長門「あの世で私に詫びつづけろ…」 1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 21:13:53.53 ID:t31FMC3DO ハルヒ「LIVEALIVEやるわよ!」 キョン「なんだ、またライブか?」 ハルヒ「違うわよ!ゲームよゲーム!」 キョン「ゲーム?」 2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 21:16:41.72 ID:t31FMC3DO キョン「ゲームって。これのことか?」 ハルヒ「そうよ!ライブアライブで検索したら出てきたのよ。それで面白そうだったから買ってきてやってるの」 キョン「スーファミごとか?で、面白いのか、それ」 ハルヒ「まあまあってとこね。私ならもっと面白くできるわ」 キョン「ああ、そうかい…」 ハルヒ「ま、つまらないわけじゃなかったから。あんたも参考にやってみなさいよ」 キョン「参考にって…何の参考だ?」 ハルヒ「決まってるでしょ!私たちでゲームを作るのよ!」 これが始まりだったに違いない。大体嫌な予感がしていたんだ。 つまり俺たちは、ゲームを作るという次元を遥かに越えた経験をしてしまったのだ… 3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 21:18:37.01 ID:t31FMC3DO キョン「…っ、あれ?ここは…?」 キョン(白い天井、白い壁。なんだか無機質な感じだ) キョン(俺の部屋じゃないし、勿論学校でもない。ここはどこなんだ?) 長門「…動ける?」 キョン「!!」 キョン「な、長門…いたのか」 長門「ずっと」 長門「手足は動かせる?起き上がることは?」 キョン「あぁ、たぶん…よっと」 4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 21:20:01.59 ID:t31FMC3DO キョン(なんだか少し違和感があるな…動きがぎこちない。体がきしきし言う気がするが…なれないところで寝ていたからか) キョン(目が覚めたらいきなり見覚えのないところにいる…か。またハルヒの仕業なのか?) キョン「ここはどこだ?」 長門「ここは、宇宙。私たちは異種生命体を地球に輸送している途中の宇宙船ゴギトエルゴズム号にいる」 6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 21:23:24.82 ID:t31FMC3DO キョン「…は?」 長門「ここは宇宙船、ゴギトエルゴズム号の一室。私の私室として与えられた、個人用モジュール。あなたはそこで私の科学力で生み出されたアンドロイド。」 キョン「ちょ、ちょっとまて長門!なんだって?ここが宇宙?俺が?」 長門「ここはゲーム、LIVEALIVEのなかのシナリオの一つ、SF編と呼ばれる物語の世界。あなたは物語の主人公の役割」 8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 21:25:03.58 ID:t31FMC3DO キョン「ゲームの世界…!?これも、ハルヒの…?」 長門「…そう。涼宮ハルヒはこのゲームを気に入った」 長門「そしてこの物語を軸にもっと彼女にとって面白いゲームを作りたいと望んだ。ゲームの物語や自分で考えた設定を頭の中で作りこみ、具体化していった結果、涼宮ハルヒの脳内で進んでいたシナリオが外へ飛び出し、世界を改変した。今、世界はゲームのように動いている」 9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 21:27:31.38 ID:t31FMC3DO キョン「おいおい…それで、元に戻す方法は?」 長門「ある。このゲームの中のどこかにいる涼宮ハルヒを見つけだし、元いた世界のことを思い出させること。そうすれば、これはただの夢になる」 キョン「はぁ…このゲームのどこかって…ん?さっき長門、ここのことをSF編て呼んだな」 長門「そう。このゲームはいくつかの、時代や舞台の違うシナリオから成り立っている。それぞれのシナリオに関連性はないが、そのすべてをクリアし、最終編と呼ばれる最後のシナリオをクリアするとこのゲームはクリアとなる」 長門「私たちのいるシナリオは全てのシナリオの中で一番未来に位置する。」 10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 21:29:06.47 ID:t31FMC3DO キョン「そんなゲームだったか…ハルヒに言われて少しやってみたが、なんだか戦ってばかりだったような」 長門「それは現代編と呼ばれるシナリオ。このゲームをする上で、一番最初にやってはいけないシナリオ」 キョン「そ、そうか…」 11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 21:30:41.71 ID:t31FMC3DO キョン「シナリオっていうけど、ここをいわゆるクリアすれば他のシナリオに行くことになるのか?ゲームのように…」 長門「そういうことになる。ちなみにこのシナリオには涼宮ハルヒの気配は感じられない。ここを早くクリアして、別のシナリオに行くべき」 12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 21:31:09.56 ID:t31FMC3DO キョン「リセット!とかできないのか?」 長門「それは出来ない。ゲームの世界でも、今は現実」 キョン「ですよね」 14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 21:32:50.56 ID:t31FMC3DO キョン「ハルヒを見つけられなかったらどうなるんだ?そのままクリアしてしまったら…?」 長門「またはじめからやり直すことになる。涼宮ハルヒが納得のいくゲームに作り変え終わるまで」 長門「今はまだ、涼宮ハルヒのオリジナルではなく、元のゲームのように物語は動いている」 長門「私は一度涼宮ハルヒに言われてこのゲームをクリアしている。クリアの方法がわかっているうちに涼宮ハルヒを見つけだしたほうがいい」 18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 21:39:33.88 ID:t31FMC3DO キョン「わかった…とにかく早くハルヒを見つけだすしかないんだな」 長門「そう。あなたはこのシナリオの主人公。ここをクリアできるのはあなたしかいない」 キョン「ああ、じゃあ…なんとかやってみる」 (ハルヒのとんでも能力にも慣れてきたが、まさかゲームの世界を堪能することになるとは…どうせならギャルゲーにしてほしかった、などとは考えてないぞ、断じて) 20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 21:41:37.32 ID:t31FMC3DO (俺がまあまあ落ち着いていられるのは長門がいるからだ。クリア方法も長門ならわかるだろう…) (すべてを長門頼りにしてしまうのは気が引けるが、しかしこの状況では長門だけが頼りなのは事実。いてくれて本当に助かったな) キョン「それで、俺はどうすればいい?」 長門「船員登録をする。先ほどいったようにあなたはたった今私により作り出されたアンドロイドということになっている」 長門「今のままでは、船内を自由に歩き回れない。登録のため端末室まで移動する。ついてきて」 21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 21:43:03.08 ID:t31FMC3DO − スペース・ドッグ TSQ−05 − 出航記録_ 船名  .. コギトエルゴスム 船種  .. 輸送船 目的地  .. 地球 貨物  ..異種・生命体 乗組員  .. 5 乗客  .. 1 軍部所属( 貨物・責任者_ − 詳細 − 搭載貨物 .. 異種・生命体 特徴 .. 大型 四足歩行 能力 .. 不明 生態系 .. 不明_ 22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 21:44:14.30 ID:t31FMC3DO 本生命体に関する 地球からの対応_ 精密な 調査の 対象に 値する いかなる手段を もちいても ただちに 本部へ 護送すべし_  S F 編 『 機 心 』 23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 21:45:40.62 ID:t31FMC3DO /// テストも間違えたことになるな…恥ずかしい! 24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 21:47:26.68 ID:t31FMC3DO 端末室 「オハヨウゴザイマス ナガトサン 」 長門「新しくアンドロイドを作ったので船員登録をする」 「リョウカイ シマシタ ナマエヲ ニュウリョク シテクダサイ」 長門「キョン」 キョン「」 ぴぴぴ… 「トウロク カンリョウ」 25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 21:48:55.23 ID:t31FMC3DO 「キョンサン ハジメマシテ ワタシハ コノフネノ メインコンピュータ デス」 「アナタノ コトハ ヨク シッテイマス  ワタシハ アナタノ セイサクカテイ ヲ ミマモッテ キマシタ」 「アナタハ ナガトサン ガ ハジメテ カンセイサセタ アンドロイド デス」 「オナジ キカイドウシ ナカヨク シマショウ」 キョン「お、おう。よろしくな」 キョン「…さすが未来だな…」 27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 21:49:56.99 ID:t31FMC3DO キョン(それにしても俺がアンドロイドで長門が人間か…) 長門「この船のなかにある部屋に入るとき、名前を聞かれることがある。その時に今登録した名前を入力すればいい」 長門「次は、みんなを起こしにいく」 キョン「みんな?」 28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 21:51:59.57 ID:t31FMC3DO コールドスリープ室 キョン「あ、朝比奈さんや、古泉が…みんな寝てるのか?」 長門「全員コールドスリープ、冷凍睡眠状態にある。それを解除して起こすのが最初のあなたの仕事」 キョン「俺がか?気が引けるが…それじゃ、失礼して」 29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 21:53:30.23 ID:t31FMC3DO (ああ、朝比奈さん…あなたはどんなときでも麗しい。そう、寝ているときでさえ…) コールドスリープカプセル 朝比奈みくる 通信士 コールドスリープ解除 みくる「ふわぁ…あ…長門さん、おはようございまふぅ…きゃっ」 みくる「…ど、どなたですかぁ…?」 コールドスリープカプセル 古泉一樹 船長補佐 貨物管理 コールドスリープ解除 古泉「…ふぅ。おはようございます、長門さん。おや…?」 古泉「長門さん、もしかして彼は…?」 コールドスリープカプセル 谷口 パイロット コールドスリープ解除 谷口「…うぃーっす。ふぅ。コールドスリープってのは何回やっても慣れないもんだな…ん?」 谷口「誰だ?お前」 30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 21:54:15.93 ID:t31FMC3DO コールドスリープカプセル ゲスト用カプセル コールドスリープ解除 朝倉「ん…?きゃっ…」 朝倉「アンドロイド…?」 キョン「なあ、長門…みんな、様子が変じゃないか?」 長門「恐らく、元の世界の記憶を持っているのはこのシナリオでは私とあなたのみ。他は最初からこの世界にいたという仮の記憶を持っている」 31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 21:56:06.67 ID:t31FMC3DO キョン「じゃあみんな、俺を知らないのか…」 古泉「長門さん、ついに完成したんですね」 谷口「あ、そうか。ロボットだっけか?本当に完成させやがったのか!しかし人間みたいだな、本当に」 みくる「あ、そ、そうかぁ…長門さん頑張ってましたもんね。あの、はじめまして…ロボットさん?」 長門「ロボットではない。彼はアンドロイド。名前はキョン」 32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 21:57:54.87 ID:t31FMC3DO 谷口「キョン?変な名前だな。まあいいや、よろしく!俺は谷口。taniguchiだ」 みくる「朝比奈みくるです。よろしくね、キョンくん」 古泉「よろしく、キョンくん。古泉一樹といいます」 朝倉「…」 古泉「あ…」 古泉「この方は朝倉涼子伍長。軍の方で、ある荷物を監視するために一緒に乗船してくれてます」 33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 22:00:06.90 ID:t31FMC3DO 朝倉「……ふん」 朝倉「私、先にいってるわね?少し気分が悪いの」 キョン「はあ、よろしく…」 キョン(なんだか変な気分だな。谷口や朝倉さんまでいるなんて…) みくる「それじゃ、私たちも行きましょう?」 谷口「そうですね、行きましょう」 35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 22:06:43.23 ID:t31FMC3DO 古泉「リフレッシュルームです。起きたらまずそこで会議することになっているんですよ」 古泉「長門さん、彼は船員登録しました?」 長門「してある」 古泉「ふふ、あなたなら真っ先にそれをすると思いましたよ。本当に人間みたいに扱っていますし」 古泉「それじゃあ、行きましょう、リフレッシュルームへ。船長にキョンくんのことを紹介しなければならないですしね」 37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 22:08:54.46 ID:t31FMC3DO リフレッシュルーム キョン(ん?谷口が何かやってるな) 谷口「おっキョン。興味あるか?ゲームだよ。この部屋はこれがあるから好きなんだよな」 みくる「谷口くんはこういうの得意なんです」 キョン「へー…」 キョン(あ、朝比奈さん、谷口にくっつきすぎじゃないか?それ谷口だぞ?) 古泉「キョンくん、こっちに来て本でも読みません?」 38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 22:10:41.49 ID:t31FMC3DO キョン「『宇宙時代の夜明け』?」 古泉「昔の本ですよ」 古泉「僕はその頃の冒険心に満ちた人々の話が好きなんです」 谷口「おまえ自身がチキン!臆病者だからなっ」 みくる「…谷口くん」 古泉「…あなたは、色んなことに興味をもったほうがいいでしょう。まだ生まれたばかりなんだから」 39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 22:12:23.22 ID:t31FMC3DO 古泉「彼に特技などはありますか?長門さん」 長門「特にないが、彼には学習機能がある。これから覚えさせていける」 キョン(…学習機能って…確かにあるが、しかしそういわれると妙なもんだな) キョン(俺はここでは人間じゃない。なかなか実感できないが、自覚しなければならない…のか) 40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 22:13:46.33 ID:t31FMC3DO 長門「こっちへ来て」 長門「会議が始まる前にコーヒーを入れてほしい」 キョン「お…俺がか」 長門「あなたには覚えてもらいたいものがたくさんある。これもその一つ」 キョン「クリアに必要なのか?そうか…じゃあ、入れるよ」 41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 22:15:24.95 ID:t31FMC3DO コポコポポ キョン「ほい、長門」 長門「私だけではなく、みんなの分も」 キョン「はいはい…」 キョン(メイドロボか。なんだか朝比奈さんみたいな役割だな) キョン(でも今は朝比奈さんは谷口のそばで奴がゲームやっているのを見てる。俺が知っている彼女とは違う感じだ。朝比奈さん(大)のような雰囲気だな) 42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 22:16:40.57 ID:t31FMC3DO キョン「ほらよ、古泉」 古泉「ああ、ありがとうございます。」 古泉「…苦い」 キョン「そうか?すまなかったな」 谷口「はは、古泉は甘ちゃんだから、甘いのが好きなんだろ」 みくる「谷口くん…」 谷口「俺にもいれてくれよ、キョン」 43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 22:18:09.37 ID:t31FMC3DO キョン(谷口にもやらなきゃいけないのか…) キョン(いやいや、朝比奈さんのついでだ…) キョン「はい、どうぞ朝比奈さん。それと、谷口」 谷口「ありがとよ。…ふぅ。俺はこのくらいが好きだぜ」 みくる「あ、ありがとうございますぅ」 みくる(ひそひそ…あとで、私の部屋に来てください。コーヒーの淹れ方、教えますよ) キョン(やっぱまずいのか…谷口がうまいっていうくらいだからな) 44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 22:19:03.99 ID:t31FMC3DO キョン(でもやはり朝比奈さんはやさしい。うむ、このあたりは俺の知ってる彼女だ) キョン(さて、最後は…) 朝倉「…」 キョン「朝倉さん、どうぞ」 45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 22:20:29.88 ID:t31FMC3DO 朝倉「…」 キョン「朝倉サン?あの、」 朝倉「私に触らないで!」 キョン「…!」 古泉「!」 みくる「キョンくん…!」 46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 22:22:36.45 ID:t31FMC3DO 谷口「おい、大丈夫か?」 朝倉「あは、思ったより吹っ飛んだわね。でもあなたが悪いのよ?」 朝倉「私ね、アンドロイドって嫌いなの。だからこれから二度と触らないでくれる?今度は吹っ飛ばすだけじゃすまさないから…ね?」 47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 22:24:09.14 ID:t31FMC3DO キョン「……ぅ…(痛く…ない?)」 キョン(アンドロイド…だからか) 古泉「大丈夫ですか?」 キョン「ああ…」 船長『なんだ、騒がしいな』 谷口「船長!」 48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 22:25:55.46 ID:t31FMC3DO キョン(え?どこにいるんだ?) キョン(あのでかいモニターに写ってる奴…あいつが船長か!) キョン(どっかで見たことあるな。あのひと…) 船長『遅くなってすまない。急ぎで地球に送る資料があってね。調子はどうだ?特に異常はないかな?』 長門「特にない」 船長『そうか…』 51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 22:27:44.89 ID:t31FMC3DO 船長『ん?そこの彼は?』 キョン(思い出した!ハルヒが映画つくるときにスポンサーになってくれた電気屋さんだ!) 古泉「彼はキョンくん。長門さんが造ったアンドロイドです」 船長『そうか。完成したのか。さすがによくできてるな』 船長『あとで見せてもらおうかな。では、簡単ですまないが、以上だ』 ブツン 52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 22:29:05.40 ID:t31FMC3DO 谷口「やれやれだな。会議はゲームやって終わりかよ。まぁいいや。朝比奈さん、行きましょう」 みくる「あ、はいっ。じゃ、キョンくんまたね」 古泉「長門さん、例の物を見せますよ。貨物ブロックへ来ませんか?」 長門「その前にメインコンピュータをチェックする必要がある。そのあと向かう」 古泉「キョンくんも来てくださいね。今回の僕達の仕事…この貨物宇宙船の積み荷、です。倉庫は一階、コンピュータは三階にありますよ。是非」 朝倉「…」 53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 22:29:54.74 ID:t31FMC3DO キョン「…みんな行ったな」 キョン「さてと…どうするかな」 キョン「とりあえず部屋から出てみよう」 55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 22:31:03.81 ID:t31FMC3DO 廊下 キョン「部屋にいるとわからないが、廊下はさすが宇宙船と言った感じだな」 キョン(そういえば宇宙船のわりにはなんというか地に足が着いてる…重力が安定しているけど) キョン(重力制御装置が働いてるとか、そんなのかな?SF小説でそんなの読んだな) キョン「ん…この部屋は」 58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 22:41:41.25 ID:t31FMC3DO セイカツヨウ モジュール シヨウシャ アサヒナ ミクル アナタハ ミクルサン カラ ニュウシツキョカ ガ デテイマス カクニン ノ タメ ナマエ ヲ ニュウリョク シテクダサイ キョン「はいはい…」 カクニン シマシタ ニュウシツ デキマス 61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 22:43:54.65 ID:t31FMC3DO キョン「…とは言ったものの入っていいものか…確かに来てとは言われたけれど」 谷口「WAWAWA忘れも〜のぅあっ!?」 谷口「なんだ、キョンか。朝比奈さんに何か用か?」 キョン(…谷口が…朝比奈さんの部屋から出てきた…だと…) 62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 22:45:15.41 ID:t31FMC3DO キョン「用というか…コーヒーの淹れ方を教えてくれると」 谷口「ああ!朝比奈さんの淹れるコーヒーは美味いからな!存分に教われよ」 キョン「…」 谷口「しかし本当に人間みたいだなー。…前にどっかであったことあるか?なんてな」 谷口「ま、朝比奈さんなら中にいるぜ。でもいいか、ロボット三原則に触れるようなことはするなよ!だいぶ古いやつだけどな、あれも。じゃあな」 キョン(朝比奈さん…) 63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 22:45:52.27 ID:t31FMC3DO 朝比奈みくるの部屋 みくる「……………きゃっ。あ、き、キョンくん。」 みくる「そういえば、来てって言いましたね。でもどうしましょう…私、今からコクピットに行かなきゃならないんです」 キョン(かすかに上気した頬。朝比奈さんと谷口は、やはり…?) みくる「何見てるの?あ…これ、ですか?」 66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 22:49:04.55 ID:t31FMC3DO キョン(いや、それじゃない。俺は朝比奈さんを見ていたのであって、朝比奈さんの持っているのを見ていたわけではない) キョン(でも、確かに気になる。朝比奈さんの持っているのは携帯電話に似ているが…壁に埋め込んでいるパネルもデザインがそれに似ている) みくる「通信ユニットです。何かあったときにすぐ連絡できるように。これは船内用で、持ち歩けます」 みくる「壁にあるのもこれとほぼ同じ機能ですが、船外にも…地球とも送受信できるんです。日記も書けちゃいます」 みくる「今、履歴の整理してて……色々……」 67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 22:52:38.73 ID:t31FMC3DO みくる「……」 みくる「……私………」 キョン「……?」 みくる「………なんでもないです。ふふ…私ったら、アンドロイドに…」 みくる「キョンくんは本当に人間みたいですね。何だか懐かしい気もします。あなたに似た人に、もしかしたら会っているのかも」 キョン「……」 68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 22:55:28.17 ID:t31FMC3DO みくる「ごめんなさい!変なこといって。キョンくんは生まれたばかりなのに…」 みくる「あ、いけない。本当にすぐ行かなきゃ!こう見えても通信士なんです、私」 みくる「人間って、変なとこあるって、学習しちゃったかな?それじゃ…コーヒーは、またあとで教えますね」 キョン「………」 キョン(懐かしい…か) 70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 22:56:50.83 ID:t31FMC3DO 三階 メインコンピュータ キョン「長門」 長門「大体のチェックは終了している」 キョン「そうか。これがこの船のメインコンピュータか?」 「コンニチハ キョンサン マタ アイマシタネ」 「ワタシハ コノフネヲ カンリ スル コンピュータ OD―10 デス」 71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 23:00:23.69 ID:t31FMC3DO 長門「彼はこの船全体を管理している。人間が冷凍睡眠に入ってる間も運航できるのは彼のおかげ」 長門「チェックは終了。倉庫に移動する」 長門「…あなたもくる?」 キョン「ああ、お供するぜ」 キョン「…行かないとクリアできないんだろ?」 72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 23:01:37.07 ID:t31FMC3DO エレベーター内 キョン「なあ、長門…」 長門「何?」 キョン「これって、何をすればクリアなんだ?何だか何もしてないけど」 長門「すぐにわかる」 キョン「すぐに?これから、何かあるのか?」 73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 23:03:11.62 ID:t31FMC3DO 一階 キョン「長門…」 長門「先に行く。そこのエアロックには入らないで」 キョン「………」 キョン(早くクリアしないと、俺が元々人間だってこと、忘れてしまいそうだ) キョン(痛みも感じないし…それに、もし普段の俺だったら朝比奈さんの部屋から出てきた谷口なんてみたら一発ぶん殴ってやろうか、ぐらい思うだろう。 キョン(なのに、驚きはしたがあとは冷静になっていた。ゲームの中だから、と割り切ってるだけ…ではないはずだ。) 75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 23:05:59.65 ID:t31FMC3DO キョン(ゲームをクリアするためには、ゲームのキャラになりきらなきゃいけない…でも、俺は俺だ…人間だ) キョン(長門が、長門のままでいるように…) キョン(…長門が普段とほとんど変わらないように見えるのが本当に救いだな…) 77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 23:09:38.76 ID:t31FMC3DO 貨物室 古泉「…ほら、綺麗でしょう?谷口さんは見たくもないといっていたけど」 古泉「まあ、人間は…自分とかけ離れて違う存在を認められないものですからね」 キョン(倉庫のなかにまた部屋がある。声はそこから聞こえるな) 79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 23:11:29.16 ID:t31FMC3DO ベヒーモスの部屋 長門「谷口はあなたとほぼ正反対」 長門「…朝比奈みくるの行動は理解不能」 古泉「…」 古泉「…あ、キョンくん。来ましたね」 80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 23:13:08.14 ID:t31FMC3DO 古泉「ほら、モニターを見てください。モニターに写ってるのが…この部屋の奥にいる生き物、ベヒーモスですよ」 キョン(…これは…) キョン(獰猛な目付き、するどい爪、牙…恐ろしい生きものだ。でも、あのなめらかな毛皮は) 古泉「きれいでしょう。見ているだけなら…ね。」 古泉「きれいな薔薇にはとげがあるっていいますが、彼はとげじゃすみません。二本の巨大な牙に、引き裂かれます。ひとたまりもありませんよ」 81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 23:15:25.99 ID:t31FMC3DO ピピピ… 古泉「ん?コクピットからだ。なんだろう?」 みくる『すいません、通信システムの様子がおかしいんです。こちらへ来ていただけませんか?』 谷口『早くこいよ!』 古泉「わかりました。すぐ行きます」 82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 23:16:44.69 ID:t31FMC3DO 古泉「長門さん、行きましょう」 長門(コクン) 朝倉「あら…あなたたち」 キョン(!いつのまに入ってきたんだ?) 朝倉「見るのは結構だけれど?一応軍に関係したものだってことは忘れないでほしいわ」 古泉「すみません、伍長」 古泉「そうだ…長門さん、ついでにエレベーター横の通風口の様子も見ておきましょう」 長門「了解した」 83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 23:18:24.74 ID:t31FMC3DO 古泉「では、僕たちはこれで」 キョン「…」 キョン「…はっ」 キョン(置いていかれた…) 朝倉「……」 キョン「……あの」 朝倉「アンドロイドのくせに、一人前に船員登録されてるのね」 キョン「長門が船内を自由に歩きまわれるようにと」 朝倉「ふぅん…」 84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 23:19:28.34 ID:t31FMC3DO 朝倉「でもね、だからってあちこち勝手に触らないでほしいな?」 朝倉「私はね、みんなみたいにあなたを人間みたいに扱わないわよ。あなたを壊すことだって、ためらわないの」 キョン「……」 朝倉「わかったら出ていってもらえると嬉しいんだけど?」 朝倉「コクピットに行けば、あなたをちやほやしてくれる人が集まってるんじゃない?」 86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 23:20:54.22 ID:t31FMC3DO エレベーター キョン(俺は前、朝倉とどういう風に接していたっけな) キョン(…そうだ) キョン(朝倉は…消されたんだった) キョン(長門に……) 91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 23:24:13.72 ID:t31FMC3DO コクピット 古泉「通信システムがおかしいとは?」 みくる「地球からの通信が…受信はできるんですけど、送信ができないんです」 みくる「はっきりした原因はわかりませんが、たぶん、アンテナがおかしいんだと思います」 長門「船長に連絡は?」 みくる「しました。詳しく調べてから、対策を練るとのことです」 96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 23:26:51.72 ID:t31FMC3DO 谷口「完璧にぶっ壊れるまで待つってのはどうだ?」 古泉「いけません。通信は一方通行じゃ意味がない。今もう地球と繋がらなくなっているんです」 谷口「めんどくせぇなー。よし、外に出る。俺が直接いってちょちょいっと調べてきてやるぜ」 長門「あなた一人では危険。私も行く」 古泉「仕方ないですね…ではエアロックへ行きましょう。準備を手伝います。そのあとはコクピットに戻ってサポートをしますよ」 古泉「いいですか…?朝比奈さん」 みくる「………気をつけて」 98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 23:28:12.16 ID:t31FMC3DO キョン(何だか大変なことになったな。俺にできることはない…か) みくる「………」 みくる「…あともう少しで地球だから……」 みくる「古泉くんと二人きりになることはないって思ってたのに……」 キョン「…?」 みくる「…!」 102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 23:32:33.26 ID:t31FMC3DO みくる「キョン、くん。そうだ、あなたがいたんですね…」 みくる「エアロックへ行って、みんなの様子を見てきてくれます?」 みくる「そのあとは、すぐここに戻ってきてください…」 みくる「お願いします」 キョン「わかりました。朝比奈さんの頼みは断れませんよ」 103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 23:34:19.05 ID:t31FMC3DO みくる「……ふふっ。キョンくんったら」 みくる「絶対戻ってきてね」 キョン(朝比奈さん…) みくる「…あ、そうだ」 みくる「船長に連絡しなきゃ」 ピピピっ 船長『………………………なんだ?』 みくる「先ほどのアンテナの件ですが、直接外へ出て調べることになりました」 船長『………………………そうか、わかった』 みくる「?」 みくる「具合でも悪いのかな?」 105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 23:35:47.91 ID:t31FMC3DO エアロック 谷口「いちいち俺に指図するな!」 バン! キョン(…!!) 古泉「…っつ…」 キョン「な、何やってるんだ!」 谷口「キョンか!お前はすっこんでろ!」 106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 23:36:20.41 ID:t31FMC3DO 長門「あなたは興奮して我を失っている。落ち着いたほうがいい」 谷口「黙ってろ!」 古泉「…二人にやつあたりするのはやめてくださいよ」 谷口「指図するなって言っているだろ!」 107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 23:36:48.14 ID:t31FMC3DO 谷口「ったく、軽いジョークをいちいち真に受けやがって。いいか、古泉。耳は掃除してあるか?よく聞けよ」 谷口「朝比奈さんはな…おまえに愛想を尽かしたんだ!それだけは覚えとけよ。忘れんなよ!」 古泉「………」 谷口「フン…おい、キョン。そこの宇宙服とってくれ」 キョン「………」 108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 23:37:21.96 ID:t31FMC3DO 谷口「早く!」 キョン「…あ、ああ」 長門「……」 古泉「…二人とも準備はいいですか?では、扉をあけます…」 ………… 古泉「変なとこ、見せてしまいましたね…」 古泉「……人間っておかしいでしょう?」 キョン「………」 古泉「戻りましょう。コクピットに」 109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 23:37:57.96 ID:t31FMC3DO コクピット みくる「………」 古泉「………」 キョン(……気まずい…) 古泉「…朝比奈さん」 みくる「は…はい」 古泉「こちらは準備OKです」 みくる「わかりました」 ピピピっ 谷口『アンテナまでついたぜ。はじめるぞ』 110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 23:40:26.94 ID:t31FMC3DO みくる「はい。じゃあ長門さん、パスワードをいれてください。それでメンテナンスモードに切り替えます」 長門『了解した』 長門『…?』 みくる「?長門さん、どうしました?」 長門『彼の様子がおかしい』 みくる「谷口くんが?大丈夫ですか?」 谷口『大丈夫ですよ、朝比奈さん。心配しないでください』 111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 23:42:22.22 ID:t31FMC3DO みくる「でも…」 谷口『大丈夫ですって。心配性なんだから…朝比奈さんは…』 古泉「……」 キョン「……」 キョン(古泉…) 谷口『……う…………』 みくる「谷口くん?」 114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 23:45:27.97 ID:t31FMC3DO 谷口『………っぅ……く!』 谷口『ぁ゙……っ……!!!』 長門『!』 みくる「ど、どうしました!?」 みくる「た…谷口くん」 みくる「……返事してください!」 長門『…彼の生命維持装置が故障している』 長門『すぐにもどる。医務室の準備を』 みくる「…!!!!」 115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 23:46:21.12 ID:t31FMC3DO 古泉「なんてことだ」 古泉「朝比奈さん!すぐに医務室の準備を!僕はエアロックへ迎えに行きます!」 みくる「私もエアロックへ行きます!」 古泉「エアロックは僕の持ち場ですよ」 古泉「大丈夫…谷口くんなら心配しなくてもすぐに」 みくる「古泉くん、あなたに何がわかるの!?私は…行きます!」 キョン(谷口…!) 117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 23:48:42.76 ID:t31FMC3DO 医務室 ピッ…ピッ……ピッ……… ピー…………… 朝倉「心臓停止確認…」 古泉「まだ、心臓マッサージすれば…」 ……… 朝倉「…だめね、もぅ…」 長門「……」 みくる「い…いや……」 みくる「いやぁぁぁ…」 みくる「谷口くん…谷口くん…!」 キョン「谷口…!!」 119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 23:50:39.08 ID:t31FMC3DO 朝倉「…船長は?」 朝倉「ねぇ、知らせないといけないんじゃないの?」 長門「…私が行く」 みくる「谷口くん……谷口くん……」 みくる「……これは……谷口くんの……宇宙服…」 122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 23:52:03.99 ID:t31FMC3DO 廊下 キョン「長門…待ってくれ!」 長門「何?」 キョン「谷口は、ほ、本当に死んだのか!?」 長門「あなたも見たとおり」 キョン「そんな…!」 123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 23:53:58.07 ID:t31FMC3DO キョン「…なんでそんなに冷静なんだ、長門…」 長門「…」 キョン「……もとの世界に戻ったら谷口は……生き返っているのか?」 長門「それはわからない」 キョン「!!」 長門「別のシナリオにいけば、あるいは生きているかもしれない。または、涼宮ハルヒにすべてを夢だと認識させれば」 キョン「……………」 キョン「……クリアするにはどうすればいいんだ」 124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 23:55:51.44 ID:t31FMC3DO 長門「私は船長の私室へ行く。あなたは、みんなのそばについていて」 キョン「…わかった」 キョン(クリアするしかないんだ…) 125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/29(土) 23:57:26.29 ID:t31FMC3DO 医務室 キョン「谷口…」 キョン(…顔色が異常だ、唇の色も…まるで精巧にできた蝋人形のようだ) キョン(…まさか死ぬなんて……) キョン(そういえば) キョン(谷口が着ていた宇宙服は?) 朝倉「宇宙服なら、朝比奈みくるさんが持っていったわよ」 128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/30(日) 00:00:35.60 ID:R2O1CBW8O 朝倉「本当は詳しく調べたいところだけど…今はそっとしておいたほうがいいわ」 朝倉「宇宙服の故障なんてね…随分ずぼらな管理ね?船長補佐さん?」 古泉「…」 古泉「チェックは万全だった」 古泉「壊れるなんておかしいことなんです」 朝倉「そう?…あやしいものだわ」 古泉「………」 132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/30(日) 00:11:10.38 ID:R2O1CBW8O ドォォン…… 朝倉「!?」 古泉「今の音は!?」 長門「恐らく爆発音」 キョン「長門!」 古泉「船長はどうしました?」 長門「何度呼んでも出てこなかった」 朝倉「一体どうなってるの?この船は…」 134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/30(日) 00:14:08.77 ID:R2O1CBW8O 古泉「…とにかく、今は爆発音を調べなくては」 朝倉「わかってるわ。私は貨物を見てくる」 キョン「俺は…」 長門「あなたは朝比奈みくるのそばにいるべき。彼女は今自室にいるはず」 長門「私はコクピットにいる。何かあったらそこに」 キョン「ああ…わかった」 137 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/30(日) 00:15:09.16 ID:R2O1CBW8O セイカツヨウ モジュール シヨウシャ アサヒナ ミクル アナタハ ミクルサン カラ ニュウシツキョカ ガ デテイマス みくるの部屋 キョン「朝比奈さん……」 みくる「………………」 キョン「………」 138 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/30(日) 00:19:09.72 ID:R2O1CBW8O みくる「………………谷口くんは…」 キョン「………」 みくる「………………死んでなんかいません」 キョン「…………」 キョン(ベットで谷口の宇宙服を抱き締め、横たわる朝比奈さんの背中…すべてを拒絶しているようだ) キョン(……だめだ、今ここに俺がいても……) キョン(朝比奈さんの心には………) キョン(……出よう) みくる「…………」 140 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/30(日) 00:21:14.18 ID:R2O1CBW8O 倉庫 朝倉「!」 朝倉「アンドロイドか…ベヒーモスなら無事よ。爆発はここじゃないみたいね」 キョン「それは…よかった……です」 朝倉「……」 142 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/30(日) 00:22:31.99 ID:R2O1CBW8O 朝倉「この子を地球に無事送り届けても、どうせ軍は兵器に利用するつもりでしょうね」 朝倉「…何考えてるんだか」 キョン「…」 朝倉「さて、残念だけど。ここには用はないわよ。暇ならあなたの生みの親のところへ行ったら?」 143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/30(日) 00:23:44.66 ID:R2O1CBW8O コクピット 古泉「キョンくん。今、通信システムを調べてるところですよ」 長門「………異常を発見した」 古泉「!」 長門「アンテナが吹き飛ばされている。恐らく爆発音はここから聞こえた」 古泉「…な…」 古泉「なんですって……」 154 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/11/30(日) 00:42:36.41 ID:R2O1CBW8O リフレッシュルーム 朝倉「この船は最悪よ。こんなことなら自分で宇宙を泳いだ方がましだったわ」 古泉「船長は一体どうしたんでしょう……いつも僕達のことを心配してくれてたのですが……」 古泉「……『この会社のやり方は人間らしくない』と言っていたのも船長だった…」 長門「………」 156 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/30(日) 00:43:31.57 ID:R2O1CBW8O キョン(八方塞がりだな…地球との交信ももうできない) キョン(俺はどうすればいいんだ) キョン(……そうだ) キョン(こんな風にみんなで集まったとき…) キョン(朝比奈さんが、いつもお茶をいれてくれた) キョン(今は朝比奈さんは部屋にこもっているけれど…) 158 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/11/30(日) 00:45:24.97 ID:R2O1CBW8O コポコポポ 古泉「…!」 キョン「苦いけど、な。何もないよりはましだろう」 古泉「…ありがとうございます」 古泉「そうだ、僕がしっかりしないと…」 朝倉「……フン」 ピッ 船長『調子はどうだ?』 「…!」 161 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/11/30(日) 00:47:07.51 ID:R2O1CBW8O 古泉「船長!」 古泉「部屋にいるんですか?大変なんです…谷口くんが…」 船長『何!?それは本当かね!?』 船長『それは……』 船長『気の毒に……』 船長『まずはこの事態をおさめることだ』 船長『彼を弔ってやろう。準備してくれ。私も今行く』 長門「了解した」 162 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/11/30(日) 00:49:22.73 ID:R2O1CBW8O 船長『では、これで』 ブツン 朝倉「随分…冷静な船長さんね?部下が死んだのに、ああ振る舞えるなんて」 古泉「……では、僕はエアロックを準備してきます」 長門「部屋のなかに、何か遺体と一緒にいれるものがあるかもしれない」 古泉「ああ、そうですね…それじゃ、お願いします」 165 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/30(日) 00:52:38.21 ID:R2O1CBW8O セイカツヨウ モジュール シヨウシャ タニグチ ノリクミイン ノ タニグチサン ハ ザンネン ナガラ ナクナリ マシタ ニモツセイリ ノ タメ ロック ヲ カイジョ シマス キョン「谷口…」 朝倉「死者を弔う…か。それができるだけでも、幸せってものだわ…」 長門「……」 166 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/30(日) 00:53:26.78 ID:R2O1CBW8O 朝倉「アンドロイドさん、ここは二人いれば十分だわ。エアロックのほうを手伝ってあげたら?」 エアロック 古泉「………」 キョン「古泉…何か手伝うことは?」 古泉「キョンくん…いえ、ここは僕一人で…」 古泉「………」 167 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/11/30(日) 00:55:13.00 ID:R2O1CBW8O キョン(谷口に殴られたところ、あざになってるな) 古泉「僕たちは、確かに仲が悪かった」 キョン「……」 古泉「でも死んでほしいなんて思ったことは一度もなかった…それは、誓って言えます」 古泉「こんなことになるなんて…!!」 キョン「……」 キョン(古泉……) 169 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/30(日) 00:58:37.60 ID:R2O1CBW8O 廊下 キョン(長門や誰かに言われるまま、ずっとやってきたが…) キョン(一体どうすれば、ここをクリアできるんだ?) キョン(これは確かゲームで、RPGのはず。ていうことは…敵がいるはずだ) キョン(倒すべき敵。そいつを倒さないとクリアできない) キョン(だが、ここにそんなやついるか?) 172 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/11/30(日) 01:04:34.35 ID:R2O1CBW8O 廊下 キョン(長門に言われるまま、ずっとやってきたが…) キョン(一体どうすれば、ここをクリアできるんだ?) キョン(これは確かゲームで、RPGのはず。ていうことは…敵がいるはずだ) キョン(倒すべき敵。そいつを倒さないとクリアできない) キョン(だが、ここにそんなやついるか?) 173 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/11/30(日) 01:07:06.57 ID:R2O1CBW8O キョン(待てよ…ゲーム…シナリオ。これは誰かが作った物語なんだ。ということは) キョン(ここで起きたことは偶然ではない。すべて意味があるんだ) キョン(谷口の宇宙服が壊れていたのもアンテナが吹き飛んだのも、犯人がいる。当たりまえだ…偶然にするには不自然すぎる) キョン(そして犯人は…) キョン(…登場人物のなかにいるんだ……) 175 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/11/30(日) 01:11:03.38 ID:R2O1CBW8O キョン「…!!」 キョン「な、長門…」 長門「……」 キョン「どうしたんだ?谷口の遺品整理は?」 長門「あなたに注意がある」 長門「どんなことがあっても感情的になってはいけない」 176 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/11/30(日) 01:13:24.13 ID:R2O1CBW8O 長門「あなたの役目はちがうところにある」 キョン「…?!」 長門「…あなたは…」 長門「……」 長門「アンドロイドだということを忘れてはいけない」 キョン「ああ…わかった」 長門「………………」 長門「持ち場に戻る。何かあったら…」 キョン「ああ、いくよ」 長門「………」 キョン「………」 キョン(…長門…) 177 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/11/30(日) 01:14:51.47 ID:R2O1CBW8O 医務室 キョン(アンドロイドだから感情的になってはいけない、か) キョン(じゃあ感情的だということは…人間ってことなのか) キョン(…そういえば、今の長門は人間なんだよな?) キョン(いや、今そんなことを考えるのはやめよう。今は俺にできること…) キョン(谷口の遺体を綺麗に拭いてやること。それをしよう) キョン(ほんの少しの慰めだが…) 178 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/11/30(日) 01:16:17.82 ID:R2O1CBW8O キョン(…ん……) キョン(…!!?) キョン「…そんな」 キョン(谷口…) キョン(谷口の遺体が) キョン「…消えた……?」 179 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/11/30(日) 01:18:34.16 ID:R2O1CBW8O 再び医務室 古泉「どういうことです?これは」 長門「…」 朝倉「それ、こっちの台詞よ。そんなことより、彼女には伝えなくていいの?ここにいないけど」 キョン「俺が伝えてくる」 長門「お願いする」 180 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/11/30(日) 01:20:39.46 ID:R2O1CBW8O みくるの部屋 キョン「朝比奈さん…」 キョン「……!!」 みくる「ふふ…」 みくる「待っててね、谷口くん。今、クッキー焼いてくるから」 キョン「た…」 みくる「コーヒーも淹れました。大好きでしたよね?」 キョン「谷口…」 182 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/11/30(日) 01:24:10.44 ID:R2O1CBW8O キョン(谷口は、いた…朝比奈さんのベットに) みくる「ふふ、よく寝てる…」 キョン「あ、朝比奈さん、それは」 みくる「あれ、キョンくん。そうだ。コーヒーの淹れ方を教えるって言いましたもんね」 キョン「朝比奈さん、谷口…は…」 みくる「ふふっよく寝てるでしょう?」 183 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/11/30(日) 01:25:30.68 ID:R2O1CBW8O キョン(谷口は、いた…朝比奈さんのベットに) みくる「ふふ、よく寝てる…」 キョン「あ、朝比奈さん、それは」 みくる「あれ、キョンくん。そうだ。コーヒーの淹れ方を教えるって言いましたもんね」 キョン「朝比奈さん、谷口…は…」 みくる「ふふっよく寝てるでしょう?」 みくる「あっ…そうだ。今のうちにコーヒーの淹れ方を教えましょう。きっと谷口くん、びっくりしますよ」 キョン「そうじゃなくて、朝比奈さん…!」 215 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/11/30(日) 08:48:31.69 ID:R2O1CBW8O 古泉『どうしました?』 キョン「!」 みくる「…!!」 廊下 古泉「キョンくん、朝比奈さん。遅いから来たのですが…」 古泉「何かあったんですか?あけてください」 セイカツヨウ モジュール シヨウシャ アサヒナ ミクル ゲンザイノ アナタノ シカク デハ ハイレマセン 古泉「…朝比奈さん」 216 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/11/30(日) 08:49:18.96 ID:R2O1CBW8O 長門「パスワードがあれば入れる」 朝倉「でも、わかるの?」 古泉「……以前のなら…でもきっと、変わっているでしょう」 長門「端末室でパスワードを調べることができる」 みくる『だめ!』 みくるの部屋 みくる「入ってこないで…!」 217 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/11/30(日) 08:50:17.89 ID:R2O1CBW8O キョン「朝比奈さん…」 朝倉『でも用事があるのよ』 朝倉『アンドロイドから聞いた?あのパイロット。谷口といったかしら。遺体がなくなったの』 みくる「……」 朝倉『…』 朝倉『あなた、何か知ってる?』 218 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/11/30(日) 08:51:10.14 ID:R2O1CBW8O 廊下 みくる『……』 朝倉「何か知ってるのね」 朝倉「扉は開かない…か」 古泉「パスワードなら…」 長門「?」 古泉「変わっているとしたらきっと。…彼女の、性格ならもしや…」 パスワード ニンショウ ・・・・カクニン シマシタ ロック ヲ カイジョ シマス 274 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/11/30(日) 19:17:21.83 ID:R2O1CBW8O みくるの部屋 みくる「!!!!」 古泉「……!!」 朝倉「!」 朝倉「あなた、何やってるの?」 みくる「谷口くんは」 みくる「死んでないです」 古泉「朝比奈さん…」 278 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/11/30(日) 19:28:40.94 ID:R2O1CBW8O みくる「古泉くん、あなたの目的はわかっているんです…」 みくる「谷口くんを殺せば…私があなたのもとへ戻ると思ったんでしょう!」 古泉「そんなこと!」 ピピピッ キョン(壁の通信ユニットが…) 『朝比奈さん!そこから逃げてください』 みくる「!?」 280 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/11/30(日) 19:34:57.76 ID:R2O1CBW8O 『古泉はあなたを狙っている。早くそこから逃げるんだ』 『俺は今、エアロックの前にいる…早く体を取り戻さなくては』 『ここに来てくれ…』 キョン「今のは…谷口の…」 みくる「………っ」 古泉「朝比奈さん!行っちゃダメです!」 古泉「朝比奈さん…!!」 281 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/11/30(日) 19:38:53.35 ID:R2O1CBW8O エアロック みくる「いや!離してください!離して!!」 古泉「落ち着いてください!」 長門「あなたは極度の興奮状態に陥っている。静めて」 朝倉「……」 みくる「離してぇ!」 285 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/11/30(日) 19:46:29.28 ID:R2O1CBW8O 古泉「外は宇宙だ!そこに彼がいるわけないでしょう!?」 みくる「嘘よ!!だまされないから!いや、離してぇっ!!」 ドォォ…ン キョン「!?」 キョン(今のは爆発音!) キョン(みんな朝比奈さんで手一杯で気付いてない) キョン(…確認しに行こう) 287 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/30(日) 19:47:46.68 ID:R2O1CBW8O 廊下 キョン(爆発音は近くから聞こえた) キョン(ここ、一階にあるのはエアロックと) キョン(倉庫) キョン(倉庫にあるのは…) 290 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/11/30(日) 19:51:14.68 ID:R2O1CBW8O 倉庫 ギャオオォス キョン「!!!」 キョン(あの爪、あの牙、そしてあの毛並み) キョン「べ…」 キョン「ベヒーモスが…外に出ている!!」 ギャォォォス… キョン「………っ!!!」 294 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/11/30(日) 19:59:28.43 ID:R2O1CBW8O エアロック 朝倉「ベヒーモスが!?」 古泉「なんですって!!」 みくる「…!」 古泉「……あっ!」 キョン(エアロックの宇宙へ続く扉が!!) みくる「今、行くから…谷口くん!」 古泉「だめだ!!」 キョン(吸い出される……!) 295 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/11/30(日) 20:01:09.86 ID:R2O1CBW8O 長門「……っ」 みくる「!!」 みくる「ああ…っ!」 長門「…間一髪。閉じた」 長門「怪我は、ない?」 キョン「いや。みんな無事だ…」 みくる「…どうして」 みくる「谷口くん……」 朝倉「……」 298 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/11/30(日) 20:07:37.91 ID:R2O1CBW8O パシッ みくる「!」 朝倉「いい加減にしなさい」 朝倉「いい。落ち着いてよく聞いて。あなたが医務室で見たのはなんだったのかしら?」 朝倉「あなたがここからずっと付き添って、最後を看取った…」 朝倉「朝比奈さん。冷静になって。悲しいけど、彼はもうこの世にいないの。死んでしまったのよ」 みくる「……」 300 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/11/30(日) 20:12:36.61 ID:R2O1CBW8O 朝倉「さて…私、倉庫を見てくるわ」 古泉「朝倉伍長…ありがとうございます」 朝倉「別に?私も死にたくないだけよ」 古泉「……」 朝倉「じゃ。危険だから、ここで待ってて」 みくる「………」 301 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/11/30(日) 20:18:01.75 ID:R2O1CBW8O みくる「………」 みくる「……ごめんなさい………」 みくる「だって…私、信じられなくて……」 みくる「何もかも…あんまり突然過ぎるから……」 古泉「……」 304 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/11/30(日) 20:23:25.96 ID:R2O1CBW8O みくる「……」 長門「……」 キョン「…………」 ピピピッ 朝倉『私よ』 朝倉『ベヒーモスは檻のなかに本当にいないわ。ただ、このフロアにはもういないみたい』 朝倉『どこにいるかはわからないけど、危険なことは確かね。エレベーターの前で集合して、全員で移動しましょう』 305 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/11/30(日) 20:27:21.81 ID:R2O1CBW8O リフレッシュルーム 長門「……」 みくる「……」 古泉「……」 朝倉「きっと方法は見つかるわ。なんとしても、あいつを捕まえなきゃね」 キョン「朝倉…」 308 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/11/30(日) 20:36:50.75 ID:R2O1CBW8O キョン「………」 キョン(谷口がやっていたゲーム機がむなしく光っている…) キョン(…谷口の遺体が消えたとき…) キョン(俺は犯人が行動を起こしたのだと思った) キョン(でも違った) キョン(人間は…難しいな) キョン(ふ…俺もアンドロイドらしくなったんじゃないか?) キョン(…とにかく、今は) 310 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/11/30(日) 20:40:30.88 ID:R2O1CBW8O コポコポポ 長門「!」 キョン「苦いけど…温かいぞ」 長門「……」 古泉「あ…」 古泉「ありがとうございます」 古泉「…」 古泉「人間も捨てたものじゃない。そう言いたいのですが…」 古泉「こんな状況ではね…」 キョン「……」 312 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/11/30(日) 20:46:43.57 ID:R2O1CBW8O みくる「……あたたかい」 みくる「ありがとうございます…」 みくる「……結局淹れ方、教えてませんね……」 みくる「でも…」 みくる「これでいいかもしれません」 キョン「でも、苦いでしょう?」 みくる「ううん。とてもやさしい味です」 みくる「とても…」 朝倉「私は、いらないわ」 314 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/11/30(日) 20:53:15.99 ID:R2O1CBW8O ピッ 船長『みんな大丈夫か?調子はどうだ?』 キョン「!」 朝倉「………?」 朝倉「今、ベヒーモスが船内をうろついているのよ!」 船長『何!?それは本当かね!?』 船長『それは……』 船長『気の毒に……』 318 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/11/30(日) 20:57:59.51 ID:R2O1CBW8O 朝倉「何を言っているの?非常事態なのよ!?」 朝倉「いい加減、部屋に閉じこもってないでこちらに出てきたらどうなの!」 船長『何!?それは本当かね!?』 船長『それは……』 船長『気の毒に……』 古泉「!?」 朝倉「な…」 321 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/11/30(日) 21:03:00.03 ID:R2O1CBW8O 船長『何!?それは本当かね!?』 船長『それは……』 船長『気の毒に……』 船長『何!?それは本当かね!?』 船長『それは……』 船長『気の毒に……』 船長『何!?それは本当かね!? 船長『…それは……』 船長『………気の毒に………………………………………』 ブツン 古泉「今のは…一体…」 323 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/11/30(日) 21:06:40.04 ID:R2O1CBW8O みくる「ベヒーモスが船内を?」 みくる「嫌…!これ以上、谷口くんを傷つけないで!」 古泉「あ!朝比奈さん!ここから出ては…!危険だ!戻ってください!」 古泉「……、朝比奈さん!」 キョン「古泉!」 朝倉「……」 朝倉「二人を追うのは愚かな行為ね」 キョン「……」 327 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/11/30(日) 21:18:29.33 ID:R2O1CBW8O 朝倉「ベヒーモスの爪はアンドロイドでも容赦なく切り裂くわ。壊れたくなかったらじっとしてなさい」 長門「…」 キョン「……」 長門「………」 キョン「長門?」 329 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/11/30(日) 21:22:31.44 ID:R2O1CBW8O 朝倉「外にでるなって言ったの。聞こえなかったのかしら」 長門「危険なのはどこにいても同じ」 長門「二人のもとへいく」 朝倉「…勝手にしなさい」 キョン「俺もいくぞ」 朝倉「……」 332 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/11/30(日) 21:27:39.01 ID:R2O1CBW8O 廊下 キョン「長門、聞きたいことがあるんだ」 長門「何?」 キョン「お前はゲームをクリアしたことがあるんだよな」 長門(コクリ) キョン「ということは…“誰”を倒せばいいのかわかるんだよな?」 キョン「先回りをしてそいつを倒してしまえば…」 335 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/11/30(日) 21:31:47.30 ID:R2O1CBW8O 長門「私たちは物語に深く関わりすぎている」 長門「物語の順序を変えることは不可能」 長門「そして私が先の情報をあなたに伝えるのも不可能。あなたの行動に影響がでるから」 キョン「…そうか、そうだよな…」 キョン「……」 336 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/11/30(日) 21:38:51.79 ID:R2O1CBW8O 長門「…あなたは、感情的になっては…」 キョン「わかってる。抑えるよ」 キョン「…?」 キョン「今、物音が聞こえなかったか?」 長門「!」 キョン「…!!」 キョン「そんな!」 338 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/11/30(日) 21:43:08.54 ID:R2O1CBW8O キョン「古泉!朝比奈さん!!しっかりしてください!」 みくる「……う……」 古泉「朝比奈さん…は……」 長門「生きている」 古泉「そうか…よかった…彼女が無事なら…」 キョン「ベヒーモスにやられたんだな…」 340 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/11/30(日) 21:47:29.15 ID:R2O1CBW8O 古泉「そこへ…行ったら…いきなり…襲ってきて…」 朝倉「……だから言ったのに」 キョン「!来たのか…」 古泉「いいんだ、彼女さえ無事なら……」 古泉「僕は…今でも…みくるの…ことが……」 古泉「……………」 キョン「古泉…?」 キョン「古泉…!!」 キョン(呼吸をしていない…心臓…が…) キョン「古泉!!!」 341 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/11/30(日) 21:51:02.81 ID:R2O1CBW8O 長門「……」 朝倉「………訓練も受けていないのに、無茶するから……」 朝倉「彼女のほうはかろうじて生きているみたいね」 朝倉「医務室に運ぶ?」 長門「いや、コールドスリープカプセルの方がいい。そこで寝かせておけば地球に帰ってからでも処置が間に合う」 朝倉「そう。じゃあ、運びましょう。アンドロイドも手伝って」 346 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/11/30(日) 22:00:07.46 ID:R2O1CBW8O コールドスリープ室 カプセル…起動 朝倉「………」 長門「これで一先ず大丈夫」 朝倉「そうね…」 長門「…あなたに頼みがある」 キョン「俺に?」 長門「端末室に行って、船長の私室のパスワードを探ってきてほしい」 キョン「端末室…一番最初に行ったところか」 キョン「わかった。行くよ」 長門「ベヒーモスに気を付けて」 朝倉「……」 347 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/11/30(日) 22:02:29.49 ID:R2O1CBW8O 廊下 ギャオオォス…… キョン「!!!」 キョン「ベヒーモス!!!」 〈朝倉「ベヒーモスの爪はアンドロイドでも容赦なく切り裂くわ」〉 キョン「く…」 348 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/11/30(日) 22:05:34.59 ID:R2O1CBW8O ズシ…ズシ… キョン「く、来るな…」 キョン(あそこを行けば端末室…) キョン(くそ、いちかばちか…走るぞ!!!) ギャオオォス… キョン「うおおお!!」 353 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/11/30(日) 22:10:17.80 ID:R2O1CBW8O 端末室 キョン「な、なんとか逃げ切れた…」 「キョンサン コンニチハ」 キョン「ああ……船長の部屋のパスワードを頼む」 「リョウカイ シマシタ ショウショウ オマチクダサイ」 ・・・ 「ハンメイ シマシタ」 「ムゾウサ ナ モジ ノ クミアワセ ノ ヨウデス」 「OAKFDE」 「パスワード ハ コレデ マチガイアリマセン」 キョン「OAKFDE…か。ありがとうな」 キョン(誰を倒すべきか…もうすぐわかる) キョン(誰が犯人なのか…) 355 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/11/30(日) 22:13:48.14 ID:R2O1CBW8O 「センナイ ハ ゲンザイ キケン ナ ジョウタイ ト ナッテオリマス」 「イドウ ノ サイ ハ キヲツケテ クダサイ」 キョン「ああ…そうするよ」 キョン(とにかく、扉の外にベヒーモスがいませんように…) 356 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/11/30(日) 22:16:56.79 ID:R2O1CBW8O コールドスリープ室 朝倉「さて、これで部屋に乗り込めるのね」 朝倉「いくわよ。準備はいい?」 長門「あなたは、彼を疑っている。彼が一連の犯人だと」 朝倉「あら?それじゃ、そのほかに誰がいるのかしら?私?」 長門「……」 朝倉「ま…いけばわかることよ」 357 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/11/30(日) 22:21:05.48 ID:R2O1CBW8O 廊下 私室前 長門「パスワードを入力する」 ・・・ パスワード ニンショウ ニ シッパイ シマシタ キョン「!?」 キョン「そんな、何故だ…!?」 朝倉「もう、何をやっているのよ!」 朝倉「鍵を壊して入りましょう!」 長門「わかっている」 キョン「!?」 キョン「長門…なんだそれ!?」 359 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/11/30(日) 22:24:18.19 ID:R2O1CBW8O 長門「黙って」 ガキィッ ガチャッガチャガチャッガチャ ガキィン 朝倉「…開いた」 長門「これはあなたも持っているべき」 キョン「なんなんだ、それは」 長門「パワージャッキ。限度はあるがロックされた扉も開くことができる」 キョン「ああ…持っておくよ」 朝倉「いい?入るわよ」 362 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/11/30(日) 22:30:40.73 ID:R2O1CBW8O 船長の部屋 キョン「……!!」 朝倉「………」 長門「……」 キョン「し…死んでいる…」 朝倉「やっぱりね…これであとは私とあなただけってことになったわ」 カチャッ キョン「!!」 367 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/11/30(日) 22:35:19.14 ID:R2O1CBW8O キョン(じ、銃!!) 長門「一体何の真似」 朝倉「あら、とぼけるつもり?」 朝倉「あなたがみんな殺ったんでしょう?」 キョン「…!!」 長門「…違う。私がする理由はない」 368 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/11/30(日) 22:37:48.29 ID:R2O1CBW8O 朝倉「私は軍からやってきたよそ者。私の方こそ動機なんてないわ」 朝倉「あなたたちがどんなことでいがみ合ってたなんて知らないけど…その冷静な顔の下で、あなたとんでもないこと考えたわね」 長門「違う。それは、違う」 長門「私は…」 長門「私たちは…」 長門「…」 371 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/11/30(日) 22:46:43.92 ID:R2O1CBW8O キョン(違う…長門が犯人なわけがない) キョン(そんなはずない…) キョン(証拠…証拠だ!長門が犯人でない証拠があれば…) キョン(くそっそんなもんあるのか!?) キョン(とにかく長門、待ってろ!!) 朝倉「!」 朝倉「アンドロイド!どこへ行くの!」 372 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/11/30(日) 22:52:54.17 ID:R2O1CBW8O 廊下 キョン(長門はいつでも変わらず冷静だった) キョン(…谷口が死んだときも) キョン(谷口の死を知らせようと船長のところへ行ったのは長門) キョン(………) キョン(何を考えている…!そうだ、『感情に流されてはいけない』) キョン(長門は犯人じゃない。俺が信じなくてどうする) キョン(証拠を探さなくては…でもどこで?) 375 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/11/30(日) 22:58:03.05 ID:R2O1CBW8O 長門の部屋 キョン(とりあえずここに来てみたが) キョン(どうすればいいんだ?) キョン(………長門の部屋。ここで俺は目覚めたんだった…) キョン(しかし、見事なくらい何もないな) キョン(あるのは壁の通信装置くらいだ) キョン(……すまん、長門) ピッ 376 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/11/30(日) 23:00:01.44 ID:R2O1CBW8O 個人ファイルダイアリー 001 ※月※日 試作機一号が完成。 基本的構造をテスト。まずまずの結果。 ※月※※日 試作機二号でデータを集める。歩行のシステムが固まった。 リモコンによるテストは概ね成功。 ※月※※※日 試作機三号制作開始。 地球からの情報通信で読んだ最新のパーツが欲しい。あれなら防水加工もできる。 今は手持ちのパーツでやるしかない 380 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/11/30(日) 23:03:26.29 ID:R2O1CBW8O ※月※※※※日 ようやく完成する。 船内の見回りが終了したらすべてをテストする。 船長も制作過程を覗きに来た。地球まではあと一週間。 明日他の五人が目覚める予定。それまでには動かしたい。 早く会いたい 彼に キョン(…………) キョン(長門…) 382 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/11/30(日) 23:07:31.55 ID:R2O1CBW8O 廊下 キョン(長門は犯人じゃない。絶対に…) キョン(だが、どうする?あれは、証拠にはならないし…) キョン(ん?) ビーッ キョン「なんだ?変な音が…あの部屋からだ」 385 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/11/30(日) 23:10:29.96 ID:R2O1CBW8O セイカツヨウ モジュール ゲストヨウ ヨビ シツナイデ ケイホウキ ガ ナッテイマス テンケン ノ タメ ロックヲ カイジョ シマス ナマエ ヲ ニュウリョク シテクダサイ キョン「…」 キョン(ゲスト用ってことは…) 387 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/11/30(日) 23:13:24.52 ID:R2O1CBW8O 朝倉の部屋 キョン「部屋に異常は…ないようだが……」 キョン(ん?通信装置が光っている) 個人ファイル 『軍事通達』 キョン「…………」 391 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/11/30(日) 23:17:27.52 ID:R2O1CBW8O 『軍事通達』 作戦ナンバー×××× 外宇宙で発見された生命体に関する注意 輸送中も絶えず観察を続けること もしも人体に関する何らかの影響が見られた場合詳しく記録すること また、生命体はいかなる手段を持ってしても地球へ輸送すること 最悪の場合、ある程度の人命の損失もやむを得ないとする 以上 作戦司令部 キョン「……………」 キョン「これは……」 393 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/11/30(日) 23:20:47.57 ID:R2O1CBW8O キョン(考えてみればおかしいじゃないか) キョン(なぜ民間の船でわざわざ軍の荷物を…それも、ベヒーモスみたいな危険なモンスターを運ぶんだ) キョン(朝倉は…朝倉は最初からそのつもりだったんだ) キョン(!!…長門!) 395 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/11/30(日) 23:24:37.15 ID:R2O1CBW8O 船長の部屋 キョン「長門!!逃げるんだ!」 朝倉「!!!」 キョン「軍事通達を見たぞ…おまえは最初からそのつもりでこの船にのったんだ」 朝倉「部屋に入ったのね…だからアンドロイドは信用ならないのよ!」 キョン「それはおまえだ!おまえはベヒーモスのデータのためにみんなを実験台に、犠牲にしたんだ!!」 キョン「おまえが!おまえが全部やったんだ!」 397 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/11/30(日) 23:28:05.84 ID:R2O1CBW8O 長門「……」 朝倉「あなたって…人間みたいね」 朝倉「でも、落ち着きなさい。それは万が一のことよ」 長門「…………」 フッ 朝倉「!!」 朝倉「何…いきなり部屋が暗くなったわ」 キョン「逃げるぞ長門!!」 399 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/11/30(日) 23:31:18.50 ID:R2O1CBW8O 廊下 長門「あなたは感情的になってはいけないと、私は注意した」 キョン「馬鹿!そんなこと言ってる場合じゃないだろ!」 キョン「!!」 ギャオオォス…… キョン「ベヒーモス…!」 長門「………っ」 ドンッ キョン「!!」 401 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/11/30(日) 23:33:47.39 ID:R2O1CBW8O ((ギャオオォス…!!)) キョン「な…」 キョン「長門!!!」 ガチャン! キョン「!!」 キョン「通路が閉じられた!?」 キョン「そんな…長門が…」 キョン「長門ぉ…っ!!!」 404 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/11/30(日) 23:37:16.44 ID:R2O1CBW8O プシュッ キョン「!?」 キョン「なっ…」 キョン「み、水が出てきた!?」 〈地球からの情報通信で読んだ最新のパーツが欲しい。あれなら防水加工もできる〉 キョン(………俺は……) 410 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/11/30(日) 23:45:36.44 ID:R2O1CBW8O キョン「反対側へ逃げないと……!」 キョン「だめだ、こっちも閉じられてる!」 キョン「どうすれば…あ!」 キョン「パワージャッキがあった!」 ガキィン! キョン「……開いた!」 412 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/11/30(日) 23:50:46.86 ID:R2O1CBW8O キョン「間一髪だった…たぶん、濡れてたら、俺は…」 キョン「…、それにしても長門が心配だ」 キョン「…端末室が近いな。そこで聞いてみようか」 414 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/11/30(日) 23:54:03.32 ID:R2O1CBW8O 端末室 「センナイ ハ タイヘン キケン ナ ジョウタイ デス」 「ナガトサン ト アサクラゴチョウ ヲ サガシテ ミマシタガ」 「イマノトコロ センナイモニターニハ ミアタリマセン」 「ベヒーモス ニ キヲツケテ コウドウ シテクダサイ」 キョン「……長門」 キョン「ここからだと、コールドスリープ室を通っていったほうがまだ安全だな…」 キョン「ありがとう」 「キヲツケテ」 416 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/11/30(日) 23:58:24.64 ID:R2O1CBW8O コールドスリープ室 キョン「……」 キョン「古泉…」 コールドスリープカプセル 古泉一樹 船長補佐 貨物管理 キョン「いい顔してやがるぜ」 キョン「愛する人を守って死ぬなんてかっこよすぎておまえには似合わない」 キョン「おまえはいつもみたいにへらへら笑ってろよ……」 キョン「……」 419 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/01(月) 00:02:05.20 ID:AP/Y+GSlO キョン「ん…?」 コールドスリープカプセル 朝比奈みくる 通信士 キョン「………」 キョン「カプセルが…」 キョン「…停止している…」 キョン「あ、朝比奈さん!」 キョン「……」 キョン「息をしていない…脈が……ない……」 キョン「う……あ……」 キョン「朝比奈さん……っっ!!」 420 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/01(月) 00:05:04.21 ID:AP/Y+GSlO 廊下 キョン(朝比奈さんが…死んだ……殺された) キョン(本当に…皆殺しにするつもりなのか…?) キョン「!!」 キョン(廊下の向こうに誰かいる?) キョン「誰だ!?おい!」 ???「……」 426 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/01(月) 00:08:54.59 ID:AP/Y+GSlO キョン「…!!」 キョン「あそこに立っているのは…」 キョン「……まさか」 キョン「……俺?」 キョン?「……」 キョン「あ!待て!!どこへ行く!」 キョン「部屋に入った…」 キョン「…あそこは、長門の部屋!」 430 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/01(月) 00:12:31.93 ID:AP/Y+GSlO 長門の部屋 朝倉「!!」 長門「……」 キョン?「……」 キョン(長門と朝倉!ここにいたのか!) キョン(長門…?怪我をしている!) 朝倉「どういうこと?アンドロイドがニ台…」 朝倉「朝比奈さんのカプセルのスイッチを切ったのはあなたなの!?」 433 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/01(月) 00:15:15.27 ID:AP/Y+GSlO キョン「!?俺じゃない!!」 キョン(だって、スイッチを切ったのはおまえじゃないのか、朝倉…!) キョン?「………」 朝倉「面倒だわ…二台とも壊してあげる!」 キョン「!!」 長門「待って…」 長門「彼は…本物の彼はそんなことしない」 435 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/01(月) 00:17:16.16 ID:AP/Y+GSlO 長門「そしてもし、本物なら…」 長門「私の……」 長門「……」 長門「私たちの目的の女性、ならびに私たちが所属している団体名を言えるはず」 朝倉「…?」 キョン(長門……) キョン?「…」 436 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/01(月) 00:18:00.28 ID:AP/Y+GSlO キョン「俺たちは、涼宮ハルヒに会うことを目的としている。そして俺たちは…」 キョン「SOS団!SOS団の団員だ!」 長門「……」 長門「正解」 437 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/01(月) 00:20:32.73 ID:AP/Y+GSlO 朝倉「ということは、偽物はこっちね!?」 カチャ ダダダダダン!!! キョン(……っ俺の顔が…グロテスクだ…) キョン?「・・・」 朝倉「!!」 朝倉「こいつ…!」 442 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/01(月) 00:24:58.17 ID:AP/Y+GSlO キョン?「ムダナ テイコウハ ヤメロ」 キョン?「ワタシハ コノフネヲ カンゼンニ ショウアク シテイル」 キョン?「オマエタチノ イノチモ ワタシノ イシシダイダ」 朝倉「誰かがこれを操っているんだわ…」 朝倉「教えなさい。あなたはいったい誰なの?」 443 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/01(月) 00:28:43.62 ID:AP/Y+GSlO キョン?「 O D ― 1 0 / ゴ キ ト エ ル ゴ ス ム 」 朝倉「…!」 ダン! ダダダダダン! キョン?「・・・・・・」 キョン「……もう動かないな」 朝倉「長門さん、OD―10って何なのかしら?」 長門「この船のメインコンピュータ…船全体を管理している」 445 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/01(月) 00:34:40.47 ID:AP/Y+GSlO 朝倉「メインコンピュータ?誰かがそいつをいじったってことなの?」 長門「それは無理。コンピュータプログラムは、地球の本社に行かないと書き換えられないはず」 朝倉「なら、なに?コンピュータ自体がおかしくなったと言うことなの?」 長門「それはわからない。その可能性もある…。……っ」 キョン「長門!大丈夫か?」 朝倉「無理はしないで。怪我してるんだから。ベットに横になって…」 447 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/01(月) 00:40:55.62 ID:AP/Y+GSlO 朝倉「…でも、もしそうだとしたら、私たちはコンピュータのいいようにされてきたってことかしら?」 朝倉「とにかく、三階のメインコンピュータのところまでいくわよ。アンドロイド、あなたも来なさい。あなたまで操られたら、また面倒くさいことになるわ…」 キョン「ああ、わかった」 長門「気を付けて」 キョン「ああ」 キョン(これが…) キョン(本当の……犯人……) 449 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/01(月) 00:43:53.38 ID:AP/Y+GSlO 廊下 エレベーター前 朝倉「エレベーター、開かないわね」 朝倉「まったく、邪魔をするつもりなのかしら?でも、そうはいかないわ…」 朝倉「ちょっと、下がってなさい」 キョン「わ、わかった」 ダン! ダダダダダン! 朝倉「さ、通風口をあけたわ。ここを登っていくわよ」 キョン(この人が敵じゃなくて本当によかった) 453 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/01(月) 00:53:11.52 ID:AP/Y+GSlO 三階 メインコンピュータ前 朝倉「ふぅん…」 朝倉「コンピュータも、ここにまでベヒーモスを寄せ付ける気はないみたいね」 朝倉「メインコンピュータ室は…」 朝倉「当たり前ね…ロックがかかってるわ」 458 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/01(月) 00:56:37.63 ID:AP/Y+GSlO 朝倉「壊してもいいんだけど」 朝倉「きっとそれだとこの船自体とまっちゃうのかもね」 キョン「船を管理してるコンピュータだからな」 朝倉「……」 朝倉「長門さんなら、このコンピュータの弱点知ってるかも」 465 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/01(月) 01:01:38.77 ID:AP/Y+GSlO 長門の部屋 長門「OD―10はこの船そのもの。下手に壊すと私たちは永遠に宇宙をさまようことになる」 キョン「……」 朝倉「…この船はすべてあいつの都合のいいようにできてるのね…まさに私たちの命はあいつ次第」 朝倉「打つ手なし、か…」 長門「ひとつだけ」 468 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/01(月) 01:05:53.81 ID:AP/Y+GSlO 長門「あなたなら…」 キョン「俺?」 長門「あなたなら……コンピュータのプログラムに入り込める。どこかから…そう………」 長門「あそこ………から…………」 長門「……っ…………」 キョン「長門!!!」 473 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/01(月) 01:10:09.78 ID:AP/Y+GSlO 朝倉「…大丈夫。気を失っているだけよ。出血がひどいから…」 朝倉「……プログラムに入り込める場所。そこを探せばいいのね」 朝倉「アンドロイド、あなたにこの通信ユニットを渡しておくわ。何かあったらこれで連絡をちょうだいね」 朝倉「二手に分かれて探しましょう。この船のどこかで、プログラムに入りこめそうな場所を」 キョン「ああ、わかった」 朝倉「…私がアンドロイドに頼ることになるなんて、ね…」 474 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/01(月) 01:13:32.91 ID:AP/Y+GSlO 廊下 キョン「とはいえ、一体どこを探せばいいんだ」 キョン「下手に歩きまわれば、ベヒーモスにやられてしまうし」 キョン「メインコンピュータと繋がっているところ…そうだ、端末室!」 477 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/01(月) 01:19:36.72 ID:AP/Y+GSlO 端末室 朝倉「あら、あなたも来たの。どうやら同じ考えだったみたいね?」 朝倉「とりあえず正面突破ってやつね。でも、なんだかね…」 「ムダナ テイコウハ ヤメロ ワタシハ コノフネヲ カンゼンニ ショウアク シテイル」 「オマエタチノ イノチモ ワタシノ イシシダイダ」 朝倉「操作パネルはあるからまだ普通の操作はできるみたい。でも、メインとコンタクトはとれないわね。とにかくここで考えていても仕方ないわ」 キョン「ああ、他をあたってみるよ」 朝倉「気を付けなさい」 478 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/01(月) 01:20:04.04 ID:AP/Y+GSlO 廊下 キョン(やはりだめか…) キョン(そうだ) キョン(部屋の扉についているあの装置は…) 廊下 みくるの部屋の前 ・・・・・・ キョン「だめだな」 480 名前: ◆tnfs5cJy3U [明日締切のやつデータ消えた] 投稿日:2008/12/01(月) 01:22:32.68 ID:AP/Y+GSlO ピッ 朝倉『私よ。今どこにいる?』 キョン「朝比奈さんの部屋の前だ。ここの装置はどうかと思ってな…だめだったが」 朝倉『センサーはみんなあいつの目みたいなものね』 朝倉『この船はすべてがあいつの管理下におかれている。重要なものでプログラムに入り込みやすいものはもうとっくにガードされているみたい。いくらあなたでも難しいかもね』 482 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/01(月) 01:24:30.06 ID:AP/Y+GSlO 朝倉『どこか、ないかしら。直接あいつに繋がっていないもの…船に元々必要ないもの』 キョン「難しいな…とにかく探してみる」 朝倉『私も色々やってみるわ』 489 名前: ◆tnfs5cJy3U [たぶん平気?ごめんありがとう] 投稿日:2008/12/01(月) 01:29:46.09 ID:AP/Y+GSlO キョン(直接必要はないところ…) キョン(倉庫はどうだ?ベヒーモスがいたところなら、直接船に必要はない…!) キョン(だめだ、そのベヒーモスを放した犯人があいつだと考えると、あいつと繋がっていて、なおかつもうガードされていると考えていいだろう) キョン(無駄に歩くのは避けたいが…しかし、歩き回って探すしかないかもしれない) 491 名前: ◆tnfs5cJy3U [データごと消えたけど] 投稿日:2008/12/01(月) 01:36:13.39 ID:AP/Y+GSlO ギャオオオォォオス… キョン「…!」 キョン「ベヒーモス!!」 ズン…ズン…… キョン「だめだ、逃げ…!」 ガチャン! キョン「通路が!!くそっ閉じ込められた!!」 492 名前: ◆tnfs5cJy3U [内容覚えてるからたぶん] 投稿日:2008/12/01(月) 01:38:48.25 ID:AP/Y+GSlO ズン…ズン… ギャォォオス… キョン「く…そ…」 プシュッ ブシャアァア キョン「水まで!」 キョン(本格的に俺を…) キョン(くそ、そうはいかせない…俺は…) 494 名前: ◆tnfs5cJy3U [平気なんですお騒がせして] 投稿日:2008/12/01(月) 01:40:39.11 ID:AP/Y+GSlO ガキィ! ガチャガチャッガキィン! キョン「開いてくれ、俺は!」 ズン…ズン… キョン「シナリオをクリアするんだ!!」 ギャオオオォォオス…!! キョン「うわぁあぁああ…!!」 498 名前: ◆tnfs5cJy3U [すみませんでした] 投稿日:2008/12/01(月) 01:43:48.58 ID:AP/Y+GSlO 端末室 朝倉「………」 ピッピッ 朝倉「私よ。今どこにいるの?」 朝倉「…?」 朝倉「もしもし?私よ。応答しなさい」 朝倉「……ちょっと…」 朝倉「もしもし?ねぇ、…ねぇ!」 朝倉「どうしたのよ…まさか!」 501 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/01(月) 01:48:34.25 ID:AP/Y+GSlO リフレッシュルーム キョン「…………」 朝倉『ねぇ、返事をして!』 キョン「…、は、はい…」 朝倉『!』 朝倉『…生き…、ちゃんと動いているのね。よかったわ…あなたがいないと全員死ぬのよ』 キョン「ちょっとベヒーモスに出会ってしまってな。まあ、コードが飛び出たくらいですんだが」 キョン「俺ってアンドロイドだったんだな、本当に…」 キョン「……はは…」 503 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/01(月) 01:51:30.95 ID:AP/Y+GSlO 朝倉『いまさら?もう、あなたは…自覚のないアンドロイドなんて前代未聞ね』 朝倉『で?何か見つけたことはない?』 キョン「いや、勢い余ってリフレッシュルームに飛び込んだからな…ここにあるのなんて、モニターとコーヒーメーカーとゲーム…くらいしか、……………」 朝倉『どうしたの?』 505 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/01(月) 01:55:28.45 ID:AP/Y+GSlO キョン「ゲーム…そうだ、谷口がやっていたゲームだ!」 朝倉『…!そうね…そうかもしれない!確かに、それは元々船に必要ないから、CPUがメインから独立しているわ!』 朝倉『待ってて!今、回線を繋ぐわ!』 端末室 朝倉「舐めないでほしいわ…」 朝倉「人間は…」 朝倉「人殺しの道具ばかり作っているわけじゃないのよ!」 508 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/01(月) 02:02:25.46 ID:AP/Y+GSlO 朝倉「………よし、アンドロイド!いいわよ、プログラムに―…」 朝倉「…!!」 ギャオオォオス… 朝倉「ベヒーモス!そんな、こんなとこに……!!」 ギャォオオォオオス…!! 朝倉「っ…!!」 509 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/01(月) 02:05:08.97 ID:AP/Y+GSlO リフレッシュルーム 『ザー…』 キョン「あ、朝倉!?」 キョン「通信が急にきれた…」 キョン「………」 キョン「今は…」 キョン「今はあいつを倒すことだけを考えよう。はやくプログラムのなかに入り込まなくては」 510 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/01(月) 02:08:20.26 ID:AP/Y+GSlO キョン「俺のこの飛び出ちまったコードは使えるかな?」 ・・・・・・ キョン「………………」 キョン「つながった……か?」 『……………』 キョン「!通信ユニットが…」 キョン「あ…れ…視界が……どんどん……」 キョン「っ!!…………」 『……………』 517 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/01(月) 02:12:42.26 ID:AP/Y+GSlO 何ものかが通信ユニットを通じて語り掛けてくる… ホンセンナイニ オイテ スベテノ コウドウハ チョウワノ トレタモノデ アラネバナラナイ ワタシハ センナイノ チョウワヲ イジスルタメ キノウシテイル ヨッテ ワタシノ イシハ ゼッタイデアル ダレモ コレヲ ボウガイシテハ ナラナイ ボウガイスルモノハ タダチニ ショウキョスル K I L L  Y O U .... 522 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/01(月) 02:15:39.24 ID:AP/Y+GSlO 長門「聞こえる?」 キョン「長門…か?」 キョン「うっ…どこだ、ここは?」 長門「ここはODー10のプログラムのなか。あなたは侵入に成功した」 キョン「お前はどこにいるんだ、長門…」 長門「今あなたに聞こえているのはコンピュータに組み込まれたプログラムの声」 長門「何者かがプログラムに侵入したさい、私が起動するよう設定してある」 キョン「はは、長門…準備いいな」 523 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/01(月) 02:17:21.15 ID:AP/Y+GSlO 長門「あなたのするべきことは、マザーコンピュータのプログラムから思考システムを切り離すこと」 長門「様々な保護システムがあなたを邪魔するが、今のあなたならウィルスとして攻撃も行える」 長門「…襲ってきた」 ピュインっ キョン「!!!」 キョン「おいおい、ノートン先生でもレーザーは使わないぜ!?」 長門「健闘を祈る」 526 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/01(月) 02:19:59.27 ID:AP/Y+GSlO キョン「えっ長門っ?!」 キョン「消えるな!!……あーあ、どうすりゃいいんだよ」 ピュインッ キョン「うわっ」 キョン「やるしかないのか…ああもう、行くぞ!!」 530 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/01(月) 02:21:23.74 ID:AP/Y+GSlO ブゥン…… ピッピッピーピピッ キョン「?」 キョン「なんだ、今…チェックされたのか?」 キョン「ぐっ!?」 キョン「調べるついでに攻撃してきやがった!くそ…」 キョン「なんか、俺も、攻撃を…」 531 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/01(月) 02:22:58.23 ID:AP/Y+GSlO ハイスピードオペ/H キョン「おお……」 キョン「なんか回復した」 キョン「いや、そうじゃなくて攻撃を」 ピュイン! キョン「うわ!畜生…」 アップグレード/U キョン「お!なんだか素早くなった気がする」 536 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/01(月) 02:26:05.61 ID:AP/Y+GSlO マインドハック/M キョン「今の、きいたのか…?」 キョン「…!」 キョン「くそ、今の攻撃…今のはきいた…」 アンチフィールド/A キョン「お返しだ!」 ノイズストリーム/N キョン「…きいたか!?」 キョン「そういえば、やみくもに攻撃しても意味ないんだよな」 539 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/01(月) 02:27:57.58 ID:AP/Y+GSlO キョン「思考システムをダウンさせて、船の運行システムから切り離すんだ」 インフォリサーチ/I キョン「!」 キョン「あれだ…あれが」 キョン「ODー10…!」 541 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/01(月) 02:30:07.98 ID:AP/Y+GSlO ワタシハ フネノ アンゼンヲ カクホシ ジョウインヲ マモルトイウ シメイヲ アタエラレタ キョン「…!?」 シカシ ワタシニ シメイヲ アタエタ ニンゲンハ タガイニ ショウトツシ カンゼンニ チョウワヲ ナクシ キョン「……っ、」 フネノ ウンコウヲ サマタゲル 546 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/01(月) 02:34:56.71 ID:AP/Y+GSlO キョン「みんなは…、」 スピンドライブ/S ワタシニハ ニンゲンガ リカイデキナイ キョン「ただ…生きていただけなんだ」 メーザーカノン/M ニンゲンハ シンジラレナイ キョン「ただ、……それだけだったんだ…」 HUMANISM ──… 552 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/01(月) 02:39:18.06 ID:AP/Y+GSlO ──… 〈谷口「朝比奈さんはな…おまえに愛想を尽かしたんだ!それだけは覚えとけよ。忘れんなよ!」〉 〈朝倉「この船は最悪よ。こんなことなら自分で宇宙を泳いだ方がましだったわ」〉 〈みくる「古泉くん、あなたの目的はわかっているんですよ」 みくる「谷口くんを殺せば…私があなたのもとへ戻ると思ったんでしょう!」〉 〈キョン「おまえが!おまえが全部やったんだ!」〉 〈古泉「人間も捨てたものじゃない。そう言いたいのですが…」 古泉「こんな状況じゃね…」〉 キョン(…?) キョン(メインコンピュータのメモリー…?) キョン(…………) 554 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/01(月) 02:42:39.89 ID:AP/Y+GSlO リフレッシュルーム キョン「はっ!」 キョン「ここは…戻ってきたのか」 ブゥ…ン… キョン「!」 キョン(モニターが…) 『ゴキトエルゴズム号へようこそ!』 558 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/01(月) 02:46:01.28 ID:AP/Y+GSlO 『ゴキトエルゴスム号へようこそ!』 『この映像は船の管理状況の変更にともない、自動的に放映されております』 『この宇宙輸送船は思考型コンピュータを使用した管理システム…』 『「ODー10」によって運営されておりましたが…』 『トラブル発生に伴い思考システムを切り離して運行しております』 『船内におけるみなさんの活動には問題はありませんが』 『もしも不明な点があればお気軽に乗組員にお聞きください』 朝倉「やった…みたいね」 563 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/01(月) 02:50:45.48 ID:AP/Y+GSlO キョン「朝倉!」 朝倉「よかった…」 キョン「その怪我は…!」 朝倉「ベヒーモスを倒してきたわ」 朝倉「大丈夫。これくらいじゃ死なないわよ」 キョン「だが、その傷は…」 朝倉「まあ、地球に戻ったら地上勤務になるわね、きっと…」 567 名前: ◆tnfs5cJy3U [>>1って頭悪いよねー] 投稿日:2008/12/01(月) 02:53:48.60 ID:AP/Y+GSlO 朝倉「……」 朝倉「座りましょうか。さすがに、立ったままじゃきついわ」 朝倉「ほら、あなたも」 キョン「あ、ああ…」 朝倉「ねぇ、まだ私を疑ってる?」 キョン「いや、そんなことは…」 朝倉「……まあ、いいわ。今となってはたいして変わらないもの」 569 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/01(月) 02:56:30.37 ID:AP/Y+GSlO 朝倉「昔…」 朝倉「昔ね、戦争があったのよ」 キョン「…」 朝倉「今でもはっきり思い出せるわ。あの恐怖は忘れられない…」 朝倉「戦闘ロボットよ。ロボットというより、それの頭、つまりコンピュータね」 朝倉「そいつらの手で…血の通った人間でない物の手で…仲間がたくさん死んだ…」 570 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/01(月) 02:59:09.54 ID:AP/Y+GSlO 朝倉「人間が作ったものに人間が殺される。」 朝倉「馬鹿よね、人間て」 朝倉「この船のメインコンピュータは、そんな人間に愛想がつきたのね…きっと」 キョン「………」 朝倉「だけど、あなたは違う」 朝倉「あなたは軍艦でも、何でもない、この輸送船で生まれた」 571 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/01(月) 03:02:03.52 ID:AP/Y+GSlO 朝倉「古泉くんは、あなたに『学べ』といったわ」 朝倉「それが、あなたのすべき事よ」 キョン「朝倉…」 朝倉「………ふふ」 朝倉「ロボットに説教なんてね。私もやきがまわったわね…」 朝倉「……!!」 朝倉「笑っちゃうわね…」 キョン「…?」 朝倉「こんなことに、今気付くなんて」 574 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/01(月) 03:05:08.36 ID:AP/Y+GSlO 朝倉「人間も…私も、同じことだってことに…」 キョン「…」 朝倉「…ねぇ」 朝倉「長門さんに、様子見がてら報告してきたらどうかな」 朝倉「意識が戻ってたら、きっともうあなたの成し遂げたことに気付いてるでしょうけど。あなたが自分で言うべきだわ」 575 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/01(月) 03:08:24.66 ID:AP/Y+GSlO 長門の部屋 長門「……」 キョン「長門、大丈夫か?」 長門「割と」 キョン「そうか…」 キョン「俺、やったよ。クリアしたことになるのか?」 長門「あともう1つ、イベントをクリアしたら、他のシナリオへ移動することになる」 キョン「そうなのか。もう1つね…怖いのやら大変なのやらじゃなければいいけど」 長門「……」 579 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/01(月) 03:11:26.75 ID:AP/Y+GSlO キョン「……」 キョン「長門の怪我は…」 キョン「いつもだったら情報再なんとかで治してるけど今はどうなんだ」 長門「何度かやろうとしたが、無理。今の私は、普通の人間」 キョン「普通の人間、か」 キョン「…なぁ長門、気になっていたことがあるんだ」 長門「?」 581 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/01(月) 03:13:41.67 ID:AP/Y+GSlO キョン「おまえから見て、俺たち…みんなは…どう見えていたんだ?」 長門「どうって?」 キョン「いや…」 キョン「俺は今アンドロイドだ。実感したよ。見てくれよこのコード。いや、おまえが作ったんだったな…製作日記も、実は見てしまった。すまん」 長門「!」 キョン「それで…俺はアンドロイドだし、長門からも感情を抑制しろと注意されていたけど、出来なかっただろ」 584 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/01(月) 03:16:00.35 ID:AP/Y+GSlO キョン「中途半端な存在だったな。結局、俺は俺でしかなかったんだ。アンドロイドになって変わった気はしたけど、変われなかった」 キョン「おまえはどうだったのかなと思ってな…」 長門「…」 キョン「俺は…朝比奈さんの言っていることも、谷口の行動も、古泉のことも」 キョン「まったく理解できないわけじゃなかった」 長門「……」 587 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/01(月) 03:18:47.08 ID:AP/Y+GSlO 長門「私も、変わらない」 キョン「そうか…まあ、そうだよな。そうだった」 長門「人間は…難しい」 キョン「…そうだな」 キョン「この船のメインコンピュータもそう思っていたんだろうな」 キョン「人間の心は、同じ人間でさえ複雑で扱うのが難しいから…」 長門「……心」 キョン「ああ。さっき朝倉がいいこと言ってたな。あの朝倉がな…」 588 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/01(月) 03:20:33.84 ID:AP/Y+GSlO キョン「…コーヒーでもいれてくるよ。今の俺にはそれしかできないからな」 キョン「早くよくなれよ、長門」 キョン「じゃ、ちょっとだけ待ってろ」 長門「……」 長門「……私の」 長門「心………」 590 名前: ◆tnfs5cJy3U [ごめんね、あと少し] 投稿日:2008/12/01(月) 03:21:44.20 ID:AP/Y+GSlO リフレッシュルーム 朝倉「長門さん、どうだった?」 キョン「さすがに歩き回ることはできないだろうけど、思ったより元気そうだったぜ」 朝倉「そう。よかったわ」 コポコポポ 朝倉「コーヒー?」 キョン「ああ、長門にな」 朝倉「そう…」 591 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/01(月) 03:23:14.53 ID:AP/Y+GSlO 朝倉「ねぇ、私にも淹れてくれる?」 キョン「…え?」 朝倉「船を降りる前に、あなたの淹れたコーヒー…飲んでみたいな」 キョン「……」 キョン「ああ。わかった」 595 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/01(月) 03:24:04.18 ID:AP/Y+GSlO キョン(もしも) キョン(朝倉の心も、記憶が違うだけでもとの世界と変わらなかったら) キョン(あの台詞のなかに、朝倉の本音が含まれていたりするのだろうか) キョン(ゲーム中だけじゃない、本当の本音が…) コポコポポ 朝倉「………」 597 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/01(月) 03:25:31.62 ID:AP/Y+GSlO 朝倉「ふふふっ」 朝倉「本当。これは、苦いわね」 キョン「………」 朝倉「でも…」 朝倉「今は、この味が最高だわ…」 朝倉「ありがとう、キョンくん……」 603 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/01(月) 03:30:38.03 ID:AP/Y+GSlO − ホウコクショ − コギトエルゴスム : ミンカンユソウセン XXXX チキュウニムケテ コウコウチュウニ ショウソクヲ タツ XXXX チキュウ フキンヲ ヒョウリュウチュウニ カイシュウサレル メインコンピュータノ ボウソウ トウサイカモツノ イシュセイメイタイ ソウホウノメンカラ ゲンインヲ チョウサチュウ オオモリ エイジロウ : センチョウ タニグチ : コウカイシ コイズミ カズキ : センチョウ ホサ アサヒナ ミクル : ツウシンシ イジョウ4メイハ シボウ センナイニテ イタイヲ カクニン 604 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/01(月) 03:31:10.99 ID:AP/Y+GSlO ナガト ユキ : コギトエルゴスム メカニック ゲンザイ チリョウセンター ニテ リョウヨウチュウ アサクラ ゴチョウ : ウチュウグン ショゾク キカンゴ グンヲ タイエキ ゲンザイハ イリョウ・フクシヲ モクテキトシタ ロボットカイハツメーカーニ キンム 606 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/01(月) 03:32:19.38 ID:AP/Y+GSlO ホソク : センナイ カイシュウチュウニ コガタノ サギョウロボットヲ ハッケン コウコウチュウニ シンキトウロク サレタモノト ハンメイ ナマエ キョン SF編 『機心』 ──FIN── 615 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/01(月) 03:35:16.60 ID:AP/Y+GSlO お疲れさまでした。 長かったので、読むの疲れたと思います。 次からはもう少し短くします。 あと、次また投下するの夜になると思うので、スレ落としちゃってかまわないです。 立てるときは同じスレタイで立てます。 では、ありがとうございました。おやすみなさい 696 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/01(月) 22:10:22.06 ID:AP/Y+GSlO えっと、実を言うと全シナリオはやりません。 SF編いれて4つくらいです。 理由は、SF編でわかったでしょうが自分は長く書くくせがあるので全シナリオとか膨大になっちゃう…!ていうのと、 さっさと核心に行きたいからです。 あと、今からはじめる予定のものは名シーンの名ぜりふがキャスティングの都合上ないです… すみません… 722 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/01(月) 23:06:24.48 ID:AP/Y+GSlO みくる「ん……」 みくる「え?こ、ここは…」 みくる「こ、ここはどこですかぁ、何で私、ここにいるんですかぁ?」 みくる「竹が…こんなにたくさん生えて……絶対学校や家やあの街じゃないですぅ〜」 がさがさ… みくる「…………ひゃあ!?」 ガルルル… みくる「と、虎…!?」 みくる「きゃあああっ!!」 725 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/01(月) 23:11:10.41 ID:AP/Y+GSlO ザッ バシッ シュッグイグイッ ギャォォ… みくる「……??」 長門「怪我は、ない?」 みくる「な、長門さあん!」 みくる「……長門さんがいるってことは、ここは…」 長門「涼宮ハルヒが創造した世界」 みくる「やっぱり!」 730 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/01(月) 23:15:00.75 ID:AP/Y+GSlO 長門「ここはライブアライブというゲームソフトを元に作られた世界」 長門「時代も場所も違うシナリオがいくつかあり、そのなかのひとつ。古代中国をイメージしたもの」 みくる「だから服装がチャイナ風なんですね」 長門「ゲーム世界のどこかにいる涼宮ハルヒを捜し出すことが目的。夢だと悟らせればこの世界は終了し、元の日常にもどる」 みくる「わかりました。私は何をすればいいんでしょう?」 736 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/01(月) 23:19:54.89 ID:AP/Y+GSlO 長門「…このシナリオに涼宮ハルヒの気配は感じられない」 長門「まずは、ここをクリアするのが先決」 みくる「はぁ…」 長門「あなたは、私に弟子入りし、拳法を習得してほしい」 みくる「ふぇ…?」 みくる「け、拳法〜〜!?」   功 夫 編  『 伝 承 』 739 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/01(月) 23:25:07.12 ID:AP/Y+GSlO ウォンの町 「あ!師範様だ!」 「本当だ!ありがたやありがたや…」 みくる「みなさん、長門さんのお弟子さんなんですか?」 長門「違う。彼らは山に住む私に敬意を表しているだけ」 みくる「そ…そうなんですか…」 みくる「……あの、拳法って…」 ドン! 長門「!」 741 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/01(月) 23:28:26.48 ID:AP/Y+GSlO ?「おぅ、すまんな。よそ見してたらぶつかっちまった」 ?「怪我はないか?ないならいい。じゃあな」 長門「……」 みくる「い、今のって…」 みくる「今のってキョンくんですよね!?」 長門「…」 745 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/01(月) 23:32:36.84 ID:AP/Y+GSlO 長門「彼にもとの世界の記憶はない」 みくる「えっ!?」 長門「このシナリオにおいてもとの世界の記憶をもっているのは私とあなたのみ」 長門「その証拠というわけでもないが、彼は私の財布を盗んでいった」 みくる「えぇっ!?」 みくる「キョンくんが…盗み!?」 長門「彼を追い掛ける」 みくる「あ!待ってください!」 747 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/01(月) 23:35:06.17 ID:AP/Y+GSlO 町の奥 ならず者1「なんだ、これっぽっちか」 キョン「………」 ならず者2「次はもっと金持ちから盗んでこい」 みくる(キョンくん…) 長門(今は黙ってみてて) キョン「………」 キョン「……嫌だね」 ならず者「!!」 みくる「!」 長門「…」 750 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/01(月) 23:41:17.20 ID:AP/Y+GSlO キョン「いくらなんでもあんな女の子からも盗むなんて…俺はもう嫌だ」 ならず者3「おまえ…」 キョン「もう、おまえたちの言いなりにはならない!」 ならず者1「そんなこと言っていいのか?」 ならず者2「妹がどうなってもいいんだな?」 キョン「…!!」 みくる(キョンくん…!!) 752 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/01(月) 23:44:04.96 ID:AP/Y+GSlO ならず者3「謝るなら今のうちだぜ」 キョン「………」 キョン「謝るわけないだろ…!!」 ならず者「こいつ!!」 長門「……」 長門「そこまで」 ならず者「!?」 キョン「………さっきの…!!」 755 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/01(月) 23:48:02.06 ID:AP/Y+GSlO ならず者1「誰だ、てめぇ!」 長門「質問をしたい。あなたたちは彼よりも強いかどうかを」 ならず者3「何言ってるんだ、強いにきまっているだろ?」 長門「違う。あなたたちは彼よりも弱い」 ならず者2「はぁ?」 758 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/01(月) 23:55:11.05 ID:AP/Y+GSlO ならず者1「この俺が、キョンより弱いって?そんなわけないだろ、どこ見ていってるんだよ」 長門「肉体的にはそうかもしれない。だが、彼とあなたたちは決定的に違うものがある」 キョン「おい、やめとけ…」 ならず者3「何言ってるんだこいつ?」 ならず者1「もういい、やっちまえ!」 長門「それがわからないから…」 ならず者「!?」 長門「あなたたちは弱い」 ならず者2「いつのまに後ろに!」 760 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/02(火) 00:00:53.61 ID:JmBipUmrO ならず者1「畜生!やれ!!」 長門「……」 ゴキャゴキャ ならず者「うわぁぁあ…」 ならず者1「畜生…覚えてろよ!」 みくる「い、一撃で…」 キョン「強い……」 長門「…」 キョン「…!」 762 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/02(火) 00:04:40.04 ID:JmBipUmrO キョン「おまえ…いや、あなたはもしや山の頂上に住む心山拳師範さまでは?」 長門(コクリ) キョン「俺、なんてことを!すまない…いや、申し訳ありません!」 長門「別に平気」 みくる「それより、妹さんがどうのって言ってませんでした?」 みくる「あ!あの、私は長門さんの弟子なんです」 キョン「お弟子…さん?」 764 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/02(火) 00:09:32.00 ID:JmBipUmrO キョン「妹は、今病んでいるんです。それを治せる草が、そこの竹林に生えているのですが」 キョン「竹林には虎がいて、とてもとりにいけません」 キョン「だがそれを言ったら、あいつらが金を盗んでくれば取りに行ってやると」 みくる「ひどい人たちですね…」 765 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/02(火) 00:13:13.49 ID:JmBipUmrO 長門「その草ならここにある」 キョン「!!」 長門「さっき竹林に行ったときに採ってきた」 みくる(わ、私を迎えに来たときかな?) 長門「これをあなたの妹に」 767 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/02(火) 00:16:56.38 ID:JmBipUmrO キョン「い、いいんですか…?」 長門「私には必要ない」 キョン「ありがとうございます!!」 みくる(やっぱりキョンくんは優しいなぁ…) キョン「………」 770 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/02(火) 00:25:51.34 ID:JmBipUmrO ユンファの市場 みくる「あの、長門さん。拳法ってどこでならうんでしょう?」 長門「私の住んでいる山小屋」 みくる「でもここは市場…」 女「きゃあああ!」 みくる「!?」 女「きゃあ!きゃあ!きゃあ!」 みくる「な、何でしょう…?」 長門「……」 772 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/02(火) 00:37:40.55 ID:JmBipUmrO 女a「イツキ!こっち見てイツキぃ!」 女b「やだぁん目があっちゃったぁ」 古泉「みなさん、どうもありがとう」 女c「…さわっやか…!」 女d「惚れてまうわぁ」 女e「イツキ、これ…」 古泉「ん…?」 古泉「…!」 古泉「も…」 古泉「ももまん…ですね」 女e「…///」 774 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/02(火) 00:39:27.36 ID:JmBipUmrO みくる「一体なんなんですか、これ…」 長門「異常事態」 男α「あ!あれは師範さまだ!」 男β「助けて!あいつこらしめて!」 男γ「あいつのせいで女がどんどん俺らのまわりからいなくなるんです!」 長門「……了解した」 779 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/02(火) 00:45:07.07 ID:JmBipUmrO 古泉「!」 古泉「あなたは、確か…」 長門「今のままで、あなたはいいの?」 女a「誰この女ぁ」 女b「あら知らないの心山拳師範さまよ」 古泉「…師範」 長門「あなたには生かすべき能力があるはず」 長門「このままそれを埋没させたままで満足?」 782 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/02(火) 00:51:27.60 ID:JmBipUmrO 古泉「……」 古泉「今まで、誰もそんなこと聞いてくれたことはなかった」 古泉「男は僕を嫌い、女は…」 古泉「……」 古泉「僕は何をすればいいんです?」 長門「私に、ついてきて」 785 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/02(火) 00:55:33.20 ID:JmBipUmrO 女a「イツキっ行かないで!」 女b「私たちがいればいいでしょ?」 古泉「いや、僕は…」 古泉「いきます」 女「「いやぁぁー」」 男「「よっしゃー!!平和がくるー!!」」 みくる「す、すごい場所ですね……」 787 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/02(火) 01:00:19.07 ID:JmBipUmrO 町をでて、山頂への道 古泉「古泉一樹です。よろしくお願いします」 みくる「朝比奈みくるです」 みくる(なんだか変な感じ…) 古泉「お師匠さまのところへは随分のぼるんですね」 古泉「ん…?」 みくる「!!」 長門「……」 キョン「……」 みくる「キョンくん…!どうしてここに…」 789 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/02(火) 01:07:20.27 ID:JmBipUmrO キョン「…頼みが、あります」 キョン「俺を弟子にしてください!」 みくる「キョンくん…!?」 古泉「ほぅ?」 長門「……」 795 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/02(火) 01:25:22.16 ID:JmBipUmrO 長門「あの人たち相手にあれだけ言えたあなたに、私は必要ない」 キョン「いいや!俺は強くなりたいんだ」 キョン「肉体的にも、精神的にも」 キョン「目の前で人が倒れているのに」 キョン「指をくわえてみてることしかできないのは嫌なんだ」 キョン「頼む!弟子にしてくれ…!」 長門「……」 796 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/02(火) 01:26:59.62 ID:JmBipUmrO みくる「…長門さん?」 長門「……」 長門「…わかった」 キョン「!」 キョン「ありがとうございます!」 長門「修行は、厳しいものになる」 長門「覚悟して」 古泉、キョン「はい!」 みくる(わわわ…だ、大丈夫…かなぁ…私…) 797 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/02(火) 01:30:04.22 ID:JmBipUmrO 修行の場・長門の山小屋 みくる「ふぇ…随分、ここって…」 キョン「使い古されていますね」 長門「さっそく修行を開始する」 古泉「ついてすぐ、ですか?」 キョン「俺は一向ににかまわん」 801 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/02(火) 01:35:05.95 ID:JmBipUmrO 長門「一人ずつ相手をする」 長門「順番にかかってきて」 キョン「俺からいく」 古泉「どうぞ」 みくる「が…頑張ってください…」 長門「……」 キョン「よし…いくぞ!」 キョン・戦闘中 みくる「!!」 みくる「あぁ…っ」 みくる「痛そう…」 みくる「……み、見てられません〜〜!!」 802 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/02(火) 01:39:26.59 ID:JmBipUmrO キョン「……ぅうっ」 古泉「僕も瞬殺でした…」 長門「次は、あなたの番」 みくる「ひっ!」 みくる「無理ですぅ!私に、拳法なんてっ」 長門「問答無用」 805 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/02(火) 01:43:04.03 ID:JmBipUmrO 戦闘開始 みくる「ひゃ!」 みくる「わぁん!」 みくる「………っ」 みくる(でも、涼宮さんに会って世界をもとに戻すため…頑張らないと…) みくる「わ、私からも…攻撃、いきますっ」 長門「遅い」 みくる「ひゃああ!?」 みくる「返り討ちにあいましたぁ…」 みくる「ミスキャストですよぅ、これ…」 857 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/02(火) 18:40:34.81 ID:ZS/duZRi0 長門「…今日はこれだけにする」 みくる(ほ…) 長門「もう夕方になっている。夕飯の準備を」 みくる「あ、私やります!」 キョン「俺も手伝いますよ」 古泉「みんなでやりましょう」 長門「……」 古泉「メニューはなんですか?」 長門「…カレーライス」 860 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/02(火) 18:44:18.27 ID:ZS/duZRi0 夜 みくる「うう…今日は大変だった…」 みくる(でも明日からもまた頑張らなくちゃ。じゃないと、涼宮さんが…この世界が…) みくる(……すぴー…) 長門「……」 862 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/02(火) 18:47:33.21 ID:ZS/duZRi0 こうして、幾日も修行の日々が続いていった… 長門「違う。右手はこう。もう一回構えて」 みくる「はいっ!」 長門「…そう。よくなった」 長門「太陽が高い。休憩にする」 古泉「それじゃ、お昼を作りますね」 キョン「今日は古泉が当番か…」 古泉「おや、不満ですか?」 キョン「おまえの料理は塩辛い」 古泉「そうですか?普通だと思いますけどね」 キョン「味覚がおかしいんだろ。いいから早く作ってこいって」 863 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/02(火) 18:49:08.74 ID:ZS/duZRi0 みくる「……」 キョン「ん?」 みくる「えいっ」 長門「すぐに隙ができる。そこを狙われてしまう」 みくる「ふぇ、どうすれば…」 長門「ここから先はあなたが自分で考えるべき」 キョン「……」 長門「休憩をとることも大事な修行。今は、休んで」 みくる「はい…」 865 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/02(火) 18:52:59.74 ID:ZS/duZRi0 キョン「熱心ですね」 みくる「あ…見てました?」 キョン「ええ」 キョン「…はじめは何でこんな小動物みたいな人がって思いましたが…」 キョン「今は見違えるようです。まだまだ危なっかしい面もありますけど」 キョン「毎日頑張ってますからね」 みくる「キョンくんだって。キョンくんが一番頑張ってます」 長門「……」 867 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/02(火) 18:55:21.50 ID:ZS/duZRi0 みくる「…キョンくんはどうして、弟子入りしようと?」 キョン「!」 キョン「理由ですか」 キョン「…日常ってあるじゃないですか?」 みくる「はい」 キョン「いつも知らずに流れていくものだけど」 キョン「それがすごく大切だと思ったときがあった」 キョン「…妹が倒れたときに本当にそう思ったんです」 868 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/02(火) 18:57:13.91 ID:ZS/duZRi0 みくる「…」 キョン「だから、日常を守れる方法があるなら、やりたかった。こんなとこですかね」 みくる「………そう、ですか…」 古泉「ごはんですよー」 みくる「あ、はい!」 キョン「…朝比奈さんはどうなんですか?」 みくる「…え?」 みくる「……私も」 みくる「似たような理由です」 少し席を離れます 携帯電池なくなって…た… 873 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/02(火) 19:26:24.92 ID:ZS/duZRi0 夜、山小屋の外 みくる「……」 長門「もう寝たほうがいい」 みくる「!」 みくる「長門さん…」 みくる「長門さん、SOS団てどう思います?」 長門「どうとは?」 みくる「その…」 876 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/02(火) 19:30:04.13 ID:ZS/duZRi0 みくる「涼宮さんがいなければありえない団体」 みくる「涼宮さんがいなければ、出会わなかった私たち…」 みくる「それが今、涼宮さんのいない状態で、こうして共同生活している」 みくる「なんだか不思議だなって…」 長門「この世界は涼宮ハルヒによるもの。完全にいない状態ではない」 みくる「……そうでしたね…」 みくる「涼宮さんなき私たちなんてないんですよね」 みくる「私の…日常…か」 877 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/02(火) 19:32:49.27 ID:ZS/duZRi0 みくる「長門さん、SOS団は楽しいですか?」 長門「楽しい…?」 みくる「…あ…変なこと聞いちゃってすみません」 みくる「楽しいとか、本当は私たちにとっては関係ないことですよね。私たちは…」 みくる「私、寝ますね。夜中だから変なこと考えちゃうんだ」 長門「………」 878 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/02(火) 19:36:47.47 ID:ZS/duZRi0 翌朝・山小屋のなか 長門「今日は、技の修業をする」 古泉「よし、僕も今日こそ老狐の舞を覚えますよ」 「・・・…さまぁー」 キョン「ん?」 みくる「外からなにか聞こえますね」 男α「師範さま!!助けてください!」 古泉「!!市場の…」 879 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/02(火) 19:39:49.86 ID:ZS/duZRi0 男α「ウォンの町のならず者たちが、市場で好き放題してるんだ!!」 キョン「あいつらが!?」 男α「女たちや食物を…あいつら……」 男α「とにかく助けてほしいんです」 キョン「…俺がいく」 みくる「キョンくん!」 キョン「今は、俺だって強くなった。あいつらなんて簡単に倒せるさ」 長門「……」 881 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/02(火) 19:43:14.34 ID:ZS/duZRi0 長門「今のあなたでは無理」 キョン「何故!」 長門「今のあなたは、確かに彼らを倒せる力が付いた。しかし今のあなたが彼らを倒してもその恨みは市場の人 たちにかえってくる」 キョン「……」 長門「力に力で対抗しても意味がない」 長門「市場には私がいく。あなたたちはここで待っていて」 キョン「……」 キョン「わかった…」 882 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/02(火) 19:45:47.79 ID:ZS/duZRi0 男α「さ、こっちです」 長門「いま、いく」 みくる「あ…」 みくる「長門さん!」 長門「?」 みくる「お昼、今日は私が当番です。頑張ってつくるので、お昼までには戻ってきてください」 長門「わかった」 885 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/02(火) 19:51:06.11 ID:ZS/duZRi0 ・・・・ 古泉「竜虎両破腕!」 キョン「山猿拳!」 みくる「ご飯できましたよー」 古泉、キョン「はーい」 古泉「…師匠、遅いですね」 キョン「ああ…」 みくる「……」 886 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/02(火) 19:55:19.10 ID:ZS/duZRi0 古泉「力に力で、か…」 古泉「力を求めるだけなら、僕は弟子入りはしてませんね」 キョン「……」 カチャッ…… みくる「あれ、玄関の方で音がしませんでした?」 古泉「師匠でしょうか?」 古泉「見てきます。お皿並べててください」 みくる「はい!」 みくる「今日のカレーはたっぷり野菜の…」 888 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/02(火) 19:59:13.40 ID:ZS/duZRi0 古泉「うわぁぁあ…」 みくる、キョン「!?」 古泉「朝比奈さん!!キョンくん!!」 古泉「逃げて!逃げてください!!」 みくる「え?」 キョン「な…!?」 889 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/02(火) 20:05:45.84 ID:ZS/duZRi0 ならず者1「ぼろっちぃ小屋だなぁ、心山拳師範の家ってのは…」 キョン「おまえは…!!」 古泉「…う…」 キョン「古泉!大丈夫か!?」 古泉「大丈夫、不意討ちをくらっただけです…」 古泉「…市場にいたんじゃないんですか?」 ならず者1「いたけど、な…一足先にずらかってきたんだよ」 ならず者2「ちょーっとお宅に邪魔しようと思ってなぁ」 みくる「…!」 890 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/02(火) 20:08:16.70 ID:ZS/duZRi0 ならず者3「うまそーな匂いすんなぁ。カレーか今日は」 ならず者3「俺にも食べさせてよ、ひゃはは」 みくる「近づかないで!」 キョン「師匠に歯が立たないからって…」 キョン「俺たちの方へ来たんだな」 キョン「いいぜ。来いよ。今の俺ならおまえくらい倒せるんだ!」 みくる「き、キョンくん…」 ならず者1「ずいぶんと偉くなったなぁキョン…」 ならず者1「だがな、弟子入りしたのはおまえだけじゃないんだよ」 892 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/02(火) 20:13:27.87 ID:ZS/duZRi0 キョン「…?」 ならず者2「竹林の奥には、こことは比べものにならんほどでかい道場があるのを知っているか?」 ならず者2「義破門団。俺たちはそこに弟子入りしたんだ」 ならず者3「オディワン・リーさまなら長門なんて一発だぜ!」 ならず者2「黙っていろ」 ならず者2「とにかくな、今日はその挨拶がてら」 ならず者1「先輩たちにもたくさん来てもらったんだよ…」 みくる「な……」 キョン「……!!」 893 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/02(火) 20:19:43.54 ID:ZS/duZRi0 門下生@「ひょーう!ここが心山拳の総本山かよーっ」 門下生A「カレーくさいとかウケる」 門下生B「おいおいおい女がいるぜおいおいおい」 門下生C「新しい技試してみたかったんだ」 キョン「卑怯だ…」 ならず者3「ふひひ…」 ならず者1「どんなことをしても、勝ったほうが強いんだよ」 ならず者1「さあ!やっちゃってください!!」 古泉「そうはさせません!」 894 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/02(火) 20:24:06.06 ID:ZS/duZRi0 古泉「僕はここに来て本当に楽しかった…」 古泉「ここの生活が」 古泉「壊させてなるものか!」 門下生A「ハハハ!」 みくる「古泉くん!」 門下生B「おっと!こっちだぜ!」 みくる「!」 みくる「きゃあああ!!」 897 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/02(火) 20:27:39.72 ID:ZS/duZRi0 みくる「………」 みくる「………う…」 みくる「…ハッ…」 みくる「キョンくん!古泉くん!」 長門「落ち着いて」 みくる「長門さん!?」 みくる「わ、私…」 長門「あなたは小屋のすぐそばで倒れていた」 長門「全身怪我だらけで」 みくる「う、ウォンの町のならず者たちが!」 みくる「たくさん仲間を…義破門団とかいう人たちを連れて…襲ってきて…」 898 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/02(火) 20:30:50.69 ID:ZS/duZRi0 〈みくる「きゃあああ!」〉 〈キョン「朝比奈さん!」〉 〈キョン「竜虎両破椀!」〉 〈古泉「キョンくん、朝比奈さんをつれて逃げてください!」〉 〈古泉「僕もすぐに行きます!」〉 〈門下生「そうはさせるか!」〉 〈キョン「うおおお!」〉 〈キョン「朝比奈さん…あなただけでも……っ」〉 みくる「私を…守って……」 みくる「二人は…キョンくんと古泉くんは…!?」 長門「……」 長門「隣の部屋」 900 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/02(火) 20:34:16.47 ID:ZS/duZRi0 長門の山小屋・道場 みくる「キョンくん、古泉くん!」 みくる「ふたりとも、大丈夫ですか!?」 みくる「………?」 みくる「……!」 長門「…私が戻ってきたとき」 長門「息をしていたのはあなただけだった」 みくる「……い……や…」 みくる「古泉くん!キョンくん!!キョンくぅん!!」 みくる「いやあああ…!!」 901 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/02(火) 20:36:31.66 ID:ZS/duZRi0 山の上・・二人の墓 みくる「………」 長門「………」 長門「…………………」 長門「あなたに、見てほしいものがある」 みくる「…?」 長門「これから私のすることをよく見ててほしい」 903 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/02(火) 20:40:27.25 ID:ZS/duZRi0 長門「息遣い…間のとり方…」 長門「その一挙手一投足を」 長門「しっかりみて…焼き付けて」 みくる「……!!」 心山拳 奥義 旋 牙 連 山 拳 みくる「これ…は…」 長門「これが心山拳究極奥義、旋牙連山拳」 909 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/02(火) 21:03:19.93 ID:JmBipUmrO 規制食らったので携帯から 充電完了してないけど 長門「今のあなたにはきっとできない」 長門「だけど一度見ておけば、あなたならいつかできるようになる」 みくる「そんな…」 長門「……」 みくる(長門さん…) みくる「はい、必ず…!!」 長門の山小屋 長門「今日は、もうゆっくり寝て」 みくる「はい…わかりました」 910 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/02(火) 21:08:33.30 ID:JmBipUmrO みくる(キョンくん、古泉くん…) みくる(義破門団…オディワン・リーと言っていた…) みくる(……) ギシ… みくる(…物音?) みくる「長門さん?」 みくる「…?」 みくる「長門さん…」 みくる「いない…どこにも…」 みくる(義破門団…竹林の奥…) みくる「まさか、長門さん…!!」 912 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/02(火) 21:11:46.13 ID:JmBipUmrO 義破門団総本山 門番「なんだぁ?ここはお前みたいな女の子がくる場所じゃねーよ?」 長門「あいにく、私は用がある」 門番「なら、俺を倒してからいくんだな!」 長門「……」 ゴキャゴキャ 門番「お通りください……」 師範代「なんだ?騒がしいな…」 914 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/02(火) 21:13:50.37 ID:JmBipUmrO 師範代「あ…!あれは、心山拳師範!」 師範代「いけ!奴の首をとったものは格上げだぞ!!」 門下生たち「うおおお!!」 みくる「…えい!!」 ぽかぽか 門下生「いてっ」 長門「…!!」 915 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/02(火) 21:15:32.07 ID:JmBipUmrO みくる「長門さん…私だって戦えます」 みくる「キョンくんも…古泉くんも…」 みくる「私を守って…」 みくる「………足手まといかも知れないけれど…私にも戦わせてください!」 長門「……」 長門「覚悟して」 みくる「はいっ!」 門下生たち「どうでもいいよ!やっちまえ!」 917 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/02(火) 21:17:54.39 ID:JmBipUmrO 長門「……」 みくる「負けません!!」 ゴギュゴギャ ぽかぽかてーてー ゴキャっ 門下生たち「う……お……」 師範代「ひぃぃっ」 義破門団員「虎だ!虎を放て!!」 ガオオオ… 長門「…っ!!」 みくる「あ、長門さん!」 920 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/02(火) 21:19:40.95 ID:JmBipUmrO みくる「えいっシマリス脚!」 ガオ… みくる「わ、わぁ…」 みくる「倒しちゃった」 義破門団員「畜生!!」 義破門団員「奥の扉のリーさまのところには行かせない!行くぞ!」 長門「…老狐の舞」 シュッグイグイ ゴキャゴキャ 義破門団員「ぐわぁ……」 923 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/02(火) 21:22:33.43 ID:JmBipUmrO みくる「やっぱり長門さんは強いです…」 長門「……っ、…」 みくる「長門さん…?」 みくる「ま、まさかさっきの虎にやられた傷が…」 長門「平気」 長門「それより、扉の奥へ」 924 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/02(火) 21:25:35.32 ID:JmBipUmrO 扉の奥・大広間 リー「ふふふ…」 リー「ようこそ、心山拳師範…」 みくる「あ、あなたが…」 みくる「あなたが、オディワン・リー!!」 リー「お初にお目にかかる……」 リー「死に損ないの半人前とよくここまで来た。」 リー「さすがは心山拳師範。尊敬に値する」 926 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/02(火) 21:27:40.36 ID:JmBipUmrO 長門「私の弟子たちを可愛がってくれた」 長門「お礼に、あなたの弟子たちも可愛がっておいた」 リー「フハハハ…!!」 リー「面白い。いや…」 リー「あれは 門下生達でね。束にならなければ、何も出来ない連中だ」 リー「その非をわびる意味でも義を持って接しよう」 930 名前: ◆tnfs5cJy3U [また規制] 投稿日:2008/12/02(火) 21:31:30.95 ID:ZS/duZRi0 リー「私と師範、一対一。正々堂々と勝負をしようではないか?」 長門「…了解した」 みくる「長門さん…」 リー「ふふふ…では、こちらから…行かせてもらおうか」 長門「!」 ???「キェェェッ」 みくる「え!?」 ザンッ 長門「…つっ…!!」 932 名前: ◆tnfs5cJy3U [ていうかあと70か] 投稿日:2008/12/02(火) 21:34:38.92 ID:ZS/duZRi0 リー「フハハハ…!」 リー「ご紹介が遅れて すまない。そやつらはソウズ、マンズ!」 リー「暗殺拳の使い手であり、常に私の後ろに位置する者達。」 リー「そやつらに反逆され、私自身も暗殺されるやも知れぬ…それゆえ、私はスキが出来ぬという事だ!」 リー「我ら義破門団は仲間ではない。同門だが信頼はない…」 リー「真の強さとは…そこまでせねば求められんものなのだ。」 みくる「っ、そんな…」 935 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/02(火) 21:36:51.31 ID:ZS/duZRi0 長門「……」 長門「聞いて…」 みくる「は、はい」 長門「彼らふたりは私が相手をする。だから、あなたはオディワン・リーと…」 みくる「ええっ!?そんな、無理です…」 長門「あなたならできる。二人の墓前で見せた私の動きを思い出して」 みくる「…!!」 937 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/02(火) 21:43:19.26 ID:ZS/duZRi0 みくる(キョンくん、古泉くん…) 〈キョン「いつも知らずに流れていくものだけど」〉 〈キョン「それがすごく大切だと思ったときがあった」〉 〈キョン「だから、日常を守れる方法があるなら、やりたかった。こんなとこですかね」〉 〈古泉「力を求めるだけなら、僕は弟子入りはしてませんね」〉 〈古泉「僕はここに来て本当に楽しかった…」〉 〈古泉「ここの生活が」〉 〈古泉「壊させてなるものか!」〉 〈長門「これから私のすることをよく見ててほしい」〉 〈長門「息遣い…間のとり方…」〉 〈長門「その一挙手一投足を」〉 〈長門「しっかりみて…焼き付けて」〉 みくる「わかりました…私、やります!!」 939 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/02(火) 21:49:33.52 ID:ZS/duZRi0 リー「!?」 リー「貴様が私の相手!?」 リー「師範ではなく貴様が!?」 リー「私の門下生にも歯が立たなかった、死にぞこないの貴様が…」 みくる「……私は確かに弱いですが」 みくる「キョンくんと古泉くんは強かったです」 リー「世迷い言を…」 みくる「いいえ!肉体的には負けたかもしれないけれど、違うところがずっとずっと強かったです!!」 リー「くだらん戯れ言だ」 みくる「まだ、それがなにかわからないんですか?」 みくる「心です!!!」 941 名前: ◆tnfs5cJy3U [書き込めるかな] 投稿日:2008/12/02(火) 21:56:28.86 ID:JmBipUmrO 姉がpcの後ろにいて離れようとせず、普通に画面見てくるので別の部屋に避難しました。携帯でがんばります リー「フ…」 リー「ならば見せてもらおう、その心とやらを」 みくる(キョンくん、古泉くん…) みくる(それに、涼宮さん!力を貸して…) みくる、長門「心山拳 奥義……」 リー「所詮付け焼き刃よ…!」 みくる、長門「 旋 牙 連 山 拳 !!!」 943 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/02(火) 22:00:22.00 ID:JmBipUmrO リー「ぐ……」 リー「この…私が…」 リー「こんな…小娘に…」 リー「負ける…とは……」 リー「………」 みくる「や…」 みくる「やったぁ…っ奇跡です…!」 みくる「長門さん!私、やりました!」 みくる「長門さん…?」 945 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/02(火) 22:06:49.09 ID:JmBipUmrO 長門「………」 長門「…思ったよりも深手を負った」 長門「二人は、倒した…それは心配ない」 みくる「すぐ帰りましょう!薬草も…竹林で採ってきます」 長門「その必要はない」 長門「………」 946 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/02(火) 22:10:25.35 ID:JmBipUmrO 長門「………」 長門「…思ったよりも深手を負った」 長門「二人は、倒した…それは心配ない」 みくる「すぐ帰りましょう!薬草も…竹林で採ってきます」 長門「その必要はない」 950 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/02(火) 22:13:02.00 ID:JmBipUmrO 長門「………」 長門「前にあなたがいったこと…」 長門「SOS団は…私にとってどうかと…」 みくる「今はしゃべらないほうが…」 長門「……あなたは…SOS団にいて……とても楽しそう」 みくる「………」 みくる「長門さんは…?」 長門「………私は……」 952 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/02(火) 22:19:24.35 ID:JmBipUmrO 長門「…………………」 みくる「長門さん…?」 みくる「…!?」 みくる「な…長門さん!!」 みくる「そんな……」 みくる「いや…」 みくる「長門さん……!!」 みくる「有希………!!!」 956 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/02(火) 22:24:43.30 ID:JmBipUmrO ──… ウォンの町 「あ!師範さまだ!」 「本当だ、ありがたやありがたや」 みくる「こんにちわ」 みくる(長門さん、キョンくん、古泉くん…) みくる(なんだか町の人にこんなふうに呼ばれるのは慣れないです…) みくる(でも……) 958 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/02(火) 22:27:13.03 ID:JmBipUmrO みくる(私、強くなっている気はします) みくる(体じゃなくて…) みくる(心が…) みくる(はやくもとの世界の、楽しい日常を) みくる(取り戻さなくちゃいけませんね) みくる(ね?長門さん…)   功 夫 編  『 伝 承 』   ──劇終── 968 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/02(火) 22:32:55.03 ID:JmBipUmrO スレ内に納まってよかった!カットしまくりんぐでした 次は、みなさんの予想通り、近未来編、主役古泉です。 5 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/03(水) 22:52:24.45 ID:P5jySRYdO ・涼宮ハルヒがLIVEALIVEにはまって作り出した世界 ・世界のどこかにいるハルヒを探しだし夢だと悟らせれば元の世界に戻れる ・高原の知力は25 8 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/03(水) 23:00:16.02 ID:P5jySRYdO ピヨピヨ… ピヨピヨ… 古泉「ん…?」 古泉「ここは……?」 ピヨピヨ… 子ども「わーいわーい」 古泉「どこかの公園のようですね」 古泉「…どこかで見たことあるような…」 12 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/03(水) 23:07:06.09 ID:P5jySRYdO 子ども「……」 古泉「ん?僕に何か用ですか?」 子ども「別に!なんでもないもん!」 古泉「はぁ……」 子ども((こいつがママの言ってた人さらいかもしれない…)) 古泉「…?」 15 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/03(水) 23:12:53.58 ID:P5jySRYdO 子ども((僕を見てる!今日はもう帰ろう)) 古泉「頭に声が…」 古泉「……まさか…」 ?「ヒャッハァア!そこを動くなよ、優男!」 古泉「!!」 18 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/03(水) 23:18:13.79 ID:P5jySRYdO どくろメットを被った男1「ファ〜キュ〜っ!」 古泉「あの人たちは…」 メットの男2「ホホーウ!」 古泉「……」 メットの男3((こいつを連れていけば今日のノルマ達成だぜ!)) 古泉(やはり…これは心の声!) 22 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/03(水) 23:24:32.57 ID:P5jySRYdO 古泉「あなたたちのノルマには付き合ってる暇はありませんよ」 メットの男「何を!?」 ドドド… 古泉(バイクの音!まさか…) 古泉「な、長門さん!」 長門「……」 37 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/03(水) 23:32:00.58 ID:P5jySRYdO 長門「……」 メットの男3「なんだおまえは!?」 メットの男2「もういい、ふたりともやっちまえ!」 古泉「喧嘩は…苦手なんですけどね…!」 メットの男「死ねぇ〜!!」 41 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/03(水) 23:36:23.23 ID:P5jySRYdO 古泉「出来るでしょうかね…見ようみまねというか」 古泉「ストリートイメージ!!」 メットの男1「ぐわっ…!」 長門「……」 ドガァッ! メットの男2「こいつら、強い…」 メットの男1「に、逃げるぞ!!」 42 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/03(水) 23:40:32.67 ID:P5jySRYdO …… 古泉「助かりました、長門さん」 長門「……」 古泉「それで、ここは…」 長門「涼宮ハルヒの作り出した世界」 古泉「やはり。LIVEAlIVEですね?先日はまってらっしゃいました」 古泉「僕も言われるままやってみましたよ。ここは、近未来編ですね」 45 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/03(水) 23:46:19.19 ID:P5jySRYdO 古泉「僕は主人公のアキラ役。あなたは…無法松、ですか」 長門「シナリオ自体はほとんど変わっていない。物語に沿っていけばクリアできる」 古泉「変わっていない?そうでしょうか」 古泉「この物語のキャラクターはいわゆる熱いキャラです。それがストーリーに非常にマッチしている」 古泉「それが今はさわやか好青年と美少女無口キャラです。これだけでシナリオは変わらざるを得ないでしょう」 47 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/03(水) 23:49:47.92 ID:P5jySRYdO 長門「………」 長門「それでも話の大筋は大体同じ」 長門「ゲーム内のどこかにいる涼宮ハルヒを捜し出すことが私たちの目的」 長門「しかし、ここに涼宮ハルヒの気配はない」 古泉「そうですか…」 古泉「………では、さっさとクリアして他のシナリオへ行ったほうがよいのですね」 古泉「それでは、シナリオ通り、“僕の家”へ帰るとしますか」  近 未 来 編  『 流 動 』 53 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/03(水) 23:54:20.89 ID:P5jySRYdO 施設 ちびっこハウス・入り口庭 古泉「この世界で僕は、親を亡くした孤児」 古泉「心を読める超能力者でもあり、不良でもあります」 長門「…」 古泉「さて、送ってくれてありがとうございました。バイク姿、意外に似合ってますよ」 長門「……」 57 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/03(水) 23:59:48.88 ID:P5jySRYdO 長門「私たち以外にもとの記憶を持っている人はいない。注意して」 古泉「そうですか。肝に銘じておきます」 長門「……それじゃ」 ブゥン… 古泉「…行ってしまいましたね」 古泉「さて、中にはいりましょう」 59 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/04(木) 00:04:54.51 ID:yHZ09f0dO ちびっこハウス内 みくる「おかえりなさい、古泉くん、…きゃ!」 みくる「また喧嘩してきたんですか!?もう…」 みくる「その汚れたシャツ、脱いでください。洗濯します」 古泉「は、はぁ…」 62 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/04(木) 00:07:53.95 ID:yHZ09f0dO みくる「あんまり危険なことしないでくださいね」 古泉「……」 みくる((また、洗濯もの増えちゃった…)) 古泉「…ふむ」 古泉(本当にもとの世界の記憶はないみたいだ) 古泉(それと…集中し、なおかつ頭を空にすれば心が読めるみたいですね) 子ども「あ!古泉!」 古泉「…!」 63 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/04(木) 00:12:12.42 ID:yHZ09f0dO 古泉「た、谷口くん?」 谷口「もうすぐプロレス始まるぜ。テレビの前に集合だ!」 国木田「そうやって、いつもテレビの前に居座ってるから、僕が見えないんだよね…」 古泉「ミサワ…ですか?」 谷口「そう!あいつはやる男だぜ!ああ血が燃えたぎる!」 65 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/04(木) 00:17:19.43 ID:yHZ09f0dO 朝倉「一番前の席は、私がとったから、だめよ」 古泉「…!」 古泉(これは…なんというか) 古泉(こども姿のみなさんは新鮮というか珍しいというか) 古泉(特に朝倉さんは…) 古泉(…そういえば、『アキラ』には妹がいたはず) 67 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/04(木) 00:23:16.61 ID:yHZ09f0dO ちびっこハウス・妹の部屋 キョンの妹「……」 古泉「!」 キョン(今は古泉の)妹「あ、お兄ちゃん」 古泉(新鮮ですね本当に) 妹「シャミセンが…」 妹「もうほとんど動かないの…」 妹「死んじゃうのかな」 妹「死ぬって怖いのかな」 古泉「……」 70 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/04(木) 00:26:33.42 ID:yHZ09f0dO 古泉「……」 妹((シャミセンが死んでも…)) 妹((シャミセンの…心は死んだりしないもん…)) 古泉「大丈夫、すぐに治してあげれますよ」 妹「本当!?」 古泉「ええ、本当です」 古泉(あそこへ行けば…) 72 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/04(木) 00:29:16.75 ID:yHZ09f0dO 鶴屋商会 鶴屋「おぉ〜古泉くんじゃないかっ元気かいっ?」 古泉「元気だよっ」 鶴屋「………」 古泉「………」 鶴屋「元気かい?」 古泉「まあまあってとこです」 鶴屋「よかった。いつもの古泉くんで安心したよっ」 75 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/04(木) 00:33:58.07 ID:yHZ09f0dO 鶴屋「ところで、今日は何の用だい?」 古泉「実は………」 鶴屋「それは大変にょろ!」 鶴屋「この天才発明家・鶴屋さんに任せなさい!きっと何とかするよっ」 77 名前: ◆tnfs5cJy3U [>>76そうです] 投稿日:2008/12/04(木) 00:38:50.87 ID:yHZ09f0dO 鶴屋「外はどくろメットのクルセイダーズって奴らが徘徊してて大変だから、この転送装置を使って帰るといいよっ」 古泉「ははは、遠慮しますよ」 古泉(その転送装置は失敗品ですからね…それで黒焦げになるのはキョンくんの方が似合います) 81 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/04(木) 00:47:18.94 ID:yHZ09f0dO ちびっこハウス・妹の部屋 鶴屋「やっほーみんなっ!お待たせ!」 鶴屋「転送装置は調子が悪いから歩いてきたよっ」 古泉「髪の毛が少し焦げてますね」 鶴屋「そんなことないにょろ〜」 妹「シャミセンを治してくれるの?」 鶴屋「当たり前さ!さぁ、シャミセンくんを貸して!」 84 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/04(木) 00:52:19.99 ID:yHZ09f0dO シャミセン「にゃあ…」 鶴屋「こいつは重体だね。さて、それじゃあ早速このシャミセンくんを液化還元し…」 鶴屋「このメタルスーツに投入して、液化アンドロイドとして生まれ変わらせよう!」 妹「えきかアンドロイド??」 古泉「…………」 87 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/04(木) 00:57:35.42 ID:yHZ09f0dO パリパリパリッ ジャー ドーン にょろーん 鶴屋「………」 古泉「鶴屋さん、黒焦げですけど」 鶴屋「大丈夫…ゴホッゴホッ、成功したにょろ!」 妹「やったぁ!」 古泉「……これは…なんとも」 90 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/04(木) 01:01:01.45 ID:yHZ09f0dO 古泉(映像で見せられなくて残念というか、見なくて正解というか) 古泉(とにかく、猫の体がメタリックになり、二足歩行を始めたところを想像してほしいです) 鶴屋「科学の力は偉大だね!…ん?」 鶴屋「………!」 古泉「………?」 92 名前: ◆tnfs5cJy3U [シャミしゃべりかた違かたらごめん] 投稿日:2008/12/04(木) 01:03:52.23 ID:yHZ09f0dO 鶴屋((ひょっとすると、ブリキ大王も同じ仕組みで…)) 鶴屋「それだ、それだよ!」 古泉「………」 古泉「行ってしまった」 妹「シャミ…」 シャミ「………フ…」 シャミ「君に、感謝するとしよう」 古泉「!」 93 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/04(木) 01:07:35.94 ID:yHZ09f0dO 妹「シャミ、しゃべれるの!?」 シャミ「何を言う、今までだって喋っていただろう?」 シャミ「君がそれを言葉と認識しなかっただけの話だ」 妹「じゃあ今度からいっぱい話できるね!」 シャミ「ああ、だが、私にはやるべきことがあるようだな…」 シャミ「一先ずこの古泉についていくとしよう」 古泉「はぁ…恐縮です」 妹「そうなの…頑張ってね!私、待ってる」 95 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/04(木) 01:10:20.03 ID:yHZ09f0dO 鶴屋商会 古泉「あれ?鶴屋さんは…?」 鶴屋商会・地下 古泉「!!」 鶴屋「あれ、古泉くん」 古泉「これは…この巨大ロボットは」 97 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/04(木) 01:14:53.58 ID:yHZ09f0dO 鶴屋「これがかのブリキ大王さ。この古代ロボットは、念力の力で動かされていたのだっ」 鶴屋「とはいえ現代ではこれを動かすほどの力を持っているのは液体人間くらいにょろ」 鶴屋「液体人間とは、液化され物質的な力が弱まり、変わりに精神力が特化された人間」 シャミ「ふむ、精神力か。だから私の言葉が皆に認識されるようになったのだな」 シャミ「気持ちが通じるようになったのだ」 98 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/04(木) 01:18:12.57 ID:yHZ09f0dO 鶴屋「おぉ…っ」 鶴屋「猫は霊的な力がもともと強いにょろ。だからこんなにはっきり喋れるんだね!」 鶴屋「とにかく、このブリキ大王を動かす手は2つ!」 鶴屋「超能力を使うか、液体人間を注入するか、どちらかなんだ」 古泉(…ここで僕が動かせたら…) 古泉(シナリオは変わるのだろうか?) 古泉「僕、やってみます」 102 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/04(木) 01:22:50.45 ID:yHZ09f0dO 鶴屋「……キミがかい?」 鶴屋「うーん…まあ、やってみなよ!」 古泉(僕は『アキラ』とは違う能力も持っている…それが発揮できれば) 古泉(あれは限定された能力ですが) 古泉(これも、涼宮さんの作った、閉鎖的な空間には違いないのだから) 106 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/04(木) 01:26:53.39 ID:yHZ09f0dO ブリキ大王内部 鶴屋「さあ、そこのレバーを」 古泉「はい…」 古泉「………」 ドドドドドド…… 古泉「………!!」 ゴゴゴゴゴゴ…… 古泉「ふんもっふ!!!!」 カーン 鶴屋「……やっぱり。無理だったね」 古泉「………」 108 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/04(木) 01:30:03.17 ID:yHZ09f0dO 鶴屋「もっと強い力を出さなきゃダメなんだ。まあ気を落さないで。キミに素晴らしい力があることには変わりないんだからさっ」 古泉「そうですね…」 古泉(やはり無理だったか…) 165 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/04(木) 21:03:05.14 ID:yHZ09f0dO たい焼きやさん 老人「ちょーだいな」 長門「…一万円」 老人「あれ?」 老人「値上がりした?」 老人「まあいいか」 すぐ落ちますが、みなさんパンツが好きみたいなのでパンツのくだり投下します。 166 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/04(木) 21:05:56.18 ID:yHZ09f0dO ちびっこハウス みくる「古泉くん、お帰りなさい。みんなお昼寝中だから静かにしてくださいね」 みくる「あ、洗濯ものできたみたい。干さなくちゃ」 古泉「…。」 古泉「ちょっとトイレにでも行きますか」 169 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/04(木) 21:09:40.07 ID:yHZ09f0dO ちびっこハウス・洗面所 谷口「あ!」 谷口「な、なんだ、古泉か」 古泉「今はお昼寝中では?」 谷口「お昼寝なんてしてられるかよ!」 シャミ「…彼は何か隠しているようだ」 古泉「そうですか?わかりました。…………」 谷口((ぱんつ持ってるの、ばれないようにしなくちゃな…)) 170 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/04(木) 21:14:36.43 ID:yHZ09f0dO 古泉「パンツ?」 谷口「!!!!」 古泉「……………」 谷口((朝比奈さんのぱんつ持ってるってなんでばれたんだ…)) 古泉「何をやってるんですか君は…返してきなさい」 谷口「ばれては仕方ない…古泉にもやるよ」 古泉「いりませんよ」 171 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/04(木) 21:16:21.82 ID:yHZ09f0dO 谷口「なんでだ?ホモなのか?」 古泉「さわやか好青年に女性のパンツは似合わないからですよ」 谷口「うそつけ、本当は欲しいんだろ!」 古泉「そうですねぇ。僕は中身のが好きです」 谷口「なんだよ中身って。ぱんつは布切れだろ」 古泉「大人になったらわかります」 古泉(まあ彼は中身よりパンツ派かもしれませんが) 172 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/04(木) 21:21:11.88 ID:yHZ09f0dO 谷口「くそ…国木田は捕まってないといいけどな」 古泉「共犯者もいるんですか…」 みくる「きゃああああ!!」 古泉「……!!!」 谷口「く、国木田がつかまったか!?」 古泉「いや、今の声は…」 古泉「あなたはここで待っていてください」 173 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/04(木) 21:26:44.34 ID:yHZ09f0dO ちびっこハウス・庭 古泉「朝比奈さん!!」 みくる「こ、古泉くん!来ちゃダメです!!」 古泉(メットの男…クルセイダーズ!!) 国木田「はなしてよ!!」 古泉(国木田くん…本当に捕まっているなんて!) 古泉「朝比奈さん、さがって!!」 196 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/05(金) 06:07:37.90 ID:uP/WKDdZO クルセイダーズ1「ふん…!」 クルセイダーズ2「ずらかるぜ!!」 古泉「あ…!」 国木田「いやだっ離して〜!」 みくる「国木田くん!!!」 みくる「国木田くん…っ!!」 197 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/05(金) 06:09:18.26 ID:uP/WKDdZO ドドド… 古泉(このバイクの音は…) 長門「…何事?」 みくる「長門さぁん!」 みくる「国木田くんが…クルセイダーズにさらわれちゃったんです!」 長門「わかった」 古泉「僕も行きます!」 古泉「シャミセン、あなたも!」 シャミ「盛り上がってきたんじゃないか」 198 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/05(金) 06:13:05.00 ID:uP/WKDdZO 倉庫街 国木田「た、助けて…!」 長門「……」 クルセイダーズ「……!」 クルセイダーズ「くそ…」 古泉「詳しく状況説明しましょう。あなたたちの後ろは海です。逃げ場はありません」 クルセイダーズ1「うるせぇよ畜生!」 クルセイダーズ2「なんなんだおまえは!いつもいつも邪魔しやがってぇ!」 199 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/05(金) 06:17:53.61 ID:uP/WKDdZO クルセイダーズ3「殺してやる!」 長門「…やれるものなら」 バキィッ クルセイダーズ2「ぐわっ…メットにひびが…!」 古泉「ホーリーブロウ!」 ガッ クルセイダーズ3「うぐっ…」 古泉「まだやります?勝ち目がないのはわかっていると思いますが」 国木田「す、すごい…」 200 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/05(金) 06:19:01.26 ID:uP/WKDdZO クルセイダーズ1「くそ…」 長門「誘拐の目的を言えば、このままあなたたちを解放してやってもいい」 クルセイダーズ「………フン」 古泉「………」 クルセイダーズ((言えるわけないだろ…)) クルセイダーズ((筑波の研究所へ2000人連れていかなくちゃ…)) クルセイダーズ((あの陸軍統帥に…)) 古泉「………」 201 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/05(金) 06:21:12.83 ID:uP/WKDdZO 古泉(このまま行くと……………) 古泉(やはり…シナリオは変わらないのか…) 長門「…?」 古泉「いえ…」 古泉「筑波がどうとか言っていました。近くに筑波研究所がありましたね。さらわれた人はみんなあそこへ行くみたいです」 長門「…そう」 長門「………」 古泉「…ふふ…」 長門「?」 202 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/05(金) 06:22:22.36 ID:uP/WKDdZO 古泉「すぐ近くの未来が見えているのは厄介なものですね。迷いが生じてしまう」 古泉「朝比奈さんが情報を知らされない理由がよくわかります」 国木田「僕のこと忘れてない?」 古泉「忘れてませんよ」 古泉「クルセイダーズのみなさん、二度とあわなければよいですね。お互いのために」 クルセイダーズ「チッ…」 古泉「帰りましょう」 シャミ「にゃん」 257 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/05(金) 23:58:33.49 ID:uP/WKDdZO ちびっこハウス 国木田「ただいま!」 みくる「国木田くん!よかった…よかったぁ」 谷口「おお国木田!あともう少ししたら俺も助けに行くところだったが、早かったな」 朝倉「捕まっちゃうのはちゃんとお昼寝してないからよ…ばか」 国木田「でも、全然怖くなかったよ。本当だよ」 みくる「あ、ありがとうございます、長門さん…」 長門「……」 260 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/06(土) 00:03:50.87 ID:/usI1k2MO みくる「長門さん?」 長門「…用があるから、私はもう行く」 みくる「そんな、お礼をさせてください!」 長門「かまわないで」 長門「……それじゃ」 古泉「………」 261 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/06(土) 00:08:50.58 ID:/usI1k2MO シャミ「君も行くのだろう」 古泉「…ええ」 古泉(以前の僕だったら迷わなかったでしょう) 古泉(しかし…) シャミ「誘拐犯の総本山に乗り込むのではないのか?」 古泉「…行きますよ」 シャミ「では、ゆこうではないか。悪をつぶすためにな」 シャミ「筑波へ…!」 古泉(もう…シナリオは動いている) 古泉(行くしかないんだ) 262 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/06(土) 00:12:57.14 ID:/usI1k2MO 筑波研究所 ガードマン「なんだね君は?研究所に何か用か?アポはとってあるのか?」 古泉「アポはありませんが」 古泉「用ならあります!」 ガードマン「な、なんだ君は!」 古泉「フレイムイメージ!炎に焼かれてください!」 ガードマン「ぐわぁあ…!」 シャミ「…誘拐犯と放火魔の戦いになるのか、これは」 古泉「あれはイメージですよ、幻影です。実際の炎ではありません。超能力です」 古泉「さて、中にはいりますよ!」 265 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/06(土) 00:19:38.21 ID:/usI1k2MO 研究所内・ クルセイダーズ「!!!」 古泉「あなたたちは…!」 シャミ「ほう、ここがやつらの巣なのか」 クルセイダーズ1「ばれたらしかたねぇ、やっちまえ!」 クルセイダーズ2「長門のいないおまえなんて簡単にやれるぜ!」 古泉「僕だってそう簡単にやられません」 クルセイダーズ2「うおおーっ!」 267 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/06(土) 00:23:56.69 ID:/usI1k2MO クルセイダーズ2「うおおーっ!」 バキィっ クルセイダーズ2「ぐはっ…」 長門「……」 古泉「長門さん!」 クルセイダーズ「き、きやがった!!」 クルセイダーズ3「か、かまうもんか!やっちまえ!!」 269 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/06(土) 00:32:59.79 ID:/usI1k2MO 古泉「ホーリーブロウ!」 シャミ「猫パンチ!」 クルセイダーズ1(猫派)「それには弱いにゃー」 長門「……」 バキバキバキィッ! クルセイダーズ2「ぐ…は…っ」 クルセイダーズ3「く…そ…っ」 クルセイダーズ「いやだ…このままでは…おれたち…も…」 バタンッ 270 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/06(土) 00:37:19.67 ID:/usI1k2MO 古泉「倒れちゃいましたね」 古泉「何度やられれば気が済むんでしょうか」 長門「…」 長門「真正面から乗り込むのは愚かな行為」 古泉「そうですか。いくらゲームとはいえ、女の人が1人で乗り込むのも危険な行為ですよ」 古泉「訂正します。いくら長門さんとはいえ、ですね」 長門「……」 古泉「一緒に行きましょう。クルセイダーズには裏で操る組織があるはず。これからが本番のはずですよ」 272 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/06(土) 00:41:11.47 ID:/usI1k2MO 研究所・奥 古泉「ガードが急に手薄になりましたね」 古泉「書かれていませんが先程まではガードマンやドーベルマンやらと戦ったりして大変でした」 古泉「しかしここは…雰囲気も違う」 長門「…油断はしないで」 古泉「わかってますよ」 古泉「………」 274 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/06(土) 00:47:21.12 ID:/usI1k2MO 古泉「長門さん、あなたはシナリオを知っているんですよね?」 長門(コクリ) 古泉「そうですか…いえ、なんでもないです」 古泉(もしもキョンくんが僕と同じ立場にいたとしたらどうしますかね) 古泉(…そういえば、ここにキョンくんはいないみたいだ) 古泉(あなたがいれば、何か変わるかもしれない…) 275 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/06(土) 00:51:43.35 ID:/usI1k2MO シャミ「この扉はなんだ?開かないが…」 古泉「どれどれ…パスワードがいるみたいです」 古泉「きっとどこかに知っている人がいるはず。聞いてみましょう」 シャミ「正面から聞いて教えてくれる奴がいるというのか?」 古泉「おや、僕の能力をお忘れですか?」 長門「あそこの部屋にならいける」 278 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/06(土) 01:20:42.50 ID:/usI1k2MO 研究所・奥・液体人間研究室 コポ… コポポ…… 研究員・女「……」 研究員・男「……」 古泉「異常ですね…」 古泉「僕達がいるのに、気付かないほど研究にのめりこんでいる」 長門「……」 古泉「この天井までのびた巨大な水槽に入っている、黄色い液体は…」 281 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/06(土) 01:28:45.11 ID:/usI1k2MO シャミ「我輩は液化アンドロイドだが、この黄色い液体も同じように液化された存在だな」 シャミ「ただ、これは人間が液化されている」 長門「……」 古泉「本当にこれが人間なのか…」 シャミ「精神力のかたまりのようなものだ。おまえの能力で彼らとコンタクトとれるやもしれん」 古泉「やってみます」 282 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/06(土) 01:35:49.33 ID:/usI1k2MO 古泉「………」 コポポ… ((タ…・・タスケテ・・…)) 古泉「…」 コポ… コポポ… シャミ「どうだった?」 296 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/06(土) 06:16:09.63 ID:/usI1k2MO シャミ「どうだった?」 古泉「…あなたが今の自分の状態に満足してるかが気になりました」 シャミ「あの子も、そしてお前も、我輩を必要としていたからな」 シャミ「それに我輩は自分の体の一部もつかってもらっているし」 シャミ「然るべき時が来たら、然るべき措置をしてもらうさ」 長門「………」 古泉「そう、ですか」 コポポ… 古泉「……」 297 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/06(土) 06:16:36.16 ID:/usI1k2MO シャミ「しかしこの量は…一人分ではないな。何人もの液化された人間がここに入っている」 ((タ…・・タスケテ…)) シャミ「一体どうするつもりなんだ?」 長門「…」 古泉「聞いてみますよ」 研究員・女「……」 古泉「ちょっと失礼しますよ」 古泉「…………」 298 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/06(土) 06:18:11.35 ID:/usI1k2MO 研究員・女((このプロジェクトもそろそろ大詰めね…クルセイダーズは、ゴミみたいな奴らだけど、まあまあよくやってくれているわ。半分以上あいつらが連れてきたからね…)) 研究員・女((液体人間の精神波は最高のエネルギー。あれは、このエネルギーで動く。つまり液体人間はあれの血液のようなものね)) 研究員・女((液体人間は永遠に、他のなにものにも邪魔されず、純粋な存在として人々の役に立つ…博士は素晴らしいことを思いついたわ)) 古泉「………」 300 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/06(土) 06:19:30.27 ID:/usI1k2MO 研究員・男((あの液化アンドロイドは、実は未完成なんだよな…)) 研究員・男((背中の部分がメカむき出しなんだ。あの作業員の連中、さぼってばかりだからな。それで給料あげろだなんて…)) 研究員・男((給料ほしいなら早く終わらせるよう改めて言い聞かせなくては。しかし…今日は家に帰らなければ。そろそろ子供が産まれるからな…)) 研究員・男((その前に博士のところへ報告しにいこう。IDは確か…F・4・9・F)) 古泉「…部屋を出ましょう」 301 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/06(土) 06:23:17.49 ID:/usI1k2MO 古泉「あの液体人間はクルセイダーズによって誘拐された人々のようです。彼らはなにかの燃料として使われるようですね」 シャミ「なにぃ?」 古泉「そしてそのプロジェクトの黒幕が、先ほどのパスワードが掛かっていた部屋にいるそうです」 シャミ「ここか…」 長門「……」 古泉「行きますよ…覚悟はいいですか?」 303 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/06(土) 06:26:39.65 ID:/usI1k2MO パスワード ニュウリョク …F・4・9・F … OK 古泉「開いた!」 356 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/06(土) 23:18:59.04 ID:uunb8GwJ0 研究所・VIPルーム 軍人「なんだ貴様ぁ!!兵はどうしたのだ!!」 長門「すべて倒してきた」 軍人「!!」 軍人「貴様が長門か…いたいけな少女の姿をしながら鬼のような力を持つ」 古泉(あれ、僕のことは?) 軍人「私はヤマザキ。陸軍統帥だ」 博士「ウシャシャ!ちょうどいい…おインコさまのためのモルモットが一匹増えた」 古泉(僕は?) 357 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/06(土) 23:22:44.73 ID:uunb8GwJ0 博士「わが名はシンデルマン…」 博士「生きているのにシンデルマン…」 博士「私を変人扱いした学者はみな液体人間にした」 博士「唯一残っているのはあの女、鶴屋ただひとり!」 雲龍「けるる〜」 雲龍「なぜ邪魔をするでける?お前たちにはわからぬのか?この素晴らしさが…」 雲龍「現代科学と古代の叡知が日暮里の御出居寺でひとつになるのでける!」 360 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/06(土) 23:31:59.46 ID:uunb8GwJ0 雲龍「2000人の生命が一つになり…」 雲龍「陰呼(インコ)大仏像に御出居(おでお)さまがお降りになるのでける!」 雲龍「この汚れた世界ももう少しで救われるでける!」 ヤマザキ「せっかく来たんだ、手ぶらで帰すのも悪い」 ヤマザキ「ささやかながら博士からプレゼントがあるようだ」 博士「ちょうど人間相手にテストをしたかったところです…!」 博士「液体人間ロボットT1号!力を見せてあげなさい!」 古泉「……!!」 361 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/06(土) 23:36:45.48 ID:uunb8GwJ0 シャミ「ロボットか…!」 T1号「オマ……」 T1号「コ…コロス…」 長門「…くる…!」 T1号「グワァァァ…!」 長門「!!」 362 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/06(土) 23:43:33.03 ID:uunb8GwJ0 シャミ「猫パンチ!」 シャミ「ぐ!」 シャミ「さすがロボット…高い防御力だ」 T1号「オマエ…コロス…」 長門「……」 バキィ! 博士「ウシャシャシャシャ!!そんなものききませんよ!!」 古泉「シャドウイメージ!」 T1号「グ…コ…ロ…ス」 古泉(強い…!) 365 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/06(土) 23:50:00.22 ID:uunb8GwJ0 古泉(…そうだ) 古泉(確かさっき…研究員の方が…) 古泉「長門さん!」 古泉「背中を狙ってください!奴は背中が弱点です!」 長門「…了解した」 博士「ええ?背中?」 長門「……っ」 バキバキィっ 古泉「僕も行きましょう」 古泉「ホーリーイメージ!!」 366 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/06(土) 23:54:09.30 ID:uunb8GwJ0 T1号「グ……」 T1号「ウ…グァ…ア…」 T1号「………………ム…」 古泉「…?」 T1号「ムスコ……ハ…チビッコ…ハウスデ…………ゲンキ…ニ……シテ…イ…ルカ………?」 古泉「!」 博士「役たたずめ!」 367 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/07(日) 00:03:15.04 ID:1XGGeex+0 T1号「グ……気化…爆発……」 ドドド…… 古泉「……っ」 シャミ「これは…ここにいては危険だ」 長門「はやく逃げて。爆発にのまれる」 ヤマザキ「筑波の秘密を知って…」 ヤマザキ「生かして帰すと思うかぁっ…!!」 ド……ン…… 369 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/07(日) 00:10:27.62 ID:1XGGeex+0 … ちびっこハウス・妹の部屋 みくる「……よかった、生きて戻ってきて…」 鶴屋「シンデルマン…」 鶴屋「彼に手を貸しているのは陸軍総帥のヤマザキ、そして日暮里にある御出居寺の雲龍だね」 古泉「………彼らの思うとおりにさせてはいけません」 古泉「何か打つ手はないでしょうか?」 鶴屋「ブリキ大王が動けば…」 みくる「どなたですか?そのブリキ大王さんて?」 371 名前: ◆tnfs5cJy3U [>>368まじで?] 投稿日:2008/12/07(日) 00:18:09.90 ID:1XGGeex+0 鶴屋「古代メカ、ブリキ大王」 鶴屋「その昔、古代バビロニアの聖人が念力で動かしたというロボット魔神さっ」 谷口「ロボット魔神!うおおかっこいいじゃねえか!」 谷口「古泉!おまえ超能力使えるんだろ!乗れよ!」 鶴屋「古泉クンはね、無理だったんだよ…」 鶴屋「念力がなくても、液体人間を注入すればシャミみたいに動かせるけど」 373 名前: ◆tnfs5cJy3U [妹の名シーン差し替え] 投稿日:2008/12/07(日) 00:22:24.00 ID:1XGGeex+0 シャミ「我輩をそのまま注入しては?」 鶴屋「ブリキ大王を動かすには、人間の精神力じゃないとだめなんだよ」 シャミ「ふむ。何が違うというのだ」 妹「…じゃあ」 妹「わたしが…」 シャミ「私が液体人間になる…なんて口が裂けても言わないでくれよ」 妹「あう、シャミ…だって…」 シャミ「我輩が何のために…こうしていると思うのだ?」 妹「シャミ……」 374 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/07(日) 00:28:27.51 ID:1XGGeex+0 長門「……」 長門「私が乗る」 鶴屋「!」 古泉「…!!」 古泉「だ、だめです」 長門「…なぜ?」 鶴屋「だって長門っち、超能力もってないんじゃなかったかい?無理だよっ」 長門「私に無理という言葉は通用しない」 長門「…無理を通す」 古泉「だめです!!!」 375 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/07(日) 00:34:42.47 ID:1XGGeex+0 長門「……」 鶴屋「あ!」 みくる「行っちゃった…」 シャミ「………」 古泉「だめだ…!」 鶴屋「あ!古泉クンまで!」 シャミ「行かせてやれ…」 鶴屋「私の発明だよっ!二人ともっ」 377 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/07(日) 00:38:25.68 ID:1XGGeex+0 ちびっこハウス・廊下 古泉「待ってください。乗ってはダメです」 長門「なぜ?」 長門「あなたは、シナリオを変えたいの?」 古泉「…そうかもしれません」 古泉「僕は……」 古泉「長門さん、あなたを死なせたくないんですよ」 古泉「あなたも物語を知っているのでしょう?このまま行くと、あなたは死んでしまう」 古泉「以前なら、目的のためならそれも仕方ないと思えたでしょう」 古泉「しかし、今は…」 379 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/07(日) 00:41:32.14 ID:1XGGeex+0 古泉「…もしもキョンくんがここにいたら、全力であなたを止めていたでしょう」 長門「………」 長門「もう物語をとめることはできない」 長門「それに…」 長門「このシナリオから出て、他のシナリオで涼宮ハルヒを探さなければ、元の世界にも戻れない」 長門「それでもいいの?」 古泉「……そういうわけではありません」 長門「あなたはこのシナリオの主人公。最終的な決定権はあなたにある」 長門「でも今は…私は動かしに行く」 古泉「………」 380 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/07(日) 00:46:17.50 ID:1XGGeex+0 鶴屋「あれ!古泉くん、長門っちは?」 古泉「ブリキ大王のもとへむかわれましたよ」 鶴屋「発明者を差し置いて?やってくれるよっ」 古泉「…」 381 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/07(日) 00:50:08.04 ID:1XGGeex+0 再びちびっこハウス・廊下 みくる「あ、古泉くん。いたんですね」 みくる「あの…」 古泉「はい?」 みくる「筑波研究所で、谷口くんのお父さんを見かけませんでした?」 古泉「……」 みくる「確か、助手として勤めてるはずなんです」 みくる「研究でしばらく帰れなくなるからって、谷口くんをここに預けて…それからずっと…連絡もつかないん です」 384 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/07(日) 01:13:14.58 ID:1XGGeex+0 古泉「……」 古泉「…残念ながら、それらしき人物は見かけませんでした」 みくる「そうですか…」 みくる「今回のことに、関わってなければいいんですけど」 古泉「………」 みくる((長門さんも…大丈夫かな……)) 古泉(やはりあの組織は倒さなければならない) 古泉(しかし………) 古泉(キョンくん…あなたなら、どうします?) 386 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/07(日) 01:21:52.98 ID:1XGGeex+0 鶴屋商会 鶴屋「古泉くんっ」 鶴屋「長門っちは動かすことが出来なかったよ…」 鶴屋「一体どうすれば動かすことが出来るんだろうね?」 古泉「………」 鶴屋((長門っち…なんだか迷ってるみたいだったな)) 古泉「……そうですか」 鶴屋商会を出て・町のなか 古泉「今、僕がブリキ大王を動かせたら…」 古泉「でも、今の僕では無理だ」 古泉「どうすれば…」 387 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/07(日) 01:29:59.14 ID:1XGGeex+0 マタンゴ・バー バーテンダー「いらっしゃい…」 バーテンダー「なんだ、未成年か…ここにママのミルクは置いてないぜ」 古泉「……」 バーテンダー((マ…マタンゴ〜!)) 客の男「ふぅん坊や…こっちにおいで」 古泉「はい?」 客の男「俺の家に来なよ。飯くらい食わせてやるよ」 古泉「………」 客の男((ま…マタンゴ〜!!)) 古泉「お断わりします」 388 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/07(日) 01:35:19.25 ID:1XGGeex+0 古泉(ゲームでは、このマタンゴを飲んで、精神力を増幅させていた) 古泉(このマタンゴは、ただの酒じゃない…中毒性もある) 長門「………」 古泉「…長門さん!」 390 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/07(日) 01:49:45.18 ID:1XGGeex+0 古泉「ここは、あなたが来るような場所ではありませんよ!」 長門「………」 古泉「………」 長門((………)) 古泉「はやくここから出ましょう!あなたに…こんなものは必要ないですよ」 長門「………」 古泉「あなたがこんなところにいるのを見られたら、キョンくんに叱られてしまう」 長門「…彼に…」 古泉「……キョンくんに?」 392 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/07(日) 01:56:08.64 ID:1XGGeex+0 長門「………」 長門((会いたい……)) 古泉「……長門さん…」 古泉「そうですね、僕も彼に会いたい」 古泉「SOS団、全員揃いたいものです…」 長門「……」 古泉「……長門さん…」 シャミ「こんなところにいたのか!探したぞ!」 古泉「おや、どうしました?」 シャミ「どうしましたじゃない。クルセイダーズが…!」 古泉「…!!」 長門「………」 394 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/07(日) 02:02:22.48 ID:1XGGeex+0 ちびっこハウス 古泉「も…」 古泉「燃えている……!!」 シャミ「クルセイダーズが火を放ったのだ!」 みくる「離してください!私、行かないと!」 朝倉「だめ!朝比奈さんまで死んじゃう!」 シャミ「なかに、彼女がまだいるんだ!」 シャミ「君の妹が…!!」 古泉「…!!」 古泉「朝比奈さん!」 みくる「古泉くん!」 古泉「僕が行きます!あなたはここにいて!」 395 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/07(日) 02:05:34.16 ID:1XGGeex+0 ちびっこハウス内・廊下 古泉「本当に燃えている…!だめだ、あっちの道はもう、炎で閉ざされてしまっている」 古泉「あの子はどこに…!」 古泉「!」 ちびっこハウス内・大部屋 妹「……」 古泉「大丈夫ですか!?」 妹「………」 397 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/07(日) 02:10:00.49 ID:1XGGeex+0 妹((お兄ちゃん…きてくれた…)) 妹((なんだか変な夢を見たな…)) 妹((お兄ちゃんが……もうひとりいる夢)) 妹((わたし、へんなあだなでよんでた…)) 古泉「…!!」 古泉「いま、助けますから!!」 妹「…おにいちゃ…」 古泉「…っ」 古泉「天井が……崩れっ……!!」 399 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/07(日) 02:20:27.30 ID:1XGGeex+0 鶴屋商会 長門「ブリキ大王を動かしに来た」 鶴屋「長門っち!!」 鶴屋「長門っちには無理だったじゃないか…」 長門「今度は平気。乗せて」 ブリキ大王・コクピット 長門「……」 鶴屋「それは、マタンゴ!!」 長門「今の私に、ゲームの設定以上の能力はない」 長門「このままで、精神を増幅させるにはこの方法しか有り得ない」 401 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/07(日) 02:22:34.19 ID:1XGGeex+0 鶴屋「でも長門っち…!」 鶴屋「そんなにいっぱい飲んじゃ…」 鶴屋「死んじゃうよ!!」 長門「……」 長門「いにしえの…」 長門「力を持ちて」 長門「飛び立たん…!」 鶴屋「……!!」 402 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/07(日) 02:25:31.68 ID:1XGGeex+0 鶴屋「でも長門っち…!」 鶴屋「そんなにいっぱい飲んじゃ…」 鶴屋「死んじゃうよ!!」 長門「……」 長門「いにしえの…」 長門「力を持ちて」 長門「飛び立たん…!」 鶴屋「……!!」 403 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/07(日) 02:26:37.85 ID:1XGGeex+0 公園 ピヨピヨ… 森「プロポーズ…喜んでお受けします」 多丸「そ、園生さん…!」 森「いつまでも、一緒に、いましょう」 ゴゴゴゴゴ… 森「!?」 多丸「じ、地面が…割れていく」 ゴゴゴゴゴゴ… 多丸「ろ、ロボットがでてきた…?!」 森「き…!」 森「きゃああああ!!」 多丸「え!?園生さん?!」 多丸「行っちゃった…」 多丸「う…うそつきぃ!!」 405 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/07(日) 02:28:53.78 ID:1XGGeex+0 公園 ピヨピヨ… 森「プロポーズ…喜んでお受けします」 多丸「そ、園生さん…!」 森「いつまでも、一緒に、いましょう」 ゴゴゴゴゴ… 森「!?」 多丸「じ、地面が…割れていく」 ゴゴゴゴゴゴ… 多丸「ろ、ロボットがでてきた…?!」 森「き…!」 森「きゃああああ!!」 多丸「え!?園生さん?!」 多丸「行っちゃった…」 多丸「う…うそつきぃ!!」 409 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/07(日) 02:40:37.86 ID:1XGGeex+0 ブリキ大王・コクピット 鶴屋「動いた!動いたよ!!」 長門「いく…!」 長門「全員…どいて」 鶴屋「な、長門っち?」 411 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/07(日) 03:22:02.78 ID:1XGGeex+0 ちびっこハウス前 クルセイダーズ「なんだあれは!?」 クルセイダーズ「あ、あんなもんを隠し持っていたなんて…」 クルセイリーダー「研究所からもらったレーザー砲がある!!」 クルセイリーダー「やれ!!」 ブリキ大王・コクピット 長門「私には…きかない」 鶴屋「長門っち!」 長門「……っ!!」 412 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/07(日) 03:37:11.07 ID:1XGGeex+0 ちびっこハウス前 クルセイダーズ「!!!」 クルセイダーズ「う、うわぁあ!!」 クルセイダーズ「無理だあんなもん!!」 クルセイダーズ「逃げるぞ!!」 クルセイリーダー「おまえら!!」 クルセイリーダー「…俺を置いていくなよ!!」 414 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/07(日) 03:40:43.75 ID:1XGGeex+0 ちびっこハウス内 ポケラルゴ〜!!(効果音) 古泉「…!!」 古泉「ブリキ大王!!」 古泉「まさか、長門さん…!」 長門「乗って!」 ブリキ大王・コクピット 長門「………っ」 鶴屋「マタンゴを大量に飲んで、精神力を増幅したんだよ…」 古泉「そんな…!」 416 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/07(日) 03:44:52.86 ID:1XGGeex+0 古泉「やめてと言ったのに!!」 みくる「長門さん!」 鶴屋「みくる、乗ってきたのかい!?」 みくる「だって長門さんが!!」 みくる「長門さん…!!」 長門「…………」 古泉「長門さん……」 古泉「…………」 長門((…………)) 419 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/07(日) 03:50:04.43 ID:1XGGeex+0 長門((…………)) 長門((あなたは…)) 長門((私を死なせたくないといった)) 長門((SOS団が全員揃えばいいとも言った)) 古泉「欲張りでしたね…」 古泉「結局僕は……」 長門((………)) 長門((朝比奈みくるは、私に…)) 長門((SOS団にいて楽しいかときいた)) 古泉「……?」 長門((私は…)) 長門((……………)) 421 名前: ◆tnfs5cJy3U [くんふー] 投稿日:2008/12/07(日) 03:55:58.03 ID:1XGGeex+0 みくる「本当にだめ…!明日行けばいいじゃないですか!今日はもうダメです!」 長門「あなたの…」 長門「口出すことではない」 みくる「そんなこと…!」 古泉「………」 みくる((こんなこと、前もあった気がする…)) みくる((目の前で、長門さんが…)) みくる((有希……!)) みくる「有希…!!」 古泉「…朝比奈さん……」 423 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/07(日) 04:00:09.63 ID:1XGGeex+0 長門「……はやく…」 長門「ブリキ…大王……を…」 長門「……………」 みくる「…!!!」 鶴屋「………」 鶴屋「今までもってたのが不思議なくらいだよ…」 みくる「どうしてぇ!!」 みくる「有希ぃぃ!!!」 426 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/07(日) 04:03:11.10 ID:1XGGeex+0 古泉「……」 古泉「……二人とも、お願いがあります」 古泉「おりてください」 鶴屋「………!」 鶴屋「……わかった」 鶴屋「みくる!さあ、いくよ!」 みくる「…………っ!!」 428 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/07(日) 04:08:21.96 ID:1XGGeex+0 古泉「………」 古泉「長門さん……」 古泉「…あなたは」 古泉「死んだりなんかしません」 古泉「このブリキ大王が……いえ」 古泉「僕たちがいる限り!」 古泉「僕も男だ」 古泉「無理を通してみせます!!」 430 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/07(日) 04:13:31.82 ID:1XGGeex+0 ちびっこハウス前 ゴゴゴゴゴ…… 鶴屋「………!!!」 鶴屋「ブリキ大王が……」 ブリキ大王・コクピット 古泉「……ブリキ、大王!!!」 古泉「我とあり!!!!!」 鶴屋「う…」 鶴屋「動いた…!!!」 鶴屋「君が動かしてるのかいっ!?」 鶴屋「古泉くん…!!」 431 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/07(日) 04:19:11.29 ID:1XGGeex+0 御出居寺 シンデルマン「鶴屋の発明か…!」 雲龍「こっちに向かってくるでける!」 ヤマザキ「いいぞ、来い!小ワッパ!!」 ヤマザキ「陸軍の名にかけて……!」 ヤマザキ「貴様を倒すッ!!」 ヤマザキ「行け、陸軍最大の戦艦…!」 ヤマザキ「“怒竜”!!」 434 名前: ◆tnfs5cJy3U [戦闘シーン適当] 投稿日:2008/12/07(日) 04:21:32.97 ID:1XGGeex+0 町のなか 古泉「戦艦…!!」 古泉「奴らも本気ですね…」 古泉「だがブリキ大王が負けるはずありません!」 古泉「ハロゲンレーザー!」 古泉「…!!」 ドン…ドン… 古泉「ミサイルを撃ってきた…!!」 古泉「やってくれますね…」 古泉「バベルノンキック!!」 古泉「……!!」 437 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/07(日) 04:24:32.97 ID:1XGGeex+0 御出居寺 ヤマザキ「バカな…」 ヤマザキ「わが陸軍の精鋭部隊が…」 古泉「ブリキ大王の敵ではありません」 古泉「さあ、きましたよ御出居寺に…!」 古泉「観念したらどうです!?」 シンデルマン「………」 シンデルマン「かわいそうに………」 シンデルマン「君にはこのすばらしさがわからんのか……」 シンデルマン「人間と人間が一つにとけ合い…」 シンデルマン「身も心も分かち合えるのですよ!」 439 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/07(日) 04:28:30.41 ID:1XGGeex+0 シンデルマン「憎しみも…争いもない…すばらしい世界…!」 シンデルマン「それを得るためには、汚らわしい肉体など捨てねばならんのだッ!!」 シンデルマン「まあよい……」 シンデルマン「いくら説明してもわからんだろう…」 シンデルマン「陸軍が時間をかせいでる間に、すでに2000人の液体人間はささげられた!」 シンデルマン「この寺のいけの水!」 シンデルマン「これこそ60000リッターの液体人間なのだ!!」 442 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/07(日) 04:31:51.47 ID:1XGGeex+0 雲龍「けるるー…」 雲龍「けるけるぴーちゃんけるるーちゃん」 雲龍「どれんぷちゃんけるけるー……」 雲龍「………」 雲龍「来たでける……」 雲龍「今こそ!」 雲龍「この隠呼(インコ)大仏像に!」 雲龍「我らをお救いになるためッ!」 雲龍「御出居(おでお)様がお降りになるでけるッ!!」 443 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/07(日) 04:34:39.31 ID:1XGGeex+0 ブリキ大王・コクピット 古泉「い、いんこの仏像が…」 古泉「動いてこっちにやってくる!!」 古泉「これが液体人間の力…!?」 古泉「…ふ……」 古泉「……ふざけないでくださいよ…」 古泉「人は…」 古泉「そんな姿にならなくても!!」 古泉「ひとつにはなれるんです!!!」 古泉「そうでしょう?」 古泉((そうでしょう、長門さんッ!!!)) 445 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/07(日) 04:37:11.58 ID:1XGGeex+0 古泉「いきますよ…!!!」 古泉「今楽にしてあげますからね!!!」 古泉「ジョムジョム弾ッッ!!!!!!!!!」 448 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/07(日) 04:40:28.49 ID:1XGGeex+0 ドォン…ドン…ドォン… 雲龍「おおおおおお…」 雲龍「御出居様が……」 シンデルマン「バ、バカな!」 シンデルマン「負ける…なんて…!!」 古泉(!!!) 古泉(インコ仏像の様子がおかしい…) 古泉(え…液体人間が…!!) 449 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/07(日) 04:43:16.77 ID:1XGGeex+0 シンデルマン「こ、これは!」 ヤマザキ「液体人間!」 ヤマザキ「2000人の、60000リッターの液体人間!」 古泉(三人が……) 古泉(の、飲み込まれる…!!) 古泉(大量の…液体人間に…!!) 三人「お おインコ様あああッ!! 451 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/07(日) 04:47:02.84 ID:1XGGeex+0 古泉「………」 古泉「…喜ぶべきじゃないですか…」 古泉「あなたたちも、ひとつになれたんですから……」 古泉「希望通りにね…」 古泉「……!!」 古泉「え、液体人間が…」 古泉「ブリキ大王をも飲み込もうとしている!!」 古泉「……く……」 古泉「うああああ…!!」 452 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/07(日) 04:49:47.00 ID:1XGGeex+0 ──… ─… ピヨ… ピヨピヨ…… 子ども「わーいわーい」 古泉「ん……」 古泉「おや、僕は…」 古泉「いつのまにか、寝てしまったようですね…」 古泉(超能力…精神的な力) 古泉(日常生活で、このような力を持っていたら…) 古泉(僕はどうしてたんでしょうね) 古泉(それとも、キョンくん) 古泉(あなたならどうしますか…?) 453 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/07(日) 04:54:44.31 ID:Zx1CxZ33O 子ども「ねぇ兄ちゃん!」 古泉「ん?何でしょう」 子ども「いつものあれ、やってよ!」 古泉「ああ、いいですよ」 古泉「マッガーレ!」  近 未 来 編  『 流 動 』  ──終わり── 455 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/07(日) 04:58:27.45 ID:Zx1CxZ33O 最後だけ規制食らったので携帯から… 近未来おわりです 軽い気持ちで長門を松にしたのでちょっと苦しかった… 原作汚しちゃった気もしますが 次回はみなさんの予想どおりのやつです こんな夜明けまでつきあってくれてありがとうございました 523 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/07(日) 22:45:09.86 ID:Zx1CxZ33O 朝倉「本当。これは、苦いわね」 キョン「………」 朝倉「でも…今は、この味が最高だわ…」 朝倉「ありがとう、キョンくん……」 朝倉「さて…長門さんに、持っていくんだったわね?」 朝倉「私も行くわ。意識が戻っているのなら、みんなでいた方がいいでしょう」 キョン「ああ、そうだな」 来たれよ… キョン「…?」 526 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/07(日) 22:55:09.18 ID:Zx1CxZ33O 朝倉「どうしたの?」 キョン「いや、なんでも…」 来たれよ… 人の心を得し者… キョン(…なくない、なんだこの声は…!?) 人間に未だ幻想を抱くものよ… キョン「…!!」 527 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/07(日) 23:04:12.43 ID:Zx1CxZ33O 朝倉「ちょっと…キョンくん!?」 誘おう… 朝倉「キョンくん………!!」 キョン「うああ…っ!?」 真実を知らしめんために… ──… 541 名前: ◆tnfs5cJy3U [ね、寝てました…] 投稿日:2008/12/08(月) 01:10:10.64 ID:EQw6ewCtO ──… ─… キョン「…ん……」 ???「あ!」 ???「よかったぁ…」 キョン「……?」 キョン「う……こ、ここは…?」 みくる「キョンくぅん!」 キョン「!」 キョン「あ、朝比奈さん!!」 みくる「キョンくん!よかったぁ、生きてたぁ…!!」 544 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/08(月) 01:17:20.68 ID:EQw6ewCtO みくる「本当によかったぁ…!」 キョン「あ、朝比奈さん、抱きついてくれるのは嬉しいんですが…」 古泉「おやおや、僕はおじゃまですかね」 キョン「こ、古泉!」 キョン(中世風の城の屋上…見渡すかぎりの森…向こうには山も見えるか…) キョン(そこに、俺たちはいた) キョン(古泉も、朝比奈さんも、きちんと、何事もなかったかのようにそこにいる) キョン(いつものように…) 546 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/08(月) 01:22:22.15 ID:EQw6ewCtO キョン「朝比奈さんは、ちゃんと朝比奈さんなんですよね?」 みくる「えーと…記憶を持ってるっていう点ではそうです」 みくる「キョンくんも、キョンくんなんですよね?」 キョン「ええ、そうです。よかった…朝比奈さん、無事で何よりです」 古泉「僕も、北高に通いSOS団という少数派に所属している古泉一樹です」 キョン「ん、そうか。よかったな」 古泉「冷たい…」 古泉「………」 キョン((いつも通りで安心したな…本当に生きててよかった、二人とも…)) 古泉「ツンデレってやつですね、わかります」 キョン「はあ?」 古泉「なんでもありません」 547 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/08(月) 01:27:28.84 ID:EQw6ewCtO キョン「なあ、ここはどこだ?まだゲームのなかだよな?」 古泉「そうでしょうね。何編かでいえば、ここはおそらく最終編です」 キョン「最終…」 古泉「舞台は見てのとおり中世ヨーロッパ風。まさにRPGの王道の世界ですね」 古泉「僕達は、他のシナリオから強制的にここに召喚された主人公たち…ということになります」 549 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/08(月) 01:32:17.28 ID:EQw6ewCtO キョン「他のシナリオから…てことは古泉、その奇怪な格好はお前が直前までいたシナリオの格好か」 キョン「あ、朝比奈さんのチャイナは殺人的に可愛いですよ」 みくる「あ、ありがとうございます……」 古泉「ひどいなあ…キョンくんだって映画に出てきそうな格好じゃないですか」 キョン「俺はアンドロイドだからな。長門プロデュースだよ」 みくる「キョンくん、アンドロイドなんですかぁ?」 キョン「そうです、驚きでしょう?」 550 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/08(月) 01:37:01.80 ID:EQw6ewCtO キョン「そういえば、長門は?」 古泉「まだ見かけてません。恐らくどこかにはいると思いますが」 みくる「長門さんも…ちゃんと生きて…無事ならいいんですけど…」 キョン「そうですね…」 キョン「最終編てことは、ここでハルヒを見つけられなかったら…」 古泉「また繰り返すのか、それともゲームの世界の住人として過ごすのか」 古泉「いずれにせよ、元に戻れないことは確かです」 キョン「……とにかく、ハルヒを探しに行こう」 キョン「………いてくれよ、ハルヒ…」 552 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/08(月) 01:44:31.38 ID:EQw6ewCtO 城の中 キョン「本当に城なんだな。しかし…」 キョン「不気味なほど人がいないな」 みくる「そういえば、ここの方たちは一体どうしちゃったんでしょう?」 古泉「それはですね…」 古泉「……!!」 みくる「きゃあ!」 キョン「何だありゃ…!」 古泉「モンスターです!!」 553 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/08(月) 01:49:11.15 ID:EQw6ewCtO …… 古泉「………」 キョン「………」 みくる「よかった、やっつけられましたね」 キョン「朝比奈さん、ずいぶん強くおなりで…」 みくる「えへへっ長門さんに拳法ならったんです」 みくる「キョンくんだって、回復してくれたじゃないですか、すごいですぅ」 キョン「いや、あれは俺も出来るとは思わなくて…」 古泉「二人ともすごいですねぇ」 キョン「おまえキックしてただけだもんな」 557 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/08(月) 02:01:27.52 ID:EQw6ewCtO キョン「気を取り直して、なんで城に誰一人いないんだ?」 古泉「そうですね。おそらく殺されたのではないでしょうか」 みくる「殺…?」 古泉「魔王に、ね」 キョン「魔王?…ずいぶんゲームっぽくなってきたな…」 キョン(誰もいない空間…色の褪せた、ほとんど音のない世界) キョン(なんだか…寂しい場所だ) キョン(全然違う気もするが、ハルヒの閉鎖空間に少し似たものを感じるな…) 559 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/08(月) 02:08:43.73 ID:EQw6ewCtO ルクレチア城下町 みくる「本当に人がいないです…」 みくる「私がさっきいたところも、近くに小屋があったんですが誰も…」 キョン「………」 キョン「俺たちは召喚されたって言ったな…そいつは一体誰だ?」 古泉「そうですね…」 古泉「勇者と呼ばれた人物です」 キョン「魔王に勇者?ここはドラクエか」 キョン「…ドラクエにしては、人がいなすぎるか…」 560 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/08(月) 02:13:36.06 ID:EQw6ewCtO ファミリオの村 キョン「俺たち以外、全然いないのか?」 みくる「みんな、本当に…」 古泉「…………」 キョン「だって勇者がいたんだろ?」 キョン「………勇者が、魔王を倒せなかったから俺たちが呼ばれたのか…?」 古泉「…………」 古泉「先へ行きましょう」 562 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/08(月) 02:18:57.62 ID:EQw6ewCtO 雪山 みくる「私、最初はここのてっぺんにいたんです」 みくる「そしたら古泉くんが来てくれて…」 古泉「僕は先程のファミリオ村にいました」 古泉「ゲームをクリアしたことがあるので、ほとんどすぐにどうするべきかわかりましたよ」 古泉「最初は、中世編かとも思いましたが」 キョン「中世編?」 古泉「ここと同じ舞台で、この最終編より前にやることになるシナリオです」 古泉「先程言った、勇者の物語になります」 キョン「へぇ…」 564 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/08(月) 02:27:02.22 ID:EQw6ewCtO 雪山・頂上付近 キョン「モンスターとの遭遇率が高いな…」 みくる「でも私、戦ってるうちに新しい技あみ出しました♪」 キョン(殺人的に可愛い朝比奈さんが殺人的に強くなっていく…) 古泉「ふふっ」 キョン「人の顔見てニヤニヤすんな、なんだよ?」 古泉「いえいえ、なんでもないですよ」 キョン「…ん?」 565 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/08(月) 02:32:33.52 ID:EQw6ewCtO キョン「あれは…?」 みくる「剣…みたいですけど」 古泉「………これは」 古泉「ブライオンですね」 キョン「剣の名前か?よく知ってるな…」 古泉「勇者が使っていたものですよ」 古泉「といっても、中世編の主人公ではなく、物語が始まる前に勇者と呼ばれた人物が使っていたものです」 567 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/08(月) 02:38:18.34 ID:EQw6ewCtO 古泉「主人公は、先程いた城の主催した武闘大会にて優勝し、この国…ルクレチアの姫に求婚権を得ます」 古泉「しかし、姫と結ばれるはずのその夜、昔勇者によって滅ぼされたはずの魔王に姫がさらわれてしまうのです」 古泉「主人公は姫を救うために立ち上がり…」 古泉「昔の勇者と、その仲間の魔法使いと、そして自分にとっての親友と…」 古泉「魔王山へ向かいます」 古泉「ほら、そこに見えるでしょう。あれが魔王山ですよ」 568 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/08(月) 02:44:04.04 ID:EQw6ewCtO キョン「へぇ……。今どきドラクエにもないくらい王道のストーリーとネーミングだな」 古泉「昔のゲームですから。それはそうと、この剣は貰っておいたほうがいいでしょう」 古泉「クリアするために必要です」 キョン「クリアよりハルヒだろ?」 みくる「できれば長門さんも見つけたいです…」 古泉「そうですね、もう少し歩き回ってみましょう」 627 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/09(火) 00:22:55.42 ID:8fqruMwFO なおり草群生地 みくる「わあ、草が沢山はえてます!これ、きっと怪我したときにいいですよ。似たような草、私もといたところで見ました!」 キョン「へぇ〜。朝比奈さんよく知ってますね」 古泉「それにしても本当に誰もいませんね…」 キョン「ああ、俺たち以外誰もいないな。モンスターくらいだ」 古泉「…………」 みくる「あの、古泉くん…」 628 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/09(火) 00:28:31.77 ID:8fqruMwFO 古泉「ああすみません。持ちきれませんね、僕も持ちますよ、その草」 みくる「ありがとうございます…あ!いえ、そうではなくて!」 みくる「あの、その勇者さんたちって今も戦ってるんでしょうか?」 古泉「………」 古泉「………4人は魔王山へ乗り込み…」 古泉「…魔王を倒しました」 キョン「なんだ、倒したのか」 古泉「ですが、それは偽者だったのです」 630 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/09(火) 00:34:06.60 ID:8fqruMwFO 古泉「病を患っていた勇者は、その時亡くなり…」 古泉「偽魔王のいた部屋が突如地震により落盤したさい、主人公の親友も…」 みくる「………」 みくる「じゃあ今は魔法使いさんと、主人公さんが…」 古泉「………」 古泉「まだもうすこし、歩き回ってみましょう」 キョン「もったいぶるなよ…」 631 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/09(火) 00:40:51.59 ID:8fqruMwFO 魔王山前・看板 キョン「うっ…この看板、血が…」 古泉「べっとりついてて字が読めませんね」 みくる「…………」 みくる「ここまで徹底的に…殺すなんて…」 みくる「人間のこと、どんな風に思っていたら出来るんでしょうか…」 632 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/09(火) 00:45:58.65 ID:8fqruMwFO キョン「…本当に…」 キョン「いるんだろうか…」 キョン「こんな恐ろしく、寂しい場所に」 古泉「………」 キョン「長門や、ハルヒが…」 「誰?私の名前を呼んだの…」 633 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/09(火) 00:50:40.17 ID:8fqruMwFO キョン「…!」 キョン(どこにいたのやら、空から振ってきたまるで忍者のような、その人は…) キョン「は…」 キョン「ハルヒ……」 キョン(涼宮ハルヒ、その人だった…) ハルヒ「あんたたち…普通の格好じゃないわね」 ハルヒ「私の名前も知ってるみたいだし」 ハルヒ「物の怪の一種なのかしら…?」 636 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/09(火) 00:57:37.90 ID:8fqruMwFO キョン「ちょ、ハルヒ!刀抜くな!」 みくる「わ、私たち怪しいものじゃないですぅ!」 ハルヒ「……女の子もいるのね」 キョン「大体、道を歩いていた俺たちより空から降ってきたお前のほうが怪しいだろ」 ハルヒ「…なに?」 キョン「わ!だから刀を抜くなって!」 古泉「…………」 638 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/09(火) 01:03:23.58 ID:8fqruMwFO 古泉「…………」 ハルヒ((………この男)) ハルヒ((そっくりだわ、あいつに……)) ハルヒ((なんだかむかつくくらい)) 古泉「………」 古泉「あなたは、どこか別のところから飛ばされてきたのではないですか?」 ハルヒ「……そうよ」 ハルヒ「私は任務についていたのよ。こんなわけわからない場所じゃなくて、れっきとした日本で」 ハルヒ「それが気付いたらこんな場所にいて…」 古泉「僕達もそうなんです」 639 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/09(火) 01:07:16.24 ID:8fqruMwFO 古泉「みんなそれぞれ別の場所からやってきたのですよ」 ハルヒ「ふぅーん…?」 古泉「みんなで元の場所へ帰る方法を探しているところなんです」 古泉「あなたも一緒にどうですか?」 キョン「お、おい古泉…」 古泉「しっ…今は彼女の信頼を得たほうがいいでしょう」 ハルヒ「………」 ハルヒ「その前に質問があるわ」 ハルヒ「なぜ私の名前を知っているの?」 古泉「それはですね…」 640 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/09(火) 01:12:03.68 ID:8fqruMwFO 古泉「僕たちのいた世界に、あなたに似た人がいたんですよ」 古泉「たまたま同じ名前だたみたいですけれど…」 古泉「やはり、信じられませんか?」 ハルヒ「……」 ハルヒ「もうひとつ質問があるわ」 ハルヒ「あんた」 キョン「…俺か?」 ハルヒ「そう、あんたよ。まさかあんた、キョンって呼ばれてないわよね?」 キョン「……まあ、呼ばれてないといったら嘘になるな」 ハルヒ「………そう」 ハルヒ「……仕方ないわね。信じてあげるわ」 ハルヒ「で?あんたたち、これからどうしようってわけ?」 641 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/09(火) 01:17:12.68 ID:8fqruMwFO 古泉「とりあえず、行けるところは行ったのですが何もなく」 古泉「あとはこの先の…魔王山しか」 ハルヒ「あれ、魔王山というの?なんだか不気味な山よね?」 古泉「僕はここについては文献で読んだことあるので多少知っています」 ハルヒ「ふーん…」 ハルヒ「まあやれることは全部やったほうがいいわね」 ハルヒ「行きましょう、魔王山へ!」 キョン「お、おい古泉」 古泉「何でしょう?」 642 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/09(火) 01:26:11.30 ID:8fqruMwFO キョン「ハルヒが見つかったなら、さっさと夢だと理解らせれば帰れるんじゃないのか?」 古泉「そうですね。しかし、どうやって?」 古泉「真正面から夢だと言っても彼女は納得しないでしょう」 キョン「う…そうかもしれないが…」 古泉「それに、どうせなら長門さんも一緒に、SOS団全員揃ってから帰りたくありませんか?」 キョン「でも…じゃあ、長門が魔王山にいるというのか?」 古泉「……そうかもしれません」 古泉「だって他の場所にはいませんでしたから」 645 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/09(火) 01:34:36.00 ID:8fqruMwFO ハルヒ「さあ行くわよ魔王山へ!あなた、名前は?」 みくる「あっ朝比奈みくるですぅ」 ハルヒ「みくるちゃんね!気に入ったわ、さあ行きましょう!」 みくる「ふわぁああ、まってくださぃい〜!」 古泉「さあ、僕らも行きましょう」 魔王山・入り口 ハルヒ「…なによここ?」 ハルヒ「入り口なんてないじゃない」 ハルヒ「この崖のような山肌を直接登っていけっていうの?」 647 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/09(火) 01:45:23.75 ID:8fqruMwFO 古泉「いいえ、入り口ならあります」 古泉「キョンくん、ブライオンを」 キョン「これか?」 ハルヒ「…西洋の剣ね。それをどうするの?」 古泉「剣を掲げてください」 古泉「この魔王山は…」 古泉「その剣を持ち、魔王と戦う資格のあるものだけに開かれます」 キョン「俺がするのか?」 ハルヒ「私がやってもいいわよ、おもしろそうだから」 キョン「……いや、俺がやるよ」 648 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/09(火) 01:53:17.44 ID:8fqruMwFO みくる「キョンくん頑張ってください!」 キョン「…………」 キョン(長門…お前はここで魔王とでも戦ってるのか?) キョン(それとも……) キョン(ハルヒはここにいる。俺たちは帰れる) キョン(開いてくれ、長門、お前への道を) ドォオン… ハルヒ「開いた!」 ハルヒ「あんたもなかなかやるじゃない!」 649 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/09(火) 02:01:30.22 ID:8fqruMwFO 魔王山・内部 古泉「涼宮さんですが、おそらくシナリオのひとつ、幕末編から来たと思われます。主人公は忍者という設定なんですよ。くのいちのような格好をしているのはそのためでしょう」 古泉「要人救出が目的のシナリオですが、登場人物のなかにあなたがいたのでしょうね。その要人でしょうか」 キョン「そうなのか?全然覚えてないな…」 古泉「他のシナリオの記憶は基本的に一旦リセットされるのでしょうね。ただ…」 古泉「印象の強かった記憶は何らかのきっかけがあれば思い出すのかも知れません」 古泉「僕のシナリオで朝比奈さんが他のシナリオのことをぼんやりと思い出していたようでした」 キョン「へぇ…?」 650 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/09(火) 02:06:09.56 ID:8fqruMwFO ハルヒ「何、ごちゃごちゃ話しているのよ?」 キョン「いや…ええと、ここの世界のことをだな」 ハルヒ「ふぅん?そういえば、古泉くんだっけ、この世界のことを知ってるんだっけ」 古泉「ええ、かじった程度ですが」 ハルヒ「おもしろそうだから教えてみなさいよ。この魔王山てとこ、不気味だから気を紛らわせたいのよ」 みくる「あ、みなさん、モンスターですぅ!」 ……… 651 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/09(火) 02:10:26.96 ID:8fqruMwFO ……… キョン「ハルヒ…やっぱりお前って強いんだな…」 ハルヒ「それよりみくるちゃん!あなたすごいじゃない!そんなに胸が大きいのにすごい強いのね!」 ハルヒ「益々気に入ったわ!うちのところに来ない?忍者になれるわよ!」 みくる「にっ…それはさすがに無理ですぅ」 キョン「うーん、男性陣が情けなく感じるな」 古泉「さあみなさん行きますよ〜」 652 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/09(火) 02:19:13.40 ID:8fqruMwFO 古泉「どこまで話しましたっけ。ああ、主人公と魔法使いが魔王山から城に戻ったところですね」 古泉「仲間二人の死を報告した彼らは城で手厚く迎えられ、一晩過ごすことになりますが…」 古泉「真夜中、そこに魔王があらわれるのです」 みくる「お城に?」 古泉「ええ。一人目を覚まし魔王を見つけた主人公は1人で戦いに挑み……勝利します」 ハルヒ「……………」 古泉「しかしそれは幻覚だったのです」 古泉「主人公が魔王だと思ったもの。それは…」 古泉「城の…この国、ルクレチアの王さまでした…」 ハルヒ「!また物の怪だわ!」 …… 653 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/09(火) 02:24:52.66 ID:8fqruMwFO …… ハルヒ「ここは本当に物のは怪が多いわね…」 ハルヒ「知ってる?物の怪って人の心から生まれるのよ」 ハルヒ「人の恨み辛み、憎しみが生霊となり、ついには物の怪になって害を及ぼす話なんて古今東西沢山あるし」 ハルヒ「私は実際、物の怪となった人間をみたのよ」 みくる「…不思議ですね……ここに人はいないはずなのに」 ハルヒ「話の腰を折っちゃったわね。続けて」 656 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/09(火) 02:34:44.74 ID:8fqruMwFO 古泉「王様を殺した主人公は、その仲間の魔法使いとともに投獄されます」 古泉「昔勇者と慕ってくれた国中の人に、“こいつこそが魔王だ”と…そう呼ばれながら」 古泉「しかし、それでも姫がまだ本物の魔王に捕われているのは事実」 古泉「魔法使いは最後の力を振り絞り」 古泉「主人公を牢屋から城の外へ送り出すのです」 古泉「たとえ、国中のひとが主人公を魔王だと疑っても」 古泉「“姫”は信じて待っているはず」 古泉「信じている人が一人でもいるかぎり」 古泉「その人を信じるのだと…」 古泉「魔法使いはそうして…亡くなりました」 659 名前: ◆tnfs5cJy3U [僧侶…そうだったかも間違えた…] 投稿日:2008/12/09(火) 02:41:12.29 ID:8fqruMwFO 魔王山中腹・広間 ハルヒ「何この部屋?銅像がたくさんあるけど…」 ハルヒ「…?!」 みくる「こ、この銅像…」 みくる「お、オディワン・リー!?………どうして!?」 キョン「ODー10!なぜこいつの銅像がここに?!」 古泉「インコ仏像もありますね」 ハルヒ「…どうやらみんなも何か大きな敵を倒してここに来たようね」 660 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/09(火) 02:48:28.91 ID:8fqruMwFO ハルヒ「この気持ち悪い蛙の銅像が、さっき私が言った物の怪となった人間のなれの果てよ。私が潜入した城の当主だったの。もちろんすぐに斬ったけど」 ハルヒ「私たちには共通点がありそうね?知り合いに似た顔の人がいる・大きな敵を打ち倒した…」 古泉「そして………長門さんがそばにいた」 キョン「え?」 古泉「キョンくんは長門さんに作られたアンドロイド。朝比奈さんは長門さんに拳法を習った……そして僕のところも、長門さんは重要な役割でした」 古泉「涼宮さん。あなたのところに、髪の短い女の子はいませんでした?」 ハルヒ「……ユキのこと?」 ハルヒ「ユキはいわゆるからくりよ。潜入した城で見つけたの。でもどうして?」 古泉「さあ……ただ、言ってみただけです」 ハルヒ「なにかありそうね………でも、とにかく奥に行きましょう」 663 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/09(火) 02:54:19.83 ID:8fqruMwFO 魔王山奥・魔王像の部屋 ハルヒ「あら…ここで行き止まり?」 みくる「道はもうないみたいです…」 みくる「この銅像が、魔王…?」 ハルヒ「そんなはずないわ!どこかに道があるはずよ!」 キョン「…………」 キョン(この部屋…どこか……) キョン(見覚えがあるような………) 古泉「……………」 664 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/09(火) 03:01:32.85 ID:8fqruMwFO 古泉「……………」 古泉「魔法使いを亡くし、主人公は再び一人で魔王山へきます」 古泉「そして……」 ガタン! ハルヒ「あ…」 ハルヒ「開いたわ!」 みくる「この銅像が仕掛けになっていたんですね」 ハルヒ「そんな気がしたのよ。道が続いてるわ」 古泉「今のように、仕掛けに気付き、道を登ったのです」 古泉「そこで待っていたのは………」 古泉「自らの親友でした」 665 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/09(火) 03:06:09.23 ID:8fqruMwFO みくる「え…?」 ハルヒ「………」 キョン「生きていたのか」 古泉「生きていたのです」 古泉「魔王山の落盤は、親友の魔法による演技」 古泉「そしてルクレチア王を魔王にみせたのも、親友の仕業」 古泉「すべては親友が仕組んだものでした」 みくる「…………っ」 ハルヒ「…………」 キョン「…………」 667 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/09(火) 03:11:44.18 ID:8fqruMwFO 古泉「“親友”は主人公に今まで抱いていた妬みや恨み…憎しみが爆発したのだと言いました」 古泉「二人は一対一で勝負をし、そして“親友”は負けます」 古泉「しかし…そこへ“姫”があらわれるのです」 キョン「…………」 古泉「“姫”は“親友”の気持ちがわかるといいました」 古泉「“姫”は主人公は負けたものの気持ちはわからないだろうと言いました」 古泉「そして、“姫”は」 古泉「“親友”のもとへいくと」 古泉「自ら刄で命を落としました」 みくる「そ……そんな……」 668 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/09(火) 03:16:22.21 ID:8fqruMwFO ハルヒ「それで……」 ハルヒ「それでその主人公ってやつはどうしたのよ?」 古泉「この話はここでおしまいです」 古泉「あとは、この奥へ行けばわかるでしょう」 みくる「…………」 みくる「私たちを呼んだのは…」 みくる「勇者と呼ばれていた人物……………」 キョン「………!」 669 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/09(火) 03:19:27.97 ID:8fqruMwFO 魔王山・隠し通路 キョン「待ってくれ!」 ハルヒ「なによ」 キョン「長門がいない」 キョン「長門に会っていない!」 みくる「この道は…魔王へと続いてるんですよね?」 みくる「もう一度戻って…長門さんを探しますか?」 古泉「ですが、外はもう探したでしょう?」 古泉「………いなかったじゃないですか」 キョン「でも見逃したのがあるかもしれないだろ」 673 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/09(火) 03:23:17.11 ID:8fqruMwFO 古泉「キョンくん」 古泉「今まで、シナリオのなかで僕達の誰かが主人公になっていましたね」 古泉「それは中世編も同じだったはず」 古泉「そしてどんなに頑張っても、シナリオを変えることは出来ない」 古泉「細かいところはどうあれ、僕がいったシナリオ通りに事は進んだはず」 古泉「僕らの誰かが主人公だったのなら」 古泉「今、ここにいない誰かが…」 古泉「中世編の主人公としているはずです」 675 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/09(火) 03:27:26.85 ID:8fqruMwFO ハルヒ「何はなしてるかしらないけれど…」 ハルヒ「行くの、行かないの?どっちなのよ」 キョン「…………」 みくる「キョンくん…」 古泉「行きます」 古泉「それしか道はないでしょう」 677 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/09(火) 03:32:52.15 ID:8fqruMwFO 魔王山・頂上 キョン「………」 キョン「なんだ、誰もいないじゃないか」 キョン「銅像があるだけで…」 ハルヒ「ちょ、ちょっと待って…なんだか様子が変よ……」 みくる「……!!」 ようこそ……… キョン(なんだこの、黒い影……) キョン(これが…!?) 「我が名は…」 「魔王 オディオ…」 678 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/09(火) 03:38:48.83 ID:8fqruMwFO 魔王「ようこそ…」 魔王「君達にわざわざ集まってもらったのは他でもない……」 魔王「とても大事な事を伝えねばならぬからだ」 魔王「話は2つ…」 魔王「一つは君達は英雄になった…」 魔王「しかし他の人間たちは一体何をした?」 魔王「…」 魔王「助けを請うばかりだったろう」 魔王「自らを危険にさらさないで他力本願にしあわせだけは求める…」 魔王「そんな人間なぞ救うに値しないということ…」 魔王「これが一つ目だ」 魔王「そして二つ目…」 魔王「今度は君達自身のことだ…」 679 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/09(火) 03:42:13.92 ID:8fqruMwFO 魔王「君達は一体何のために戦ってきたのだ…?」 ハルヒ「別に、なんでもないわよ。使命もあったし、でも何より自分のためだわ」 魔王「まあそれもよかろう…」 魔王「さいわい君達は戦いに勝って大切なものを手に入れた…」 魔王「だがそれらも所詮一方的な欲望ではないのか?」 魔王「自分にとって大切なもの…」 魔王「それを守るためならば他者を傷つけていいのか…?」 … 魔王「お前達もこの世界にすんでいた醜い人間たちと同じ…」 魔王「あいつらと同じように…」 魔王「己の生きざまを後悔しながら…」 魔王「別れを告げさせてやろう…」 魔王「悩みと苦しみに満ちたその罪深き人生に…!!」 キョン「………っ!?」 684 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/09(火) 04:11:06.11 ID:8fqruMwFO みくる「ヒッ…!!」 ハルヒ「なによ、これ…!!」 キョン(黒い影が消えて、あらわれたのは巨大な赤ん坊だった) キョン(おぞましい雰囲気を持つ赤ん坊が、鷲のような翼を広げてこちらを睨んでいる) キョン(これが魔王) キョン(これが………) ハルヒ「こいつを倒せば元の世界に戻れるのね」 ハルヒ「いくわよ…忍法火の鳥!!」 686 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/09(火) 04:19:15.73 ID:8fqruMwFO みくる「わ、私も頑張りますっ」 みくる「えいっ星降拳!!」 セント・・・・ みくる「!!!!!」 みくる「そ、そんな…」 みくる「っいやあああ!!」 みくる「…………・・・」 キョン「朝比奈さん!!」 古泉「あの技は石化させる術です」 古泉「キョンくん、僕達はサポートに回りましょう!石化をなおすんです」 689 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/09(火) 04:24:11.26 ID:8fqruMwFO ハルヒ「キョンはこっちよ!みくるちゃんは古泉くんに任せましょう!」 ハルヒ「私が石化したら…すぐに治すのよ!」 キョン「言われなくても!」 みくる「………ふぁっ」 みくる「あ、ありがとうございますぅ」 古泉「いいえ。回復は気にせず、あなたは攻撃に集中してください」 キャンセラレイ ハルヒ「きゃ!」 キョン「ハルヒ!」 キョン「ハイスピードオペ!大丈夫か!?」 ハルヒ「平気よ。あんたもなかなか役に立つじゃない」 691 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/09(火) 04:27:24.04 ID:8fqruMwFO ハルヒ「今までの話を聞いてるとあの魔王オディオってやつがさっきの話の主人公なのね?」 ハルヒ「親友や愛した人に裏切られてこんな物の怪になってしまったみたいね…」 キョン「…………」 ハルヒ「けどだからって私たちを巻き込む理由はないわ!」 ハルヒ「私をもとの世界へ返しなさい!」 ハルヒ「忍法…矢車草!!!」 694 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/09(火) 04:30:57.07 ID:8fqruMwFO みくる「さっき受けた技ですが……」 みくる「…ひどく悲しくなる技でした」 みくる「あれが絶望なのでしょうか…」 みくる「でも……あなたは、倒さなくちゃいけないんです」 みくる「天馬後すい脚っ!!」 古泉「さてと、僕もサポートしますよ」 古泉「ホーリーイメージ!」 696 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/09(火) 04:35:01.41 ID:8fqruMwFO キョン「お前は一体…」 キョン「誰なんだ……」 キョン「………」 キョン「メーザーカノン!」 キョン「………許せよ」 ズズズズズズズ……… キョン(赤ん坊が消えていく……) キョン(黒い影も…消えて……) キョン(そこにいたのは……) キョン(そこに……いたのは……) 697 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/09(火) 04:37:40.93 ID:8fqruMwFO 長門「………」 キョン「長門………」 長門「………」 長門「あなたたちの勝ち…」 長門「はやく…」 長門「とどめをさして…」 キョン「な、何言ってるんだ!」 キョン「長門!俺たちのことがわからないのか!」 古泉「…………推測ですが、記憶はもっていないようですね」 みくる「長門さんが…中世編の主人公…」 みくる「私たちを召喚した…」 ハルヒ「…………」 ハルヒ「あなたを殺せば、私たちは元に戻れるのね?」 699 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/09(火) 04:43:51.51 ID:8fqruMwFO キョン「…!!」 長門「はやく…とどめを」 ハルヒ「………」 キョン「やめろ、ハルヒ!!」 みくる「……………っ!!」 長門「………」 ハルヒ「…………」 700 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/09(火) 04:47:38.34 ID:8fqruMwFO ハルヒ「やめたわ」 ハルヒ「ユキにそっくりなのも気になるし、それに…」 ハルヒ「死にたがってる人を斬る趣味はないのよね」 ハルヒ「行きましょう。元の世界に戻る方法が、他に見つかるかもしれないわ」 魔王山・広間 キョン「………」 みくる「………」 ハルヒ「やっぱりこの銅像があやしいわ」 古泉「そうですね。ここから繋がるかもしれません」 キョン「…ハルヒ!」 キョン「話があるんだ」 ハルヒ「なによ?」 キョン(手っ取り早く帰る方法、ソレは…) キョン「この世界は…この世界はな、お前の」 701 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/09(火) 04:49:55.31 ID:8fqruMwFO バタン! キョン「!」 みくる「な……」 ハルヒ「ユキ!来たの!?」 長門「まだ…」 長門「まだ、終わらない…」 キョン「なに、言って…」 長門「私を倒しても…」 長門「私は生き続ける……」 長門「知るがいい、オディオの意味を」 703 名前: ◆tnfs5cJy3U [さるさんくらったのでPCからー] 投稿日:2008/12/09(火) 04:57:43.80 ID:zg3UF1QR0 長門「それは…太古の昔より…遥かなる未来まで」 キョン「…!」 長門「平和なる時も…混乱の世にも」 古泉「!」 ハルヒ「きゃ!」 ハルヒ「どうして、かえるの銅像のまえに…?」 長門「あらゆる場所…あらゆる時代に…」 みくる「ひゃあん!」 みくる「オディワン・リー…」 長門「戦いの火種となるもの…!」 705 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/09(火) 05:02:29.90 ID:zg3UF1QR0 長門「それはあなたたちが存在するかぎり永遠に続く感情…」 長門「その感情の名を」 長門「憎しみ あるいは」 長門「オディオという…!」 長門「あの世で詫びつづけるのは」 長門「決して…私ではない…!」 キョン「……!?」 707 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/09(火) 05:06:50.79 ID:zg3UF1QR0 何ものかが通信ユニットを通じて語り掛けてくる… ホンセンナイニ オイテ スベテノ コウドウハ チョウワノ トレタモノデ アラネバナラナイ キョン「こ、これは…一体」 ワタシハ センナイノ チョウワヲ イジスルタメ キノウシテイル キョン「ODー10…!!」 ヨッテ ワタシノ イシハ ゼッタイデアル キョン「戻ってきちまったのか!」 ダレモ コレヲ ボウガイシテハ ナラナイ ボウガイスルモノハ キョン「長門…」 タダチニ ショウキョスル キョン「長門ぉ…!!」 K I L L  Y O U .... 708 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/09(火) 05:09:44.55 ID:zg3UF1QR0 みくる「……はっ!?」 リー「フ…」 リー「ならば見せてもらおう、その心とやらを」 みくる(オディワン・リー!!) みくる(どうして…) 長門「心山拳 奥義……」 みくる(長門さん……!!) リー「所詮付け焼き刃よ…!」 長門「 旋 牙 ……」 みくる(………っ) みくる、長門「 連 山 拳 !!!」 710 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/09(火) 05:14:17.94 ID:zg3UF1QR0 雲龍「来たでける……」 雲龍「今こそ!この隠呼(インコ)大仏像に!」 雲龍「我らをお救いになるためッ!」 雲龍「御出居(おでお)様がお降りになるでけるッ!!」 ブリキ大王・コクピット 古泉「ここは…」 古泉「そうですか…そういうことですか」 古泉「長門さん……あなたは…」 古泉「…知ってるはずです…」 古泉「人は…」 古泉「あんな姿にならなくても」 古泉「ひとつにはなれるということを」 古泉「そうでしょう?」 古泉((そうでしょう、長門さんッ!!!)) 712 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/09(火) 05:18:24.35 ID:zg3UF1QR0 ハルヒ「…!!!!」 ハルヒ「まさかまたあんたに会うとはね…尾手院王」 尾手「見るがよい!」 尾手「これから日の本を治める気高き私の姿を!!」 ハルヒ「日の本を治めるために…」 尾手「グ…グゲゲ…」 尾手「ゲ…ゲコゲコッ…!!」 ハルヒ「蛙の物の怪にまでなった哀れな殿様」 ハルヒ「今一度…!」 ハルヒ「尾手院王!!あんたを斬る!」 713 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/09(火) 05:21:26.49 ID:zg3UF1QR0 ODー10/コギトエルゴスム号 キョン「……またお前と戦うことになるとはな…」 「………」 「……あなたは人間がどう見えるか問うた」 キョン「メーザーカノ…え?」 「あのおろかな行動が人間なの?」 キョン「な…長門なのか…?」 714 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/09(火) 05:25:57.69 ID:zg3UF1QR0 オディワン・リー/義破門団総本山 「あなたの言う心の強さは、馴れ合いの気持ちとどう違うの」 みくる「え…?」 みくる「それは……」 みくる「だって…」 「何かを大切にすることはそのぶん弱点をつくるということ」 「弱さに繋がるのではないの?」 みくる「大切なものを…守るから強くなれる…」 みくる「私は…私はそうでしたよ…」 みくる「大切なのにそうじゃないふりをするのって、それこそ弱さです」 みくる「私、間違ってるんですか?」 みくる「長門さん…」 716 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/09(火) 05:28:27.80 ID:zg3UF1QR0 おインコ様/御出居寺 「ひとつになるとは一体どういうこと?」 古泉「そうですね…実はとても抽象的で難しい」 古泉「でも、長門さん」 古泉「あなたはSOS団が楽しいのではないですか?」 古泉「僕がそう聞いたとき、あなたは否定しなかった」 古泉「だからその時、僕とあなたの心が触れ合ったと…ひとつになったと思いましたよ」 古泉「違っていたら、すみません」 718 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/09(火) 05:32:00.39 ID:zg3UF1QR0 尾手院王/尾手城 「目的を達成するにはどんな手段も厭わない」 「あなただって、そんな人物だったはず」 ハルヒ「あんたユキね?見つけた時からなんか悟ってそうなからくりだと思ってたけど」 ハルヒ「そうね。私はつまらないことって嫌いなの。だから面白そうなこととか、普通じゃないことがあれば何 でもやったし、これからもやるわ」 ハルヒ「……でも」 ハルヒ「さすがに自ら進んで人を傷つけようとは思わないわね」 ハルヒ「まあ、ノリにのっちゃって思わぬうちに傷つけたことくらいあったかも」 ハルヒ「…あれ…」 ハルヒ「私は…いつのこと話してるのかしら…」 ハルヒ「……!」 ハルヒ「わ、私……」 721 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/09(火) 05:36:24.12 ID:zg3UF1QR0 ODー10/コギトエルゴスム号 キョン「愚か、か…」 キョン「そうか。あの時ははっきりと答えてなかったが、長門、お前はそう思っていたわけだな」 キョン「でもそうだな…そうかもしれない」 キョン「人間はさ…すべて計算どおりに行動できないだろ?」 キョン「感情が…心があるから」 「こころ」 「こころって、何」 723 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/09(火) 05:38:51.15 ID:zg3UF1QR0 オディワン・リー/義破門団総本山 みくる「え!何でしょう…」 みくる「うーん」 みくる「む、難しいですね。哲学ですよね」 みくる「うーん…なんでこんな話になってるんでしょう」 みくる「あ、真面目に考えてますよぅ」 みくる「あ!」 みくる「長門さん本好きじゃないですか」 みくる「読みたいって思う気持ちが…こころ!」 みくる「だ、だめ…?」 725 名前: ◆tnfs5cJy3U [さると仲良しすぎる] 投稿日:2008/12/09(火) 05:45:07.15 ID:8fqruMwFO おインコ様/御出居寺 古泉「僕も聞きたいことがあるんですがよろしいですか?」 古泉「あなたにとっての…」 古泉「アリシア姫と、親友のストレイボウは、誰だったんでし ょう」 古泉「………」 古泉「答えなくてもいいですが」 古泉「でも裏切られたらこんな風になってしまうほどあなたに とっての比重の重い人」 古泉「それほどの人があなたにはいたんですね」 727 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/09(火) 05:49:15.72 ID:8fqruMwFO ODー10/コギトエルゴスム号 キョン「こころ…」 キョン「そうやって問い掛ける長門はなんだか人間くさいな」 キョン「でもそうやって悩んだり」 キョン「憎しみを抱いたりするのは」 キョン「人間なら当たり前のことだからな…」 キョン「そうやって考えることが、もう長門のこころなんじゃないのか」 キョン「長門……」 キョン「間違ってるのか、俺は」 730 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/09(火) 05:52:45.64 ID:8fqruMwFO 尾手院王/尾手城 ハルヒ「私たち、何してるの?」 ハルヒ「有希…あんた何してるの?」 ハルヒ「これ…ゲームのあれよね」 ハルヒ「…有希はあんまり自己主張しないからたまに心配になるのよね」 ハルヒ「………ねぇ、有希。有希はオディオなんかじゃないわよ」 ハルヒ「あなたは長門有希。無口なSOS団員。立派な人間よ!」 732 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/09(火) 05:56:18.12 ID:8fqruMwFO ハルヒ「これ…夢でしょ?」 ハルヒ「夢よ」 ハルヒ「もしそうじゃなくても夢にしちゃえばいいのよ」 ハルヒ「夢から覚めたら学校へ行くのよ」 ハルヒ「そして週末の予定を立てるの」 ハルヒ「有希、あんたの行きたいところでいいわ」 ハルヒ「どこにいきたいの?」 長門「・・・・・」 長門「図書館………」 733 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/09(火) 05:59:17.81 ID:8fqruMwFO キョン「………視界が…」 キョン「白くなっていく」 キョン「そうだ」 キョン「長門に」 キョン「コーヒーを持っていかなくちゃ…」 734 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/09(火) 06:02:30.79 ID:8fqruMwFO ──… ─… ハルヒ「キョン!!早くしないとおいていくわよ!!」 キョン「……置いていくのは大いに結構だが、図書館で騒ぐな。摘み出されるぞ」 古泉「元気で何よりじゃないですか?」 キョン「時と場所を考えろよ」 キョン(あれから俺たちは何事もなかったかのようにすんなり戻ってきた) キョン(ハルヒはゲーム制作に急にやる気をなくしたようで、週末に突然図書館へ行こうといいだした) 737 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/09(火) 06:05:54.61 ID:8fqruMwFO キョン(古泉がいうには…あの世界は、確かに作ったのはハルヒだが、長門も深くかかわっているらしい) <古泉「僕達が記憶を持っていられたのは都合よく長門さんがそばにいれたときです」> <古泉「僕達がどんなにストーリーから外れた行動をとっても、長門さんの力で軌道修正されていたのです」> <古泉「あの長門さんのもとへ行くために…」> キョン(もし本当にそうだとしたら) キョン(長門のなかにあんなふうな憎しみが本当に渦巻いていたのだろうか) キョン(それとも……ただ単に、ゲームのシナリオに沿っていただけだったのか…?) みくる「あの、長門さん…」 長門「?」 738 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/09(火) 06:08:49.63 ID:8fqruMwFO みくる「あの、ゆ、ゆ、」 長門「…?」 みくる「ゆき………って降らないですかねぇ〜」 長門「例年と比べても、降るにはまだ早い」 みくる「そ、そーですよね!………はあ」 長門「………」 キョン「ん?どうした、長門」 長門「コーヒー…」 長門「あなたの淹れたコーヒー、飲みたい」 キョン「…ああ、そうだな」 739 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/09(火) 06:12:16.49 ID:8fqruMwFO キョン「そうだな…じゃあ、今度の部活の時にでも」 長門「今がいい」 キョン「今!?でも、ここは図書館だし…」 ハルヒ「何の話?」 キョン「ハルヒ!」 長門「彼にコーヒーを淹れてもらう話」 ハルヒ「あ、いいわね。私にも…」 長門「だめ」 長門「…私だけ、特別」 ハルヒ「…!」 ハルヒ「ゆ〜き〜!言うようになったじゃないの」 740 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/09(火) 06:14:52.43 ID:8fqruMwFO ハルヒ「じゃあ、キョンのコーヒーをかけて勝負しようじゃない」 ハルヒ「みくるちゃんもいれて。こっからここまでの本誰が一番に読み切るか…」 長門「それは私の楽勝」 ハルヒ「わからないわよ!」 キョン(………) キョン(まあ、そんなことより) キョン(部室にあるスーパーファミコンとテレビは一体誰が片付けるんだ) キョン(スーパーファミコンはハルヒの私物だからまあいいとして、視聴覚室から持ってきたテレビは…) キョン(俺が片付けることになるんだろうな…) キョン(………やれやれ) 涼宮ハルヒのライブアライブ ──FIN── 743 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/09(火) 06:18:35.68 ID:8fqruMwFO 長い間お疲れさまでした。 最後の方とか双方原作レイプしちゃってすみません 本当にすみません… ライブアライブは『楽しむ』だけではなく『考える』ゲームだと思っています。なのでいろんな解釈してもいいかなと とにかくありがとうございました。 750 名前: ◆tnfs5cJy3U [] 投稿日:2008/12/09(火) 06:32:29.35 ID:8fqruMwFO 幕末はないです… 罵ってくれ