長門「注射は怖い……」 1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/13(水) 21:57:54.06 ID:u/wgZbt90 キョン「うぃーす」ガチャ キョン「ってあれ?誰もいない…俺が一番乗りなんて珍しいな」 ドタドタドタドタ・・・・・・ キョン「何だ? 騒々しい足音だな…またハルヒか…」 キョン「たく、ハルヒももう少し慎みというものをだな…」 バァン 長門「ハァ…ハァ……」 キョン「え?な、長門…?」 4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/13(水) 22:01:20.98 ID:u/wgZbt90 キョン「おいおい、表情は変わってないが、みるからに焦ってるな」 キョン「一体何があったってんだ、長門!?」 長門「………」キョロキョロ 長門「!!!」ガチャガチャ キョン「おいおいおい、何でロッカーに入るんだ?」 長門「お願い…私がここにいることは黙っていて…」パタン キョン「黙っていてって…誰かに追われているのか…?」 朝倉「ちょっと! 長門さん!!」バァン キョン「ええ! あ、朝倉!?」 6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/13(水) 22:03:08.50 ID:u/wgZbt90 朝倉「ちょっとキョンくん、ここに長門さん来なかった?」 キョン「え? あ、いや、その……」チラッ ロッカー「…………」 キョン「い、いや、来てないぞ。俺一人だけだ」 朝倉「……そう。もうっ、どこ行ったのかしら?」パタン タッタッタ・・・・・ キョン「はぁ……もう出てきても大丈夫だぞ、長門」 長門「…」ギィィィ 7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/13(水) 22:06:08.15 ID:u/wgZbt90 キョン「長門、一体どういうことなんだ? なぜお前が朝倉に追われている?」 長門「……恐ろしい」 キョン「え?」 長門「恐ろしい目に合わされるところだった……今の朝倉涼子はとても危険」 キョン「恐ろしい目って……そりゃどういうこt 朝倉「やっぱりここにいたのね、長門さん!!」バァン! 長門「!!!」 キョン「おわぁ!!!」 9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/13(水) 22:09:08.48 ID:u/wgZbt90 キョン「あ、朝倉!? 何でまだここに!?」 朝倉「何か怪しかったから、立ち去ったフリをしたのよ」 朝倉「さぁ長門さん! 観念しなさい!!」 長門「……」ガクガク キョン「お、おい、長門……?」 長門「……!!」ダッ ドンッ!!! 朝倉「あ! こらっ、待ちなさい!!」 キョン「いや、お前こそ待て」ガシッ キョン「どういうことだ? お前は長門に何をするつもりだ? なぜ長門はあんなにも怯えている?」 10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/13(水) 22:12:08.06 ID:u/wgZbt90 朝倉「ちょっと、離してよ! 長門さん逃げちゃったじゃない!」 キョン「いいから説明しろ! 内容によっちゃ俺も黙っていないぞ!」 朝倉「分かったわよ、もう……別に危害を加えるつもりはないわよ。ただ注射をするだけ」 キョン「注射? 何のために?」 朝倉「私たちヒューマノイドインターフェイスは、定期的に情報統合思念体からメンテナンスを受けてるのよ」 朝倉「そして、機能を安定させるためのワクチンを打たなければいけない」 朝倉「このワクチンを打っていないと、どんどんバグがたまり、身体的にも思考にも異常がでてくるのよ」 朝倉「私も長門さんも一度暴走してるしね。あれ以来、、ワクチンの接種はさらに徹底されるようになったわ」 キョン「ふむふむ」 11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/13(水) 22:15:08.13 ID:u/wgZbt90 朝倉「生み出されてから3年間は待機モードだったから、ワクチンの接種は特に必要なかったわ」 朝倉「でも、SOS団に関わるようになって、長門さんの中にどんどん知識が蓄えられ、少しずつ感情も芽生えていった」 朝倉「そしてその分、エラーも発生するようになった。それは大事にするべきものかもしれないけど……」 朝倉「それが原因で自身が崩壊しちゃったら意味がないからね。だからこそワクチンの接種は絶対なのよ」 キョン「なるほど、事情は分かった。宇宙人も大変なんだな……」 キョン「で、何で長門は逃げ回ってるんだ?」 朝倉「長門さん、注射を異常に怖がってるのよ。それで私から逃げ回ってるってわけ」 キョン「長門が? 注射を? 何でだ?」 12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/13(水) 22:18:12.36 ID:u/wgZbt90 朝倉「知らないわよ。私が聞きたいぐらいだわ」 朝倉「私が聞いても何も答えてくれないし、今は私を見ただけで逃げ出す始末だし……」 キョン「ふむ……しかし、そんなに嫌がるんなら他の方法でやればいいんじゃないのか?」 朝倉「他の方法もあるにはあるけど、どれもやたら時間がかかったり、一時的な効果しかなかったりするのよ」 朝倉「注射で直接体内に注入するのが一番確実で効果的なのよ」 キョン「なるほどな……分かった、そういう事なら俺からも何とか長門を説得してみよう」 朝倉「お願いするわ。キョンくんの言うことなら聞いてくれるかもしれないし…」 朝倉「早く注射を打たないと、また暴走する確率が極めて高いわ」 キョン「マジか……よし、急ごう」ガチャ 15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/13(水) 22:21:08.18 ID:u/wgZbt90 朝倉「とりあえず二手に分かれたほうが効率がいいわね。私はもう少し部室棟を調べてみるわ」 キョン「じゃあ俺は校舎の方だな。じゃ」タタタッ キョン「ふう、簡単に引き受けちまったが、朝倉の言ってたことは本当なのか……?」 キョン「まぁそれも含めて長門に話を聞いてみるか……と、あれは」 長門「!!」 キョン「いきなり見つかったな…ま、いーか、おーい長門ー」 長門「……何?」 キョン「朝倉から注射云々の話を聞いたんだが……本当なのか?」 長門「…………」 キョン「……本当なんだな。何でそんなに注射を嫌がるんだ?」 18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/13(水) 22:24:11.34 ID:u/wgZbt90 長門「注射は怖い……」 キョン「へ?」 長門「あのギラギラとした針……無機物が皮膚を突き破って体内に侵入してくる恐怖……」 長門「想像するだけでも震えが止まらない……」フルフル キョン「いや、お前朝倉と戦った時に、おもいきり全身串刺しになってたじゃないか…」 長門「他のどんな攻撃、痛みにも私は耐えられる……でも注射だけは駄目……」 キョン「情報操作で痛みを消すとかは出来ないのか?」 長門「今の私は情報操作が使えない……」 キョン「あー…ワクチンを打ってないことによる影響か……」 キョン「じゃあ朝倉の情報操作で…」 長門「だめ…今は注射と同じくらい朝倉涼子が怖い……」 キョン「……」 19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/13(水) 22:27:08.99 ID:u/wgZbt90 長門「注射器を片手に近づいてくるあの姿…悪魔にしか見えない……」 長門「だめ…怖い……本当に…駄目……」フルフル キョン(うーむ…普段無表情で冷静な長門が、ここまで小さくなって震えている姿は……) キョン(何というか小動物みたいで……かわいいな…) キョン(……って、そんなことを考えてる場合じゃないだろ!) キョン「な、なあ長門…朝倉だって別にお前をいじめたくて追い掛け回してるわけじゃないさ」 キョン「お前のためを思ってのことなんだ、お前のことが心配なんだよ」 キョン「だから……頑張って注射を受けよう……な?」 長門「!!!」 21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/13(水) 22:30:09.90 ID:u/wgZbt90 長門「あなたも……私の敵なの……?」 キョン「え? いや、敵ってそんな……」 長門「裏切った……信じてたのに……」 キョン「お、お〜い、長門さん?」 長門「…………ばか」ダッ! キョン「あ! お、おい、長門!!」 キョン「行っちまった……こりゃ相当重症だな…」 キョン「ハァ、どうすっかなぁ?」 22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/13(水) 22:33:09.18 ID:u/wgZbt90 みくる「あれ? キョンくん、こんなところで何してるんですかぁ?」 古泉「どうも、こんにちは」 キョン「朝比奈さん、古泉…」 古泉「何かあったのですか? 先ほど長門さんが下駄箱のほうへ走っていきましたが…?」 キョン「あ、ああ…実は……」 古泉「なるほど、そういうことでしたか……」 みくる「ふえぇ…あたしも注射は苦手ですから、長門さんの気持ち分かりますぅ」 キョン「しかし、ほっとくわけにいきませんからね。そこで2人に頼みたいことが……」 古泉「涼宮さん…ですね」 23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/13(水) 22:36:09.55 ID:u/wgZbt90 キョン「ああ、この分だと団活には出られそうにないからな。その報告と…」 古泉「校舎内を逃げ回る長門さんやあなたと鉢合わせしないように、涼宮さんの気を逸らせばいいんですね」 キョン「話が早くて助かる。俺じゃあうまく説得できる自信がないからな。じゃあ頼んだぞ」タタタ・・・ 古泉「ふむ…では、行きましょうか、朝比奈さん」 みくる「どうするんですかぁ、古泉くん?」 古泉「一番いいのは学校外へ涼宮さんを連れ出すことですが……はてさて」 24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/13(水) 22:39:08.85 ID:u/wgZbt90 長門「彼のことも信じられない…味方は誰もいない……」 長門「このままここにいるのは危険…外に逃げないと……」 タッタッタッ ブヨン!!! 長門「!!!」 長門「こ、これは……バリヤーが張られている…校門の外に出られない……」 長門「しかも、私にしか効果を発揮しないように設定されている……」 長門「……おのれ朝倉涼子」 25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/13(水) 22:42:09.90 ID:u/wgZbt90 長門「ならグラウンドに……駄目、障害物がないから見つかりやすい…」 長門「体育館……工事中で中に入れない…」 長門「……校舎に戻るしかない…捕まらないように頑張る」 長門「もし捕まったら……」 (朝倉『い〜ひっひっひ、覚悟しなさ〜い! 死ねぇ!!!』グサッ! ブシュ! ゴシュ!) 長門「…」ブルブルガタガタ 長門「絶対に逃げ切る。注射されるぐらいなら死んだほうがマシ」 27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/13(水) 22:45:08.55 ID:u/wgZbt90 部室 ハルヒ「もう! キョンも有希も急用で休みってどういうことよ!!」 古泉「我々もそう伝えてくれと言われただけですので……」 ハルヒ「たく……キョンは明日、罰ゲームよ罰ゲーム!!」プンプン みくる「あの…それで今日はどうするんですかぁ?」 ハルヒ「別に。2人いないだけでいつもと変わらないわよ。あたしはパソコンしてるから」 古泉「涼宮さん、せっかくですので外に3人で散策にでも行きませんか?」 みくる「そうですよ。天気もいいですし、たまには……」 ハルヒ「遠慮しとくわ。ちょっと調べ物もあるし……」 みくる「はうぅ…」 古泉「ふむ…」 29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/13(水) 22:48:08.09 ID:u/wgZbt90 みくる「ここ古泉くん、どうしましょう〜」ヒソヒソ 古泉「こうなったら仕方ありません。とっておきの『アレ』を使います」ヒソヒソ みくる「『アレ』?」 古泉「ちょっと耳を貸して下さい……ゴニョゴニョゴニョ」 みくる「ふえぇ! わわ分かりましたぁ〜」ヒソヒソ 古泉「それでは……涼宮さん、ちょっとトイレに行ってきます」ガチャ ハルヒ「ん〜〜むぅ〜〜〜」 みくる「すすす涼宮さん! あああれ、窓の外を見てくださいぃぃ〜」 ハルヒ「何よ、窓の外? ……あ、あれは!!!」 ハルヒ「なな何!? あのエイリアンとプレデターを合わせたような化け物!!」 31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/13(水) 22:51:30.63 ID:u/wgZbt90 古泉「ふふふ、驚いているようですね。随分とリアルですからね、この着ぐるみ」 古泉「涼宮さんを楽しませるようにと、念のため機関に頼んで作ってもらっといてよかったです」 みくる「す、涼宮さん…あれって……」 ガラッ みくる「!」 ハルヒ「とうっ!!」バッ みくる「ふえええ!! すすすす涼宮さん!! ここ3階ですよぅ!!」 ズシーン!!! ハルヒ「遂に見つけたわ宇宙人!! 逃がさないわよー!!」ズダダダ 古泉「よし、喰い付いたようですね。あとは学校から引き離すために、ある程度逃げ回るとしますか」ダダダッ 34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/13(水) 22:54:11.13 ID:u/wgZbt90 キョン「むっ、長門発見! お〜い長門ー」 長門「!!!」 キョン「あー、逃げるな逃げるな、話を聞け」 長門「……何? 朝倉涼子に協力する以上、あなたも私の敵」 キョン「なぁ長門……そもそも何でそんなに注射が苦手なんだ? 何か理由があるんだろ?」 長門「………思い出すのも恐ろしい」 キョン「気持ちは分かるが、それを話してくれないと手の打ちようがないぞ」 長門「手を打つ必要はない。私は逃げ切ってみせる」 キョン「いやだから……ん? 何してんだ、長門?」 ダキッ キョン「ふおお! なな何だ! いきなり抱きついたりして!!」 37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/13(水) 22:57:08.62 ID:u/wgZbt90 長門「私は怖い……助けてほしい……」フルフル キョン「長門……分かってるさ。必ずお前を」 ガチャッ キョン「ん? ガチャッ?」 長門「…」スッ 長門「…さらば」ダッ キョン「あ! おいちょっと長門……って、何だこれーー!!」ガチャガチャ キョン「これは手錠! いつのまにか柱に繋がれてとるーー!!」 キョン「うおーい! 長門ーー待ってくれーー!!」ガッチャガッチャ 41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/13(水) 23:00:08.89 ID:u/wgZbt90 朝倉「何やってるのよキョンくん……」 キョン「ん、おお、朝倉か……すまん、逃げられちまった」 朝倉「キョンくんの説得でも駄目だったか〜。どうしたものかしらね」 キョン「朝倉、すまんがこの手錠外してくれないか?」 朝倉「うん? ああ、ハイハイ」ブチッ! キョン「さりげなく素手で引き千切るなよ……恐ろしい奴だな…」 キョン「まあいい……で、どうするんだ? 今の長門は頑として説得は聞き入れないぞ」 朝倉「そうねぇ…」 キョン「そもそも何であんなに注射を嫌がるんだよ。お前本当に心当たりはないのか?」 朝倉「知らないってば。私だって困ってるんだから」 キョン「はあ…とにかくもう一度探しに行こう」 47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/13(水) 23:03:12.45 ID:u/wgZbt90 一方その頃 ハルヒ「待て待て待てーーー!!!」ズドドドド 古泉(ぬうう……さすが涼宮さん、このままでは追いつかれる…) 古泉(しかし、学校からは十分に引き離しました……そろそろネタばらしをしましょうか) 古泉(期待外れでがっかりさせてしまうでしょうが、楽しませるためだったと言って許してもらいましょう) 古泉(よいしょ……んん? あれ!?)グググ・・・ 古泉(脱げない! なぜ! どうして!!) ハルヒ「絶対捕まえてやるわーー!! 逃がさないわよーー!!!」 古泉(まさか……涼宮さんの願望の影響で……?) ハルヒ「観念しなさい!! この化け物ーー!!!」 古泉(ヒャーーーーー!!!) 49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/13(水) 23:06:08.99 ID:u/wgZbt90 部室 みくる「…」ポツン・・・ みくる「あたしはどうすればいいんでしょう……?」 みくる「古泉くんと涼宮さんを追いかけるべきでしょうか…?」 みくる「それともキョンくん達のお手伝いをしたほうがいいのかなぁ?」 みくる「でも、今からだと涼宮さん達には追いつけないし……」 みくる「キョンくんのお手伝いをしたいけど、長門さんはどうも苦手だし……」 みくる「………」 みくる「………」 みくる「………帰りますぅ」 54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/13(水) 23:09:09.22 ID:u/wgZbt90 キョン「説得しても駄目……となると、無理矢理にでも注射しないといけないのか」 キョン「……気が進まないなぁ」 朝倉「私だってそうよ、でも長門さんのためだし……って、いたわ! 長門さん!!」 長門「!!!」ビクッ 朝倉「今度は逃がさないわよ! 大人しくしなs キョン「朝倉! 待ってくれ! 俺に作戦がある」 朝倉「キョンくん!? 何よ作戦って?」 キョン「長門に注射は怖くないってことを見せるんだよ」 朝倉「どうするってのよ!」 キョン「俺に注射を打て!!」 55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/13(水) 23:12:08.44 ID:u/wgZbt90 キョン「やっぱり無理矢理ってのは気が進まん!」 キョン「だから俺に注射を打っているところを見せて、注射は怖くないって安心させてやりたいんだ!」 朝倉「う〜ん、うまくいくのかしら、それ…ま、物は試しね」 キョン「頼む。おい長門! 逃げずにちょっとこっちを見てくれ!」 長門「……なに?」ビクビク キョン「注射は怖くない! 俺だって平気なんだ! お前も大丈夫だよ!!」 キョン「朝倉、頼む」ヒソヒソ 朝倉「分かったわ………セイッ!!!」 ドスッ!!!! キョン「ぎぃやああああああああああああ!!!!!!」 59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/13(水) 23:15:08.59 ID:u/wgZbt90 長門「!!!!!」ビクーン!! 長門「…ヒッ!」ダダッ 朝倉「ああ! 長門さんちょっと!」 朝倉「もう! 何であんな悲鳴あげるのよ! 作戦大失敗じゃない!」 キョン「お前なーー!!! 垂直に注射を突き刺すやつがあるかーー!!!」 キョン「針が根元まで刺さったぞ!! ぐあー痛ぇーー!!」 朝倉「え? 駄目なの? 注射なんて適当にぶっ刺せばいいと思ってたわ」 キョン「んなわけあるか!! このミラクル馬鹿!!」 朝倉「奇跡の馬鹿とは失礼ね」 64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/13(水) 23:18:08.28 ID:u/wgZbt90 キョン「……お前まさかとは思うが、長門にも同じように注射したのか?」 朝倉「うん、半年前の定期健診の時にね。手っ取り早く寝てるところをブスリと」 朝倉「そういえばあの時の長門さん、やたらと悲鳴あげてたわね。しばらく口を利いてくれなかったし」 キョン「……何で長門が注射嫌いになったのか、よ〜〜く分かったぜ」 キョン「というか、それで気づかないお前のほうがどうかしてるだろ……」 キョン「やれやれ…とにかく! こんなのではお前に注射させるわけにはいかん! 更にトラウマが増すだけだ!!」 キョン「まずは図書室なり保健室なりに行って、正しい注射の打ち方の知識を仕入れてこい!!」 朝倉「分かったわよ。も〜そこまで怒らなくてもいいじゃない」 キョン「よく言うぜ……じゃあその間、俺は長門を探すから、お前はちゃんと注射の打ち方をマスターしろよ」 朝倉「はいは〜い」 66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/13(水) 23:21:09.40 ID:u/wgZbt90 一方その頃 古泉(だ、だめだ! どうしても脱げない!!) ハルヒ「よーし、追いついたわよーー!!!」 古泉(ひい!! な、なら口頭で!) 古泉「キシャーー!! ギャオーー!!」 古泉(あ、あれ!? 怪物みたいな鳴き声しか出ない!) ハルヒ「なに? 威嚇してるつもり? そんなので怯むあたしじゃないわよーー!!」 古泉(ひいぃぃ!! だめだ! 逃げるしかない!!) ハルヒ「待ちなさーい!! 捕まえて解剖してやるわーー!!」 古泉(ちょーー!! 涼宮さん、SOS団の理念を思い出して下さい! 宇宙人や未来人や超能力者と『遊ぶ』ことでしょう!!) 69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/13(水) 23:24:09.31 ID:u/wgZbt90 キョン「えっと…聞き込みによると、このあたりにいるはずなんだが……」 キョン「おっ、いたいた…しかし、柱の影に隠れてるつもりなんだろうが、こっち側からは丸見えだぞ……」 キョン「今度は逃げられないように……そ〜〜と…」ソロリソロリ キョン「捕まえた!!」ガシッ 長門「ひぅ!!!」 キョン「さぁ長門、諦めて注射を受けてくれ」 長門「やだ……はなして……おねがい…」バタバタ キョン「頼むよ長門、朝倉もちゃんとした注射の打ち方を勉強してきてるから、今度は大丈夫だ」 長門「いいいいいや、こわいこわいこわい……」ブルブル 鶴屋「おや? キョンくんに有希っこじゃないかい! こんなところで何してるんだい?」 73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/13(水) 23:27:09.40 ID:u/wgZbt90 キョン「鶴屋さん!? あ、いや、これは……」 鶴屋「んん? キョンくんは何で有希っこの両肩を掴んだりしてるんだい? 駄目だよ、女の子は優しく扱わなくちゃ!」 キョン「あ、その、これには事情がありまして……」 長門「ぁ……ぅ…」 鶴屋「うん? どうしたんだい、有希っこ?」 長門「たすけて…」 鶴屋「へ?」 長門「犯される……」 鶴屋「!」 キョン「!!!」 77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/13(水) 23:30:08.72 ID:u/wgZbt90 鶴屋「キョンくぅん……これはどういうことだい…?」 キョン「え、いや、違います! 違いますって!!」 鶴屋「有希っこ、今まで見たことないくらい怯えてるよ? 一体何をしたんだい、キョンくん?」 キョン「いやだから誤解ですって!! 長門! 変なこと言わないで……って、いなーい!!!」 鶴屋「キョンくん……女の子にひどいことをして……覚悟はいいかい…?」ズオオオオ キョン「ひいい! 鶴屋さんから得体のしれないオーラが立ち上ってる!!」 鶴屋「ハァァァァ…」シュインシュインシュイン・・・ 鶴屋「喰らうっさーー!!」ズァオッ!!! キョン「ぺぎゃあああああああああああああ!!!!!」 80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/13(水) 23:33:10.97 ID:u/wgZbt90 朝倉「……何だか断末魔の悲鳴が聞こえたような? 気のせいかしら?」 朝倉「まぁいいわ、図書室でしっかり勉強してきたから、これで注射はバッチリよ!」 朝倉「さぁて、長門さんはどこかしら……あら? あれは…」 長門「……」キョロキョロ コソコソ 朝倉「長門さん! 見つけたわ…よ〜し、見つからないように近づいて……」ソォー 朝倉「捕まえた!」ガシッ 長門「ぴぃ!!」 朝倉「さぁ観念しなさい長門さん! 大丈夫、注射の打ち方ならもうバッチリだから!!」 長門「いややややめて……ころさないで…」ジタバタ 喜緑「あら? お二人とも何をしていらっしゃるのですか?」 84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/13(水) 23:36:09.86 ID:u/wgZbt90 朝倉「あら喜緑さん、これはね…」 長門「ころされる……たすけて……」ジッタンバッタン 朝倉「あん! もう! 長門さん、暴れないで!!」 喜緑「あらあら、長門さん、どうしたのですか?」 長門「きみどりえみり……」 喜緑「はい、何でしょう?」 長門「朝倉涼子があなたのことを『腐れワカメ』と言っていた……」 喜緑「!」 朝倉「!!!」 92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/13(水) 23:39:11.06 ID:u/wgZbt90 喜緑「朝倉さん…どういうことかしら……?」ゴゴゴゴ・・・ 朝倉「言ってない言ってない!! 私そんなこと言ってない!!」 朝倉「長門さん! 変なこと言わないで……って、いないし!!」ガーン 喜緑「どうやら……おしおきが必要なようですね……」ゴゴゴゴゴ・・・・ 朝倉「ひっ!! な、何をする気なの……?」 喜緑「ハッ!!」ガッシィ!! 朝倉「ひゃあん!!!」 喜緑「そ〜いやっ!!!」グオォォ!!! 朝倉「きぃやあああ!! こ、この体勢は……キン肉バスター!!」 93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/13(水) 23:42:10.01 ID:u/wgZbt90 喜緑「ええ、その通りです」 朝倉「な、何? このまま叩きつけるつもりなの……?」 喜緑「まさか、そんな野蛮なことはしませんよ。ただこのまま歩き回るだけです」 朝倉「へ? な、何だ、そうなの」ホッ 朝倉「……って、ちょっと待って! この体勢は!!」 喜緑「ふふふ……やっとお気づきになられましたか?」 朝倉「いやあぁぁ! ス、スカートが捲れて……パンツが丸見えじゃないのよおぉぉぉ!!!」 喜緑「では、行きますね」スタスタ 朝倉「ちょっと! ちょっと待って喜緑さん!!」 喜緑「あら? あちらのほうに人がたくさんいますわね。 行ってみますか」スタスタスタ 朝倉「いやあぁぁぁぁぁぁぁやめてえぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」 98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/13(水) 23:45:10.73 ID:u/wgZbt90 キョン「ひ…ひどい目にあった……ちくしょう、長門のやつ…」ヨロヨロ 朝倉「下ろしてえぇぇぇぇぇぇ!!!」 キョン「ん? あの声は朝倉か? しかし、何で悲鳴が?」 喜緑「あら、どうもこんにちは」 キョン「喜緑さん! あ、こんにちは……ってぇ朝倉ぁ!!!」 朝倉「きゃあああ!! ちょっとキョンくん!! 見ないでよおぉぉぉ!!!」 キョン「おわあっ!!!」クルッ キョン「見てない見てない!! 俺は水色の縞パンなんて見てないぞおぉぉぉ!!」 喜緑「では、まだまだ周らないといけませんので……失礼します」スタスタ 朝倉「うぇ〜ん!! ていうか助けてよキョンくぅぅん!!!」 キョン「スマン、それ無理……お達者で…」 106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/13(水) 23:48:09.80 ID:u/wgZbt90 喜緑「うん、1時間も歩いたからもういいでしょう。それでは、ごきげんよう」スタスタ 朝倉「う…うううう……」 キョン「あ、朝倉……大丈夫か……?」 朝倉「…………オノレ」 キョン「へ?」 朝倉「おのれ有希ぃぃぃぃ!! もう許さないわよおぉぉぉ!!!」ジャキン!! キョン「おわああ!! どこから出した、そんなでかい銃!!」 朝倉「うふふふ……今まではやり方が甘すぎたわ……最初からコイツでぶち込んでやればよかったのよ…」 朝倉「さぁ首を洗って待ってなさい有希!! うひゃひゃひゃひゃ!!!」カシャン キョン「ひょげえええ!! 銃口をこっちに向けるなあああ!!!」 108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/13(水) 23:51:09.89 ID:u/wgZbt90 女生徒1「でさ〜〜なのよ〜〜〜」 女生徒2「マジで〜〜うそ〜〜〜」 朝倉「むっ!! そこね!!」プシュッ! ガスッ!!! 女生徒1「きゃああ! な、何! 壁に注射器が刺さって…」 キョン「うおおい朝倉!! あれは長門じゃない!!」 朝倉「死ね死ね死ねええええ!!!」プシュッ! プシュッ! プシュッ! ガスッ!! ガスッ!! ガスッ!! 女生徒2「いやああ助けてえええ!!!」 キョン「落ち着けって朝倉!! ホントに当たったらエラいことになるから!!」 109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/13(水) 23:54:09.50 ID:u/wgZbt90 谷口「ん? キョンじゃねーか。こんなとこで何してんだ?」 キョン「あ、馬鹿!! こういう場面でお前が出てくると」 朝倉「ちぇい!!」プシュッ! ザクッ!!! 谷口「おふっ!!!」ドサリ キョン「確実に犠牲になる……って遅かったか…」 朝倉「トドメよ!!」グシャッ 谷口「ごめり!!!」 キョン「だああ、顔面踏みつけんな!!」 キョン「あ〜あ、お前もえらい災難だったな谷口……」 谷口「ふっ……水色の縞パン……もう思い残すことはなひ……」ガクリ・・・ キョン「前言撤回、死ねコノヤロウ」 112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/13(水) 23:57:08.79 ID:u/wgZbt90 朝倉「はぁ…はぁ…はぁ…」 キョン「……落ち着いたか?」 朝倉「ええ……ごめんなさい、取り乱したわ」 キョン「まったくだ。見てみろ、辺り一面注射器だらけだぞ」 朝倉「でもおかげでスッキリしたわ。さぁ長門さんを探しに行きましょう」 キョン「……約1名犠牲者が出たんだが…まぁいい、行くか」 朝倉「たぶん、もうそんなに苦労しないと思うわ」 キョン「ほう、何でだ?」 朝倉「もうそろそろ、かなり身体能力も思考力も低下してきてるはずだからよ」 朝倉「今の長門さんは幼稚園児並になってるはずよ、チャンスだわ」 キョン「なるほど。しかし、そんな状態で長くいるのも危険だな。早く注射を打って元に戻してやるとするか」 116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/14(木) 00:00:14.43 ID:UeNTpyM80 一方その頃 ハルヒ「あははははははははははは!!!」ズドドドドド 古泉(ひいぃぃ!! 目がやばい目がやばい!! 捕まったら確実に殺られる!!) 古泉(…先程から僕を見て周囲の人々が悲鳴をあげながら逃げ惑ってますが……) 古泉(気にしてる場合じゃない!! 僕はまだ死ぬわけにはいかないんだ!!) ハルヒ「捕まえたぁ!!!」ガッシィ!! 古泉(!!!) 古泉「ぐぅわおおお!!! ぎゃおーす!!!」バッ ハルヒ「きゃ!!……あくまでも抵抗する気ね、それなら真っ先に首を切り落としてあげるわ!!」 古泉(もうやだあぁぁぁぁぁぁ!!)ダダダダッ・・・ 118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/14(木) 00:03:13.61 ID:UeNTpyM80 キョン「そろそろ下校時間だなぁ……早く見つけないと」 朝倉「キョンくん、見つかった?」 キョン「いやまだ………あっ!」 長門「!!」ビクッ ガラッ ススス・・・ キョン「見つけた。向こうも気づいて教室に入っていった」 朝倉「そ〜と近づくわよ、そ〜と」 キョン「ああ」ソー カララララ・・・ キョン「いた………何してんだ、アイツ?」 121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/14(木) 00:06:10.21 ID:UeNTpyM80 長門「…」プルプル 朝倉「……体育座りしてるわね」 キョン「しかも両手を上に伸ばして……何のつもりだ?」 朝倉「あれは……たぶん、椅子になりきってるつもりなのよ」 キョン「あれがぁ? あんなのでごまかせると思ってんのか?」 朝倉「言ったでしょ? 幼稚園児並だって」 キョン「なるほど……あの伸ばした両手は背もたれをイメージしてんのかな……?」 朝倉「プルプル震えちゃって……本人は必死なんでしょうけど」 キョン「やれやれ、行くか」 123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/14(木) 00:09:10.40 ID:UeNTpyM80 朝倉「念のため、気づいてないフリしてそっと近づいてね」 キョン「分かってるさ、あんまり刺激したくないしな」 キョン「長門〜ど〜こだ〜〜?」 長門「……」ビクビク キョン「いないな〜〜他のところかな〜〜?」 長門「…」プルプル キョン「……なんてな。ほら長門、もうやめよう」ポン 長門「!!!」ビックゥ!!! 長門「きゃああああああああああああああ!!!」 キョン「おわあああああああああああああ!!!」 126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/14(木) 00:12:09.48 ID:UeNTpyM80 朝倉「!!!! ちょっと、長門さん!!」 タタタタ・・・・ 朝倉「行っちゃった……もう! 何してんのよキョンくん!!」 キョン「ビックリしたんだよ!! あの長門があんな悲鳴あげるなんて思わなかったんだよ!!」 キョン「お前だってゾンビがいきなりムーンウォークで追いかけてきたらビックリするだろ! な!な!」 朝倉「落ち着いてキョンくん、例えが意味不明すぎるわよ」 キョン「ハァ、ハァ……すまん、取り乱した…って、お前も入り口にいたくせに、何で長門を捕まえなかったんだ?」 朝倉「………ビックリしちゃって」 キョン「人のこと言えねーじゃねーか! コンニャローー!!」 132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/14(木) 00:15:12.25 ID:UeNTpyM80 朝倉「はぁ…あれっきり全然見つからなくなったわね、長門さん……」 キョン「外もすっかり真っ暗だぞ…さすがに夜中までかかるのは勘弁してくれよ」 朝倉「長門さん、お腹空いてるだろうなぁ……あ、そうだ!!」 キョン「なんだ? どうした?」 朝倉「食べ物を使って誘き寄せるのよ! それで罠を仕掛けて捕らえるの!!」 キョン「また単純な作戦だな…そんなんで大丈夫なのか?」 朝倉「大丈夫よ。さっきも言ったでしょ、今の長門さんは幼稚園児並だって」 キョン「うーん…ま、試してみるか」 134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/14(木) 00:18:08.50 ID:UeNTpyM80 朝倉「というわけで、罠完成!」 キョン「使うのはやっぱりカレーなんだな…んで、あの頑丈な檻が落ちてくる、と」 朝倉「さあ作戦開始よ! 隠れてキョンくん!」 キョン「はいよ………ん?」 長門「…クンクン」キョロキョロ キョン「もう現れやがった…よっぽど腹減ってんのか…?」 長門「…カレー」ガバァ 朝倉「食いついた!! てぇい!!」グイッ ガッシャーーーン!!! 朝倉「よし、成功よ!!………あ、あれ……?」 136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/14(木) 00:21:08.35 ID:UeNTpyM80 朝倉「檻の中に長門さんがいない……どこに行ったのよ!!」 キョン「お、おい、朝倉…」 朝倉「なによ!!」 キョン「カレーの皿が空っぽになってる……」 朝倉「はえ?」 キョン「つまり…あの一瞬でカレーを全て平らげ、檻が落ちてくる前に走り去ったというわけか…?」 朝倉「…」 キョン「長門は今、知力も体力も幼稚園児並なんだよな……?」 朝倉「……何でこういう時だけ超人的能力を発揮するのよ…」 キョン「カレー恐るべし…」 137 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/14(木) 00:24:22.90 ID:UeNTpyM80 朝倉「でも大丈夫よ。一応こんなこともあろうかと、カレーの中に発信機を仕込んどいたから」 朝倉「これで長門さんの現在地は手にとるように分かるわ!」 キョン「そんなものを食わせて平気なのか……?」 朝倉「平気よ、ノミぐらいの大きさの発信機だから。こっちよ」タタタッ キョン「おう、いい加減、家に帰りたいぜ」 朝倉「あら? 長門さん校舎の外にいるみたい」 キョン「外か…学校の敷地より外には行けないんだったよな…?」 朝倉「ええ、もうそろそろなんだけど……あ、いたいた、あんなところに……」 142 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/14(木) 00:27:08.09 ID:UeNTpyM80 長門「ふ〜〜みぃ〜〜……」 キョン「あれは…校旗とかを掲揚するためのポールか? そのてっぺんにしがみついてやがる…」 朝倉「あんなところじゃあ逆に逃げ場がないのにねぇ…やっぱりお馬鹿さんになっちゃってるわね」 朝倉「ま、いーわ、とにかくこれで追い詰めたわよ!」 キョン「どうする? 上っていって無理矢理下ろすか?」 朝倉「う〜ん、たぶん長くはもたないと思うから、ほうっておきましょう」 キョン「うむ、分かった、とりあえず落ちても大丈夫なように、マットを敷き詰めておくか」 143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/14(木) 00:30:07.57 ID:UeNTpyM80 キョン「お〜〜い、長門〜〜」 長門「…」 キョン「いいかげん諦めて、注射を受けてくれ〜〜」 長門「……いや〜だ〜…」 キョン「はぁ、やっぱり説得は無理か…」 朝倉「筋金入りねぇ、長門さんも」 キョン「…自分が原因だということを忘れるなよ」 長門「……」プルプル・・・ キョン「…そろそろ限界かな?」 146 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/14(木) 00:33:09.18 ID:UeNTpyM80 長門「……」プルプル・・・ キョン「……」 長門「……」プルプルプル・・・ 朝倉「……」 ズルッ!!! 長門「!!!」 ヒューーー・・・  ポスンッ キョン「落ちた」 148 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/14(木) 00:36:10.06 ID:UeNTpyM80 長門「あ…はう…あう…」バタバタ キョン「捕まえたっと、もう逃げられんぞ、長門」ガシッ 長門「!!!やややや……はなして…はなして…」グググ・・・ キョン「…抵抗する力も随分弱くなってきちゃってるな。朝倉、早めに頼む」 朝倉「了解〜、さあ長門さん、じっとしててね〜」 長門「いや…やだ…やめて……」ジワッ 長門「う、ううう〜…ひっく……ふぇぇぇん……」 朝倉「あらあら」 キョン「あ〜……とうとう泣き出しちゃったか……」 151 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/14(木) 00:39:11.33 ID:UeNTpyM80 長門「うぇぇぇん……ひぐっ…えぐっ…」 キョン「…しょうがないな、ほら長門、大丈夫だよ」ギュッ 長門「ひっく……?」 キョン「怖くないさ、ちゃんと俺がついててやるからさ」ナデナデ 朝倉(これは……ちょうどキョンくんが長門さんを後ろから抱きしめる形になってるわね…) 朝倉(さらに、やさしく言葉をかけながら、頭を撫でて…小さい子供をあやすように……) 長門「うぇぇ…ん……」ギュッ 朝倉(あらあら、長門さんもあんなにキョンくんの腕にしがみついちゃって…うふふ) 朝倉(………………いいなぁ) 156 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/14(木) 00:42:11.34 ID:UeNTpyM80 朝倉(さてと、長門さんも落ち着いてきたみたいだし……えいっ)プスッ 朝倉「はい、終わったわよ、お疲れ様」 長門「…………おわり?」 キョン「ああ、終わりだよ。な、全然痛くなかったろ?」 長門「…………うん」 キョン「さて、帰ろうか。長門、もう離れても大丈夫だぞ」 長門「…」 キョン「長門?」 長門「もう少し…このまま……」ギュゥゥ 朝倉「はいはい! もう遅いんだからさっさと帰るわよ、離れて離れて!」グイィ! 長門「あう…」 159 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/14(木) 00:45:10.71 ID:UeNTpyM80 帰り道 長門「今回は本当に迷惑をかけた……ごめんなさい」 キョン「はは、いいさ、今日は普段見られない長門がいっぱい見られたし」 長門「……恥ずかしい」 キョン「おっ、また新しい感情が芽生えたな」 長門「お腹空いた……」 朝倉「さっきカレーを食べたでしょう…まぁいいわ、帰ったらすぐに作ってあげるから」 キョン「おっ、俺こっちだから。じゃあな2人とも、また明日」 朝倉「うん、じゃあね」 長門「また明日…」 161 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/14(木) 00:48:09.28 ID:UeNTpyM80 一方その頃 古泉(たまたま見つけた洞穴に思わず逃げ込みましたが……ここはどこなんでしょう?) 古泉(無我夢中で逃げてきましたからね…もう何が何やら) 古泉(着ぐるみを着ているせいで、携帯を出すこともできない…誰にも助けを求められない……) ハルヒ「きしゃーー!! ふしゅるるるる……」 ヒタ・・・ ヒタ・・・ ヒタ・・・・・ 古泉(わーー来たーー!! ていうか、何で日本刀なんて持ってるんですか!!) 164 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/14(木) 00:51:09.10 ID:UeNTpyM80 ハルヒ「い〜ひっひっひ、ど〜こなの〜〜? けきゃきゃきゃ!!」 古泉(…むしろ今の涼宮さんのほうが化け物じゃないですか…?) 古泉(しかし、まだこっちには気づいてないようですね…何とかやり過ごさねば) ヒタ・・・ ヒタ・・・ ・・・・・・・・・・ 古泉(……どうやら去ったようですね、いまのうちに!) ハルヒ「見〜つけた〜〜〜〜!!!!」グワァ!!! 古泉「あびょおおおおおおおおおおおおお!!!!」 167 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/14(木) 00:54:09.54 ID:UeNTpyM80 翌日 放課後 キョン「うぃーす」ガチャ キョン「おう長門、あれから調子はどうだ?」 長門「…極めて良好、ワクチン接種のおかげ」 キョン「そうか、よかったな。やっぱり身体は大事にしないとな」 古泉「どうも…こんにちは……」 キョン「おっ、古泉か……ってどうした! めちゃめちゃ顔色悪いじゃないか!」 古泉「危なかった……もしあの時、あの場で閉鎖空間が発生していなかったら、今頃僕は…」ブツブツ 古泉「僕をなかなか捕まえられないイライラから発生したのでしょうが…本当にギリギリでした……」ブツブツブツ キョン「何かよく分からんが……お前もいろいろ大変だったようだな…」 169 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/14(木) 00:57:08.10 ID:UeNTpyM80 ハルヒ「あーもー!! あと少しだったのよ! いきなり目の前で消えたのよ!!」バァン みくる「ま、まあまあ涼宮さん、またチャンスはありますよぅ」 ハルヒ「……そうね、アイツ一匹とは限らないものね! 今度こそ捕まえてみせるわ!!」 キョン「……また、面倒なことになりそうだな」 古泉「はは…何とかしますよ」 ハルヒ「まぁいいわ! それより変なモノを拾ったのよ!!」 キョン「変なモノ? 何だ?」 ハルヒ「ほら! 何かでっかい銃! 廊下に落ちてたんだけどね」 キョン「あれは……朝倉の銃!! アイツ回収してなかったのか!!」 170 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/14(木) 01:00:07.81 ID:UeNTpyM80 ハルヒ「こういうのって何か撃ちたくなってくるわね! ん? ここの引き金『乱れ撃ちモード』って書いてあるわね」 キョン「わーー!! よせよせ!! おい長門、あいつを止めて…って、いなーい!!」 キョン「古泉! 朝比奈さん!……って、こっちもいなーーい!!!」 ハルヒ「さぁ喰らいなさいキョン!」ジャキン キョン「やめろって!! シャレにならん! シャレにならんから!!」 ハルヒ「いーーやっはーーーーーー!!!!」 パシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュ!!!! キョン「ぎぃやああああああああああああああああああ!!」 キョン「注射怖い…注射怖い……」 おしまい 176 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/14(木) 01:02:53.26 ID:UeNTpyM80 無事に終わらせることができました 支援してくださった方、ありがとうございます それにしても、どれだけ書いてもなかなか上達しないなぁ・・・ もっともっと精進します! それでは、最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました!!