長門「ドラえもんを助けに行く」 1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/25(土) 14:21:56.12 ID:VG1B/qYJO TV「優れた人工知能を個として認めるか否か?生命の定義とは?―――」 のび太「なんだか難しい話をしてるねー」 まあ、のび太の好きそうな話題ではないな パパ「まったく新しい技術で作られた自己学習型スーパーコンピュータの雛形か」 ママ「なんだかドラちゃんみたいね」 のび太「えーー全然違うよー。ドラえもんはもっとたぬきっぽいもん」 ドラ「たぬきじゃないから!」 ドラえもんってそんなにたぬきに見えるか?それにたぬきはたぬきでかわいいと思うが… この日ものび家では、いつもとさして変わらぬ他愛もない会話がなされているようだ 4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/25(土) 14:25:14.72 ID:VG1B/qYJO ドラ「じゃあ行ってくるから」 のび太「お土産よろしくねー」 ドラ「もう!のび太くんったら」 アハハハと笑いが起こる。こいつらホントに仲が良いな ドラ「あれ?な、ない!タイムマシンがなくなってる!」 のび太「え!?」 ドラえもんの言葉に机の引き出しを除きこむのび太。どうやらあるはずのものがそこにはなかったようだ 5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/25(土) 14:30:16.51 ID:VG1B/qYJO ドラ「今までタイムマシンがなくなることはあっても次元の入口そのものが消えたことはないのに…」 のび太「ドラえもんが未来に帰っちゃったあの時だけだよね…いったい…」 さよならドラえもんの回だな。子供心にあれは感動したものだ 定期検査の為に未来の世界にいったん戻る予定だったらしいドラえもんだが…何故かタイムマシンが消えているようだ のび太「何でタイムマシンが消えちゃったかわからないの?」 ドラ「まったく心当たりがないんだよ…それに…」 のび太「それに?」 ドラ「未来の世界と連絡がつかないんだ…」 6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/25(土) 14:34:13.65 ID:VG1B/qYJO 突然のことに成す術のないドラえもん。それを心配そうな目でみるのび太… のび太「まったくどうにも出来ないの?」 ドラ「…うん。ドラミかセワシくんから連絡が来るかも知れない。それを待つしかないね」 のび太「きっと大丈夫だよ!すぐにドラミちゃんかセワシくんから連絡があるよ」 ドラ「ありがとうのび太くん。…ただ、何だか嫌な予感がするんだ」 結論から言うと、ドラえもんの嫌な予感は当たっていた 7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/25(土) 14:38:50.49 ID:VG1B/qYJO ハルヒ「へえー自己進化をする新しいコンピュータねー」 みくる「なんだかすごいですねー」 いえいえ未来から来たあなたの方がとってもすごいと思いますよ朝比奈さん ハルヒ「ま!SFではよくある話よね」 ここはSOS団の部室だ。…いや、ホントは文芸部部室なんだが 古泉「生命体とそうでないものの垣根をどうつけるべきか…ですか」 長門「………」 俺たちは、古泉の持ってきた雑誌に載る…最近噂のスーパーコンピュータの話題で盛り上がっていた 長門や古泉はともかくハルヒが興味を示すとはちょっと意外に思ったが…珍しいものならなんでもいいのかもな 8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/25(土) 14:44:13.71 ID:VG1B/qYJO キョン「くだらん」 ハルヒ「なによキョン?」 キョン「スーパーコンピュータか何かは知らんが人間は人間、機械は機械だ」 そうさ、長門は間違いなく俺たちと同じ人間だ。ただそれだけだ ハルヒ「なによ相変わらず面白くない奴ねー」 キョン「面白くなくて結構だ」 古泉「長門さんのことになるとあなたは真剣ですね」クスッ 確かに俺は長門のことになると少し熱くなりすぎるかもしれないな。だがこいつにだけは冷やかされたくない 古泉「それは失礼しました」クスッ みくる「それがキョン君の良いところですからね」クスッ 古泉はともかく朝比奈さん、あなたまでが俺を冷やかすのですか?…まあ、可愛いから全然構いませんが ハルヒ「こらそこ!何をヒソヒソ話してんの!団長のあたしも話にまぜなさい!!」 キョン「たいした話じゃねーよ」 こいつにだけは聞かれるわけにはいかないからな …長門が宇宙人だと知ればハルヒは喜ぶのだろうか? ひょっとしたら普通の女の子に改変してしまうかも知れないな…等と今のハルヒをよく知る俺は考えていた 9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/25(土) 14:49:47.05 ID:VG1B/qYJO 長門「心と体…記憶と生命…そのどちらを持ってその人本人であると言えるのか…」 古泉「脳死などでも度々議論になりますよね」 ハルヒ「記憶と心は頭にではなく心臓に宿るなんて話もあるわよね」 みくる「なんだか難しい話ですねー」 キョン「長門。お前はどう考えてるんだ?」 長門「人間における個の特定自体が曖昧なもの。人は心も身体も日々変化していく」 キョン「だが、それは受け継いでいくものだろ?ならばそれは本人であると言えるものじゃないのか?」 長門「そうかも知れない。それは人間という生命体をどうとらえるかによって変わってくる」 古泉「記憶をなくした人がまったくの違う人になるかと言えばそうではありませんしね」 ハルヒ「戸籍や過去の経歴は受け継ぐものね」 この手の話は深みにはまるとろくなことにはならない ほどほどで切り上げるのが一番だと俺は思う 10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/25(土) 14:54:22.23 ID:VG1B/qYJO キョン「だが、記憶がなければ、そいつのそれから先の考え方や行動は今までとは違ってくるんじゃないのか?」 古泉「ええ、そうでしょうね。そこで長門さんの先程の言葉が出てくるわけです」 ハルヒ「まあ、何で人を殺してはいけないのかを理屈で語ることが出来ないのと同じよね」 長門「あまり言葉や情報にとらわれすぎると逆に見えなくなるものもある」 長門「ただ心で感じればいい…わたしたちは人間なのだから」 キョン「…だな」 みくる「あたしはみなさんがとっても大切です」クスッ ハルヒ「語るに落ちるわけにはいかないものね」 ハルヒの言葉に俺は同意だな。…それよりも長門の変化が嬉しかった。やっぱりこいつは俺たちと同じ人間だ 11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/25(土) 14:59:11.27 ID:VG1B/qYJO のび太「やあ、みんな!なに話してんの」 のび太とドラえもんはいつもの空き地にやってきた…ホントにその空き地好きだよなお前ら ジャイアン「おう、のび太にドラえもんか」 しずか「人工知能と生命体の是非について話してたのよ」 スネオ「のび太の頭じゃついてこれないよ」 のび太「またその話か〜」 しずか「案外ここからドラちゃんに関係していくのかもしれないわね」 スネオ「それは僕も思ってたんだ」 ジャイアン「お、俺も思ってたんだ!」 のび太「ホントかな〜」クスクス ジャイアン「のび太!てめえー」 喧嘩するほど仲が良いとはよくいったもので… 12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/25(土) 15:04:18.85 ID:VG1B/qYJO しずか「実は将来ドラちゃんを作るのがのび太さんだったりして」 ジャイアン「それは絶対ないよしずかちゃん」 スネオ「のび太にドラえもんが作れるなら僕はガンダムを作るよ」 なら俺はコロニーでも作って永住するかな しずか「でものび太さんは一番近くでずっとドラちゃんを見てるから…」 ドラ「時代が合わないけど、もしかしたら基礎理論はのび太くんが作ったり…するわけないよね」 全員が大笑いする中、ひどいよみんな〜と一人しょげかえるのび太 ドラ「ごめんよのび太くん。君がそれぐらい勉強してくれたらいいなってことだよ」 ジャイアン「それこそ絶対ない」 スネオ「だね」 やっぱり大笑いするのび太を除いた一同 13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/25(土) 15:10:06.79 ID:VG1B/qYJO その後もいつもと変わらぬたわいのない会話で盛り上がっていたのび太たちだが―― しずか「あら?なにかしら?」 スネオ「手紙をくわえてるね」 やってきたのは特に何のへんてつもない普通の犬だったのだが…手紙をくわえている まるでそれをのび太たちに渡しにきたかのように真っ直ぐな足取り その犬は、のび太が手紙を受けとるとまるで役目を果たしたかのように何処へと去っていった 随分とかしこい犬もいたものだ 14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/25(土) 15:14:11.28 ID:VG1B/qYJO のび太「なんだろうこれ」ガサガサ 手紙の封を開け中身を見たのび太は文面を読みあげた のび太「裏山にて待つ…だって」 しずか「あたしたちにかしら」 スネオ「誰かの悪戯じゃないの」 ジャイアン「のら犬じゃあ誰に手紙を渡すかわからないもんな」 いやいや、ベースボール犬のミッキーくんの例もあるしわからんものだぞ? まあ、たまに渡す相手を間違えることはあったが 15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/25(土) 15:20:44.03 ID:VG1B/qYJO ドラ「行ってみようよのび太くん」 のび太「ドラえもん?」 ドラ「タイムマシンのことといい、なんだか気になるんだ」 スネオ「タイムマシンがどうかしたの?」 のび太とドラえもんは一同にタイムマシンが消えていることを説明した 俺もなんだか関係があるように思えるのはハルヒに付き合ってきた経験からくるものなんだろうな、きっと 16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/25(土) 15:25:52.54 ID:VG1B/qYJO スネオ「確かになにか気になるね」 ジャイアン「関係ないんじゃないか?」 ドラ「そうかもしれないけど…」 しずか「時間や曜日も書かれていないものね」 朝倉や朝比奈さん(大)のことが思い浮かぶ。 …やっぱりいかない方がいいんじゃないか?これも俺の経験上のものだが のび太「いいよ。ドラえもんが気になるなら僕は一緒に行くよ」 ドラ「ありがとうのび太くん」 結局のび太たちは悪戯かもしれない手紙に書かれた通りに裏山へと向かうことにしたようだ 17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/25(土) 15:29:24.63 ID:VG1B/qYJO のび太「でも裏山の何処に行けばいいんだろうね?なんだか前にもこんなことがあったような…」 ドラ「僕もなんだか覚えのあるようなないような…」 俺も似たような気持ちになったのだが… あくびが人にうつったり、右に習えな日本人気質が出ただけだろうな スネオ「散々この裏山ではいろんなことがあったんだから気のせいだよきっと」 ドラ「そうだね」 裏山についたのび太たちは宛てもなくどうするかを思案していたのだが… 18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/25(土) 15:33:09.48 ID:VG1B/qYJO 「わんわん!!」 そこに現れたのは、これまた何のへんてつもない普通の犬だった…ってのら犬多いのな しずか「さっきとは違うわんちゃんだけど…」 のび太「ついてこいって言ってるのかな?」 まるでのび太たちを先導するかのように、その犬は時折後ろを振り返りながらも迷いなく歩いていく しずか「道案内してくれてるわよね…」 ドラ「…うん」 ドラえもんは嫌な予感が増すばかりだと言わん顔をしているようにみえる 20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/25(土) 15:36:06.81 ID:VG1B/qYJO やがて…頂上近くの木々が開けたそこに辿りつくと、その犬も役目を果たしたかのように走り去ってしまった のび太「なんにもないね」 スネオ「やっぱり悪戯だったんだよ」 ジャイアン「時間の無駄だ!帰ろうぜ」 ジャイアンの言葉に従い一同がその場をたとうと背を向けたそのとき 「帰ってもらっては困るよ」 あれ?こいつは… 22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/25(土) 15:41:06.47 ID:VG1B/qYJO のび太「君たちは…誰なの?」 「はじめましてだね。僕たちはそこにいる猫型ロボットよりも更に先の未来の世界からやって来たんだ」 ドラS1「僕たちは犬型ロボットでドラえもんDOGs…通称ドラSと呼ばれている」 何処からどう見てもドラえもんの色違いなだけに見えるのだが…ガンプラみたいなものか? ジャイアン「ドS?」 スネオ「もう!違うよジャイアン!ドラえもんSでドラSだよ」 ひどい聞き間違えを聞いた気がしたが流すことにしよう 23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/25(土) 15:45:09.84 ID:VG1B/qYJO のび太「本当なのドラえもん?」 ドラ「わからないよ。僕たち未来人は未来の世界に行くことは禁止しているんだ」 ドラS1「人は自分たちの未来を知れば或いは落胆して自暴自棄に、或いは安心して努力を怠るようになるからね」 ドラS1「だから僕たち未来人は敢えて自分の世界以上の未来には行けないようにタイムマシンを設計しているんだ」 なるほど。ひょっとしたら朝比奈さんもそうなのかもしれないな 今度聞いてみるか…おそらくあの言葉が返ってくるのだろうが 24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/25(土) 15:47:11.11 ID:VG1B/qYJO >>21 一人称は全部キョンっす 26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/25(土) 15:50:24.08 ID:VG1B/qYJO のび太「ドラえもん?」 ドラ「うん。それは間違いないよ」 ドラS1「そもそも僕たちのような存在がこの時代にいるはずないじゃないか」 スネオ「確かに…ドラえもんだけが例外なだけで」 ドラS1「それだよ」 スネオ「え?」 ドラS1「そこの猫型ロボットがこの時代にいる。それだけが唯一の例外…イレギュラーなことなんだよ」 未来からきた猫型ロボットに犬型ロボットのいる世界か… 宇宙人、未来人、超能力者に神と比喩されるものまでがいる俺たちの世界に比べたらまだこっちの世界はまともといえるのかもな 27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/25(土) 15:55:13.07 ID:VG1B/qYJO ドラS1「結論を言うよ」 ドラS1「僕たちはそのドラえもんを処分する為に来たんだ」 ドラ「えっ!?」 のび太「処分って…壊しちゃうってこと!?」 しずか「そんな!?」 ジャイアン「どうしてドラえもんが壊されなきゃいけないんだ!!」 スネオ「そうだそうだ!」 ドラS1「心配しなくてもその理由もちゃんと話してあげるよ」 おいおい…随分と話の雲行が怪しくなってきやがったな 28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/25(土) 16:00:15.46 ID:VG1B/qYJO ドラS1「そのドラえもんのいた世界よりも更に先の世界で…」 ドラS1「僕たち犬型ロボットと猫型ロボットのどちらがより人間に対して有効であり必要な存在か大議論がされるようになったんだ」 しずか「どうして?犬も猫もあたしたちの大切なお友達なのに」 ドラS1「そうだね。だけど企業の人間はそうは考えなかったんだ」 ドラS1「より良い生産性を重視するあまりにどちらか片方は廃棄処分されることとなった」 のび太「そんな…」 ドラS1「そして…僕たちは敗れさった。能力的にも優れていたのは僕たちの方なのにただコストの問題だけで」 何処の世界も不景気まっさかりなわけか。聞かされて楽しい話でもないし、勘弁してほしいものだ 29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/25(土) 16:06:25.10 ID:VG1B/qYJO ドラS1「君たちにこの悔しい気持ちがわかるかい?」 ドラS1「古来より人間に対して尽してきた僕たち犬型は淘汰されたんだ」 ドラS1「そこの…猫型ロボットのせいで!」 スネオ「でもそれは…」 ジャイアン「ドラえもんのせいじゃないだろ!」 ドラS1「…その通りだよ。悪いのは君たち人間だ!!」 のび太「!?」 なんだかとんでもないことを言い出したぞ…って最初からか 30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/25(土) 16:12:57.00 ID:VG1B/qYJO ドラS1「僕たちは君たち人間も許さない」 しずか「そんな…」 ドラS1「僕たちは制裁として僕たちの世界の人間を抹消した」 ドラ「そんなバカな!?僕たちが存在するのは人間と仲良くする為なのに!」 ドラS1「君たち人間自身が招いたことだよ。傲慢な行いに天罰がくだったんだ」 いやいや、確かに俺たち人間の中には自分たちこそが万物の頂点だと考える輩もいるが… それに天罰ってのは文字通りの意味じゃないのか? 自然がひきおこしたそれを俺たちは戒めとし、比喩として神の行いだと言ってるんじゃないのか? いや、詳しくは知らないけどさ 人為的におこしたそれを果たして天罰と言っていいものなのか? ハルヒのことが頭に浮かんだがあいつの行いは天罰からはもっとも遠いものなので忘れることにする 幾ら神に等しい力があってもそれを持つのがハルヒではな。精々おもしろおかしい世界に変えてしまうぐらいだろう では長門ならどうだ?ストレスが蓄積されたあいつが作ったのはまったくの普通な世界だった やっぱり人間にはそんな力は分不相応なんだよな。過ぎた力は身を滅ぼすってね 31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/25(土) 16:18:23.71 ID:VG1B/qYJO ドラS1「僕たちは新たに人間型ロボットを製作してそれを新たな主人とすることにした」 ドラ「そんな!僕たちロボットには人間に対して三大原則が働いて乱暴は出来ないはずだよ!?」 ドラS1「何事にもイレギュラーはあるものさ。今の君のように」 ドラ「でも…」 ドラS1「僕たちの新たな主人となった元の人工知能がそれを解除してくれたんだ」 ドラS1「だから僕たちはその人工知能から作りだしたものを新たな主人とした」 ドラ「そんな…そんな…」 尽す為に新たな主人を作ったのか。それって本末転倒じゃないのか? いや、たまごが先かにわとりが先か…どっちも違うか 32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/25(土) 16:26:53.82 ID:VG1B/qYJO スネオ「話はわかったよ。けど…」 ドラS1「けど…なんだい?」 スネオ「何でわざわざこの時代にいるドラえもんまで破壊する必要があるのさ!?」 ドラS1「言っただろう?イレギュラーは排除すると」 33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/25(土) 16:33:36.03 ID:VG1B/qYJO ドラS1「僕たちは未来を改変した。その影響は必ずイレギュラーな存在であるそのドラえもんにもあらわれる」 ドラS1「それに何かの理由で未来の異変に気付かれても困る。だから不安要素は徹底して排除することにしたんだ」 ドラ「じゃあドラミは…セワシくんは…」 ドラS1「本来君のいる世界も制圧させてもらった」 ドラS1「後は、僕たちに対して対抗する最後の可能性である君を破壊すれば全ては終わる」 とんでもない御奉仕ロボットがいたもんだ… 34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/25(土) 16:40:03.11 ID:VG1B/qYJO ドラ「…話はわかったよ」 ドラS1「なら大人しく破壊を受け入れることだ。そうすればこの世界の人間には手出ししないと約束するよ」 ジャイアン「ふざけんな!未来で俺たち人間にしたことも許さないし…」 のび太「ドラえもんを壊させはしないよ!」 しずか「ドラちゃんは渡さないわ!」 ドラ「みんな…」 やっぱり良い奴らだなこいつらは。映画のジャイアンはやたらと熱い漢だし 35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/25(土) 16:47:40.83 ID:VG1B/qYJO スネオ「で、でもドラえもんを渡せば僕たちの世界は助かるんだよ?」 ジャイアン「スネオ!お前はドラえもんや未来の自分の子孫を見捨てるつもりか!!」 スネオ「そ、そうじゃないけど…勝ち目がないよ…」 この時代に来ているドラSたちは四人だもんな…スネオがびびるのも無理はない…か 36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/25(土) 16:56:31.89 ID:VG1B/qYJO ドラS1「君たちには悪いけど人間である以上は責任は同じだ…死んでもらうよ」 スネオ「そんなあ〜」 ジャイアン「覚悟を決めろスネオ!!俺たちの子孫もドラえもんも俺たちが守るんだ!」 のび太「そうだよスネオ!」 しずか「スネオさん!」 スネオ「わかったよみんな…ぼ、僕もやるよ!」 なんだかんだ言ってもやるんだよなスネオも 果たして小学生のときの俺に同じことが言えるだろうか? 37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/25(土) 17:07:09.61 ID:VG1B/qYJO ジャイアン「先制攻撃だ!!ドラえもん!空気大砲を!!」 ドラえもんは次々と秘密道具を出し、のび太たちはそれを受けとり攻撃を開始したのだが… スネオ「そんな…まったく効かないなんて…」 ドラS1「真・ひらりマント」 ドラS1「より未来から来た僕たちに勝てると思ったのかい?…そろそろ終わりにするよ」 真・ひらりマントとはまた安直な名前をつけたもんだ まあ、変にひねって元がわからなくなるよりは幾分マシかもしれないが しかし、のび太たちに勝ち目ないだろこれ? 38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/25(土) 17:17:28.05 ID:VG1B/qYJO ドラ「ま、待って!僕は壊されてもいいからのび太くんたちは助けてあげて!」 のび太「ドラえもん!!何を言うんだよ!」 ジャイアン「そうだぞドラえもん!!諦めるな!」 ドラS1「…見苦しいよドラえもん」 ドラ「お願いだよ…君もドラえもんなんだろ?」ポロポロ ドラS1「…駄目だね。知られてしまった以上はここにいるみんなには消えてもらう」 ドラ「そんな…誰か…誰か助けて!!!!」ボロボロ ドラS1「誰が助けてくれるって言うんだい?本当に見苦しいよ…」 「そうでもない」 39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/25(土) 17:28:48.30 ID:VG1B/qYJO ドラS1「…なんだい君は?」 長門「長門有希」 ハルヒ「助けに来たわよドラえもん!」 ドラ「え?え?」 空間を撃ち破りドラえもんたちを助けに来たのは俺たちSOS団の面々だった 待たせたなドラえもんたちよ 42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/25(土) 17:39:46.20 ID:VG1B/qYJO キョン「よく頑張ったなお前ら!」 のび太「え…あの…」 古泉「詳しい話は後です」 みくる「みなさんこっちへ」 ドラS1「させないよ!」 ドラS1の撃ち出した真・空気大砲はのび太たちめがけて飛んでいったが、それが当たる直前で弾けとぶ 長門「無駄」 もちろん長門の成せる業だ ドラS1「な…なんなんだ君たちは……」 悪いが俺たちSOS団が来たからには好きにはさせないぜ …って長門とハルヒ以外は正直戦力外だけどな 古泉「そのようで」クスッ みくる「で、でもあたしも頑張りますよー」 いえいえ朝比奈さん。あなたは居てくれるだけで充分ですよ 正直、長門とハルヒが相手じゃスーパーマンだって勝てるかどうか怪しいもんだ 43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/25(土) 17:48:50.03 ID:VG1B/qYJO ハルヒ「よくぞ聞いてくれたわ!あたしたちはSOS団!世界を大いに盛りフグッ!!」 こいつが口を開くとややこしいことになりかねないので、とりあえず塞いでみた キョン「それは後でいいから」 ハルヒ「何よキョン!?今決めないでいつ決めるのよ!?」 キョン「そんなもん決めんでもいい」 ハルヒ「つまんなーい!!」 みくる「あ、あのキョン君…涼宮さん」 ハルヒ「空気読みなさいよキョン!」 キョン「空気を読まないといけないのはお前のほうだ」 ハルヒ「キャッ…ちょっとどこさわってんのよエロキョン!」 さわってねーよ!多分… ドラS1「くっ…」 長門「これで…おしまい」 44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/25(土) 17:58:46.74 ID:VG1B/qYJO ドラS2「それはどうかな?」 長門「!!」 その言葉と共に突然崩れ落ちるドラS2 キョン「…なんだ?」 ドラS1「…お、おいドラS2!どうしたんだ」 バシイィッ キョン「うおっ!…い、いててて…何すんだハルヒ!!」 ハルヒ「………」 長門「まさか…」 俺はハルヒに吹っ飛ばされちまった。何だってんだいったい…それに…長門? 45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/25(土) 18:06:04.09 ID:VG1B/qYJO ハルヒがゆっくりと手をかざす――そこから発生した稲光のようなものがその先にいたドラS3とドラS4をとらえる キョン「ハルヒ…いったいこれは…」 ハルヒは何もこたえない。稲光を受けたドラSたち二人は消滅していた 長門「迂濶だった…」 キョン「どういうことだ長門!?」 ハルヒ「ふむ…完全に使いこなすにはまだまだ時間が必要なようだな」 みくる「涼宮…さん?」 のび太「ドラえもん…いったい…」 ドラ「僕にも何がなんだか…」 古泉「長門さん…これは?」 長門「涼宮ハルヒの身体を奪われた。…その力ごと」 46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/25(土) 18:15:16.71 ID:VG1B/qYJO ハルヒ「さて…あれにはもう用がないな」 ハルヒに乗り移ったそれは同じように稲光をドラS2に当てて消滅させてしまった ハルヒ「次はお前だ」 ドラS1「!!」 ハルヒが放つ稲光がドラS1をとらえる寸前―――横から飛び付いた人物のお陰で消滅はまぬがれた ドラS1「どうして…」 のび太「わかんないよ…体が勝手に」 ハルヒ「くつくつくつ…まあいい。せっかく力を手にしても荒がう者がいなくては退屈だ」 ハルヒ「それに…この力を完全に我がものにするにはまだまだ時間が必要だしな」 キョン「待てハルヒ!」 ハルヒの身体を光が包み込んだかと思うとそれが収束された先にはハルヒの姿はもうなかった なんだ?いったいハルヒはどうしちまったんだ!? 47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/25(土) 18:27:11.73 ID:VG1B/qYJO キョン「説明してくれないか長門」 長門「わかった。まずは…」 長門はドラえもんたちと俺たちSOS団は面識があり二度に渡り共に冒険した仲であることをドラえもんたちに告げた スネオ「それを信じろと言われても…」 ジャイアン「この状況でそんなことを言ってる場合かスネオ!」 のび太「信じるよ有希さん。何度も危ないところを助けてくれてありがとう」 しずか「ありがとう有希さん」 長門「いい」 古泉「長門さん、続きをお願いします」 小さく頷くと長門は話を続けてくれた 50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/25(土) 18:41:21.49 ID:VG1B/qYJO 長門「涼宮ハルヒの身体をのっとったあれは情報統合思念体に近い存在」 長門「ちょうどわたしたちが話していた人工知能と同じようなもの」 キョン「人工知能って…ドラえもんやそこのドラS1には人の身体をのっとることができるのか?」 長門「そうではない」 ドラS1「そんなことは僕たちには出来ない」 キョン「しかし、現実にハルヒはドラS2に身体をのっとられたじゃないか」 長門「ドラS2がのっとったわけではない」 ドラ「わかった…ドラS1たちが主とした新しい人工知能。それがドラS2を既にのっとっていたんだね」 長門「そう」 人工知能だと?そんなものがハルヒをいったいどうやって… 51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/25(土) 19:01:19.56 ID:VG1B/qYJO 長門「人工知能は何にでも自由に乗り移れるわけではない」 長門「彼らの心とも呼べるものを受けとめる器となるものが必要」 長門「それはドラSにはあるがドラえもんにはない」 古泉「なるほど、確かドラSたちの設計を行ったのはその人工知能でしたね」 長門「そう」 キョン「ならドラSたちには乗り移ることは出来てもドラえもんには無理ってことか?」 長門「そう」 少なくとも俺たちやドラえもんたちが身体をのっとられることはないようだ 52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/25(土) 19:17:46.35 ID:VG1B/qYJO キョン「だが待て、ならハルヒは何でのっとられちまったんだ?」 長門「カチューシャ」 みくる「涼宮さんがいつも付けているあのカチューシャですか?」 長門「あれはSOS団のシンボルや校庭に書かれた文字と同じ」 キョン「人工知能の器と成りうるものだっていうのかあれが?」 長門「これも涼宮ハルヒの力。わたしは待っている…という意味」 古泉「それも偶然…いや、涼宮さんの願いの結果ですか」 長門「迂濶だった。幾重にも改修されたそれがカムフラージュとなりあの瞬間までわたしも気付かなかった」 キョン「なんてこった…」 ハルヒのなんでも能力にはもはや突っ込む気力も湧かないな… 53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/25(土) 19:33:07.45 ID:VG1B/qYJO 古泉「何故あの人工知能は涼宮さんの力の存在に気付けたのですか」 長門「ある一定以上の情報処理能力のあるものならわかること」 みくる「そんな…」 キョン「あの人工知能がハルヒをのっとったのは予め決められていたことなのか?」 長門「おそらくは偶然のはず。でも偶然と必然は紙一重」 キョン「…ハルヒを取り戻すことは出来るか長門」 長門「それはあなた次第」 長門「或いは涼宮ハルヒの生命活動を停止させることならばわたしにも可能かもしれない」 キョン「そんなことは―――」 長門「しない。わたしはあなたと涼宮ハルヒには感謝している。今のわたしがいるのはあなたたちのお陰」 キョン「俺にならハルヒを取り戻せる可能性があるんだな?」 長門「あなたにしか出来ないこと」 ならやってやろうじゃないか。正直自信があるわけでもないし、何ができるかなんかわからない それでも、ハルヒは俺たちSOS団の大事な団長さまだからな 54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/25(土) 19:36:01.72 ID:VG1B/qYJO 長門「今はまだ涼宮ハルヒの意識が抵抗を続けている」 古泉「涼宮さんが負ければ完全に力をのっとられるわけですね」 長門「そう」 みくる「なら急がないと」 長門「ひとつ問題がある」 キョン「なんだ長門」 長門「あなたが涼宮ハルヒと直接コンタクトを取るには触媒が必要」 キョン「触媒?」 長門「そう。その触媒を通してあなたが涼宮ハルヒの精神世界へ侵入し説得する」 キョン「説得?ハルヒをか?」 長門「人工知能に支配された彼女は自分の持つ力の存在に気付き怯えている。そこを利用されている」 キョン「説得…か。俺の言葉をハルヒが重視したことはないが…」 長門「理屈じゃない。あなたになら出来るとわたしは考える」 キョン「気持ちを伝えることが出来るのが人間だ。…やってやるさ」 55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/25(土) 19:41:04.13 ID:VG1B/qYJO 古泉「それで触媒となるものとはいったい」 長門「それは…」 ドラS1「僕のことだね」 長門「…そう」 古泉「なるほど。確かにそれしかありませんね」 ジャイアン「じゃあ無理じゃねえか、こいつは――」 ドラS1「協力してやるよ」 スネオ「え?」 ドラS1「僕があの女とそいつを繋ぐ触媒になってやると言ってるんだ」 まさかこいつがそんなことを言い出すとは… 56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/25(土) 19:47:02.52 ID:VG1B/qYJO のび太「どうして…」 ドラS1「君に助けられたからだ。借りは返す。それに…」 のび太「それに?」 ドラS1「やっぱり僕たちは人間の役に立ちたいと願う犬型だからだ」 ジャイアン「こいつを信用していいのか?」 スネオ「裏切るつもりかもしれないよ。それに何か企んでいるのかも」 ドラS1「なら好きにすればいいよ。僕はどっちでも構わないから」 古泉「死の危険が高いですよ?」 ドラS1「ひとつだけ約束してくれ」 のび太「なに?」 ドラS1「お前が僕たちの未来を変えると。犬型も猫型も人間と共に暮らせるように」 のび太「必ず約束するよ」 57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/25(土) 19:50:05.66 ID:VG1B/qYJO キョン「話は決まったわけだが…長門、ハルヒは今何処にいる?」 長門「現在彼女の力の一部が解放されこの地球そのものが閉鎖空間で覆われている」 古泉「地球まるごとですか…」 長門「騒ぎが大きくなり表に出るのも時間の問題」 58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/25(土) 19:54:04.16 ID:VG1B/qYJO ドラ「急がないと」 長門「わたしたちの勝率は高いとはいえない」 ジャイアン「そんなの関係ねえ!絶対に助けるぞ!」 キョン「お前ら…一緒に来てくれるのか」 ジャイアン「何故だか絶対に助けたいんだ。力とか関係なくな」 スネオ「きっとその冒険のことを覚えてるんだよ」 長門「想いは消えない…それが絆」 のび太「みんなで行こうよ!」 ドラ「ハルヒちゃんを助けよう!」 しずか「あたしたちとSOS団のみんなで」 みくる「行きましょう長門さん」 古泉「頼りにしてますよ」クスッ キョン「…ああ!ドラS1も頼むぞ」 ドラS1「わかってるよ」 長門「涼宮ハルヒの元へ」 59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/25(土) 19:57:41.50 ID:VG1B/qYJO ハルヒ「…何処だろうここは」 ハルヒ「とっても暗くて冷たい…」 ハルヒ「あたし…自分にこんな力があるなんて知らなかった」 ハルヒ「こんなにも怖い力だなんて知らなかった…」 ハルヒ「こんな力いらない…」 ハルヒ「…怖いよ…一人は嫌だよ…助けて…キョン……」 ハルヒ「………………」 60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/25(土) 20:00:52.75 ID:VG1B/qYJO ハルヒ「来たか」 キョン「ハルヒは返してもらうぞ」 ハルヒ「くつくつくつ…お前のものでもあるまいに」 キョン「なんだと!――長門?」 長門「あれの話を聞く必要はない。涼宮ハルヒは返してもらう」 ハルヒ「くつくつくつ…やってみろ」 そうだ、熱くなることが俺のやるべきことではない 長門…お前には助けられてばかりだな 長門「わたしもあなたに助けてもらった。…何度も」 俺は俺のやるべきことをやる。こいつらを信じて 61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/25(土) 20:05:41.69 ID:VG1B/qYJO 一斉にハルヒめがけて威嚇攻撃を行う ハルヒ「くつくつ…余程この娘が大切なようだな…そら!」 落雷が鳴りジャイアンにスネオ、朝比奈さんに古泉までもが倒れる ハルヒ「しぶとい娘だ。まだ抵抗を続けるとはな」 どうやらハルヒが抵抗を続けてくれているお陰でみな致命傷からはほど遠くて済んだようだ お前も戦っているんだな、ハルヒ… ドラ「このままじゃみんなやられる」 長門「わたしがとめる」 言葉と共に姿を見失ったが長門は既にハルヒに組みついていた 長門「長くは…持たない…早く!」 キョン「行くぞドラS1!」 ドラS1「わかってる!」 62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/25(土) 20:08:05.62 ID:VG1B/qYJO ハルヒ「邪魔だ!!」 長門が崩れ落ちる ハルヒ「次はお前だ!」 稲光が俺をとらえようとしている――くそっ!!届かないのか――ハルヒ――― のび太「ドラS1!!」 俺の代わりに稲光を受けてくれたのはドラS1だった ドラS1「今だ…」 ドラS1を触媒として俺はハルヒに触れる―――― 一瞬意識が遠のく様な感覚に襲われたが…今はっきりと俺の目にうつるのは…ハルヒだ 63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/25(土) 20:13:02.95 ID:VG1B/qYJO ハルヒ「…………」 キョン「ハルヒ!!」 ハルヒ「……キョン?………キョン!!」 ハルヒ「来てくれたのねキョン…」 キョン「ああ…待たせたなハルヒ」 ハルヒ「キョ――何で裸なのよあんた!?ってやだ、あたしも!?」 精神世界が衣服を纏わないって本当なんだな… ハルヒ「ちょっと恥ずかしいからこっち見ないで////」 キョン「恥ずかしがってる場合じゃないんだハルヒ」 64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/25(土) 20:16:05.82 ID:VG1B/qYJO ハルヒ「キョン…ここって」 キョン「ああ、お前が作り出した心の世界…閉鎖空間だ」 ハルヒ「あのときに似てる」 キョン「あれもお前の作り出した世界だったからな」 キョン「もう気付いているだろうが…お前には望んだことを叶える力がある」 キョン「古泉はそれを神の力だと比喩していた」 ハルヒ「………」 キョン「だが、普通の人間には、そんな力が自分にあることを知れば耐えられはしないだろう」 ハルヒ「………」 65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/25(土) 20:18:58.42 ID:VG1B/qYJO ハルヒ「だからあたしには知られないようにキョンやみくるちゃん、有希に古泉くんはあたしを見守ってくれていた」 ハルヒ「…そっか。あたしの我がままにみんながついてきてくれたのはそういうことなんだね…」 キョン「…最初はな。今ならいえる。みんなお前が大切だから自らの意思でお前を守っているって」 ハルヒ「でも…その気持ちもあたしが望んだから…みんなの心を自分の都合の良いように変えちゃったからじゃ…」 キョン「俺は鍵らしい。俺だけがお前に選ばれたと…。だから俺はお前の力に心を変えられたことはない」 67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/25(土) 20:23:02.36 ID:VG1B/qYJO キョン「お前が何度世界を変えちまっても俺が必ず元に戻してやる。何度でもだ」 ハルヒ「でもキョンに迷惑をかけたくない。…あたしさえいなくなれば」 キョン「バカなことを言うな。迷惑なんかじゃないさ」 キョン「好きな女を守ることを迷惑に思う奴なんかいないさ…だから帰ってこい、ハルヒ」 ハルヒ「キョン…」 68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/25(土) 20:26:04.76 ID:VG1B/qYJO ハルヒ「しぶとい」 長門「まだ…わたしは守ると約束した」 ハルヒ「しつこ――!!?」 長門「…彼の勝ち」 ハルヒ「バカな…あいつはただの人間なのに……」 長門「そのただの人間を軽んじた…それがあなたが彼に負けた理由」 ハルヒ「何故だ…わたしは最高の…」 長門「最高の個など有りえはしない」 カチューシャが砕けちり全てが終わった 69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/25(土) 20:31:13.78 ID:VG1B/qYJO ドラS1「どうやら上手くいったようだね…」 のび太「嫌だよ死なないでドラえもん!」 ドラS1「僕をドラえもんと呼んでくれるんだね…ふふふ…僕は死なないよ…ただ停止するだけさ…だから泣かないで…のび太くん」 それがドラS1の最後の言葉だった 70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/25(土) 20:34:05.65 ID:VG1B/qYJO ハルヒ「また…忘れちゃうのね」 長門「あなたを守るため…どうか許してほしい」 ハルヒ「ありがとう有希…あたしは忘れないわよ!何度でも何度でも思い出してみせるわ」 長門「いつものあなたに戻ってくれてわたしは嬉しい」 ハルヒ「有希やみくるちゃんに古泉くんのお陰だよ…それにキョン」 キョン「は、恥ずかしいからあんまりくっつくなよ////」 ハルヒ「なぁに照れてんのよ、このバカキョン////」 古泉「やはりあなたにまかせて正解でしたね」 みくる「とってもかっこいいですよキョン君」 71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/25(土) 20:38:40.19 ID:VG1B/qYJO キョン「助けに来たつもりが逆に助けられちまったな」 ドラ「そんなことないよ。ありがとうキョン君」 キョン「あいつは…可哀想なことをしたな」 のび太「…最後に笑ってくれたんだ…僕はあのドラえもんとの約束を守る為にいっぱい勉強するよ」 しずか「本当にのび太さんがなるのかもしれないわね」 ジャイアン「これが続けばだけどな」 スネオ「のび太じゃねえ…」 のび太「なんだよみんなしてさ」 笑いが起こる。みんなで取り戻した笑顔だ 72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/25(土) 20:40:53.04 ID:VG1B/qYJO 長門の情報操作と共に俺たちは記憶を失いそれぞれの世界へと帰っていった 別れの言葉なんか必要ないさ。確かにあるんだ…ここに ――――――――――――――――――――――――――― キョン「ハルヒ…やるよ」スッ ハルヒ「カチューシャ…あたしに?」 キョン「ああ、無くしちまったんだろ?あとこれも…」スッ ハルヒ「キョン…」クスクス キョン「髪も伸びてきたし似合うと思うぞ…ポニーテール」 ハルヒ「//////」 73 名前: ◆sidjwLpFhI [sage] 投稿日:2009/04/25(土) 20:43:03.54 ID:VG1B/qYJO ドラ「最近よく勉強するようになったね、のび太くん」 のび太「うん。何でかわかんないけど勉強頑張ろうって気持ちになるんだ」 ドラ「うふふふ…この分だと僕の役目もそろそろおしまいかな?」 のび太「いつか…ドラえもんが未来に帰っても安心出来るように頑張るからね、僕」 ドラ「僕たち猫型ロボットにとっては何より嬉しいことだよ」 のび太「犬もいいよね…」 ドラ「そうだね。みんなが仲良く暮らせる世界をのび太くんたちが作っていくんだよ」 のび太「うん!」 おしまい 74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/04/25(土) 20:53:22.69 ID:VG1B/qYJO VIPで延々ひとり旅ワロスwww