鶴屋「おや〜?キョンくんじゃないか!」 420 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/03(火) 12:03:52.83 ID:mKzvvDQu0 鶴屋 「おや〜?キョン君じゃないか!」 キョン「あっ、鶴屋さん。どうも」 鶴屋 「休日にしかも街中で会うなんて奇遇だねぇ〜」 キョン「ええ、確かに」 鶴屋 「ん?今日は団員たちの姿が見えないけど、キョン君一人かい」 キョン「まぁ、そんなところです」 鶴屋 「そうなんだ。…じゃあお姉さんがデートしてあげよっか?」 キョン「…えっ」 保守がてら投下 421 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/03(火) 12:07:35.66 ID:mKzvvDQu0 俺は返答に困った。本当は今日も部活があり、今現在もいつもの様に不思議探索を している最中なのだが、俺とペアを組んでいた小泉が「すいません。どうやら急な バイトが入ってしまったようです」なんて言い残して何処かに行っちまったからだ。 そして、俺は小泉が突然帰ってしまった事を春日に伝えなければならない。 これがどんなに憂鬱かお分かりだろうか? そう!春日の機嫌が悪化して俺に八つ当たりするのは目に見えている。この後もう一度 喫茶店に集合する予定になっているが、俺が奢る羽目になってしまうだろう!(今日の 最後にやってきた人物は春日なのに) そんな憂鬱ブルーな時に声を掛けてくれたのがこの人!鶴屋さんなのだ! 423 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/03(火) 12:19:34.86 ID:mKzvvDQu0 キョン「いえ、あの…えっと」 鶴屋 「なんだい。私よりもみくるの方が良かったのかい?」 キョン「そうでなくてですね」 鶴屋 「んーーー?」 今、美少女に上目使いで返事を求められている俺の目の前には二つの選択肢がある。 @鶴屋さんと別れて春日に八つ当たりされる A鶴屋さんと楽しく一日を過ごす あれ?何で悩んでるの俺? 425 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/03(火) 12:32:21.78 ID:mKzvvDQu0 この選択肢で悩む奴は世界広しと言えど中々居ないだろう。いや、つーか居ないだろ。相当のM だけだろ。こんなの!だがしかし、俺は悩まなければならなかった。小泉が既に帰ってしまった のに、俺まで帰ったとなると春日の機嫌は一体どのレベルまで悪くなってしまうのか? 今まで以上にやばい閉鎖空間が生まれちまうんじゃないのか?そうしたら世界は…。 いやいや、馬鹿だろ。何を勝手に悩んでるんだ。ここまで考えが及んでいて、世界に危機が迫って いるのをひしひしと身に感じて、何故悩んでいるんだ!WHY?美少女とのデートのために世界を危機 に晒すとかマヌケすぎだ。 世界に危機が迫る=彼女にも危機が迫るんだぞ。彼女を思うなら尚更、今回の申し出は却下すべきだ。 よし言うぞ! キョン「喜んで!……あれ?」 俺の口から出たのは、自分でもびっくりする位の本音だった…。 428 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/03(火) 12:42:47.34 ID:mKzvvDQu0 鶴屋 「うんうん。やっぱり男の子は素直じゃないとねー」 キョン「HAHAHAHAHAHA…こんな美女からのデートの誘いを断る奴なんて世界中探したって居ませんよ」 鶴屋 「またまたー。人を乗せるのが上手いんだから。そうやってみくるも落としたのね?」 キョン「いえいえ」                    :                    : あぁ煩悩に忠実な口よ。今日程お前を愚かだと思った日は無い。どうしてお前はいつも一人で勝手な 行動に出るんだ。いや、俺だって男だ。目の前の美少女を放っておいて八つ当たりされに帰るなんて 可笑しいと思う!思うが、ここは引いとけよ。男として!俺の一部として! 429 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/03(火) 12:55:14.02 ID:mKzvvDQu0 等という考えは、頭の片隅に追いやって、俺は鶴屋さんとのデートを思う存分満喫していた。 鶴屋 「どーだい、キョン君?この服めがっさ似合ってるとは思わないっかい?」 キョン「良いですね。すごく似合ってます」 鶴屋 「さっきの服とどっちが良いかな?」 キョン「うーん、甲乙つけがたいですが、今着てる方が際どい感じで素敵です」 鶴屋 「あっはっは。正直だね。キョン君は」 キョン「評価対象に服の露出をカウントするのだけは譲れませんからね」 鶴屋 「キョン君って、変なとこで男らしいんだね」                  グー キョン「おっと失礼」 鶴屋 「いいのいいの。動き回って小腹も空いたし、どっか入ろうか」 433 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/03(火) 13:05:42.04 ID:mKzvvDQu0             ガランガラン 店員 「いらっしゃいませ。どうぞこちらに」 キョン「どうも」 鶴屋 「どもー」             テクテクテク 鶴屋 「ん?おー、はるにゃんじゃないか」 キョン「!!!!!」 ハルヒ「!!!!!」 434 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/03(火) 13:13:56.16 ID:mKzvvDQu0 ハルヒ「あああああ、あんた何してんのよ?」 キョン「ハ、ハルヒ」 俺はなんて迂闊なんだ。というより習慣になっているのか?俺の足は何の躊躇もなく この店に向かってしまっていた。いや、これも言い訳だな。正直に言おう!鶴屋さんとの デートが楽しくてすっかり活動の事を忘れてました!ごめんなさい! キョン「えっとこれは、その。あれだ」 そして、この状況は非常にまずい。なんせ鶴屋さんは俺の腕に寄りかかって、第三者から見れば すっかり、恋人状態だからだ。だが、がんばれ俺。お前ならできる。普段は頼りなさげでも、 やればできる奴だと俺は信じている。そうだろ?ここで本領発揮しなけりゃ何時するって言うんだ? よし!時は満ちた。この危機を俺の口八丁で乗り切ってやるぜ。行くぞ! キョン「鶴屋さんとデートしてました。楽しくてすっかり活動の事を忘れてました!ごめんなさい!」 俺の口から出たのは、やっぱり自分でもびっくりする位の本音だった…。 438 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/03(火) 13:33:46.02 ID:mKzvvDQu0 シュークリームシュークリーム 445 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/03(火) 14:12:34.09 ID:mKzvvDQu0 その後について、少しだけ語……る必要もないな。世界は崩壊した。             BAD-END キョン「くそっ。お前らが”春日”は嫌だ。”ハルヒ”が良い!とか言うから、春日ネタ封印したら短く     なっちまったじゃねーか」 ごめん。春日で行くつもりだったのでネタが思い続かなくなった。ここで打ち切っとく 447 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/03(火) 14:19:47.99 ID:mKzvvDQu0 と思わせといて、需要があるなら続ける。以後”ハルヒ”で行くが需要ある?仕事の合間に投下してるんで 投稿ペース遅れるけど(さっきまでは昼休みだったんで十分間隔だったが) 今日の17:45にはこのスレ落ちるしどちらでも良いが それにしても128秒規制うぜえ。連投できなくて変な感じになっちまったぜ 450 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/03(火) 14:44:01.71 ID:mKzvvDQu0 ハルヒ「ふん、まぁ良いわ。でも二人とも少しくっつき過ぎじゃないかしら?」 キョン「?」 ハルヒ「恋人同士じゃないんだから、あんまりべたべたしちゃダメよ。第三者から見たら     誤解されるわよ?」 キョン「あ、ああ」 どうしたんだハルヒの奴、いつもなら無茶苦茶不機嫌になるのに。 とここで、ハルヒの隣に高速で口を動かして何やら呪文を唱えている奴を発見した。 ナルホド。こいつのおかげか。 457 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/03(火) 15:27:03.78 ID:mKzvvDQu0 俺は無言で長門にアイコンタクトを送る。 キョン(お前が情報操作してくれているのか?) 長門は相変わらず高速で口を動かしながらコクンと頷いてくれた。本当に毎度のことながら 長門には世話になる。こいつが居なけりゃ世界は何度滅んだか分からないな。誰も気づかない ところでも陰ながら頑張っているんだろう。 そう思うと、今の自分がとても最低な奴に思えた。確かに俺には長門や小泉のような能力 は無い。朝比奈さんのように未来の情報を知っているわけでもない。ただのそこら辺に居る 一介の男子高校生だ。 458 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/03(火) 15:33:38.84 ID:mKzvvDQu0 だが、だが俺は知っているはずだろ?少なくとも涼宮ハルヒが普通の女子高生では ないことを。小泉の様な能力がなくても、閉鎖空間を消せたじゃないか!朝比奈さん のように未来の情報がなくても閉鎖空間自体を作らせない術を俺は知っているじゃないか! そうだろ。確かにただの男子高校生だが、ただの男子高校生にだって出来ることはある! ハルヒの機嫌を取って世界を危機から救うことだって俺は出来るんだ! それなのに今の俺はどうだ?長門はいつも頑張ってくれているのに引き換え、皆の目には 俺はどう映っている? 長門「……」 長門の口の動きがだんだん遅くなっていく。どうやら山は乗り切ったみたいだ。 そういえばいつの間にか鶴屋さんは俺の腕から離れて席についている。ありがとう長門。 俺も長門に一礼をして席に座った。 462 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/03(火) 16:03:30.46 ID:mKzvvDQu0 ハルヒ「それにしても買い込んだわねー」 鶴屋 「そう?いつもより少なめだけど」 ハルヒ「ウ、ウソでしょ。これで少ないって…もしかして鶴屋さんってお金持ち?」 鶴屋 「どーかなー。それ程でもないと思うけど」 ハルヒ「ふーん、ねぇ、ちょっと中見ても良いかしら?」 鶴屋 「どうぞどうぞ」 ハルヒ「どれど…何これ?水着?」 鶴屋 「そう。どうだい。似合うと思わないっかなぁ」 ハルヒ「な、なかなか際どい水着だけど良いんじゃないかしら」(これってTバックよね…) 469 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/03(火) 16:52:01.26 ID:mKzvvDQu0 鶴屋 「他にもこんなのも有るよ〜」 ハルヒ「ビキニ、モノキニ、セパレーツ。水着ばっかり?」 鶴屋 「どーだい、これなんかみくるにも似合うとは思わないっかい?」 ハルヒ「ふふふ、そうねぇ」 二人はすっかり水着談義に花を咲かせている。俺もさっきまでの後ろめたい気持ちがなければ 加わりたいぜ! と、ここで目の前の朝比奈さんが子犬のような目で見つめてくる。 みくる(ふえぇぇん。何か怖い話をしてますぅ。キョン君助けてください) ええ、あなたの考えていることは分かっていますとも。任せてください。 キョン「おい、ハルヒ」 ハルヒ「何よ」 キョン「紐ビキニが良いと思うぞ」 473 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/03(火) 17:19:07.43 ID:mKzvvDQu0 ハルヒ「…………」 みくる「…………」 長門 「……………………」(イラッ) 一方、その頃の小泉 Prrrrrrrrr 小泉 「おや、またバイトですか。今日は忙しいですね」 小泉 「ん?何々。今回の神人は形が違う?涼宮さんに何かあったのでしょうか」 478 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/03/03(火) 17:42:23.62 ID:mKzvvDQu0 PM10:34 現時刻俺は自分の部屋に居る。 俺がどのようにして帰宅出来るまでに至ったかは、詳しくは述べないでおこう。 思い返すだけでも空恐ろしい。 簡単に言えば、結局また長門の情報操作によって助けてもらったってところだ。 しかし、いくら長門でも既に俺が喋ってしまった台詞までは操作できなかったみたいだ。 そんなこんなで、明日俺は、ハルヒ、鶴屋さん、朝倉さん、長門とプールに行くことになった。 (小泉はバイトが何時まで続くのか分からないので来れないらしい) キョン「はぁ」 そりゃ溜息も出るさ。なんたって今の俺の心境はドキドキ半分、ワクワク半分だからな。