長門「…何かがおかしい」 1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/20(木) 21:19:14.61 ID:qB4CcED+0 なんとなく電話がかかってくるような気がした。 長門「……」 ピロリパロピリロラ 長門「…電話」 長門「……もしもし」 ==キャラクター紹介== 長門有希:一般人 キョン:神、団長 朝比奈みくる:宇宙人 涼宮ハルヒ:超能力者、副団長 古泉一樹:未来人 2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/20(木) 21:20:30.36 ID:qB4CcED+0 ハルヒ「遅いじゃない!」 キョン「よう長門」 長門「急に駅前集合だなんて…」 キョン「自転車貸してやるから漕げよ」 長門「…」 5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/20(木) 21:21:38.12 ID:qB4CcED+0 みくる「到着しましたね」 古泉「市民プール、ですか」 キョン「朝比奈さんの水着が見たーい!見たーい!見たーい!」 長門「…しんどいわ」 ハルヒ「…ユキ大丈夫?」 アハハハ アハハ 長門(!?) 長門(この感じ…凄いデジャブ…) 8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/20(木) 21:23:23.47 ID:qB4CcED+0 キョン「俺の背中の金龍(ゴールデン=ドラゴン)が火を噴くぜ!」 ザバーーン!!!! 長門(「刺青・タトゥーお断り」の看板が見えないのかよ…) 長門(まじパネェし) 古泉「キョン君も、ずいぶん常識的な楽しみ方をするようになったと思いませんか?」 長門「…常識的?」 古泉「少なくとも、世界を揺るがすようなことはしないと思いますが」 ハルヒ「確かにそうよね」 長門「まあ…」 みくる「……」 長門(朝比奈さん…) 長門(この感じ…前にもあった気がする……) ハルヒ「まあ、ユキ、楽しみましょうよ!」 11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/20(木) 21:28:59.39 ID:qB4CcED+0 キョン「おう長門ー!」 長門(そう、この感じ…) キョン「おーい!」 長門(女の子を2人連れてきて。そして彼はこう言うの…) 12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/20(木) 21:35:24.00 ID:qB4CcED+0 キョン「ナンパしてきたwwwww」 古泉「おっ、なかなかヤリ手ですねぇ」 ハルヒ「相変わらずね。しかも可愛いじゃない」 女の子1「趣味はギターです」 女の子2「…ちょっと唯、勝手に知らない人について行っちゃ駄目・・・」 キョン「えー唯ちゃんっていうんだー!可愛い名前だねー」 女の子1「ほへへ…照れますなあ…」 キョン「これからライブハウス見にいかね?」 女の子1「ライブハウス!!」 女の子2「ちょ、ちょっと唯!」 キョン「渋谷の円山町ってところにあるんだけどさー」 女の子1「ほぇー!行く行く!!」 女の子1「澪ちゃんもおいでよ〜!う〜い〜」 女の子2「…待って!ばかっ、唯!」 14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/20(木) 21:40:26.03 ID:qB4CcED+0 〜深夜、渋谷道玄坂マクドナルドにて〜 ハルヒ「キョンたち、結局戻ってこなかったわね」 みくる「…いま入ってきた警視庁からの連絡によると、円山町のホテルの一室で女性の変死体発見、だそうです」 みくる「女性からはMDMAが検出された、とのこと」 全員「……」 古泉「彼の欲求を満たすためには、彼女の犠牲もしょうがないのでしょう」 みくる「……」 15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/20(木) 21:45:33.37 ID:qB4CcED+0 深夜二時 ピロリパロピリロラ 長門(こんな時間に電話とかありえないんだけど) 長門(まじDQN一回死んどけよ…) 長門「 」 古泉「ふ〜んも〜〜〜」 長門「うおおお!?!?」 古泉「困ったことになりました〜…ぐすっ、ふもっ、ふもっ」 長門「えっ」 古泉「未来に帰れなくなりました〜〜ふもっふ、ぐすっ」 長門「……泣いてるの?」 古泉「ぐしゅ、ながとしゃん、ずずっ」 長門「ちょっと、イツキくん?」 ハルヒ「ユキ!」 長門「涼宮さん!?!?なぜ一緒に…」 ハルヒ「西口の踏切にいるから!」 17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/20(木) 21:50:24.06 ID:qB4CcED+0 二分後 ハルヒ「ユキ」 長門「み、みんないる」 ハルヒ「…何だかやけに大袈裟な荷物ね」 長門「始めようか天体観測」 古泉「アイラビュー」 ハルヒ「荷物はそこに置いて。私が説明するわ」 18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/20(木) 21:52:47.89 ID:qB4CcED+0 長門「そんな馬鹿な…」 ハルヒ「そう、つまり私たちは、何度も同じ時間をループしてるのよ!」 長門「信じられない…」 古泉「僕からも説明しましょう」 古泉「この前禁則事項で〜そしたら禁則事項で〜おかしいですね、どうしたんでしょう、と思っていたら禁則事項で〜僕はすっごく禁則事項で困ってしまいまして〜」 長門「……」 21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/20(木) 21:56:26.00 ID:qB4CcED+0 ハルヒ「ユキも、デジャブあったでしょ。リセットから零れ落ちた記憶の断片が残っていたのが原因よ」 長門「本当に…」 ハルヒ「そう、しかも完全に継続した記憶を持っている人が少なくとも一人は確実にいるの。ユキもわかるでしょ」 長門「朝比奈…さん?」 22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/20(木) 22:02:54.71 ID:qB4CcED+0 長門「朝比奈…さん?」 みくる「ひぇ〜〜〜〜」 長門「そうなの?」 みくる「そうです〜〜〜」 みくる「つらかったです〜〜〜」 ハルヒ「みくるちゃん、気付いてあげられなくてごめんね」 長門「もっと早く言ってくれれば良かったのに」 みくる「だめなのです〜〜私の仕事は観測なので…ふぇ〜…」 ハルヒ「みくるちゃんー」 長門(ぎゅっ)「…よしよし」 長門「ちなみに、その繰り返しは何回目なの」 みくる「今回で…8回目です…」 長門(8回・・・?) 長門(それだけの回数を、朝比奈さんは一人記憶を持ったままループしていたのか・・・?) 長門(全く同じ夏休みを・・・) 長門(朝比奈さんはどんな気持ちだったんだ?) 23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/20(木) 22:04:51.07 ID:qB4CcED+0 ハルヒ「宇宙人、いるのかしら…」 みくる「人に望遠鏡を向けるのはやめてほしいです〜」 ハルヒ「星型のほくろがあるのね!特盛りっ!」 みくる「ひぇ〜〜〜〜!!」 24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/20(木) 22:10:37.56 ID:qB4CcED+0 〜8月30日、喫茶店にて〜 キョン「よし!これで予定は全部終わったんじゃね」 キョン「じゃあまたあさって、部室で会おうずwww」 長門(いいのか…?) 長門(このままでは、また繰り返すことになる…) 長門(でも、どうすれば…) 26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/20(木) 22:14:53.77 ID:qB4CcED+0 長門(わからない…) 長門(わからない…!!!) 長門(こうなったらヤケクソだ…) ガタッ 長門「sleeping beauty」   27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/20(木) 22:21:30.12 ID:qB4CcED+0 キョン「え?」 長門「sleeping beauty、閉鎖空間、神人の暴走」 キョン「・・・え・・・!?」 長門「魔法以上の愉快です。」 キョン「・・・う、うわあ・・・ああ・・・ああああああああああ(イスから転げ落ちる)」 長門「どうかしましたか?」 キョン「ああ、あふゥッ・・・ひいいい・・ガクガク(足が震える)」 古泉「耳元で、アイラビューと囁くだけでも良いんですよ?」 みくる「恋のまじない、ミクルビームでかけてあげますよ?」 ハルヒ「冒険でしょでしょ?」 キョン「ああ・・あ・うんっ・ああ・・・」 28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/20(木) 22:30:07.59 ID:qB4CcED+0 キョン「わかった」 キョン「ハルヒ」 キョン「俺、実はポニーテール萌えなんだ」 ハルヒ「なに?」 キョン「いつだったかのお前のポニーテールはそりゃもう反則なまでに似合ってたぞ」 ハルヒ「バカじゃないの?」 29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/20(木) 22:33:39.50 ID:qB4CcED+0 キョンは強引に、唇を重ねた。 ドカーンバキョッ!!世界は救われた。 30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/20(木) 22:39:28.18 ID:qB4CcED+0 〜翌朝〜 長門「…」 登校してきたキョン。一昨日までの長い金髪が、別人のような黒い短髪になっていた。 長門「元気?」 キョン「そう、良かった」 長門「あなたに聞いているの」 キョン「ああ、長い輪廻の中にいたような気がしてな」 おそらく彼自身が一番、苦悩を抱えてこの夏を生きていた、と思う。 勝手なことをしても許される世界。思い通りになる世界。 そこで次第に自分が傲慢な性格に堕ちてゆくことに、快楽に流されることに嫌悪感をいだいていたのだろう。 彼は彼なりに変わろうと必死でもがいていたのだ。 髪を染め、刺青を入れ、付き合う友達を変え、煙草を吸い始めた。 どうしていいのかわからないまま暗闇で方向を模索しながら。 私はそれを知っている。 32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/08/20(木) 22:45:45.68 ID:qB4CcED+0 その悪しき流れをキョン自身の手で断ち切ることができたのだから、たとえ本人が覚えていなくともこの繰り返されてきた夏は無駄ではなかったと私は思う。 わがままな彼女も出来たようだしね。 キョン「やれやれ」 こうして頭を抱える今の彼が一番、彼らしい。 それにしても、長かった。 我ながらよく耐えたと思う。 15532回、かける8回。 340年か。