ハルヒ「キョン。夏だし旅に出るわよ」 1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/19(木) 19:34:07.67 ID:dB93eUS20 ハルヒ「キョン。夏だし旅に出るわよ」 キョン「え?」 ハルヒ「だから、旅に出るって言ってんの。アンダースタン?」 キョン「理解できんな」 ハルヒ「そこは英語で返すとこでしょ?」 キョン「お前、結局なにが言いたいんだよ」 ハルヒ「何度も言ってるじゃない。旅に出るって」 キョン「やれやれ」 3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/19(木) 19:36:00.30 ID:dB93eUS20 キョン「具体的なことを説明してくれ」 ハルヒ「だから、旅に出るのよ」 キョン「それは十分わかったから。まず、どこに行くんだ?」 ハルヒ「さあ? どっか」 キョン「……あっそ。誰とで行くんだ? SOS団でか?」 ハルヒ「うーん。それもいいんだけどね。今回はあたしとあんたの二人」 キョン「それはまずいだろう。色々と」 ハルヒ「なんで? まさか、あたしと同衾する未来を想像して言ってんの?」 キョン「お前の想像力の頼もしさには感服するよ」 4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/19(木) 19:37:46.30 ID:dB93eUS20 キョン「じゃあさ、いつ出発するんだ?」 ハルヒ「明日」 キョン「明日は平日だぞ。学校は当然のようにある」 ハルヒ「サボればいいじゃない」 キョン「そういうのは堂々と言うもんじゃないだろ」 ハルヒ「一日くらいサボっても死にはしないわ」 キョン「そらな。極論だが」 ハルヒ「どうせ、残りテスト返しだけよ。夏休みまであとちょっと。フライングしても大丈夫」 キョン「その大丈夫といえる自信がどこからくるのか是非とも知りたい」 ハルヒ「あたしという人間そのものから」 キョン「すっげえ納得した」 7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/19(木) 19:39:18.02 ID:dB93eUS20 ハルヒ「決まりねっ。遅刻したら耳の穴にマヨネーズをぶちゅってするわ」 キョン「いっそ死刑と言って欲しかった」 次の日 ハルヒ「おっそい! なんでいつもあんたは遅れるのよ」 キョン「お前な、今何時だと思ってんだ。朝の六時じゃないか」 ハルヒ「言い訳すんな。じゃあ、はい。こっち向けなさい」 キョン「なにを?」 ハルヒ「耳」 8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/19(木) 19:40:19.72 ID:dB93eUS20 キョン「なぜ?」 ハルヒ「マヨネーズをぶちゅりと」 キョン「……本気で言ってるのか?」 ハルヒ「あたしが今まで本気で言わなかったことある?」 キョン「ないな」 ハルヒ「でしょ。観念しなさい」 キョン「まあ、落ち着け。そういうのはおいおいとだな」 ハルヒ「逃げるつもり?」 キョン「当たり前だ。どこにマヨネーズを挿入されて喜ぶ奴がいる」 ハルヒ「古泉くん」 11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/19(木) 19:41:26.66 ID:dB93eUS20 キョン「マジか?」 ハルヒ「嘘よ」 キョン「しれっと言うなっつうの」 ハルヒ「というかね、マヨなんてどうでもいいの。さっさと電車に乗るわよ」 キョン「ゴーマイウェイだな、ほんと」 電車の中 キョン「そろそろどこに行くか教えてくれてもいいんじゃないか」 ハルヒ「ん? そんなのないわよ」 キョン「文字通り、見切り発車だな」 12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/19(木) 19:42:34.65 ID:dB93eUS20 ハルヒ「取り敢えずさ、鈍行でどこまで行けるか知りたいのよ」 キョン「そんなの日本に決まってるじゃねえか」 ハルヒ「……あんた、ロマンってものがないのね。雰囲気ぶち壊しよ」 キョン「リアリストと言ってくれ」 ハルヒ「偉い人は言いました。『ロマンティックはとめられない』と」 キョン「CCBな」 ハルヒ「だから、あたしたちもその格言に習って行動するべきなのよ」 キョン「人はそれを無謀という」 ハルヒ「でもなにもしないよりはマシじゃない?」 キョン「まあ、状況によりけりだ」 13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/19(木) 19:43:38.69 ID:dB93eUS20 キョン「というか、今更なんだがなんで俺たちだけなんだ? 長門は? 朝比奈さんは? 古泉は?」 ハルヒ「普通に考えてみなさいよ。勉学の邪魔しちゃ悪いじゃない」 キョン「そのいたわりの気持ちを俺にも恵んでくれ」 ハルヒ「信頼の裏返しよ」 キョン「それってかっこいいこと言ってるかもしれないが、そうでもないんだよな」 ハルヒ「裏返していいのはオセロだけね」 キョン「その台詞。今度古泉にでも言ってやれ」 15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/19(木) 19:44:39.92 ID:dB93eUS20 ガタンゴトン ハルヒ「そろそろ一時間目が終わる頃ね。テストの点数どうだったかしら」 キョン「気にするくらいなら、真面目に出席すればいいものを」 ハルヒ「わかってないわね。こういう状況で考えるから味があるのよ」 キョン「俺の答案はきっと味がねえよ」 ハルヒ「……暇ね」 キョン「やっと気付いたか」 ハルヒ「なんかしよっか。しりとりでもする?」 キョン「定番だな」 16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/19(木) 19:45:57.70 ID:dB93eUS20 ハルヒ「でも、あたしのおしりとっちゃダメよ?」 キョン「取らねえよ。発想が小学生すぎる」 ハルヒ「そうね。それに古泉くんは洒落にならないもの」 キョン「そろそろ古泉をオチに持ってくるのやめないか。変なキャラが立っちまう」 ハルヒ「それは仕方ないわ。だって古泉くんだもの」 キョン「まあな。古泉だし」 18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/19(木) 19:47:32.65 ID:dB93eUS20 ハルヒ「えっと、から揚げ」 キョン「ゲルろ過クロマトグラフィー」 ハルヒ「なにそれ。い、でいいの?」 キョン「なんでもいいさ」 ハルヒ「入り卵」 キョン「ゴルトシュミット法」 ハルヒ「だからなにそれ。あー、うこっけい」 キョン「インダクタンス」 ハルヒ「……砂肝」 キョン「お前さっきからニワトリ関連ばっかだな」 ハルヒ「っ! あんたも似たようなもんじゃない!」 20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/19(木) 19:48:59.38 ID:dB93eUS20 ハルヒ「お腹すいたわ」 キョン「またそう短絡的に言い出す」 ハルヒ「どっかで駅弁買わなきゃ」 キョン「売ってるか? まだそういう路線じゃないと思うが」 ハルヒ「別にご当地限定とかじゃなくていいのよ。気分を味わいたいだけだから」 キョン「じゃあどうするんだ」 ハルヒ「次の駅で降りて、ダッシュで売店に飛びつくのよ。ホームに一つくらいあるでしょ」 キョン「あるとは思うが、間に合うのか? 扉に挟まるというのはなしだぞ」 22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/19(木) 19:50:05.12 ID:dB93eUS20 ハルヒ「その時は、キョン助けてー、って泣き叫ぶから」 キョン「全力で他人の振りをさせてもらおう」 ハルヒ「バケツリレーの要領ね」 キョン「どこをどうやって」 ハルヒ「ばーっとやって、しゅば! そんな感じ」 キョン「つくづくお前の感性にはついていけないと思うよ」 ばーっ、しゅば! ハルヒ「ほらね。簡単よ」 キョン「俺の出番なかったな」 23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/19(木) 19:51:40.61 ID:dB93eUS20 ハルヒ「普通なんだけど、美味しいわね」 キョン「わかる。遠足で弁当食うのと一緒だ」 ハルヒ「それって比喩として成立してるの?」 キョン「そういうとこに突っ込むのな。まあ、一応言い分を聞こう」 ハルヒ「遠足も旅行も同じでしょ。ただ場面を変えただけじゃない」 キョン「言わんとすることはおぼろげにわかるが。そこまで拘泥するとこ?」 ハルヒ「そこまでではないわ」 キョン「だろ」 ハルヒ「要は美味しければいいのよ」 キョン「まったくだ」 26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/19(木) 19:52:50.24 ID:dB93eUS20 下車 ハルヒ「んー、着いたっ!」 キョン「ここが目的地か? 別に終点でもなんでもないぞ」 ハルヒ「興ざめなことを言うのやめたら? もてないわよ」 キョン「ほっとけ」 ハルヒ「最初からどこでもいいのよ。あたしのインスピレーションの赴くまま」 キョン「それが一番危険なんだよ」 キョン「で、これからどうすんだ?」 ハルヒ「わかんないわ」 キョン「だと思った」 28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/19(木) 19:54:01.94 ID:dB93eUS20 ハルヒ「取り敢えず、歩きましょ。なんか見つかるわ」 キョン「俺的にはなにも見つけてほしくない」 てくてく ハルヒ「田舎ね」 キョン「田舎だな」 ハルヒ「セミが五月蝿いわ。ばんばん鳴いてる」 キョン「どうでもいいが、セミって潰すと中からシーチキンが出てくるんだよ」 ハルヒ「は? どういうこと?」 キョン「ちっとばかし猟奇的でグロいぞ?」 ハルヒ「そういう物言いは反則だと思うわ。続けなさい」 29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/19(木) 19:55:16.88 ID:dB93eUS20 キョン「これは幼い頃の淡き思い出の一つなんだがな、当時小学生の俺はセミを手で捕まえられるほど勇者だったんだ」 ハルヒ「あー、あたしも昔よく素手で捕まえたわ」 キョン「でな、捕まえたそれを踏み潰すんだ」 ハルヒ「それは……、つまり、プレスってことかしら」 キョン「もろその意味だ。潰すと、にゅるって中から内臓と思しきものが出てくるんだよ。それがシーチキンにそっくりで」 ハルヒ「あんた、最低としかいいようがないわ。残酷。残忍。残虐」 キョン「まあ、そう言われるわな。なぜ俺もそんなことをしていたのかわからん」 ハルヒ「無駄な殺生はしちゃいけないってさんざ言われたはずよ」 31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/19(木) 19:56:45.37 ID:dB93eUS20 キョン「小学生にはそれがわからないんだよ。なんせ自分で見たものしか現実と受け止めないんだからな」 ハルヒ「無邪気、というのかしら。邪気がないってのも厄介だわ」 キョン「そう考えると、今の小学生って恐いよな。よく言うじゃないか。ゲーム脳って」 ハルヒ「それは似非評論家が面白おかしく作り上げた言葉でしょ。マスコミがはやし立ててるだけ」 キョン「ん? やけにきつい言い方するんだな」 ハルヒ「あたしね、日本最大の悪の温床はマスコミだと思うのよ」 キョン「また変なもんに影響されやがって」 ハルヒ「その影響の発信源もマスコミなんだから、どうかと思うのだけどね」 キョン「ま、聞かせろよ。おまえの反マスコミ意識とやらを」 33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/19(木) 19:57:50.03 ID:dB93eUS20 ハルヒ「マスコミはね、重要なことよりも面白いことを優先するのよ」 キョン「ほう」 ハルヒ「取り敢えず世間を騒がしとけばいい、てな魂胆が見え見え。情報の真偽なんて気にしてないのよ」 ハルヒ「鬼の首を取ったみたいに、誰かの揚げ足を取って槍玉にあげるし。本当、陰険よね」 キョン「そういうマスコミの姿って一般小説に顕著だよな」 ハルヒ「そうなの?」 キョン「ああ。他にも政治家や警察とか。だいたいそれらの姿は醜悪に描かれるな。信用するなと作家からのメッセージかもしれん」 ハルヒ「ふーん。あんた結構本読むんだ」 キョン「長門から借りたものばっかだけどな」 36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/19(木) 19:58:57.29 ID:dB93eUS20 ハルヒ「有希ってそういうの読むの?」 キョン「いや、ほとんどが分厚くて難解な海外のSFだ。三ページで眠くなるようなやつ」 ハルヒ「言われてみると、あの娘が好きそうなのってそんな感じね」 キョン「そう。俺が借りたのは辛うじて読破できる程度のものだ」 キョン「ま、所詮小説だ。現実には、マスコミにも政治家にも警察にも頑張っている人は少なからずいるさ」 ハルヒ「そう思わないとやってられないもんね」 キョン「含蓄あるな。その言い方」 ハルヒ「曖昧にすることで、物事は一人で深くなっていくものよ」 キョン「それこそ深いな」 37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/19(木) 20:00:08.80 ID:dB93eUS20 ハルヒ「というかさ、よくセミからここまで脱線できるわね」 キョン「話すことがないだけだろ。口を動かすだけならタダだし」 ハルヒ「だったら、キャスターは口を動かしているだけでお金を儲けているってことね」 キョン「お前はどうしてそこまで捻くれた考えをしているんだ」 シャーシャー ハルヒ「ひまわり畑を抜けるとそこは海でした」 キョン「川端康成インサマー?」 ハルヒ「ぼくのなつやすみ、よ」 キョン「なるほど。なつかしい」 39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/19(木) 20:01:39.08 ID:dB93eUS20 ハルヒ「あんたもやったことあんの?」 キョン「昔な」 ハルヒ「やっぱり、八月一日から始めて、一日ずつ自分の世界と平行して進めた?」 キョン「いや、まとめて十日くらい進めたと思う。なんせ夏休み暇だし」 ハルヒ「うわー。風情ないこと平気でするのね」 キョン「どうしてゲームの進め具合でそこまで言われなきゃならん」 ハルヒ「あたしはたぶん全てのイベント見てるはずよ。ホタル見たし、山にも登った」 キョン「山に登るには、カマキリに勝たなくちゃいけなかったよな」 ハルヒ「そうそう。あれ勝つために、ノコギリクワガタのメスを交換し捲くったわ」 41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/19(木) 20:03:10.40 ID:dB93eUS20 キョン「でさ、山登って、オオクワガタ捕まえて、虚しくなるんだよ」 ハルヒ「わかるわかる。オオクワめっちゃ強いのに、相手がザコいのしか出してこないから。燃えないのよね」 キョン「おばさんからアサガオの水やりを任せられるんだけどさ、あれって咲かせたらもう水あげなくなるよな」 ハルヒ「え? あたし三十日まで毎日欠かさずあげていたわよ」 キョン「枯れるだろ。どんなに頑張っても」 ハルヒ「まあね。でも一度頼まれたことは最後までやり抜きたいのよ」 ハルヒ「今思えばさ、あの小さい子はツンデレだったのよね。キレイキレイの顔なのに」 キョン「石鹸のCMか。まあ、ツンデレと言えなくもないだろうが」 ハルヒ「たまにふと、もっかいやりたくなるのよね。ぼくなつ」 42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/19(木) 20:04:41.34 ID:dB93eUS20 キョン「田舎で過ごしたことないのに、懐かしいって感じてしまうもんな」 ハルヒ「あれ卑怯よ。ノスタルジィ全開だわ。泣きたくなってくるもん」 キョン「まさに、日本の夏だし。ああいうのは後世に残したいなと高校生の俺でも思う」 ハルヒ「あー! あたしもあんな夏休み過ごしたかったわ。夏に田舎とか最高のシチュエーションじゃない」 キョン「というか、今の俺たちの状況がそれなんだが」 ハルヒ「お? 言われてみればそうね。盲点だったわ」 キョン「それぐらい気付こうぜ。まあ、気付きにくいかもしれんが」 ハルヒ「それが気付かないということは、あたしはまだ子供ってことか」 キョン「そういうもんか?」 ハルヒ「そういうもんなのよ」 43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/19(木) 20:05:52.91 ID:dB93eUS20 ざざーざざー ハルヒ「話していたら、海に着いちゃった」 キョン「ご丁寧にひまわり畑を抜けてきたしな」 ハルヒ「夏といえば海ね!」 キョン「そうだ。で、海といえば夏、と切り返すのが定石なんだよ」 ハルヒ「嘘吐くな。マヨ突っ込むわよ」 キョン「まだ持ってたのか」 ハルヒ「でさ、やっぱり泳ぐべきよね?」 キョン「生憎、水着持って来てないんだよ」 45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/19(木) 20:07:37.75 ID:dB93eUS20 ハルヒ「はあ? じゃあ、なに持って来たのよ?」 キョン「財布とケータイ。あと着替え」 ハルヒ「着替えがあるなら十分よ。泳げるじゃない」 キョン「でもな。それって、お前わかっているのか?」 ハルヒ「なにがよ。あたしは水着持って来ているの」 キョン「なんと用意周到な」 ハルヒ「しかも下に着てるのよ! いつでもばっちりだわ。残念ね、あたしの着替えを覗くことができなくて」 キョン「突飛なことばかり思いつく奴だ」 ハルヒ「じゃあ、行くわよ!」 キョン「おいハルヒ。そんなしんのすけみたいな脱ぎ方はやめろ。色んな意味で悲しい」 47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/19(木) 20:10:10.20 ID:dB93eUS20 ハルヒ「もしかして、あんた脱がすの好きなタイプ?」 キョン「そういう意味じゃなくて、……もういいです。好きにしろ」 ぱしゃぱしゃ ハルヒ「なんであんたはズボンはいたままなのよ?」 キョン「人間としての理性を守るためだ」 ハルヒ「知性は感じられないけどね」 キョン「お前なんかでも異性と感じてんだからな」 ハルヒ「ビーチバレーでもする?」 48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/19(木) 20:11:41.02 ID:dB93eUS20 キョン「ボールあるのか?」 ハルヒ「ないわ」 キョン「じゃあ、できんな」 ハルヒ「そこは気合でなんとかするとこでしょ?」 キョン「無茶言うな」 ハルヒ「仕方ないわね。シャドービーチバレーで我慢するか」 キョン「そういうとこで我慢はしなくていいんだぞ」 ハルヒ「…………」 キョン「…………」 ハルヒ「…………」 キョン「…………」 50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/19(木) 20:13:12.25 ID:dB93eUS20 ハルヒ「ねえ」 キョン「なんだ」 ハルヒ「つまんない」 キョン「やる前に気付けよ」 ハルヒ「だって、キョンがどうしてもやりたそうにしてるから」 キョン「ばれていたか」 ハルヒ「当然よ。だって、あたしは団長なんだから」 キョン「で、いつまで続けるこの不毛なビーチバレー」 ハルヒ「日が暮れるまで」 キョン「俺がぐれるまでな」 53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/19(木) 20:14:42.94 ID:dB93eUS20 かなかなかな キョン「ほんとに日が暮れるまでやるとは。付き合う俺も俺だが」 ハルヒ「キョン! 見て! 真っ赤な太陽が海に沈んでいく!」 キョン「これは壮観だ。水平線が輝いているな」 ハルヒ「海がきらきらして綺麗ね。こう、オレンジって切なくて温かい色だわ」 キョン「珍しくお前にしちゃ乙女な感想だ」 ハルヒ「どういう意味よ、それ」 キョン「どうでもいいが、乙男(おとめん)っていう漫画があるんだよ」 ハルヒ「ああそれ聞いたことある。っていうか、みくるちゃんが読んでた」 54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/19(木) 20:16:13.21 ID:dB93eUS20 キョン「あれの帯にさ『嫁にしたい男ナンバーワン』って書いてあったんだ」 ハルヒ「で、あんたは、男が嫁って変だろ、ってひねくれた理屈をごねているわけね」 キョン「違う。嫁にしたい男ナンバーワンはどう考えても、高須竜児だろって」 ハルヒ「とらドラ!ってやつの主人公? ラノベよね」 キョン「ああ。以前に長門から借りた読んだ」 ハルヒ「有希って割りと雑食よね」 キョン「というか、お前なんでわかるんだ?」 ハルヒ「あたしも有希から借りたし」 キョン「へえ。それは偶然だな。どのヒロインに一番共感できたんだ?」 ハルヒ「さあ? そういうの考えてなかったわ。ただ登場人物の春田かクラスの谷口、どっちがアホかなって」 56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/19(木) 20:17:47.26 ID:dB93eUS20 キョン「それは春田だろう。いくら谷口でもallくらい掛けるはずだ」 ハルヒ「でしょうね。でもそれってさ、『のび太は0点ばっかだけど、僕は違う!』ってお母さんに抗議するようなもんじゃない?」 キョン「つまり、現実と空想を一緒にするなということか?」 ハルヒ「そういうこと。ま、舌の根の乾かぬ内にだけど、それは結構楽しいものよ」 キョン「説得力激減だ」 ハルヒ「ぼくなつにしろラノベにしろ、自分を重ねて違った青春を味わうってのは、一つの幸せかもね」 キョン「不幸とも言えるがな」 ハルヒ「結局、どっちなのよ?」 キョン「さあな。結果なんて万華鏡だよ。主観でどうとでも翻る」 ハルヒ「あんたにしちゃ至言ね」 キョン「ありがとよ」 61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/19(木) 20:19:18.96 ID:dB93eUS20 てくてく キョン「宿はどうすんだ? もう真っ暗じゃないか」 ハルヒ「明るいわよ。星がいっぱいあるもん」 キョン「そう言うなよ。少しでも危機感を持たせようとして言っているのに」 ハルヒ「なんとかなるんじゃない?」 キョン「ならないと思うから言ったんだよ」 ハルヒ「野宿はさすがのあたしも嫌だわ。これでも女子高生だし」 キョン「ならもっと計画性をだな」 ハルヒ「あの家に泊めてもらいましょ。あわよくば夕食をゲットよ」 64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/19(木) 20:20:52.52 ID:dB93eUS20 キョン「緻密な計画より、その場その場の柔軟な発想が生死を分けるというのか」 ハルヒ「なに言ってんのよ。食べなきゃ死ぬわ」 ハルヒ「ごめんくださーい。実はですね――」 かくかくキョンキョン ハルヒ「いい人で助かったわね」 キョン「日本はまだまだ捨てたもんじゃない」 ハルヒ「あたしのおかげだわ」 キョン「元はと言えば、お前のせいだ」 66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/19(木) 20:22:24.41 ID:dB93eUS20 ギーギー キョン「いい湯だった」 ハルヒ「あら。やっとあがったの。遅いわよ。暇だったじゃない」 キョン「にしても、迷惑掛けっぱなしだ。夕食はおろか風呂まで貸してもらえるなんて」 ハルヒ「布団もあることだしね」 キョン「その布団なんだが、どうしてくっついているんだ?」 ハルヒ「あたしがくっつけたから」 キョン「そうじゃない。ワットじゃなくてワイだ」 ハルヒ「近いほうが小さな話し声で済むじゃない。大きな音は立てられないわ」 キョン「そこは素直に寝るという選択肢を選んでほしかった」 69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/19(木) 20:23:56.46 ID:dB93eUS20 ハルヒ「バカじゃないの? 旅行の醍醐味は夜通し語り合うことなのよ」 キョン「頭に『修学』が付いていたら、俺も納得できたんだがな」 ハルヒ「細かいわね。あるかないかじゃないの。するかしないかよ」 キョン「しない」 ハルヒ「いいもんいいもん。あたし一人で夜通し語り合うから」 キョン「あっそ。がんば」 ハルヒ「あのさ、あたしね、実は中学の時からなんだけど――」 ハルヒ「マジ? それはびっくりだわ。でもよく考えてみると、それもありかなって思うよね――」 キョン「…………」 ハルヒ「そこはやっぱりガンガン押すべきだと思うわ。当たって砕けろの意気よ」 72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/19(木) 20:26:44.24 ID:dB93eUS20 キョン「砕けちゃ意味ないだろ」 ハルヒ「あら? キョン起きてたの? 趣味悪いわね」 キョン「後味悪いことする奴が言うな。というか、ごめんなさい。俺が悪かった。正直、ハルヒが恐い」 ハルヒ「オールナイト、オーケー?」 キョン「イエス、カマン」 ハルヒ「ふう。やっと生きた人間と話せるわ。死んだ奴は陰気臭いのよ」 キョン「お前がそれを本気で言ってるなら、俺はやっぱり寝ることにする」 ハルヒ「冗談よ。んなわけないじゃない」 キョン「まあ定番だしな。夏の夜に怪談話をするのは」 ハルヒ「キョンなんか怪談話ない?」 75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/19(木) 20:28:15.67 ID:dB93eUS20 キョン「学校の怪談とかそういうの?」 ハルヒ「そうそう。花子さんとか。関係ないけど、今度SOS団で校内ラリーでもしようと思うの」 キョン「まさかとは思うが、ghostじゃなくてstairか?」 ハルヒ「そのまさかよ」 キョン「またラノベか。どうせ長門だろ?」 ハルヒ「もち。あれ、面白そうじゃない? あたしたちも一度やるべきよ」 キョン「部長がハルヒにそっくりだしな」 ハルヒ「まっ。心外ね。それは言っちゃいけない約束よ」 キョン「迷惑掛けている点にしては、俺たちも似たようなもんだし」 76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/03/19(木) 20:29:54.72 ID:dB93eUS20 ハルヒ「あたしね、最近Vターン練習してるのよ」 キョン「できるようになったのか?」 ハルヒ「難しいわ。重心がどうしても外側に膨れちゃう」 キョン「遠心力には逆らえんさ。長門なら平然とやりそうだが」 ハルヒ「他にキョンは有希からどんなラノベ借りた?」 キョン「ラノベで縛んのか?」 ハルヒ「あたしがラノベしか借りてないし。合わせなさいよ」 キョン「そっか。まあ、色々と。ラノベは放課後の時間つぶしにぴったりなんだよ」 ハルヒ「あんた最近本読んでると思ったら全部ラノベだったの。感心して損した」 キョン「お前も人のこと言えないくせに」 さげてみた 78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/03/19(木) 20:31:50.38 ID:dB93eUS20 ハルヒ「で、キョン的にお勧めのやつは?」 キョン「半分の月がのぼる空」 ハルヒ「いきなり王道ね」 キョン「あれ読んで思ったんだけどさ、よく○○は俺の嫁って言うじゃないか。たとえば、ハルヒは俺の嫁とか」 ハルヒ「ごめん。聞こえなかった。もっかい」 キョン「ん? ハルヒは俺の嫁?」 ハルヒ「蚊がうるさかった。なので、ワンモア」 キョン「ちゃんと聞けよ。ハルヒは俺の嫁」 ハルヒ「やっと満足した。んで?」 キョン「あの作品だけは、里香は俺の嫁とか言っちゃいけない気がするんだ。絶対に里香は祐一の嫁だろ」 ハルヒ「カプ厨なのね。まあわかるけど」 80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/03/19(木) 20:33:20.88 ID:dB93eUS20 キョン「お前はどんなのが好きなんだ?」 ハルヒ「戯言」 キョン「ああ。なるほど。お前、哀川さんとか好きだろ?」 ハルヒ「なんでわかるのよ。あと、潤さんって呼ばないと殺されるわよ」 キョン「へいへい」 ハルヒ「噛みまみた」 キョン「唐突になんだよ」 ハルヒ「我が団にもああいう娘欲しいのよ」 キョン「難しいな、それ。いろんな意味で」 85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/03/19(木) 20:35:08.16 ID:dB93eUS20 ハルヒ「あとさ、今度SOS団で半額弁当買いに行かない?」 キョン「俺はそんな危ないことするなら豚でも構わない」 ハルヒ「情けない男ね」 キョン「長門はイリヤの空、UFOの夏が好きとか言ってた気がする」 ハルヒ「あれは泣くわ。ちょー鬱になる。でも名作よね」 キョン「個人的には猫の地球儀も好きだがな」 ハルヒ「シャミセン贔屓ね」 88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/03/19(木) 20:36:40.26 ID:dB93eUS20 キョン「正直、長門ならレベル5どころか一方通行にも勝てる気がするんだ」 ハルヒ「はあ? それはないわよ。有希は普通の女の子だから」 キョン「あ……だったな。すまん」 ハルヒ「主人公の説教にも無表情で『そう』とか言いそうだけどね」 キョン「どっちにしろ最強だな」 ハルヒ「恋の革命家って響きかっこよくない?」 キョン「お前には無縁だと思うが」 ハルヒ「うっさいわね」 キョン「作者が直木賞受賞しただろ、あれ」 ハルヒ「GOSICK?」 キョン「それ。あの続き気になるんだよな。完結するのかな」 ハルヒ「あたしたちが言っちゃダメじゃない」 キョン「やっぱり?」 ハルヒ「そこは空気読まなきゃ」 キョン「だな」 93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/03/19(木) 20:39:52.06 ID:dB93eUS20 ハルヒ「あたし、とらドラ!より田村くんのほうが好きかな」 キョン「どうしてまた」 ハルヒ「最後まで疾走感があったし」 キョン「俺さ、妹ってかわいいものかよくわからなくなるんだ」 ハルヒ「あれも読んだの?」 キョン「まあな。生憎、俺には妹のかわいさがまったく伝わってこなかったんだ」 ハルヒ「リアルにいるし」 キョン「それもそうだが、あの妹がエロゲとかやってる姿なんて想像できないんだ」 ハルヒ「すっごいシュールね」 95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/03/19(木) 20:41:37.57 ID:dB93eUS20 キョン「ある日、爆弾が落ちてきて、知ってるか」 ハルヒ「ええ。どの話が好きかってこと?」 キョン「そうそう。どれだ? 俺は三時間目のまどか」 ハルヒ「それも悪くないけどね。でもあたしは断然最後のやつ」 キョン「あれは考えるよな。自分だったらどうするかとか」 ハルヒ「たまにさ、道端で『封絶!』って叫んだら何人立ち止まるのかなって疑問に思うことがあるのよ」 キョン「勝手にやればいいじゃないか。俺のいないところで」 ハルヒ「あんたはさ、中学の頃《闇の騎士》だとか言ってた?」 キョン「所謂、ドリームソルジャーか。さすがにないだろ」 ハルヒ「あたしは似たようなことしたけど」 キョン「校庭に絵を描いたもんな」 98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/03/19(木) 20:43:28.99 ID:dB93eUS20 ハルヒ「ねるです?」 キョン「また無茶苦茶言って」 ハルヒ「めをつむるとしぬのでは?」 キョン「ハルヒさんは大変だな」 ハルヒ「わっちともっと話してくりゃれ?」 キョン「腹立つな」 ハルヒ「くふふ。主はかわいいのう」 キョン「お前もう寝ろよ」 101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/03/19(木) 20:45:03.99 ID:dB93eUS20 ほーほー キョン「で、寝ないのか」 ハルヒ「徹夜するって言ったじゃない」 キョン「でも、もう話題ないぜ?」 ハルヒ「そんなのどうでもいいじゃない」 キョン「はいはい。じゃあ、お前の最近嬉しかったことは」 ハルヒ「マンキンの新装版がやっと追いついたこと」 キョン「微笑ましいな」 ハルヒ「ダム子、ちょーかわいいわね」 103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/03/19(木) 20:46:58.61 ID:dB93eUS20 ハルヒ「同じこと訊くわ。キョンが最近嬉しいと感じたことは」 キョン「……なんもねえ」 ハルヒ「寂しい人生だわ」 キョン「反論できん」 キョン「そう言えばさ、最近古泉のやつ、MOTHERにはまってるんだよ」 ハルヒ「知ってる。あたしが貸したんだもの」 キョン「お前か」 ハルヒ「MOTHERは2が一番好きだわ。もちろん1と3も好きだけど」 キョン「でも、一番簡単じゃないか。ペンシルロケット20とかチートにもほどがある」 ハルヒ「バカね。そんなの使わないわよ。それどころか、PSIも禁止にしてるのよ」 106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/03/19(木) 20:48:32.83 ID:dB93eUS20 キョン「ほう。クリアできたのか?」 ハルヒ「スターマンの基地で詰んだ」 キョン「おうじゃのつるぎのためか? あと少しじゃないか。やり切れよ」 ハルヒ「違う違う。純粋にスターストームがきつすぎるのよ」 キョン「わかる。あれ食らうと、ポーラとジェフは間違いなく致命的なダメージを受けるんだよな」 ハルヒ「そして、焦ってライフアップΩのコマンドをミスって、二人は死ぬのよ」 キョン「よくあるよな」 ハルヒ「ぷえーん」 キョン「また無茶な振りを。土星さんかよ」 107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/03/19(木) 20:50:05.37 ID:dB93eUS20 ハルヒ「ポーキーは不憫な子よね。3でそれが明らかになって、2をやる時、彼を見る目変わったもん」 キョン「3はちょっとつらいよな。一章で何人死ぬんだよって思った」 ハルヒ「1は音楽がいいわね。マップの時とか、ライブの時とか」 キョン「山小屋のダンスの時も好きだ」 ハルヒ「ほーんとかよ!」 キョン「お前、それ死ぬぞ」 ハルヒ「君のなけなしの勇気を出す時が来たぞ、ですって」 キョン「まあ、俺は小細工をしてギーグまでテディを連れて行ったが。ホリロリは彼がいないときつい」 ハルヒ「そんなんできるの?」 キョン「ああ。テディを仲間にする前にイブを破壊しておくんだ。そうすればできる」 ハルヒ「今度やろ」 108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/03/19(木) 20:51:40.47 ID:dB93eUS20 キョン「応用すれば、主人公一人でギーグにも挑めるしな」 ハルヒ「やったの?」 キョン「いや。じげんスリップばっか使うだけだろうしやらない」 ハルヒ「前に古泉くんからゲップーが倒せませんってメールが来たのよ」 キョン「あいつ、はえみつも知らないのか」 ハルヒ「そこであたしは、取り敢えず攻撃しとけばって返したの」 キョン「鬼だな」 ハルヒ「どうなるのかしら」 キョン「さっさと教えてやれよ」 111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/03/19(木) 20:53:14.10 ID:dB93eUS20 ハルヒ「なんかさ、ポーラが消えました。どうしたらいいですか、とか送ってくる気がするわ」 キョン「古泉はそこまでアホじゃないだろ」 ハルヒ「で、ムーンサイドは綺麗な街ですね、と言ってくるの」 キョン「それはありえる」 ちゅんちゅん キョン「結局、徹夜しちまったな」 ハルヒ「そうね。眠いわ」 キョン「大人しく寝ればよかったのに」 ハルヒ「ま、気を取り直して出発よ」 キョン「家の人にしっかりと礼を言ってからな」 112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/03/19(木) 20:54:26.10 ID:dB93eUS20 てくてく キョン「突き抜けるように青い空だ」 ハルヒ「夜なのに 僕が見るのは 蒼井――」 キョン「ストップ。物はよく考えて言おうぜ。朝っぱら言うな」 ハルヒ「寝不足ハイってやつね」 キョン「でっかい入道雲だな」 ハルヒ「ほんと。太陽もギラギラしてる」 キョン「夏だ」 ハルヒ「夏よ」 115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/03/19(木) 20:55:39.01 ID:dB93eUS20 ハルヒ「あ、神社」 キョン「そうだな。普通の神社だ」 ハルヒ「古手神社か博霊神社、どっちだと思う?」 キョン「どっちでもいいよ。どっちでもないだろうし」 ハルヒ「古手神社なら、オヤシロさまを拝みたいわね」 キョン「鬼隠しされるぞ」 ハルヒ「博霊神社ならぜひとも幻想郷に行きたいわ」 キョン「スキマ送りだな」 ハルヒ「あたしね、霊夢しか使えないのよ。しかもホーミング」 キョン「知らんがな」 117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/03/19(木) 20:57:09.82 ID:dB93eUS20 ハルヒ「もしかしたらトトロいるかもね」 キョン「あ。それはなんとなくわかる」 ハルヒ「でしょ。まあ、あたしはラピュタが一番好きだわ」 キョン「夢があるよな。なにより敵がいい味出してる」 ハルヒ「ムスカ大佐だ。目が、目があぁ!」 キョン「お前やっぱり寝なおしたほうがいいよ」 ハルヒ「千と千尋の神隠しもいいわよね」 キョン「俺、あれ見て以来トンネルを通るたびに幻想的な気分になるんだ」 ハルヒ「あと、もののけ姫」 キョン「魔女の宅急便とか風の谷のナウシカ」 ハルヒ「耳をすませば」 キョン「それいいな。いかにも青春って感じだ」 119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/03/19(木) 20:58:40.34 ID:dB93eUS20 ハルヒ「だよね。ジブリじゃないけど、時をかける少女も青春よね」 キョン「男の俺でも、千昭はかっこいいと思う」 ハルヒ「あたしね、タイムリープするために坂道を全速力で駆け下りたりしたもん」 キョン「死にたいのかよ。そんなにしたいなら、朝比奈さんに頼めばいいだろ」 ハルヒ「なんでみくるちゃん?」 キョン「あ、いや、なんでもない」 ハルヒ「みくるちゃんってタイムリープできんの?」 キョン「できるわけないだろ」 ハルヒ「じゃあなんで?」 キョン「先輩だし。困ったら先輩に相談が鉄則なんだよ」 ハルヒ「それなら鶴屋さんのほうが頼りになりそうね」 キョン「お前。それ何気にひどい」 121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/03/19(木) 20:59:42.39 ID:dB93eUS20 ハルヒ「と話してる間に、境内に着いたわ」 キョン「賽銭箱漁るなよ」 ハルヒ「あんた、あたしにどんなイメージ持ってんのよ」 キョン「にしても静かだな。誰もいないじゃないか」 ハルヒ「巫女さんもいないわね」 キョン「取り敢えず、お参りしてくか」 ハルヒ「なにをお願いするのよ」 キョン「早く長門の風邪が治るようにと」 ハルヒ「あー、あっちの有希か。もう二年近く放置だもんね」 122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/03/19(木) 21:00:29.89 ID:dB93eUS20 てくてく ハルヒ「あんたの知り合いにさ、佐々木さんっているじゃない」 キョン「ああ。佐々木がどうかしたのか?」 ハルヒ「あの人、蒼星石と被ってんのよね」 キョン「ほっといてやれよ。本人も気にしてるんだ」 ハルヒ「キョンはどのドールが好き?」 キョン「蒼星石」 ハルヒ「……それって、佐々木さんが好きだから?」 キョン「なんでそうなる。あの中で一番礼儀正しいだろ。疲れないからな」 124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/03/19(木) 21:02:00.96 ID:dB93eUS20 ハルヒ「真紅だって礼儀正しくない?」 キョン「紅茶ばっか出せ出せ言われちゃたまんねーよ」 キョン「お前はどれが好きなんだ?」 ハルヒ「金糸雀」 キョン「なんでまた」 ハルヒ「調教のし甲斐があるじゃない」 キョン「お前絶対に巻いたりすんなよ」 ハルヒ「デスノートかギアス、どっちが欲しい?」 キョン「どっちもいらねえよ。結局、両方死ぬんだし」 ハルヒ「あたしはギアスのほうがいいわね。キョンを奴隷にしてやるわ」 キョン「今とあんまり変わらない気がするな」 125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/03/19(木) 21:03:31.51 ID:dB93eUS20 ハルヒ「あたしね、たまにマテリアライズって叫びたくなるのよ」 キョン「頭大丈夫か」 ハルヒ「うっさいわね。んで、考えるのよ。あたしはどのジェムがお似合いだろうかって」 キョン「ほんとどうでもいいことで悩むんだな」 ハルヒ「でね、あげくやっぱり乙-HiMEにはならなくていいわって思う」 キョン「なんだそりゃ」 ハルヒ「クラナドあるじゃない」 キョン「あるな」 ハルヒ「ドラゴンボールよね」 キョン「だから実も蓋もないこと言うなって」 126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/03/19(木) 21:05:02.89 ID:dB93eUS20 ハルヒ「ははんがはんちょりーな」 キョン「みゆきさんは俺の中で永遠のヒロインなんだ」 ハルヒ「でも女からしたら、正太は最低よ。はっきりしないもの。猿でも田畑のほうがマシね」 キョン「だろうな。でもあれは仕方ない。だってみゆきさんだからな」 ハルヒ「ともみがかわいそうよ」 キョン「レイ子は強烈だよな。特に初期」 ハルヒ「そんなあなたにフォーリンラブ!」 キョン「え?」 ハルヒ「え?」 キョン「普通、道端でそういうこと言うか?」 ハルヒ「ばっ、なに勘違いしてんのよ! ネタに決まってるじゃない」 キョン「そうかい」 127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/03/19(木) 21:06:34.36 ID:dB93eUS20 てくてく ハルヒ「そろそろ次の所に行くわよ」 キョン「まだ続けるのかよ」 ハルヒ「当たり前じゃない。このまま夏休みに突入よ」 キョン「金はどうすんだ」 ハルヒ「世の中金だけじゃないわよ。大丈夫」 キョン「不安だ」 ハルヒ「不安といえば、不安の種ね」 キョン「あれか。心臓に悪いわね」 ハルヒ「おちょなんさん」 キョン「トラウマだ」 128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/03/19(木) 21:08:05.77 ID:dB93eUS20 乗車 キョン「次はどういうとこに行きたいんだ?」 ハルヒ「さあ? 決めてないわ」 キョン「だと思った」 ハルヒ「決められた場所には行きたくないのよ」 キョン「それは若者が『敷かれたレールのような人生なんて生きたくない』と言うようなもんか」 ハルヒ「全然違うわよ。あたし、そんなこと言う奴大嫌い」 キョン「なんでまた?」 ハルヒ「そういうこと言う奴って、決まってなにもしてないのよ。努力もせず、ただぼやくだけ」 キョン「口だけということか」 129 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/03/19(木) 21:09:25.04 ID:dB93eUS20 ハルヒ「そう。で、あたしはそういう奴らにはこう言うことにしてるの。あんたたちにレールが敷かれているわけがないでしょって」 キョン「レールがあるのはちゃんと生きているやつだけということか?」 ハルヒ「明日の暇はどう潰そう。明後日は? 来週は? なんてことばかり考える奴の人生見えてるわ」 キョン「確かに。なんも残らんな」 ハルヒ「別に遊ばずに勉強しろとかそう言いたいんじゃないの。もっと考えたらって思うわけ」 キョン「高校生のくせに達観したようなことを言う」 ハルヒ「高校生だからこそ、同世代がそう見えてしまうのよ」 ハルヒ「中学生はよく『親は私の気持ちを理解してくれない』と言うわ」 キョン「ああ。よく聞くな。俺もそういう時期があった」 131 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/03/19(木) 21:10:56.74 ID:dB93eUS20 ハルヒ「でもさ、それって理解してくれないじゃなくて、最初から理解しようとしてないのと思うの」 キョン「ほう」 ハルヒ「親からしたら、子供の世界なんて温いのよきっと。社会も知らないガキがなにを粋がってるんだと思っているのね」 キョン「でも、世の中には本気で子のことを考える親はいるはずだぞ」 ハルヒ「なにをわかりきったことを。親が子を守らないでなにを守るのよ」 キョン「……言ってることが違う」 ハルヒ「こういうことに正解は存在しないわ。その時の気持ちをいかに上手く吐き出せるか、それで自己満足に浸れるかよ」 キョン「エゴだな」 ハルヒ「人間だしね。仕方のないことよ」 133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/03/19(木) 21:12:27.39 ID:dB93eUS20 キョン「ところで、ハルヒ。ちょいと希望があるんだが」 ハルヒ「なによ」 キョン「温泉に入りたいんだが」 ハルヒ「いいわね、温泉。じゃあ決まり。温泉を目指しましょう」 キョン「どこの温泉だ?」 ハルヒ「どこでもいいわよ。温泉がある温泉」 キョン「任せるよ。団長さん」 ハルヒ「あ、でも。混浴なんて期待しちゃダメよ」 キョン「してねえよ」 ハルヒ「なんで? 期待しなさいよ」 キョン「難しい奴だな」 135 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/03/19(木) 21:14:02.46 ID:dB93eUS20 ハルヒ「っていうかね、あたしものすごく眠いんだけど」 キョン「寝ればいいじゃないか。徹夜だったんだし」 ハルヒ「でも、あたしが寝ればキョンも寝ちゃうじゃない」 キョン「起きといてやるよ。今晩ぐっすり眠れることが約束できるなら」 ハルヒ「それは約束できない」 キョン「しようよ」 ハルヒ「ま、いいや。起きてから決めるわ」 キョン「ゆっくり休めよ。どうせ旅はまだまだ続くんだろ?」 ハルヒ「当たり前よ。あたしたちの冒険はまだまだ始まったばかりなんだから」 キョン「そんなジャンプの打ち切りみたいに言うなよ」 158 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/03/19(木) 22:25:28.83 ID:dB93eUS20 書けた。いちゃいちゃさせてみた それでもオチ付かなかったけど、それは勘弁 温泉 キョン「混浴だな」 ハルヒ「わかってると思うけど、変なこと考えるんじゃないわよ」 キョン「俺にお前のなにがわかってほしいんだ。まあ、わかるんだがな」 ハルヒ「んじゃま、脱衣所は別だから。数分後ね」 キョン「あいよ」 キョン「……水着は、マナー違反だって」 ハルヒ「いいんじゃない? 他にお客さんいないし」 キョン「そういう問題じゃない。しかしそっちのほうが助かる」 ハルヒ「なにに対して助かるのよ?」 キョン「そんなこと言ったら、狼になってしまう」 161 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/03/19(木) 22:27:58.84 ID:dB93eUS20 ハルヒ「男は狼なのよ」 キョン「気をつけなさいってか。とにかく入ろうぜ」 ハルヒ「年頃になったら、慎みなさい」 キョン「SOS繋がりだな」 ちゃぽん キョン「いい湯だな」 ハルヒ「ばばんばばんばん」 キョン「それ違う」 ハルヒ「入ってから言うのもなんだけどさー」 キョン「んー?」 162 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/03/19(木) 22:29:35.29 ID:dB93eUS20 ハルヒ「水着着てたら、リラックス度半減なのよ」 キョン「じゃあ脱げば?」 ハルヒ「デリカシーないの、あんた? セクハラだわ」 キョン「俺はお前のパワハラに困ってる」 ハルヒ「嘘付け。案外楽しんでるくせに」 キョン「やっぱわかるか」 ハルヒ「わかるに決まってるじゃない。どれだけ一緒にいると思ってんの?」 キョン「まあな。でも長いというよりも、濃い。ハルヒとの時間は濃いな」 163 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/03/19(木) 22:31:06.01 ID:dB93eUS20 ハルヒ「団長としてなによりも嬉しい言葉ね」 キョン「別に団長としてのお前だけじゃないさ。涼宮ハルヒという人間そのものに送ってもいい」 ハルヒ「あら? なかなか殊勝な心掛けじゃない。雑用のくせに」 キョン「知ってるか? ある一つの集団があったとして、一番力が強いのは長じゃなくて書記なんだ」 ハルヒ「その理屈じゃみくるちゃんが一番権力持っていることになるわね」 キョン「そうだな」 ハルヒ「え? そりだけ?」 キョン「そりだけ」 164 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/03/19(木) 22:32:37.88 ID:dB93eUS20 ハルヒ「で、実は長がどういうもんかってのはないの?」 キョン「ないな。強いて言うなら。長はいつかは落ちる」 ハルヒ「それ、不吉極まりないわ」 キョン「だが、それを覆すのがハルヒだろ?」 ハルヒ「含みを持った視線で誤魔化さないでちょうだい。ま、確かにあたしはずっと団長でい続けるつもりだけどね」 キョン「そう力強く言われると、自然と部下はついてくるもんなんだよ」 ハルヒ「雑用のくせに言うじゃない」 キョン「雑用だからだよ。これ以上肩書きは落ちないんだ。なら未来を心配する必要はない」 165 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/03/19(木) 22:34:08.05 ID:dB93eUS20 ハルヒ「あたしがキョンを首にするかもしれないわよ?」 キョン「その心配もない。だって、俺とハルヒだろ?」 ハルヒ「そうね。あたしとキョンだわ」 ハルヒ「そろそろ体でも洗わない?」 キョン「ご自由に」 ハルヒ「せっかくだし、洗いっこしよっか?」 キョン「それは遠慮する。いくら俺とお前の関係でも」 ハルヒ「逆らうと首にするわよ」 キョン「最低な脅しだな」 166 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/03/19(木) 22:36:04.52 ID:dB93eUS20 ハルヒ「で、どうするのよ?」 キョン「……もう少し斟酌してくれないか?」 ハルヒ「じゃあ、あたしを洗うか、あたしに洗われるか」 キョン「そんな感じだろうと思った」 ハルヒ「今日のご注文は……どっち!」 キョン「そういう言い方やめろって。卑猥だ」 ハルヒ「混浴の時点でそれは免れないと思うけどね」 キョン「確かに」 168 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/03/19(木) 22:37:35.33 ID:dB93eUS20 キョン「……ハルヒに洗われる。そっちのほうが我慢できる」 ハルヒ「後悔は?」 キョン「お前と出会ったときからずっと」 ハルヒ「言うわね」 キョン「でも、改心はしない」 ごしごし キョン「……おい」 ハルヒ「なによ」 キョン「当たっているんだが」 ハルヒ「当ててんのよ」 169 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/03/19(木) 22:39:12.64 ID:dB93eUS20 キョン「つくづく思うんだが、その切り返しって正直飽きたよな」 ハルヒ「じゃあ、どうしたらいいのよ?」 キョン「当たりに行くぞ!」 ハルヒ「それ。あんたが一方的な変態になるだけじゃない」 キョン「まじか」 ハルヒ「あたしも一個思った」 キョン「なにを?」 ハルヒ「よくさ、マシュマロみたいな柔らかさって言うじゃない?」 170 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/03/19(木) 22:40:47.07 ID:dB93eUS20 キョン「……言うな」 ハルヒ「で、どう?」 キョン「なにが?」 ハルヒ「マシュマロみたい?」 キョン「お前、俺を殺す気か」 ハルヒ「いいから答えなさい」 キョン「マシュマロっていうよりもさ、脂肪だよな」 ハルヒ「……うわ。引くわ」 178 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/03/19(木) 23:00:50.06 ID:dB93eUS20 キョン「お前が言わしたんだろ」 ハルヒ「そういう時は、嘘でもなんかかわいいというか綺麗なもん言っとくのよ」 キョン「嘘付いてもよかったのか?」 ハルヒ「ダメに決まっているじゃない」 キョン「というか、もういいよ。十分だ」 ハルヒ「あっそ。じゃ交代」 再開です。といっても、残り少ないけど キョン「話が違う」 ハルヒ「未来は常に変化し続けるのよ」 キョン「朝比奈さんには酷な話だ」 179 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/03/19(木) 23:02:51.89 ID:dB93eUS20 ごしごし ハルヒ「もっと力入れなさいよ。というか、首筋ばっか擦るな」 キョン「わりい。どうも目を瞑っているとだな」 ハルヒ「ヘタレね」 キョン「紳士と言ってくれ」 ハルヒ「スノッブ」 キョン「外れているとも言えないところがくやしい」 ハルヒ「もう後ろはいいわ。前洗って」 キョン「すまん。俺もう限界」 変なとこに「再開」がはいちゃった 182 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/03/19(木) 23:04:54.36 ID:dB93eUS20 ハルヒ「水着着てるじゃない」 キョン「そういう問題じゃない」 ハルヒ「じゃあどういう問題?」 キョン「どんなもんだい!」 ハルヒ「壊れてどうすんのよ」 キョン「現実逃避もしたくなるさ」 ハルヒ「しゃあない。勘弁したげるわ。茹だっちゃうし」 キョン「助かった。でも、敗北感が纏わり付いている」 183 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/03/19(木) 23:06:57.47 ID:dB93eUS20 ハルヒ「勝利の甘さに酔ってみる?」 キョン「それはそれで魅力的だが、今度は虚脱感に苛まれてしまう」 ハルヒ「男って面倒ね」 キョン「お前が豪放すぎんだよ」 ハルヒ「でも、うじうじしている奴よりましでしょ?」 キョン「程度もんだな。庇護欲をそそられるくらいなら」 ハルヒ「あたしを見てると庇護欲そそられる?」 キョン「庇護欲が削がれる」 185 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/03/19(木) 23:09:01.49 ID:dB93eUS20 ざぶん ハルヒ「ねえ。キョンはフルーツ牛乳かコーヒー牛乳どっちにすんの?」 キョン「コーヒー牛乳」 ハルヒ「なら、あたしはフルーツ牛乳ね」 キョン「半分ずつか」 ハルヒ「寝言は寝る前に言いなさい」 キョン「だから寝る前に言ったんだよ」 ハルヒ「あたしが二本とも貰うわ」 キョン「なんて強欲な奴だ」 ハルヒ「あんたはあたしの残り湯でも舐めてなさい」 キョン「それが冗談であることを切に祈る」 186 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/03/19(木) 23:11:03.26 ID:dB93eUS20 ハルヒ「お風呂上がったら、卓球しましょ。卓球!」 キョン「断る。汗かきたくないから、と普段なら言うが。いいさ。付き合ってやるよ」 ハルヒ「ふん。言ったわね? もう逃げられないわよ。負けたら、今晩抱き枕になんのよ」 キョン「勝っても負けても辛いところがお前らしい」 ハルヒ「無我の境地してもいい?」 キョン「できるもんならやってみろ」 ハルヒ「死ぬわよ?」 キョン「お前が波動球を打たん限り大丈夫さ」 ハルヒ「じゃあ、打ってやるわ」 188 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/03/19(木) 23:13:04.82 ID:dB93eUS20 キョン「盛り上がるのはいいから、ちゃんと肩まで浸かってからな」 ハルヒ「百数えるの?」 キョン「好きにしろよ」 ハルヒ「好きにしてよ」 キョン「好きにするぞ?」 ハルヒ「好きにすれば」 キョン「好きにしたい」 ハルヒ「好きって言いなさい」 キョン「好きだ」 ハルヒ「あたしも好きよ」 終わりです。 強引な締め?ですまんです。 やっぱりうまく落とせないんだよな、これが