キョン「……今日も雨か」 1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/24(土) 02:07:37.36 ID:EJQ+ZCWS0 キョン「もう何日目だ? ここのところずっと天気が悪いな」 古泉「雨は三日目ですね。そして僕が最後に太陽を拝んだのは、一週間前です」 キョン「……あいつか」 古泉「えぇ」 みくる「涼宮さん、今日も部活に来ないんですか?」 キョン「みたいですね。気がつけば帰ってました」 古泉「もうSOS団に興味がないのでしょうか……」 キョン「俺にはわからないな。そうだ、閉鎖空間は?」 古泉「不思議なことに、何も発生していません」 長門「わかっていることは、彼女は今普通の精神状態ではない」 キョン「…」 みくる「涼宮さんがいないと、私達が集まってる意味もないですね」 キョン「……今日はもう解散しますか」 2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/24(土) 02:12:12.32 ID:EJQ+ZCWS0 キョン「はぁ、これだけ雨が続くとこっちまでブルーになっちまうな」 古泉「そうですね」 キョン「お前はあんまりそうなってるふうには見えないけど」 古泉「はは、酷いですね」 キョン「で、やっぱりマズイのか」 古泉「……あまりいい状態ではないですね」 キョン「なにが原因なんだ?」 古泉「わかりません。ただ、この状態が続くと必ず閉鎖空間も生まれるでしょう」 キョン「今はまだ現れてないんだよな」 古泉「えぇ。恐ろしいほどに……無音です」 キョン「…」 古泉「とにかく、原因がわからないのでは我々にはなにも」 キョン「そうか。おう、わかったよ」 6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/24(土) 02:16:57.53 ID:EJQ+ZCWS0 みくる「あの、キョン君」 キョン「? なんですか?」 みくる「涼宮さんから……なにも聞いてないんですか?」 キョン「なにもって、はぁ」 みくる「こう言うと酷く聞こえるかもしれませんけど……私、プライベートではあまり」 キョン「わかってますよ。SOS団を抜きにすれば、俺もあいつのことはよくわからない」 みくる「なにか、悩んでるんです。多分」 キョン「……でしょうね」 みくる「私、未来からやってきたけど……こういうとき、全然頼りになれないですね。ごめんなさい」 キョン「そんなことないですよ。俺だって、あいつとほぼ同じ時間生きてるけどよくわかってないですもん」 みくる「…」 キョン「……話を聞けそうなら、聞いてあげてください」 みくる「はい、もちろん。キョン君も……」 キョン「わかってます」 9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/24(土) 02:20:38.79 ID:EJQ+ZCWS0 長門「…」 キョン「お前も、何も聞いてないか」 長門「…」コク キョン「そうか」 長門「ただ」 キョン「?」 長門「彼女が最後に部室に訪れた時」 キョン「……なんだ?」 長門「とても、寂しそうな顔をしていた」 キョン「寂しそうな顔……」 長門「私は、それを気にしたほうがよかった?」 キョン「そうだな……今度から、そうしてくれ」 長門「…」コク キョン「お前も人間らしくなってきたな。寂しい顔ってのが、わかるなんて」 長門「普段のあなた達と、空気が違った」 キョン「ハルヒが?」 長門「そう。観た事がない、データにない表情」 キョン「…」 15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/24(土) 02:24:02.15 ID:EJQ+ZCWS0 キョン「っと、水たまり」 キョン「……道がデコボコだな。水たまりだらけじゃないか」 国木田「独り言?」 キョン「! なんだ、国木田か」 国木田「キョンも帰り? 最近……部活? やってないの?」 キョン「なんで疑問系なんだよ。あぁ、生憎顔を見せるだけで解散してるばっかりだ」 国木田「へぇ」 キョン「…」 国木田「涼宮さん?」 キョン「あいつ、どうしちゃったんだろうな」 国木田「うん……元気ないよね、最近」 キョン「まあ大人しいにこしたことはないんだけどな」 国木田「心配してるくせに」 キョン「……うるさいな」 20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/24(土) 03:20:12.79 ID:EJQ+ZCWS0 国木田「これだけ雨雲が続いてれば、そういう風にもなっちゃうのかもね」 キョン「これはあいつが……いや、うん。そうかもな」 国木田「あーあ。洗濯物も乾かないし最悪だよ」 国木田「ゲーセン寄っていかない? どうせ暇なんでしょ」 キョン「まあ暇だな。行くか」 国木田「谷口も呼ぶ? あいつも暇人だから、すぐに来ると……あ」 キョン「?」 ハルヒ「…」 国木田「……涼宮さんだ」 キョン「あいつ……何やってるんだ?」 26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/24(土) 03:30:48.10 ID:EJQ+ZCWS0 国木田「待ち合わせ?」 キョン「さあ、どうだろうな」 国木田「行ってきたら?」 キョン「なんでだよ」 国木田「心配なんでしょ?」 キョン「……別に」 国木田「じゃあゲーセン行く?」 キョン「…」 国木田「ほらね」 キョン「でも、何を話せって」 国木田「それはキョンが考えればいいじゃない。あははっ、なんかナンパするみたいだね」 キョン「あのなぁ」 国木田「……暗い顔してるね。ほら、行ってあげなよ」 キョン「…」 27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/24(土) 03:32:49.10 ID:EJQ+ZCWS0 キョン「…」(動かないな……やっぱり待ち合わせか) ハルヒ「…」 キョン「…」 ハルヒ「…」 キョン「……なにやってんだよ」 ハルヒ「…」 キョン「…」(全然動かない……どうしたんだ?) ハルヒ「はぁっ……」 キョン「……あぁもう」トトッ キョン「よう、ハルヒ」 ハルヒ「……キョン?」 キョン「なにしてんだよ? こんなに雨が降ってるのに」 ハルヒ「……なんでもいいでしょ。あんたには関係ないわ」 キョン「…」 30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/24(土) 03:36:57.42 ID:EJQ+ZCWS0 キョン「誰かを待ってるのか?」 ハルヒ「そうよ。邪魔だからどっか行ってよ」 キョン「そっか……わかったよ」 ハルヒ「……待って」 キョン「ん?」 ハルヒ「あの……部活は?」 キョン「誰かさんが欠席してるから早々に切り上げたよ」 ハルヒ「…」 キョン「どうしたんだよ。お前、最近変だぞ?」 ハルヒ「うるさいわね。早くどっか行ってよ!」 キョン「っと、わかったよ。じゃあな」 ハルヒ「…」 32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/24(土) 03:40:09.45 ID:EJQ+ZCWS0 キョン「で、どっか行けって言われた」 国木田「だから置いてきたの?」 キョン「どうしろと」 国木田「…」 谷口「うりゃぁ! どあああ!」ピコピコ 国木田「戻ったほうがいいんじゃない?」 キョン「はぁ? なんだだよ」 国木田「なんとなく、かな」 キョン「どういう意味だよ。どっか行けっつったのはアイツだぞ?」 谷口「せいせいせいっ!」カチカチ 国木田「ウソついてるかもしれないじゃん」 キョン「嘘?」 国木田「誰とも待ち合わせしてないってこと」 キョン「……なんでそんな嘘を」 谷口「ああっ! またやられた!!」チュドーン キョン「うるせぇ」 33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/24(土) 03:44:16.08 ID:EJQ+ZCWS0 国木田「涼宮さんが、誰と待ち合わせするの?」 キョン「そんなの誰とでもするだろ」 国木田「そうかもしれないけど、あんななんの目印もないようなところで、こんな天気なのに」 キョン「……知らない、そんなこと」 国木田「やっぱり、戻ったほうがいいと思うよ」 キョン「また邪険にされるだろ?」 国木田「だけど、心配だよ」 キョン「じゃあお前がいけよ。俺はもういいよ」 国木田「僕が行ってもなにもできないもん。それに、キョンだから行ったほうがいいかなって」 キョン「どういう意味だ?」 国木田「僕が知ってる範囲だけど、涼宮さんが一番仲いいのはキョンだもん」 キョン「……そうかね」 国木田「そのキョンにも言えない人と待ち合わせってのも……ね?」 キョン「…」 35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/24(土) 03:47:23.46 ID:EJQ+ZCWS0 谷口「アレじゃねーの? 彼氏とか」 キョン「谷口、聞いてたのか」 谷口「あいつ昔っからモテてたからな〜。おかしくはないだろ?」 キョン「そうかもな」 国木田「うーん」 キョン「なんでまだ悩んでるんだよ」 国木田「涼宮さんに……彼氏……多分、ないと思う」 キョン「?」 国木田「それはだって、ほらキョンが」 キョン「俺は関係ないだろ」 国木田「そうかな。僕はキョンが一番、涼宮さんとそういう関係に近いと思うけどなぁ」 谷口「なに、キョンそうだったのか?」 キョン「黙れ」 国木田「とにかくほら。もう一度行ってみなよ」 キョン「もう居ないかもしれないだろ?」 国木田「ならそれでいいじゃん。居るか居ないか、その確認だけでも」 キョン「……わかったよ。行ってくる」 36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/24(土) 03:53:03.94 ID:EJQ+ZCWS0 谷口「涼宮、どうかしたのか?」 国木田「うん。なんか様子がおかしいかなってさ」 谷口「お前そういうのよく気がつくなぁ」 国木田「そうかな? 彼女、最近ずっと静かじゃないか」 谷口「……言われてみれば」 谷口「キョンもよくやるよ。こんな雨の中よくもまあ」 国木田「あはは、青春だよね」 谷口「……お前がそう仕向けたんじゃないか??」 国木田「まあほら、クラスメイトが困ってるのもさ?」 谷口「ほっといても大丈夫だと思うけどなぁ」 国木田「キョンに任せてみよう。あ、順番あいてるよ」 谷口「っし! 今度こそクリアするぜ!」 37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/24(土) 03:55:57.13 ID:EJQ+ZCWS0 キョン「寒っ……雨のせいか? 冷えるな」 キョン「さすがにもう居な――」 ハルヒ「…」 キョン「――なにやってんだよ……っとに」 キョン「……ずっとあそこにいるのか?」 ハルヒ「…」 キョン「なんか……なにやってんだよ。風邪ひくぞ?」 ハルヒ「……くしゅっ!」 キョン「ほら。って、俺はなにを一人でブツブツと」 ハルヒ「…」 キョン「……行くか」 キョン「おーい、まだ来ないのか? 待ち合わせの人」ヒョコ ハルヒ「! キョ、あんた……まだ居たの? 早く帰りなさいよ」 キョン「まあそういうなって。ほら、コーヒー奢ってやる。寒いだろ?」 ハルヒ「…」 38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/24(土) 04:01:40.68 ID:EJQ+ZCWS0 キョン「はぁ、暖かい」 ハルヒ「……どっか行きなさいよ。邪魔よあんた」 キョン「うるさいな。コーヒー飲む間ぐらいいだろ?」 キョン「ほら飲めよ。冷めるぞ」 ハルヒ「…」 キョン「?」 ハルヒ「開けなさい」スッ キョン「なんでだよ。自分で開けろそんぐらい」 ハルヒ「手が冷たくてできないの! いいからやりなさいよっ!」 キョン「っと……わ、わかったよ。そうカリカリすんなって」スッ キョン「ほら」 ハルヒ「…」スッ キョン「うわ、冷たっ! お前、こんなに」 ハルヒ「……触らないでよ」 キョン「マジで風邪ひくぞ? せめてほら、コンビニとか」 ハルヒ「あんたには関係ないでしょ! もういいから帰りなさいよバカッ!」 キョン「……なにをそんなに怒ってるんだよ。そろそろ、俺も怒るぞ」 40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/24(土) 04:05:41.67 ID:EJQ+ZCWS0 キョン「お前、最近どうしちゃったんだよ。ずっと部活にも来ないし」 ハルヒ「あ、あんたには関係ないでしょっ」 キョン「そうかもしれんが。そんなピリピリしてるのを見せられると、気にはなるぞ?」 ハルヒ「気にしないでよ」 キョン「気にするっての」 ハルヒ「……ほら、もう飲んだでしょ。消えてよ」 キョン「お前が飲んでない」 ハルヒ「もういいってば。お願い、邪魔だからどっか行ってよ!」 キョン「……どうしたんだよ。そんなに俺に知られたくない人か?」 ハルヒ「そ、そうよ。そうなの。だから」 キョン「嘘つけ」 ハルヒ「嘘じゃないわよ!」 キョン「本当のこと、言ってみろって。なにかあるんだろ?」 ハルヒ「あぁぁっ! もう! いいからどっか行きなさいよバカ! バカバカッ!」 キョン「っと、痛いって! 殴るなよ! ……わかったよ。もういい」 ハルヒ「はぁっ、はぁ……帰って……帰りなさいよっ」 42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/24(土) 04:11:49.92 ID:EJQ+ZCWS0 キョン「帰るよ。帰るから、おちつけ」 ハルヒ「……もういいから、行って」 キョン「じゃあな。また明日」 キョン「…」トトッ ハルヒ「…」 キョン「なぁ、ハルヒ」 ハルヒ「…」 キョン「……誰にも言わないから、何か悩んでるなら……俺に言えって」 ハルヒ「…」 キョン「お前って意外と、なにか抱えると自分一人でどうにかしちゃう奴だからな」 ハルヒ「…」 キョン「たまには、その、俺も……頼ってみても、いいんだから」 ハルヒ「…」 キョン「…」 ハルヒ「……バカ……ッ、キョンの、バカ!」 キョン「?」 ハルヒ「は、早くどっか、んっ、行きなさいよ……っ!」 キョン「ハルヒ?」 ハルヒ「ぐすっ……キョンのバカ……ッ」 キョン「お前……ほ、ほら。ちょっとこっちこい」グッ 46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/24(土) 04:22:56.21 ID:EJQ+ZCWS0 キョン「どっか店……あぁ、ゲーセンに戻るか。あそこなら」 ハルヒ「…」グッ キョン「? なんだよ、別に変なトコに連れて行こうってわけじゃ」 ハルヒ「……嫌」 キョン「え?」 ハルヒ「……誰も……居ないトコ」 キョン「誰も? 何、聞こえん」 ハルヒ「……誰も居ないとこがいいの……おねがい」 キョン「え、あ……おお、おう。あいよ、わかったわかった!」(これは……っ!) ハルヒ「…」 キョン「つってもなぁ、あはは、俺あんま金ないし」 ハルヒ「…」 キョン「ウ、ウチ来るか? 今なら誰もいないしさ」 ハルヒ「…」コク キョン「よし、じゃあ行こう。ほら、歩けるか?」(この展開は……マジかっ) 50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/24(土) 04:27:03.99 ID:EJQ+ZCWS0 キョン「ただいまー……って、誰もいないけどな?」 ハルヒ「…」 キョン「……ほら、まあ上がれって」 ガチャ キョン「カバンその辺置いてて、とりあえず座れよ」 ハルヒ「……ありがと」スッ キョン「お、おぅ」 ハルヒ「…」 キョン「……な、なんかアレだなー。外寒かったよな? あぁ、寒かった」 ハルヒ「…」 キョン「そうだ、飲み物持ってくるよ。ついでになにか食うものでも」 ハルヒ「……キョン」 キョン「!? お、おう! なんだ、どうした? ん?」 56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/24(土) 04:37:13.31 ID:EJQ+ZCWS0 ハルヒ「…」 キョン「な、なんだよ? どうした?」 ハルヒ「…」 キョン「待ち合わせ、やっぱり嘘だったんだな」 ハルヒ「……ごめんね」 キョン「あぁいや、別に」 ハルヒ「…」 キョン「……うん、なんだ。聞くよ。言えって」 ハルヒ「…」ポロポロッ キョン「! な、なんだよ。ほら泣くなって……ハルヒ?」 ハルヒ「んっ……キョン、キョン……あ、あたしねっ、あのね……っ」 59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/24(土) 04:42:24.87 ID:EJQ+ZCWS0 キョン「怖い?」 ハルヒ「んっ……」コクン キョン「怖いって、人と話すのが? なんで?」 ハルヒ「わかんない。わかんないけど……誰とも話したくないの」 キョン「…」 ハルヒ「学校に居てもイライラするし、話しかけられると鬱陶しく思っちゃうし……」 ハルヒ「だけど……寂しくて……でも誰かと話すのは、嫌で、なんか、んっ」 キョン「ほら、ゆっくりでいいから。うん、落ち着いていいぞ? 今は俺しか居ないから」 ハルヒ「…」 ハルヒ「あたし、どうしちゃったのかな」 キョン「…」 ハルヒ「全部全部嫌になって、皆あたしのこと綺麗さっぱり忘れえてくれれば……解決するかなって」 キョン「お前……ダメだ。そんなこと考えちゃダメだぞ?」 ハルヒ「……キョンのことも……嫌いになりそうで……だからさっき」 キョン「わかったよ。別にそれは攻めないから。なんていうか……疲れてるんだよ。ハルヒはきっと」 62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/24(土) 04:49:25.21 ID:EJQ+ZCWS0 ハルヒ「そんなことないわよ! なによ疲れてるって!」 キョン「! いや、あの……」 ハルヒ「あ……」 キョン「…」 ハルヒ「ごめん……ごめんなさい」 キョン「いいって。謝るなよ、大丈夫だから」 ハルヒ「…」 キョン「…」 ハルヒ「携帯のね」 キョン「?」 ハルヒ「アドレスも変えて、データも消したの」 キョン「携帯……なんでさ」 ハルヒ「鬱陶しくて、怖くて、嫌で……でも……キョン」 キョン「…」 ハルヒ「わかんないよ……なんであたし、こんなことしてるの?」 キョン「大丈夫、大丈夫だ。ハルヒはなんにも悪くないから……うん」 63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/24(土) 04:54:02.58 ID:EJQ+ZCWS0 キョン「じゃあずっと、学校終わってから一人であんな風に?」 ハルヒ「家に帰ってもやることないし、でも誰とも話したくないし……」 キョン「…」 ハルヒ「だけど寂しいから、誰かに話しかけてもらえればって……でもイライラしちゃって」 ハルヒ「なにが原因かわからないけど……こんなので部活行っても、皆に迷惑かけちゃうから」 キョン「だから来なかったのか」 ハルヒ「…」コク キョン「そうか……うん。わかった。ハルヒは優しいな、ちゃんと皆の事考えてる」 ハルヒ「そっ、そんなことないわよ! だって、あたし話しちゃうと……今日みたいに」 キョン「だからさ。嫌な言葉吐いちゃうかもしれないから、自分から皆と離れてたんだろ?」 ハルヒ「……うん……」 キョン「俺は大丈夫か? 鬱陶しいなら、もう家まで送るぞ?」 ハルヒ「やっ、やだ。キョンは、キョンは……ココにいて?」 キョン「……あぁ、居るよ。安心しろ」(っつっても俺の家だけどな……) 65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/24(土) 05:00:45.75 ID:EJQ+ZCWS0 キョン「ほら、紅茶淹れてきたぞ。美味いかどうかはわからんが」 ハルヒ「……ありがとう」 キョン「寒くないか? そうだ、暖房つけるよ」ピッ ハルヒ「…」 キョン「ほら、ブランケット使っていいぞ? 風邪ひくと大変だからな」スッ ハルヒ「…」コク キョン「……落ち着くまで、ウチで休んでいいから。ちゃんと後で送ってやるからさ」 ハルヒ「うん……」 キョン「…」 68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/24(土) 05:10:55.90 ID:EJQ+ZCWS0 ハルヒ「隣、座っていい?」 キョン「いいよ。ほらおいで」 ハルヒ「…」ススッ キョン「なんか変な感じだな。ハルヒが俺の部屋にいるってのはさ」 ハルヒ「…」 キョン「うっ……すまん」 ハルヒ「ありがとう、キョン」 キョン「?」 ハルヒ「キョンに話したら、なんか楽になった。キョンだけなら……大丈夫みたい」 キョン「……朝比奈さんや古泉、長門とかは?」 ハルヒ「わかんない……でも、話したくない」 キョン「そっか」 ハルヒ「最低ね、あたし」 キョン「いいや、そんなことない。ハルヒはいい子だよ。最低なんかじゃない」ナデナデ ハルヒ「…」 69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/24(土) 05:18:14.86 ID:EJQ+ZCWS0 キョン「俺は大丈夫ってんなら、ずっと聞いててやるから、うん」 ハルヒ「…」 キョン「傍に居ていいなら、いるからさ。もう一人で悩んだりすんなよ?」 ハルヒ「ひっついていい?」 キョン「……お、おおぅ」 ハルヒ「ん」スッ キョン「…」 ハルヒ「……はぁ」 キョン「なんか俺に……してほしいこととかあるんなら、遠慮せずに言えよ?」 ハルヒ「……じゃあ」 キョン「おう」 ハルヒ「二人っきりのときだけ……甘えさせて?」 キョン「任せとけ。って、どうすれば?」 ハルヒ「…」ジー キョン「……まあいいや、そこ座ってな。ハルヒが安心できるように頑張ってみる」 ハルヒ「ふふっ、なにを?」 キョン「うっさい。それを考えるんだ。その……まあいいや、黙ってろ」 ハルヒ「うん。わかった」 キョン「…」ナデナデ 72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/24(土) 05:23:26.04 ID:EJQ+ZCWS0 キョン「もしかすると……病院とか、行ったほうがいいかも」 ハルヒ「病院……」 キョン「いや、わかんないけどな? まあ……今は、大丈夫そうだ」 ハルヒ「心の病気ってやつ? でもあたしがそんな」 キョン「だからだよ。ハルヒがそうなってても……俺もお前も、信じられないだろ?」 ハルヒ「…」 キョン「だけど、今はとりあえず大丈夫」 ハルヒ「…」 キョン「話したくないなら、話さなくていい。逢いたくないなら逢わなくても」 キョン「少しずつ、元に戻れるようにさ? 俺も……一緒になって考えてやるから」 ハルヒ「キョン……」 キョン「ほら泣くなよ。ハルヒは笑ってるほうが似合うんだから」 ハルヒ「…」コクン キョン「雨、止めばいいな……早く晴れれば、いいんだけどな」 73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/24(土) 05:28:38.71 ID:EJQ+ZCWS0 ハルヒ「そろそろ帰る。もうこんな時間」 キョン「ん、送るよ」 ハルヒ「いいわよ。もう大丈夫」 キョン「本当に大丈夫か? 自転車もあるし、すぐだぞ?」 ハルヒ「大丈夫だってば。色々と……ごめんね」 キョン「気にすんな。お前も、なにかあれば電話でもメールでもいいから」 ハルヒ「……うん」 キョン「一人で抱えようとするなよ? 明日もちゃんと、学校に来るんだ」 ハルヒ「わかってるわよ。じゃあね」 キョン「あぁ、また明日な」 キョン「…」 キョン「……大丈夫かな……」 75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/24(土) 05:41:26.75 ID:EJQ+ZCWS0 キョン「ってわけだ。だから、しばらくはハルヒはそっとしておいてほしい」 古泉「そうですか……。鬱、とでも言えばいいんでしょうか?」 キョン「わからんな。ただ誰とも会いたくない。喋りたくないとは言ってた」 古泉「涼宮さんは自分自身すら、否定していたのですか? どうりで閉鎖空間も生まれないわけだ」 キョン「? でも、ストレスはかなり」 古泉「しかし自分に原因があると自覚しているんでしょう。だから、消えるべきなのは自分自身だと」 キョン「……なら、このままだとあいつは」 古泉「えぇ。あなたの想像している通りに」 キョン「…」 古泉「ですから、彼女が存在するためには」 キョン「俺がどうにかしてやらないと、ってか」 古泉「おや、わかりましたか?」 キョン「そりゃ……今日一日で、ハルヒのことが結構わかったつもりではあるしな」 古泉「ではおねがいします。今回ばかりは僕達は……なにも協力できそうにないです」 76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/24(土) 05:44:21.28 ID:EJQ+ZCWS0 キョン「明日は晴れるといいんだけどなぁ」 キョン妹「明日? でも明日は雨だーって」 キョン「誰が言ってたんだ?」 キョン妹「てれび!」 キョン「……どうだろうな。あいつらは予想しかできないさ」 キョン妹「んー?」 キョン「ほら、もう寝なさい」 カチカチ キョン「おやすみ……っと。今のところ大丈夫そうだな」 キョン「…」 キョン「あいつ、ずっと一人で悩んでたのか……」 キョン「もっと早く気がついてやればよかったな……うん」 77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/24(土) 05:46:26.07 ID:EJQ+ZCWS0 キョン妹「キョンくーん! あさ! 朝だよー!」 キョン「んんっ……んー」 キョン「…」 キョン妹「御飯できてるよ」 キョン「うー……すぐ行くよ」 キョン妹「早くしないとウインナーもらっちゃうぞーっ」テテテ… キョン「それは勘弁……ん?」 キョン「…」 キョン「曇りか……すこしは晴れた、のか?」 キョン「……うし、頑張ろう」 81 名前:ハルヒはキョンの嫁 ◆UBgxfb/oXY [] 投稿日:2009/01/24(土) 05:57:55.95 ID:EJQ+ZCWS0 お久しぶり。今回はちょっと、重い感じのSSで。 俺もこんな風になりましたが、周りの人のおかげで今日も元気です。 いつも元気なハルヒだからこそ、こうなったときが大変だと……だからこそのキョン君。 おやすみ。 残ってればまた昼ぐらいに。 171 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/24(土) 15:55:18.12 ID:GOeB/QSP0 キョン「おはよう」 国木田「あ、キョン。おはよう」 キョン「……ハルヒはまだ来てないのか」 国木田「ん? あぁ、みたいだね。休みかな」 キョン「いや、ちゃんと来るとは言ってた」 国木田「へぇ……よく知ってるね」 キョン「そりゃあ……!」 国木田「じゃあ昨日は、なんとかなったみたいだね?」 キョン「まあ、そうだな。でも多分まだちょっと」 国木田「?」 キョン「おっ」 ハルヒ「…」 キョン「お、おはようハルヒ」 ハルヒ「…」コク 178 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/24(土) 15:59:22.77 ID:GOeB/QSP0 キョン「…」 キョン「…」(結局一言も話さないまま昼休みか) キョン「んー……なぁ、ハルヒ? よかったら昼飯」 ハルヒ「来て」ゴソゴソ キョン「えっ? あ、あぁ。あいよ」 国木田「……?」 谷口「なんだ、涼宮の奴またなんか企んでるのか……」 国木田「うーん、どうなんだろ?」 179 名前:ハルヒはキョンの嫁 ◆UBgxfb/oXY [] 投稿日:2009/01/24(土) 16:00:08.76 ID:GOeB/QSP0 ご無礼、ロンです。 186 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/24(土) 16:11:38.71 ID:GOeB/QSP0 キョン「部室行くか、部室。お前最近全然来ないだろ? 昼休みだけでもさ」 ハルヒ「…」コク キョン「……大丈夫か? 気分悪いとかなら」 ハルヒ「大丈夫」 キョン「そ、そうか」 ガチャ キョン「……ほら、誰も居ない」 ハルヒ「…」 キョン「やっぱりダメか? 教室……色んな奴いるもんな」 ハルヒ「声がうるさっくって……イライラする」 キョン「大丈夫、大丈夫。すぐ慣れるよ」 ハルヒ「…」 キョン「元は大丈夫だったんだ。今はちょっと嫌なだけ。大丈夫だから」 ハルヒ「……ん」 キョン「ほらハルヒ。弁当食べよう、俺も腹へったよ」 190 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/24(土) 16:19:00.00 ID:GOeB/QSP0 キョン「ハルヒの弁当美味しそうだな、彩りも綺麗だ」 ハルヒ「そう? これ、自分で作ったのよ」 キョン「そうなのか? へぇ、ハルヒも料理とかできるんだな」 ハルヒ「むっ、なによそれ!」 キョン「いやいや、イメージしてたのとは違うぞ? お前はそういうのは不器用かと」 ハルヒ「酷いわね! ちゃんとできるに決まってるじゃない!」 キョン「はは、そうだな。それ見てわかったよ」 ハルヒ「……親と顔あわせるとさ……なんか酷いこと言っちゃいそうで」 キョン「…」 ハルヒ「早起きして、自分でお弁当作って……でも一番最初に学校着くのは嫌だから、その辺ブラブラしてたの」 キョン「あー……うん、そっか。偉いよ。自分でこんな」 ハルヒ「…」 キョン「俺も貰っていいか? ほら、これと交換だ。こっちも美味しいぞ? ほら、あーん」 ハルヒ「……あむっ」 195 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/24(土) 16:26:00.10 ID:GOeB/QSP0 キョン「あ、飲み物忘れた……ちょっと買ってくる」 ハルヒ「! ちょ、ちょっと。ドコ行くの?」 キョン「自販機んトコまでだ、すぐ戻ってくるって。それとも一緒に行くか?」 ハルヒ「…」 キョン「すぐ戻ってくるから。ほら、鍵は俺が持って……ハルヒは中から鍵閉めてろ」 ハルヒ「わかった……走って帰ってきなさいよ? 遅かったら怒るからね?」 キョン「わかってるよ」 キョン「…」ピッ  ガコン キョン「結構キツいな……あのハルヒが、あんなに」 みくる「あれ、キョン君?」 キョン「! 朝比奈さん」 みくる「あー、そのジュース美味しいですよね。私も大好きです」 キョン「あぁ、そうですね。俺も結構好きかも」 みくる「ちょっと部室に忘れ物しちゃって、また放課後に〜」 キョン「! ちょ、待った!!」 みくる「!?」 198 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/24(土) 16:32:25.82 ID:GOeB/QSP0 みくる「涼宮さんが……」 キョン「えぇ。だから、ちょっとあいつと逢うのは」 みくる「わかりました。それなら部室には……でもちょっと困ったなぁ」 キョン「?」 みくる「あの、次の授業で使わないといけないから」 キョン「朝比奈さんもちゃんと授業受けてるんですね」 みくる「そりゃあ、失った青春をもう一度……! きっ、禁則事項ですっ!」 キョン「……じゃあ俺がとってきますよ。多分、俺じゃないとマズいんで」 みくる「あ、じゃあ部室の前までは行きますね。ここまで持ってきてもらのは悪いですから」 201 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/24(土) 16:38:46.88 ID:GOeB/QSP0 ハルヒ「……キョン……遅い」 コンコン ハルヒ「!」 ハルヒ「……キョン?」 ハルヒ「へ、返事しなさいよっ」 ハルヒ「あんた鍵持ってるんでしょ? 自分で――」 長門「開けて」 ハルヒ「っ!」 長門「本の続きを読みたい。ここを、開けて」 ハルヒ「あ……」 長門「…」 キョン「だから、あいつが大丈夫になるまでは部活も……!」 長門「?」 キョン「な、長門! お前、なにやってるんだ」 長門「本を読みたい」 キョン「本か? すまん、できれば違うところで」 長門「違う。ここにある、本」 キョン「……ちょっと待ってろ。どんな本だ? 本棚にあるやつか?」 204 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/24(土) 16:45:11.69 ID:GOeB/QSP0 キョン「ハルヒ、俺だ。入るぞ?」 ガチャン キョン「あれ、ドアが」 キョン「?」グッ ハルヒ「ダメ……帰って」ググッ キョン「……俺しか入らないから。朝比奈さんも長門も、もう居ないから。な?」 ハルヒ「みっ、みくるちゃんも居るの? むむっ、無理! 帰ってよ帰りなさいよ!!」 キョン「…」ガチャッ ハルヒ「!」 キョン「大丈夫! ほら居ないだろ? 二人共荷物とりに来ただけだから、もう帰ったから。な?」 ハルヒ「……キョン……キョン、遅いキョン、遅いよ……ぉ」 キョン「よし、ごめんな。俺が悪かったよ。ほら、二人の荷物だけ返してやろうな? 今度はすぐに帰ってくるから」 211 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/24(土) 16:56:41.18 ID:GOeB/QSP0 キョン「ほら、もう大丈夫だ。もう本当に誰もいない」 ハルヒ「まだ誰かドアの外に居るんじゃないの?」 キョン「誰も居ないって。俺がハルヒに嘘つくと思うか?」 ハルヒ「…」 キョン「朝比奈さんとはたまたま逢ってさ? 長門は本を読みに来ただけだ」 ハルヒ「どうせあんた……あたしが居るからって、二人共呼んできたんでしょ」 キョン「そんなわけないだろ。本当に偶然だ、信じてくれ」 ハルヒ「……二人共、あたしのこと変だって思ってるわよね」 キョン「思ってない。お前のことを悪く思うわけないだろ?」 ハルヒ「だって! こんなトコで一人で……」 キョン「……大丈夫、皆心配して……いや、なんにも思ってないから。ハルヒはハルヒだよ」 ハルヒ「…」 キョン「ほら、ここ座れって。とりあえず座って落ち着こう、こっちおいで」 216 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/24(土) 17:04:50.53 ID:GOeB/QSP0 キョン「ほら、このジュース甘くて美味しいぞ?」 ハルヒ「…」 キョン「ごめんな、すぐ戻ってくるって言ったのにな」 ハルヒ「……バカキョン」 キョン「……朝比奈さんも長門も、やっぱりダメか」 ハルヒ「…」コク キョン「あぁ、でも気にするなよ? 本当に二人ともなんにも思ってないからな?」 ハルヒ「そんなわけないじゃない……いつもは嫌ってほどあたしが」 キョン「いいや、そんなわけあるって。いいから……なんにも考えるな」ナデナデ ハルヒ「……嫌われちゃうよね……こんなの、皆鬱陶しいって」 キョン「俺はちゃんと傍に居るだろ? 変なこと考えるな、俺はちゃんとお前のこと……す……き、だから、うん」 ハルヒ「…」グッ 223 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/24(土) 17:22:30.85 ID:GOeB/QSP0 キョン「よしよし、もう大丈夫か? そろそろ離れてくれると助かる」 ハルヒ「…」フルフル キョン「わかったよ、もうちょっとこのまま……」 キョン「…」(授業始まっちまうなぁ……) ハルヒ「…」 キョン「…」(ん? 眠ってる?) ハルヒ「あんた」 キョン「あ、起きてた……」 ハルヒ「もしかして、あたしに告白した?」 キョン「は? ……! あ、あぁいや、あれはその」 ハルヒ「……嘘?」 キョン「うううっ、嘘じゃないぞ!」 ハルヒ「好きって言えば、あたしが安心するからって」 キョン「そんなわけないだろ。ちゃんと本当だ」 ハルヒ「じゃあ……もう一回言ってよ」 キョン「……す、好きだ。ハルヒ」 ハルヒ「……うん、とりあえず聴いておいてあげる。……ありがと」 227 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/24(土) 17:31:28.69 ID:GOeB/QSP0 キョン「もう授業始まるぞ?」 ハルヒ「…」 キョン「ハールヒ、黙ってるとわからないだろ」 ハルヒ「……帰る」 キョン「え?」 ハルヒ「なんか頭痛い。それに……また誰かに逢ったら」 キョン「でもお前、今日耐えれないと明日は来れないかもしれないぞ?」 ハルヒ「それでもいいもん」 キョン「ダメだ。座ってるだけでいいから、ノートもなんなら俺が書いててやるから」 ハルヒ「……いいわよ別に」 キョン「とにかく、あと二時間だけ頑張ろう。そんで授業終わったらすぐに帰ろう、俺も一緒に帰るから」 ハルヒ「…」 キョン「よし、じゃあ離れろ。よっと……軽いなぁハルヒ」 ハルヒ「手は繋いでてよ」 キョン「……教室の前までな。ほら、行こう」キュッ 228 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/24(土) 17:33:26.87 ID:GOeB/QSP0 国木田「あれ、遅いよキョン」 キョン「あぁ、まだ先生来てないのか?」 国木田「みたいだね」 ハルヒ「…」 キョン「大丈夫か? 大丈夫だな」 ハルヒ「…」フルフル キョン「座ってるだけでいいから。不安になったら、俺の制服引っ張れ。ちゃんと振り返るからな?」 ハルヒ「……わかった」 キョン「よし」 谷口「なんだなんだ? 仲いいなあいつら!」 国木田「うーん、なんか違うような……」 231 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/24(土) 17:37:51.14 ID:GOeB/QSP0 カリカリ… キョン「…」 ハルヒ「…」 キョン「…」(寝てるのか……なら安心だ) キョン「ハルヒ、授業終わったぞ」ユサユサ ハルヒ「……起きてるわよ」 キョン「あれっ、そうか」 ハルヒ「カーテン閉めてもいい?」 キョン「いいよ。でも曇ってるからあんまり意味は」 ハルヒ「視界が広いのは嫌なの」 キョン「……よし、じゃあ閉めとこうな」シャッ キョン「あと一時間、頑張れるか?」 ハルヒ「…」コクッ キョン「よし、じゃあ頑張ろうな」 234 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/24(土) 17:51:23.64 ID:GOeB/QSP0 キョン「よし、帰るか」 ハルヒ「待って」グッ キョン「? なんだよ、ちゃんと一緒に」 ハルヒ「そうじゃないの……待ってってば」 キョン「…」 ハルヒ「…」 キョン「もう皆帰っちまったぞ」 ハルヒ「……帰りましょ」 キョン「はぁ」 ハルヒ「雨、降るかな?」 キョン「あのさ」 ハルヒ「?」 キョン「そんなに無理なのか? 俺以外の奴と話すのは」 ハルヒ「……なによ」 キョン「いや、聞いてみただけ」 ハルヒ「……ごめん……だって、イライラして……」 キョン「ああっ、いや! なら仕方ないよな、うん」 ハルヒ「皆私のこと忘れてくれないかな。そうすればひっそりと」 キョン「そういうこと言うなって。俺、ハルヒのこと忘れちゃったら嫌すぎるぞ?」 ハルヒ「……うん」 235 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/24(土) 17:55:07.47 ID:GOeB/QSP0 キョン「どこか寄って帰るか? いや、すぐ帰るほうがいいか」 ハルヒ「うん」 キョン「じゃあ行こう。出来るだけ人が居ない道、通ってさ?」 ハルヒ「……部活してる」 キョン「そりゃするさ。高校生だからな」 ハルヒ「あたし達も部活しないとね」 キョン「? 部室行くか?」 ハルヒ「……今度」 キョン「おう、わかった。ほら行こう」 ハルヒ「誰も居ない?」 キョン「居ないよ。居たとしても、無視すればいい」 ハルヒ「……話しかけてきたら?」 キョン「そうなったらハルヒは俺の後ろに隠れてればいい。俺がどうにかするから」 ハルヒ「……子供みたいね……あたし」 キョン「いいよいいよ、なんにも気にしてないし。ほら、寒いから早く行くぞ?」 243 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/24(土) 18:07:42.28 ID:GOeB/QSP0 キョン「雨は……降りそうにないな。よかった」 ハルヒ「わからないわよ。そのうち降るかも」 キョン「そうなったら慰めるよ。どうにか止ませてみせる」 ハルヒ「?」 キョン「でも、なにが原因なんだろうな」 ハルヒ「……それがわかったら苦労しないわよ」 キョン「ゆっくりでいいから、ハルヒが話しかけられるときに皆に話しかければいいから」 ハルヒ「…」コク キョン「SOS団の皆も、ハルヒのこと待ってると思うぞ?」 ハルヒ「どうかしらね、煩いのがいなくて清々してるかも」 キョン「そんなわけないだろ? なんでも悪い方に考えるなって」 ハルヒ「…」 キョン「俯くなって。ほら、ハルにゃん?」クッ ハルヒ「! や、やめてよ! 何言ってるのよバカ」 キョン「ほら笑った。うじうじしてるとハルにゃんって呼ぶからな?」 249 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/24(土) 18:16:56.60 ID:GOeB/QSP0 キョン「ほら、着いたぞハルヒ」 ハルヒ「ん」 キョン「もう大丈夫か……それじゃ、また明日な」 ハルヒ「待ちなさいよ」 キョン「?」 ハルヒ「ど、どうせ暇なんでしょ? 上がっていきなさいよ」 キョン「え……いや、でも」 ハルヒ「一人で居てもつまらないもん。それに、親と居ると気まずいっていうか……」 キョン「…」(それは俺のセリフのような……) ハルヒ「…」 キョン「……わかったよ。でも、あんま遅くまでは居られないぞ? その、迷惑だろうし」 ハルヒ「うん、ほら。入って」 253 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/24(土) 18:25:27.23 ID:GOeB/QSP0 キョン「…」(ハルヒの部屋……) ハルヒ「なにキョロキョロしてんのよ、変態」 キョン「なっ」 ハルヒ「あっ」 キョン「?」 ハルヒ「……着替える」 キョン「あぁ、じゃあ外に」 ハルヒ「そこに居てよ」 キョン「なんでだよ」 ハルヒ「あんた、勝手に帰っちゃいそうだもん」 キョン「帰らないって、というか……じゃあどうすれば」 ハルヒ「……こっち見るな」 キョン「わ、わかったよ」 シュルッ キョン「…」 シューッ キョン「…」(後ろでハルヒが……別に振り返ってもバチは当たらないんじゃないか?) 258 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/24(土) 18:31:43.92 ID:GOeB/QSP0 ハルヒ「もういいわよ」 キョン「…」クルッ キョン「あれ、普通に着替えてる」 ハルヒ「? なによ普通って」 キョン「いやあ、何かを期待したんだけど」 ハルヒ「変態っ」 キョン「し、仕方ないだろ。だってお前、状況が状況だし……」 ハルヒ「……だって……一人で居るのは嫌だもん」 キョン「うっ」 ハルヒ「だけど誰かと居るのも嫌だし……よくわかんない」 キョン「あぁ、ごめんハルヒ。俺がバカだったよ。ほら、こっちおいで?」 ハルヒ「……キョンが帰るまで、ずーっと引っ付いててもいい?」 キョン「もちろん。ただその、できるなら部屋の鍵を閉めててくれ」 263 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/24(土) 18:36:13.12 ID:GOeB/QSP0 ハルヒ「はぁ……疲れた」 キョン「静かなのはなんか恥ずかしいから、テレビ点けてていいか?」 ハルヒ「なによ、落ち着きないわね」 キョン「だってお前……女の子の部屋でふたりっきりってのも」 ハルヒ「あたしは昨日、平気だったわよ」 キョン「それはまあ、知らんけど」 ハルヒ「変なの。キョン、オロオロしちゃってる」 キョン「してないぞ。別に、普通だ」 ハルヒ「ほんとに?」 キョン「……ほんとだ」 ハルヒ「嘘だ」 キョン「うるさいな。からかうなら帰るぞ」 ハルヒ「だめ。まだ時間大丈夫でしょ? 傍にいるって言ったのキョンだもん」 キョン「……わかったよ」 268 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/24(土) 18:41:24.24 ID:GOeB/QSP0 ハルヒ「ふふっ、でも確かに変ね。キョンがあたしの部屋にいる」 キョン「それにこんな近くに、な」 ハルヒ「……ほんとに、あたしのこと好き?」 キョン「なっ……そ、それは今言わないといけないのか?」 ハルヒ「…」コク キョン「……うん」 ハルヒ「ちょっと、なんであたしの方見てくれないの?」 キョン「なんでって、別に理由はない」 ハルヒ「じゃあ見てよ。キョンしかあたし……頼れないの」 キョン「…」 ハルヒ「イライラしたり、不安になったりしなくなるまででいいから……見てて」 キョン「わかったよ、頑張る」 ハルヒ「? 頑張る?」 キョン「俺が俺でいられるようにな。まあ……大丈夫か」(俺は……今のところ、ハルヒが唯一心を開いてくれるわけだし) ハルヒ「なに言ってるのかわかんない」 キョン「気にすんな」(俺が変なことしちまうと、こいつは本当に誰も信じられなくなるもんな) 274 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/24(土) 18:53:03.87 ID:GOeB/QSP0 キョン「明日も、ちゃんと学校行けるか?」 ハルヒ「……多分」 キョン「何がダメなんだ? 話しかけられたりするのか」 ハルヒ「全部。話すのも見られるのも、見るのも嫌」 キョン「…」 ハルヒ「イライラしてきて、怖くなって……」 キョン「うん」 ハルヒ「大丈夫? って言われるのも、ムカつきそうな気がして」 キョン「あ、そうか。ごめん」 ハルヒ「ううん、キョンは別。キョンは……いいの」 キョン「俺は大丈夫か……でも、俺以外も別に考えてることは」 ハルヒ「あたしはキョンだけに話しかけててほしいの」 キョン「…」 ハルヒ「……学校も行かないで、ひっそりとしてるほうがいいのかな」 キョン「いいや、そんなことない。今はそういう時期ってだけだよ」 ハルヒ「キョン……」グッ 280 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/24(土) 19:03:48.44 ID:GOeB/QSP0 キョン「くるしいってハルヒ。抱きつくなよ」 ハルヒ「…」 キョン「……ごめんな。俺、傍に居て聞いてやるしかできなくてさ」 ハルヒ「それだけで、十分よ」 キョン「本当言うと、ハルヒの思ってること……よくわかってないんだ」 ハルヒ「…」 キョン「昨日まで一緒に笑ってた人と、話すのが辛くなるってのは」 キョン「俺の想像の外っていうか……励ますことしか、できない」 キョン「だけど、それでハルヒが辛い思いしてるのは、俺も同じぐらい辛いんだ」 キョン「……俺にできることがあれば、遠慮しないで全部言えよ?」 ハルヒ「キョン……んっ、うん。わかった。キョン……好き」 キョン「…」ナデナデ 292 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/24(土) 19:12:40.02 ID:GOeB/QSP0 キョン「そろそろ帰るよ。腹減ってきた」 ハルヒ「御飯作ってあげようか?」 キョン「いや、家に晩御飯あるだろうし……男がずっと居るのも、いい気がしないだろ?」 ハルヒ「気にしないでいいのに」 キョン「気にするよ。ほら、さすがに一人で出て行けないから玄関まで送ってくれ」 ハルヒ「……ほんとに帰るの?」 キョン「帰るよ。寂しいなら電話してこい」 ハルヒ「さ、寂しくなんかないわよっ」 キョン「なんでもいいけど、あんまり一人で考えんなよ? 俺も一緒だからな」 ハルヒ「……うん」 キョン「明日も早起きするのか?」 ハルヒ「多分する」 キョン「じゃあ俺も来るよ。一緒に行こう、ゆっくりでもいいから」 ハルヒ「…」 キョン「ほらハルヒ、バイバイってしろ。バイバーイ」フリフリッ ハルヒ「な、なにそれ。子供みたい……バイバイ、キョン」 300 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/24(土) 19:17:56.28 ID:GOeB/QSP0 キョン「寒っ……早く帰ろう」 キョン「やっぱり曇ってる……すぐには晴れないか」 キョン「…」 キョン「?」 キョン「あれ……ん?」 ハルヒ「キョン、帰っちゃった」 ハルヒ「…」 ピリリr ハルヒ「! もしもしっ」 キョン「ハルヒ? なぁ、ちょっと窓の外見てみ」 ハルヒ「外? ……?」 キョン「空のさ、少しだけ雲が晴れてるとこ……わかるか?」 303 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/24(土) 19:20:40.56 ID:GOeB/QSP0 ハルヒ「見えにくい……部屋の電気、消してみる」 キョン「とにかく見てみろ。そこから少しだけ星が見えるから」 ハルヒ「……これがどうしたの?」 キョン「いや、星が見えてるのをお前に教えたかった。それだけだよ」 ハルヒ「別に珍しくもなんともないんじゃない?」 キョン「そうだけど。とにかく俺は……これだけでも嬉しいんだ」 ハルヒ「? 変なの」 キョン「はは、そうかもな。でもこれは……よかった」 ハルヒ「…」 キョン「明日も、絶対に学校行くぞ。ちゃんと一緒に、な」 ハルヒ「うん……わかった。よくわかんないけど、ありがと。キョン」 307 名前:ハルヒはキョンの嫁 ◆UBgxfb/oXY [] 投稿日:2009/01/24(土) 19:23:18.80 ID:GOeB/QSP0 この辺りで一区切り。 ここからは更にペースを落として、ゆっくりと投下します。3時ぐらいまでは大丈夫。 周りが全部嫌になって、自分なんか消えてしまえって言ってる子がいたら できる範囲で励ましてやればいい。でも「俺もわかるよ」みたいなのは、逆にイラッとくるかも。 まあでも、キョン君はいい子ですよ? 400 名前:ハルヒはキョンの嫁 ◆UBgxfb/oXY [] 投稿日:2009/01/25(日) 00:16:46.10 ID:Zdki5WxL0 眠ってた… 405 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/25(日) 00:19:31.94 ID:Zdki5WxL0 国木田「あれ、ドコ行くのキョン?」 キョン「ちょっとな。先に体育館行っててくれ」 キョン「ハルヒ……居た」 ハルヒ「あっ、キョン」 キョン「大丈夫か? 体育、でられそうか」 ハルヒ「…」コク キョン「さすがに体育まで一緒にいることはできないからな……辛くなったら休めよ?」 ハルヒ「うん……多分、大丈夫だと思う」 キョン「よし、じゃあまた後で」 キョン「……大丈夫かなぁ」 国木田「キョーン! ボール飛んでったよー!」 キョン「おっと!」 414 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/25(日) 00:24:33.42 ID:Zdki5WxL0 キョン「そら、谷口っ」 谷口「ごおっ!」バシーン 国木田「あっ、今の見たことある。顔面キャッチだ」 キョン「女子は外か……」 国木田「何眺めてるの? むしろ誰?」 キョン「うるさい」 国木田「あ、あれ」 キョン「?」 国木田「涼宮さん……あれっ、どっか走ってった」 キョン「なっ……ご、ごめん! ちょっとトイレ行ってくる!」 谷口「痛てっ、鼻血出てきた。俺も保健室に――」 キョン「我慢してろ!」 谷口「へっ!?」 418 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/25(日) 00:29:05.94 ID:Zdki5WxL0 キョン「ドコに……多分ココだな」 【保健室】 キョン「先生、ちょっと体育やってたら気分悪くなったんで……えぇ、朝からちょっと」 キョン「こっち誰か寝てるんですか? えっ、俺と同じクラス? はぁ」 キョン「……ハルヒ」 ハルヒ「…」 キョン「やっぱりダメだったか? ほら、俺だよ」 ハルヒ「キョン? なんでここに?」 キョン「お前がどっか行ってるのが見えたから、心配して追いかけてきたんだよ」 ハルヒ「……二人組作れって言われて……」 キョン「うん、そっか。わかった。もう休んでていいぞ、寝てな?」 ハルヒ「……うん」 426 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/25(日) 00:37:47.05 ID:Zdki5WxL0 キョン「……余ったのか」 ハルヒ「違うわよ。まあ……違わないけど」 キョン「…」 ハルヒ「いつもならね、適当にその辺の子捕まえてやるんだけど」 キョン「うん」 ハルヒ「今日は……誰ともやりたくなくて……」 キョン「それで、気分悪くなっちゃったか?」 ハルヒ「うん。なんか、怖くなって……サボっちゃった」 キョン「俺もサボってるからな。お互い様だよ」 ハルヒ「一人になるのはいいんだけどね? でも……そのうち誰かに話しかけられると思ったら」 キョン「……一人になるのも、本当は辛いことだと思うぞ?」 ハルヒ「…」 キョン「うん、俺も隣で寝てるから、次の授業始まる前に着替えに戻ろうな」ナデナデ 435 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/25(日) 00:45:12.30 ID:Zdki5WxL0 キョン「…」 ハルヒ「……SOS団なんか、作ったからいけないのかな」 キョン「?」 ハルヒ「高校に入って、周りの人とも話せるようになって……」 キョン「ハルヒ?」 ハルヒ「だから、それに慣れちゃったから、考え方が昔に戻っただけで」 キョン「何言ってるんだよ、ハルヒ」 ハルヒ「……もしかすると、キョンとも話さないほうが」 キョン「そんなわけないだろ。誰とも話さないで、それが正解なんてあるわけない」 ハルヒ「…」 キョン「お前がこうやってこの高校に来て、SOS団があるから……俺も楽しいって思えてるんだ」 ハルヒ「でも……あたしが居なくても楽しいでしょ?」 キョン「いいや、楽しくないよ。俺にとって、ハルヒは今世界で一番大切な人なんだ」 ハルヒ「……先生、居るわよ?」 キョン「あっ……い、いいさ。聞こえてないだろ……多分」 443 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/25(日) 00:57:15.35 ID:Zdki5WxL0 キョン「もうそろそろ、行こう。そろそろ他の奴らも帰ってくる」 ハルヒ「……起こして」 キョン「なっ、一人で起きられるだろ?」 ハルヒ「起こしてよ。じゃないと起きないわよ」 キョン「…」 キョン「ほら」グッ ハルヒ「…」ギュウ キョン「……痛いって。抱きつくなよ」 ハルヒ「…」 キョン「ハルヒ?」 ハルヒ「ぐすっ……ん」 キョン「…」ポンポン ハルヒ「…」ギュウッ キョン「ほら、俺も着替えてくるから。着替え終わったら自分の席座ってな」 ハルヒ「うん……すぐ戻ってきなさいよ?」 キョン「もちろん。それじゃ、また後で。あー……顔も洗っとけ、うん」 ハルヒ「…」コク 456 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/25(日) 01:09:39.45 ID:Zdki5WxL0 キョン「…」モグモグ ハルヒ「…」 キョン「部室で昼飯食うのも、慣れてみれば静かでいいもんだな」 ハルヒ「そんなわけないじゃない……」 キョン「なんでだよ。いいじゃないか、俺とハルヒだけの空間っていうか」 ハルヒ「……ふふっ、意味わかんないわよ」 キョン「なんだよ、笑うな」 キョン「ほら、さっき売店で飴買ってたんだ」ガサガサ ハルヒ「ん」 キョン「あ、ソーダ味は俺のな」 ハルヒ「……そっち座ってもいい?」 キョン「? そっちって?」 ハルヒ「キョンの……膝」 キョン「ひ……ま、まあいいけど……椅子の方が」 ハルヒ「…」 キョン「ほら、どうぞ」ポフポフ 469 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/25(日) 01:18:49.65 ID:Zdki5WxL0 キョン「……こっち向いた方が座りやすいのか?」 ハルヒ「うん……っていうか、キョンの方見てるほうが落ち着くの」 キョン「…」 ハルヒ「こうしてるのが、一番幸せ。なにも考えないで……キョンに甘えとく」 キョン「まあ……俺も悪い気分じゃあないけどな」 ハルヒ「…」 キョン「だけど、俺もその……男だから……色々とアレだからな、うん」 ハルヒ「……キョンがいなかったら、あたしどうなっちゃうのかな」 キョン「それは多分、ハルヒが居なくなったときの俺と同じだと思うぞ」 ハルヒ「どんな感じ?」 キョン「考えたくないな。考えなくていいことは、考えなくていいんだ」 ハルヒ「…」 キョン「色々考えるから、疲れちゃうんだ。今だけでもいいから……なんにも考えるな」ナデナデ ハルヒ「うん……そうする」 482 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/25(日) 01:32:55.50 ID:Zdki5WxL0 キョン「子守唄とか、歌えればいいのかね」 ハルヒ「なによそれ……バカにしてる?」 キョン「はは、冗談だ。静かにしてるよ」 ハルヒ「今度の体育……どうしようかな」 キョン「できるだけ、参加するほうがいいと思うぞ」 ハルヒ「だって」 キョン「そうだな……うん、気にしなきゃいい」 ハルヒ「気にしないでいられるなら、こんなに悩まないわよ」 キョン「一時間だけ。一時間だけなんにも気にしないで普通にする。そんで、終わったら俺のトコに飛んで来い」 ハルヒ「…」 キョン「ハルヒが楽になれるのなら、俺はなんだってしてやるから。遠慮なんて、しなくていいからな?」 ハルヒ「……一番キョンに迷惑かけてるわね……自分勝手で、最低最悪」 キョン「いいや。俺も嬉しいぞ? だってほら、好きな子に引っ付いてもらえるのは……な?」 ハルヒ「変態」 キョン「なんだっていいさ。それで、ハルヒが少しでも楽になれるのなら。なんだってな」 ハルヒ「……ほっぺ合わせて。もっとキョンの近くがいい」 キョン「ん、こうか? っと……冷たいな」ピト 494 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/25(日) 01:48:09.15 ID:Zdki5WxL0 ハルヒ「このまま、キョンと一つになれればいいのにね」 キョン「それは……」 ハルヒ「変なコト考えてるでしょ? そうじゃないわよ……本当に一つになるの」 キョン「…」 ハルヒ「そうすれば、キョンから離れなくていいから……なんにも怖くない」 キョン「だけど、こうやって抱きしめたり、体温を確かめたりとか……そういうのもできないぞ?」 ハルヒ「……冗談よ。本気にしないでよ、ばか」 キョン「そんな真剣な声で言われたら、本気にもするさ」 ハルヒ「…」 キョン「あと二時間、頑張れそうか?」 ハルヒ「もしかしたら」 キョン「えっ?」 ハルヒ「キョンが大丈夫なんじゃなくて、キョン以外がダメなのかな」 キョン「同じ意味じゃないのか?」 ハルヒ「全然違うわよ。もう……キョンだけでいいのかも」 キョン「そんなわけないだろ? 俺もハルヒさえいればいいって思うけど……現実はそういうもんじゃない」 ハルヒ「…」 508 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/25(日) 02:12:17.49 ID:Zdki5WxL0 キョン「ハルヒが逢いたくないって思ってても、逢いたいって思ってくれてる人はいる」 キョン「話したくない人の中にも、話たいって思ってる人が」 キョン「消えたいって思ってても……消えてほしいって思ってる人なんて、いないんだから」 キョン「今は俺だけでいいって思うかもしれないけど、必ず皆必要って思えるようになるさ」 ハルヒ「そんなの……わかんないわよ」 キョン「朝比奈さんや長門、古泉や鶴屋さん。他にも沢山、お前のこと好きな人がいるんだぞ?」 ハルヒ「…」 キョン「なのにハルヒは、俺さえいればそれでいいって思えるのか?」 ハルヒ「……キョンが……一番大切」 キョン「あぁ、ありがとう。俺もそうだ、ハルヒが一番大切。だけど他の人も大切だ」 ハルヒ「だけど、怖いのはどうしようもないもん。話せないのは……辛いのはどうしようも」 キョン「……皆がハルヒを必要としてるってことだけは……忘れないようにしてろ。それだけでいいから」 ハルヒ「…」 キョン「無理強いはしないから。誰も攻めないし、焦らせないから」 ハルヒ「……がんばる」 キョン「おう、頑張れ。またここで、皆と笑って過ごせるように、な」ナデナデ 510 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/25(日) 02:16:23.96 ID:Zdki5WxL0 キョン「今週の休みは、暇か?」 ハルヒ「もちろん。一歩も外に出たくないわね」 キョン「それじゃ、俺とデートしよう」 ハルヒ「……外に出たくないって、言ってるでしょ」 キョン「いいじゃないか。別に誰かと会うってわけじゃない」 ハルヒ「…」 キョン「二日間、ずっと二人で過ごしてみよう。できるだけ、ハルヒが一人になる時間を減らしたい」 ハルヒ「……鬱陶しいって思っちゃうかも」 キョン「ならすぐに消えるさ」 ハルヒ「でも、寂しいって思うかも」 キョン「すぐに帰ってくる」 ハルヒ「……人の居るとこ、いけないわよ?」 キョン「行かなければいい。時間がゆっくり流れる場所で、ゆっくり過ごせばさ?」 ハルヒ「…」コク キョン「よし、じゃあ約束な。ゆびきりするか?」 ハルヒ「しないわよ、そんな子供っぽいこと」 キョン「いいじゃないか、約束は大事だぞ? ほら、小指だせ」クッ 517 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/25(日) 02:31:39.59 ID:Zdki5WxL0 ハルヒ「あと二時間……」 キョン「一日を考えると、二時間なんてちょっとだろ? 我慢しろって」 ハルヒ「ずっとひっついてたら、だめかしら?」 キョン「俺も一応、周りの目ってのは気になるからな」 ハルヒ「キョンの後ろの席でよかった」 キョン「?」 ハルヒ「辛くなって、息苦しくなっても……目の前にはちゃんとキョンの背中があるもん」 キョン「……お前が後ろに座ってる限りは、俺はどこにもいかないさ。安心してろ」 ハルヒ「はぁ……」 キョン「ため息すんなって。ただ座ってるだけでもいいんだから」 ハルヒ「…」 キョン「ゆびきりしただろ。頑張るって言ったのはハルヒだ」 ハルヒ「……うん」 キョン「よし、じゃあ戻ろう。そろそろ授業始まる」 ハルヒ「最後にぎゅーって、ぎゅー」 キョン「よ……っと。はは、ハルヒがまるで俺の子供みたいだ」ギューッ 537 名前:ハルヒはキョンの嫁 ◆UBgxfb/oXY [] 投稿日:2009/01/25(日) 02:55:38.81 ID:Zdki5WxL0 中々長くなっちまったなぁ… まあ、朝までは俺が起きてると思うので 眠い人は安心しておやすみ。 540 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/25(日) 03:04:10.54 ID:Zdki5WxL0 キョン「…」 ハルヒ「…」 キョン「っし、もう皆帰ったぞ。ハルヒ」 ハルヒ「……ん」 キョン「さあ、俺達も帰ろう」 ハルヒ「…」 キョン「送るよ」 ハルヒ「……帰らないでよね」 キョン「まあ……昨日ぐらいまでは、一緒にいるよ」 ハルヒ「約束」 キョン「あぁ、約束だ。ほらカバン持って」 鶴屋「おや〜、ハルにゃんとキョン君じゃないか〜っ!」 キョン「! つっ、鶴屋さん?」 ハルヒ「あ……っ」 鶴屋「最近部活やってないみたいだねぇ? なになに、ふふっ……これからデートってやつかい!?」 558 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/25(日) 03:42:10.52 ID:Zdki5WxL0 鶴屋「いいねいいねー、仲いいねぇ!」 キョン「あ、あの鶴屋さん」 鶴屋「ふふっ、ラブラブで部活どころじゃないってかい?」 ハルヒ「…」 鶴屋「? おーいハルにゃん?」 キョン「あの、すいません! 急いでるから……ほら、ハルヒ」 鶴屋「あっ、おーい!」 ハルヒ「…」 キョン「だ、大丈夫かハルヒ?」 ハルヒ「大丈夫よ。別に、なんにも……」 575 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/25(日) 04:08:37.26 ID:Zdki5WxL0 ハルヒ「わかってるわよ。別に、気にすることじゃないわ」 ハルヒ「鶴屋さんは別に悪気があって話しかけてきたわけでもないし?」 ハルヒ「そのぐらいでいちいち気を悪くしてたら、もたないもの」 ハルヒ「だから、全然気にしてないわ」 ハルヒ「ぜん……ぜんっ」 ハルヒ「……ふっ、普通に……話しかけてくれた、だけっ」 キョン「ハル……ハルヒ」 ハルヒ「べっ、別に、なんにも……っ」 キョン「うん、わかってる。大丈夫、わかってるから」 ハルヒ「っ、んっ……」ポロポロ キョン「ほら、もう少しだけ歩こう。ハルヒの家まで、ちょっとだから」 キョン「…」 ハルヒ「ひっ、ひっく……もう、やだぁ……なんであたしっ」 キョン「大丈夫、大丈夫……ハルヒは悪くないよ。悪くないからな?」ナデナデ 580 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/25(日) 04:13:26.59 ID:Zdki5WxL0 キョン「ほら、家の鍵貸してみ?」 ハルヒ「んっ……」チャラ キョン「開けるぞ。誰も……居ないみたいだな」 キョン「ほらハルヒ、お前の部屋だ。もう誰も居ないよ、安心しな?」 ハルヒ「ひっく……ごめん、ごめんなさいキョン」 キョン「いいって。なに誤ってるんだよ? 俺はなんにも」 ハルヒ「ごめん、ごめん……あたし、たったあれだけなのに……っ」 キョン「…」ポンポンッ ハルヒ「ぐすっ」 キョン「……泣きたいだけ泣けよ、俺が傍にいるときは……幾らでも」 595 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/25(日) 04:50:18.61 ID:Zdki5WxL0 キョン「落ち着いたか?」 ハルヒ「はぁっ……う、うん」 キョン「ほら、泣き終わったんなら笑ってくれ。辛い顔してるハルヒは見たくない」 ハルヒ「……ごめんね、キョン」 キョン「ごめんね、も使うな。なんにも悪いことなんかないし、俺はなんとも思ってないから」 ハルヒ「…」 キョン「目真っ赤じゃないか……ほら、疲れただろ。ちょっと横にでも」 ハルヒ「うん……」フラッ キョン「っと、大丈夫か?」 ハルヒ「……フラフラする」 キョン「よし、捕まってろ。そう、抱っこするぞ? よっ……と」ギシッ ハルヒ「んっ」 キョン「気分は大丈夫か? 気持ち悪いとか、ちょっとでもおかしかったら言えよ?」 ハルヒ「うん……フラフラするだけ、大丈夫」 596 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/25(日) 04:52:59.82 ID:Zdki5WxL0 キョン「……本当に、病院行ったほうがいいのかもな」 ハルヒ「…」 キョン「精神的な病気なのかも。少しだけ、休んだほうが」 ハルヒ「あたし……もうダメなのかな?」 ハルヒ「このまま頭おかしくなって……死んじゃうとか」 キョン「そんなわけないだろ、バカなこと言うな」 ハルヒ「でも……話しかけられただけで、泣いちゃうし……体調崩しちゃうし」 キョン「…」 ハルヒ「もうやだ……学校も、行きたくない。外出たくないよキョン」 キョン「……うん……とりあえず、眠りな? 今日はもういいから、ゆっくり休んでさ」 601 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/25(日) 05:06:02.28 ID:Zdki5WxL0 ハルヒ「……外、また雨降っちゃってるわね」 キョン「…」 ハルヒ「もういいわよ、今日はもう……帰っても」 キョン「雨が止むまではいるよ」 ハルヒ「…」 キョン「せめて、止むまでは居させてくれ」 ハルヒ「……でも」 キョン「好きな子がこんなに弱々しくなってるのに……あっさり帰られるわけないだろ」 ハルヒ「キョン……」 キョン「お前がどんなに小さく、か弱くなっても……俺は離れないから」 ハルヒ「…」 キョン「幾らでも迷惑掛けていいから。泣いても、喚いても」 ハルヒ「くっ……バカ……ッ、そんな、そんなこと言われたら……バカキョンッ」 キョン「…」ナデナデ 603 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/25(日) 05:11:12.96 ID:Zdki5WxL0 キョン「熱とかでてないかな……」ピトッ ハルヒ「んっ」 キョン「大丈夫そうだな」 キョン「他になにか、してほしいこととかあるか?」 ハルヒ「ううん……大丈夫」 キョン「明日はそうだな……どうしても無理なら、休んでもいいよ」 ハルヒ「…」 キョン「そのかわり、俺も休むからな。いよいよダメなら、一緒に病院行こう」 ハルヒ「で、でも」 キョン「一人にはしないさ。ずっと一緒にいるよ、小指で約束しただろ?」 ハルヒ「……キャラじゃないわよ、あんた」 キョン「いいんだ、今はハルヒと俺だけしかいないから」 ハルヒ「…」 キョン「二人だけだから、幾らでも見つめられるだろ?」 ハルヒ「は、恥ずかしいわよ。バカ」 キョン「ははっ、ほら笑った。やっぱりその顔が可愛いよ、ハルヒ」 ハルヒ「……もっと顔近づけて?」 610 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/25(日) 05:24:20.25 ID:Zdki5WxL0 キョン「涙のあと、ついてる」 ハルヒ「拭って」 キョン「ほら、目も真っ赤で……ウサギみたいだ」 ハルヒ「手も繋いでよ」 キョン「こう?」 ハルヒ「ううん……こう」 キョン「……簡単に外せないな、これじゃあ」 ハルヒ「外れなくてもいいわよ」 キョン「そういうわけにもいかないさ」 ハルヒ「誰かの前で、あんなに泣いたの……初めて」 キョン「じゃあ、一人でならあるのか?」 ハルヒ「うーん……ないかも」 キョン「涙ってのは、血と同じ成分でできてるんだ。だから枯れちまうと、死んじゃうかもしれん」 ハルヒ「?」 キョン「枯れないように……時々ああやって沸かせることも、大切なんだろうよ」 ハルヒ「……かな」 キョン「おう」 ハルヒ「あたしのこと……好き?」 キョン「大好きだ」 ハルヒ「……あたしも」 615 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/25(日) 05:29:40.72 ID:Zdki5WxL0 キョン「ん? 雨、止んでるな」 ハルヒ「帰る?」 キョン「んー……ハルヒが帰してくれるなら」 ハルヒ「いいわよ。もう大丈夫」 キョン「そうか、なら帰ろうかな」 ハルヒ「あ……ま、待ちなさいよ」 キョン「?」 ハルヒ「おかえし」 キョン「なんのだよ」 ハルヒ「安心させてくれた、お返しよ。もっかい顔近づけて」 キョン「ほら」 ハルヒ「んっ」 キョン「…」 ハルヒ「……今日はもう、大人しくしておくわね」 キョン「お、おう」 ハルヒ「明日……明日も、できるだけ頑張ってみる」 キョン「…」 ハルヒ「鶴屋さん、許してくれるかな?」 キョン「怒ってなんかいないさ。誰も……うん」 ハルヒ「……バイバイ」フリフリ キョン「あぁ、おやすみ」 ガチャン キョン「……はぁ……こんなときでも可愛いのな……ハルヒ」 616 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/25(日) 05:32:19.65 ID:Zdki5WxL0 キョン妹「あー、キョン君帰ってきたー!」 キョン「ただいま」 キョン妹「? どーしたの? なんか疲れてるねー」 キョン「疲れてないよ。どきどきしてるだけだ」 キョン妹「どきどき? びっくりした!」 キョン「そうだな。びっくりもしたけど……なんだろう、よくわからん」 キョン妹「?」 キョン「腹減ったよ、晩御飯は?」 キョン妹「ハンバーグ! キョン君のはおっきいやつだよー!」 キョン「そりゃよかった」 617 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/25(日) 05:36:37.02 ID:Zdki5WxL0 古泉「なるほど」 キョン「……一応、病院行ったほうがいいんだよな」 古泉「そうですね。目には見えないけど、重病かもしれません」 キョン「…」 古泉「ただ……これもはっきりとはしてないんですが」 キョン「?」 古泉「あなたと彼女が接触してると思われる時間が、一番平穏な世界を作っているんです」 キョン「……それは」 古泉「ですから、病院に通ったりするよりは」 キョン「俺と一緒で、尚且つあいつの心を元通りに」 古泉「難しいですよね」 キョン「……あいつは、事あるごとに自分を消してしまいたいと思ってる」 古泉「…」 キョン「もしかすると、閉鎖空間の時のように……」 古泉「最後の鍵は、あなたということに。なら、あの時と同じことでもすれば?」 キョン「いや、それは……あー……違ったみたいだ」 古泉「?」 619 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/25(日) 05:42:39.31 ID:Zdki5WxL0 鶴屋「キョン君ー、あ。いた」 キョン「?」 鶴屋「ちょっといいかな?」 キョン「あ、はい」 鶴屋「ハルにゃんは?」 キョン「トイレ行ってると思いますけど」 鶴屋「あの……このあいだはごめんっさ」 キョン「この間? ……あぁ」 鶴屋「みくるから聞いたよ。ハルにゃん、大変なんだってね?」 キョン「まあ、そうですね。でも大丈夫ですよ」 鶴屋「こればっかりは、私が近づいていくわけにもいけなさそうだし……」 キョン「あいつから話しかけれるようになるまでは、すいませんけど」 鶴屋「うん。わかったよ! ほらほら、ハルにゃん帰ってくるっさ!」 キョン「っと」 鶴屋「ハルにゃんは私達の大切な友達なんだよ……お願いしかできないけど、よろしくお願いしまっす」 キョン「……はい」 ハルヒ「あ、キョン」 キョン「段々晴れてきたな。もう来週には……日本晴れになるかも」 ハルヒ「?」 624 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/25(日) 05:47:39.31 ID:Zdki5WxL0 キョン「よし、今週も終わり。帰るかハルヒ」 ハルヒ「そうね。帰りましょ」 キョン「もう少し待ってから帰るか……」 ハルヒ「ううん」 キョン「え?」 ハルヒ「なんか……大丈夫かも」 キョン「そ、そうなのか?」 ハルヒ「あのね、なんかね……あんまり気にならなくなってきた」 キョン「ハルヒ……」 ハルヒ「話しかけられるのは、まだ嫌だけど……怖くはないの」 キョン「…」 ハルヒ「キョンに迷惑掛けてると思ったら、このぐらいどうにかしないとって」 キョン「別に、迷惑なんて」 ハルヒ「天気がいいとこをキョンと二人で歩くには……あたしも元気にならないとね?」 キョン「……よし、わかった。じゃあ帰ろう」 625 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/25(日) 05:52:30.91 ID:Zdki5WxL0 キョン「靴紐……あぁもう」 ハルヒ「かた結びみたいになってるじゃない。貸してみなさいよ」 キョン「っと、悪い」 キョン「…」 ハルヒ「ほら、できたわよ……あっ」 キョン「ありが……ん?」 鶴屋「!」 キョン「あ……」 鶴屋「は……ははっ、ばいばいっさ!」 ハルヒ「…」 キョン「ほら、行くぞハルヒ」 ハルヒ「待って」 キョン「えっ?」 ハルヒ「あの、鶴屋さん」 鶴屋「! は、ハルにゃん?」 ハルヒ「……ごめんね、この間は」 鶴屋「いや、あの……ううん! ははっ、なんのことかわっかんないっさ!」 ハルヒ「あたし……あの……」 鶴屋「……ハルにゃんは偉い子だよ。いつもいつも元気で可愛い女の子」 ハルヒ「?」 鶴屋「不安になったりするのも、そんないつもがあるからなのさ。だから……大丈夫」 ハルヒ「…」 鶴屋「キョン君が待ってるよ? ほら、行った行った!」 ハルヒ「うん……ありがとう」 629 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/25(日) 05:55:42.18 ID:Zdki5WxL0 キョン「ハルヒ、お前」 ハルヒ「……はぁ」 キョン「だ、大丈夫か?」 ハルヒ「うん。全然平気よ」 ハルヒ「あたしが行動しないと……なんの解決にもならないでしょ?」 ハルヒ「だから、い、いつも通りよ! いつも通り話しかけただけ!」 キョン「ハルヒ……」(震えてる……) ハルヒ「ははっ、はぁ……うん。大丈夫、大丈夫だから」 キョン「頑張ったな、偉いぞ」ナデナデ ハルヒ「……キョンのおかげ」 キョン「いいや、ハルヒの力だ」 ハルヒ「…」 キョン「来週は、SOS団も再開させような。ほら行こう」 637 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/25(日) 06:02:59.46 ID:Zdki5WxL0 キョン「今日は、普通に帰っても大丈夫か?」 ハルヒ「うん……でも、明日は」 キョン「? あぁ、わかってる。朝早くに来るよ」 ハルヒ「……一日中一緒に居るんだからね?」 キョン「それじゃ、また明日」 ハルヒ「まっ、待ってよ」 キョン「なんだよ」 ハルヒ「……えっと……その」 キョン「?」 ハルヒ「……ううん。なんでもない」 キョン「手だけ繋ごう。今日はそこまで」 ハルヒ「…」 キョン「徐々にでいいから、依存しないように……だけど忘れないように、俺の温度を覚えてるといい」 ハルヒ「……うん」キュッ 640 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/25(日) 06:05:52.89 ID:Zdki5WxL0 キョン「電車?」 ハルヒ「えぇ、電車。最近乗ってなかったから」 キョン「いいけど……混んでると思うぞ」 ハルヒ「だからよ。混んでるから、大丈夫かどうかがわかるの」 キョン「…」 ハルヒ「それに、時間はたっぷりあるもの。少し遠くまで……行ってみたい」 キョン「わかった、そうしよう。辛くなったら言うんだぞ?」 ガタンゴトン キョン「……大丈夫か?」 ハルヒ「うん……なんとか」 キョン「気持ち悪くなったら、外見てればいい。すこしはまぎれるだろ」 ハルヒ「……手、放さないでね」 キョン「もちろんだ」 641 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/25(日) 06:08:14.30 ID:Zdki5WxL0 はこざけ〜〜〜 ってなに? さっぱりわかんね 643 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/25(日) 06:12:14.31 ID:Zdki5WxL0 キョン「空は曇ってるけど、景色はいいなぁ」 ハルヒ「あっちなに? 海?」 キョン「海だろうよ。池じゃないはずだ」 ハルヒ「でっかいわね……」 キョン「これを渡っていくと、色んな国があるわけだ」 ハルヒ「…」 キョン「色んな人が居て、色んな文化があって……日本なんて小さい国だって思えちまう」 ハルヒ「それなのに、あたしは一人でなにを抱えてたのかしら」 キョン「…」 ハルヒ「他のことなんて、どうでもいいぐらいに悩んでたけど……他から見れば、こんなに小さいのね」 キョン「……どうだろうな」 ハルヒ「ねぇ、キョン? あっち行きたい」 キョン「よし、行ってみよう」 ハルヒ「腕組んで歩きましょうよ」 キョン「えぇ?」 ハルヒ「いいじゃない。じゃないと泣くわよ?」 キョン「……まったく、ほらよ」 645 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/25(日) 06:18:54.39 ID:Zdki5WxL0 キョン「なんか動物がいる……なんだあれ!?」 ハルヒ「ひつじ? でもなんか、首が長いわね」 キョン「アルカパ……だってさ」 ハルヒ「へぇ、キモイわね。でも可愛い」 キョン「キモ可愛いってのか」 ハルヒ「撫でても平気?」 キョン「いいんじゃないか?」 ハルヒ「……ゴワゴワ」 キョン「へぇ」 ハルヒ「なんか、普通にデートね」 キョン「そう……かもな」 ハルヒ「……毎日こうだといいのにな」 キョン「学生であるかぎり、仕方ないさ」 ハルヒ「大人になれば、こうなる?」 キョン「まあ……たまには。でも、辛い事も沢山あると思うぞ」 ハルヒ「……皆、いろんなことに悩んで大人になってるのかな」 キョン「…」 652 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/25(日) 06:28:22.27 ID:Zdki5WxL0 ハルヒ「ねぇキョン? あたし……来週から、ちゃんと部活行ってみる」 キョン「……そうか、うん」 ハルヒ「皆にごめんって謝って……そしたら、許してくれるかな?」 キョン「許すもなにも、誰も怒ってないよ。皆、ハルヒを待ってるから」 ハルヒ「……キョン……ありがとう」 キョン「…」 ハルヒ「あたし、消えてしまいたい、皆の記憶から忘れられたいって思ったけど」 ハルヒ「キョンが支えて、励ましてくれたから……それが間違いだってことに気がついた」 ハルヒ「あたしが必要だって思ってる人は……あたしのことを必要と思ってくれる」 キョン「ハルヒが大切な人は、ハルヒを大切だと思ってる」 ハルヒ「……イライラしたって、無駄なだけ。理由も根拠も……なんにもなかったのね」 キョン「最初から言ってただろ? ハルヒは、笑ってる顔が一番可愛いんだ」 ハルヒ「……ありがと。ふふっ、真顔で変なこと言わないでよねっ」 656 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/25(日) 06:37:21.96 ID:Zdki5WxL0 キョン「それじゃ、もう明日は……」 ハルヒ「うん……一人で学校行く。もうなんにも怖くないわ」 キョン「治ったのかな」 ハルヒ「わからないけど……気分はいいわね」 キョン「…」 ハルヒ「心配?」 キョン「心配だよ。ダメなら、すぐに言えよ?」 ハルヒ「……キョンが心配してくれるから……大丈夫」 キョン「?」 ハルヒ「笑いかけると、笑い返してくれる人。そういうのって、大切なのね」 キョン「……かもな」 ハルヒ「それに気がつけたから、あたしは……悩んで、正解だったのかも」 キョン「俺も、その……ハルヒと大分近づけたから」 ハルヒ「好きだって言ってくれるのが、キョンでよかった」 キョン「……うん、そうだな」 658 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/25(日) 06:40:17.61 ID:Zdki5WxL0 キョン「…」 キョン「まだ少しだけ、雲が残ってるな」 キョン「完全な青空ってのは、ありえないと思うんだ」 キョン「どこまでいったって、雲はなくなることはない」 キョン「だけど……見えてる範囲だけでも、青空になってるなら」 キョン「それはとても幸せなことじゃないかと、俺は思うんだよ」 古泉「独り言ですか?」 キョン「さぁ、どうだろうな。とりあえず明日だ。明日……」 キョン「俺は、ハルヒを信じてみる」 キョン「あいつはもう、一人だって思わないと、信じてみるよ」 661 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/25(日) 06:42:47.63 ID:Zdki5WxL0 キョン妹「キョンくーん! あっさだよー!」 キョン「む……」 キョン妹「起きろ起きろー!」ドスドスッ キョン「ぬ、ぬう……あと五分」 キョン妹「むー、ハルにゃん待ってるよ?」 キョン「ハルにゃ……ハルヒ?」 キョン妹「うん、外に居るって!」 キョン「! 外……そうだ、空は!?」 キョン妹「?」 ガラッ キョン「あ……あぁ」 キョン妹「天気いいねー。お日様すっごい元気!」 キョン「……そうだな……久しぶりに、とてもいい天気だ」 ハルヒ「こらキョン! 早く降りてきなさいよっ!」 キョン「あ、ハルヒ。……おはよう」 662 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/25(日) 06:45:15.79 ID:Zdki5WxL0 ガチャ キョン「……大丈夫か?」 ハルヒ「どういうふうに、見える?」 キョン「…」 キョン「もうちょっと近づかないと、わからないな」 ハルヒ「ならここまで来てよ。うんと近づいていいわよ」 キョン「…」 ハルヒ「おはよう、キョン」 キョン「……やっぱり、言ったとおりだ」 ハルヒ「?」 キョン「朝からハルヒのこの顔を見るのが……一番の幸せ。この笑顔だよ、俺が見たかったのは」 ハルヒ「……もぅ、バカキョン! ほら、行くわよ!」 キョン「っと! 腕を引っ張るな!」 664 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/25(日) 06:47:40.75 ID:Zdki5WxL0 ハルヒ「授業が終わったら、すぐに部活よ?」 キョン「あぁ、わかってるよ」 ハルヒ「しばらく休んでたから、したいこと沢山あるんだからっ」 キョン「……お手柔らかに、頼めると嬉しいな」 ハルヒ「ふふっ、どーしよっかな?」 キョン「あとハルヒ、あの……腕」 ハルヒ「?」 キョン「朝っぱらから腕組んで歩くのは、どうなんだ?」 ハルヒ「いいじゃん。もう、他人の目も気にならないし……」 キョン「いやあの、俺がだな」 666 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/25(日) 06:53:51.61 ID:Zdki5WxL0 みくる「じゃあ、もう大丈夫なんですね」 キョン「はい、もうなんていうか……前よりうるさいです」 長門「昼休みに見かけた。あなたと、お弁当を食べて」 キョン「よし、そこまでだ。それ以上言うな」 みくる「ふぇ? なになに、なんですかぁ〜?」 古泉「校内でなんだかいかにもってカップルがいると聞きましたが」 キョン「……なんだよ。俺はある意味被害者だぞ?」 古泉「前の涼宮さんと、少しだけ違うみたいですね。あなたに対する態度が、明らかに」 キョン「まあ……いい迷惑だよ。ほんとうに」 長門「まんざらでも、ない」 キョン「なっ!?」 ガチャ ハルヒ「やっほー! みんな集まってるわね!」 みくる「あっ……涼宮さん」 古泉「お久しぶりです」 長門「…」コク 669 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/25(日) 06:57:00.58 ID:Zdki5WxL0 ハルヒ「ほらほら! あたしはキョンの隣ーっ!」グィグィ キョン「……狭い」 みくる「あらあら……ふふっ」 ハルヒ「……ごめんね皆。なんか、久しぶりね」 古泉「そうですね」 長門「…」 みくる「涼宮さんが居ないから、お茶を淹れたのも久しぶりですよ」 ハルヒ「ふふっ、もう大丈夫! もう……ね? キョン!」 キョン「はいよ。そうだなハルヒ」 670 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/01/25(日) 07:00:59.33 ID:Zdki5WxL0 ハルヒ「休んでるうちに気がついたのは……SOS団は、あたしにとって大切な集まりってこと」 みくる「…」 ハルヒ「だから、これからも迷惑掛けるかもしれないけど……皆、よろしくね?」 キョン「そうだな。俺は腹くくったぞ?」 長門「……ユニーク」 みくる「あの……へ、変なこと以外でしたら」 古泉「僕も、異論ありません」 ハルヒ「じゃあそういうことで! ほら、キョン行くわよ!」 キョン「は? ど、どこにだよ?」 ハルヒ「だからデートよ! まだちょっと遊び足りないから、今度は皆で!」 キョン「……それはデートって言わないんじゃ……まあ、いいかどうでも」 ハルヒ「それじゃ、出発!」ギューッ キョン「痛い痛い! 抱きついてくるなバカッ!」                                     終。 673 名前:ハルヒはキョンの嫁 ◆UBgxfb/oXY [] 投稿日:2009/01/25(日) 07:02:28.57 ID:Zdki5WxL0 さすがに疲れた……思ったことと6倍ぐらい長さが違う…… もう眠いので、このへんで。 やっぱりハルヒは、元気なほうが似合います。 キョン君の隣で笑ってるから、ハルにゃんは可愛いんです。間違いないね。 そんじゃ、またいつか。 できれば二月中に……ノシ