ハルヒ「眠れない夜ってのもあるわけじゃない?」 1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/17(金) 04:51:27.33 ID:ybi9NC7q0 キョン「……だからって俺を巻き込むなよ」 ハルヒ「いいじゃない! 起きてたんだし」 キョン「起こされたんだ、お前の電話でな」 キョン「何時だよ今……うわっ、二時とか」 ハルヒ「うふふ、真っ暗ね!」 キョン「声がでかいって。もう少し静かにしろ」 ハルヒ「いちいちうるさいわねー」 キョン「そっくりそのまま返してやるよ」 ハルヒ「ほら、早く降りてきなさいよ」 キョン「……着替えるからちょっと待ってろ」 ハルヒ「五秒以内!」 キョン「だからうるさいって!」 4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/17(金) 04:54:36.65 ID:ybi9NC7q0 キョン「なんでこんな時間に……」ブツブツ キョン「今からなにをするってんだよ」ブツブツ ピリリr キョン「? はい」 ハルヒ「はい。じゃないわよ! 早く出てきなさいってば!」 キョン「あのなぁ、俺はついさっきまで寝てたんだぞ?」 ハルヒ「だからなによ」 キョン「そんないきなり起きて行動できるかと」 ハルヒ「こんな夜中に女の子一人を外で待たせるのってどうなの?」 キョン「いや別に、お前が勝手に」 ハルヒ「寒いのよ、早く早く!」 キョン「……わかったよ。玄関開けてやるから入って待ってろ」 6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/17(金) 04:58:19.34 ID:ybi9NC7q0 ハルヒ「おじゃましまーす」コソコソ キョン「物音立てんなよ、家族が寝て」 ハルヒ「くしゅっ!」 キョン「おまっ」 ハルヒ「あぁ、寒かった」 キョン「寒かった、じゃない。全く……少しは常識的行動をしてくれよ」 ハルヒ「思いついたら即実行! それがあたしの生き方よ!」 キョン「それもそうだな。……って、俺を巻き込むな」 ハルヒ「妹ちゃん寝てる?」 キョン「当たり前にな。だからあんまりうるさくすんなよ」 ハルヒ「うん。ほら、早く準備しなさい」 キョン「……はぁ」 7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/17(金) 05:04:56.38 ID:ybi9NC7q0 ハルヒ「……ちょっとは掃除しなさいよね」 キョン「うるさいな。客が来るってならするよ」 ハルヒ「来てるじゃない」 キョン「夜中にいきなり現れる奴は客とは言わん」 ハルヒ「なんかベッド生暖かい。気持ち悪いわ」モフモフ キョン「今まで寝てたから仕方ないだろ、勝手に寝転がるな」 ハルヒ「そいそいっ!」バタバタ キョン「ばかっ、バタ足すんじゃない! 下に響くだろ!」 ハルヒ「えへへー」 キョン「えへへー、じゃないって……何しに来たんだよほんとに」 ハルヒ「だから言ったじゃない、眠れなかったの」 キョン「だからってウチに来るなよ」 ハルヒ「他の子に電話したりしたら迷惑じゃない。こんな夜中に」 キョン「その常識を俺にも使ってくれ」 10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/17(金) 05:09:02.42 ID:ybi9NC7q0 ハルヒ「夜中に行動するのって、どきどきするじゃない?」 キョン「うん」 ハルヒ「ただあんたの家に来るだけでも、なんかミッションみたいでさ」 キョン「へぇ」 ハルヒ「電話に出なかったら窓に石投げてやろうと思ったわ。5センチくらいの」 キョン「マジでふざけんな」 ハルヒ「もう目は覚めた?」 キョン「残念ながら、覚めちまったよ」 ハルヒ「じゃあおでかけしましょ」 キョン「どこに行くんだよ……こんな時間に」 ハルヒ「どこでもいいわ。いいじゃない、ワクワクするでしょ?」 キョン「小学生みたいなコト言いやがって」 15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/17(金) 05:15:00.90 ID:ybi9NC7q0 キョン「外、どれくらい寒かった?」 ハルヒ「んー……手、貸して」 キョン「?」 ハルヒ「これくらい」キュッ キョン「うわっ、手冷たっ」 ハルヒ「ひえひえよ」 キョン「風邪ひくぞお前、そんな薄着で」 ハルヒ「だって家の中暖かかったからさ……上着貸して?」 キョン「上着? んー……ほら」 ハルヒ「センスないわね」 キョン「帰れ」 ハルヒ「あっ、うそうそ! ほら貸して、貸しなさいっ」 キョン「そらっ」ボフッ ハルヒ「んおっ……投げないでよバカ」 キョン「ちょっと大きいかもしれないけど、文句言うなよ」 ハルヒ「すんすん……変なにおいするわ」クンクン キョン「嗅ぐな。あとしない、断じてしない」 ハルヒ「するわよ! なんていうか……キョンの家の匂いみたいな」クンカクンカ キョン「わけがわからん」 17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/17(金) 05:19:24.45 ID:ybi9NC7q0 ハルヒ「袖のとこ、ほつれてる」 キョン「ん? そうか?」 ハルヒ「ほら」ピロン キョン「ほんとだ。しばらく着てなかったからかな」 ハルヒ「ちょっと、ここ座りなさい」 キョン「?」 ハルヒ「ねぐせ。ものっすごい静電気感じてるみたい」 キョン「あぁ、別にそれぐらい――」 ハルヒ「こーこ。ここ座れって言ってるの」ポフポフ キョン「どんだけ自由なんだよ」 キョン「いててっ、痛いって。ひっぱんな」 ハルヒ「だって白髪が」クシクシ キョン「ねーよ」 ハルヒ「あるもん」 キョン「……ほんとに?」 ハルヒ「うん」 キョン「や、優しく抜いてく……いてっ!」プツン 24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/17(金) 05:23:37.57 ID:ybi9NC7q0 ハルヒ「髪伸びたわね。鬱陶しいから切りなさい」 キョン「金くれ」 ハルヒ「あ、切ってあげようか?」 キョン「遠慮しとくよ。停学になったりしたら大変だ」 ハルヒ「なによそれ!」 キョン「ハルヒはもう、髪伸ばさないのか?」 ハルヒ「ん? あぁ、別に伸ばす気はないわね」 キョン「そうか」 ハルヒ「伸ばしてもいいけど」 キョン「どっちだよ」 ハルヒ「どっちがいい?」 キョン「別にどっちでも」 ハルヒ「どっちかって言うと?」 キョン「……そのままでいいんじゃないか」 ハルヒ「うん。あたしもそう思うわ」 キョン「え?」 ハルヒ「さ! 出発するわよ!」 キョン「だから大声だすなってば」 27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/17(金) 05:27:45.62 ID:ybi9NC7q0 キョン「……静かだな」 ハルヒ「当たり前でしょ、夜中だもん」 キョン「お前の口から当たり前とかがでてくるとは」 キョン「で、どうすんだよ」 ハルヒ「幽霊城でも探す? 天体観測でもする?」 キョン「線路沿いに死体を捜しに行くのもいいな」 ハルヒ「?」 キョン「あれ、知らないか?」 ハルヒ「うん」 キョン「そのうち教えてやるよ」 ハルヒ「今教えなさいよ」 キョン「やだよめんどくさい。ほら、とりあえず歩くぞ。近隣住民の迷惑になる」スタスタ ハルヒ「あっ、こら。待ちなさいよっ」トコトコ 29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/17(金) 05:31:01.78 ID:ybi9NC7q0 キョン「コンビニでも行くか……暖かいもん飲みたい」 ハルヒ「そうだ、缶コーヒー買ってたんだ」 キョン「?」 ハルヒ「いやほら、キョンの目を覚ましてやろうと」 キョン「……気遣い方間違えてるよなぁ」 キョン「ぬるい」 ハルヒ「最初は暖かかったの。文句言うな」 キョン「ぬるいしブラックだし……」ブツブツ ハルヒ「文句言うならあげないわよ!」 キョン「じゃあハルヒ、残り全部飲めな」 ハルヒ「……苦いの嫌いだから遠慮するわ」 キョン「うっわ、子供」 ハルヒ「こっ、子供じゃないわよ! このぐらい……んっ……にがっ」 キョン「苦いって言ってるじゃないか」 ハルヒ「言ってないわよ!」 31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/17(金) 05:36:43.68 ID:ybi9NC7q0 ハルヒ「全然星が見えないわね」 キョン「雲ってるわけじゃないんだけどな……なんでだろ」 ハルヒ「街灯が近くにあるせいかしら?」 キョン「どうだろうな」 ハルヒ「ちょっと」 キョン「あ?」 ハルヒ「手、触れた」 キョン「お前が近くを歩くからだろ。嫌なら離れて歩け」 ハルヒ「暗いもん」 キョン「知るかよ」 ハルヒ「酷い言い方ね! そんなんじゃモテないわよ」 キョン「ご心配なく。俺には朝比奈さんがいるし」 ハルヒ「相手にされると思ってるなんて、相当立派な脳みそが詰まってるのね」 キョン「うっせ」キュッ ハルヒ「あっ、こら。なにどさくさに紛れて繋いでるのよ!」 キョン「予行演習だ。朝比奈さんをイメージしてだな」 ハルヒ「放しなさいよ、はーなーせっ」ブンブン キョン「はは、ちっとは大人しくして朝比奈さんを演じてくれよ。団長さん?」 38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/17(金) 05:45:46.61 ID:ybi9NC7q0 ハルヒ「……ほんとにみくるちゃんのコトが好きなの?」 キョン「ん? まあそりゃ、それが普通の反応じゃないか?」 ハルヒ「なんでよ」 キョン「だってあんなに可愛いんだし」 ハルヒ「ふんっ、違う女の子のコト考えながら手繋いでくるなんて最低ね!」 キョン「デリカシーのない男と、常識のない女。丁度いいじゃないか」 ハルヒ「いいもん。あたしも違う男の子のコト考えてやる」 キョン「ん? 誰だ?」 ハルヒ「えっと……古泉君?」 キョン「疑問形?」 ハルヒ「まあほら、その辺の。少なくとも無愛想で最低なあんただとは思わないもん」 キョン「そりゃどうも。あー、朝比奈さん俺と付き合ってくれないかなぁ」 ハルヒ「けっ!」ギュウウ キョン「痛っ! 爪! めり込んでるって! ごめんなさいごめんなさい!」 42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/17(金) 05:51:28.95 ID:ybi9NC7q0 ハルヒ「そういやあんた、彼女とかできたことないの?」 キョン「なんでそんなこと聞くんだ?」 ハルヒ「え? いや、あの……別に」 キョン「プライベートなことなので、お答えできません」 ハルヒ「なにカッコつけてんのよ」 キョン「別に。言う必要ないだろ」 ハルヒ「ないくせに」 キョン「知るか」 ハルヒ「……ないんでしょ?」 キョン「きにすんなって」 ハルヒ「ちゃ、ちゃんと答えなさいよ!」 キョン「なにをムキになってんだよ。変な奴だな」 ハルヒ「!」 キョン「……今は彼女はいないとだけ、教えといてやる」 ハルヒ「あ……うん、あたしも」 キョン「ハルヒは色んな奴と付き合ってたんだもんなー。大人だな大人」 ハルヒ「べっ、別になにも! なんにもないわよ!」 キョン「だから何を慌ててるんだ」 45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/17(金) 05:56:08.54 ID:ybi9NC7q0 ハルヒ「でもあたしはあんたと違って、付き合えないんじゃないわよ?」 キョン「なんだよ、失礼だな」 ハルヒ「付き合ってくださいって人はいるけど、付き合わないだけ」 キョン「あーはいはい、そーですね」 ハルヒ「なにそれ、嫉妬?」 キョン「別に。お前がそう言うんだからそうなんだろ?」 ハルヒ「あんたは知らないでしょうけど、高校に入学して十五人に告白されたわ」 キョン「マジでか」 ハルヒ「……まあ……正確には二人だけど」 キョン「どんだけサバ読んでるんだよ。って、それでも二人……」 ハルヒ「ふふっ、凄いでしょ」 キョン「物好きもいるもんだな」 ハルヒ「失礼ねっ!」ゴチン キョン「たっ! 頭突きすんなっ!」 ハルヒ「いたたっ……この石頭っ」 55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/17(金) 06:04:57.70 ID:ybi9NC7q0 キョン「いやでも、今のハルヒに告白するってのは事実凄くないか?」 ハルヒ「なにそれ」 キョン「だってほら、入学してから色々と」 ハルヒ「…」 キョン「まあ、可愛かったらなんでもいいのかもな」 ハルヒ「ちょっと、酷くないそれ」 キョン「それだけ目立った行動してるじゃないか。自覚してるだろ?」 ハルヒ「してないもん」 キョン「?」 ハルヒ「あたしはあたしのやりたいようにしてるだけ。変なことなんて、してないわよ」 キョン「……うん。ごめん、言い過ぎた」 ハルヒ「謝らないでよ。別になんとも思ってないわ」 キョン「でもほら、ハルヒが可愛いってのは……皆理解してるってことだ」 ハルヒ「なっ、なによ。やめてよ気持ち悪い」 キョン「いいじゃないか、俺とお前二人だけだし。たまにはその……お世辞っつーか」 ハルヒ「あんたはお世辞にもカッコよくないけどね!」 キョン「お前なぁ」 65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/17(金) 06:18:06.11 ID:ybi9NC7q0 ハルヒ「コンビニ、見えてきた」 キョン「さすがに明るいな」 ハルヒ「変な人いない?」 キョン「いるな」 ハルヒ「やっぱり。夜中だもんね」 キョン「あぁ、しっかりと俺の隣にいる」 ハルヒ「……って、殴るわよ!」 ウィーン ハルヒ「……暇そうね」 キョン「さすがに誰も来ないだろ。こんな平日に」 ハルヒ「読みたい雑誌あったのよねー」トコトコ キョン「俺も漫画読むか……ほんとなにやってんだろうな、こんな時間に」 68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/17(金) 06:23:53.51 ID:ybi9NC7q0 ハルヒ「……この服可愛くない?」 キョン「さぁ」 ハルヒ「これとか」 キョン「いいんじゃないか」 ハルヒ「ちゃんと答なさいよバカキョン」 キョン「ミスったな……今日は別に読みたい雑誌出てる日じゃないな」 ハルヒ「へぇ」 キョン「もっと気の利いた日に誘えよ。月曜日とか」 ハルヒ「知らないわよ」 キョン「あ、これいいんじゃないか。青いやつ」 ハルヒ「……やっぱあんたセンスないわね」 キョン「なっ」 70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/17(金) 06:29:25.05 ID:ybi9NC7q0 ハルヒ「あっいす、あっいすー♪」ゴソゴソ キョン「寒いんじゃなかったのか」 ハルヒ「歩いてたら暖まったわよ。これ食べたい」 キョン「どうぞご自由に」 ハルヒ「…」 キョン「……一個だけな」 ハルヒ「ジュースも」 キョン「それは自分で買え」 キョン「あの店員、なんて言ってた?」 ハルヒ「ありやしたー」 キョン「あざっしたーじゃなかったか」 ハルヒ「うーん……まあ、かろうじて日本語っていうか」 キョン「大変だろうなぁ、こんな夜中まで」 ハルヒ「あっ、あっち公園あるんだった。ほら行くわよ」 72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/17(金) 06:33:35.43 ID:ybi9NC7q0 ハルヒ「これね、ハートの形のが入ってるときがあるのよ?」 キョン「知ってるよ」 ハルヒ「賭けない? 入ってたらあたしの勝ち!」 キョン「なにを賭けるんだよ」 ハルヒ「あたしが勝ったら、またこうやって夜中にデートすること」 キョン「へぇ、デートだったんだこれ」 ハルヒ「! さっ、散歩よ! なに自惚れてんのよバーカ!」 キョン「はいはい。まあ、開けてみろって」 パカ ハルヒ「……ありゃ」 キョン「残念だったな」 ハルヒ「ちぇっ、さすがに三回連続はないか……」 キョン「…」(そういうことか……よかった) ハルヒ「食べる?」 キョン「貰うよ」 73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/17(金) 06:36:27.09 ID:ybi9NC7q0 ハルヒ「口の中で溶かすのが好きなの」 キョン「俺は噛んじゃう派だな」 ハルヒ「邪道よ、邪道」 キョン「そっちこそ」 ハルヒ「キョン何買ったの?」 キョン「ん? ほら。麦チョコ」 ハルヒ「なんで?」 キョン「外で食うと美味いんだよ」 ハルヒ「……?」 キョン「いや、なんでもない」 ハルヒ「あーん」 キョン「あ?」 ハルヒ「これ、一個あげた」 キョン「……ほら」チョイ ハルヒ「むぐ……一個だけ?」 キョン「等価交換だろ。一個だから一個」 ハルヒ「むー、なんか納得いかないわね!」 79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/17(金) 06:43:44.69 ID:ybi9NC7q0 ハルヒ「麦チョコって、なんでこうなったのかしら?」 キョン「だれかが麦とチョコを一緒に食べたかったんだろ」 ハルヒ「変な人ね」 キョン「美味しかったらなんでも正解だ」 ハルヒ「……変なの」 キョン「黙って食え。なにげに俺より食いやがって」 ハルヒ「麦チョコじゃないわよ」 キョン「えっ?」 ハルヒ「夜中の公園に、キョンと二人っきり」 キョン「……確かにな。なにやってるんだろうな」 ハルヒ「明日、起きられるかな?」 キョン「たまには遅刻してもいいんじゃないか」 ハルヒ「……一緒に遅刻する?」 キョン「嫌だね。一人でしてろ」 ハルヒ「! こっ、バカ! バカキョン!」バシバシ キョン「なっ、なんだよ? こらやめろって」 86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/17(金) 06:52:33.59 ID:ybi9NC7q0 ハルヒ「星、ちょっとだけ見えるわね」 キョン「そうだな。ほんのちょっとだけ」 ハルヒ「……数えてみてよ」 キョン「数えられるほど少しじゃないだろ」 ハルヒ「あたし右から数えるから、あんたは左から」 キョン「どっからどこまでが右なんだ?」 ハルヒ「えっと、ここから……」 キョン「わかんないって」 ハルヒ「だーかーら、こっからここまでなの」 キョン「わかんねーよ」 ハルヒ「……もう」 キョン「ちょっとだけさ、静かに眺めてみよう。たまにはな……こういうのもいいだろ」 ハルヒ「……首傾けてもいい? 少しだけ眠くなってきちゃった」 キョン「いいよ」 ハルヒ「…」ポフ 93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/17(金) 07:02:38.46 ID:ybi9NC7q0 ハルヒ「…」 キョン「…」 キョン「……いいもんだな、こういうのも」 ハルヒ「うん」 キョン「だけど頻繁に連れ出さないでくれよ? 俺達は学生なんだから」 ハルヒ「……たまにならいい?」 キョン「起きていれば、な」 ハルヒ「だめ。あんたはあたしが電話したら絶対に起きるの」 キョン「そんなこと言われても」 ハルヒ「起きなきゃ怒るわよ。電話したらすぐ起きて……すぐに傍に寄ってくるの」 キョン「……俺じゃなきゃダメなのか?」 ハルヒ「あんたぐらいしか誘わないわよ。他の子は、可哀想でしょ?」 キョン「それもそうだな。俺なら、こういうのも別に構わないさ」 ハルヒ「……ありがと」 キョン「なんだって?」 ハルヒ「んーん、なんでもないわよ」 98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/17(金) 07:10:34.17 ID:ybi9NC7q0 ハルヒ「明日、もう休んじゃおっかな」 キョン「不良だな」 ハルヒ「こんな時間に外出歩いてる人に言われたくないわよ」 キョン「お互い様ってやつだな」 ハルヒ「ね? 休みましょうよ?」 キョン「なんで俺まで」 ハルヒ「いいじゃない。一日だけ」 キョン「少しだけ、少しだけっていうのが破滅の始まりなんだぞ?」 ハルヒ「むー……」 キョン「だけどまあ」 ハルヒ「?」 キョン「そういうのも、たまーにならいいかもな」 ハルヒ「本当に?」 キョン「だけど起きる努力はするぞ? どうしても起きられなかったら、そうしよう」 ハルヒ「うん、約束ね」 キョン「起きる気ないだろ」 ハルヒ「あるわよ」 キョン「じゃあこうしよう。まず起きたら互いが互いに電話する。それで起こされたほうの命令を聞く」 ハルヒ「……いいわね。あたしが先なら、一緒に出かけるわよ?」 キョン「いいとも。俺は絶対に定時通り起きてやるから」 101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/17(金) 07:15:49.48 ID:ybi9NC7q0 ハルヒ「そろそろ帰ろっか」 キョン「もう満足か?」 ハルヒ「うん。早く帰らないと、親が起きちゃうし」 キョン「送るよ」 キョン「……? どうした、立てよ」 ハルヒ「手をひいて?」 キョン「なんだよ、いい身分だな。よ……っと」グッ ハルヒ「よいしょ!」ギュウ キョン「……なんで抱きついてくる。くるしい」 ハルヒ「あんたが力いっぱい引き寄せるから。あたしのせいじゃないわ」 キョン「放れろよ」 ハルヒ「あんたこそ」 キョン「お前こそ」 ハルヒ「名前で呼んでよ」 キョン「ハルヒ」 ハルヒ「……もっかい」 キョン「……放れないと帰れないぞ。ハルヒ」 ハルヒ「うん。でも、もう少しだけ」 キョン「…」 112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/17(金) 07:24:23.82 ID:ybi9NC7q0 ハルヒ「それじゃ、また明日……じゃないわね」 キョン「またあとで、だな」 ハルヒ「ちゃんと起きなさいよ」 キョン「そっちこそ」 ハルヒ「あ、上着」 キョン「いいよ。また今度で」 ハルヒ「また今度、午前二時の散歩日和にでも?」 キョン「……そうだな」 ハルヒ「うん」 キョン「約束、忘れんなよ。起きたらまず電話」 ハルヒ「掛けた方の命令を聞く」 キョン「そうだ。それじゃ、おやすみハルヒ」 ハルヒ「おやすみキョン。いい夢見なさいね」 キョン「見る間もなく熟睡だろうよ……ふぁっ」 113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/17(金) 07:29:30.54 ID:ybi9NC7q0 キョン「…」 キョン「……くかー……」 ピリリr キョン「……ん……! し、しまった!」 キョン「はい、もしもし?」 谷口「おいキョン、なにやってんだ。寝坊か?」 キョン「……なんだ谷口か」 谷口「なんだってなんだよ。マジで寝てたのか」 キョン「あぁ、昨日ちょっとな……もう九時かよ」 谷口「涼宮も来てないし、お前らまたあの変な部活でなにかしてたのかよ?」 キョン「んー……近いな」 谷口「だめだ、こいつ完全に寝起きだ」 キョン「まあいい。とりあえず起こしてくれてありがとう」 谷口「そうそう、国木田がお前が貸してくれって言ってたCD持ってきてるってさ」 キョン「あぁ、あれな。あー……うんうん、わかった」 ピッ キョン「……ねむっ……」 キョン「ハルヒも来てないって言ってたな……うしっ」 116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/17(金) 07:36:04.26 ID:ybi9NC7q0 ピリリr…… ハルヒ「……ふぁい?」 キョン「ふぁい? じゃない。何時だと思ってるんだ」 ハルヒ「何時って……!」 キョン「早く出てこいよ。外で待ってるんだから」 ハルヒ「え? 外……あ!」 キョン「おーおー、凄い頭してるな。寝癖かそれ?」 ハルヒ「!!! みっ、見てるんじゃないわよ!」 キョン「なんでもいいけど、約束は約束だからな」 ハルヒ「?」 キョン「電話を掛けたほうの命令を聞くって。忘れたわけじゃないだろうな」 ハルヒ「……し、知らないわね」 キョン「通用しねーよ。いいか、命令するぞ」 ハルヒ「なっ、なによ!?」 キョン「今から五分で降りて来い。いや、十分待ってやる」 ハルヒ「?」 キョン「丁度観たい映画があったんだ。それ以上は待たないからな」 ハルヒ「……あっ、あたしに命令なんてしてるんじゃないわよ! すぐ行くから待ってなさいっ!」 117 名前:ハルヒはキョンの嫁 ◆UBgxfb/oXY [] 投稿日:2009/04/17(金) 07:36:51.95 ID:ybi9NC7q0 おやすみ。 またそのうち。 186 名前:ハルヒはキョンの嫁 ◆UBgxfb/oXY [] 投稿日:2009/04/17(金) 16:49:47.16 ID:GwbB77390 ttp://www.vipss.net/haruhi/1225382171.html はっじまっるよー 190 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/17(金) 16:53:46.59 ID:GwbB77390 キョン「今日の? 夜中?」 ハルヒ「うん」 キョン「そりゃまあ、寝てるとしか言いようがないけど……」 ハルヒ「あっ……そ、そうだよね」 キョン「なにかあるのか?」 ハルヒ「うん、あのね……散歩したいなって」 キョン「散歩? 夜中に?」 ハルヒ「そういう時間に、起きてるコト少ないし……外に出たことないから」 キョン「へぇ、そうか。そうだよな、ハルヒは二十一時には寝てそうだし」 ハルヒ「ねっ、寝てないよ! もう少し遅くまで起きてるもん。メールしてるでしょ?」 キョン「まあそれはそれとして……散歩ねぇ」 ハルヒ「…」 192 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/17(金) 16:58:56.24 ID:GwbB77390 キョン「起きてろっていうなら、起きててやるけどさ」 ハルヒ「ん?」 キョン「他の奴はどうか知らないぞ。朝比奈さんとか絶対に二十時には寝てると思う」 ハルヒ「あ……う、うん。そうだね」 キョン「一応聞いてみるか」 ハルヒ「……うん」 キョン「それに今日いきなり夜中に集合って言っても、集まりは悪いと思うよ」 ハルヒ「…」 キョン「だから、まあ……なんていうか」 ハルヒ「?」 キョン「俺だけでいいなら……俺はいつでも付き合ってやれるけど」 ハルヒ「……いいかな」 キョン「仕方なし、だけどな。うん。ハルヒが頼むのなら、しょうがない」 ハルヒ「ふふっ、ありがとう。じゃあまた、夜に電話するね」 195 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/17(金) 17:07:27.96 ID:GwbB77390 キョン「……いまだに信じられないよな」 古泉「なにがですか?」 キョン「いやだから、あいつに妙な力があるってのが……うおっ!?」 古泉「いいですねぇ、夜中のデートですか。まあその、問題を起こさない程度にお願いできれば」 キョン「お前は……いつからそこに居た?」 古泉「初めから居ましたよ」 キョン「人の話を盗み聞きするとは、爽やかに見えて結構黒いトコあるのな」 古泉「たまたま通りがかったら、たまたま話が聞こえてきたというニュアンスで捉えてもらえれば」 キョン「うるせぇ」 古泉「それはそうと、別に僕も夜中起きていることは可能ですが?」 キョン「うっ……そ、そうか」 古泉「でも今夜は冷えそうですからね。何も聞かなかったことにして、家で寝ることにします」 キョン「……よくわからん奴だ。お前って男は」 古泉「青春を謳歌するのはいいですが、日のあたらない所には危険が沢山あります」 キョン「?」 古泉「できれば僕に、快適な睡眠時間を提供していただきたいですね。夜中に仕事をするのは結構疲れるんですよ」 キョン「……わかったよ。まかせとけ」 196 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/17(金) 17:13:03.96 ID:GwbB77390 キョン「まったく……ハルヒのこととなると、あいつもすぐに口を出してくるな」 朝比奈「お仕事ですから、仕方ないですよ」 キョン「それもそうか……あぁ、またここに一人」 朝比奈「あたしは二十時になんて寝ませんよ?」 キョン「はい、すいません」 朝比奈「いいなぁ、夜中のお散歩なんて楽しそうです」 キョン「なら一緒に行きますか?」 朝比奈「本気で言ってます? 私、付いていっちゃいますよ?」 キョン「……お任せします」 朝比奈「今日は観たいTVがあるんです。なので、私も聞いてないことにします」 キョン「この時代のTVですか?」 朝比奈「未来のアニメは規制が……! きっ、禁則事項です♪」 キョン「…」 朝比奈「はい。このマフラー貸してあげますね。風邪をひかないように」ポフ キョン「あぁ、どうも」 199 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/17(金) 17:28:06.12 ID:GwbB77390 キョン「優しいなぁ……朝比奈さんはさすがだ」 キョン「…」 キョン「そうだ、ポケットに甘いガムが」 キョン「…」 キョン「鞄の中にはブラックサ○ダーがあったな」ゴソゴソ 長門「!」ヒョコ 朝倉「あっ、こら! 長門さん!」 キョン「ほし、そこの二人ちょっとこい」 長門「…」モグモグ キョン「なんでこう、お前らは盗み聞きが好きなんだ」 朝倉「盗み聞きなんかじゃないわよ。たまたま聞こえてきただけ」 キョン「わかってると思うが……監視するとか、やめてくれよ?」 朝倉「ふふっ、なにか見られたらマズイことでも?」 キョン「どんなときでも誰かに見られてるってのは、嫌なもんだろ」 朝倉「涼宮さんは別? あの子、授業中も結構あなたのコト見てるわよ」 キョン「……長門、何個欲しい?」 長門「十個が相場」 キョン「十五個やる」 長門「私と朝倉さんは、今夜一切の盗聴監視その類の能力の使用を禁止する」 朝倉「あっ、キョン君の卑怯者!」 203 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/17(金) 17:38:39.49 ID:GwbB77390 ――――― キョン「出てこれるか? ちょうどほら、ハルヒの家の曲がり角んトコ居るけど?」 ハルヒ「うん。ちょっとだけ待っててね」 キョン「そこそこ寒いから、暖かい服装して出てこいよ」 ハルヒ「……おまたせ」 キョン「はい、今晩はいい天気ですね」 ハルヒ「え? あ、う、うん。そうですね。って、なんで敬語?」 キョン「まさかほんとにハルヒが起きてるとはな。もう二時だぞ?」 ハルヒ「起きてるよ。夕方、少しだけ寝たしね」 キョン「眠くないか?」 ハルヒ「うん。大丈夫」 キョン「そっか。それじゃ、適当にうろついてみるかね」 ハルヒ「はい。よろしくおねがいします」 キョン「こちらこそ」 206 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/17(金) 17:53:32.60 ID:GwbB77390 キョン「ドコに行きたいんだ?」 ハルヒ「うーん……ドコでもいいよ」 キョン「どこでもか……って言っても、どこもかしこもみんな閉まっちゃってるけどな」 ハルヒ「ふふ、そうだね」 キョン「一度もこの時間に外に出たことないのか?」 ハルヒ「ないよ。だって、用がないもん」 キョン「それもそうか」 ハルヒ「キョンは?」 キョン「そりゃあるよ。夏休みとか、暇だろ?」 ハルヒ「あー、悪い子だ」 キョン「うるさいな。ハルヒだって今そうじゃないか」 ハルヒ「あたしはほら、散歩だから」 キョン「関係ないさ。未成年は夜中は寝る、それが常識」 ハルヒ「……なんだかドキドキするね。キョンが傍に居ないと、すれ違う人も怖く見えちゃう」 キョン「おもいっきり走っていいか?」 ハルヒ「だっ、だめ!」 210 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/17(金) 17:57:45.98 ID:GwbB77390 キョン「って言っても、誰もすれ違わないな」 ハルヒ「……みんな寝てるのかな」 キョン「だろうな」 キョン「あ、誰か来た」 ハルヒ「!」 キョン「放れていいか?」 ハルヒ「だめ。キョン君逃げそうだから……」ギュ キョン「逃げるわけないだろ……」 ハルヒ「…」 キョン「……ほら、別になにもない。ただの通行人さ」 ハルヒ「はー、緊張しちゃった」 キョン「臆病だなぁ」 ハルヒ「……このまま、手つないだままでいい?」 キョン「あぁ、そうしよう。迷子になられても探せないかもしれないしな」 229 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/17(金) 18:55:11.79 ID:GwbB77390 キョン「寒くないか?」 ハルヒ「うん。大丈夫」 キョン「眠くなったら言えよ。送るから」 ハルヒ「子供じゃないから大丈夫だよ」 キョン「どうかな」 ハルヒ「大丈夫、だいじょ……ふあっ」 キョン「ほら、あくびしてるじゃん」 ハルヒ「し、してないよ? してないしてない」 キョン「したよ。口でっかくあけてさ?」 ハルヒ「してませんー」 キョン「まったくハルヒは……くあっ……」 ハルヒ「キョン君もだ」 キョン「俺のこれは、アレだ。脳の背伸び」 ハルヒ「ふふっ、よくわかんない」 キョン「お互い様さ」 231 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/17(金) 19:10:48.80 ID:GwbB77390 キョン「道が二つになってるな」 ハルヒ「……こっち」 キョン「あれ、俺はこっちかと」 ハルヒ「じゃんけんで決めよっか」 キョン「いいぞ」 ハルヒ「じゃーんけーん……ほいっ」 キョン「ほら俺の勝ち」 ハルヒ「あーあ……負けちゃった」 キョン「ハルヒはさ、じゃんけんすると絶対チョキだすよな」 ハルヒ「え? そうなの?」 キョン「おう」 ハルヒ「ちょっと、卑怯だよそれ。もっかい、もーいっかい」 キョン「嫌だね。次から気をつけな。ほら、行くぞー」 234 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/17(金) 19:16:24.26 ID:GwbB77390 キョン「あれ、こんなところにコンビニあったっけ」 ハルヒ「最近出来たんだよ」 キョン「へぇ、そうなんだ」 キョン「……そっか、今日は読んでる雑誌の発売日だった」 ハルヒ「どれ?」 キョン「ほら、これだよ」 ハルヒ「あー知ってる」 キョン「ちょっと読んでてもいいか?」 ハルヒ「うん」 キョン「…」 ハルヒ「……ココ行ってみたいな」 キョン「ん?」 ハルヒ「ほら。観覧車があるんだって」 キョン「へぇ……結構近いな。休みの日にでも行ってみるか」 ハルヒ「うん!」 236 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/17(金) 19:28:07.71 ID:GwbB77390 キョン「なに買おうかな……あぁ、これいいな」 ハルヒ「麦チョコ?」 キョン「なんか食べたくなったんだ」 ハルヒ「おいしいよね」 キョン「ハルヒはなにか欲しいのあるか?」 ハルヒ「えっと……」 キョン「麦チョコとアイス」 ハルヒ「ジュースにグミに……遠足みたいだね」 キョン「夜空のピクニックか。なんか似た名前の本があったような」 ハルヒ「読んだことあるよ。学校の行事で長い道を皆で歩くの」 キョン「へぇ、そうなんだ? 状況は全然違うんだな」 ハルヒ「……でも、あたしは今日のこれのほうが楽しいな」 キョン「そうかもな」 243 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/17(金) 20:08:57.53 ID:GwbB77390 キョン「河原にベンチがある所があったっけ」 ハルヒ「えっと……あっちかな」 キョン「そこを目的地にしよう。そこで休んで、散歩終わり」 ハルヒ「車は走ってるね」 キョン「たとえ夜中でも、行動する人はするさ」 ハルヒ「…」 キョン「車の免許ってのもいいかもな」 ハルヒ「夜中のドライブ?」 キョン「楽しそうじゃないか?」 ハルヒ「そのときは呼んでね。あたしも付き合うよ」 キョン「そうだな。一番最初に誘ってやるさ」 274 名前:ハルヒはキョンの嫁 ◆UBgxfb/oXY [] 投稿日:2009/04/17(金) 22:38:04.36 ID:GwbB77390 キョン「ハルヒと歩いてるときはさ」 ハルヒ「うん?」 キョン「空がいつも晴れてる気がするな」 ハルヒ「そう……かな」 キョン「雲一つみえないじゃないか」 ハルヒ「うん……そうかも」 キョン「さすがだ」 ハルヒ「?」 キョン「晴れろって思えば、晴れるもんなんだよ」 ハルヒ「ほんとに?」 キョン「あぁ」 ハルヒ「なら……そうなのかもね」 キョン「そうだな」 275 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/17(金) 22:40:29.98 ID:GwbB77390 キョン「あった。ほら、ベンチ」 ハルヒ「ほんとだ」 キョン「ほら、座れって」 ハルヒ「キョン君も」 キョン「もちろん」 ハルヒ「アイス、ちょっと溶けちゃったかな」 キョン「こいつは溶けかけが美味いんだよ。もっちりしてて」 ハルヒ「一個ずつ?」 キョン「なんだよ、二個とも食べたいのか?」 ハルヒ「そっ、そんなことないよ!」 キョン「じゃあ俺が二個とも貰うよ」 ハルヒ「あっ、こら。キョン君の欲張りー」 278 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/17(金) 22:49:37.21 ID:GwbB77390 ハルヒ「指についちゃった」ペロッ キョン「なんだよ、行儀悪いな」 ハルヒ「だってクリームが」 キョン「ほっぺにも、付いてる」スッ ハルヒ「……ほんとだ」 キョン「どうですか、真夜中のお散歩は?」 ハルヒ「どきどきして、ワクワクして……上機嫌です」 キョン「そいつはよかった」 ハルヒ「歩いてると少しだけ暑くなっちゃった」 キョン「俺も。もうマフラー外そうかな」 ハルヒ「あ、じゃあこっち向いて?」 キョン「?」 ハルヒ「お召し物をお預かりしますよ?」スルッ キョン「なにやってんだよ……うん、ありがとう」 280 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/17(金) 22:52:49.70 ID:GwbB77390 ハルヒ「……水面が光ってるね」 キョン「同じ数だけ、空にも浮かんでるよ」 ハルヒ「ほんとかな? 数え切れないからわからないかも」 キョン「こうして水の上で光ってる星のなかにさ」 ハルヒ「?」 キョン「いくつか偽物があったとしても……わかんねーよな」 ハルヒ「うん」 キョン「もしかすると、浮かんでる星も全て偽りなのかも」 ハルヒ「……それを見てる、あたしとキョン君は?」 キョン「互いが互いを本物だと思ってるなら、本物なんだろうよ」 ハルヒ「よかった。じゃあ本物だ」 キョン「おう」 282 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/17(金) 22:58:00.62 ID:GwbB77390 キョン「一時間以上もウロウロしてたんだな」 ハルヒ「眠くない?」 キョン「どうだろ……少しだけ眠いかな」 ハルヒ「ごめんね。あたしのわがままで」 キョン「俺も楽しんでるから、大丈夫さ」 ハルヒ「眠る?」 キョン「ここで?」 ハルヒ「……膝枕、してあげよっか」 キョン「…」 ハルヒ「お礼」ポンポンッ キョン「よ……っと。重くないか?」 ハルヒ「うん、大丈夫。首、痛くない?」 キョン「もちろん。いい枕だな、ここは」 287 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/17(金) 23:19:15.41 ID:GwbB77390 キョン「……ほんとに眠っちゃいそうだ」 ハルヒ「いいよ、寝てても」 キョン「そういうわけにもいかないな」 ハルヒ「? なんで?」 キョン「せっかくハルヒと一緒なんだ。話してたいってこと……かな」 ハルヒ「……かっ、顔見ながら言わないでよ、もぅ……うん」 キョン「ハルヒ、綺麗な目してるよな」 ハルヒ「そう? でも、キョン君も」スッ キョン「……しっかり写ってるな。ハルヒの瞳の中に、俺が居る」 ハルヒ「キョン君の目にも、あたしが居るね」 キョン「覚えとくといいさ、俺にはハルヒはこうやって写ってるんだ」 ハルヒ「……一緒」 キョン「…」 288 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/17(金) 23:23:24.67 ID:GwbB77390 キョン「よいしょ、ありがとう」 ハルヒ「? もういいの?」 キョン「交代しよう。今度はハルヒの番だ」 ハルヒ「あ……でも」 キョン「なんだよ、いいじゃないか。俺も膝枕、してみたいし」 ハルヒ「膝枕じゃなくてもいい?」 キョン「ん? なにがいいんだ?」 ハルヒ「膝枕じゃ、少しだけ遠いから……肩」 キョン「ほら、寄っといで」クッ ハルヒ「失礼しますっ」 キョン「……ほっぺ冷えてるじゃん。寒いか?」 ハルヒ「ううん、暖かい。寒くないよ」 キョン「そっか」 290 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/17(金) 23:29:11.53 ID:GwbB77390 ハルヒ「なんだかツキナミだけどさ」 キョン「うん」 ハルヒ「こんな時間にこんなところでこうしてると……」 キョン「…」 ハルヒ「ほんとうにこの世界に、あたしとキョン君だけになっちゃってるみたい」 キョン「そのほうがいいか?」 ハルヒ「うーん……どうだろ」 キョン「ハルヒがそれでいいなら、いいのかもしれないぞ?」 ハルヒ「……ちょっとだけ、嫌かな」 キョン「そっか」 ハルヒ「こうやってたまに一緒に居られるから、その時間を大切に思えてくるかなって」 キョン「そのわりには、結構頻繁に傍に居る気がするけどなぁ」 ハルヒ「えっとね、気のせい?」 キョン「うそつけ」 296 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/17(金) 23:44:37.41 ID:GwbB77390 キョン「こうして宇宙を見上げてると、宇宙人ってのもどこかにいるのかもしれないって思えるな」 ハルヒ「うん。あたしはちゃんと居ると思うよ、宇宙人」 キョン「……ハルヒはそういうの大好きだもんな」 ハルヒ「最近、こう考えるんだ」 キョン「?」 ハルヒ「宇宙のどこかに、あたしたちと全く同じことをしている星があるの」 キョン「同じ星?」 ハルヒ「そこはね、あたしができなかったことを……選ばなかった選択肢を選んだりするの」 キョン「平行世界って、ことかな」 ハルヒ「その世界のあたしは蒼茫なんかじゃなくて、いつも忙しそうになにかを探してるんだ」 キョン「…」 ハルヒ「ちゃんとキョン君や有希ちゃん達も居て……」 キョン「今のハルヒとは、全く違うハルヒの世界なわけだな」 ハルヒ「……そこでも、キョン君はあたしの傍に居てくれてるかな?」 キョン「もちろんいるさ。俺はハルヒがどうなろうと、ハルヒの隣に居るはずだ」 ハルヒ「……そうだね。あたしもなんか……居てくれる、気がする」 298 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/17(金) 23:53:05.16 ID:GwbB77390 キョン「そろそろ帰ろうか。疲れただろ?」 ハルヒ「うん……まぶたが重くなってきた」 キョン「帰られるだけの体力は残ってるのか?」 ハルヒ「んー、頑張ってみます」 キョン「おーおー、頼もしいなぁ」 キョン「帰る前に、アレやってみるか」 ハルヒ「?」 キョン「いやほら、明日も天気がいい日になるようにだ」 ハルヒ「あ、うん。そうだね」 キョン「俺とハルヒで願うと、なんでも叶っちゃうもんな」 ハルヒ「……キョン君から」 キョン「いいよ」 ハルヒ「明日も一日、幸せでいられますように……ん」 299 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/17(金) 23:57:42.08 ID:GwbB77390 朝倉「あーあ、つまんないわね」 長門「?」 朝倉「今頃あの二人、あーんなことやこーんなことを……」 長門「…」モッシャモッシャ 朝倉「あっ! 私の分まで食べたわね? バターサンド……もぅ、あんまり買ってないのに」 長門「美味」ポロポロ 朝倉「食べてから喋りなさい。零してる零してる」フキフキ 長門「…」 朝倉「ほんとに、幸せそうな二人よね」 長門「…」コク 朝倉「とてつもない力を持ってる涼宮さんも……キョン君のおかげでそれを抑えられてる」 長門「?」 朝倉「一人で願うより、二人で願うほうが叶う気がするでしょ?」 長門「……あなたも願うべき」 朝倉「? なにを」 長門「シュークリームのクリームが、パンパンにつまることを」 朝倉「それ以上食べたら口を縫合するわよ。んもう、寝なさい」 300 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/04/18(土) 00:02:15.70 ID:6zVnevdv0 キョン「うし、到着」 ハルヒ「んー……」 キョン「おーい、起きてるか?」 ハルヒ「んん……うん」 キョン「また明日な」 ハルヒ「昼過ぎまで寝てるかも……ふぁっ」 キョン「休日だし、それでもいいんじゃないか?」 ハルヒ「でも、ほら……うーん、頭回らないや」 キョン「また起きたら電話するよ、なければしてくればいい。映画でも見に行こう」 ハルヒ「うん。お願いしたから、いい天気になってると思うしね」 キョン「それじゃ、またあとで。おやすみハルヒ」 ハルヒ「最後に……ぎゅーっ……ん。バイバイ、キョン君。おやすみなさい」 301 名前:ハルヒはキョンの嫁 ◆UBgxfb/oXY [] 投稿日:2009/04/18(土) 00:03:21.34 ID:6zVnevdv0 計画性のあるカップルと 計画性のないカップル。どっちにしろ、この二人ならどちらもいい感じだろうなぁ。 それじゃ、またそのうちに。 ノシ