ハルヒ「キョン…話があるの」 1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/04(月) 01:26:13.77 ID:6LIBY+TMO キョン「朝比奈さん…長門に古泉も」 だが、なんだ?この違和感は… ハルヒ「有希もみくるちゃんも古泉くんもあたしの言うことなら何でもきいてくれるのよ♪」 キョン「…意味がわからん。何を言っているんだお前は」 ハルヒ「あたしは神なの。あたしだけが世界に選ばれたの…ううん、あたしが世界を選ぶの」 …なんだ?本当に何を言ってるんだこいつは。それに…古泉たちの様子もおかしい 涼宮が神だと?何の話だ?SOS団全員でグルになって俺をかつごうとしているのか? 9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/04(月) 01:35:44.65 ID:6LIBY+TMO ハルヒ「あたしには望んだことを本当にする力があるの。何でもよ?凄いと思わない?♪」 キョン「はぁ?…大丈夫か涼宮?…おい、お前たちからも何か言ってやれよ」 誰も何もこたえない。…それどころか全員目が虚ろだ。いったい… ハルヒ「古泉くんはあたしの話を信じてくれるわよね♪」 古泉「…はい…涼宮さん」 待て待て待て!?何だその無機質な声は!?およそ感情というものが感じられなかったぞ? ハルヒ「じゃあ…何かあたしにお願いしてみなさいよキョン。殺しでも何でも叶えてあげるから」クスクス 言ってることもそうだが、タチの悪すぎる冗談で済ませられる雰囲気じゃない… 13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/04(月) 01:43:15.55 ID:6LIBY+TMO キョン「…じゃあ、このシャーペンを一万円札に変えてみろ」 机からシャーペンを取り出してハルヒの言葉に応えたわけだが… 我ながらくだらないことを言ったものだと自分でも思う …もちろんハルヒを信じた訳じゃない…怒ってるんだ俺は ハルヒ「そんなのわけないわよ♪はい!」 ありえねえ…嘘だろ?俺とハルヒは5Mは離れている…どんなマジックを使ったって出来るわけがない ハルヒ「クスクス…ナイスリアクションよキョン♪」 キョン「…まだだ。今度はそこの花瓶を犬に変えてみろ」 ハルヒ「何よそれ?まあ、いいけど」パチン 犬「わんわん!」 本物…なのか。いや、犬のことじゃなくハルヒの力とやらが… 元は花瓶であったその犬は教室を飛び出して行ったわけだが… 15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/04(月) 01:45:39.58 ID:6LIBY+TMO ハルヒ「どう?これで信じてくれたかしら」クスクス …何て顔で笑いやがるんだ。本当にこいつが神に…いや、悪魔に見えてきた… キョン「何故俺にそれを話すんだ?それに…古泉たちに何をした」 ハルヒ「何もしてないわよ。ただ、あたしのお願いをきいてくれるだけよ」 こいつの話を信じるならそれ自体がもう… ハルヒ「あんたに話した理由は簡単よ。キョン!あたしのものになりなさい」 キョン「…どういう意味だ?俺も古泉たちのように操り人形にするつもりか」 ハルヒ「違うわよ。それならあんたに説明する必要ないじゃないの」 ハルヒ「あたしを好きになれって言ってんのよ」 16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/04(月) 01:49:57.34 ID:6LIBY+TMO キョン「意味がわからん…何で俺がお前を好きにならなきゃならんのだ?」 ハルヒ「あたしは何でも望んだ通りに出来る力があるの…」 キョン「…なら、俺の心も変えちまえばいいじゃないか」 ハルヒ「わかってないのね…キョン」 何がだ?お前の言っていることもお前の力も正直まったくわからんしわかりたくもない ハルヒ「あたしはね…あんたが欲しいの…本当にね」 キョン「………」 ハルヒ「あんたがあたしを好きになるように望めば叶うと思ってた…でも違った」 ハルヒ「あんたの心だけは変えたくないのよ。あんただけは特別なの」 キョン「ますます意味がわからないな…何故俺なんだ?」 ハルヒ「これで8回目なのよ」 キョン「8回目?何がだ?」 ハルヒ「やり直した回数よ」 19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/04(月) 01:55:30.42 ID:6LIBY+TMO キョン「つまり…その度に世界を巻き戻してやり直したと?」 ハルヒ「あんたはどうやってもあたしを好きになってくれなかった!だからあたしは…」 冗談じゃなかった。俺に好きになられるように何度もやり直したのにそれがどうやっても叶わない。ハルヒはそう語るのだ キョン「何故だ?何故俺なんだ?」 ハルヒ「うるさい!言ったでしょ!あんただけは特別だって!!」 キョン「だから何故俺だけが特別なんだ?」 ハルヒ「うるさいうるさいうるさいうるさい!!!あんたは黙ってあたしのことを好きになればいいのよ!」 …無茶苦茶だ。恋は盲目とか言うがこいつはそんなかわいいものじゃない 21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/04(月) 02:01:07.14 ID:6LIBY+TMO ハルヒ「ねえキョン…あんたの望みならあたしが何でも叶えてあげるわ。だからあたしを好きになってよ…」 キョン「…もし断ったら?」 ハルヒ「…もうやり直すのも疲れたの。…そうね…あんたの妹ちゃん…いなくなったら寂しいわよね?」クスクス 何がお願いだ。脅迫じゃないか…だがここで断ったらこいつは本当にやりかねない… キョン「…わかったよ涼宮」 ハルヒ「本当に!?あたしを好きになってくれるの!?ちゃんとちゃんと好きになってくれるの!?」 キョン「ああ…お前の力は魅力的だし断わる理由がないからな」 ハルヒ「ああ…長かった…やっと…やっとわかってくれたのねキョン…」 そう言い放ったハルヒの顔を見た俺は正直恐怖しか感じなかった だが…これで少しは考える時間が稼げるはずだ 23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/04(月) 02:08:38.75 ID:6LIBY+TMO キョン「なあ、涼宮。古泉たちは…」 ハルヒ「ハルヒって呼んでよキョン」 キョン「…ハルヒ。それで古泉たちは…」 ハルヒ「もう必要ないけど…どうして欲しい?消しちゃおうか?」 …力だけじゃない。こいつはあらゆる意味で人間じゃない… キョン「いや、消すのも面倒だろうしこのまま解放してやってくれないか」 ハルヒ「キョンがそう言うならわかったわ」 とりあえず妹と古泉たちの安全は守れたわけだが… ハルヒ「じゃあデートは最低週3回ね♪メールは毎日100通は送ってくること♪送り迎えも毎日してよね♪」 キョン「んな!?出来るわけない―――」 ハルヒ「あたしのことを愛しているなら簡単なことじゃないの」 キョン「…ああ…そうだな。すまなかった」 ハルヒ「もう♪キョンったら〜」クスクス 24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/04(月) 02:15:40.92 ID:6LIBY+TMO キョン妹「あー!ハルにゃんだー♪」 ハルヒ「こんにちは妹ちゃん♪」 キョン妹「わーい♪ハルにゃんハルにゃん一緒に遊ぼー♪」 ハルヒ「いいわよー♪……本当に可愛いわよね、あんたの妹ちゃん」クスクス 身の毛がよだつ… キョン母「あら、いらっしゃいハルヒちゃん♪」 ハルヒ「お邪魔してます、お母さま」ペコッ キョン母「あらあら礼儀正しいこと。あんたもハルヒちゃんを見習いなさいよ」 …何を見習えって言うんだ ハルヒ「彼には学校でも大変お世話になってます。大丈夫ですよ♪彼の礼儀も行いもあたしが保証します♪」 キョン母「ハルヒちゃんみたいな娘が彼女になってくれたら安心なんだけどねー」 ハルヒ「やだ、お母さまったら」クスクス こんなに人を怖いと思ったのは初めての事だった… 25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/04(月) 02:21:03.08 ID:6LIBY+TMO 朝倉「最近、涼宮さんと仲良いよねー」クスッ キョン「…勘弁してくれ」 谷口「まったくお熱いことで」 …こいつらがハルヒの本性を知ったらどう思うんだろうな 朝倉「何か、涼宮さんと仲良くなるコツでもあるのかし――!!?」 キョン「朝倉!!?」 谷口「…どうしたんだよキョンよー?」 キョン「どうしただと!?突然朝倉が消えたのにお前は何を言ってるんだ!!」 谷口「朝倉って誰だよ?」 !!?何を言ってるんだこいつは ハルヒ「キョンってちょっと変わったところあるからねー」 ハルヒ…お前なのか?お前が朝倉を… ハルヒ「あたし以外の女子と親しくするのは禁止だからね」クスクス 消しやがった…本当に…あっさりと…朝倉が存在していた事そのものを… 26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/04(月) 02:33:24.19 ID:6LIBY+TMO キョン「冗談はやめろハルヒ!今すぐ朝倉を元に戻すんだ!」 ハルヒ「…あの女がそんなに大切なの?」 キョン「そうじゃない!そうじゃないが消すなんてまともじゃ――」 ハルヒ「ならキスして」 キョン「な…」 ハルヒ「ここで今すぐキスしてくれないとみんな消しちゃうわよ」クスクス 何かが音を立てて崩れていくのがわかった… 27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/04(月) 02:35:19.45 ID:6LIBY+TMO とんでもない話だ。何事もなかったかのように俺は授業を受けているわけだが…ありえない ハルヒ「今日は先に部室に行っててね♪」 全てが脅迫に思えてくる…いや、脅迫なんだよな実際… 拒否権なんかありはしない。俺はこのままハルヒに脅えながら生きていくしかないのか… 29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/04(月) 02:39:03.73 ID:6LIBY+TMO ガチャ キョン「長門…お前だけか」 長門「………」ペラッ キョン「なあ、長門。…お前はハルヒのことをどう思う?」 長門「…彼女はわたしたちのリーダー」 どうやらこいつに話すわけにはいかないようだな。…古泉や朝比奈さんも危険…か しかし…この長門に古泉に朝比奈さん。ハルヒが選んだからには何か理由があると思うんだが… 31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/04(月) 02:44:56.94 ID:6LIBY+TMO ハルヒ「キョン!明日は二人で不思議探索するわよ」 キョン「…迎えに行けばいいのか?」 ハルヒ「チ・チ・チ!…わかってないわね。デートは待ち合わせも楽しむものよ」 …なら素直にデートって言えよな ハルヒ「あたしがお弁当を作って来てあげるから期待してるといいわ!」 激しく嫌な予感しかしない…まさか自分の…ってさすがにそれは考えすぎか 32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/04(月) 02:51:05.78 ID:6LIBY+TMO 長門…古泉…朝比奈さん…。ひょっとしたらハルヒのような不思議な力があるのかもと期待してたんだが キョン「仮にあったとしても、すでにハルヒによる改変を受けたと考えるべきか…」 どう考えてもハルヒに対抗する方法が思いつかない。チートすぎるだろ…もはや人のそれじゃねーよ… 力は明らかに人を超えているのに理性は人のままとか…勘弁してくれ… 欲望と言いかえてもいい…それは尽きるどころか増す一方だろう キョン「…このままじゃ俺自身も危ないな」 考えても考えても状況を打開する案は浮かばなかった 34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/04(月) 02:56:10.52 ID:6LIBY+TMO 予報だと降水確率90%の大荒れの天気だったわけだが… ハルヒ「キョンー♪こっちこっち♪」 ハルヒ「良い天気になって良かったわね♪心配しちゃったわ」クスッ …どの口が言うんだ 普通なら…デートと呼べるこれに心踊るところだろうが… ハルヒ「何がいい?映画?遊園地?何でも待たなくてもいいわよ♪」 キョン「…とりあえずはそれなんだろ?」 ハルヒ「ふふ〜ん♪その通りよ!まずはあたしの愛妻弁当を味わいなさい♪」 いつお前が俺の嫁になったんだ… 高校に入ってまもなくこれだけの美少女が自分の為に弁当を作ってきてくれた… 夢にまで見そうなシチュエーションなのに…誰か代わってはくれまいか 35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/04(月) 03:01:10.32 ID:6LIBY+TMO キョン「…旨そうだな」 ハルヒ「でしょう〜♪朝早く起きて頑張って作ったんだから♪」 …少しだけ悪くない気になるな キョン「…!?旨い!!!」 ハルヒ「当ったり前じゃないの♪あたしに出来ないことなんかないのよ♪」 …そうだったな。急に嫌な現実に引き戻された気分だ ハルヒ「こっちも飲んで♪」 …当たり前なんだろうな。ハルヒ特製とやらのドリンクもやっぱり旨かった。…まあ、完食させてもらった 36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/04(月) 03:04:06.89 ID:6LIBY+TMO ハルヒ「…食べたわね」ニヤニヤ キョン「ん?…ああ、ごちそーさん」 ハルヒ「これで身も心もあたしとひとつね…ああ…ゾクゾクするわ…」 キョン「何のことだ?」 ハルヒ「言ったでしょ?特製だって」クスクス 37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/04(月) 03:07:59.11 ID:6LIBY+TMO キョン「うえぇぇぇぇぇ…ぐえぇぇぇぇぇぇ」 油断と言うべきなのか…いや、元から拒否権など俺にはないんだ… ハルヒ「今回は最初だからね…ソフトにしてみたの♪」 刷り潰した爪に刻んだ髪…それから愛液に…思い出したくもない…ソフトでこれか? 公園のトイレで盛大にもどした俺は、そんなそぶりを見せずにハルヒの元に戻ったのだが ハルヒ「すぐに慣れるわよ♪」クスッ …ここまで含めてハルヒは大満足らしい 確実にエスカレートしていくぞ…これは 50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/04(月) 09:43:01.75 ID:6LIBY+TMO キョン「…水族館にしよう」 ハルヒにこれからの行き先を決めるように言われた俺はそうこたえた 映画や遊園地だとカップルや家族連れに確実に迷惑がかかるからな …せめてもの配慮のつもりだ ハルヒ「キョンって女の子みたいなこと言うのね。かわいいわよ♪」クスクス それから俺はハルヒと傍目には普通のカップルに見えるであろうデートらしきものをしていたわけだが ハルヒ「キョン!カップル参加のイルカショーだって!あたしたちも参加しましょうよ!」 生臭そうなイルカになどさして興味はないんだがな… 51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/04(月) 09:54:07.39 ID:6LIBY+TMO 司会者「では次のカップルは…これは初々しいですね♪」 ハルヒ「やだ…冷やかさないでくださいよー」クスクス 何のことはない。司会者の合図に合わせて水面から飛び出してくるイルカに魚を与えるだけのことだ 司会者「では、どうぞ!」 合図に合わせてイルカが飛び出しハルヒの持つ魚を食べる…何のへんてつもない光景だな 他の観客の大歓声を浴びたイルカとハルヒだったが…様子がおかしい 司会者「どうかされましたか――!?だ、大丈夫ですか!?」 ハルヒの手からは少し血が流れていた 52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/04(月) 10:05:36.08 ID:6LIBY+TMO 信じられない…いや、信じたくなかった。ハルヒはイルカを内側から粉ごなに破裂させてしまった 水面が鮮血に染まる。何が起きたのかを誰も理解出来ないでいた キョン「ハ、ハルヒ!!」 観客席から悲鳴があがる ハルヒ「…るさい!!」 司会者も観客も全てが体の内側からおびただしく血を吹きだして崩れ落ちる …地獄絵図ってやつだろうな 日本に暮らす普通の高校生が目にする光景じゃなかった キョン「ハルヒ…なんてことを…」 ハルヒ「大丈夫よキョン…ほら」スッ 差し出して見せた指の傷は綺麗に消えていた 53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/04(月) 10:22:32.90 ID:6LIBY+TMO ハルヒ「イルカの肉って食べられるのかしらね?………ねえキョン!!」 …知るか!俺に話しかけるな ハルヒ「…そんな態度とるんだ…あたしに…ふーん…」 キョン「…いや、すまない。ちょっと調子が悪くてな…」 ハルヒ「…許さない」 キョン「本当にすまなかった。機嫌を直してくれないかハルヒ」 ハルヒ「じゃあ…ここであたしの足を舐めなさい。そうしたら許してあげる」 駅前だぞ?…ってこいつに言うだけ無駄…いや、言えばますます良くない方に持っていくだろう キョン「わかったよハルヒ…」 道行く人々が俺とハルヒに視線を送る 当たり前だよな…何でこんなところで… 54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/04(月) 10:30:22.50 ID:6LIBY+TMO 男「おい!お前ら高校生か?こんなところで何を―――」 俺たちに注意をしようとしたのだろう常識ある男の人は消えてしまった その後も俺はハルヒの許しを得るまで丁寧にハルヒの足の指を舐め続けた ハルヒ「こういうのも悪くはないわよね♪人前でってところが特に昂奮したわ♪」 …イルカショーでの惨殺と同じだ。全て最初からなかったことのように何事もない ハルヒ「キョンにも何かしてあげましょうか?遠慮しなくてもいいわよ」 キョン「いや、充分俺も楽しんだから…」 ハルヒ「ふーん…まあ、いいわ。…時間は無限にあるんだもん。少しずつ楽しまないとね♪」 …時間も自由に操れるのかよ…ひょっとしたら俺は死ぬことすら許されないんじゃあ… 56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/04(月) 10:35:53.24 ID:6LIBY+TMO キョン妹「キョン君どうしたの?」 キョン「いや…何でもない。何でもないんだ…」 キョン妹「お薬飲む?お母さん呼んでこようか?」 キョン「…ありがとうな」 そうだ、死ぬわけにはいかない。この妹や家族、友人たちを守らないと… だが、その為にはどうすればいい?一生ハルヒのいいなりになればいいのか? それで本当に守れるのか? …ハルヒが俺に飽きない保証など何処にもないじゃないか そのときあいつは…あっさりと俺を消すんじゃないのか… 57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/04(月) 10:44:35.58 ID:6LIBY+TMO キョン「メールのやりとりだけでも時間がとられちまう…」 何なんだあいつの返信の早さは。メール受信欄はほとんどあいつからのメールだけで埋まっている… …胃がキリキリと痛む まさか高校生の俺がこんな目に合うなんて… ストレスで胃が痛む何てのは、てっきり創作の世界だけの話だと思ってたのに このままじゃハルヒが飽きるよりも早く俺の方がまいっちまう 今日一日だけでもいったい何人の人が惨殺される姿を見たんだ…こんなことに耐えられる高校生なんかいるのか 59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/04(月) 10:57:31.60 ID:6LIBY+TMO ハルヒ「ハイ♪あ〜んして」 日に日にエスカレートしていく弁当にはいったい何が入っているんだろうか… ハルヒ「何だと思う?」クスクス キョン「…愛情とか言うオチだといいかな…」 ハルヒ「そんなの当たり前じゃない♪…それ以外によ♪…例えばそのハンバーグにはね…」 昼食をトイレで全てもどすのは最早日課とかしていた ハルヒ「おっかしいわね〜何で慣れないのよ?」 …慣れるわけがないだろうが! ハルヒの体には傷のひとつも有りはしなかった だが俺は知っている。そんなものは瞬時に治せてしまえることを 人の肉って食っちゃマズいとか聞いたような聞かないような…まあ、吐いちまってるから大丈夫なのかもしれんが 60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/04(月) 11:00:06.52 ID:6LIBY+TMO >>58 おはよー 61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/04(月) 11:06:35.82 ID:6LIBY+TMO ハルヒ「ねえキョン…一緒に暮らさない?二人だけで」 冗談じゃない!そんなことになったら瞬く間に潰れちまう キョン「ほら…あれだ。離れてる時間が余計に気持ちを強くしたりするから…」 ハルヒ「キョンってホントに女の子みたいよね。シチュエーションを大事にするところとか」クスクス 俺が大事にしているのは常識と家族や友人たちだ。その為にも自分自身を守らないとならん ハルヒ「じゃあ…キョンの好み通りに体育館の倉庫で…ね♪」 いいなりだった。ハルヒの言葉に逆らえるはずがないのだ 何が『あなたの心は変えたくないの』だ 62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/04(月) 11:13:21.56 ID:6LIBY+TMO 普通なら一生抱えないといけないような傷でさえハルヒの力は瞬時に治してしまう お陰で俺やハルヒの体にはひとつの傷も残ることはない だが、心の傷は治ることなく確実に…深く…きざまれ続けていた… 人の心というのは弱く脆いものだ 俺は…全てから逃げようと身を投げてしまった 即死だったはずだ …妹や家族・友人たちを捨てて…俺は逃げてしまった 65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/04(月) 11:20:49.23 ID:6LIBY+TMO ハルヒ「キョン…そんなことしちゃ駄目じゃないの…だって無駄なんだから」クスクス いつかの予想通りだった。俺は死ぬことすら許されなかった いや…わかっていてやったことだ。重圧からほんの少しだけでも逃げたかったんだ… ハルヒの狂気はエスカレートするばかりだ 俺は目の前で妹や家族の変わり果てた姿を何度も何度も見せられた ハルヒによると、それは自分を捨てようとした罰だから…らしい …もう限界だ。ここで俺はふと思う こいつを殺したらどうなるのだろうかと 66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/04(月) 11:26:08.91 ID:6LIBY+TMO 放課後の誰もいない部室…俺とハルヒだけがそこにいる キョン「ハルヒ…目をつむってはくれないか」 ハルヒ「なぁにキョン?今さら」クスクス キョン「いや…ほら、俺はシチュエーションを大事にする方だから…」 ハルヒ「わかったわ。これでいい?」クスクス 一撃で仕留めないといけない。回復されたら全ては終わりだ 緊張からか?重圧なのか?体が震える理由を最早考える必要もない 隠し持っていた鈍器を大きく振りかぶる ハルヒ「ねえ、まだ?」 キョン「ああ…待たせたな…ハルヒ…」 68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/04(月) 11:31:55.49 ID:6LIBY+TMO 罪の意識はなかった きっとハルヒ自身も被害者なのだろう こんなおかしな力に取り付かれた可哀想なひとりの女の子なのだ だから…救ってあげるんだ…俺が ハルヒの脳天目がけておもいっきり鈍器を振りおろす 手には確かな感触が伝わる 生涯忘れることのないであろうまとわりつくような…嫌な感触が これで全てが終わる 俺もハルヒもきっと解放される そうさ。こんなのは悪い夢に決まっている だから醒ますんだ 71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/04(月) 11:38:21.71 ID:6LIBY+TMO キョン「長門…」 長門「させない」 何処から侵入して来たのか まるで最初からその場にいたかのように、そこに現れたそいつは長門有希だった ハルヒ「キョン…あたしを裏切ったのね?あたしを捨てたのね?あたしを殺そうとしたのね?あたしをあたしを…」 しっかりと手に握りしめていたはずの鈍器は長門の手にあった ハルヒ「…キョン…罰が必要よね…だってあたしを裏切ったんだもの…あたしが何をしたっていうの…」 俺は…けして意識を失うこともなく…死ぬこともなく…何度も何度もハルヒに体を刻まれ続けた 74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/04(月) 11:43:36.21 ID:6LIBY+TMO ハルヒ「何処で間違えたのかしら…」 ハルヒ「あーあ…ほんとやになっちゃうわよね…」 ハルヒ「また最初からやり直しか…」 ハルヒ「まあ、次こそは上手くやってみせるわ♪」 それが俺が聞いた最後の言葉だった… ―――――――――――――――――――――――――――――― ハルヒ「東中出身涼宮ハルヒ。宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたらあたしのところに来なさい。ただの人間には興味はありません。以上!」 …はあ?今何て言った? 振り向いた俺に笑顔で少女はこたえた ハルヒ「よろしくねキョン♪」 悪夢は終らない fin 79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/04(月) 11:49:24.53 ID:6LIBY+TMO ―if― 敵うはずがない。相手は神に等しい力を持っているんだ 分の悪い危険な賭けに出るわけにはいかない 何か確実な手を考えるんだ… もちろんそんなものは俺にはなかった…のだが… 80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/04(月) 11:54:40.85 ID:6LIBY+TMO 佐々木「やあ、キョン。久しぶりだね」 キョン「佐々木か…久しぶりだな、元気にしてたか?」 偶然駅前で会ったそいつは中学の同級生の佐々木だった 佐々木「君はこの出会いを偶然と考えているのだろうね」 キョン「ん?…いや、同じ駅を利用しているんだ。顔を合わせてもおかしなことはないが」 佐々木「くつくつ…そうじゃないんだよキョン」 キョン「…佐々木?」 佐々木「僕は君を救いに来たんだ」 82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/04(月) 12:02:38.54 ID:6LIBY+TMO ハルヒ「大事な話ってなに?」 キョン「ああ…なに、そんなに大したことじゃないさ」 ハルヒ「プロポーズでもするつもりなのかしら?」クスクス キョン「そうだな…お前のことは一生背負ってやるよ」 ハルヒ「…キョン?」 キョン「おしまいにしよう…ハルヒ」 ハルヒ「…裏切るのね?あたしを…あたしの気持ちを…何故?…許せない…」 俺が手に持つ鈍器を見てもハルヒは自分の優位を疑いはしていない キョン「…責任は背負うさ。さらばだハルヒ」 俺は大きく鈍器を振りかぶり…ハルヒ目がけて振りおろした 85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/04(月) 12:09:32.70 ID:6LIBY+TMO 嫌な感触が手に伝わる ハルヒ「かはっ…何で…何で力が発動しないの?」 頭からおびただしく血を流したハルヒは動揺を隠せないでいた キョン「確かにお前の力は神と呼ぶにふさわしいものなのかもしれない…だがな」 佐々木「その力を持つのはあなたひとりではないのよ涼宮さん」 ハルヒ「…どういうこと?あたし以外にも同じ力を持つ者がいると言うの?」 キョン「ああ…それがこの佐々木だ」 佐々木「僕たちは互いの力を干渉させることは出来ない。ただ打ち消しあうだけなのさ」 キョン「佐々木がいる限りお前の力は発動しない…さよならだハルヒ」 ハルヒ「そんな…キョン…あたしはあなたが…死にたくない…あなたと一緒に…ずっと…」 キョン「すぐに俺も後をおう。先にいっていてくれハルヒ…」 ハルヒ「…ああ…キョン…やっと…本当にひとつになれるのね…」 ハルヒが残した最後の言葉だった 87 名前: ◆sidjwLpFhI [] 投稿日:2009/05/04(月) 12:13:26.80 ID:6LIBY+TMO キョン「これで…全て終わったんだ…」 佐々木「それは違うよキョン…今から始まるんだ」 キョン「…佐々木?」 佐々木「くつくつ…君のお陰で僕に荒がう力を持つ者はいなくなった…感謝しているよ」 キョン「…お前……」 佐々木「君が死ぬことは許さないよ…君はずっと…僕のものさ」 悪夢はやはり終らないらしい fin 90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/04(月) 12:31:05.22 ID:6LIBY+TMO 最後まで見てくれた人どうもありがとうございましたー。 内容的に深夜にさくっと終わらすつもりだったんですが…寝てしまいましたw ではでは