ハルヒ「緑色の火星人が追いかけてくるー」 5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/06/02(火) 08:27:17.80 ID:pvH8i/nFO ハルヒ「緑色の火星人が追いかけてくるー」 キョン「何だ何だ?また何かくだらん遊びでも開発したのか?全くお前はいつもいつも…そもそも火星にはだな。生き物なんて存ざ…」 キョン「!! しっ志村後ろー! じゃなかった。ハルヒ後ろー!」 ギシャエエェー!!! みくる「ひょええぇぇーっ!これ何ですかキョンくぅ〜ん…」 ハルヒ「子供拾ったら親が追っかけてきたの!」ワクワク キョン「拾うなよ!その脇に抱えたメロンみたいな物体か!と言うかむっちゃ怒ってらっしゃるぞその御方!!」 6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/06/02(火) 08:43:52.52 ID:pvH8i/nFO 古泉「おやおや、これは困りましたね」 キョン「お茶をすするな。落ち着き払うな。微笑むな。こっちを見るな。奴を見ろ」 長門「……」 グルルルルル… みくる「ふぇぇ〜部室に入ってきたですぅ」 古泉「新たなSOS団の住人ですね」 キョン「ふざけてる場合か!」 ハルヒ「キョン!いつもの喧嘩殺法で追い払いなさい!」 キョン「俺はいたって普通の一般市民だ!なんだその喧嘩殺法とかいう都合のいい後付け設定は?そもそもお前がメロンを拉致ってきたから…」 ハルヒ「いいからつべこべ言わずにさっさとやる!」ドン! キョン「おわぁ!」 7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/06/02(火) 09:05:54.40 ID:pvH8i/nFO そこには黄緑色に発色したなんとも形容しがたいクリーチャーが俺の全身を舐めまわすかのように凝視していた キョン「これと戦えと?」 ハルヒ「期待してるわよ〜。キョンの殺人パンチが久々に火を吹くのね!これは燃えるわ!」 長門「楽しみ」 キョン「おい!」 古泉「戦うしかないようですね『神』がそれを望んでる」 みくる「ふぇぇ〜キョン君ファイトですぅ〜」 何時の間にか部室の中央にあった長机は端のほうに寄せられて、さながらリングのようになっていた 他の部員は助けようともせず揃って部屋の奥で俺と化け物の戦いを観戦する腹づもりらしい 8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/02(火) 09:17:55.73 ID:pvH8i/nFO キョン「おいハルヒ、そのメロン返してやったら万事解決する案件なんじゃないのかコレは?」 ハルヒ「いやよ!これは持って帰って家族みんなで美味しく頂くんだから」 キョン「食べるのかよ!」 ハルヒ「さぁ火星人ちゃん!息子を返してほしくばこのSOR団最強のチャンピオン。ビッグマグナムキョンを倒してからにしときなさい!」 小脇に抱えてたメロンらしき物体を頭の上に掲げながらワッショイ状態でこれ見よがしに挑発する そんなハルヒを見て久々に本気の殺意が湧いてきたのは言うまでもない 10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/02(火) 09:47:35.49 ID:pvH8i/nFO ゴグワッッシャァァァー!!! 火星人?と呼べる物体なのかしらんが、この緑のクリーチャーは息子なぞ放っといて俺とガチンコファイトする体勢にすでに入っているのは何故なんだ。戦闘民族か! はっきり言わせてもらおう 無理だ! 人もろくに殴った事のないキングオブ一般市民のこの俺が、筋肉隆々のこのヤバそうな化け物とまともに戦えるはずなどないではないか! 助けを求めるかのように後ろを振り向いてみると長門まで目を輝かせて俺を見ているではないか!おい長門! 古泉はいつものように手を顔に当て微笑みながら観戦してるし。お前はいつもそのポーズしか出来んのか! 朝比奈さんは震えながらもがんばれぇ〜といつもの癒される声で応援される。普段ならここでほんわか和むべき所だが今はそんな状況ではない! ハルヒにいたっては先程からメロン的物体をワッショイ状態で観戦してるし… …戦うしかないのだろうなぁ 13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/06/02(火) 10:52:15.55 ID:pvH8i/nFO 意を決して新ためてこの得体の知れぬグリーンクリーチャーと向かい合った この見るからにヤバそうな化物相手に俺は勝てるのか?と思いつつも両手を顔の高さまで持ち上げて身構える 自然と足が震えてくる 肉食動物に睨まれる草食動物の気持ちとはまさにこの事を言うのだろうな が、俺は草食動物でもなければ朝比奈さんを男バージョンにしたような弱虫毛虫でもない いや決して朝比奈さんが弱虫毛虫な小動物と見下してるいうワケでは決してない。そこは誤解しないでほしい むしろ守りたくなる朝比奈さんのそこが萌え…いかん集中しろ 14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/06/02(火) 11:14:20.48 ID:pvH8i/nFO そう!俺は男!俺の中に眠る男闘争心をフル稼働させ、心中に広がった弱い恐怖を無理矢理男でねじ伏せた! そう、俺は今日ここで男になる! キョン「ぅええーい!」…それでも声を出さねば拳もろくに打てぬ自分が情けない 当然グリーンさんの体に届くはずもなくあっさり手の甲でガードされる と同時にもう片方の空いた手のグリーンさんのナックルブロウが俺の顔面を見事に捉えて打ち抜いた キョン「ひでぶぅっ!!」 これまでここで様々な不思議体験をさせて頂いたが、殴られてゴミクズのように空中をふっ飛ぶ体験は生まれて初めての事だった 15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/06/02(火) 11:28:32.83 ID:pvH8i/nFO ドグワッシャアアァァン…という音が部屋に鳴り響き、俺の男姿はなんともいい現せない無様な姿に変わり果ててたのだろうと想像する みくる「ひゃあ!キョ…キョン君…!大丈夫ですかぁ〜?」 見りゃわかるでしょ朝比奈さん!この惨状を! 古泉「おやおや一撃ですか…情けない限りです」 じゃあお前が戦え。超能力抜きで 長門「よわ」 おい長門! ハルヒ「っかぁ〜!ダッサイわねっ!それでも男?ほんっと使えないんだから…まったく」 …お前だけは絶対に許さん 16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/02(火) 11:52:28.37 ID:pvH8i/nFO ハルヒ「あ〜あガッカリだわ。まぁもっともキョンには最初から期待してなかったけどね。予想通りの展開すぎて少し呆れたけど」 お前な…だったら最初から戦わせるなよ、この俺を! ハルヒ「もう…仕方ないわね。じゃあ次!みくるちゃんお願いね」 みくる「ふぇっ!!!?」 オイ!むちゃぶり過ぎるだろ! みくる「ひょええー!ムムム無理ですぅ〜私あんなのと戦ぇませぇぇん〜」ガタガタブルブル ハルヒ「大丈夫、大丈夫。多分女の子にはきっと優しくやられてくれるわよ。ほら早く」ドンッ みくる「ひゃあ!」トテテッ ゴルルルルルル… みくる「ふぇぇええぇぇぇーーー!!!!!ここここ怖いですぅぅー!」 グリーン「お前が次峰か?」 しゃ…喋れたのかよッ!? 18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/02(火) 12:21:22.77 ID:pvH8i/nFO いや、つーかなんか勝ち抜き戦みたいになってるし! この火星人、息子取り戻しにハルヒ追いかけて来たんじゃなかったのかよ!? ハルヒ「みくるちゃーん!右よ!黄金の右ストレート繰り出すのよ!!こういう輩の弱点は大抵目ん玉って決まってるわ!目よ!目を潰しなさーい!」 みくる「ふぇぇ…ム、無理ですぅ〜」 そう、朝比奈さんに目を潰せなんて無理な注文、無理モンは無理なんだよ ハエも殺せそうにない朝比奈になんて注文つけてんだお前は 涙目でプルプル小動物のように震えちゃってるじゃないか、可哀想に… グリーン「かかってくるなら…さっさとかかってこんかぃやッ!!!このメンタァーーーッッッ!!!」 みくる「ひょええー!」 そう言いながら朝比奈さんはあとずさりした そして案の定ドジっ子らしくズッコケて後頭部を強打し無様な俺の男姿の隣で気絶してしまった まぁあの化け物に殴り倒されて俺のような無惨な姿にされるよりは遥かに幸せか… 20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/02(火) 12:50:13.46 ID:pvH8i/nFO 古泉「やれやれ…仕方ありませんね。では次は僕が行くとでもしましょうか」 一応確認しておくがここはもちろん閉鎖空間ではない。故に超能力はここでは使えないのであるのだが… どう戦うつもりだ? ハルヒ「うおおぉー!ついに真打ちの登場ってワケね!待ってました!覚悟しなさい火星人!次はSOS団最強の男が相手よ!」 おい!SOS団最強の男は俺だってさっき言ってたよな! ビッグマグナムキョンとかほざいてたアレは一体どういう事だったんだ! ハルヒ「今度こそ勝ったわね。彼こそは『悪の微笑みルイジアナ代表』『拳を放てば血しぶき8リットル』と異名の名を持つ男、ピューマー古泉その人よ!」 ピューマー古泉!?ピューマー古泉だとッ!?なんだその無駄にカッコイイ二つ名は!? 俺もビッグマグナムじゃなくてそっちの方がよかったよ!! ハルヒ「さ、ちゃっちゃとやっちゃいなさいピューマー」 古泉「了解しました」 23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/02(火) 13:12:57.97 ID:pvH8i/nFO 古泉「こうみえて、昔、古武道やら空手やらを少々習ってまして」 まるで後付け設定のように初耳だな 古泉「ま、やってみなければわかりませんが、身体能力のみでも勝つ自信は…あります」キラッ その自信は一体どこからくるのかわからんが、まぁ勝ってくれる事を祈るよ。どうせ望み薄だろうがね 古泉「お覚悟めされよッ!!!」 コイツに似つかわくないセリフを吐いたその刹那、互いの拳が電光石火の如く交差した 古泉「あべしっ!」 やはり俺の予想通りピューマー古泉は高く高ぁーく宙を舞い、朝比奈さんとは反対側の俺の隣に寝っ転がってきた ま、超能力の使えない古泉なんざ、どうせこんなこったろうと思ったよ 26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/02(火) 13:26:06.58 ID:pvH8i/nFO ハルヒ「ああ!もう!ピューマーまで殺られちゃったじゃないのよもー!自分で血しぶき8リットル流してんじゃないわよ。使えないわねー」 古泉に同情するこの気持ちはなんだろう ハルヒ「これでこちら側に残ってる駒は私と…」 長門「………」 ハルヒ「ふぅ、仕方ないわね。ユッキー」 長門「ノー」 ハルヒ「出番よ」 長門「断じてノー」 30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/02(火) 13:43:18.41 ID:pvH8i/nFO ハルヒ「嫌がってる場合!?ここはSOS団みんなの力で乗り切る所でしょ!」 長門「………」 ハルヒ「キョンもみくるちゃんもピューマーも命を賭けて戦った!私も命を賭けて戦うつもりよ!それなのにユッキーだけ戦わず逃げ出すつもり!?そんなの…そんなの男じゃないわよ!!」 長門は女なんだが 長門「…わかった」 ハルヒ「!! やる気になってくれたのね!嬉しい!」 長門「でも条件がある」 ハルヒ「な、何よ…」 長門「私にも二つ名つけて」 キョン「な、なんだってー!!(AA略」 33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/02(火) 14:12:19.57 ID:pvH8i/nFO ハルヒ「う〜ん、そうねぇ…」 長門「………」ドキドキ グリーン「………」 …思ったんだが、何故この緑の化け物は戦いの合間、こうも律儀に待っていられるのだろうか? すでにメロンらしき物体の息子はハルヒの手を離れ無造作に床に転がされてるというのに ハルヒ「長拳使いの長門とかでいいんじゃないの?同じ長門って名字だし」 長門「!」ガーン なんてやっつけ仕事ッ!!長門があまりにも可哀想すぎるッ!!! もう少し考えてやれよ!それにエアマスターの方は長門じゃなくて長戸だよ!! 元ネタ知らなきゃ何が何やらわからんぞ!? 長門「………」 ほら落ち込んだ…感情の薄い長門があんだけガックシ来てるんだから、そうとうきてるよコレ 34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/02(火) 14:32:41.95 ID:pvH8i/nFO 自分としてはこのどうしようもない状況を打開してくれるのはドラエモンよろしく ぼくらの万能お助けロボ長門有希様かと思っていたんだが… この落ち込んだ精神状態で果たして大丈夫なのだろうか? 長門「………」ブツブツブツブツ ヒィィ。なんかブツブツ唱えとるし!いつもの唇高速回転のあの呪文とは似て非なるものを唱えとる! グリーン「次はこのチンチクリンが相手かぁー!?」 長門「もぅ…どうでもいい」 な、長門オオォォォーーー!!!(北枝金次郎風に) 36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/02(火) 15:07:03.66 ID:pvH8i/nFO そして大きく振りかざした化物の剛腕が長門の側頭部にヒットし バキのジャック兄さんの如くクルクル回転しながら朝比奈さんの隣にビターンと横向きで着地した キョン「うっわ…終わった…」と世界の終末を嘆くかのように心細く呟いたら「大丈夫」という声が聞こえた 長門である キョン「お、お前思い切りブン殴られてただろ、平気なのか?」 長門「平気。殴られてはいない。流しただけ」 長門の顔をよく見るとまったく傷がついてない どうやらインパクトの瞬間、パンチとは逆方向に自分で吹っ飛んでギリギリでかわしただけらしい なのでダメージは全然喰らってないとの事だ キョン「相変わらず器用な事する奴だ。で、どうやってあの化物倒すつもりだ?何か反撃の策あるんだろ?」 長門「何もしない」 キョン「え?」 長門「あとは涼宮ハルヒがなんとかする」 45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/02(火) 17:21:26.64 ID:pvH8i/nFO さて、こちら側の残る戦士はハルヒだけとなったのだが 世界をなんちゃらする力はあれど、今の所ハルヒ自身は何の能力も持ちあわせてはいない 俺と同じいたって普通の高校生である さて、どう戦うつもりだ? グリーン「さぁテメェのだいじな手下共、ビッグマグナム、みくるちゃん、ピューマー、長拳使いはもう倒した。…残るは魔王!テメェ一人だけだぜ!」 ハルヒ「…フッフッフッ。私の優秀なる暗黒四天王を倒すとは…なかなかやるようね。だけどこのSOS団の長、涼宮ハルヒ様には勝てるかしらね!!?」 おい…ちょっと待て。流れが色々おかしいぞ 46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/02(火) 17:40:07.45 ID:pvH8i/nFO グリーン「勝ってみせる!倒してみせる!そしてこの星を守ってみせる!!!」 ハルヒ「戯言は勝ってからほざきなさい!私の力を見て後悔しない事ね!!!」 えーと…なんだ、その…突っ込み所が多すぎて自分の頭が混乱してるのだが… このヒドイ流れは自分の中で、どう解釈すればいいのだろうか… ハルヒ「フフフ…これから先、あなたの泣きじゃくる姿しか想像出来ないわ」 グリーン「………」 この余裕…実は俺が知らないだけで、ハルヒにも長門や古泉のような特殊能力を隠し持っていたとでもいうのだろうか? ハルヒ「私の実力とくと味わいなさい!さぁこのトランプでババ抜き勝負よ!!」 ふ…ふざけんなぁぁぁーーー!!!! 48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/02(火) 17:59:15.43 ID:pvH8i/nFO グリーン「フッ…ババ抜きか…いいだろう」 いいのかよ!! つーか、ちょっと待て。だったら俺や古泉の、この名誉の負傷は一体なんだったんだ? 台無しだよ!全部台無し!俺達全員とんだピエロだよ!! こんな事なら俺も最初からチェスやオセロ勝負を提案しとけば… って、こいつらすでに始めてるし グリーン「いくぜハルヒ!オレのターン!ドロー!」シュバッ ハルヒ「OH〜さすがにしぶといデスね。火星人ボーイ」 遊☆戯☆王かよッ!! 49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/02(火) 18:19:29.40 ID:pvH8i/nFO いや…まぁトランプ遊びしてると誰だって遊戯王ごっこして遊びたくなる時ってあるよね 特に今の高校生世代はクリーンヒットド真ん中の世代だから… グリーン「クッ…バカな…ババを持っているのは向こうのほう…なのに」 グリーン「なんなんだこのプレッシャーは…追いこまれているのは俺のほう…だと?」 ハルヒ「ハッハッハッ…ババ抜きとは心理戦デース。火星人ボーイ、ユーの動き、一挙手一頭足まで読めてマース☆」 おい…いい加減その平野綾声でペガサスのモノマネするんじゃない! わかりづらいんだよ!!!ネタ的にッ!!! 50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/02(火) 18:36:21.19 ID:pvH8i/nFO そしてゲームはいよいよ終盤、残り3枚となっていた ハルヒがババを含めて残り2枚。緑の化け物のほうは残り1枚である グリーン「ババさえ引かなければ…ここを凌げば俺の勝ち。絶対に負けられん」ゴクリ ハルヒ「フフ…確率は2分の1。でも負ける気がしないわ。さぁ引きなさい火星人ちゃん」 口では相変わらず負けん気な事言ってるが、さすがにここまで来るとハルヒとて余裕が無くなるらしい 証拠に先程までウザイほど真似してたペガサス口調が消えていた 長門「大丈夫。涼宮ハルヒは強い。だから負けない」 51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/02(火) 18:56:06.77 ID:pvH8i/nFO 長門がそのセリフを言い終えるのと同時に緑色の化け物がカードを素早く引き終えた グリーン「!!」 そのカードを見た化物の顔が一瞬にして青ざめた 緑なのに青ざめた …わかりにくい表現だったと思うのでもう一度 緑 な の に 青 ざ め た …のである ………それにしても、この光景を他の一般生徒が見たらどう思うんだろな 部屋の中に得体の知れぬ緑色した筋肉隆々の化物が女子高生と普通にカードバトルしてて その傍らに綺麗に並んで倒れてる四人の遺体 この状況を見て一体どれだけの生徒がまともな対応を取れるだろうか 俺だったらしばらく固まった後、扉を閉めて見なかった事にするね間違いなく 52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/02(火) 19:12:00.58 ID:pvH8i/nFO さて、逆転して状況はハルヒ1枚、化け物2枚である。そしてハルヒのターン ババを引かなければアガリ、引けば先程の状況に逆戻りである ハルヒ「ここで決めるわ。絶対ここで勝つ」 重いプレッシャーに耐えかねた化け物は苦し紛れに更なる心理戦を吹っ掛けてきた グリーン「俺は俺から見て右のカードをババにした」 ハルヒが取ろうと手を差し伸ばしたそのカードである 53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/02(火) 19:27:21.67 ID:pvH8i/nFO ハルヒ「………」 一旦取ろうとしたその手を差し戻すハルヒ グリーン「(さぁ…次はてめえが追い込まれる番だぜ)」ニタッ 心理的優位に立ったと確信した余裕からか不敵な笑みを見せる化け物 それを見たハルヒは一拍ほど間を置いて不敵な笑みをやり返す ハルヒ「火星人ちゃん…アンタ…ウ ソ つ き だ ね☆」ニタッ 54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/02(火) 19:50:24.54 ID:pvH8i/nFO そして先程引こうとしたカード、化け物がこれはババだと言ったその右側のカードを素早く引く グリーン「なっ何ィ!!?」 ハルヒ「御無礼。ロン。24000。トビ終了です」 何を言ってるのか一瞬よくわからなかったが、とにかくなんとか勝ったらしい グリーン「クッ何故右側のカードがババだとわかった?傀…いやハルヒ」 ハルヒ「フッ…まだ気付かないの?アンタがババを引いた時点ですでに私の勝利は確定してたのよ!」 グリーン「なにっ?」 ハルヒ「アンタが今持ってるババのカードをよく見てみなさい」 グリーン「?………なっ!! こっこれは!!」 55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/02(火) 20:07:16.97 ID:pvH8i/nFO グリーン「ガン牌…」 俺もよく目を凝らしてジーっと見ると確かにそのカードは他のカードとは明らかに違っていたのが確認できた そう、付いていたのである  ハ ナ ク ソ が !!! いや、誰の鼻クソかは誰かの名誉のためにそこはあえて考えないでおこう うん 考えるべきではないし考えたくもない!!! そう、決してハルヒの鼻クソなどと…いやイカン。その時点でおかしいだろ俺のバカ!! 命を賭けて鼻クソ様をカードに付けた誰かさんにすこぶる失礼だろ!!! 死ね!死んで謝れ俺!! ハル…いや、鼻クソ様を付けた勇者に深く謝れ俺のバカ!!! 59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/02(火) 20:25:29.97 ID:pvH8i/nFO 第一あれが鼻クソなどと誰が決めた? そう、あれは耳クソか、もしくは目ヤニかもしれん …しかし、カードにピッタリくっ付いたあの粘着力と独特の形状はどこからどう見ても鼻ク… もういい、忘れろ!記憶を抹消しろ!! 何勝手にあのブツを冷静に分析してるんだ俺!いい加減失礼すぎるだろ!! グリーン「フッ…ババを引いた時点…いや、カードゲームの土俵に乗った時点で負けてたのか。俺は」 ハルヒ「最後までババ持たされた時はさすがに冷や汗かいたけどね」 グリーン「………」 グリーン「いい戦いだった」 ハルヒ「そうね」 グリーン「………」 ハルヒ「………」 60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/02(火) 20:47:28.04 ID:pvH8i/nFO 長門「二人ともよく戦った」 ハルヒ「フフッ…」 グリーン「へへっ…」 キョン「………」 何やら死闘を繰り広げたあとの言い表しづらい独特の雰囲気がこの部屋の空気を支配してたが その空気に馴染めない俺のほうが異常なのだろうか? ハルヒ「!! かっ火星人ちゃん!アンタ体が…!」 グリーン「へへっ…どうやらお迎えが来ちまったらしい」 見てみると緑色した化け物の体がどんどん消滅していってるのを確認した 既に左半身が消滅しかかっている 61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/02(火) 21:06:15.43 ID:pvH8i/nFO グリーン「火星人は戦いの勝利を生命エネルギーとして取り込むタイプの生き物」 グリーン「どんな勝負でも負けたら、それイコール『死』って決まりごとになってるんでさぁ」 グリーン「おかげで火星人も俺一人になっちまった。…だがこれも運命なのかねぇ」 長門「…」グス… キョン「(!!? 長門がハンカチで涙を拭ってる!?)」 …そうか、さすがの長門もこういう話にゃ弱いのか。意外と人情的な部分もあるじゃないか 長門「一歩間違えればアレが我が身。泣けてくる」グス キョン「なるほど。朝倉もあんな風にシュワーって消滅したもんな」 62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/02(火) 21:22:17.35 ID:pvH8i/nFO ハルヒ「ちょっ…ちょっと待ちなさいよ!!私は…私は火星人のアンタに色々聞きたい事や知りたい事が…」 ハルヒ「それにアンタにあの空き地から追われてから今までの、この最高に楽しかった時間…」 ハルヒ「それが元の…つまらない退屈な時間、退屈な世界に戻るなんて絶対に嫌!絶対に許さないんだからね!!」 グリーン「へへっ大丈夫でさぁお嬢。あっしはアンタの楽しい世界の一エピソードにしか過ぎやせん」 グリーン「あっしがいなくなってもお嬢の世界は遜色なく、バラ色に楽しい世界が待ってやすぜ…あっしが保証すらぁ…」 感動的なシーンに水を差すようだが明らかにキャラ変わってるよな。おいグリーン! 64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/02(火) 21:37:13.14 ID:pvH8i/nFO グリーン「ですから、お嬢。あっしに…過去に囚われちゃなんねぇ。明日の世界を…前に広がる無限の世界を感じなせぇ…」 ハルヒ「………」 グリーン「今のあっしに言えるのはそれだけでさぁ…」 キョン「………」 グリーン「あ、言い忘れてやしたが、あんたらが息子とか言ってた、あの玉…息子じゃなくて、見た目通り火星メロンですから」 なん…だと? グリーン「消えゆくあっしにゃもう食べられねーシロモノなんで、そっちでお好きに食べんなせぇ」 お前…勝負に勝ったエネルギーのみが栄養源じゃなかったのか…? グダグダなんだよ設定が!! 65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/02(火) 21:47:42.56 ID:pvH8i/nFO グリーン「このまま消えゆくのは湿っぽくていけねぇや。最後に一発ギャグかまして消えまさぁ」 ハルヒ「火星人ちゃん…」 グリーン「『隣の家に塀が出来たってね』『…へぇ』『そしてその塀が屁ェブッコイたんだって』『ショウヘイヘーイ☆』ありがとうごさいましたぁー」 シュワ〜… ハルヒ「か、火星人ちゃあーーん!!!」 67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/02(火) 22:21:14.40 ID:pvH8i/nFO ――後日 キョン「で、結局の所アイツは一体なんだったんだ?本当に火星人だったんだろうか…なぁ長門?」 長門「違う。少なくとも我々とは異なる系統の生命体。そもそも火星には生命体は存在してない」 古泉「…これは深い陰謀を感じますね。なにか裏がある。我々以外の新たなる勢力か…それとも」 古泉「しかも我々のこの微妙な勢力バランスを根底から覆す何かとてつもない大きな力を感じます。あなたはどう思います?長門さん…」 長門「………」 キョン「…まぁどうでもいいさ。何か起きてもなんとかなるだろ。昨日みたいに」 古泉「…やけに投げやりですね」 キョン「お前達とのデタラメ体験生活に体が慣れたんだ。人間には環境適応能力というのが備わってるんだよ、生まれつきな」 古泉「なるほど…それがあなたの特殊能力というわけですか」 キョン「勝手にほざいてろ。付き合いきれん」 68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/02(火) 22:21:59.57 ID:pvH8i/nFO 古泉「それはそうと涼宮さんはどうされました?てっきり一緒に来るかと思いましたが…」 キョン「欠席だとさ。どうやら食中毒で家族全員病院行ってるらしい」 みくる「えぇ〜?何か悪い物でも食べちゃったんですかねぇ…?」 キョン「さぁてね…」 ―完― 71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/02(火) 22:31:25.94 ID:pvH8i/nFO 疲れた…やっぱ慣れないもんはするもんじゃねーな まぁでも楽しかった 後半途中と最後らへんのギャグが少なくなって弱くなってる所はもう少しなんとかしたかったが まぁ自分の文才ならこんなもんでしょ 73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/02(火) 23:15:52.77 ID:pvH8i/nFO 乙ってくれた人。保守してくれた人。読んでくれた人ありがとう 読み返してみると自分にしては上手くまとめられたと思う まぁ若干手直ししたい所は多々あったが… 74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/06/02(火) 23:20:22.92 ID:pvH8i/nFO しかし丸1日潰されるとは思わなんだ…orz 書くのは楽しいが気楽には書けねーわなw 仕事休んだから明日同僚や上司から冷ややかな視線で攻撃されるのが目に浮かぶwww