長門「あなたと一緒に図書館に行きたい…」 316 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 22:32:01.67 ID:Kz70xDv1P ハルヒ「な〜んて、あたしがすると思ったら大間違いよ!」 バシッ! 長門「っ!」 キョン「おい、何するんだ!」 ハルヒ「みくるちゃんもさっきはよくも殴ってくれたわね!」 ガンッ! みくる「きゃあっ!」 古泉「大丈夫ですか? 涼宮さん、あなたって人は……」 ハルヒ「なに?古泉君まであたしに逆らう気?あたしはこのSOS団の団長なのよ!」 古泉「だからといってさすがにこれはやり過ぎです」 ハルヒ「へえ、古泉君もそんな真面目な顔するんだ?いつもヘラヘラしてるだけかと思ってた」 キョン「おまえ……いい加減にしろよ!」 334 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 22:51:06.82 ID:Kz70xDv1P ハルヒ「何が友達よ!何が仲間よ!結局誰もあたしの味方なんてしてくれないんじゃない!」 キョン「おまえは今まで何を聞いてたんだ!おまえを思ってるからこそ──」 ハルヒ「うるさい!もうSOS団なんて解散よ!あんた達みたいな連中、こっちから願い下げだわ!」 キョン「ハルヒ!」 キョン「……行っちまった」 みくる「どうして?こんなはずじゃあ……」 長門「全て私のせい」 キョン「自分を責めるなよ。おまえは何も悪くない」 長門「でも……」 キョン「だからおまえは悪くないって言ってるだろ!?」 長門「!」 びくっ キョン「……すまん、怒鳴ってしまって。俺も帰らせてもらう」 長門「あ」 古泉「本当に、どうしてこんなことに……」 341 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 22:58:51.50 ID:Kz70xDv1P 長門「ただいま」 朝倉「どうでしたか?キョンくんとのデートは……何かあったんですか?」 長門「何もない」 朝倉「うそ!そんなひどい顔して何もなかっただなんて」 長門「私が、彼を図書館にさえ誘わなければ……」 ぽろぽろ 朝倉「一体何があったっていうんですか?話してください」 350 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 23:16:21.53 ID:Kz70xDv1P 朝倉「そんなことって……!もう許せないわ!」 長門「どこに行くの?」 朝倉「決まってるじゃないですか!涼宮さんのところですよ!私からバシッと」 長門「やめて」 朝倉「いいえ、今回ばかりは表立って介入させてもらいますよ」 長門「お願い、やめて。涼宮ハルヒは私の大切な友達だから……これ以上彼女を傷つけたりしないで」 朝倉「でも一番傷ついてるのはあなたでしょう?」 長門「私は平気。だからやめて」 朝倉「長門さん……」 353 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 23:18:57.78 ID:Kz70xDv1P キョン「くそっ!長門にまであんな態度を取って、俺は最低だ!」 ドン! 妹『キョンくんうるさいよ〜。壁蹴らないで〜』 キョン「す、すまん!」 キョン(大体ハルヒのやつがこんな時に限って暴走するから──ん?そういえば……」  ──私は有希のことが嫌いなのよ!  ──人の好きな人にちょっかい出すあんたが嫌いなのよ! キョン(あの時は勢いに流されて気にしなかったが、あの告白はつまり……) キョン「……そういうことなのか?ハルヒ」 357 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 23:26:39.50 ID:Kz70xDv1P 朝倉「………」 長門「………」 朝倉(本当にこれで良いのかしら?このままじゃ誰も救われない)  ピンポーン 朝倉「はぁーい!(こんな遅くにここに来てくれるのは、きっと)」 キョン「長門と話がしたい」 朝倉「やっぱり、あなただよね」 キョン「やっぱり?何のことだ?」 朝倉「うふふ。いいの、なんでもないの。さ、上がって」 360 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 23:35:43.53 ID:Kz70xDv1P 朝倉(キョンくんは長門さんの味方♪長門さんのナイト♪) キョン「なんで朝倉は上機嫌なんだ?」 長門「わからない」 キョン「まぁいいか。長門は昼間にあいつが、ハルヒが言ったこと覚えてるか?」 長門「覚えてる」 キョン「確かあいつ、好きな人にちょっかいを出すおまえが嫌いとか言ってたよな」 長門「……」 コクリ 朝倉(えっ?涼宮さん、そんなことまでハッキリ言ったの?それって告白じゃない!) キョン「そうか。俺の空耳じゃなかったわけだ。それなら話は簡単だ」 362 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 23:45:43.05 ID:Kz70xDv1P キョン「要するにあいつは……」 キョン「長門、おまえのことが好きなんじゃないか?」 長門「……え」 キョン「ハルヒは長門が好きで、それなのに俺なんかにちょっかいを出してるから気に入らないんだろ」 朝倉「……は?」 キョン「嫌いと言ったのは本音の裏返しで、長門を独占したくてしょうがないんだなハルヒのやつは」 長門「……」 キョン「つまり嫌われてるのは俺でおまえじゃない。良かったな、長門」 長門「……」 朝倉「……キョンくん」 キョン「ん?」 朝倉「この鈍感男ーーーーッ!」 バチーン! キョン「ぶべらッ!?」 365 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/02(土) 23:56:01.15 ID:Kz70xDv1P キョン「何をする!?朝倉!」 朝倉「何をする、じゃないわよ!そこまで鈍感だと罪だわ!罰が必要よ!破ッ!」 キョン「ぐあ!朝倉…本気か?」 朝倉「ええ、これが冗談に見える?」 キョン「そうか、それがおまえの答えか……ならば俺も本気を出そう!ムンッ!」 ビリッ!ビリビリィ! 朝倉「なん…だと…?」 キョン「おまえらは俺を一般人だと思っていたようだが、真実は違う……不思議に思わなかったか?   あの涼宮ハルヒが作ったSOS団に一般人がいることを……」 長門「まさか!それじゃあ、あなたが……!」 キョン「そうだ!俺の正体は異世界人だ!そしてこの姿を見せるのは地球ではおまえらが初めてだ!」 長門「涼子!状況が変わった!最初から全力で行くわよ!」 朝倉「わかってる!抜かりはな──きゃあああああああ!」  ドッグォォォォ……ン……! 長門「涼子!(そんな、彼の動きが見えなかった!この私の目を持ってしても!)」 キョン「ふん!次は貴様の番だ……長門」 長門「ッ! やれるものなら、やってみろ!」 371 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/03(日) 00:02:17.96 ID:AobV6qa9P キョン「やってみろ?あははははは!おまえごときたかが宇宙人がやってみろだとぉ?笑わせる!」 長門「うるさいッ!」 シャッ バキッ! 長門(よし!最高の一撃!これならこいつも……) キョン「……今、何かしたか?」 長門「な…そんな馬鹿な…。私の攻撃が効いてない?」 キョン「攻撃?あれがか? いいか、攻撃というのは……こうするのだッ!」  ドバッ! 長門「がっ…!」 キョン「わかったか?これが本物の力だ……俺に歯向かったことを後悔して、死ね!」 長門「……無念!」  ドガァッ! 長門「……まだ、生きてる?」 キョン「ぬぅぅ!邪魔をしたのはどこのどいつだ!」 ハルヒ「有希は殺させないわよ!」 キョン「ほう…貴様か、ハルヒ」 383 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/03(日) 00:11:18.59 ID:AobV6qa9P ハルヒ「よくも私の可愛い団員をいたぶってくれたわね!」 キョン「ふん!解散した今となっては、団員も何もなかろう!そうじゃないだろう?ハルヒよ」 ハルヒ「何が言いたいのよ」 キョン「俺のような強者との闘いを求めていたんだろう?おまえの目を見ればわかる」 ハルヒ「ちっ!どうやら何もかもお見通しみたいね!」 キョン「さあ!その秘められた力を解放してみせろ!俺が粉々に打ち砕いてやる!」 ハルヒ「確かにあたしは強い奴を探していた……あたしが本気を出せる相手をね!それを見破ったのは見事だわ」 ハルヒ「しかし!」 ゴゴゴゴゴ…… キョン「こ、これは……!」 ハルヒ「キョン、あんたに誤算があるとするなら、あたしの『底』を見誤ったことよッ!」 キョン「まさか貴様は伝説の!」 ハルヒ「そうよ!あたしこそは伝説の超SOS人!涼宮ハルヒッ!」 388 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/03(日) 00:15:28.40 ID:AobV6qa9P キョン「抜かったわ……まさか貴様が。しかし俺はまだあと130段階の変身を残している」 ハルヒ「はん?なめないでよ!あたしだってあと150段階の変身があるわ」 キョン「だが俺はさらにその上の『煉獄変身』を50段階も残している」 ハルヒ「お生憎様ね!私も『超SOS人・絶式』としての変身を40段階残しているわ!」 キョン&ハルヒ「……相手にとって不足なし」 ニヤリ… ハルヒ「はぁああああああああ!行くわよ!キョン!」 キョン「うおおおおおおおお!来い!ハルヒ!」  二人の壮絶な闘いは今始まったばかりだ!   完 403 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[>>360から] 投稿日:2009/05/03(日) 00:46:58.17 ID:AobV6qa9P キョン「俺はハルヒと付き合う」 長門「………………そう」 うる… 朝倉「ちょっと!どういうことですか!?言ったじゃないですか!長門さんを守るって!あれは嘘!?」 キョン「落ちついてくれ朝倉。正確には、付き合うフリをするんだ」 長門「……え?」 キョン「どうも困ったことにハルヒは俺のことが好きらしい。今まで全く気づかなかったが…」 朝倉(この鈍感男!) 407 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/03(日) 00:59:47.37 ID:AobV6qa9P キョン「俺と長門が出掛ける度にあんな調子だと、もうどうにもならない。だからここはハルヒの機嫌をとる」 朝倉「なるほどね」 キョン「まずは謝って、それからハルヒと交際をスタートさせる」 キョン「あいつのことだから一度浮かれたら何もかも許して、SOS団も復活するはずだ」 長門「………」 キョン「そうしたら、また俺と長門と、朝比奈さんに、あと古泉、皆で活動できるはずだ。     俺と長門がたまに図書館行くことだって、大目に見てもらえるかもしれない」 朝倉「それはどうかしら。かえって彼氏を独占したがるんじゃ……」 キョン「団員とのコミュニケーションだとか何とかうまいこと誤魔化すさ」 朝倉「う〜ん、キョンくんがそう言うなら…」 キョン「どうだ?長門」 長門「……イヤ」 411 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/03(日) 01:10:57.66 ID:AobV6qa9P キョン「どうしてだ?これ以外に上手い解決手段はないだろ?」 長門「それでは涼宮ハルヒを騙すことになる」 朝倉「長門さん、あなたって人はどこまで……」 キョン「それはそうだが、しかし他に方法が…」 長門「イヤ。彼女は私の友達だから」 キョン「……はぁ、やれやれだな。なあ長門。俺はおまえを守るって言ったよな」 長門 こくり キョン「俺がおまえを守る理由はさ、その理由は……」 キョン「おまえのことが好きだからだ」 長門「!」 キョン「いつだって俺を助けてくれた長門の──いや、有希のことを、いつの間にか好きになってた」 キョン「だから、おまえが大切にしてるものを俺は守りたい。おまえだけじゃなく、SOS団も」 417 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/03(日) 01:21:06.59 ID:AobV6qa9P キョン「確かにハルヒは今は騙すことになるかもしれない。でも、近いうちに俺が説得してみせる」 長門「………」 キョン「おまえの友達であるあいつも傷つかないように努力するからさ、だから…了解してほしい」 長門「………」 キョン「これでも嫌か?」 朝倉「長門さん、キョンくんがここまで言ってるのよ」 長門「………うっ」 ぽろぽろ キョン「やっぱり、駄目か……」 長門「……そうじゃない。嬉しい…」 キョン「有希…」 長門「私もあなたが好きだから、嬉しい…」 キョン「大好きだぞ。了解、してくれるんだな?」 ギュッ 長門「……うん。うん」 朝倉(良かった……二人が結ばれて、本当に良かった……) ぐすっ 422 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/03(日) 01:36:24.36 ID:AobV6qa9P キョン「…さて、すっかり遅くなっちまったし。俺は帰るとするよ」 朝倉「え?泊まっていけばいいのに。何なら私は他のところに……」 キョン「へ、変なこと言うな」 長門「……馬鹿」 朝倉「ふふ。二人とも照れちゃって可愛いんだから」 キョン「……有希、良い親友を持ったな」 朝倉「え?」 キョン「俺がハルヒと付き合うって言ったときの朝倉の剣幕、すごかったもんな。有希のことを強く思ってる証拠だ」 朝倉「ちょっと!恥ずかしいこと思い出させないでよ!」 キョン「ははは。それじゃあ、俺は帰るな」  バタン… 朝倉「まったくもう!」 長門「……涼子。いつも、ありがとう」 ぺこり 朝倉「やだ、なんかこういうの照れますね……でも、どういたしまして」 ぺこり 424 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/03(日) 01:47:01.76 ID:AobV6qa9P   ◇ ◇ ◇ ハルヒ「さあ!今日もSOS団のミーティングを始めるわよ!」 キョン「昨日も一昨日も実のない話ばかりだった気がするがな」 古泉「今日もそうとは限りませんよ。良い会議にしましょう」 ハルヒ「偉いわ古泉君!さすが副団長だわ!どこかの雑用とは大違いね」 みくる「みなさん、お茶をどうぞ」 長門「………」 ぺら… ハルヒ「じゃあ、まずは最初の議題!」 キョン「やれやれ…」 426 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/03(日) 01:55:01.38 ID:AobV6qa9P 長門「……」 パタン ハルヒ「よし、今日は解散にしましょう!」 古泉「では僕はお先に失礼させていただきます」 みくる「おつかれさまでした〜」 ハルヒ「キョン!一緒に……っと、今日は駄目な日だったわね」 キョン「悪いな、ハルヒ」 ハルヒ「いいのよ!雑用がやる気を出してくれたんだから、団長のあたしは歓迎しないとね!      しっかりやるのよ!いい?あんたは特別でもなんでもないただの雑用なんだからね!」 キョン「ああ、わかってるさ」  バタン! キョン「……あいつ、あれで隠してるつもりなのかね。逆に胡散臭いっつうの」 427 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/03(日) 02:02:11.62 ID:AobV6qa9P 長門「……やっぱり、彼女に申し訳ない」 キョン「まだ、気にしてたのか?」 長門「涼宮ハルヒは私の──」 キョン「わかってるよ。大切な友達、だろ?」 キョン「良い報告があるぜ。最近、ちょっとハルヒに変化が出てきた」 長門「変化?」 キョン「どうもハルヒにとって男女の交際というヤツは性に合わないらしい。     付き合ってみたら俺もいたって普通の人間だし、退屈し始めてるようだな」 長門「それじゃあ」 キョン「ああ、今は付き合ってしまった手前、あんな意固地な素振りを貫いてるだけだ。     俺から説得するまでもなく、いずれハルヒのほうからすっぱり切られるかもしれん」 429 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/05/03(日) 02:06:52.48 ID:AobV6qa9P キョン「だから、遠慮なんてすることないんだぞ」 長門「………」 キョン「有希の部屋で話すのも悪くないけど、そろそろ素直になってくれ」 長門「……うん」 キョン「よし。じゃあ、今日は二人で何をする?」 長門「あなたと……」 長門「あなたと一緒に、図書館に行きたい」    完 435 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/05/03(日) 02:15:42.06 ID:AobV6qa9P >>316の一発ネタで終わるつもりだったのに慣れない支援とか受けて 舞い上がって続き書いちゃったけどSS書くのってセリフだけでも意外に疲れるんだな 特にオチつけるのが面倒くせえ!人の乗っ取りだけに余計に面倒くせえ! もう二度と書きません、さようなら あ、超展開はノリノリで書けて凄く楽しかったからその方向性でなら書くかもww