつもりかわからないがこれで時間を……) 朝倉「そっちの仕事に回されちゃって」 朝倉「ふふ、大変だったのよ、一人大暴れする人間がいてね」 朝倉「そいつを殺すためにわざわざ寄り道までして…」 158 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 02:32:25.28 ID:v2eLsDME0 朝倉「その人間がね結構な被害を出してくれちゃったわけ」 朝倉「今回の件に関してはあたし達    機関と手を組んでたから放っておけなかったのよ」 古泉「!?」 朝倉「だからわざわざ機関まで出向いたのよ」クスクス 古泉「な、何を…言って…いるの…ですか…?」 朝倉「ふふ、さすがにびっくりしたわ」 朝倉「一人で大勢の人間相手に戦ってるんだもの」 古泉「………」 朝倉「あたしが着いたときにはもうボロボロだったけどね」 朝倉「その人ぶつぶつ喋りながら戦ってたのよ」 朝倉「あの子が逃げ切るまでは、って」クスクス 160 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 02:36:29.72 ID:v2eLsDME0 朝倉「古泉一樹ってあなたでしょ?」 古泉「!!」 朝倉「彼女、死ぬ間際にあなたの名前呼んでたわよ」 朝倉「古泉、古泉ぃ、って」クスクス 古泉「………」プルプル 朝倉「ふふ、惨めだったわよ、彼女」 朝倉「最期はあたしに一突きされて死んじゃったけど♪」 古泉「うわぁぁぁぁあぁぁぁあっっっ!!」ガバッ 古泉「よくも、よくもぉっ!!」 朝倉「ふふふ」ドカッ 古泉「ぐぁっ!」ドサッ 古泉「ゲホッ…ガハッ」ビチャッ 161 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 02:40:11.00 ID:v2eLsDME0 朝倉「そろそろ終わりね」スタスタ 古泉「…森…さん……」ポロポロ 朝倉「ふふ、すぐに会えるわ」 古泉「森……さ…ん」 古泉「も…り……さ…」 朝倉「さよなら」    グサッ 朝倉「……キョン君は…学校ね」 164 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 02:43:39.10 ID:v2eLsDME0 キョン「朝比奈さん、何か見つかりましたか?」 みくる「………」 キョン「朝比奈さん?」 みくる「しぃっ!静かに!」キョロキョロ キョン「ど、どうかしたんですか?」 みくる「い、いま一瞬未来からの通信が…」 みくる「ここ!ここでなら…!」 キョン「そこは、長門がいつも座っている席……」 みくる「ここですっ!ここなら未来に行けます!」 みくる「そっか、長門さんはこのことを…!」    ドガーン キョン「!」 みくる「!」 朝倉「ふふ、追いついた♪」 167 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 02:46:46.53 ID:v2eLsDME0 キョン「朝倉……!まさか古泉は……!!」 みくる「そんな……」 キョン「朝比奈さんっ!あなただけでも未来へ逃げてください!」 みくる「!」 キョン「ここは俺が食い止めます!」 みくる「そ、そんなこと――」 キョン「早くっ!!古泉の死を無駄にしないでください!!」 みくる「!! ……わかりました」 朝倉「あら、そんなことさせると思う?」 キョン「くそっ!朝比奈さん早くっ!!」 朝倉「甘いっ!!」ビュン 170 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 02:50:36.60 ID:v2eLsDME0    ビュオン  朝倉のナイフが俺の胸に刺さろうとした瞬間  俺の胸ポケットに入れておいたお守りが光を放った    ビカァッ キョン「うわっ!」 朝倉「きゃあぁっ!!」ドカン キョン「な、何だ!?朝倉が…吹っ飛んだ?」 朝倉「くっ」ググッ キョン「はっ!朝比奈さんは!?」クル キョン「いない……何とか逃げられたんだな」ホッ 朝倉「長門…さんの…仕業ね……」グググッ 朝倉「まったく、やってくれるわ…」 朝倉「おかげで未来人を逃がしちゃった…」 キョン(くそ、気絶しろよ今ので…!) 172 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 02:56:33.67 ID:v2eLsDME0 キョン「これでお前は俺に手を出せないわけだ」ニヤ キョン「勝負あったな」 朝倉「あら、あたし打たれ強さになら自身があるわよ?」 キョン「?」 朝倉「次の攻撃でそれを壊すことができるわ!」 キョン「!?」 朝倉「もともと何回も使うようにはできてないみたいよ、それ」 キョン「なっ!?」 朝倉「あたしも、かなりのダメージを受けるけどいけるわ」 朝倉「さっきの衝撃あなたが受けたらどうなるかしらね?」 キョン「………」 朝倉「それじゃあ行くわよ!!」ビュン    ビガァッ 173 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 03:00:06.41 ID:v2eLsDME0 キョン「ぐっ……」 キョン(体中がちぎれそうだ……) キョン(動けない……) 朝倉「うぅ…痛たた」 朝倉「…キョン君、生きてる?」ググッ キョン「………」 朝倉「よかったぁ、生きてた」 キョン「殺す…つも…りの奴…が、何……言って…やが…る」 朝倉「とどめは自分でさしたいじゃない?」 キョン「………」 朝倉「ふふ、バイバイ、キョン君」グッ    ビュオ 175 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 03:03:50.04 ID:v2eLsDME0    ドゴァーン 朝倉「きゃぁぁっ!?」  朝倉がきれいに吹っ飛んでいった…… 朝倉「くっ、ま、まさか…」 キョン「な、長門!?」 長門「………」 長門「…遅くなった」 キョン「ははっ、待ってた…ぜ…」 朝倉「まさかこんなに早く戻ってくるなんて…」 長門「朝倉涼子!」 朝倉「!」ビクッ 長門「あなたを…許さない……!」ビュンッ 178 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 03:07:48.58 ID:v2eLsDME0    ドドドドドドドド  朝倉がタコ殴りにされている……  あれは少し同情する…もう生きてはいまい  しかし…長門もボロボロだ  血だらけでボロボロになりながらここまで来てくれたのか キョン「………」ググッ    ドドドドドドドド キョン「……くっ」フラフラ 長門「ハァ、ハァ」    ドドドドドドドド 180 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 03:11:03.30 ID:v2eLsDME0 キョン「長門、もういい…」 長門「!」ピタ 長門「………」クル 長門「……無事?」 キョン「…ああ、お前よりは、な」 長門「……そう」フラ キョン「長門!」ダッ   ガシッ 182 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 03:14:34.33 ID:v2eLsDME0 キョン「あの時と同じだな…」 長門「……?」 キョン「俺が朝倉に殺されそうになった時さ」 長門「………」 キョン「あの時もこうやって長門に助けられて     こうやって長門を抱きかかえていたよな」 長門「……そう」 キョン「ありがとな、長門」 長門「……いい」ギュッ 183 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 03:17:45.37 ID:v2eLsDME0 キョン「そういえば長門、朝倉はどうなったんだ?」 長門「……不明」 キョン「? わからないのか?」 長門「……あのときの私は自身を制御できなかった」 キョン「?」 長門「ボロボロのあなたを見た瞬間から制御不能になった」 長門「あの時に私に何が起きたのかは私にもわからない」 キョン「…それは怒りというものだと思うぞ?」 長門「……?」 キョン「……いずれわかるさ」 長門「……ユニーク」 184 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 03:20:56.66 ID:v2eLsDME0 キョン「これから、どうするんだ?」 長門「後は朝比奈みくるにまかせる」 キョン「朝比奈さんに?」 長門「そう」 キョン「どういうことだ?」 長門「………」    ガラッ 186 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 03:24:15.86 ID:v2eLsDME0  15時00分 Friday みくる「………」  今回のことは未来でも観測できなかったみたい  このままじゃ未来が壊れてしまう  わたしは過去に来た  すべてが変わってしまったであろうその日に みくる「涼宮さんを探さないと……」スタスタ みくる「この時間ならまだぎりぎり授業中…」 みくる「急がないと…」 187 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 03:27:24.30 ID:v2eLsDME0  未来との通信でわたしに特例がおりた  ……特別任務というべきかもしれない…  今、未来では過去にもどれなくなっているらしい  未来とれんらくをとれたのもわたしだけみたい…  だからわたしにしかできない…  涼宮さんがあんなことを望んだ原因をさがす…  そしてそれを回避する  それがわたしの任務  未来をすくうために、未来を変える みくる「やっと……ついた」フゥ みくる「いそがないと……」 188 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 03:30:44.74 ID:v2eLsDME0  15時30分  長門さんが言っていた  涼宮さんの願いの原因はあの本だろうって  あの本を長門さんに渡せば……  でもどうやって本をとってこよう…  涼宮さんがずっともっているみたいだし  放課後までまたなきゃ… みくる「……?」 みくる「部室にだれかいる…?」 みくる「キョンくん?」 みくる「!」ババッ みくる(こっちに気づいた!?) みくる(み、みられちゃったかも…) みくる(と、とにかく団活がおわるまで身を隠さないと…) 191 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 03:34:12.40 ID:v2eLsDME0  17時15分 ハルヒ「じゃあね、みんな!」     バタン みくる(き、きた!) みくる(ど、どうしよう…どうやって本をかしてもらおう?) ハルヒ「………」テクテク みくる(涼宮さん、本を読みながらあるいてる……)  20分後 みくる(ど、どどうしよう〜〜〜) 197 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 03:53:08.31 ID:v2eLsDME0 みくる(このままじゃ家についちゃう……) ハルヒ「………」テクテク ペラ みくる(〜〜〜っ!!)ダッ みくる「ごめんなさいっ!!」 ハルヒ「へっ?」   ゴン ドサ みくる「はあ、はあ」 みくる「………」 みくる(緊急事態、緊急事態、緊急事態) みくる「仕方ない…ですよね?」 みくる「ごめんなさいっ」ペコリ みくる「はやくこの本をもっていかないと」ダッ 198 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 04:00:06.24 ID:v2eLsDME0 キョン「!」ギュッ 長門「!」ギュッ みくる「た、た、た、ただいまもどりまし――」 みくる「ふぇぁぁぁあぁあ!」カァーー みくる「ごごごごごごごめんなさいっ///」 みくる「おおおおじゃましましたーー///」 キョン「ちょっ、朝比奈さん!?」 長門「………」ギュッ 202 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 04:05:23.85 ID:v2eLsDME0 みくる「ふぇ〜〜、びっくりしましたぁ///」 キョン「すみません」 長門「朝比奈みくる、本を」 みくる「は、はい!」スッ 長門「………」 キョン「どうだ?」 長門「やはりこれが原因」 長門「この本には特殊なプログラムが仕込まれている」 キョン「じゃあ、これのせいでハルヒは…」 長門「そう」 みくる「それで涼宮さんはもとにもどるんですか」 長門「涼宮ハルヒを戻すことは可能」 みくる「よかった〜」 キョン「………」 204 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 04:10:36.55 ID:v2eLsDME0 キョン「…古泉の奴は……」 みくる「あっ……」 長門「………」 長門「不可能ではない」 キョン「! できるのかっ!?」 長門「私一人では不可能」 長門「未来側の協力と……」チラッ キョン「朝倉か……」 長門「……そう」 みくる「……わたし未来にれんらくをとります!」 長門「お願いする」 キョン「…問題は朝倉か」 長門「生死不明」 キョン「生きてることに望みをかけよう」 206 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 04:16:03.80 ID:v2eLsDME0 朝倉「……う〜ん」 キョン「気がついたか、朝倉?」 朝倉「……キョン君?」 長門「朝倉涼子」 朝倉「…長門さん?」 長門「あなたに頼みがある」   ―説明中― 朝倉「なるほど、全部なかったことにするんだ」 長門「そう、時間を金曜日の朝に戻す」 朝倉「………」 朝倉「いいわ、協力してあげる」 キョン「本当かっ!?」 朝倉「ええ」 長門「………」 207 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 04:20:21.49 ID:v2eLsDME0 朝倉「ただし、条件があるけど」 長門「……何?」 朝倉「私をバックアップとして活動できるようにして」 長門「!」 朝倉「それが私の条件よ」 長門「……それはできな――」 キョン「わかった、その条件を飲もう」 長門「! 朝倉涼子はまたあなたを――」 キョン「長門、今は協力してくれるだけマシだ」 長門「………」 朝倉「ふふ、交渉成立ね」 みくる「未来とのれんらくとれましたぁ」 みくる「協力してくれるそうです」 朝倉「さあ、やりましょうか?」 長門「………」コク 210 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 04:24:59.57 ID:v2eLsDME0  気がついたら朝になっていた  携帯を確認すると今日は金曜日の朝らしい キョン「戻ってこれたんだな」 キョン「後はこの長門にもらった飴玉を     ハルヒに食べさせればいいのか」  あの時、俺は長門から飴玉をもらった  長門によればこの飴玉をハルヒに食べさせれば  あの本を読んでも俺を殺そうなどと思わなくなるらしい キョン「ふぁぁあ、起きるか……」ムク   バターン キョン妹「キョンくーん朝だよー、っておきてるー!」 キョン「たまには早く起きる時だってあるさ」 キョン妹「ふーん、ごはんできてるよ」タッタッタ キョン「ああ」 211 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 04:29:22.78 ID:v2eLsDME0  いつもと変わらない通学路  いつもと変わらない教室  いつもと変わらない……ハルヒ キョン「……よう」 ハルヒ「………」 キョン「…ハルヒ?」 ハルヒ「……何よ?」ムク キョン「…あー、いや、飴食うか?」 ハルヒ「……は?」 キョン「朝、妹がくれたんだ、食べるか?」 ハルヒ「…ふーん、まあいいわ、貰ってあげる」  我ながら少々強引な気もするが  ハルヒは無事に飴玉を食べてくれた  これで一安心だ  その後は普通に授業を受けた 212 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 04:32:36.87 ID:v2eLsDME0  長門や朝比奈さん、古泉はどうしてるだろう?  昼休みにそれぞれの教室へ行ってみた キョン「………」 古泉「おや、どうしたんです?」 キョン「古泉!?」 古泉「はい?」 キョン「お前……生き返ったのか?」ガシッ 古泉「……は?」 古泉「どういう意味ですか?」 キョン「……覚えていないのか?」   ザワザワ 古泉「ここではまずいですね、場所を変えましょう」 213 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 04:35:57.57 ID:v2eLsDME0 古泉「部室なら誰かに聞かれる心配もありません」 古泉「話していただけますか?」 キョン「ああ」  ―説明中― 古泉「………」 古泉「では、僕は死んでしまったと?」 キョン「ああ、たぶんな」 古泉「ふむ、涼宮さんがあなたを殺そうとし、    僕は宇宙人に殺されると…」 キョン「ああ、俺もまだ信じられないくらいだ」 215 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 04:39:09.53 ID:v2eLsDME0 古泉「長門さんと朝比奈さんは…?」 キョン「二人とも今日は来てないみたいだ」 古泉「朝比奈さんは、未来を変えたわけですからね」    報告しなければならないこともあるはずです」 古泉「おそらくそれで遅れているのでしょう」 キョン「長門のところには帰りに寄ってみるつもりだ」   ガラッ 朝倉「やっほー、キョン君♪」 キョン「あ、朝倉!?」 218 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 04:42:38.03 ID:v2eLsDME0 朝倉「あら、そっちの人は古泉君だったかしら?」 古泉「……彼女は?」 キョン「朝倉涼子、宇宙人だ、何でお前がここにいる?」 朝倉「長門さんから伝言を頼まれたのよ」 キョン「長門はどこにいるんだ?」 朝倉「自宅で療養中よ、あのときの傷が治りきってないのよ」 キョン「…そうか……」 朝倉「それで長門さんからの伝言なんだけど    あの2日間は無かったことになった    心配する必要はない、ですって」 キョン「そうか…」 223 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 05:00:21.88 ID:v2eLsDME0 朝倉「よかったわね、古泉君?」 古泉「ええ、生き返れたわけですし」 朝倉「違うわよ、大好きな上司が死ななくてよかったわねって」 古泉「え?」 朝倉「あなたの上司が死んだって聞いたとき    すごく取り乱してたから」 古泉「な、も、森さんが死んだ!?」 朝倉「ええ、あなた泣いちゃってたわよ?」 古泉「そ、それは…」 朝倉「あら、そういえば私上司の名前言ったかしら?」ニヤニヤ 古泉「うっ、そ、それでは僕はこれで失礼します」ダッ 朝倉「ふふっ」 キョン「それじゃあ俺も戻るとするかね」 224 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 05:05:21.58 ID:v2eLsDME0  ―放課後― ハルヒ「なんなのよもうっ!」 ハルヒ「キョンの奴は急用とか言って帰っちゃったし」 ハルヒ「有希とみくるちゃんは学校休んでるし!」 古泉「………」 ハルヒ「…なんで古泉くんも落ち込んでるのよ!?」 古泉「…あの、二人だけですし今日は休みにしては…?」 ハルヒ「むー」 古泉「実は僕も知人(森さん)に会いにいきたいんです」 ハルヒ「………」 225 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 05:09:07.63 ID:v2eLsDME0 キョン「よう、長門」 長門「………」ムク 朝倉「いらっしゃい、キョン君」 キョン「長門、いいから寝てろ…って朝倉!?」 朝倉「今日は驚いてばかりね」 キョン「誰のせいだっ!」 長門「………」 キョン「で?なんで朝倉が長門の家にいるんだ?」 朝倉「だって自分の家がないんだもの」 朝倉「だからしばらく居候することにしたの」 キョン「いいのか長門?」 長門「………」 朝倉「そうよね長門さん?」 長門「………」 朝倉「……えっと、長門さん?」 226 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 05:13:23.82 ID:v2eLsDME0 長門「朝倉涼子、しばらく散歩をしてくるべき」 朝倉「えっ?」 長門「………」 朝倉「……はい」トボトボ キョン「いいのか、あれ?」 長門「……いい」 キョン「……ところで体の方は大丈夫か?」 長門「問題ない、日常生活に支障はない」 キョン「そうか、よかった」 長門「そう」 229 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 05:17:44.84 ID:v2eLsDME0 キョン「そういえば朝比奈さんは――」♪〜〜 キョン「電話……朝比奈さん!?」ピッ キョン「もしもし?朝比奈さん?」 キョン「ええ、はい、今長門の家です」 キョン「はい、わかりました、待ってます、それじゃあ」ピッ キョン「朝比奈さん今から来るってよ」 長門「そう」 230 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 05:21:10.64 ID:v2eLsDME0 みくる「ふぇ〜、キョンくん、長門さん」 キョン「朝比奈さん」 長門「………」 みくる「おそくなってすみませんでした」ペコ キョン「いえ、朝比奈さんも無事でよかったです」 みくる「はい、お2人もぶじでよかったです」 みくる「あれ?そういえば古泉くんは…?」 キョン「ああ、あいつなら来てませんよ」 キョン「今回の件の記憶がないみたいで」 みくる「そうなんですか?」 長門「私たちと朝倉涼子以外は今回の件についての記憶がない」 232 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 05:25:28.68 ID:v2eLsDME0 キョン「まあ、何はともあれ無事に終わったんだよな」 長門「……そう」 みくる「涼宮さんももとにもどりましたしね〜」 キョン「そういえば長門、俺たちは何でここに呼ばれたんだ?」 キョン「まさかこの報告のためだけじゃあ……」 長門「………」スッ 長門「………」スタスタ   ガチャ キョン「冷蔵庫?」 234 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 05:30:05.36 ID:v2eLsDME0 長門「………」スタスタ キョン「うぉっ!?な、何だその飲み物とお菓子の山は!?」 長門「……生還祝い」 朝倉「待ってましたー」ジュルリ キョン「どこで覚えてきたんだ…?」 長門「朝倉涼子がやるべきだといっていた」 朝倉「いいから始めましょうよー」 キョン&長門「!!?」 235 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 05:34:09.03 ID:v2eLsDME0 長門「なぜあなたがここに?」 朝倉「まあまあ、細かいことは気にしないで…」 長門「………」 朝倉「うっ……」 キョン「ま、まあまあ、落ち着け長門」 長門「………」 キョン「今回は朝倉も手伝ってくれたんだ」 朝倉「さっすがキョン君♪」 長門「……今回は参加を認める」 みくる「………」 キョン「じゃあ始めるか?」 朝倉「そうね、そっちの子は早く始めたくて仕方ないみたいだし」 みくる「……えっ?」 236 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 05:37:10.90 ID:v2eLsDME0 キョン「どうしました朝比奈さん?」 みくる「い、いえ……」 朝倉「早く食べたくて仕方ないんでしょ?」 みくる「あはは……」 みくる(…あの本ってだれが用意したものんなんだろう……?) みくる(未来ではあんなことなかったことなのに……) 長門「そろそろ始める」 みくる「あ、はい」 みくる(……考えてもしかたないかな?) 朝倉「それじゃあみんな……」 朝倉&キョン&みくる「かんぱ〜い♪」 長門「……かんぱい」 おわり 240 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/23(日) 06:01:53.07 ID:v2eLsDME0 とりあえずこれで終わりです。 本当はもっと早く終わらせたかったんだけど… 何度も書き込めなくなりこんな時間になってしまいました。 (これ書いてるときも書き込めなかった……) 次回作は気が向いたら作るかもしれません。 どこかで見つけたら温かい眼で見守ってやってください。 こんな時間まで見ていただいた皆様、こんな長くなってすいませんでした。 ここで終わりにさせていただきます。 最後までお付き合いいただきありがとうございました。