阪中「キョンくんが寝てるのね」 1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/22(月) 04:04:40.49 ID:cyacHwCqO どうせ需要がないんだろうがなああああああ おれは続けるぜええええええ 3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/22(月) 04:05:59.52 ID:cyacHwCqO 阪中「キョンくんが寝てるのね」 キョン「ぐぅ……」 阪中「ふふ、可愛い寝顔」 5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/22(月) 04:07:21.12 ID:cyacHwCqO 阪中「つんつん……」 阪中「ぐりぐり……」 キョン「んっ……うお……」 阪中「あ、起きたのね」 キョン「あれ?お前……」 キョン「誰だっけ」 阪中「……」 6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/22(月) 04:08:10.41 ID:cyacHwCqO キョン「ああ……阪中か。すまんすまん」 阪中「もう……あのね、涼宮さんがキョンくんのこと探してたよ」 阪中「すごい剣幕で、アホキョンはどこだー!って」 キョン「またか……」 阪中「早く行ってあげた方がいいと思うのね」 7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/22(月) 04:09:24.51 ID:cyacHwCqO キョン「断る」 阪中「え、でも」 キョン「断る。もうあいつのわがままに東へ西へと振り回されるのはごめんこうむりたい」 阪中「でも、涼宮さんにバレたらきっと怒られちゃうのね」 阪中「さっき廊下ですれ違ったから、もうすぐここにも来ると思うし」 キョン「なんだと、それはまずいな……」 キョン「よし、阪中、ひとつ頼みがある」 阪中「え?」 9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/22(月) 04:10:12.51 ID:cyacHwCqO キョン「俺はこの掃除用具入れに隠れるから、あとは頼んだぞ」 阪中「えっ、でもでも」 キョン「じゃあ任せた」バタン 阪中「はあ……」 10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/22(月) 04:11:18.13 ID:cyacHwCqO ドタバタ――ガララッ ハルヒ「アホキョンはここかあーーー!!!」 ハルヒ「いない……ってあら、阪中さんじゃないの」 阪中「すっ、涼宮さん、廊下は静かに歩かないと怒られるよ……」 ハルヒ「そんなことはどうでもいいのよ、それよりキョン!」 ハルヒ「キョン、どこ行ったか知らない!?」 阪中「キョンくん?あたしは知らないなぁ……」 キョン「(ナイスだ阪中)」 11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/22(月) 04:12:09.36 ID:cyacHwCqO ハルヒ「まったく……どこ行っちゃったのかしら、あの役立たず」 ハルヒ「みくるちゃんも有希も古泉くんも見つからないし、これじゃせっかくの計画が実行に移す前に頓挫だわ」 阪中「はあ……」 キョン「(またなんかよからぬ事を企んでやがったのか、こいつは)」 ハルヒ「うーん……」 ハルヒ「あ!」 阪中「あ?」 ハルヒ「ちょっと阪中さん!あなた、バイトしてみない?」 阪中「え?」 キョン「(おいおい……)」 13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/22(月) 04:13:14.59 ID:cyacHwCqO 阪中「バイトって……」 ハルヒ「大丈夫、セクシーなコスプレして校門でビラを配る簡単なお仕事です!」 ハルヒ「阪中さんならルックスもまあ及第点だし、イケるわ!」 阪中「え、ええーっ!?」 阪中「無理無理!そんなのぜったい無理なのね!」 ハルヒ「泣き言は聞きたくないわ!あたしの計画に遅延は許されないのよ!」 キョン「(おいおいおいおい)」 15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/22(月) 04:14:52.08 ID:cyacHwCqO ハルヒ「というワケでさっそく……」 ハルヒ「じゃじゃーん!!」 阪中「ひゃあ、何も無い所からバニーガールの衣装とうさ耳が!」 ハルヒ「さあ、早くこれに着替えなさい!十秒以内!」 阪中「こ、ここで!?」 阪中「って言うかすごい流されてる気がするのね……」 ハルヒ「ぐだぐだ言ってないで、はーやーくぅ!」 阪中「え、そんな……」 ハルヒ「あーもう!そんなに言うならあたしが脱がせてあげるわよ!」 阪中「は、はわわわわ」 キョン「(やばいんじゃないのか、これは……)」 17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/22(月) 04:16:36.04 ID:cyacHwCqO 阪中「たっ、助けっ、キョンくんっ!」 ハルヒ「え?キョンがどうかしたの?」 キョン「(……すまん阪中、完全に出るタイミングを逃してしまった)」 18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/22(月) 04:19:57.45 ID:cyacHwCqO ハルヒ「ほらほらほらあ!よいではないかよいではないかー!」 阪中「ひゃあああ、ぬっ脱がさないで、おたすけええええ」 ハルヒ「さあ、次は下着ね!」 阪中「あっ、駄目!駄目なのね、ブラは……ああんっ!」 ハルヒ「ほほう……これはなかなか」ワキワキ キョン「(阪中は着やせするタイプか。いい……すごく、いいよ)」 キョン&ハルヒ「たまりませんなぁ……」 20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/22(月) 04:24:16.14 ID:cyacHwCqO ハルヒ「ほれほれー!」 ハルヒ「ってあれ?なんかこの掃除用具入れ、赤い液体が……」 キョン「(しまった!鼻血が……)」 ハルヒ「これはミステリーの匂いね!きっと生徒に殺害されたハンドボール部顧問のそれは無惨な遺体が中に……」 阪中「あっあっ……そこは」 ガチャ ハルヒ「……」 キョン「や、やあ」 22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/22(月) 04:28:29.28 ID:cyacHwCqO ハルヒ「なんであんたがこんなトコにいるのよ!」 キョン「いや、そのだな。事の顛末を話せば長くなるんだが……」 キョン「その前に阪中に服と下着を返してやった方が」 ハルヒ「そんなことはどうでもいいの!!!」 阪中「どうでもよくないのね……」 キョン「阪中、とりあえず俺の上着を羽織ってろ」チラチラ 阪中「うう……ありがとう」 阪中「あとキョンくん、鼻血拭いた方がいいよ」 キョン「あ、ああ」 25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/22(月) 04:36:02.74 ID:cyacHwCqO ハルヒ「つまりあたしから隠れるためにその掃除用具入れにこもってたと、そういうこと?」 ハルヒ「阪中さんまで使って、あげくエロ心を出して着替えまで覗いてたと」 キョン「申し開きのしようもない、その通りでございます」 ハルヒ「あんたもう、ほんっっっとにとんでもないアホね!今度ばかりは見損なったわ!」 ハルヒ「本来ならSOS団解雇くらいの処分にすべきだけど、あたしはとっても寛容だから、それは勘弁してあげる」 ハルヒ「海のように広い心よ!」 キョン「具体的に言うと瀬戸内海くらい」 阪中「タコとかもすんでるねん」 ハルヒ「やかましい!」 28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/22(月) 04:39:54.56 ID:cyacHwCqO ハルヒ「罰として、あんたも阪中さんと一緒にビラ配ってきなさい!」 キョン「(いっそ解雇してくれればいいのに……)」 阪中「結局あたしもやらされるのね……」 ハルヒ「ほら!早く行く!」 阪中「せめて服を着させて……」 29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/22(月) 04:43:04.02 ID:cyacHwCqO 校門 キョン「寒くないか?」 阪中「とっても寒いのね。風邪ひいちゃうかも」 キョン「さすがにこの時期にバニーはなぁ」 キョン「さっきの上着と、カーディガン持ってきたから、これ着てろよ。気休めぐらいにしかならんと思うが」 阪中「うう……キョンくん優しい」 キョン「(さすがに色々見ちまったのが後ろめたいとは言えない……)」 30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/22(月) 04:44:23.80 ID:cyacHwCqO 余談ですが 阪中がアニメに出るなら声優は南條愛乃を希望します 32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/22(月) 04:48:33.34 ID:cyacHwCqO 谷口「よーキョン!また景気の悪そうなツラでおかしなことしてやがるな」 キョン「うるせえ」 谷口「今日連れてるのは涼宮でも長門有希でも朝比奈さんでもなく……」 谷口「なんだ、うちのクラスの阪中じゃねえか」 阪中「え、えっと、谷口くん?」 谷口「おーおー覚えててくれたか、俺もまだまだ捨てたもんじゃねえな」 キョン「一年弱もあればアホでも覚えるだろ……お前の場合はどうか知らんが」 33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/22(月) 04:54:07.08 ID:cyacHwCqO 谷口「なんだ、もしかして阪中もあの妙ちきりんなクラブに入ったのか?意外だ」 阪中「べ、別にそういうわけじゃないのね」 キョン「今日は厚意によって手伝ってもらっているだけだ」 谷口「ふーん」 谷口「しかしけったいな格好してまあ、これはこれで妙にソソられるもんが……」 阪中「うう……」 キョン「あーあー見せもんじゃないの!」 キョン「ほら、このビラ持ってとっとと失せろ」 谷口「んだよつれないなぁ……じゃあな、キョン、阪中」 キョン「おう」 阪中「じゃあね」 34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/22(月) 04:57:11.05 ID:cyacHwCqO 阪中「うう、寒い……」 キョン「だろうな」 キョン「どうする、先に教室戻ってるか?外よりはマシだぞ」 阪中「いい……いい、大丈夫。阪中に二言はないのね」 キョン「ずいぶん男気溢れる発言だな」 キョン「じゃあさっさと配っちまうか。つらくなったら言えよ?」 阪中「うん」 35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/22(月) 04:59:47.82 ID:cyacHwCqO キョン「終わったか」 阪中「終わったね」 キョン「日もすっかり暮れちまった。さっさと着替えて帰ろうぜ」 阪中「うん……くしゅん!」 キョン「おいおい大丈夫かよ」 阪中「大丈夫だいじょ……くしゅ!」 キョン「こりゃいよいよ急いだ方がいいな」 36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/22(月) 05:04:27.32 ID:cyacHwCqO キョン「ハルヒの野郎、先に帰りやがった……」 キョン「幸い阪中の服は置いてってくれたからいいが」 阪中「うう……頭痛いかも」 キョン「すまん、俺が無理させたせいで……」 キョン「暖房つけるか?」 阪中「うん……」 キョン「なんか温かい飲み物買ってこようか?」 阪中「うん……」 キョン「カーディガンは貸しといてやるから、着て帰れよ」 阪中「ありがとう……」 キョン「つらそうだな。服、一人で着替えられるか?手伝おうか?」 阪中「それは嫌……」 キョン「デスヨネ」 37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/22(月) 05:08:31.65 ID:cyacHwCqO 帰り道 キョン「心配だから家まで送ってってやるよ」 キョン「団長の不始末は団員のの責任だ」 阪中「ええっ!?い、いいよ、そこまで迷惑かけられないのね」 キョン「いいんだよ、放っておいたらこっちが心苦しいだろ。それともあれか?別のことを心配してんのか」 キョン「安心しろ、本来に送るだけだ。他意はない。神に誓う」 阪中「そ、そこまで言うなら……お願いするのね」 キョン「よしきた」 38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/22(月) 05:09:31.74 ID:cyacHwCqO いちおう書きためた分は終わり あとは気分で展開させようと思ったが……眠すぎて死ぬる 41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/22(月) 05:19:03.69 ID:cyacHwCqO キョン「お前の家はたしか河川敷の辺りだったよな?」 阪中「そう、電車に乗らないといけないのね」 キョン「毎日大変だな」 阪中「うん……」モジモジ キョン「ん、どうした?」 阪中「な、なんでもないのね」 阪中「ただ、こうやって男の人と歩くのって、初めてだから」 42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/22(月) 05:21:09.97 ID:cyacHwCqO キョン「そ、そうか……」 阪中「……うん」 キョン「……」 阪中「……」 キョン「……」 キョン「(いかん、なんか気まずいぞ)」 43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/22(月) 05:22:34.50 ID:cyacHwCqO キョン「そういえばお前ん家の犬、ルソーだっけ、元気か?」 阪中「うん」 キョン「そっか…」 44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/22(月) 05:25:23.42 ID:cyacHwCqO キョン「(会話が続かない……)」 阪中「ね、キョンくん」 キョン「ん?」 阪中「ありがとね」 キョン「別にいいさ、礼なんて」 キョン「元は俺の責任なんだしな」 82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/12/22(月) 22:41:12.81 ID:cyacHwCqO あんまり書きためてないけど始めるよー つーかよく考えたら時系列が混乱してる気もするが、そこはなんとかスルーしてくれ ワンダリングシャドウが冬の話だと勘違いしてた、すまん 83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/12/22(月) 22:44:54.51 ID:cyacHwCqO 阪中「ついたのね、あたしん家」 キョン「相変わらずえらい豪奢な家だな……うちの倍くらいあるぞ」 阪中「そんなことないよ……」 キョン「じゃあ、俺はもう行くぞ」 キョン「今日は暖かくして早めに寝るんだな」 阪中「あ、うん、ありがとう。キョンくんも気をつけてかえってね」 キョン「ああ、じゃあな」 阪中「バイバイ」 85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/12/22(月) 22:48:12.36 ID:cyacHwCqO キョン「ふう……」 キョン「で」 キョン「なんでお前がここにいるんだよ」 古泉「おや、気付かれていましたか」 キョン「白々しく電柱なぞに隠れやがって、わざわざ俺が気付くように動いてたくせによ」 古泉「ふふ、ご明察です」 古泉「しかし僕だって好きでこんな事してるわけじゃありませんよ。あいにく尾行の趣味はないので」 86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/12/22(月) 22:55:08.13 ID:cyacHwCqO キョン「じゃあなんでまた、こんな糞がつくほどさみー夕方に」 キョン「それもこんなへんぴな住宅地までわざわざ俺を付け回したりするんだ」 キョン「納得のいく説明をくれ」 古泉「本当に心当たりがないんですか?」 キョン「ああ、ないね。後ろ暗いことはなにも」 キョン「今日はハルヒに言われてビラを配り、具合の悪そうな阪中を家まで送っただけだ」 キョン「議論を差し挟む余地のないくらい、実に健全な放課後だったと思うが?」 古泉「……やれやれ」 キョン「人のせりふを盗むな」 87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/22(月) 22:59:23.27 ID:cyacHwCqO 古泉「残念ですが、あなたはまだご自分の立場を理解していないように見えますね」 古泉「僕は再三にわたって忠告してきたはずです。あまり涼宮さんを刺激しないようにと」 キョン「? なんでハルヒが出てくるんだ」 キョン「たしかに今日もハルヒにはめいっぱいどつかれたが、そんなのいつものことじゃねえか」 古泉「……本当に」 古泉「ときどきわざとなのではないかと勘ぐってしまいますよ」 古泉「あなたのその鈍感さはね」 キョン「は?」 88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/12/22(月) 23:03:00.76 ID:cyacHwCqO キョン「わけわからんぞ」 古泉「とにかく、今回はもう起こってしまったことなので致し方ありませんが」 古泉「今日のような軽率な行動は断じて慎むべきです。つまり、女子生徒と連れ立って歩くようなことは」 古泉「あなたがこの世界を大切に思うのなら、ですが」 キョン「いや、世界が滅ぶのはもう二度とごめんだけどよ」 89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/22(月) 23:06:54.68 ID:cyacHwCqO キョン「別にいいじゃねえか。阪中とはそんな浮いた関係でもなんでもないぞ」 古泉「ええ、左様でしょうね。そのあたりの調査は機関の方で間断なく続けられていますから、僕も知っています」 古泉「しかしだからといって、今日のお二人を涼宮さんが目撃したらどう受け止めるでしょうか」 キョン「しるかよ」 キョン「そもそもことの発端はすべてあいつにあるんだがな」 古泉「同じことです」 90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/22(月) 23:12:57.14 ID:cyacHwCqO 古泉「この場合において大切なのは事実ではありませんよ。わかるでしょう?」 キョン「……」 キョン「あーあーわかった、わかったよ。これからはせいぜい気をつけさせてもらうさ」 キョン「それにこんなことはこれっきりだからな、安心しろ」 古泉「結構です」 古泉「願わくば、本当にそうなってくれるとありがたいんですけどね」 キョン「……含みのある言い方だな」 古泉「気のせいでしょう。とにかく」 古泉「くれぐれもその双肩にかかっているものの重みを忘れないでください」 古泉「あなたはある意味においては、必ずしも自由ではないのですから」 91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/22(月) 23:17:37.05 ID:cyacHwCqO 〜翌朝・教室〜 阪中「おはようなのね、キョンくん」 キョン「おお、阪中。今日はてっきり休むもんだと思っていたが」 阪中「ううん、一晩寝たらね、けっこう楽になったから」 キョン「そりゃあよかった」 キョン「俺だったらまず間違いなくサボってる所だぜ」 キョン「ちゃんと来た阪中は偉いな」 阪中「そっ、そんなことないよ……もう」 92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/22(月) 23:23:14.95 ID:cyacHwCqO 阪中「それでね」 阪中「お母さんに昨日のこと話したら、世話になったお礼しなくちゃって張り切っちゃって」 キョン「んな大げさな……」 阪中「男の子って言っちゃったのがまずかったかも……いままでそんなこと無かったからね」 キョン「なんか微妙に恥ずかしいな」 阪中「だから、これ」 キョン「ん?」 阪中「お礼のシュークリームなのね。お母さんの手作り、おいしいんだよ」 キョン「ああ、知ってるぞ。こないだのルソー氏事件のおりにもご馳走になったからな」 キョン「わざわざありがとな。おふくろさんにも伝えておいてくれ」 阪中「うん」 阪中「じゃ、じゃあね」スタスタ 94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/22(月) 23:28:21.22 ID:cyacHwCqO ハルヒ「ちょっとキョン!」 キョン「あ?なんだハルヒか……朝から元気だな」 ハルヒ「なんだじゃないわよ」 ハルヒ「あんた、さっき阪中と何話してたの?」 キョン「(見られてたのか……)」 キョン「あ、ああ……別に大したことじゃねえよ」 ハルヒ「普段ぜんっぜん話さないくせに、やけに仲よさそうにしてたじゃない」 キョン「そ、そうか?」 96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/12/22(月) 23:34:17.24 ID:cyacHwCqO ハルヒ「もしかして昨日何かあったんじゃないでしょうね?」 キョン「(するどい……)」 キョン「なんにもねえよ」 ハルヒ「あら、この小綺麗な包みは何?」 キョン「お、おい……勝手に人の荷物を物色するなよ」 ハルヒ「怪しい、あからさまに怪しい」 キョン「馬鹿、開けるなってば!」 ハルヒ「こ、これは!」 ハルヒ「美味しそうなシュークリームと……手紙?」 114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/12/23(火) 00:48:01.84 ID:I2NHdedCO キョン「(あーあ、やっちまった……)」 ハルヒ「ねえキョン、この手紙、これ阪中って」 ハルヒ「阪中って書いてある」 キョン「ああ、そうだな」 ハルヒ「もしかしてこれ、阪中からもらったの?お菓子も……」 キョン「さあな」 ハルヒ「……」 キョン「なんだよ、ぶすくれた顔しやがって」 118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/23(火) 00:53:17.75 ID:I2NHdedCO キョン「返せよ、手紙」 ハルヒ「……だめ」 キョン「は?」 ハルヒ「だめよ。これは先にあたしが目を通してからあんたに返すわ」 キョン「おいおい……なんのつもりか知らんが、俺の保護者気取りも大概にしろよ」 キョン「つべこべ言わずさっさとよこせ」 ハルヒ「なによ、この団長様に逆らおうなんて百年早いわ!」 ハルヒ「いいからちょっと待ってなさい、すぐ読むから!」ガサゴソ キョン「だからどこにお前が読む必要が」 ハルヒ「あーもーうるさい!」 げしげし キョン「いてえ!なにしやがる」 121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/23(火) 00:57:00.88 ID:I2NHdedCO キョン「(とられた……)」 ハルヒ「これはずいぶん高そうな便箋ね」カサカサ ハルヒ「ふむふむ………え?」 ハルヒ「ええーーー!?」 キョン「どうした……」 ハルヒ「なっ……なんでもないわ!なんでも」 キョン「読み終わったなら返せよ」 ハルヒ「だめ」 122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/23(火) 00:58:11.59 ID:I2NHdedCO いやいやちょっと待て おれハルヒ好きなのになんで…… 125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/23(火) 01:00:34.52 ID:I2NHdedCO キョン「はあ!?意味わからんぞ」 ハルヒ「だめなものはだめなの!」 ハルヒ「この手紙はあたしが責任をもって処分します!」 キョン「処分って……」 ハルヒ「これをあんたに渡すわけにはいかないわ」 129 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/23(火) 01:05:12.60 ID:I2NHdedCO キョン「くっ……」 キョン「おいハルヒ、お前いい加減にしないと力ずくで……!」 ハルヒ「させるかっ!」 ビリビリ もぐもぐ キョン「あっ、お前!食うなよ!」 ごくん ハルヒ「へっへーん、これでもう読めないでしょ!」 130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/12/23(火) 01:08:42.07 ID:I2NHdedCO キョン「最悪だ……」ずーん ハルヒ「なによ!」 ハルヒ「あんたそんなに阪中のことが好きなの?ばっかじゃない!?」 キョン「そういう問題じゃないだろ……」 キョン「お前なあ……もし大切な用件だったらどうすんだよ」 ハルヒ「ぎくり」 138 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/23(火) 01:15:44.44 ID:I2NHdedCO ハルヒ「そっ、それよりあんた」 キョン「あ?」 ハルヒ「昨日、阪中のこと家まで送ったらしいじゃない」 キョン「だからどうした」 ハルヒ「どうせあんたのことだから、いい人ぶって下心満載だったんでしょ!最低ね」 キョン「そんなわけないだろ。どっかの年中発情期な団長様と一緒にするな」 ハルヒ「どーだか」 ハルヒ「……って、その年中発情期ってあたしのこと!?」 キョン「他に誰がいる。毎日嫌がる朝比奈さんを強引に剥いてるのを忘れたとは言わせんぞ」 ハルヒ「むっきぃぃぃぃぃぃぃ!このアホキョン!」 ゴスッ! キョン「殴るな!」 139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/23(火) 01:19:30.38 ID:I2NHdedCO ハルヒ「キョンのばーか!」 キョン「なんだと」 キョン「お前の方がばーか!」 ハルヒ「アホー!」 キョン「お前の方がアホー!」 ハルヒ「このすっとこどっこいのおたんこなすのぽんちきちー!」 キョン「お前のほうがすっとこどっこいのおたんこなすの……」 ぎゃあぎゃあ 阪中「あ、あのー」 143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/23(火) 01:24:09.84 ID:I2NHdedCO ハルヒ「ばかー」 キョン「アホー」 阪中「うう……聞こえてないみたいなのね」 阪中「もう、キョンくん!」 キョン&ハルヒ「あ?」 キョン「お、おお……阪中」 ハルヒ「……ちっ」 146 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/23(火) 01:38:10.92 ID:I2NHdedCO 阪中「さっきのあれ……手紙のことなんだけど」 阪中「もう読んでくれた?」 キョン「いや、まだだ……っていうか」 ギロリ ハルヒ「なによ」 阪中「あ、そうなのね?」 阪中「別に大したことじゃないんだけど」 キョン「?」 阪中「うちのお母さんがキョンくんを食事に呼びなさいって言ってきかないもんだから」 阪中「そのお誘いについて手紙に書いたんだけど、ちょっとうっかりしてて」 キョン「ち、ちょっと待て」 キョン「俺が?お前ん家に?めし?」 阪中「そう」 阪中「もう……お母さんったらおせっかいというかなんというか……」 ハルヒ「……ちっ」 150 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/23(火) 01:47:49.03 ID:I2NHdedCO 阪中「それでね、手紙に、いつするのかって書かなかったから……その」 キョン「……」 阪中「あ、あ、嫌なら無理にとは言わないから!」 阪中「もし良かったら……今度の日曜日とか……どうかなって、思って」 阪中「……どうかな」 キョン「……行く」 キョン「もちろん行くぞ、喜んで」 キョン「っていうかいいのか?」 阪中「もちろんいいのね!」 阪中「じゃああたし、それまでに風邪治さなきゃ」 キョン「おう、楽しみだな」 ハルヒ「ふぐぐ………」ギリギリ ハルヒ「……あ!」 ハルヒ「(いいこと思いついちゃった)」 151 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/23(火) 01:48:31.61 ID:I2NHdedCO ハルヒのキャラがぶれてきた 154 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/23(火) 01:56:48.28 ID:I2NHdedCO 阪中「じゃあ、日曜日の夕方にあたしの家に来てくれる?」 キョン「おう、わかったぞ」 阪中「ちなみに食べたい物とかある?」 キョン「うーん……そうだな」 ハルヒ「あー最近おいしいもの食べてないなぁー」 阪中「お母さんけっこう何でも作れちゃうから」 キョン「米が食いたいな、米」 ハルヒ「日曜の夜とかすごく暇なんだけどなぁー」 阪中「そういえばあたしキョンくんの連絡先知らないのね」 キョン「そうだな……メアド交換しとくか」 ハルヒ「またJ・Jと遊びたいのよねぇー」 阪中&キョン「……」 155 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/23(火) 02:00:00.73 ID:I2NHdedCO 阪中「じゃあ、そういう事で」 キョン「ああ」 阪中「またあとで連絡するのね」 キョン「了解」 ハルヒ「……」 156 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/23(火) 02:03:42.77 ID:I2NHdedCO キョン「先に言っとくが」 キョン「日曜は絶対について来るなよ」 ハルヒ「なんでよ」 キョン「理由は簡単だ。お前が誘われていないから」 ハルヒ「……このアホキョン」 キョン「好きに言えばいいさ」 キョン「俺は今大変に機嫌がいいからな」 160 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/23(火) 02:10:34.78 ID:I2NHdedCO 〜放課後・文芸部室〜 コンコン、ガラッ キョン「うーっす」 キョン「って古泉、お前だけか」 古泉「ええ」 古泉「他のお二方、朝比奈さんと長門さんには席を外していただきましたから」 キョン「?」 キョン「なんでまた……」 古泉「まったく」 古泉「あなたも、この期に及んでとんでもないことをしてくれたものです」 161 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/23(火) 02:14:12.27 ID:I2NHdedCO 古泉「単刀直入にお訊ねしますが」 古泉「涼宮さんに一体全体何をしたんですか?」 キョン「ぎくり」 古泉「心当たりがあるようですね、そう」 古泉「おそらく阪中さんのことでしょう」 162 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/23(火) 02:18:51.79 ID:I2NHdedCO 古泉「それなりの予想と覚悟はしていましたが……まさかこれほどとは」 古泉「現在、いたるところで特大の閉鎖空間の発生が確認されています」 古泉「特にその……例の河川敷のあたりに集中している」 古泉「これがどういうことかおわかりでしょうか」 キョン「もしかして……」 古泉「ええ、おそらくお察しの通りかと」 古泉「非常に理性的な暴走と言えるでしょう」 キョン「阪中……」 167 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/23(火) 02:28:32.06 ID:I2NHdedCO 古泉「幸い、まだ現実世界に影響は及んでいません。それも時間の問題でしょうが」 古泉「さて、僕もあなたに大まかな状況説明と助言をしたのち現場に向かわなくてはなりませんので、包み隠さず簡単にいきましょう」 古泉「今回の閉鎖空間の膨張速度は、あの昨年の危機のそれに匹敵すると我々は予測している」 古泉「どうか早急に、涼宮さんにあなた側からのアプローチをしてください」 古泉「事態はもはや機関だけで処理できるレベルをはるかに超えているのです」 キョン「そうなのか?」 古泉「そうです。我々ではもう膨張の速度をわずかに遅らせることしかできない」 古泉「つまり、あなたに頼るしかないのです」 キョン「(あの野郎……)」 168 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/23(火) 02:32:24.22 ID:I2NHdedCO 古泉「僕はもう行きますので」 古泉「あとのことはお任せしましたよ」 キョン「……ああ」 古泉「ああ、そうそう」 古泉「涼宮さんは現在教室にいるようです」 古泉「では」 169 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/23(火) 02:34:35.51 ID:I2NHdedCO キョン「……」 キョン「……」 キョン「……」 キョン「……」 キョン「……行くか」 171 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/23(火) 02:36:14.80 ID:I2NHdedCO とても……眠いです 175 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/23(火) 02:41:12.57 ID:I2NHdedCO 〜教室〜 キョン「……おい、ハルヒ」 ハルヒ「な、なによっ」 キョン「なに拗ねてるんだよ」 ハルヒ「拗ねてない!」 キョン「ハルヒ、お前……」 キョン「そんなに阪中ん家に行きたかったのか?」 ハルヒ「!!」 177 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/23(火) 02:43:30.92 ID:I2NHdedCO ハルヒ「べ、別に」 ハルヒ「行きたいわけないでしょ」 ハルヒ「あんた一人で行ってくればいいじゃない」 キョン「そうか……」 キョン「せっかく阪中に連絡して訊いてやろうと思ったんだが」 ハルヒ「!!!」 178 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/23(火) 02:48:30.36 ID:I2NHdedCO 一方その頃…… 神人「ウオオオオオオオヴォ」 ばこーん! 古泉「くはぁっ……!」 ずがーん! 新川「おのれ神人……」 古泉「新川さん!右からの連携をお願いします!」 新川「わかりましたぞ」 神人「ギャアアアアアアアアス」 森「お腹すいたなあ……」 179 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/23(火) 02:55:04.70 ID:I2NHdedCO 阪中「もう寝ます」 キョン「お、じゃあ一緒に寝るか」 阪中「も、もうっ、キョンくんったら//////」 キョン「なんてな……ははは////」 ハルヒ「あれー?あたしの布団はー?」 キョン&阪中「……」 おやすみなさい 257 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/23(火) 20:47:07.41 ID:I2NHdedCO ぼちぼち始めます だいぶ詰まってきたから、途中で書き方変わるかもわからん 台詞だけのSSは初めてだから、ごぬんね のんびりやろうぜ 259 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/23(火) 20:50:37.55 ID:I2NHdedCO ハルヒ「ま、まあ……あんたがそうしたいならしなさいよ」 ハルヒ「どうせあたしについてきて欲しいんでしょ」 キョン「そんなことを言った覚えはないが」 キョン「行きたくないなら別にいいんだぞ?」 ハルヒ「いいから行くの!あたしも行くの!」 キョン「(背に腹は代えられないか……)」 キョン「わかったよ」 キョン「ちゃんと阪中に頼んでおいてやるさ、お前も行けるようにな」 ハルヒ「……(やった!)」 261 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/23(火) 20:55:46.24 ID:I2NHdedCO キョン「ただし条件がある」 ハルヒ「はあ?条件?」 キョン「そうだ」 キョン「お前はどうもはしゃぎすぎる節があるからな」 ハルヒ「そんなことないわ」 キョン「阪中やそのご家族に迷惑をかけるようなことがあったらすぐさま帰ってもらう」 キョン「これが最大の譲歩だ。守れないならくるな」 ハルヒ「はあ?」 ハルヒ「なに当たり前のこと言ってんのよ」 ハルヒ「他人様の家にお邪魔して失礼をはたらく馬鹿がどこにいるものなら見てみたいくらいだわ」 キョン「……」 263 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/23(火) 20:58:36.15 ID:I2NHdedCO キョン「じゃあ日曜だぞ、忘れんなよ」 キョン「あ、や、この場合はむしろ忘れてくれたほうが」 ハルヒ「ばか、忘れるわけないでしょ」 ハルヒ「とっても楽しみね!」 キョン「つくづく羨ましい奴だよ、お前は」 ハルヒ「なんか言った?」 キョン「いんや、なにも」 265 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/23(火) 21:05:07.53 ID:I2NHdedCO さすがにいちクラスメイトとの約束と世界を天秤にかけるほど俺もトチ狂っちゃいない ハルヒをなだめて帰宅したのち、すぐさま阪中に確認のための電話をかけた キョン「もしもし」 阪中「はい……あ、キョンくん」 キョン「急にすまんな。今、大丈夫か?」 阪中「ん、大丈夫なのね。どうかした?日曜日のこと?」 キョン「ああ、うん、その件で……なんというか、非常に言いづらいんだが」 阪中「?」 キョン「どうやらハルヒも連れて行かなきゃならないらしい」 阪中「え?」 266 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/23(火) 21:10:37.00 ID:I2NHdedCO 阪中「え?涼宮さん?」 キョン「そう、涼宮さんだ」 キョン「大変遺憾なんだが、どうやらあのアホもお前ん家にお邪魔したいらしい」 キョン「頼む。言いたい事は色々あると思うが」 キョン「ここはひとつ、わけをきかずに頷いてくれないか」 阪中「え……別にいいけど……」 阪中「うん、もちろん大丈夫だよ。涼宮さんも歓迎するのね」 キョン「すまん」 269 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/23(火) 21:13:57.60 ID:I2NHdedCO 阪中「別にいいんだけど」 阪中「それよりその、ちょっと訊きたいことが……」 キョン「ん?」 阪中「……」 キョン「なんだよ」 阪中「あの、キョンくんと涼宮さんはもしかして、付き合ってたり……するのかなって」 キョン「はぁ?」 273 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/23(火) 21:21:41.88 ID:I2NHdedCO キョン「なんで俺があの迷惑千万、傍若無人な鉄砲玉野郎と付き合わなきゃならんのだ」 阪中「違うの?」 キョン「断じて違う」 阪中「そう、ならいいんだけど」 阪中「あたしって馬鹿で空気も読めないから、二人に悪いことしちゃったかと思って……」 阪中「涼宮さんちょっと機嫌悪かったでしょ?だから……」 キョン「ああ、そのことか。もし阪中の気に障ったなら俺のほうから謝る、すまん」 阪中「そうじゃないけど……」 阪中「本当にいいの?」 キョン「もちろんだ」 キョン「それにあの馬鹿はたぶん……よっぽど暇なんだろう」 阪中「そう、よかった」 キョン「気を遣わせて悪かったな。じゃあそういうことでよろしく頼む」 278 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/23(火) 21:33:37.40 ID:I2NHdedCO 翌日の放課後、俺はふたたび古泉に呼び出された いまさら訊くまでもなくハルヒの件に関してだろう 中庭のベンチに身体を預けるように座った古泉は、どことなくくたびれた様子だった 古泉「おかげさまで、どうやら彼女の精神もかなり落ち着いてきたようです」 古泉「閉鎖空間の発生も、減少傾向にあるようですね」 キョン「そうかい」 キョン「お前はずいぶんと大変だったみたいだな」 古泉「ええまあ、それなりに」 古泉「しかし、やはり本番はあさって、つまり日曜日になりそうですね」 古泉「もちろん我々も、不測の事態に備えて厳戒態勢を敷いているところです」 280 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/23(火) 21:36:01.42 ID:I2NHdedCO キョン「おいちょっと待て」 キョン「なんでお前がそのこと……日曜日のことを知ってるんだ」 キョン「俺はまだなにも言ってないはずだが」 古泉「ふふ」 古泉「機関の諜報能力を侮ってもらっては困りますね」 古泉「その気になれば盗聴くらい、造作もないことですよ」 キョン「さらっと恐ろしいこと言うなよ……」 古泉「冗談です。電話を盗聴できるはずないじゃないですか」 キョン「なんで電話だと知ってるんだ」 古泉「……」 282 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/23(火) 21:41:33.32 ID:I2NHdedCO 古泉「涼宮さんが嬉々として吹聴してましたよ、あなたと二人で阪中さんの家に行くと」 キョン「スルーかよ」 キョン「しかしあの馬鹿、手のひら返したように上機嫌になりやがって」 古泉「いいじゃありませんか」 古泉「あなたがたには申し訳ありませんが、僕には涼宮さんの気持ちがよくわかりますよ」 キョン「そりゃずいぶん奇特なこったな」 古泉「本当は僕も伺って、ご相伴にあずかりたいくらいですから」 キョン「え?」 古泉「え?」 285 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/23(火) 21:46:24.25 ID:I2NHdedCO 古泉「とにかく」 古泉「念を押しておきますが、くれぐれも涼宮さんの機嫌を損ねることのないよう」 キョン「あーあーわかってるともよ」 キョン「どうせ俺にはプライベートだとか自由なんてものはないんだ」 古泉「そう悲観的にならなくても」 古泉「見方を変えてみれば、世の男性が羨むようなハーレム状態なんですよ、あなたは」 キョン「む」 古泉「ふふふ」 古泉「では、ご武運を」 288 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/23(火) 21:48:22.24 ID:I2NHdedCO なんか心が痛くなってきたぞ 292 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/23(火) 21:57:29.65 ID:I2NHdedCO そんなこんなで日曜日だ 正直なところを言うと、あの日以来、俺は何かにつけては阪中を意識するようになっていた 我ながら安い男だと思わないでもないが、あいにくこんな経験は今までなかったんだ、仕方ないだろ? ハルヒ「遅いわよ!」 キョン「お前が早すぎるんだよ、まだ約束した時間の十分前じゃねえか」 俺はハルヒと近所の駅で待ち合わせをし、阪中の家へ向かった ハルヒはいつも通り約束の三十分前には来ていたらしく 俺がその姿を発見したときには頬を二倍ほどに膨らませてぷりぷり怒っていた キョン「なあ、お前、本当に行くつもりなのか」 ハルヒ「いまさら何言ってんのよ。当たり前じゃない」 ハルヒ「阪中もいいって言ってくれたんでしょ?」 キョン「そりゃ断りゃしないだろ、普通は……」 296 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/23(火) 22:02:04.27 ID:I2NHdedCO ハルヒ「ねえ、なんでそんな便秘中みたいな景気の悪い顔をしてんのよ」 キョン「誰のせいだと思ってんだよ」 ハルヒ「もう、男のくせにぐちぐちうるさいわね」 ハルヒ「あんたみたいなケダモノを一人で阪中の家にやれるわけないでしょ」 キョン「なあ、もうお前ちょっと黙れ」 キョン「はあ……」 ハルヒ「な、なによ」 301 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/23(火) 22:06:53.02 ID:I2NHdedCO ハルヒ「ついたわ!」 キョン「疲れた……」 ハルヒ「J・Jはいるかしら?」 キョン「あんまりはしゃぐなよ、みっともない」 ぴんぽーん キョン「(今さらだが、なかなか気まずい構図だな、これは……)」 パタパタ....ガチャ 阪中「いらっしゃいなのね、キョンくん」 阪中「……と、涼宮さん」 ハルヒ「やあやあ、いらっしゃったわ!」 キョン「盗人猛々しいとはこのことだな」 309 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/23(火) 22:14:35.18 ID:I2NHdedCO キョン&ハルヒ「おじゃましまーす」 阪中「どうぞどうぞ」 ルソー「ハフハフ」 ハルヒ「J・J!久しぶりね!」 阪中「うふふ」 キョン「ルソーはすっかり元気みたいだな」 阪中「そうなのね。元気すぎて困っちゃうくらい」 311 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/23(火) 22:18:59.37 ID:I2NHdedCO 阪中母「あら、いらっしゃい」 阪中母「キョンくんと、涼宮さんね?この子からよくお話は聞いていますよ」 キョン「あ、ども。おじゃましてます」 ハルヒ「おじゃましてまーす」 キョン「こないだは、シュークリームごちそうさまでした」 ハルヒ「とってもおいしかったです!」 阪中母「あらあら、元気ですね。うふふ」 331 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/24(水) 00:00:07.47 ID:J42nacY1O うわあああああああああクリスマスイブだあああああああばばばばばばばばばばばば 334 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/24(水) 00:06:38.74 ID:J42nacY1O 阪中母「その節はこの子がお世話になったみたいで」 阪中母「ありがとうございました」 キョン「いえいえ、元はと言えばこっちの仕事を手伝ってもらったのが原因と言いますか、その」 阪中母「うふふ」 阪中「お母さんさっきからニヤニヤして気持ち悪いのね……」 阪中母「だって、あなたの友達がうちに来るなんてついぞなかったんですもの」 阪中母「それも男の子。お母さん期待しちゃうわ」 阪中「もう、お母さんったら/////」 キョン「は、はあ……」 キョン「(仲のいい親子だな)」 335 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/24(水) 00:10:53.84 ID:J42nacY1O キョン「あれ?そういえばおやじさんはどこにいらっしゃるんだ?」 阪中「お父さん?」 阪中「お父さん、今日は仕事で帰りが遅くなるって言ってたのね」 キョン「そうなのか」 阪中「そう。なぜか知らないけどお母さんがやたら張り切っちゃって」 阪中「いったいどうしたんだろ……」 キョン「(あれ?なんか悪寒が……)」 ハルヒ「J・J、お手!」 ルソー「わふ」 337 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/24(水) 00:14:26.85 ID:J42nacY1O ハルヒ「おまわり!」 ルソー「あん」 阪中「涼宮さん、犬が好きなの?」 ハルヒ「動物はだいたい好きよ」 阪中「そうね、猫とか小鳥とか、可愛いもんね」 ハルヒ「猫はあたしも好きだわ」 ハルヒ「他にもチュパカブラとかヒトガタとかフライングフィッシュとか」 阪中「へ、へぇ……」 ハルヒ「ね!J・J」 ルソー「わん」 339 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/24(水) 00:19:39.20 ID:J42nacY1O 阪中「もうすぐご飯の支度できるから、お茶でも飲んで待っててね」 キョン「ああ、すまんな」 阪中「この紅茶、あたしの好みなんだけど、キョンくんのお口に合うかなぁ」 キョン「ほほう、これはなかなか……」 ハルヒ「あっ!あたしにもちょうだい!」 阪中「はい、どうぞなのね」 ハルヒ「んぐんぐ」 阪中「そんなに急いで飲まなくても……」 ハルヒ「ぷは、とってもおいしいっ」 ハルヒ「いい紅茶だわ!クールペコってやつね!」 阪中「オレンジペコだよ……」 ルソー「ヤッチマッタナー」 345 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/24(水) 00:26:50.63 ID:J42nacY1O 阪中母「みなさん、食事の用意ができましたよー」 阪中「はーい!今行くのね」 ハルヒ「わーい!」 キョン「おい馬鹿、あんまり騒ぐな」 阪中母「今日は牛のブロックとカブがあったから、ポトフにしてみたんです」 キョン「おいしそうですね」 阪中母「どうぞ、召し上がれ」 キョン「いただきます」 ハルヒ「いただきまーす!……はふはふ」 ハルヒ「うめー!こりゃあ牛肉100%だな!」 キョン「あたりまえだろ」 阪中「くすくす」 349 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/24(水) 00:34:11.36 ID:J42nacY1O 阪中母「それで」 阪中母「キョンくんと涼宮さんは、どういうご関係なんですか?」 阪中母「まさか恋人とか……じゃないですよねぇ?」 キョン「ぶっ!……げほげほっ!」 阪中「ち、ちょっと、お母さん!いきなりなにを……」 阪中母「あら」 阪中母「だって、娘の近くにいる男の子がどういう交友関係をお持ちなのか、気になるじゃありませんか」 阪中母「ねえ?涼宮さん?」チラリ ハルヒ「もぐもぐ……ん?」 キョン「(なんか妙な思念が……)」 352 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/24(水) 00:38:12.04 ID:J42nacY1O ハルヒ「キョンがあたしの恋人なわけないじゃない」 阪中母「あら、そうなんですか」ニヤリ ハルヒ「こいつはあたしの下僕よ!」 阪中母「は?」 ハルヒ「あたしのために馬車馬のごとく働く奴隷ってこと!」 阪中母「まあ……それは」 阪中「あはは……」 キョン「(空気が死んだ……)」 357 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/24(水) 00:47:33.09 ID:J42nacY1O 阪中母「ま、まあ」 阪中母「とにかく今キョンくんに恋人はいないんですね?」 キョン「はあ、まあ……」 阪中母「うふふ」 阪中母「だったらうちの子はいかがかしら」 阪中「え?」 阪中母「僭越ながら家事も仕込みましたし、勉学もそこそこできるはずです」 阪中母「ぜひ、お嫁に……」 阪中「ちょっと、お母さん!」 阪中母「……なんて、冗談が過ぎましたね。うふふ」 キョン「はあ……」 キョン「(絡みづらいな)」 358 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/24(水) 00:49:20.07 ID:J42nacY1O 正直詰まってきた 365 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/24(水) 00:57:13.43 ID:J42nacY1O ハルヒ「だめ」 キョン「あ?」 ハルヒ「だめよ、恋人なんて。あたしが許可しないわ」 ハルヒ「そんな我がSOS団の活動の邪魔になりそうなもの、だめよ、だめだめ」 キョン「何言ってんだお前……冗談にまじになって」 キョン「はは、すみませんね、こいつ馬鹿で」 阪中母「あらあら、そんなことないですよ」 阪中母「とっても愉快な方じゃないですか、うふふ」 368 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/24(水) 01:08:33.67 ID:J42nacY1O 阪中母「それに、ねえ」 阪中母「お付き合いなんて本人たちの意思じゃありませんか」 阪中母「部外者が束縛しちゃ駄目ですよ、涼宮さん」 ハルヒ「いいえ、あたしはキョンの権利を全て掌握してるのよ」 ハルヒ「それはもちろん恋愛の権利も例外じゃないわ」 ハルヒ「だからあたしがだめって言ったらだめなの。おわかりかしら」 阪中母「あらあら、涼宮さんはキョンくんが大好きなんですねぇ」 阪中母「そんなにうちの子にキョンくんがとられるのが怖いのかしら、うふふ」 ハルヒ「そっ、そんなわけないでしょ!」 キョン&阪中「……」 371 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/24(水) 01:13:01.56 ID:J42nacY1O ハルヒ「とっ、とにかく」 ハルヒ「キョンが彼女を作るなんで絶対にだめなんだから!」 キョン「何様なんだよ、お前は……」 阪中母「……」 阪中母「ねえ、涼宮さん」 阪中母「ポトフのおかわりはどうかしら?まだまだあるからどんどん食べてもらわないと」 ハルヒ「え?」 ハルヒ「あ、ああ、じゃあ……もらいます」 阪中母「うふふ、すぐに持ってきますからね。すぐに」 375 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/24(水) 01:16:01.85 ID:J42nacY1O ハルヒ→大河にしても違和感がない 379 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/24(水) 01:19:38.27 ID:J42nacY1O キョン「おいハルヒ、どうしたんだお前」 キョン「さすがに失礼だぞ……」 ハルヒ「ご、ごめん……ついムキになっちゃって……」 キョン「ったく、いい加減にしないと帰らせるからな」 ハルヒ「うん、ごめんね……」 阪中母「さあ、持ってきましたよ」 380 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/24(水) 01:22:19.14 ID:J42nacY1O ハルヒ「ありがとうございます」 ハルヒ「もぐもぐ」 阪中母「おいしい?」 ハルヒ「あ、は……はい」 ハルヒ「もぐもぐ」 キョン「しかしよく食うなあ、お前」 ハルヒ「うるさいわね」 382 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/24(水) 01:29:26.78 ID:J42nacY1O ハルヒ「もぐもぐ」 キョン「ふう……もう腹いっぱいだ」 阪中「あ、キョンくん、デザート食べる?プリン」 キョン「お、いいな。もらうぞ」 阪中母「プリンはこの子が作ったんですよ」 阪中母「キョンくんが来るから、って頑張っちゃって」 阪中「ちょ、それは言わない約束だったでしょ///」 キョン「/////」 ハルヒ「もぐもぐ」 383 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/24(水) 01:33:29.63 ID:J42nacY1O ハルヒ「もぐもぐ」 阪中「はい、どうぞ」 キョン「おおお、これはまた本格的なおプリン」 阪中「食べて食べて」 キョン「いただきます」 キョン「おお、うまいぞ!さすがに阪中は料理上手だな」 阪中「えへへ」 ハルヒ「もぐもぐ」 ハルヒ「もぐもぐ……うっ、うぐっ!」 阪中母「……」 395 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/24(水) 01:44:31.36 ID:J42nacY1O 阪中「キョンくん、メリークリスマスなのね」 キョン「そういえば今日はクリスマスイブだったな」 阪中「これ……プレゼントなの」 キョン「俺に?あ、ありがとう」 キョン「なんだろう……」ガサゴソ キョン「こっ、これはっ!」 キョン「『なんでも言うことをきく券』!」 キョン「阪中……」 阪中「キョンくんにはいつもお世話になってるから……」 キョン「じゃあ命令だ」 キョン「阪中、俺の彼女になってくれ」 阪中「キョンくん……////」 キョン「阪中……もう離さないぜ」 阪中&キョン「イエス!」 ハルヒ「はいはいフォーリンラブフォーリンラブ」 525 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/25(木) 01:08:34.93 ID:jqsiZBOUO ハルヒ「うぐっ……」 阪中「あれ?涼宮さん?」 キョン「ん?」 キョン「おいハルヒ、どうした?顔が真っ青だぞ」 ハルヒ「……な、なんでもないわ」 キョン「なんでもなくないだろ。冷や汗が出てる」 キョン「まったく、だからあれほど食いすぎるなと……」 ハルヒ「そんなんじゃないわよ!」 阪中母「くすくす」 526 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/25(木) 01:11:55.14 ID:jqsiZBOUO ハルヒ「ううっ……」 キョン「大丈夫か?病院行くか?」 ハルヒ「いいって言ってんでしょ!」 キョン「しかし……」 ハルヒ「あ、あたしちょっと……と、トイレ」 阪中「あ、うん、今案内するのね」 阪中母「あら、いいわよ。私が連れて行ってあげます」 阪中「あ……」 ハルヒ「お願いします……」 阪中母「さあ、こちらですよ」 スタスタ 阪中母「ふふ」 528 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/25(木) 01:15:38.26 ID:jqsiZBOUO キョン「あいつ腹が痛かったのか……」 阪中「そうみたいね」 ハルヒ「(ち、ちょっと、なにす……)」 ハルヒ「(ぐえっ!)」 阪中「今なにか悲鳴が聞こえなかった?」 キョン「気のせいだろ」 キョン「じゃなきゃハルヒがよっぽどいきんでるか」 阪中「それはさすがにデリカシーがなさすぎだよ、キョンくん……」 531 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/25(木) 01:19:28.08 ID:jqsiZBOUO 阪中「あ、お母さんがもどってきた」 阪中母「ふう」 キョン「ハルヒの奴はどうですか?」 阪中母「ちょっと食べ過ぎたみたいですね」 阪中母「具合が悪いようだから、お薬をもっていってあげるわ」 キョン「はあ、ご迷惑をおかけします」 キョン「しかしあの馬鹿は本当に大丈夫なのか……?」 阪中「あたしも心配なのね、ちょっと様子を見てこようかな」 阪中母「こなくてよろしい!!」 阪中「ビクッ」 533 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/25(木) 01:24:16.45 ID:jqsiZBOUO 阪中母「うふふ……いいんですよ。私がちゃあんと涼宮さんを介抱しますから」 阪中母「あとはお若い二人で、ね」 阪中母「愛を育むなり語らうなりしてちょうだい」 阪中「お母さん!」 阪中母「キョンくんも、うちの子をくれぐれもよろしくね?」 キョン「あ、あの……」 阪中母「 ね ? 」 キョン「は、はい」 阪中母「ふふ、じゃあ私は退散退散」 阪中母「ぜったいに、来ちゃだめですからね」 阪中母「ぜったいに」 キョン&阪中「……」 537 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/25(木) 01:30:22.03 ID:jqsiZBOUO キョン「すまんな、せっかく誘ってもらったのにこんなことになって……」 阪中「ううん、キョンくんのせいじゃないのね」 阪中「それに、涼宮さんがいるとにぎやかで楽しいから、かえって嬉しかったくらい」 キョン「阪中……」ジーン 阪中「それよりこっちこそ、お母さんがうるさくてごめんなさい」 阪中「あんまりうちにお客さんが来ることってないから、よっぽど嬉しいみたいで」 キョン「そんなことないさ、いいおふくろさんじゃないか」 キョン「飯もうまかったしな」 阪中「そう?よかった」 539 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/25(木) 01:34:08.87 ID:jqsiZBOUO キョン「うらやましいぞ」 キョン「うちのおふくろなんて飯はやっつけだし、怒ってばっかだし」 キョン「妹はうるさいしな」 阪中「あ、キョンくん、妹いたんだ」 キョン「ああ、言ってなかったか?」 阪中「うん」 キョン「まあとにかく、さ。今日は楽しかったぞ」 キョン「ありがとな」 阪中「キョンくん……」 544 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/25(木) 01:38:31.16 ID:jqsiZBOUO 阪中「じゃ、じゃあね、もしよかったら……その」 阪中「今回だけじゃなくて、また来てくれたら嬉しいかな……なんて……あはは」 阪中「……」 キョン「いいのか?」 阪中「もっ、もちろん!」 阪中「キョンくんが来たければ、の話だけど」 キョン「できることなら毎日お邪魔したいくらいだ」 阪中「もう、言い過ぎだよ……」 547 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/25(木) 01:43:43.07 ID:jqsiZBOUO キョン「おお、そうだ」 キョン「ぜひ今日のお礼をしたいんだが……」 阪中「ええっ!いいよ、お礼なんて」 阪中「そもそも今日のがこないだのお礼みたいなものなんだし」 キョン「いや、というか俺がしたいんだ」 キョン「な、頼む」 阪中「……そこまで言うなら断る理由はないけど」 キョン「よし。じゃあ、今度映画でも見に行こうぜ、奢るからさ」 阪中「えいが?」 キョン「ああ」 阪中「え、それってもしかして……デ、デ」 553 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/25(木) 01:46:51.28 ID:jqsiZBOUO 阪中「デ……デ」 ガラガラ、ドスン ハルヒ「うぷ……ひ、酷い目にあった、わ」 阪中母「ちょっと涼宮さん!まだ動いちゃだめだって……!」 キョン「(ちっ、戻ってきやがった)」 阪中「デ……デデデ」 ハルヒ「え?デデデ大王がどうしたの?」 阪中「デデデ大王……」 557 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/25(木) 01:50:51.95 ID:jqsiZBOUO ・・・・・・ キョン「さてと」 キョン「どうやらハルヒの具合も芳しくないみたいだし、そろそろおいとまするか」 ハルヒ「そうね……」 阪中「じゃ、じゃあ、キョンくん」 阪中「例の件、あとでまたメールするのね」 キョン「ああ、待ってる」 ハルヒ「ちょっと、例の件ってなによ」 キョン「デデデ大王だ」 ハルヒ「?」 阪中母「うふふ」 560 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/25(木) 01:57:50.81 ID:jqsiZBOUO 阪中「じゃあね」 阪中母「また来るのよ、キョンくん」 ルソー「わん!」 その後、阪中とおふくろさんにお礼を言って、俺たちは帰途についた 俺のとなりをとぼとぼついてきている馬鹿はよっぽど体調が悪いらしく、さっきから顔色を信号機のようにころころと変えている 病院に行くかと訊いたが、「あたしは平気だ」の一点張りなので、まあ大丈夫だろう、たぶん むしろ、ここ最近傍若無人っぷりに輪をかけた蛮行をはたらいていたハルヒにとっては、ちょうどいい薬だと思った ハルヒ「うう……なんかとっても恐ろしいことがあった気がするんだけど」 ハルヒ「思い出せない」 キョン「とうとう頭までイカレた……ってそれは元々か」 ゴスッ キョン「いてえ!」 ハルヒ「……」 563 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/25(木) 02:03:18.25 ID:jqsiZBOUO キョン「なあ、ハルヒよ」 ハルヒ「あによ」 キョン「ひとつ質問がある。正直に答えてくれ」 ハルヒ「質問内容によるわね」 キョン「御託はいいからちゃんと答えろよ?じゃなきゃもう二度と誘ってやらんからな」 ハルヒ「ぐっ……」 ハルヒ「い、いいわよ。存分に訊きなさい」 567 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/25(木) 02:06:41.83 ID:jqsiZBOUO キョン「お前、なんであんなに阪中の家に行きたかったんだ」 ハルヒ「!」 キョン「あそこまでしておいて黙秘は許されないぜ」 ハルヒ「あんたねえ……」 ハルヒ「察しなさいよ、このばか!」 バシッ キョン「殴るなって……」 キョン「なんなんだよ、さっぱりわかんねえ」 ハルヒ「ふん!」 569 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/25(木) 02:10:37.29 ID:jqsiZBOUO ハルヒ「あんた、阪中のこと好きなんでしょ」 キョン「はあ?」 キョン「なにを突然」 ハルヒ「隠さなくてもいいわよ、もうバレバレだから」 キョン「……」 キョン「好きもなにも……友達だろ」 ハルヒ「嘘おっしゃい!」 ハルヒ「大事なSOS団の活動をほっぽりだして、阪中阪中阪中阪中……」 ハルヒ「あんたは阪中村の住人か!」 キョン「なんだよそれ」 573 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/25(木) 02:21:26.26 ID:jqsiZBOUO ハルヒ「知ってるんだからね」 ハルヒ「あの日、阪中とビラ配りした日以来、あんたが休み時間のたびにどっかへ出かけてること」 ハルヒ「どうせ阪中と逢引でもしてたんでしょ!」 キョン「いや、それは……」 ハルヒ「うちは原則として恋愛禁止なの。SOS団の崇高なる目的の前では、恋愛なんて些末事よ」 キョン「……ずいぶん大きくでたな」 ハルヒ「ねえ、そんなに阪中が大事なの?」 ハルヒ「SOS団が嫌ならやめちゃえばいいじゃない!」 ハルヒ「あんたみたいな奴でもうちには必要だったのに……」 ハルヒ「もう最悪!」 キョン「……」 576 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/25(木) 02:24:21.28 ID:jqsiZBOUO キョン「……わかった」 キョン「わかったから、ちょっと落ち着け」 ハルヒ「これが落ち着いていられるかってのよ!」 キョン「いいから」 キョン「とにかくお前はなにからなにまで先走りすぎの誤解しすぎだ」 ハルヒ「……」 キョン「まず、俺が休み時間に会ってたのは阪中じゃない」 キョン「古泉だ」 580 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/25(木) 02:29:13.55 ID:jqsiZBOUO ハルヒ「古泉……君?」 キョン「ああ」 ハルヒ「なん……で?」 キョン「あいつが何やら将棋の大会に出たいらしくてな」 キョン「練習のため、ずっと対局の相手をしてたんだ」 キョン「(まあ本当は閉鎖空間についての定時報告だったんだが)」 ハルヒ「……怪しい」 キョン「本当だぞ?」 581 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/25(木) 02:33:18.22 ID:jqsiZBOUO キョン「次に阪中のこと」 キョン「正直に言えば、確かに俺は阪中を気にしてる」 ハルヒ「ほら見なさい」 キョン「でもな、あくまで興味の段階なんだよ」 キョン「仲良くなりたい、ただそれだけだ」 キョン「恋愛的感情は皆無だ。誓ってもいい」 ハルヒ「嘘つけ」 キョン「すまん嘘ついた」 585 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/25(木) 02:38:08.77 ID:jqsiZBOUO ハルヒ「死ね!このばかキョン!」 キョン「でもな」 キョン「俺はSOS団をやめるつもりはないぞ」 ハルヒ「え……?」 キョン「そもそも誰がやめると言ったんだ」 キョン「なんで阪中の話からSOS団の話になるんだよ」 588 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/25(木) 02:41:40.69 ID:jqsiZBOUO キョン「俺はな……」 ハルヒ「もういいわよ」 キョン「は?」 ハルヒ「もういいって言ってんの」 ハルヒ「……今日は悪かったわね」 キョン「あ?」 591 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/25(木) 02:44:58.26 ID:jqsiZBOUO ハルヒ「そんなに無理してうちにいなくてもいいじゃない」 ハルヒ「阪中が好きなんでしょ……そっちへ行ったら?」 ハルヒ「今まであんたを縛ってたあたしが悪かったわよ」 ハルヒ「ばかキョン……」 キョン「ハルヒ……」 ハルヒ「……ごめんね」 592 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/25(木) 02:46:58.57 ID:jqsiZBOUO 奇遇だな 俺も二年前の今頃はVIPに入り浸ってたが大学には入れたぞ 生活リズム直せなくてセンターで寝てたりしたけど 595 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/25(木) 02:51:30.06 ID:jqsiZBOUO キョン「やれやれ」 キョン「ハルヒがこんなに殊勝な態度をとるとは、明日雨か、それとも槍が降るかな」 ハルヒ「なによ、人がせっかくあんたのためを思って言ってんのに!」 ハルヒ「あたしが謝っちゃいけないっていうの?」 キョン「いいや、別に。ただなぁ……」 ハルヒ「歯切れが悪いわね、言いたいことがあるなら言いなさいよ」 ハルヒ「本当はあんたの愚痴なんて聞きたくもないけど、溜め込むのは身体によくないわ」 キョン「そうか……」 キョン「なら言わせてもらうがな」 598 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/25(木) 02:58:01.82 ID:jqsiZBOUO キョン「お前はばかだな」 ハルヒ「なっ……言うに事欠いて……!」 キョン「いいから聞け」 キョン「なあ、これまで色々あったけどさ、俺はお前に謝って欲しくなんかないんだぜ」 ハルヒ「え?」 キョン「たしかに今回のお前には少々、いや、だいぶ腹が立った」 キョン「しかしそれはまた別の問題だ。もちろんあとでしっかり謝罪してもらうが」 ハルヒ「……」 601 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/25(木) 03:02:36.88 ID:jqsiZBOUO キョン「俺が言いたいのはつまり」 キョン「なんつーか、ああ、こっぱずかしい」 キョン「なあハルヒ」 ハルヒ「うん」 キョン「俺はな、誰かに頼まれたとか、お前が怖いからとか、そんなちゃちな理由でSOS団に付き合ってるわけじゃないんだぜ?」 ハルヒ「え……」 キョン「いや、最初はそうだったかもしれんが、少なくとも今はちがう」 キョン「SOS団、不思議探索、長門、朝比奈さん、古泉」 キョン「あと、まあ、お前」 ハルヒ「あたし……」 キョン「楽しいんだよ」 602 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/25(木) 03:06:49.21 ID:jqsiZBOUO キョン「お前らとSOS団で騒げるのが楽しいんだ」 ハルヒ「そう……なの?」 キョン「ああ、だから」 キョン「俺はキョンって名前と、SOS団雑用の座を手放すつもりは毛頭ないからな」 キョン「頼まれたってやめてやるもんか」 キョン「それは俺に友達ができようが女ができようが、変わらない」 ハルヒ「キョン……」 キョン「そういうこった」 606 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/25(木) 03:11:12.98 ID:jqsiZBOUO キョン「お前は団長なんだから、安心してデカいツラしてろ」 キョン「俺はお前についてってやるよ」 ハルヒ「……」 ハルヒ「……じゃない」 キョン「ん?」 ハルヒ「そんなの当たり前じゃない、ばっかじゃないの!?」 ハルヒ「あんたはあたしの元で一生こき使われる運命なの!」 キョン「おい」 ハルヒ「こんなアホに同情したあたしが情けないわ!」 キョン「おいおい」 607 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/25(木) 03:14:32.00 ID:jqsiZBOUO ハルヒ「なんか文句ある?」 ハルヒ「あんた今自分で、その口で言ったわよね」 ハルヒ「『あたしに服従する』って」 キョン「いや、そこまでは言ってないぞ」 ハルヒ「いいえ、同じことよ」 ハルヒ「もちろん恋愛も禁止だからね!」 キョン「……」 キョン「(やっぱりやめようかな……)」 611 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/25(木) 03:25:14.07 ID:jqsiZBOUO ハルヒ「ま、まあ」 ハルヒ「たしかに阪中はいい奴だったわね」 キョン「そうだな……」 ハルヒ「あんたも、もし彼女にするならああいう女にしておきなさい」 キョン「え?それって……」 ハルヒ「勘違いしないでよね!もちろん付き合うのは許可しないわ」 ハルヒ「でも……あ、遊ぶくらいなら許してあげないこともない……かも」 ハルヒ「そのかわりSOS団をやめちゃだめなんだからね」 キョン「いいのか?」 ハルヒ「それと、阪中と遊ぶときには必ずあたしも連れていくこと!」 キョン「……」 615 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/25(木) 03:29:41.06 ID:jqsiZBOUO キョン「だめだろそれ……」 ハルヒ「うるさいわね。阪中と二人きりにしたらあんたが何するかわかんないでしょ?」 ハルヒ「これは阪中のためでもあるのよ」 キョン「なあ……」 キョン「要するに、お前は仲間はずれにされたくないんだな?」 ハルヒ「なっ、そんなわけないじゃない!」 キョン「それならそうと言えばいいのに」 ハルヒ「違うって言ってんでしょ!」 620 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/25(木) 03:41:34.88 ID:jqsiZBOUO ハルヒが可哀想すぎて書けないんだ 624 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/25(木) 03:44:39.31 ID:jqsiZBOUO キョン「じゃあ、俺ん家こっちだから」 ハルヒ「あ……」 キョン「なんだよ」 ハルヒ「ううん、なんでもない!」 ハルヒ「それより明日も部活あるんだからね、遅刻したら死刑だから!」 キョン「ああ、わかってるさ」 628 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/25(木) 03:51:32.41 ID:jqsiZBOUO 古泉「さて、なんとか乗り切ったみたいですね」 キョン「古泉か、来ると思ってたぜ」 古泉「それはどうも、しかし」 古泉「あなたも酷な選択をしましたね」 キョン「なんの話だ」 古泉「涼宮さんの事です」 古泉「彼女は今日、事実上の失恋をしたと言えるでしょう。精神もボロボロだ」 古泉「しかし現在閉鎖空間は増加していない。いつもより少ないくらいです」 古泉「これがどういう事かおわかりでしょうか」 キョン「すまんが一から十まですべてわからん」 634 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/25(木) 04:03:36.38 ID:jqsiZBOUO 古泉「いずれにせよ、これでひとつの転機が完了したということです」 キョン「それがいいのか悪いのかもわからん」 古泉「あなたは涼宮さんの事を好きですか?」 キョン「嫌いではないな」 古泉「好きですか?」 キョン「む」 キョン「……好きだ、たぶん」 古泉「阪中さんのことは?」 キョン「好きだ」 古泉「では、それでいいじゃありませんか」 古泉「涼宮さんは、あなたと遊びたいだけなんですよ」 642 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/25(木) 04:22:24.49 ID:jqsiZBOUO 後日 ハルヒ「キョンって本当に鈍感でさー」 阪中「わかる、わかるのね」 阪中「あたしがいくら思わせぶりな態度とっても全然反応してくれないし……」 ハルヒ「阪中さんも困ってるの?」 ハルヒ「ったくあの朴念仁、わざとやってるんじゃないかしら……」 ハルヒ「こっちは気が気じゃないわよ」 阪中「ねー」 ハルヒ「男ってみんなばかばっかりよ」 阪中「あはは、ばかばっかりだ〜」 ハルヒ「女同士の方が楽よね、こーんなこともできちゃうし!」 ふにふに 阪中「わきゃああっ!涼宮さん、やめて、やめてぇ〜」 こんな感じ 648 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/25(木) 04:35:31.82 ID:jqsiZBOUO キョン「おい古泉、ありゃあ一体どういうことだ」 古泉「仲むつまじくていいじゃないですか」 キョン「最近あの二人がやたらと仲がよくてな、俺が置いてけぼり気味なんだが」 古泉「フフ、案外、それが狙いだったのかも知れませんよ」 古泉「ルソー氏の一件以来、あのお二人は互いを意識しつつも接近できずにいた」 古泉「涼宮さんはもしかしたら、阪中さんと友達になりたかったのかもしれませんね」 古泉「その願望が、涼宮さんの力を媒介として顕現したのでしょうか」 キョン「なんだそりゃ、結局俺は阪中と付き合えないのか?一人相撲だったのか?」 古泉「それはあなたのこれからの努力次第、ですよ」 キョン「やれやれ」 ルソー「おしまいだわん」 651 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/25(木) 04:38:32.62 ID:jqsiZBOUO ここまで付き合ってくれて感謝 つぎからはちゃんとプロット立ててから書くわい 阪中とハルヒは俺の嫁です! 650 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/12/25(木) 04:37:26.64 ID:AFEjJobE0 阪中母×キョンはいつになったら読めますかね 656 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/25(木) 04:46:23.11 ID:jqsiZBOUO >>650 キョン「あれ、阪中はいないんですか?」 阪中母「今夕食の買い物に行ってるから、もうすぐ帰ってくると思いますよ」 キョン「そうですか、もう少し遅めにくればよかったかな……」 阪中母「たまには娘だけじゃなくて、私の相手もしてくれませんか?」 阪中母「最近主人が仕事にかかりっきりで、退屈なんです」 キョン「は、はあ……」 阪中母「キョンくん、クッキー食べますか?」 キョン「あ、いただきます」 キョン「うん、うまい」 阪中母「うふふ」 阪中母「キョンくん、うちの息子になってくれたらいいのに」 キョン「//////」 エロくなくてごぬんね 661 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/25(木) 05:04:30.70 ID:jqsiZBOUO 阪中「キョンくん、クリスマスだよ!」 キョン「ケーキ買ってきたぞ」 阪中「わあ、とってもおっきいのね」 キョン「まあ今日くらいは贅沢しないとな」 キョン「阪中と付き合って初めてのクリスマスだし、さ」 阪中「キョンくん……////」 阪中「じゃあ、切り分・a 662 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/25(木) 05:05:54.52 ID:jqsiZBOUO バグった 阪中「キョンくん、クリスマスだよ!」 キョン「ケーキ買ってきたぞ」 阪中「わあ、とってもおっきいのね」 キョン「まあ今日くらいは贅沢しないとな」 キョン「阪中と付き合って初めてのクリスマスだし、さ」 阪中「キョンくん……////」 阪中「じゃあ、切り分けるね」 キョン「ああ」 阪中「キョンくんがおっきい方で、あたしはちっちゃい方……」 ハルヒ「あ、あたしサンタのとこ食べたいな」 キョン&阪中「……」 665 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/25(木) 05:08:38.05 ID:jqsiZBOUO むしろハルヒも阪中も可愛くて仕方ない ハル阪が至高 669 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/25(木) 05:14:52.56 ID:jqsiZBOUO ハルヒ「阪中さんって案外グラマーよね」 阪中「そんなことないよ……」 ハルヒ「ちょっと触らせなさいよ、ほらほら」 阪中「あっ、またっ……はわわわ」 ふにふに ハルヒ「ええのんか、ここがええのんか」 阪中「あっ、やぁん」 むにむに キョン「……おい」 キョン「頼むから、俺の視界に入らない所でやってくれ。気になって仕方ない……」 ハルヒ「あら、いいのよ。見せつけるためにやってるんだもん」 ハルヒ&阪中「ね〜」 ハルヒ「おらおらおらおらぁ〜!」 阪中「ひゃわわわわわわわ」 671 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/12/25(木) 05:20:06.86 ID:jqsiZBOUO 阪中「あっ、あぁん!」 ハルヒ「……」 ハルヒ「今ちょっと本気だったわよね?」 阪中「……/////」 ハルヒ「あたしのテクもまだまだ捨てたもんじゃないわね」 阪中「はぁはぁ……も……だめ……」 ハルヒ「ふふ、かわいい阪中さん」 阪中「涼宮さぁん……」 キョン「ちょっと便所行ってくるわ」