ハルヒ「……恋?」 1 名前: ◆XIPMcC7k8A [] 投稿日:2009/08/17(月) 22:12:55.08 ID:7YuJjBpR0 最近あたしの思考はある男にさくことが増えてきた。つい最近までそうではなかった。 特定の人物に施行をさくのは基本的にSOS団のメンバーのみ。 もちろんみんな同じくらいの割合で、だ。 それが最近ことあるごとにあのマヌケな顔が頭によぎる。 5 名前: ◆XIPMcC7k8A [sage] 投稿日:2009/08/17(月) 22:15:30.95 ID:7YuJjBpR0 例えば先週はみくるちゃんと有希と服を買いに行った。 そのときにあいつはどんな服装が好みなのかなと、ふと思ってしまい手に取った服を戻し違う服を取り、といったことを繰り返し買い物が長引いてしまい二人に迷惑をかけてしまった。 それだけじゃない。 数学の小テストがあると事前に予告されている日の前日.。 小学校のときから使っている学習机で勉強しているとき、あいつはテストのことを覚えているのだろうか、出そうな場所をちゃんとわかているのだろうか、などという考えが頭によぎってしまう。 そしてついついあいつにに「明日の小テスト6割取らなかったら死刑よっ!」などとさりげなくメールを送ってしまったりと挙げていけば正直言ってキリがない。 8 名前: ◆XIPMcC7k8A [] 投稿日:2009/08/17(月) 22:23:19.53 ID:7YuJjBpR0 さすがにこの事態は異常だと自分でも思ったのであいつが用事で早く帰ってしまったある日、SOS団のみんなにこのことを掻い摘んで話してみた。 そのときの独特の空気は今でも忘れられない。 古泉くんとみくるちゃんはいつもみたいなやや人工的な微笑みとは少し違った、まるで子供の成長を見守るような笑顔をしていたし。(有希はいつも通りだったが、こころなしかその目はやや関心をしめしているかのように見えた) そしてそのあとにある思い当たる事象に当てはまっているのかを聞いてみた。 これはもしかして世間一般でいうところの恋というものなのか、と。 12 名前: ◆XIPMcC7k8A [] 投稿日:2009/08/17(月) 22:32:04.23 ID:7YuJjBpR0 恋というものがどんなものなのかはさんざん本や映画で表現されているのでどのようなものなのかは知っている。 しかしあくまでそれは客観的であり、それが今の自分の気持ちと一致しているのかどうかわからなかった。 なぜならあたしは今まで恋をしたことがなかったからだ。 だからあいつに対するこの気持ちが恋ではない可能性もありうる、だってみくるちゃんとかに感じている友情とあまり違ってないようにも感じたからだ。 17 名前: ◆XIPMcC7k8A [] 投稿日:2009/08/17(月) 22:42:02.28 ID:7YuJjBpR0 しかし予想は裏切られた。いや、この場合予想通りといったほうがいいのだろうか 「どう考えても涼宮さんは彼のことを愛してますよ。」 「そ、それが恋ですよぅ。うわぁ、羨ましいなぁ。わたしも素敵な人としてみたいなぁ。」 「・・・恋。」 そんな言葉がみんなからは返ってきた、どうやら恋らしい。 ・・・これが恋かぁ。 26 名前: ◆XIPMcC7k8A [] 投稿日:2009/08/17(月) 22:54:57.75 ID:7YuJjBpR0 今まで名前がわからなかったこの想いの正体が『恋』と呼ばれているものに具体化されたとたん、今までのいわゆる『愛している』という感情がよりいっそう強まったように感じた。 正直言って今目の前にあいつが現れたら、みんながいることも忘れて押し倒して抱きしめてキスしてると思う。 「・・・あたしはこの先どうしたらいいの?」 恋愛のセオリーというものがわからないあたしは素直にみんなに聞いてみた。 「・・・わたしはその気持ちが恋というものなのかはわからない。そういうことも含めて先人の知恵である本や詩などから読み取るといいと思う。」 古泉くんとみくるちゃんが答えるよりも先に、有希が即座に答えを返してくれた。 29 名前: ◆XIPMcC7k8A [] 投稿日:2009/08/17(月) 23:00:54.21 ID:7YuJjBpR0 家に帰ってからは有希の指示に従って、うちにある恋愛小説や恋愛に関する歌などを見聞きしてあたしは驚いた。 それらに対する今までのあたしの感想と今の感想が大きく異なっていたからだ。 今まではただの言葉を示すだけだったひとつひとつの愛を述べる文字群がとても輝いてみえた。 昔、小説かなにかでみた「恋をするとね、何気ない一言が宝石みたいに光りかがやくんだよ」という台詞が思い浮かんだ。 当時は何も思わなかったが今はとても理解できる実感できる。 寝ようとしても頭の中であいつのことばかり考えてしまい全然な寝られなかった。 なんとか寝付くことができても夢のなかであいつが現れた。 ああ、もうあいつのことで頭がいっぱいだ。早く会いたいよぉ。ぎゅうって抱きしめられたいよぉ。 次の日の朝目覚めると世界が輝いて見えた。思わず外の雀にむかって「おはよう、小鳥さんたち」とか優雅なことをいいかけた。言わなかったけど。 30 名前: ◆XIPMcC7k8A [] 投稿日:2009/08/17(月) 23:10:01.65 ID:7YuJjBpR0 目に映るものすべてあいつに結びついてしまうという、我ながらキャラが崩壊している状態で登校しつつやっと学校についた、やっとあいつに会えた! あいつもあたしが学校に来たことに気付いたのかいつも通りあいさつをしてきた。好き好き大好き超愛してる。 こっちも朝の挨拶を返そうかと思ったけど何故か言葉が口から出せれない。 2、3秒がんばってなんとか声は出せたけどとても不自然なものになってしまった。もちろんあいつは怪訝な顔をしてる。あたしのばかあああああああああああああああああああ。 それからというもの、あたしの行動は今までと違って駄目駄目になってしまっていた。 授業中ぼーっとしているので教師によく注意をくらったし、体育ではこっちに来ているボールに気がつかなかったり、集中力がなくなっているからか小テストの点なんてさんざんだったし。 ・・・なによりも、まともにあいつと話すことができなくなっていた。 あたしがこんなんだからSOS団の活動もとてもぐだぐだしたものとなってしまっていた。 逆に、あたしの夜の一人での育みはどんどんと加速していった。 キョンかっこいいよぉ、きゅんきゅん☆ 31 名前: ◆XIPMcC7k8A [] 投稿日:2009/08/17(月) 23:20:38.58 ID:7YuJjBpR0 ―――――おかしい。最近ハルヒがおかしい。 ある日を境にあの何をやらしても出来杉クン(※ただし、性格を除く)なハルヒがおかしい。もはやのび太くんと言ってもいいくらいだ。おかしすぎる。 そもそも、いくら話しても暖簾に腕押し・ぬかに釘・妹に小言といった感じで、言葉があいつに届いてる感触がいまいちない。 というわけで、SOS団の活動も太陽がおかしかったら所詮その周りをぐるぐる回っているだけの惑星である俺たちだけではなりたっていくこともできず最近はぐだぐだである。 33 名前: ◆XIPMcC7k8A [] 投稿日:2009/08/17(月) 23:26:12.42 ID:7YuJjBpR0 そんなこんなで、ダイジョーブ博士の手術に失敗したかのように能力値が急に下がってしまったハルヒを心配して放課後、ハルヒは担任に呼び出しをくらった。 これはいい機会とばかりに俺は部室で古泉に聞いてみた。最近ハルヒはどうしたんだ、と。そう発言したとたん部屋の中の空気が凍りつき、時間が止まった。どうやら俺は気付かないうちにスタンド使いになったらしい。 そのままの空気で10秒以上が過ぎ去った。俺はDIO様は越えたらしい、そう思った瞬間古泉の表情がなにやらばつの悪そうな表情へとやっと移り変わった。 「どう説明すればいいのやら・・・」 そう古泉が言い放った。そしてそのまま思案顔となったため、俺は続きの言葉を待った。 朝比奈さんもおろおろとしたはいるがなにも言葉は出さなかったし長門はいつも通り分厚い本をよんでいたので、4人も部屋に人がいるというのに静寂のままかれこれ5分が経過した。・・・そんなに複雑なのか? 34 名前: ◆XIPMcC7k8A [] 投稿日:2009/08/17(月) 23:33:40.01 ID:7YuJjBpR0 「あ、あの・・・っ!」 静寂を壊したのはなんと朝比奈さんだった。 「キョンくんは涼宮さんについてどう思いますか・・・っ!」いや、どう思うかと聞かれてもSOS団の団長・席が前・天才・唯我独尊、あとは・・・ 「そういう意味じゃありません!女性として・・・その、好きですか、って意味ですっ!!」 朝比奈さんは俺に一度もみたこともない剣幕で詰め寄ってきた。それには古泉ばかりでなく長門までも顔をあげ驚いていた。 いや、周りのリアクションはどうでもいい。今はそれはさして重要なことではない、大事なのは俺の気持ちだ。 「・・・ようは、俺がハルヒを好きかどうかってことですよね?」 「・・・そうです。」 この質問は突然にように思えたが、今までの会話やなどからさすがの俺でも今のハルヒの状況などからなんとなく察しがついた。 ・・・いや、もうここまでくればごまかしても意味がない。前々からハルヒの俺に対する気持ちは薄々気が付いていた。でも色々と理由をつけてごまかしてきた、気が付いていないふりをしていた。 しかしついにうやむやにすることはできなくなってしまった。 36 名前: ◆XIPMcC7k8A [] 投稿日:2009/08/17(月) 23:39:25.00 ID:7YuJjBpR0 「念のため確認しておきます。ハルヒは、その、俺のことを好きっていう認識で間違ってないですよね?」 正直自意識過剰っぽくて言うの恥ずかしいな、おい。 「・・・っ!そうで、す。その、キョンくんは涼宮さんのことをどう思っていますか?好きですか?」 「・・・俺は、あいつを友人としては好きです。でも女性として愛しているかと聞かれたら答えに悩みます。普通の友人と比べたら好きです、でもSOS団の団員全員に当てはまります。・・・そもそも恋ってなんですか?」 「・・・それは、、、えっと。。。」 「・・・ハルヒの言っていたように精神病ですよ。恋の魔法なんてよく言いますけど、あれって実に言い得て妙ですよね。 容姿とか、その人のちょっとした仕草とかを、ある日気がついたらいいなって思ってる。それから後は好意の目でその人を見るから自然と自分の中での評価はあがる。 一般にそれを恋って呼ぶわけですが、結局それってただの勘違いですよね。だからその勘違いに気づいたら…恋の魔法は終わってします。」 「でも、、、それでもっ!それは好きってことには変わらないですっ!キョンくんの言っているのは恋のメカニズムであって拒絶する理由ではないですっ!」 「・・・そうですね。」 確かに朝比奈さんの言うことはもっともだ。そんなこと言っていたら世の中きりがない。・・・だけれども、どうしても俺は納得がいかない。何故だろう、わからない。 「・・・すみません、今日はお先に失礼します。ハルヒにはテキトーに言っておいてください。」 そう言い残し俺は部室を逃げるようにして去っていった。去り際に古泉と朝比奈さんの引き留めるような声が聞こえたが正直今は一人で頭の中を整理したかった。 37 名前: ◆XIPMcC7k8A [] 投稿日:2009/08/17(月) 23:45:36.10 ID:7YuJjBpR0 ・・・何日かかっても気持ちの整理はつかなかった。 むしろ、変にハルヒを意識してしまって、まともにハルヒの顔を見ることができなくなった。 ・・・これは『ハルヒは俺を好き』という『ひっかかり』で、どうやら俺の気持ちも今までとは変わってしまったようだった。 もしかして恋ってやつなのか? 散々自分でどうこういっておいて結局は俺はハルヒのことを好きになってしまったのか? ・・・え、あほ? 39 名前: ◆XIPMcC7k8A [] 投稿日:2009/08/17(月) 23:52:11.49 ID:7YuJjBpR0 「いやぁ、ついにキョンが涼宮さんとくっつくのかぁ」 俺は恋愛経験が豊富そうな国木田に助言を求めた。 谷口のアホがいるとややこしくなりそうだったのでもちろんあいつは抜きで。 「違う、まだくっついてない。・・・というか、正直言って自分の気持ちがわからない」 「・・・ふーん。ねぇ、キョンって今まで誰かと付き合ったことないよね?」 「・・・ないな。」 「そっか。多分ね、その気持ちは世間一般でいう恋の前兆だと思う。 あとは想いが募っていってその気持ちが暴走する、抑えられなくなる。軽い人とかの場合この時点で告白したりとかもするけどね。 ・・・まぁキョンは冷静だからか前兆から先に言ってないみたいだけど。」 「・・・そうか。」 「うん。あくまで僕の恋愛観だけどそう間違ったもんじゃないとは思うよ。一回付き合ってみたら?そしたらキョンでも想い、あふれると思うよ。」 「うーん・・・」 「もちろん涼宮さんのことを少なからず思っていたらだけどね」 以上、国木田さんから俺への恋愛講座でした。 42 名前: ◆XIPMcC7k8A [] 投稿日:2009/08/18(火) 00:01:18.58 ID:eEWVQVJK0 結局、このもやもやとした気持ちはハルヒが俺に告白してくることで終焉を迎えた。 国木田の言っていたようにいざ付き合ってみると今まで見えなかった色々な面が見えてきて俺のハルヒへの想いは募っていった。 今ではハルヒのことを愛していると断定できる。 でも、ときどき思うことがある。 それは錯覚なのではないか、ハルヒの気持ちに誠実に答えるため、自分にそう思いこましているだけではないのだろうか。 ――――――――『恋』ってなんなんだろう。 end 44 名前: ◆XIPMcC7k8A [] 投稿日:2009/08/18(火) 00:03:11.57 ID:eEWVQVJK0 ハルヒは恋に疑問に思わずつっぱしり、キョンは頭の中でごちゃごちゃ考えて変に冷静で優柔不断で、っていう対比で書いてみた 処女作だったんで至らない部分多いと思うんで、なんか私的とかあったら遠慮なくどーぞ 個人的にはあえて後味悪めにしたとはいえ、いまいちオチが弱い気がする。 46 名前: ◆XIPMcC7k8A [] 投稿日:2009/08/18(火) 00:07:37.81 ID:eEWVQVJK0 つーかはじめに指摘されてぷん太とか見て知ったんだけど、SSの>>1は基本的にトリなくていいんだな。知らなかった おまけ。>>30と>>31の間に入れようか迷ってやめたやつ ん・・・っ。キョン!キョン!キョン!キョンんんぅぅうううわぁああああああああああああああああああああああん!!! あぁああああ…ああ…あっあっー!あぁああああああ!!!キョンキョンキョンぅううぁわぁああああ!!! あぁクンカクンカ!クンカクンカ!スーハースーハー!スーハースーハー!いい匂いだなぁ…くんくん んはぁっ!キョンたんの短髪茶色の髪をクンカクンカしたいお!クンカクンカ!あぁあ!! 間違えた!モフモフしたいお!モフモフ!モフモフ!髪髪モフモフ!カリカリモフモフ…きゅんきゅんきゅい!! ある雨の日のキョンたんかっこよかったよぅ!!あぁぁああ…あああ…あっあぁああああ!!ふぁぁあああんんっ!! 前の小テストいい成績で良かったねキョンたん!あぁあああああ!かっこいい!キョンたん!かっこいい!あっああぁああ! 欠点回避できて嬉し…いやぁああああああ!!!にゃああああああああん!!ぎゃああああああああ!! ぐあああああああああああ!!!キョンの隠し撮り写真なんて現実じゃない!!!!あ…キョンのぬいぐるみも使用済みタオルも… こ れ ら は 現実 じ ゃ な い?にゃあああああああああああああん!!うぁああああああああああ!! そんなぁああああああ!!いやぁぁぁあああああああああ!!はぁああああああん!!杉田ぁああああ!! この!ちきしょー!やめてやる!!妄想なんかやめ…て…え!?見…てる?写真のキョンたんがあたしを見てる? 写真のキョンたんがあたしを見てるぞ!キョンたんがあたし僕を見てるぞ!ぬいぐるみのキョンたんがあたしを見てるぞ!! タオルのキョン臭があたしを包みこんでくれてるぞ!!!よかった…妄想もまだまだ捨てたモンじゃないんだねっ! いやっほぉおおおおおおお!!!あたしにはキョンたんがいる!!やったよ有希!!ひとりでできるもん!!! あ、コミックのキョンたああああああああああああああん!!いやぁあああああああああああああああ!!!! あっあんああっああんあみくるちゃぁあん!!古泉くーん!!ゆきぃいいいいいい!!!妹ちゃぁあああん!! ううっうぅうう!!わたしの想いよキョンへ届け!!西宮のキョンへ届け! 58 名前: ◆XIPMcC7k8A [] 投稿日:2009/08/18(火) 01:40:50.92 ID:eEWVQVJK0 古泉が自分はハルヒのことを好きだったということに気がつく このハルヒの騒動をきっかけにみくるは恋に恋して手近にいるイケメン古泉を好きに(恋に恋してるので、自分ではそう思い込んでる 長門は使いづらいからぶっちゃけ空気 みたいなプロットは思い浮かんだけど、自分の考えをキョンに言わしていたさっきまでのSSに比べ、自分でキャラの思考を考えなきゃだめだからムズいな