キョン「ハルヒが眼帯してきた」 1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/26(月) 22:51:11.22 ID:ft05lvJj0 ハルヒ「おはよう」 キョン「おはよう。ところでハルヒ、それは何だ」 ハルヒ「朝起きたら目が腫れてたのよ」 キョン「ああ、つまりそれは…」 ハルヒ「そうよ」 キョン「ものもら…」 ハルヒ「邪気眼よ!」 キョン「…は?」 ハルヒ「だから、邪気眼の力に目覚めたのよ」 キョン「何だそれは」 ハルヒ「邪気の力で敵を倒すの。SOS団は正義の組織でもあったのよ」 キョン「SOS団には襲ってくるような敵は居ない」 ハルヒ「そういうわけだから明日からの不思議探索は悪の組織捜索に変更するわよ」 キョン「無茶苦茶だ…」 2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/01/26(月) 22:52:25.36 ID:ft05lvJj0 キョン「と、いうわけだそうだ」 長門 「そう」 キョン「まぁすぐ飽きるか治るかすると思うが」 長門 「一つ、懸念したい事項がある」 キョン「…何だ?」 長門 「涼宮ハルヒの願望実現能力」 キョン「まさか、本当にハルヒが邪気眼とやらの力に目覚めるとでも?」 長門 「涼宮ハルヒが邪気眼の能力を具体的に定義し、強く願った場合は起こりうる」 キョン「…もし、ハルヒが邪気眼の力に目覚めた場合はどうなるんだ?」 長門 「最悪、世界は闇の力に包まれる」 キョン「すると、どうなるんだ?」 長門 「人類は滅亡する」 キョン「…マジかよ」 3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/01/26(月) 22:53:51.17 ID:ft05lvJj0 長門 「速やかに涼宮ハルヒにあれは邪気眼ではないと認識させることが必要」 キョン「目を覚ましてやらないとな。…まったく、誰に伝染されたんだか…」 長門 「ものもらいは目に雑菌が入ることでなる。他人から感染することはない」 キョン「…そ、そうだったのか。で、その説得役は誰がやるんだ? 俺としては理屈が得意な古泉とかが適任だと思うが」 長門 「あなた」 キョン「他にはそうだな、朝倉とかはどうだ?」 長門 「あなた」 キョン「意外と朝比奈さんとk」 長門 「あなた」 キョン「……わかった」 長門 「がんばって」 4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/01/26(月) 22:56:17.92 ID:ft05lvJj0 キョン「…ハルヒ。その、眼帯なんだがな」 ハルヒ「何よ」 キョン「瞼が腫れる前に目が痒くならなかったか?」 ハルヒ「そういえばなったわね。でもあれは…」 キョン「それはな、ものもらいという病k」 ハルヒ「そう、邪気眼の力に目覚める前兆だったのよ!」 キョン「いや、違う。そうじゃない」 ハルヒ「そういえば何でキョンはそんなこと知ってるのよ」 キョン「え?」 ハルヒ「まさか、アンタも邪気眼を持つ者なの…?」 キョン「それはないわ」 6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/01/26(月) 23:00:21.80 ID:ft05lvJj0 ハルヒ「ああ。この腫れが引いたとき、私の右目は完全に邪気眼として生まれ変わるのね…」 キョン「お前は何を言っているんだ」 ハルヒ「あ、そうだ。キョン、あんた謎の組織に襲われなさい」 キョン「何を言い出すんだ突然」 ハルヒ「覚醒イベントが必要なのよ」 キョン「雑用団員の俺が? 大体そういうイベントって恋人とかそういうのが襲われるんじゃないのか?」 ハルヒ「っ! い、いいから黙って襲われなさい!」 キョン「…理不尽だ」 7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/01/26(月) 23:02:29.16 ID:ft05lvJj0 キョン「無理だった」 長門 「そう」 キョン「腫れが引いたら目覚めるとか言ってるぞ」 長門 「それが本当なら彼女のものもらいが完治する前に説得する必要がある」 キョン「…そうか。ところで長門、あれは本当にものもらいで間違いないんだな?」 長門 「間違いない。涼宮ハルヒの眼帯の下の症状は一般的な麦粒腫。すぐに眼科へ行かせることを推奨する」 キョン「もう無理やり連れて行ったほうが早いんじゃないのか?」 12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/01/26(月) 23:08:07.53 ID:ft05lvJj0 キョン「ハルヒ。何度も言うが、それはただのものもらいだ」 ハルヒ「え?」 キョン「だから、一緒に眼科に行こう。な」 ハルヒ「そ、そうよね…」 キョン「そうだ。邪気眼なんてあるわけないんだ」 ハルヒ「邪気眼を持たぬ者にはわからないわよね」 キョン「わかってくれたか…え?」 ハルヒ「ごめんね、キョン。心配させて。大丈夫、ヤツらとの決着は私一人でつけるから」 キョン「いや話聞けよ。というかヤツらって誰だよ」 15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/01/26(月) 23:11:02.43 ID:ft05lvJj0 ハルヒ「うっ…!」 キョン「…どうした?」 ハルヒ「静まれ、私の右目。静まれっ!」 キョン「な、なんだ?」 ハルヒ「…ふぅ。闇の力が共鳴しているのね。最近右瞼が痙攣することがよくあるのよ」 キョン「うん、それはただの眼瞼痙攣だな。お前は疲れてるんだ。よし眼科へ行こう。すぐに行こう」 ハルヒ「うっ、静まれ! 静まれ!」 キョン「…………」 17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/01/26(月) 23:13:23.63 ID:ft05lvJj0 キョン「処置なしだな」 長門 「そう」 キョン「なんとかハルヒの認識を改めさせなければ…」 古泉 「そういうことなら提案があります」 キョン「なんだ古泉。藪から棒に」 古泉 「一芝居うつんですよ」 キョン「なんだその紙芝居は」 古泉 「説明用です」 キョン「…そうか」 古泉 「手作りです」 キョン「そうか」 古泉 「がんばりました」 キョン「で、提案っていうのは?」 古泉 「よくぞ聞いてくれました。     まず涼宮さんの近くで怪物を適当に暴れさせます。着ぐるみは機関のほうで用意させていただきます」 長門 「それで?」 古泉 「そこへ颯爽と現れた邪気眼使いが怪物を退治します。変装用の衣装は機関で用意させていただきます。     涼宮さんは僕らの用意した偽の邪気眼使いに接触しようとするでしょう。     そこでその偽者が涼宮さんの目は邪気眼ではなくただのものもらいであると説得するのです。」 キョン「なるほど。本物の邪気眼使いと思っている相手に言われたらさすがのハルヒも信じるしかないな」 長門 「作戦は理解した。で、その役は誰がするの?」 19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/01/26(月) 23:16:15.12 ID:ft05lvJj0 配役: 怪物:古泉 襲われる一般人:みくる 偽の邪気眼使い:キョン 必殺技などの特殊効果:長門 キョン「大変だハルヒ。校庭で謎の怪物が暴れているぞ」 ハルヒ「ホント! 大変だわ!」 古泉 「がおーがおー」ぺちぺち みくる「た、助けてくださぁ〜い」 ハルヒ「ああっ! みくるちゃんが襲われている!?」 キョン「(それにしても安っぽいハリボテだな。なんでハルヒ疑わないんだよ)」 古泉 「がおーがおー」ぺちぺち ハルヒ「今こそ正義のSOS団の出番ってわけね。行くわよキョン! …って、あれ、キョン?」 キョン「(長門、頼むぜ)」 21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/01/26(月) 23:20:52.22 ID:ft05lvJj0 キョン「そこまでだ!」 ハルヒ「あ、あれは!?」 キョン「くらえ! エターナルフォースブリザード!」 古泉 「ぎゃあああああ」 キョン「大丈夫ですか?」 みくる「あ、ありがとうございますキョ…謎の人」 ハルヒ「…キョン。アンタ何やってんの…?」 キョン&古泉&長門&みくる「!?」 23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/01/26(月) 23:25:24.72 ID:ft05lvJj0 キョン「き、キョンとは誰だ?私は通りすがりの邪気眼使い…」 みくる「そそそ、そうですよ。この人はキョンくんじゃありませんよ」 ハルヒ「は? あたしがアンタを見間違えるわけないじゃない」 キョン「……。(こうなったら勢いで押し切るしかないか…)」 ハルヒ「…キョン?」 キョン「キミ!」 ハルヒ「(ビクッ)な、何よ」 キョン「私はキョンではなく、ただの邪気眼使いだ!」 ハルヒ「は?」 キョン「さっきの技を見ただろう! これぞ邪気眼使いのみできる芸当よ!」 ハルヒ「え? え?」 キョン「実は私はこの辺りに邪気眼使いが居るという情報を得てやってきた組織のエージェントなのだ!」 ハルヒ「そ、それ私!」 キョン「だが組織には情報はガセだったと伝えておこう」 ハルヒ「ど、どうして…!?」 キョン「キミのようなかわいい子に、戦いは似合わないからだ! キミには普通の女の子として生活して欲しい!」 ハルヒ「かっ、かわいい!?」 キョン「中途半端な力は逆に危険だ。私の知り合いに良い医者が居る。そこで邪気眼の力を取り除いてもらうといい…」 ハルヒ「(キョン、なんでいきなりそんなことを…。はっ、もしかして、私が戦いに巻き込まれないように?)」 ハルヒ「…わかったわ」 キョン「わかってくれたか!(どうやら正体はバレずにすんだみたいだな。ここはさっさと逃げるか…)」 キョン「はっ!新たな敵の気配がする。もう私は行かねばならない。何故なら私は邪気眼使いだからだ!」 ハルヒ「(知らなかった…。キョンがいつもあんなヤツらと戦っていたなんて…」 キョン「(ふぅ。何とかうまくごまかせたようだな)」 24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/01/26(月) 23:28:47.82 ID:ft05lvJj0 それから… 古泉 「いやぁ、一時期はどうなるかと思いましたよ」 キョン「…なぁ、古泉。何かあれ以来右目からビームが出るようになっちまったんだが」 古泉 「いやぁ、ホント何事もなく…」 キョン「無視するなよ」  キョンは右目からビームとかが出るようになり、 ハルヒ「キョン、悩みがあるならすぐ言いなさいよ?」 キョン「ああ、ありがとな(お前が一番の悩みのタネだよ…)」  何故かハルヒが妙に優しくなったという。 25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2009/01/26(月) 23:30:52.94 ID:ft05lvJj0 おしまいです。 短くてすいません。 お付き合いありがとうございました。