つかさ「シャブって気持ちいいなぁ〜」 1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/07(金) 23:53:44.99 ID:mKHeUmvO0 つかさ「はあはあはあ……きっ気持ちいいなぁ」 つかさ「私、すごくすごいなぁ〜」 つかさ「きっ……キラキラしたいなぁ〜」 かがみ「どうしたのよつかさ、目ギラギラさせて……熱でもあるんじゃない?」 つかさ「ないよっお姉ちゃんっ!えへへ〜そんなのないないないないっ!」 つかさ「ふーっふーっふーっ」 6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/07(金) 23:58:08.56 ID:mKHeUmvO0 かがみ「……ならいいけど、あんた最近テンションおかしいわよ」 つかさ「んぎっ!?そ、そうかなぁ〜、へ、へ、へんかなぁ〜?」 かがみ「まぁ、つかさが元気ならそれでいいんだけど」 つかさ「えへっ☆つかさは元気だよ〜」 つかさ「お姉ちゃんだあああああああああああああいぃすきぃぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!」 7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/08(土) 00:03:17.43 ID:YxzfBjec0 始めまして、柊つかさです。 みなさんはもう気づいていますか? そう、今シャブをキめいてます。 本当はいけないものだって分かってるんだけど…… 量と使い方さえちゃんと守れば安全なお薬だし、いつでもやめれるし、むしろ助けてもらえることのほうが多いから ふだんの全国模試での平均偏差値が40に満たないクズ以下の私ですが 今回はこの子(シャブ)のおかげですっごく勉強に集中できて テストの点数もこなちゃんよりいい結果を出せたんですよ。 だから私はこの子と一緒に生きていくって決めたんです。大丈夫、ずっと一緒だよ。 10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/08(土) 00:10:27.68 ID:YxzfBjec0 つかさ「おじゃましまーす」 小野「おお、つかさちゃんいらっしゃい、今日はやけに元気だね」 つかさ「えへへ〜、さっき家でポンプ(注射器)打って来たところなんだ〜」 小野「そっか、どうりで^^ でもほどほどにしなきゃダメだよ」 つかさ「うん!ありがと〜」 この人の名前は小野だいすけ。 私にシャブを教えてくれた人です。 古アパートのひみつの部屋でプッシャー(薬の売人)のお仕事をしています。 いつも安い値段で質のいいシャブを提供してくれる優しいお兄さんです。 私は親愛の意をこめて「だいちゃん」って呼んでます。 15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/08(土) 00:17:40.44 ID:YxzfBjec0 つかさ「だいちゃん見て見て〜、この前のテスト返ってきたんだよ〜」 小野「へぇ、見せてくれるかい?」 小野「おぉっ!英語が75点!?すごいじゃないかつかさちゃん!頑張ったね!」 つかさ「えへへ/// 他の科目はまだまだだけどね〜、、」 小野「それだけでも大した成長だよ、もう少し足りない子かと思っていたけど……やっぱりつかさちゃんはやればできる子だね^^」 つかさ「そんなことないよぉ、みんなお姉ちゃんやだいちゃんのおかげだよ〜///」 小野「そうだ!つかさちゃんにいいもの見せてあげるよ」 つかさ「?」 22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/08(土) 00:25:56.95 ID:YxzfBjec0 だいちゃんが見せてくれたのはパケ袋に入れられた1cmくらいの透明な結晶 まるで氷砂糖のようなその塊は蛍光灯の明かりに反射してチカチカと濡れたように輝いていました。 つかさ「これ……もしかして!?」 小野「そう、純粋な北朝鮮産のガンゴロ(シャブの結晶)だよ、もちろん混ぜ物もゼロ」 つかさ「すごい、私こんな綺麗な結晶はじめて見たよ〜」 小野「こいつは混ぜ物が入ってないからね」 小野「だから、以前よくつかさちゃんが言ってた頭痛や吐き気も殆ど起きないんだよ」 つかさ「(そっか、あの頭痛は混ぜ物のせいだったんだ)」 つかさ「(私てっきり何かの病気かと思ってたよ〜、えへ)」 25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/08(土) 00:27:54.08 ID:YxzfBjec0 つかさ「でもこれ、すごく高そうだね……」 小野「そうだなー」 小野「これだけ質が良いと、安くても1グラム7万はするかなぁ」 つかさ「えーっ! 7万円もするの!?」 30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/08(土) 00:33:33.13 ID:YxzfBjec0 小野「そもそもシャブの相場自体が上がってきてるからね、低く見てもこれくらいが妥当かな」 つかさ「そうなんだ……」 小野「そうそう、そこでなんだけど」 小野「テストで良い点取ったつかさちゃんに、ご褒美としてこのガンゴロをプレゼントしようと思うんだ」 つかさ「えっ!?」 小野「つかさちゃん良く頑張ってたからね^^」 つかさ「でもそんなの、……悪いよぉ」 小野「僕ね、学生の頃勉強が嫌いだったから、つかさちゃんみたいな努力家を見ると心の底から尊敬してしまうんだ」 34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/08(土) 00:37:39.54 ID:YxzfBjec0 小野「テスト一週間前になってもなかなか机に頭が向かわなくてさ」 小野「前日になってからようやく焦り始めて、結局一夜漬けになってしまったりね」 つかさ「そうなんだ(なんだかこなちゃんみたいだな〜)」 小野「でも、つかさちゃんは1ヶ月以上前からちゃんと勉強してたよね、その結果が点数に反映されたんだよ」 つかさ「えへへ/// 」 つかさ「でも、たまに漫画読んじゃったりもしたよ」 小野「ははは、まあ今回のは僕の気持ちと言うことで受け取ってくれないかな?」 小野「いつも良く買いに来てくれてるからね、サービスだよ^^」 つかさ「ありがと〜、だいちゃん」 38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/08(土) 00:42:41.87 ID:YxzfBjec0 つかさ「だいちゃん」 小野「なんだい?」 つかさ「この子大切にするね!きっと、大切に使うからっ」 小野「ありがとう」 小野「きっとその子(北朝鮮産)も、つかさちゃんに使って貰えるって喜んでるよ」 つかさ「えへへ///」 小野「それじゃあ気をつけて帰るんだよ」 つかさ「うん」 つかさ「また遊びにくるねー」 41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/08(土) 00:46:07.45 ID:YxzfBjec0 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜夕食の時間〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 みき「つかさ、今日は少し帰りが遅かったんじゃない?」 つかさ「……ぅ、うん」 ただお「友達の家に遊びに行ってたのかい?」 つかさ「……うん」 かがみ「あれ? あの後こなたの家にでも行ってたの?」 つかさ「ええっと、こなちゃんの家じゃないけど……その」 みき「これから遅くなるときは早めに連絡しなさいよ」 ただお「そうだな、そのための携帯電話だからね」 つかさ「……うん」 つかさ「……」ソワソワ 44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/08(土) 00:49:05.76 ID:YxzfBjec0 ただお「まあそれにしても、今回のテストは二人ともよく頑張ったね」 みき「そうね」 かがみ「一緒に夜遅くまで勉強したもんね、つかさ」 つかさ「……うん」        はやく ただお「つかさは今回英語のテスト、特に良くがんばったね」 つかさ「……うん」        はやく 50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/08(土) 00:51:46.28 ID:YxzfBjec0 かがみ「あれ? つかさ、さっきからあんたお箸進んでないじゃない?」 かがみ「食欲ないの?」 つかさ「えへへ……えっと」       ああ、はやく つかさ「もう……おなかいっぱいかな、えへへ」     はやく今日もらった子を試したい 59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/08(土) 00:54:43.41 ID:YxzfBjec0 ただお「無理しなくていいさ、また食べたくなったらおいで」 みき「残りは冷蔵庫に入れてるからね」 つかさ「……うん」 つかさ「ありがとう」 つかさ「私、先に部屋に戻ってるね!」トタタタ バタン! かがみ「ちょっとつかさ、大丈夫?」 かがみ「……つかさ」 70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/08(土) 01:01:17.46 ID:YxzfBjec0 私は部屋に入るなり大急ぎでカバンを開いてひみつの七点セットを用意しました。 注射器、駆血帯、スプーン、耳かき、ライター、ミネラルウォーター そしてもちろん、だいちゃんにもらったキラキラのガンゴロ(シャブの結晶)も。 つかさ「はぁはぁはぁはぁ」ワクワク つかさ「はやく、はやく」ドキドキ つかさ「あたらしい子はどんな味かな??」ワクワク つかさ「わっ、わくわくするよぅ><」ドキドキ 私は高鳴る胸を押さえながら慣れた手つきで作業を進めました。 まず砕いたガンゴロを少々耳かきですくいスプーンの上へのせてミネラルウォーターを加えます。 そしてスプーンの下からライターの弱火でじっくりことこと時間をかけて溶かしていきます。 ガンゴロが角砂糖のように溶け始めたらそれが合図、蒸発しちゃう前に火を止めます。 後は少し冷めた頃を見計らって注射器で吸い上げます。このとき空気が入らないよう注意。 これで準備完了! 84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/08(土) 01:05:41.07 ID:YxzfBjec0 つかさ「えへへ、できあがり〜」 つかさ「あとはこの駆血帯で腕の付け根をしばって〜血管を浮かせて〜」ギュッ ギュッ つかさ「よいしょ!よいしょ!」グッパ グッパ つかさ「(そういえば少し前までだいちゃんに打ってもらってたんだよね)」 つかさ「(注射器を怖がる私に優しく教えてくれたっけ……)」 つかさ「(まただいちゃんに打ってもらいたいな〜)」 104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/08(土) 01:09:25.93 ID:YxzfBjec0 つかさ「(そういえばこの子、北の国からはるばる日本までやってきたんだよね)」 つかさ「(……そう考えるとなんだか愛おしいな〜)」 そんなことを考えていると血管が浮いてきました。 私は注射痕のない場所を慎重に選んでゆっくりと針を刺し、中身をすべて注入しました。 つかさ「いただきまーす」  プスッ  チューーー…… つかさ「くあっ」カキーーン! つかさ「……あっ……あっ……あっ」ゾクゾクゾク 123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/08(土) 01:14:41.14 ID:YxzfBjec0 そう、その瞬間、1000年もの間溶けなかったアルプスの氷が綺麗な清流となって私の背中から首の後ろを流れました。 身体中の小さな毛がピンと針のように逆立って、その隙間を銀色の小さなトカゲが這い回るような感覚が襲いました。 身体の底から得も言えぬ快感、力、勇気、夢、希望、集中力のようなものが沸いて来て でも目や頭の中はとても澄み切っていてまさに曇りなしの明瞭止水でした。 つかさ「だ、だいちゃん……これ、す、すごいよぉ」 つかさ「すごすぎるよぉ……」 つかさ「こんなことって……」 つかさ「そ、そだ……前にだいちゃんがRUSUを一緒にキメると気持ちいいって言ってたっけ」 つかさ「RUSUどこに直したかなー……」 つかさ「えーっと、えーっと」ガサガサ つかさ「ふーっふーっふーっ」ゴソゴソ 140 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/08(土) 01:19:27.52 ID:YxzfBjec0 RUSHというのはビデオクリーナーの名目で少し前まで普通の雑貨屋さんでも売られていた脱法ドラッグです。 今じゃ手に入らないんだけど、この前シャブを買いだめしたときにおまけでだいちゃんからもらったのです。 まだ試したことなかったけど、一回やって見たかったんだよね〜。 私は歯ぎしりをしながら小さな小瓶のふたを開けてその揮発性のジェルから立ちのぼる気体を勢いよく鼻から吸引しました。 つかさ「んがっ!?」カーーーーーーーーーン! つかさ「んああああああああああああ!」パキパキパキ つかさ「ど、どんだけぇえええええええ!!!!」パッキーーーーーーーーーーーン! 171 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/08(土) 01:25:51.77 ID:YxzfBjec0 つかさ「い、い、い、今なら、私、きっとテスト100点取れるよぉおお!」 つかさ「今なら、全国の県庁所在地も英語の熟語も歴史の年号も円周率も因数分解も微分積分も全部覚えられるよおおおおおおお!」 つかさ「ハードル競争も開脚前転もパン食い競争も二点倒立も反復横飛びもできちゃうよおおおおあああ!」 つかさ「も、も、もう怖いものなんてなにもない!どっからでもかかってこいー><」 コンコンコン かがみ「つかさ……ちょっと入ってもいい?」 つかさ「はんふっ!?お姉ちゃん!!?」 つかさ「あわわわわ、ちょっとまってぇー、、えへへへ」ガサゴゾ 192 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/08(土) 01:29:41.17 ID:YxzfBjec0 私は大慌てでひみつの七点セットを押入れに隠しました。 あ!そうだ、ソデも戻して注射痕も隠さなきゃ! かがみ「はいるわよー」ガチャッ つかさ「えへへー、どうぞどうぞー」 かがみ「つかさ」 つかさ「なぁーにー?お姉ちゃん」ニコニコ かがみ「藪から棒だけど……あんた、何か学校で嫌な事でもあったの?」 つかさ「ええー?どうして?学校大好きだよー?」 かがみ「いや、ならいいんだけど」 かがみ「あんた最近、少し変だから……」 211 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/08(土) 01:33:06.72 ID:YxzfBjec0 かがみ「突然部屋で大声出したり、無駄にテンション高かったり」 かがみ「かと思うと全然ご飯食べなかったり……」 つかさ「そ、そ、そうかなぁ〜」 つかさ「ちゃ、ちゃんとご飯食べてるよぉ」フーッフーッフーッ かがみ「……つかさ」 かがみ「何か悩んでることがあったら言ってよね、私たち家族なんだから」 つかさ「うん!ありがとおおおおおお!」フーッフーッ つかさ「お姉ちゃんだああああああああああいぃすきぃぃいいいいいいいいいいいい!!」フーッフーッフーッ 230 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/08(土) 01:35:58.71 ID:YxzfBjec0 かがみ「(つかさ、目の焦点があってなかった……)」 かがみ「(それに顔色もおかしかったし、しゃべり方も……)」 かがみ「(まさか、何かの病気ってわけじゃないわよね?)」 かがみ「(私の思い過ごしならいいんだけど……)」 243 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/08(土) 01:39:34.93 ID:YxzfBjec0 つかさ「(えへへ、お姉ちゃんに心配されちゃった☆)」 つかさ「(やっぱり私お姉ちゃんにヘンって思われてたんだ)」 つかさ「(でも、きっとバレてないよね!)」 つかさ「(うん大丈夫!)」 つかさ「(だって今の私は今までに無いくらいハイだから!)」 つかさ「どっからでもかかってこいー><」 267 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/08(土) 01:44:32.20 ID:YxzfBjec0 私は自分の気持ちを抑えることができず気がつくとパジャマ姿のままパッと外へ飛び出していました。 大丈夫、お姉ちゃんには見られてないし、お父さんやお母さんにも。 私、すこし出かけてくるね、とくにあては無いけど……この気持ちを抑えたまま部屋でこもってるなんて出来ないんだよぉ。 私はキラキラしたいんだ。そう、KIRA KIRA したいだけなんだ! 寒空の下、私は家からとなり町までの急な坂道を全速力で駆け上がりました。 途中、空の星たちが流れ星となって私を応援してくれてるような気がしました。 つかさ「私、星になってる……」 296 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/08(土) 01:51:58.16 ID:YxzfBjec0 坂道をを全速力で駆け上り、気がつくとそこは高い丘の上の公園でした。 あれだけ走ったのにちっとも疲れないんだよ〜、まるで背中に魔法の翼が生えたみたい。 シャブの力ってすごいなぁ…… 眼下には民家の窓からのぞく光がキラキラと光っていてとても幻想的でした。 つかさ「あの光の中に私のおうちもあるんだよね〜」 つかさ「私たちっていつもあんなにキラキラした光のなかで暮らしてたんだ……」 つかさ「綺麗だな〜、まるで光を敷き詰めた宝石箱みたい……」 つかさ「神様……こんな宝石箱の中に私を生んでくれてありがとう……」 女の子「ねぇあんた、取り込み中のところ悪いんだけどさぁ」 つかさ「ほぇっ!? ……わ、私?」 女の子「あんた以外誰がいんのよ」 女の子「ねぇライター持ってない?」 310 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/08(土) 01:57:08.38 ID:YxzfBjec0 突然話しかけてきたのは背の低い女の子。 けだるそうな表情で公園のベンチに座っていました。 歳はゆたかちゃんくらいに見えるんだけど、この子、手にタバコを持ってる……。 女の子「ねぇ、火ぃもってんの?もってないの?」 女の子「あたしライターオイル切らしてんのよ」 つかさ「ええっ…えっとぉ(たしか七点セットのライターをポケットに入れてたような)」 つかさ「あ、あった!あったよ」 つかさ「どうぞっ」 女の子「ああ、サンキュー」カチッ シュボッ 女の子「フーーーーー…ッ」 女の子「スパー…」 つかさ「……」 337 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/08(土) 02:02:15.88 ID:YxzfBjec0 つかさ「あ、あの……」 女の子「あん?」 つかさ「えっと、えっと……」 女の子「あー、はいはい、これ吸いたいんでしょ?」 女の子「少しだけよ?」 つかさ「わわわ、私はいいよ、タバコは、、」 女の子「はァ?」 つかさ「ごめんなさい、だって、その……」 つかさ「私、まだ未成年だし……」 366 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/08(土) 02:07:54.82 ID:YxzfBjec0 女の子「……へぇ」 女の子「未成年ねぇ………クスクス」 つかさ「ううっ……何がおかしいのぉ」 女の子「いや、おかしいもなにもさぁー」 女の子「シャブきめてパジャマ姿のまま夜の公園まで走ってきて『神様ありがとー』とか叫んじゃう奴が」 女の子「どの面下げて『未成年だからタバコは吸いません』よ?」 女の子「すごい世の中になったもんねぇーまったく」 つかさ「なっ!」 384 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/08(土) 02:11:24.50 ID:YxzfBjec0 やばいよ、バレてる。 どうしよう、何でわかったんだろう!? だいちゃん以外の誰にも話してないのに。 つかさ「あ、あ、あ、あの、その、」 女の子「何でわかったんだろう?って?」 つかさ「えっ!? ちがっ……私、シャブとか、その、、」 女の子「はぁーーーー……」 女の子「あんた、ほんと頭弱そうね」 400 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/08(土) 02:15:02.92 ID:YxzfBjec0 女の子「パックリ開いた瞳孔、定まらない視点、独特の体臭、不自然な挙動」 女の子「十中八九シャブかMDMAってとこね、どーせそのライターも炙りに使うんでしょ?」 つかさ「……」 女の子「あーぁ、あんたそんなじゃじきにパクられるよ?」 女の子「なんてゆーかスキだらけ、この世界で生きていこうと思ったら頭つかわないとさぁ」 つかさ「……」 つかさ「……(どうしよう)」 つかさ「……(BADになってきた)」 413 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/08(土) 02:17:27.06 ID:YxzfBjec0 女の子「スパー…」 女の子「心配しなくても誰にも喋ったりしないわよ」 女の子「てゆーかチクったらあたしがパクられるし」 つかさ「……えっ?」 女の子「これタバコじゃなくてガンジャ」 つかさ「……がん…じゃ?」 434 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/08(土) 02:20:52.32 ID:YxzfBjec0 女の子「マリファナ、大麻、ポット、クサ……わかる?」 女の子「あたしもあんたの仲間ってこと」 つかさ「あ、マリファナって……あの、麻薬の……?」 女の子「フー…」 女の子「あんたさァ、さっきからそれ突っ込んで欲しくてやってるの?」 女の子「それともマジで天然?」 つかさ「……えっ」 女の子「何でシャブやってる奴が ガ ン ジ ャ し ら な い の よ ?」 454 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/08(土) 02:24:27.28 ID:YxzfBjec0 つかさ「だって……私」 つかさ「シャブ以外ほとんどやったこと無いんだもん……」 女の子「ふーん」 女の子「シャブ好きは一途な奴が多いっていうからねぇー」スパー… 女の子「まぁ、私もたまにやるけどね」 つかさ「え!シャブやるの?」 つかさ「その……あなたも?」 481 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/08(土) 02:28:39.59 ID:YxzfBjec0 女の子「あー……」 女の子「そーいや、名前まだ言ってなかったっけ?」 つかさ「う、うん」 女の子「あたしは小神あきら、あきらでいいよ」 つかさ「私は柊つかさ!つかさって呼んでね」 つかさ「あきらちゃんかー、男の子みたいで可愛い名前だね〜」 あきら「ほっとけよ、そこは」 つかさ「じゃあ、あきちゃんって呼んでいい?」 あきら「ご自由に」 503 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/08(土) 02:31:51.75 ID:YxzfBjec0 つかさ「そだ、アドレス交換しよー」 あきら「……あんた初対面の相手によくやるわね」 つかさ「えへへー」 つかさ「あきちゃんいい人そうだし、私平気だよ〜」 あきら「まぁ別にいいけど」 あきら「ところであんた、赤外線つかえるの?」 つかさ「うん!大丈夫だよー」 つかさ「ちょっとまっててね」ガサゴソ つかさ「……あれ?……おかしいな?」ガサゴソ つかさ「……ちょっとまっててね、、」ガサゴソ あきら「……」 529 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/08(土) 02:36:41.37 ID:YxzfBjec0 つかさ「ううっ……ごめんなさい」 つかさ「……家に置いてきたみたい」 あきら「……」 つかさ「せっかく友達になれたのに……」 あきら「……別にあんたがあたしに番号教えてくれりゃいいじゃん?」 あきら「ワンコールするからさ」 つかさ「その……携帯の番号……まだ覚えてなくって」 あきら「……」 つかさ「……ごめんなさい」 あきら「……」スパー… 541 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/08(土) 02:40:00.20 ID:YxzfBjec0 あきら「もっかいライター貸して」 つかさ「はっ、はいっ」 つかさ「どうぞっ」 あきら「……」キュキュキュキュー… あきら「ほら、あたしの携帯番号、シールの部分に書いといたから」 つかさ「わあ!ありがとう!あきちゃん」 つかさ「家に帰ったらすぐに電話するよー」 あきら「いいよ今日は、めんどくさいから」 つかさ「……ぁぅ」 550 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/08(土) 02:42:22.31 ID:YxzfBjec0 あきら「はー…、冗談だって……………………まぁ、これも何かの因果ね」 あきら「いつでもかけてきたら? 暇だったら相手してあげるよ」 つかさ「ほんと!?ありがとう!」 あきら「……暇だったらね」 つかさ「うん!」 つかさ「(えへ、このライターお守りにしよっと)」 559 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/08(土) 02:44:33.71 ID:YxzfBjec0 あきら「あんただいぶ抜けてきたんじゃない?」 つかさ「そういえば……少しおちついてきたかも」 あきら「抜けきる前に家帰ったほうがいいよ? どーせ遠いところから来たんだろーし」 つかさ「うん、そうだね」 つかさ「あきちゃん、今日はいろいろありがと〜」 あきら「別になにもしてないけど」 つかさ「えへへ」 565 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/08(土) 02:45:56.75 ID:YxzfBjec0 つかさ「じゃあまた電話するねー」 つかさ「今度また一緒に遊ぼうねー」 あきら「はいはい」スパー… つかさ「ばいばいー」 あきら「ばいにー」 あきら「(変な奴……)」 578 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/08(土) 02:49:13.13 ID:YxzfBjec0 家までの帰り道は想像以上に遠く、行きの10倍、20倍の距離があるように感じました。 シャブは元気の前借りって聞いたことあるけど……もしかしたら本当にそうなのかも。 効いてるときは何をしても疲れないし眠くもならない、もちろん気分も落ち込んだりしないのに。 いったん抜けると今まで押さえていたリミッターが外れたみたいに疲れやダルさの波が一気に押し寄せてくる。 まるで溜め込んでおいた夏休みの宿題みたい。 つかさ「はぁ…はぁ…はぁ…」 つかさ「お家、まだかなぁ……」 つかさ「ケホッ……けっこう遠いところまで歩いたんだなぁ……」 つかさ「あれ〜?行きは歩いたんじゃなくて走ってたんだっけ……?」 つかさ「えへへ……もう、どっちでもいいや……」 592 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/08(土) 02:52:44.64 ID:YxzfBjec0 ガチャッ… つかさ「ただいまぁ…(ってもうみんな寝てるよね……)」 つかさ「(そういえば私、玄関の鍵かけずに出て行ったんだっけ……)」 つかさ「(お姉ちゃんたち、私が夜中に抜け出したこと知ってるのかな……?)」 つかさ「(大丈夫だよねきっと、心配のしすぎだよね……)」 つかさ「(みんなを起こさないように、静かに部屋に戻ろう……)」 つかさ「(はやく寝なきゃ……)」 ギシ… ギシ… ギシ… 604 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/08(土) 02:56:16.08 ID:YxzfBjec0 つかさ「わー、お布団はやっぱ気持ちいいなぁ><」 つかさ「今日はいっぱい歩いたし、ぐっすり眠れそうだよぉ」 つかさ「あきちゃんはもうお家に帰ったのかな〜?」 つかさ「私よりも小さい女の子なのになんだかしっかりしてたなぁ……」 つかさ「今日はもう遅いから明日電話してみようかな?」 つかさ「(……私の秘密を共有できる友達……だいちゃん以外で初めての友達)」 つかさ「また会えるといいなぁ……」 つかさ「おやすみなさぃ……」 619 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/08(土) 03:00:31.66 ID:YxzfBjec0 ガバッ! ……寝れない。 ……どうして? ……こんなに疲れてるのに。 ……こんなに眠たいのに。 ……ううっ ……布団に入って目をつむると、頭の中でおもちゃの兵隊が行進するよぉ ……まだ抜けきってないのかなぁ? ……夜遅くにキメたのがいけなかったのかなぁ? ……しんどいよぉ。 717 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 09:49:05.11 ID:YxzfBjec0 つかさ「……あきちゃんに電話してみようかなぁ」 つかさ「もう寝ちゃってるかなぁ……」 つかさ「でも寝てたら出ないだろうし……ためしにかけてみよう」ピポパピパポピ ……プルルルルル……プルルルルル……プルルルルル……プルルルルル……プルルルルル…… つかさ「……出ない」 つかさ「……そりゃそうだよねぇ」 つかさ「だいちゃんもこんな遅い時間に電話でないし……」 つかさ「……」 つかさ「牛乳でも飲んでこよ〜」 719 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 09:52:23.70 ID:YxzfBjec0 つかさ「ゴクゴクゴク……ぷは」 つかさ「これで少しは眠たくなるかな」 つかさ「こなちゃんも寝る前にあたたかいミルクを飲んで20分ほどストレッチをすると朝まで熟睡できるって言ってたし」 つかさ「きっと、これで大丈夫だよね」 つかさ「おやすみなさい〜」 720 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 09:58:04.54 ID:YxzfBjec0 昨日の晩、けっきょく私は朝まで熟睡することが出来ませんでした。 疲れはピークに達しているので、少しでも横になって身体を休めようとしたんだけど…… 身体の奥底から動け動けと命令されているようでじっとしていられず、結局朝まで漫画を読んだり音楽を聴いたりして過ごしました。 つかさ「おはよー…」 みき「おはようつかさ、今日はずいぶんと早起きなのね」 つかさ「う、うん、えへへー…」フラフラ かがみ「ふぁー、おはよー」 つかさ「あっ、お姉ちゃん……………お、おはよー…」 かがみ「……つかさ」 かがみ「…………お、おはよう」 つかさ「……」 かがみ「……」 723 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 10:01:36.35 ID:YxzfBjec0 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜朝の登校時〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 かがみ「…………」 つかさ「(ぅぅ……お姉ちゃん、沈黙が怖いよぅ)」 つかさ「(……やっぱり昨日の事怪しんでるのかな?……夜中に家を出たことも……ひょっとして知ってるのかな?)」 つかさ「(……昨日はハイになってたから全然気にならなかったけど)」 つかさ「(……普通の人の目から見たら……昨日の私がした行動って……どう考えてもヘンだよね)」 つかさ「(……ま、まさか、もうお姉ちゃんにはバレてたり……そ、そんなことないよね?)」 727 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 10:05:59.05 ID:YxzfBjec0 つかさ「(……でも、もしお姉ちゃんが気づいてたら……知っていたら)」 つかさ「(いや、お姉ちゃんはきっと知ってるんだ……私が……やってることも)」 つかさ「(そして……お母さんやお父さん、まつりお姉ちゃんやいのりお姉ちゃんにも、いつか喋ってしまって)」 つかさ「(そして、ゆくゆくは私の押入れの中も調べられて……中から七点セットが見つかって……そして警察の人に)」 つかさ「(いやあ、そんなのいやあ、いやああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!)」 かがみ「ねぇ、つかさ?」 734 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 10:12:04.20 ID:YxzfBjec0 つかさ「い、いやああああああっ!」 かがみ「え?ちょっ、ど、どうしたのよつかさ?」 つかさ「……あっ、ああ………お、お姉ちゃん?」 かがみ「……どうして急に大声出したの?」 つかさ「あ、えへへ、、そうだよね……ごめんね、おどろかせて……えへへ、、」 かがみ「さっきから、ずっとぶつぶつ言ってるし……」 かがみ「ほんとにどうしたの?顔色も悪いよ?」 つかさ「ほ、ほんとうに、ほんとうに、大丈夫……だからぁ、、」 かがみ「……」 かがみ「……そういえば、あんた昨日の夜n」 こなた「やほー、おふたりさん!」 760 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 10:43:07.93 ID:YxzfBjec0 つかさ「お、おはよーこなちゃん!」 かがみ「…………おっす」 こなた「むむ?どうしたのかがみん、朝からやけに大人しいじゃん」 かがみ「……別に、あんたが元気すぎるだけじゃないの?」 こなた「ふむ、……もしやこれは恋の悩みだね? 何でも聞いてあげるから話してごらん? ほーれほーれ?」 かがみ「まったく朝から、お前の頭ん中はそんなことしかないのかっ …………そーゆうのじゃないのよ、別に」 かがみ「ちょっとね……つかさと大事な話してただけ」 こなた「ほうほう、つかさと」 つかさ「……」 765 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 10:46:49.69 ID:YxzfBjec0 こなた「じー…」 つかさ「ビクッ! ど、どうしたの、こなちゃん?」 こなた「つかさ、ちょっと失礼」 こなた「くんくんくんくん」 つかさ「ひゃっ!?こなちゃん??」 かがみ「ちょっと!あんたつかさになにやってるのよ?」 こなた「……これは臭うな」 770 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/11/08(土) 10:53:28.60 ID:YxzfBjec0 こなた『自分じゃ気づいてないだろうがな、妙なオーラ発してんだよあんちゃん』 こなた『ああ… 見えるよ、病気のオーラだ』 つかさ「……えっ」 かがみ「ったく、あんたは、どうせまた何かのアニメに影響されて……」 こなた「ざんねーん、アニメじゃなくて漫画だよー!」 こなた「このところ少々、小池桂一のウルトラへヴンたる漫画にはまっておりまして」 つかさ「漫画?うるとらへぶん?」 773 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 10:58:52.51 ID:YxzfBjec0 こなた「近未来でねドラッグが合法化されてる世界が舞台なんだけど、みんな普通にバーとかに行ってお酒感覚でドラッグを楽しんでるの」 こなた「んでもって、そんな世界でも違法なドラッグがあって、主人公がそのドラッグ中毒者なんだよー、で、その主人公が………ペラペラ」 つかさ「……」 かがみ「ほんと好きよね、そーゆーの」 こなた「かがみとつかさにも今度かしたげるよ、ハマるとなかなか面白いよー?」 かがみ「気持ちだけいただいておくわ」 つかさ「……」 778 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 11:01:38.23 ID:YxzfBjec0 こなた「そうそう、さっきつかさに言ったセリフなんだけど、物語の中の売人が主人公に言ったセリフなんだー」 こなた「今日のつかさ、頭の寝癖っぷりといい眠そうな目元といい、どことなくだけど……」 こなた「ドラッグが抜けて黄昏てる時の主人公と雰囲気が似てたんだよねぇ、だから思わず、ね」 かがみ「子供か、おまえは」 つかさ「……」 780 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 11:06:00.55 ID:YxzfBjec0 こなた「おはよーみゆきさん」 つかさ「……ゆきちゃん、おはよ〜」 みゆき「おはようございます、泉さん、つかささん」 こなた「いやー最近寒くなったねー、夜中シャツ一枚で過ごせないのが辛いよ」 つかさ「そ、そうだねぇ……私も風邪引かないようにしなきゃ……」 こなた「でも今日のつかさってもうすでに風邪引いてるって感じだねぇ」 つかさ「……ど、どういう?」ガタガタ こなた「その震え方とか顔色とかさ、ちゃんと暖かいかっこして寝なきゃだめだよ?つかさ」 みゆき「風邪の初期症状かもしれませんね」 785 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 11:11:35.46 ID:YxzfBjec0 こなた「風邪と言えばもうインフルエンザの予防接種の季節だねぇ」 こなた「つかさはまた泣いちゃいそうだね、注射怖いー><とかいってさ」 つかさ「……え、えへへ…………そうだねぇ」 こなた「む?」 こなた「つかさ、どうしたのその血?」 つかさ「え?」 つかさ「……わっ!?」 つかさ「(しまった、昨日ポンプ打った場所から血がにじんでる……制服にしみが……ど、ど、どうしよう)」 790 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 11:18:47.52 ID:YxzfBjec0 みゆき「つかささん、もうインフルエンザの予防接種受けてきたんですか」 こなた「え、そうなのつかさ?もう受けてきたの?」 つかさ「え?……あっ、そう、そうだよぉ〜」 みゆき「たまにありますよね、血が止まったと思って服を着たとたん血が滲んでしまう事って」 こなた「あるあるー、そんでほっといたら固まって茶色いカピカピになっちゃったりね〜」 つかさ「そ、そうだよねー、帰って洗わなきゃー、えへへ〜(た、助かったー)」 794 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 11:25:25.90 ID:YxzfBjec0 つかさ「(……はぁ、今日の授業……全然集中できなかったなぁ)」 つかさ「(それに、ちっとも疲れ取れないし)」 つかさ「(昨日から一睡もしてないんだから……当然だよね)」 つかさ「(……はぁ)」 つかさ「(お姉ちゃん絶対怪しんでる……昨日の事も……きっと)」 つかさ「(こなちゃんに言われたことも、いつもなら全然気にならないのに……)」 つかさ「(まさか……こなちゃんも気づいてる?……私がやってること……知っててわざとあんなこと言ったのかな?)」 800 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 11:29:12.02 ID:YxzfBjec0 つかさ「(そ、そんなわけないよね……絶対無いよ、友達を疑うのはやめよう)」 つかさ「(もっと楽しいこと考えなきゃ……そうだ、もうすぐホームルームも終わるし、そしたらだいちゃんのお店に行こう!)」 つかさ「(だいちゃんならその筋のプロだからきっと私の悩みもわかってくれる、相談できる!)」 かがみ「よっ!二人とも帰ろう〜」 つかさ「……ひっ!お姉ちゃん」 こなた「ねーかがみん、私ゲマズ寄ってくけどかがみんも一緒に来ない?」 かがみ「……そうねぇ、私もちょうど欲しい小説あったし……いいわよ、行こっか!」 つかさ「……」 801 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 11:32:21.72 ID:YxzfBjec0 こなた「つかさはどうするー?いっしょに来るー?」 つかさ「……ごめん、私、今日いっしょに行けないや」 こなた「ほぇ? 何か用事でもあるの?珍しい」 つかさ「……ちょっとねー、えへへへ、、」 かがみ「つかさ、用事って何?」 810 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 11:40:03.24 ID:YxzfBjec0 つかさ「そ……それはぁ……その…………」 つかさ「と、友達の……家に」 かがみ「友達って誰?みゆき?……あんたが一人で家に遊びに行くような友達ってこなたとみゆき以外にいた?」 つかさ「……………ぅぅっ」 かがみ「そういえば今朝も聞こうと思ってたんだけど、あんた昨日の夜中n」 こなた「まーまー、おちつきなよかがみー、つかさがいなきゃ寂しいのもわかるけどいいかげん妹ばなれしなきゃ、ね?」 かがみ「そういう話をしてるんじゃないでしょ?」 こなた「つかさは大人の階段を上ろうとしてるんだよー、お姉ちゃんなら妹の成長を素直に応援してあげなよ?」 こなた「ねー?つかさ」 つかさ「ご、ごめん、お姉ちゃん、こなちゃん…………私、もう行かなきゃ!!」 かがみ「ちょっと待ちなさいつかさ!」 つかさ「ごめんなさいっ、、さようならっ」タタタタ…… 818 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 11:47:56.26 ID:YxzfBjec0 私は後ろで呼び止めるお姉ちゃんを振り返らずに走りました。 お姉ちゃんの呼び止めを無視したことでいっそう疑われる事もわかっていました。 そんな行動が続けば、いつかこなちゃんも私を怪しい目で見るようになる、それも分かっています。 でも、そんな先の事を心配する余裕は今の私には無かった……あの重苦しい空気から一刻も早く抜け出したい そしてだいちゃんのお店のシャブで脳髄の空腹をおもいっきり満たしたい……むしゃぶり喰いたい その気持ちだけがただただ私を走らせていました。 826 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 11:53:01.12 ID:YxzfBjec0 身体はだるいし足はふらふら、頭もぼーっとするし、なんだかすごく喉が渇く……。 どうしてだいちゃんに貰ったガンゴロを学校に持ってこなかったんだろう?……炙りでもしたら少しは気分が晴れたのに。 空を見ても、まるでこの世の終わりのような黒い雲が覆っていて、まるで今の私を暗示しているよう。 きっと空も雲も太陽も、私のことなんて歓迎してないんだろうなぁ………………風も強くなってきた。 でも、だいちゃんのお店に行けば、だいちゃんのお店さえ行けば、きっと今より気は楽になる。 今は何も考えないで、だいちゃんのお店を目指そう、だいちゃんに助けてもらおう。 そう、それだけを信じて私は走りました。 『この世界で生きていこうと思ったら頭つかわないと』 あきちゃんの言葉が……一瞬頭をよぎりました。 832 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 11:58:12.34 ID:YxzfBjec0 小野「へぇ……そんなことがあったんだ、それは大変だったね」 つかさ「そうなのぉ、もう不安で不安で……どうなることかと思ったよぉ」 小野「でもまぁ、こうして良い勉強も出来たことだし、次からはあまり無茶はしないようにしなきゃね」 つかさ「うん、だからまたガンゴロ打って欲しいのぉ、お金ならあるから」 つかさ「お願い、少しだけでいいからぁ」 小野「だ、だめだよ、つかさちゃん」 つかさ「お願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願い」 小野「今はよくないって、さっき言ったばかりじゃないか…無茶しちゃだめだって」 つかさ「ぅぅ……だってしんどくてしんどくて」 849 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 12:04:13.85 ID:YxzfBjec0 小野「いいかいつかさちゃん、今回良く勉強してきたと思うんだけど、シャブって言うのは元気を貸してくれる銀行なんだよ」 つかさ「銀行?」 小野「そう、先に元気を貸してもらえる代わりに最後にはちゃんと元気を返さなきゃいけないんだ、銀行のルールと同じだね」 小野「でも銀行でお金を借りた場合は金利がつくでしょ?だから無茶してたくさん借りすぎると後で返すのが大変なんだ」 小野「つまりご利用は計画的にって事だね、今の説明でだいたい分かったかな?」 つかさ「ううっ……銀行でお金借りたこと無いから……よく分からないよ」 小野「……そ、そうか」 857 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 12:08:17.98 ID:YxzfBjec0 小野「つまりね、今つかさちゃんは銀行でお金を借りているんだ、でもそのお金をそろそろ返さなきゃいけない」 小野「なぜなら、早くしないとどんどん金利がたまって、借りた時よりたくさんのお金を銀行に返さなきゃいけなくなるからね」 小野「でも今のつかさちゃんは銀行に返すためのお金を自分で作らずに、別の銀行で借りようとしてるんだ」 小野「別の銀行で借りたお金を最初の銀行にもって行けば一応お金は返したことになるけど」 小野「今度は二回目に借りた銀行にお金を返さなきゃいけなくなるよね?それも前よりも大きな金額を」 つかさ「プシュー…」 小野「……つ、つかさちゃん?」 小野「(しまった、さっきの説明より分かり難かったか)」 865 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 12:12:31.54 ID:YxzfBjec0 小野「つまり、たまには休憩をして体力を回復させながら楽しみましょうって事、わかった?」 つかさ「でも、休憩したくても寝れないんだもん…………今までこんなこと無かったのに」 つかさ「いくらハードにキメても布団に入ったらぐっすり眠れたのに……」 小野「つかさちゃん、昨日何gくらい入れたの?」 つかさ「えっと……耳かき4杯分くらいだから……0.2gくらいかなぁ?」 小野「ええっ!? そんなに入れちゃったの??」 つかさ「それに、前にだいちゃんからもらったRUSHもいっしょにキメちゃったし……」 小野「……あ〜ぁ」 872 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 12:15:45.99 ID:YxzfBjec0 小野「夜中にジャブ0.2g入れてそこにRUSHもプラスしたら……そりゃ寝れなくなるね」 つかさ「初めての子だったから……わくわくしちゃって……つい」 小野「わかった!じゃあ僕がつかさちゃんにいいものを紹介してあげよう」 つかさ「???」 小野「どこにしまったっけな?…………ん!あったあった」 小野「これだよつかさちゃん、見たことあるかな?」 つかさ「……カゼ薬?…………はじめて見たかも、なんていうお薬?」 小野「ハルシオン、睡眠薬だよ」 886 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 12:19:57.76 ID:YxzfBjec0 小野「シャブが好きな人ってけっこう夜眠れなくなる人が多いんだ、そういった人の必需品だね」 つかさ「へぇー、じゃあ今の私にぴったりだね〜」 小野「そうだね、用法用量を守れば身体に優しい良い薬だよ、値段も安いしね」 つかさ「……いくらくらいするの?」 小野「そうだなぁ、つかさちゃんにはいつもお世話になってるから、1シート(10錠)3000円で売ってあげるよ」 つかさ「えっ?そんなに安くていいの?」 小野「もともと安いお薬だからね^^」 つかさ「わーい!だいちゃんありがとう!」 897 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 12:24:18.20 ID:YxzfBjec0 小野「あとはビタミン剤も飲んでぐっすり休んで、身体は大切にね」 つかさ「うん!今日は早く寝るよ〜」 小野「昨日みたいに夜更かししたら駄目だよ?」 つかさ「うん、わかった!  ……あ、そういえば、昨日夜更かししたおかげで新しい友達ができたんだよー」 小野「へぇ、それはよかったね、どんな感じの子?」 つかさ「ショートヘアで身長は私より少し小さいくらいの女の子なんだけど……すごくしっかりしてて」 つかさ「しゃべり方とか意地悪そうなんだけど……本当はとても優しくていい子なんだ〜」 小野「そうなんだ、じゃあつかさちゃん昨日夜更かしして正解だったのかもね」 つかさ「あ、それからね」 つかさ「その子も私と同じでシャブやるんだってー」 18 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 12:55:15.49 ID:YxzfBjec0 小野「あとはビタミン剤も飲んでぐっすり休んで、身体は大切にね」 つかさ「うん!今日は早く寝るよ〜」 小野「昨日みたいに夜更かししたら駄目だよ?」 つかさ「うん、わかった!  ……あ、そういえば、昨日夜更かししたおかげで新しい友達ができたんだよー」 小野「へぇ、それはよかったね、どんな感じの子?」 つかさ「ショートヘアで身長は私より少し小さいくらいの女の子なんだけど……すごくしっかりしてて」 つかさ「しゃべり方とか意地悪そうなんだけど……本当はとても優しくていい子なんだ〜」 小野「そうなんだ、じゃあつかさちゃん昨日夜更かしして正解だったのかもね」 つかさ「あ、それからね」 つかさ「その子も私と同じでシャブやるんだってー」 22 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 12:59:11.13 ID:YxzfBjec0 小野「……へぇ、それは奇遇だね」 つかさ「それでね、その子シャブの他にもマリファナとかもやってるんだ〜、公園で私がライターを貸してあげたんだよ」 小野「……うちの客にも若い女の子はたくさんいるけど……僕の知ってる子かな?クサはあまり売った覚え無いけど」 つかさ「えっと、名前はねー」 つかさ「小神あきらっていうんだー、私はあきちゃんって呼んでるけどね」 小野「…………」 28 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 13:01:25.48 ID:YxzfBjec0 小野「……こういう世界に住んでるとね……むやみに人に名前を知られたがらない人が多いんだ」 小野「そのお友達はどういう子か分からないけど、今度からはあまり人に話さないほうが無難かもしれないね」 つかさ「……あぅ」 つかさ「そっか……そうだよね………………ごめんなさい」 小野「僕の事は、その子に話したのかい?」 つかさ「ううん、だいちゃんの話はしてないよ」 小野「そうか」 33 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 13:05:52.49 ID:YxzfBjec0 小野「もし今度会う機会があったらその子もうちの店につれておいでよ?」 つかさ「え、いいの?」 小野「あれ?知らなかった?」 小野「うちのお店は友達を紹介してくれたお客さんには紹介料として友達一人につきシャブ1gサービスしてるんだよ?」 つかさ「えええ!ほんとう!?」 小野「それにその紹介されてきた友達にも初回サービスとして1回分は無料でプレゼントしてるんだ」 つかさ「すごいよ!あきちゃん絶対喜ぶよ!」 小野「……つ、つかさちゃん……名前名前」 つかさ「はっ……ごっ、ごめんなさい、、、」 小野「その子がいいって言うなら今度またつれてきてごらん」 つかさ「うん!今度誘って見る!絶対つれてくるよ」 小野「まってるよ^^」 37 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 13:09:10.89 ID:YxzfBjec0 つかさ「(友達一人紹介で1g……紹介された友達は1回分無料でプレゼントかぁ……)」 つかさ「(普通の人の1回分って0.04gくらいかなぁ?)」 つかさ「(あきちゃんたまにシャブもやるって言ってたし……きっと喜ぶだろうなぁ)」 つかさ「(今日の夜にでも電話して見ようかな〜?)」 つかさ「(……だめだめ、今日は早く寝なきゃ、だいちゃんとも約束したし)」 つかさ「(また今度誘って見よう)」 38 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 13:10:15.44 ID:YxzfBjec0 つかさ「ただいまぁ〜」 ただお「おかえりつかさ」 つかさ「あれ?……お姉ちゃんは?」 ただお「友達と本屋さんに行ってるみたいだよ」 つかさ「そっか……そうなんだ(ホッ)」 48 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 13:14:39.54 ID:YxzfBjec0 つかさ「おとうさん、今日はちょっと疲れちゃったから先に寝るね」 ただお「どうしたんだ?風邪でも引いたのかい?」 つかさ「そうじゃないけど……ちょっとつかれてて、晩御飯もちょっと……いいや」 ただお「大丈夫か?そういえば顔色もあまりよくないな、おかゆでも作ろうか?」 つかさ「大丈夫、ほんとに大丈夫だから、ちょっと疲れただけ、寝たらよくなるよ」 つかさ「ごめんね、おやすみなさい〜」バタン 51 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 13:18:44.14 ID:YxzfBjec0 つかさ「えへへへ、これがハルシオンかぁ……なんだか普通の風邪薬みたいだな〜」 つかさ「就寝前に1回2錠お飲みくださいかぁ……」 つかさ「さっそく試してみよっと」ワクワク パクッ ゴクゴクゴク… つかさ「ぷは」 つかさ「はやく眠たくならないかな〜」ドキドキ ……プルルルルル……プルルルルル…… 52 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 13:21:45.43 ID:YxzfBjec0 つかさ「電話だ……誰からだろう?」 つかさ「わっ!あきちゃんからだ!電話かけなおしてくれたんだ!」 つかさ「もしもしー!あきちゃーん?」 あきら『……やっぱあんたか』 つかさ「えへへ、昨日けっきょく寝れなくて……あきちゃん何してるかなーって思ってかけちゃったんだ〜」 つかさ「あきちゃん昨日はもう寝てたよね?ごめんね遅くに」 あきら『別にいいよ、じゃあ番号主も分かったことだし切るわ、じゃーね』 つかさ「わあああ、まって、あきちゃん」 58 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 13:26:06.04 ID:YxzfBjec0 あきら『何よ?』 つかさ「えっと、今度よかったらいっしょに遊ばない?紹介したいお店もあるんだ〜」 あきら『……』 つかさ「あのね、私がいつもシャブ買ってるお店なんだけど」 つかさ「そこのお店のお兄さんがすごくいい人だから一度あきちゃんにも紹介したくって」 あきら『悪いけど間に合ってるからいいわ』 つかさ「……ぁぅ……そっかぁ」 あきら『大体、学生のあんたが遊ぼうって言う時間なんてどーせ夕方から夜の0時くらいまでの事でしょ?』 あきら『悪いけどその時間帯仕事入ってるから、土日も同じ、今も休憩時間使って掛てんのコレ』 つかさ「……そうなんだ」 68 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 13:32:14.33 ID:YxzfBjec0 つかさ「……じゃあしかたないよね、ごめんね忙しいときに」 あきら『スパー…』 あきら『今度の金曜……六本木のクラブでドラッグパーティーがあるんだ、あたしは参加するつもりだけど、どうする?』 つかさ「えっ!?私もいっしょに行っていいの?」 あきら『別に、あんたが平気ならね? あたしが入る頃にはヨユーで0時まわってるけど』 つかさ「平気だよっ、昨日で夜更かしには慣れたし」 つかさ「いっしょに遊ぼ〜」 78 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 13:37:46.05 ID:YxzfBjec0 あきら『じゃあまた掛けるから、そろそろ休憩終わるし』 つかさ「うん、お仕事がんばってね」 あきら『じゃあね』 つかさ「ばいばいー」 ツー…  ツー…  ツー… つかさ「(やった、またあきちゃんと遊べる)」 つかさ「(だいちゃんのお店は紹介できなかったけど……あきちゃんと一緒におしゃべりできるだけで十分だよ)」 つかさ「(でもあきちゃんって、いつもそんな遅い時間までお仕事してたんだ……)」 つかさ「(小さいのにえらいなぁ……)」 ガチャ… かがみ「ただいまー」 130 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 14:40:27.59 ID:YxzfBjec0 つかさ「(やばいよ、お姉ちゃんが帰ってきた)」 つかさ「(はやく電気を消して布団に入んなきゃ……あわわ、ハルシオン出しっぱなしだよ)」ガサガサ かがみ「つかさー、帰ってるのー?」 つかさ「(わーわー、まだ部屋に入っちゃダメー! お願い来ないでぇー)」ガサゴソ かがみ「コンコン… つかさ、部屋に入るわよ?」 137 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 14:41:57.30 ID:YxzfBjec0 ガチャッ… かがみ「つかさ?」 つかさ「すーすー…」 かがみ「……なんだ、寝てたのか………………ごめんね、おやすみ」バタン… つかさ「(……助かった)」 139 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 14:44:56.35 ID:YxzfBjec0 つかさ「(はぁ、さいきん私、お姉ちゃんのこと避けてるなぁ……)」 つかさ「(学校が終わった後も、だいちゃんのお店に行くことが多くなったし……)」 つかさ「(こなちゃんやゆきちゃんの家にもあまり行かなくなっちゃったなぁ……)」 つかさ「(新しい友達はふえたけど……逆に大切な人を失っていく気がするよ)」 つかさ「(でも、しかたないのかな……きっと、もう、私はお姉ちゃんたちと住んでる世界が違うんだ)」 つかさ「(でもやっぱり少し寂しいな…………)」 つかさ「(みんなも……こっちに……きてほしい……な……)」 つかさ「(こなちゃん……ゆきちゃん……お姉……ちゃn………………)」スー… スー… 145 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 14:51:08.82 ID:YxzfBjec0 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 かがみ「臭くってさぁ〜」 こなた「あるある〜」 みゆき「一年中臭いですよね」 つかさ「あはは」 昨日の夜はハルシオンのおかげでとてもよく眠れました。 前の日の夜がまるまる徹夜だったこともあって夢も見ない深い深い眠りでしたが おかげで今日は朝から澄み切った湖のような気分でした。 外の天気も昨日の雲が嘘みたいに晴れわたっていて、風も冷たくありません。 昨日の事でお姉ちゃんから怪しまれていないか気になっていましたが、今日は特に質問責めを受ける事もありませんでした。 お姉ちゃんに隠し事をしていることも私の心の中で少し引っかかっていましたが、 さっきトイレで軽く炙りをしたのでこれまたまったく気にならなくなりました。 よく寝た翌日のシャブは効きが良いと言いますが、本当にその通りだと思います。 152 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 14:55:57.45 ID:YxzfBjec0 こなた「でねー、そのバーのマスターがまたかっこいいんだって」 こなた「ドラッグの入ったカクテルをこう指で…くるくるっと」 かがみ「また例のドラッグ漫画の話?あんまり危なっかしいモノに影響受けるなよー?」 こなた「なにを?いっとくけどねーかがみ、ドラッグっていっても危ないものばかりじゃないんだよ?」 こなた「そりゃヘロインとかコカインとかはやばいらしいけど、マリファナなんて一部の国じゃ合法だし……ペラペラ」 かがみ「その発言がすでに危ないって、危険じゃないドラッグなんてあるわけないでしょ? ねぇ、つかさ」 つかさ「……う、うん」 こなた「わかってないなーもー、みゆきさん教えてあげてよー」 158 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 14:59:09.35 ID:YxzfBjec0 みゆき「そうですね、たしかにドラッグといっても色々な種類がありますが」 みゆき「大麻などは比較的毒性が弱いと言われてます、実際オランダでは合法化されてますし、医療用に使用する試みもされているそうですよ」 みゆき「逆にヘロインやコカインといった麻薬と呼ばれているものは依存性や毒性、禁断症状が強いと言われていますね」 かがみ「ほらやっぱり危ないんじゃない……」 こなた「みゆきさん、みゆきさん、LSDやマジックマシュルームはー?」 みゆき「その二つは幻覚剤と呼ばれているものですね、依存性は無いそうですが長期的に使用するとまれにフラッシュバックを引き起こすらしいです」 かがみ「なるほどね、ドラッグっていっても色んな種類があるのね、私には一生無縁だろうけど」 こなた「さすがみwikiさん!」 161 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 15:01:21.54 ID:YxzfBjec0 みゆき「ドラマや映画などで中毒性や禁断症状が誇張表現されていますが実際はそこまで酷くなる例は稀みたいですね」 こなた「そうだよねー、ハリウッドスターなんて日常的にコカインとかやってるみたいだし」 こなた「ほんとに危ないものだったら今頃世界中は廃人だらけになってるはずだもんねー」 かがみ「そういう危険な発言はやめろ」 168 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 15:05:59.27 ID:YxzfBjec0 かがみ「はぁ……あんたたちの話聞いてると頭痛くなってきたわ、ねぇ?つかさ」 つかさ「えへへ…………そ、そうだねー…」 かがみ「そろそろ昼休み終わるから教室に戻るけど、あんた私がいない間につかさに変なこと吹き込んじゃダメよ?」 こなた「だいじょうぶだってー、またねかがみん」 みゆき「さようなら、かがみさん」 つかさ「……またね、お姉ちゃん」 つかさ「(こなちゃんがあそこまでドラッグに興味を持っていたなんて意外だな〜)」 つかさ「(昨日の朝から思ってたけど……こなちゃん、ひょっとしたら私よりずっと詳しいかも)」 つかさ「(ドラッグに対する考え方もなんだか好意的な感じだったし……)」 つかさ「(ひょっとしたら……)」 つかさ「(…………)」 176 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 15:10:03.55 ID:YxzfBjec0 つかさ「ね、ねぇこなちゃん」コソコソ こなた「んー?どしたのつかさ?」 つかさ「えっとね、こなちゃんさっきの話、バーのマスターが……」 こなた「ああ!バードクターの話? ドラッグのカクテルをこう指で…くるくるっと」 つかさ「そうそう、その話なんだけどね、」 つかさ「……実際にそのバーがあったらどうする?」 183 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 15:16:28.11 ID:YxzfBjec0 つかさ「もしもし、だいちゃん?」コソコソ 小野『やあ、つかさちゃん、どうしたの?この時間は学校じゃなかったっけ?』 つかさ「えっとね、いま学校のトイレで電話してるの」 つかさ「だからあまり大きな声で話せないんだけど、実はね……ゴニョゴニョ」 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 小野『えっ!?新しいお友達を連れてくるって?』 つかさ「うん、学校の友達なんだけど、ドラッグにすごく興味持ってて……たぶんいいお客さんになると思うんだけど」 つかさ「ただ一つだけ……だいちゃんに手伝って欲しいことがあって……――――――」 192 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 15:20:45.03 ID:YxzfBjec0 小野『バーテンダーの……コスプレ?』 つかさ「うん……だいちゃん、ウルトラヘヴンって漫画知ってるかな?」 つかさ「友達……その漫画に出てくるバーのマスターに憧れてて……そのバーが現実に存在したら絶対に行きたいー!って……」 小野『その漫画は読んだことあるから知ってるけど……つまり、僕は…そのマスターの真似をすればいいのかい?』 つかさ「うん……ごめんね、変なこと押し付けて」 小野『わかった、やって見るよ!新しいお客さんのためだからね、たしかタキシードなら何着か持ってたし』 つかさ「ありがとう、だいちゃん」ウウッ… 197 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 15:25:08.18 ID:YxzfBjec0 かがみ「おーぃ、二人ともー、帰るわよー?」 かがみ「ってあれ?二人ともどこいった?」 みゆき「つかささんと泉さんなら用事があると言って先に帰られましたよ」 かがみ「えっ?二人いっしょに帰ったの?」 みゆき「はい、二人いっしょに」 かがみ「そう……」 200 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 15:28:46.44 ID:YxzfBjec0 かがみ「(ちょっと……どういうことよ、私を置いて二人で帰るなんて……仲間はずれもいいとこじゃない)」 かがみ「(こなたならまだしもつかさまで……)」 かがみ「(でも、そういえばつかさ……最近行動がおかしかったわね)」 かがみ「(昨日は聞きそびれたけど……あの日の夜……つかさ家を出たまま何時間も帰ってこなかった)」 かがみ「(今日は朝から元気そうにしてたからあえて聞かないでおいたけど……いったいあの夜何をしてたんだろう?)」 かがみ「(やっぱりどう考えてもおかしい……)」 みゆき「かがみさん、さきほどのお話の続きなのですが……ちょっといいですか?」 203 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 15:31:41.87 ID:YxzfBjec0 かがみ「どうしたのよみゆき、こんな場所に連れてきて」 みゆき「泉さん、ドラッグに興味を持っている様子でしたが……」 みゆき「覚醒剤についての説明を忘れていました」 かがみ「わざわざそのためにここに連れてきたの? いいわよ、その話は……もう」 みゆき「いえ、聞いてください」 みゆき「さきほど言いました覚醒剤ですが、本邦においては大麻についで若者の使用頻度が高い薬物だと言われています」 210 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 15:35:01.54 ID:YxzfBjec0 みゆき「と言いますのも、その背景には暴力団が外国の薬物犯罪組織と結託して薬物を密輸入し組織的に密売を敢行していること、及び」 みゆき「若者を中心に規範意識が低下したことに併せてインターネット、携帯電話の普及により」 みゆき「時間、場所に関係なく入手し易くなってる事が挙げられているそうです」 かがみ「……;」 かがみ「……ようするに、ドラッグに対する罪の意識が低下した若者が手を出しやすい薬物が覚醒剤ってことね?」 みゆき「そうなります」 かがみ「(……絶好調ね、みゆき)」 220 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 15:38:53.28 ID:YxzfBjec0 かがみ「で、その説明を私がこなたに伝えたらいいわけ?」 みゆき「いえ、私が言いたいのは……泉さんがこのような薬物の世界に興味を持つことで」 みゆき「いずれそのような物に手を出してしまいはしないかという事なのです」 かがみ「どういうこと?」 みゆき「先ほども言いましたが、覚醒剤は簡単に手に入る薬物です」 みゆき「金とルートさえ確保すれば誰でも入手できます、たとえそれが一人の高校生の少女でも……」 かがみ「ちょ、ちょっとまってよみゆき」 226 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 15:42:11.28 ID:YxzfBjec0 かがみ「いくらあいつでもさすがにそれくらいの分別はつくって」 かがみ「あれだけバカみたいにギャルゲやってても、なんだかんだで今まで犯罪は起してないわけだし……」 みゆき「一人なら……まだ、踏みとどまることも出来ます」 みゆき「両親や恋人……親しい友人の顔を思い出し……自分の良心と葛藤し、引き返すことも可能です」 みゆき「ですが、そこで一人でも共犯者を得ると……同意してくれる仲間を得ると、その瞬間、規範意識は急激に低下します」 かがみ「……なにが言いたいのよ」 みゆき「私が気になったのは………………つかささん」 かがみ「……えっ」 233 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 15:47:04.49 ID:YxzfBjec0 かがみ「……どういう」 みゆき「かがみさん……落ち着いて聞いてください」 みゆき「何か気づきませんでしたか?ここ最近のつかささんの違和感……」 みゆき「焦点の定まらない瞳孔、指先の震え、体臭、不自然な言動……どれも些細なものですが」 みゆき「覚醒剤依存症患者の症状に酷似しています」 みゆき「……それに左腕の注s」 かがみ「へ、変な事言うのやめてよ!つかさがそんなことするわけ」 みゆき「ではここ度々、つかささんは下校時にかがみさんや泉さん達とは帰らずに誰と帰宅していたのですか?」 かがみ「……っ」 みゆき「つかささんはアルバイトをしているのですか? 習い事をしているのですか?他校に恋人でもいるのですか?」 かがみ「……」 243 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 15:52:14.35 ID:YxzfBjec0 みゆき「とは言っても何も証拠は無いので……憶測の粋は出ないのですが…………申し訳ありません」 かがみ「……」 かがみ「……姉妹だもの、心当たりはあったわよ…………何ヶ月も前から」 かがみ「……何か学校であったのか?って……何かの事件に巻き込まれたりでもしてるんじゃないか?って」 かがみ「……でも、信じてた、つかさがそんなものに巻き込まれるはずが無いって……」 みゆき「…………かがみさん」 かがみ「私はどうすればいいの?何が出来る?」 かがみ「…………私……私、つかさにもしもの事があったら……………グスッ……ぅぅっ……」 256 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 15:57:05.68 ID:YxzfBjec0 みゆき「万が一可能性があっても……極力つかささんを刺激しないでください」 みゆき「もしもつかささんが、すでに薬物に手を出していたとすれば……刺激するのは非常に危険です」 かがみ「ただ黙って見てろっていうの?」 みゆき「いえ、見守ってください……そして観察してください」 みゆき「つかささんがおかしな行動を取っていないか、薬物を使用している痕跡は無いか」 みゆき「ですが、決してつかささんの部屋や携帯、持ち物等を勝手に触ってはいけません……刺激する原因となります」 かがみ「わかったわ、……グスッ……つかさが……誤った行動に走らないよう……監視する」 みゆき「決して感情的にならないでください、場合によっては警察の協力を得る可能性も出てきます」 みゆき「出来る事ならばそれは避けたいですから」 260 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 15:59:21.19 ID:YxzfBjec0 かがみ「……こなたは?こなたはどうなのよ?」 みゆき「まだ何ともいえません……すべて憶測の粋を出ていませんので」 みゆき「今はただ様子を見るしか……」 みゆき「私も大切な友達を失いたくないので……極力ちからを貸します」 かがみ「……」 270 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 16:07:06.13 ID:YxzfBjec0 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 こなた「いやー、まさかつかさからこんなアンダーグラウンドなネタを提供してもらえるとはね〜」 こなた「逆にヲタクの『自信』てやつがブッこわれそうだよ」 つかさ「えへへ、私もほんとは全然詳しくないんだよ〜、全部マスター(だいちゃん)に教えてもらっただけだから」 つかさ「マスターが今日はお店貸しきりだっていってたから、ゆっくりしていっても大丈夫だよ〜」 こなた「にしても、つかさにこんな一面があったとは……まさに黒つかさとはこの事だねぇ」 つかさ「や、やめてよこなちゃん……そんなんじゃないってば」 つかさ「(だいちゃん……ちゃんと準備できてるかなぁ?)」 つかさ「(だいちゃんのお店、最初からバーみたいなふいんきだったし、だいちゃん自身もすごくオシャレさんだし)」 つかさ「(きっと大丈夫だよね)」 279 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 16:12:56.60 ID:YxzfBjec0 つかさ「おじゃましまーす! だぃ……マスター、友達連れてきたよー」 小野「いらっしゃい、つかさちゃん」 つかさ「(わぁ……ほんとにお店の中綺麗になってる、まるで本物のバーみたい)」 つかさ「(だいちゃんもタキシードに着替えちゃって……この短時間で大変だっただろうなぁ)」 こなた「始めまして〜泉こなたです〜」 小野『おまえさんはしかるべき所へと流れてきたわけだ……ゴミの行きつく場所、再処理場へようこそ』クルクル こなた「おぉーーー!」 つかさ「(ごめんね、だいちゃん……こんなことさせて)」 285 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 16:16:37.94 ID:YxzfBjec0 小野『ところでお客さん、今の気分は?』 こなた『最高… 最高にサイコな気分』 小野『くだらんジョークが飛び出すのは耐性がついてきた証拠だ』 こなた『ううむ耐性か… ダブルでいけばまだまだ効くでしょ?』 つかさ「……」 つかさ「(ぅぅ……さっきからずっと漫画ネタやってる……これじゃ元ネタ分からない人おいてけぼりだよ)」 つかさ「(だいちゃん……セリフ全部覚えたのかなぁ? ……大変だっただろうなぁ)」 つかさ「(まさか……こなちゃん、会話だけして帰るつもりじゃあ……)」 つかさ「(ここはコスプレ喫茶じゃないんだよぉ?)」 295 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 16:21:47.04 ID:YxzfBjec0 つかさ「(ここは私が何とかしなきゃ……だいちゃんの努力が水の泡になっちゃう)」 つかさ「(何とかしてこなちゃんにシャブを使ってもらわなきゃ……)」 つかさ「ま、マスター、シャブをダブルで」 こなた『じゃあ私はペギラで』 つかさ「(こなちゃん!いいかげん漫画ネタはやめてよ!!)」 小野「すまんがペギラは材料切れでな……そもそもウチの店はシャブが相場と決まっている」 318 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 16:27:36.91 ID:YxzfBjec0 こなた「シャブ?(……なんか聞いたことあるような、でもそんなの漫画に出てきてたっけ?)」 小野「メタンフェタミンをベースとしたドーパミン作動性のカクテルだ」 小野「試して見るかい?」カチャッ… こなた「え、それ……注射?」 つかさ「マスター、私から試してもいいー?」 小野「かまわないよ、自分で打つかい?それとも僕が打ってあげようか?」 つかさ「打ってください〜!」 こなた「……つかさ?」 334 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 16:33:27.82 ID:YxzfBjec0 こなた「ねぇ……つかさ、何してるの?」 つかさ「えへへへ、今からマスターにシャブを打ってもらうんだよ〜」 つかさ「ゆっくりやるから、よぉーく見ててねぇ〜」ドキドキ 小野「つかさちゃん、人からされるのは久しぶりじゃない?大丈夫?緊張してない?」 つかさ「えへへ、ちょっと緊張するけど平気だよ〜、こなちゃんも見てるし頑張らなきゃ」 小野「そうだね、ここじゃ先輩さんだもんね、それじゃ針刺すから目をつむってリラックスしてー…」プスッ… つかさ「んあっ!?…………あ……あ……あ」パキパキパキ こなた「……つかさ」 つかさ「つああああああああああああああああああ!! 効っくうううううううううううううう!!!!」     パッキーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン! 352 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 16:38:24.26 ID:YxzfBjec0 小野「やっぱりよく休んだ後の一発は効くだろうね? 調子はどうだい?」 つかさ「さ、最高すぎだよぉおお! パッキンパッキンだよおおおお!!」 つかさ「本当は今朝学校のトイレでちょこっとだけ炙りしちゃったんだけどおお!」 つかさ「やっぱりポンプはぜんぜんちかうよおおおおおおおおお」フーッフーッ 小野「それはよかった^^」 小野「今回はアンナカを隠し味として入れておいたからね、いつもより効きが強いと思うよ」 つかさ「んぎもぢいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいぃぃぃぃぃいいいいいい!!!!!!」 こなた「…………」 372 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 16:44:12.36 ID:YxzfBjec0 小野「どうするこなたちゃん、君も試して見るかい?」 こなた「え……でも」チラ つかさ「んぎもぢいいいいぃぃいい」 こなた「私はやっぱり……」 小野「そうだね、じゃあまた今度にしよっか」 こなた「え?」 小野「慣れないうちはやっぱり怖いものだよ……どんなものでもさ」 つかさ「んぎもぢいいいいぃぃいい」 小野「でもせっかく気持ちいいことをするのに怖い気持ちのままやってもつまらないからね」 こなた「……」 小野「だから、こなたちゃんが自分から『試したい』って思ったら、その時にまたおいで」 小野「僕はいつでもここにいるから」 こなた「……」 つかさ「んぎもぢいいいいぃぃいい」 393 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 16:49:03.16 ID:YxzfBjec0 こなた「いっかいだけなら……」ボソ 小野「えっ?」 こなた「いっかいだけなら大丈夫……だよね?」 小野「まぁ、たしかに……一回くらいなら大丈夫だけど…………無理はしない方がいいよ?」 こなた「大丈夫……せっかく、来たんだし」 小野「わかった、じゃあ、一度だけ試してみよっか?」 こなた「お願いします」 小野「りょうかい」 431 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 16:53:21.06 ID:YxzfBjec0 キュポン………カチカチ  シャカシャカシャカシャカ…      ……チャキッ こなた「……ぅぅ」 こなた「……怖いよ」 小野「ん? ああ、ごめんごめん!」 小野「……シャブ作ってる時の音が怖いって言う人、けっこういるんだよ」 こなた「…………グスッ……グスッ」 小野「ほらほら、泣かない泣かない…………そうだ、この飴玉を口に入れてあげるから、さあ泣きやんで」 こなた「…………うん…………グスッ……」 こなた「………………………………甘い」 小野「でしょ? ほら、もう怖くない怖くない」 460 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 16:58:00.05 ID:YxzfBjec0 小野「こなたちゃん制服のソデしんどくないかい?」 こなた「……うん」 小野「腕のゴムはきつくないかな?」 こなた「……うん」 小野「だいぶリラックスしてきたね……それじゃあそろそろ刺そっか」 こなた「…………お願いします」 小野「腕の血管に針を刺すから、目をつむっててね」プスッ こなた「……い、痛っ」  チューーーー…… こなた「あぁ……あ……ぁ……」 こなた「ああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?」ゾクゾクゾク 487 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 17:02:19.08 ID:YxzfBjec0 こなた「…はっ…はっ…はっ…はっ…はっ……………つ、つかさっ?」 つかさ「こなちゃん……きてくれたんだあああああああああ」 こなた「…はっ…はっ…はっ…はっ…はっ…はっ…」 つかさ「ねえこなちゃん!気持ちいでしょお?気持ちいでしょおおおお?やってよかったでしょおおおおお??」 こなた「…はっ…はっ…はっ…はっ…はっ…はっ…」 つかさ「こなちゃんだああああああい好きいいいいいいいいいいいいいいい!!!!」 512 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 17:05:54.45 ID:YxzfBjec0 小野「つかさちゃん、こなたちゃんは身体も小さいし、初めてでまだ慣れてないから」 小野「もう少しだけ優しく声をかけてあげて」 つかさ「そ、そうだよねっ! 気をつけるよっ」フーッフーッフーッ 小野「……こなたちゃん、身体はしんどくないかい?」 こなた「…はっ…はっ…はっ…………コクッ…」 小野「……そうか、それはよかった……………して、今の気分は?」 こなた「……はっ…はっ……す、凄く…クッキリっ…」 こなた「…はっ…はっ…はっ…はっ…はっ…」 523 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 17:08:33.29 ID:YxzfBjec0 小野「そうか、よかった順調に効いてるみたいだね、安心したよ」 つかさ「こなちゃん、こっちにおいでぇ?」 つかさ「私のひざの上においでよぉ」 つかさ「いっしょに手をつなごぉ?」 つかさ「いっしょにお喋りしたりお歌を唄ったりしよぉ?」 こなた「…はっ…はっ…はっ…はっ…はっ…」 539 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 17:11:54.06 ID:YxzfBjec0 こなた「…はっ…はっ……………つ、つかさっ?」 つかさ「なぁに? こなちゃん」 こなた「つかさっ……わ、私っ……どうなってる?」 こなた「なんだか、凄くクッキリ見えるよっ?……つかさの顔も、髪の動きも、ス、スカートのしわも……クッキリ……クッキリ見えるよっ?」 つかさ「それで普通だよぉ……私もこなちゃんの顔くっきりみえるよぉ」 こなた「ね、ねえ、つかさ……私の顔……へ、へ、変なことになってない?? ……かっ、カチカチになってたり、し、しないっ??」 つかさ「ぜんぜんヘンじゃないよぉ……いつもの可愛いこなちゃんだよぉ」 555 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 17:16:40.43 ID:YxzfBjec0 パキパキになった私とこなちゃんはこのような他愛のない会話を日が沈むまで続けました。 こなちゃんは私のひざにもたれながら私の顔を見あげ、私はそんなこなちゃんの顔をやさしく見下ろしていました。 時々だいちゃんと目が合うとニコッと微笑んでくれて……その目線はまるでじゃれ合う子猫を見守るような優しい目でした。 しばらくするとこなちゃんの身体も慣れてきたみたいで、少しずつ呼吸も落ち着いてきたみたいです。 私は大好きなこなちゃんとこの世界でも友達になれたことで胸いっぱいになってしまい、涙をぐっとこらえました。 569 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 17:20:37.52 ID:YxzfBjec0 小野「大丈夫ふたりとも?ちゃんと家まで帰れるかい?」 つかさ「ありがとうだいちゃん、もう平気だよ」 こなた「いやー、お世話になりました」 だいちゃんのお店で好きほうだい遊んだ後、私たち二人は家に帰ることにしました。 私の手には1gのガンゴロ、こなちゃんの手には一回分のシャブが入った小ビン どちらも紹介料ってことでだいちゃんからのプレゼントです。 私たち二人はさっきまでの余韻を楽しみながらお互い手をつないで家までの道を歩きました。 577 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 17:23:10.04 ID:YxzfBjec0 こなた「まっくらだねぇ」 つかさ「そうだね〜」 こなた「早く帰んなきゃまたお父さんに心配されちゃうよ」 つかさ「私も、お姉ちゃんたちに心配されちゃうかも……」 こなた「クスクス」 つかさ「?」 こなた「いやいや、ハイになってるときのつかさは凄かったなぁって思ってさ」 こなた「学校で見せる顔とは全然違うんだもんなぁ、ありゃいいもん見たよ」 つかさ「もう、こなちゃん!その話は恥ずかしいからやめてよ〜///」 つかさ「こなちゃんだって……最初のほう、怖くて泣いちゃってたくせにぃ」 こなた「ぬぅ……その話はハズいからやめてくれ///」 586 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 17:25:32.51 ID:YxzfBjec0 つかさ「そういえば、私が初めてポンプ打ったときも……ああやって口にアメ玉を入れてくれたな〜」 つかさ「泣き止まない私の頭を撫でて『大丈夫だよ』『怖くないよ』って励ましてくれたっけ……」 こなた「あいつ女をたらすのうまそうだよねぇ、顔も俗に言うハンサムだし」 つかさ「えへへ……そうだねぇ、でもだいちゃんはそういう事はしないよ思うよ〜」 こなた「そういえばさ、なんでつかさは始めようと思ったの?きっかけとかあるの?」 つかさ「きっかけ…………きっかけかぁ」 596 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 17:29:57.82 ID:YxzfBjec0 つかさ「1学期の中間テストあったでしょ?」 こなた「ん? ああ、たしかつかさがクラス最下位だったやつだよね?」 つかさ「ち、ちがうよ…………私の下にも4人いたもん」 つかさ「それでね……みんなには内緒にしてたんだけど……あの日の夜、私、家出したんだ……」 こなた「え!? マジで?」 つかさ「……うん」 こなた「かがみはその事知ってるの?」 つかさ「ううん、お姉ちゃんはその時間もう寝ちゃってたから……たぶん知らないと思う」 こなた「どうしてそんなことしちゃったのさ?」 600 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 17:33:37.66 ID:YxzfBjec0 つかさ「私ね、あのときのテスト、自分なりに頑張ってたんだ」 つかさ「分からないところはお姉ちゃんに教えてもらったり、先生に聞いたり」 つかさ「結果があんなのだったから信じてもらえないかもしれないけど、本当は一ヶ月前から勉強してたんだよ」 こなた「……」 つかさ「そりゃ周りはおかしいと思うよね? お姉ちゃんの成績は学年で上位なのに妹の私はクラスで下から5番目」 つかさ「みんな言うんだ、『お姉さんは優秀なのに妹さんはねぇ…』って」 つかさ「どうして?同じ姉妹なのに?どうして私だけこんな思いをしなきゃならないの?」 つかさ「お姉ちゃんが努力してるのはよく知ってるよ、でも、私だってサボってたわけじゃないんだよ?」 607 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 17:36:19.57 ID:YxzfBjec0 つかさ「布団に入ってもそんなことばかりが頭をまわってて、いつまでたっても寝れなくて…気づいたら私、家を出てたんだ」 つかさ「あてもなくふらふら歩いて……気がついたら公園のベンチに座って泣いてたの……」 つかさ「そのときに声をかけてくれたのがだいちゃんなんだ」 こなた「注射打ったの?」 つかさ「ううん、その日はまだ、……私は一目見てこの人は悪い人じゃないって思って、悩んでたことを全部話したの」 つかさ「そしたらだいちゃんが『ちょうどコンビニで夜食用にパンを買ってきたところだけど、一緒に食べる?』って」 つかさ「コーヒーパンを半分こしてくれたんだけど……そのパンを食べたとたん元気が沸いてきて、なぜか涙が止まらなくなって」 こなた「そのなかに薬が入ってたんだ?」 つかさ「……今思うとそうかもしれない」 621 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 17:40:40.49 ID:YxzfBjec0 つかさ「それでね、むせび泣く私にだいちゃんは言ってくれたんだ」 つかさ「『僕は悲しんだり苦しんでる人を元気にすることが出来るんだ…君はもう大丈夫だからお家へお帰り』って」 つかさ「でも私はどうしても恩返しがしたかった、自分じゃどうすることも出来なかった私を助けてくれたこの人に」 こなた「……」 つかさ「薬の影響もあったと思うけど、あの日の私はなぜかすごく積極的になっちゃってて……」 つかさ「最初は家に帰るように促していただいちゃんも根負けして、最後にケータイの番号を教えてくれたんだ」 こなた「それで今に至ると」 つかさ「……うん」 637 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 17:44:42.61 ID:YxzfBjec0 こなた「さすがというか、つかさらしいというか……う〜ん」 こなた「でもそうなるとつかさってだいぶ前からやってたことになるじゃん!1学期の中間の後からずっとでしょ?」 こなた「そんなに続けてて大丈夫なの?やめれるの?」 つかさ「それは平気だよ、1週間くらいやらなくても何とも無いし、今でもやめようと思えばすぐにやめれるよ〜」 こなた「……そっか、 まぁ、私はこれで最後にするけどね」 つかさ「ええっ!? どうして??」 646 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 17:47:57.30 ID:YxzfBjec0 こなた「たしかに前からこーゆーモノに興味はあったけどさ、実際やって見て思ったんだ……知らないほうが良かったかなって」 つかさ「……どういう」 こなた「本や漫画で読み聞きしてる程度でよかったんだよ、私たち、……私たちは自分たちの身の丈以上の世界を知っちゃったんだよ」 こなた「だからつかさも、これを気にやめようよ、そうしないと…」 つかさ「どうしてそんなこと言うの!?ねぇ!?」 こなた「……つかさ」 つかさ「こなちゃんが知りたいって言うから教えてあげたのに!ひどいよ!」 661 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 17:52:08.09 ID:YxzfBjec0 こなた「つかさは…………少し前までそんなことを言う子じゃなかった」 こなた「今になって思うけど……学校でのつかさも、ここのところ様子がおかしかったよね?」 つかさ「……なっ」 こなた「実はね、私さっきから震えが止まらないんだ……身体もなんだか凄く重いし、目の奥も痛い」 こなた「それに本当の事を言うと……………………私もう、さっきの注射が欲しくなってるんだ」 つかさ「…………えっ」 こなた「やっぱり何かしら影響があるんだよ……そうじゃないと警察も取り締まったりしないでしょ?」 こなた「もう帰ろう? 早く寝なきゃ、明日も学校だし……………私家こっちだから、またね、つかさ」 674 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 17:56:04.84 ID:YxzfBjec0 そういってこなちゃんは家の方向の暗い路地へと消えていきました。 『早く寝なきゃ、明日も学校だし』 普段のこなちゃんなら絶対に口にしないであろう言葉。 その言葉を聞いたとき、なぜか背筋がゾクッとしました。 685 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 18:01:06.94 ID:YxzfBjec0 家に帰るとお姉ちゃんがいました。 いつもみたいにまた問い詰められるのかと身構えていたけど 意外にもお姉ちゃんは優しい表情で「こなたとゲマズ行ってきたの?」「楽しかった?」と聞いてきました。 お姉ちゃんの目…泣いてるように見えたけど、私は疲れていたので何も考えずに簡単な返事だけして自分の部屋に入りました。 つかさ「明日は金曜日か……あきちゃんと遊ぶ日だったっけ」 つかさ「そうだ、だいちゃんも誘って見よう」 私は携帯でだいちゃんに明日あきちゃんと遊ぶ内容を伝えて、一緒に行こって誘ってみましたが その日は仕事が入ってるから無理だって断られました。 はぁ……まあいっか、あきちゃんと遊べるだけでも十分だよ、早く寝て明日にそなえよ。 そうつぶやきながら私はハルシオン2錠を水で飲みほし眠りにつきました。 次の日、こなちゃんは学校には来ませんでした。 709 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 18:07:07.47 ID:YxzfBjec0 つかさ「じゃあ、ちょっと私でかけてくるからっ……」 かがみ「いってらっしゃい、友達のお家?」 つかさ「う、うん、じゃあいってくるから……ごめんなさいっ」バタン かがみ「(つかさが出ていった……こんな遅い時間に)」 かがみ「(みゆきの言われた通り極力刺激しないように見守ってるけど、これじゃ何もしてないのと変わらないじゃない)」 かがみ「(つかさが覚醒剤?そんなわけない、あの子に限って……絶対そんなわけない)」 かがみ「(そうだ……つかさの部屋に行けば、つかさの部屋に行けば何か分かるかもしれない)」 722 名前:1 ◆wivGPSoRoE [] 投稿日:2008/11/08(土) 18:11:34.64 ID:YxzfBjec0 かがみ「……何、これ」 かがみ「注射器……ライター、スプーン、それに……この袋に入ってるのって」 かがみ「…………うそでしょ?」 58 名前:1 ◆wivGPSoRoE [sage] 投稿日:2008/11/08(土) 20:01:58.01 ID:YxzfBjec0 …プルルルル…プルルルル… みゆき『はい、高良です』 かがみ「み、みゆきっ…グスッ…ウッ…たすけてっ」 みゆき『かがみさん!?どうされたんですか?落ち着いて状況を説明してください!』 かがみ「つかさの…部屋から…グスッ…注射器がっ」 みゆき『つかささんの部屋を調べてしまったのですか!?あれほど止めたのに……』 みゆき『私が詮索を止めた理由にはつかささんを刺激しない為もありましたが』 みゆき『一番の理由は、かがみさんがパニックに陥る事を防ぐ為だったのですよ』 かがみ「グスッ…そんなこといっても…私っ…こうするしかっ…」 みゆき『やはりモノが出てきましたか……しかたありませんね…………かがみさん、よく聞いてください』 72 名前:1 ◆wivGPSoRoE [sage] 投稿日:2008/11/08(土) 20:07:41.63 ID:YxzfBjec0 みゆき『つかささんでしたら私の目線の少し先に立ってます……といいますか、正確には私が尾行している形になるのですが』 かがみ「どういうこと?」 みゆき『先ほど歯医者の帰りに偶々つかささんを見かけまして…失礼ですがそれからずっと後を付けさせてもらっています』 みゆき『普段のつかささんがこのような時間帯に一人で出歩くなんて事はまず有り得ませんから……嫌な予感がしまして』 かがみ「つかさは今どこにいるの!?私はどうすれば?」 みゆき『現在つかささんは東武伊勢崎線で浅草方面へ向かっています、私も同じ車両に乗り込んでいます』 みゆき『ですからあまり大きな声では話せませんが、かがみさんも可能であれば今すぐこちらへ向かう準備をしてください』 みゆき『位置については随時連絡します、万が一に備えてすぐに警察に連絡できる心構えもしておいてください』 かがみ「浅草方面ね、わかったわ、…グスッ……私もすぐに向かうっ!」 83 名前:1 ◆wivGPSoRoE [sage] 投稿日:2008/11/08(土) 20:10:16.49 ID:YxzfBjec0 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 つかさ「あっ!あきちゃん!こっちこっちー」 あきら「悪い、遅くなった」 つかさ「気にしないで、ここのカフェでココア飲んでたから全然平気だよ〜」 つかさ「一緒に行こう〜」 あきら「あんた痩せた?」 つかさ「そ、そうかなぁ? 気のせいだと思うよ〜」 86 名前:1 ◆wivGPSoRoE [sage] 投稿日:2008/11/08(土) 20:11:50.69 ID:YxzfBjec0 つかさ「えへへ〜」 つかさ「あきちゃんと遊ぶの楽しみだなぁ」 あきら「……」 つかさ「つい最近あったばかりなのに、なんだか久しぶりな気がするよ〜」 あきら「……」 つかさ「……あきちゃん?」 あきら「……」 つかさ「どうしたのあきちゃん?さっきから静かだけど……」 あきら「………………あんたさ、知り合いにツリ目のツインテールとかいる?」 つかさ「……えっ(……それって)」 あきら「あんたつけられてるよ」 99 名前:1 ◆wivGPSoRoE [sage] 投稿日:2008/11/08(土) 20:17:38.95 ID:YxzfBjec0 つかさ「うそっ!?お姉ちゃ…」 あきら「振り返るな……気づいてない振りして歩きな」 つかさ「……うん」 つかさ「(……どうしてお姉ちゃんが)」 あきら「……」 あきら「……ここを少し進んだら左手に古い居酒屋がある、そこのトイレに入って鍵をかけな」 あきら「中に子供一人通り抜けれるほどの換気窓が備え付けられてあるから……そこを抜けて別の路地へ出られる」 つかさ「あきちゃんは?あきちゃんはどうするの?」 あきら「あたしは別の通りから先に向かってる……つけられてるのはあんただからね」 あきら「ほらそこの居酒屋だよ、早く入んな」 つかさ「わかった、あきちゃんも気をつけてね!」 あきら「撒いたと思ったら連絡して、それ聞いて安全だと判断したらこっちからナビするから」 つかさ「ありがとう!」タタタタ…… 111 名前:1 ◆wivGPSoRoE [sage] 投稿日:2008/11/08(土) 20:21:49.53 ID:YxzfBjec0 あきちゃんに言われたとおり、私は居酒屋のトイレから抜けて裏の路地をひたすら走りました。 途中何度も何度も振り返りながらお姉ちゃんがつけて来ていないか確認して ようやく私はあきちゃんと合流をはたしました。 お姉ちゃんはいつから私の事をつけていたんだろう? どこまで私の事をうたがってるんだろう? 今朝からずっと何気ない顔で接してきたお姉ちゃん……あの顔はウソだったんだね。 気づいていない振りをして……心の中では私の事をうたがっていたんだ。 だんだん、お姉ちゃんの事が信じられなくなってきたよ。 そんなことを考えていると気づけば目的地でした。 120 名前:1 ◆wivGPSoRoE [sage] 投稿日:2008/11/08(土) 20:25:47.88 ID:YxzfBjec0 ズンズンズンズンズンズン   ズンズンズンズンズンズン つかさ「……ここがクラブって言うんだ…………す、すごいところだね」ゴク… つかさ「(……音が大きすぎて耳が痛いよ〜)」 あきら「まぁ、六本木の中じゃ大きな方ね」 つかさ「私、こういうとこ初めてだからなんだか緊張するよ、、」 あきら「だろーね、見た目ですぐわかるよ」 つかさ「えー、ひっどーい!」 126 名前:1 ◆wivGPSoRoE [sage] 投稿日:2008/11/08(土) 20:28:25.80 ID:YxzfBjec0 若者A「お!あれ、あきらちゃんじゃね?」 若者B「うお、マジだ!おーぃ!あきらちゃーん!」 あきら「(はぁ……)」 あきら「つかさ、ちょっとここで待ってな」 つかさ「う、うん(…あきちゃんのお友達かな?)」 あきら「おっはらっき〜☆ ふたりともおひさしぶりぃ〜!あきらさみしかったよぅ><」 つかさ「……」 137 名前:1 ◆wivGPSoRoE [sage] 投稿日:2008/11/08(土) 20:33:27.81 ID:YxzfBjec0 若者A「俺達の方が寂しかったよ〜、最近あきらちゃん顔見せてくれねーんだもーん」 若者B「どうするあきらちゃん、結構ユキネタそろってるぜ? エス?バツ?コーク?」 あきら「えぇ〜、あきらエスとかコークとか怖いのキライ〜><」 あきら「あきら草食動物だからぁ〜ハッパとかがいいなぁ〜☆」 若者A「おっけおっけ!ハッパならうちで育てたのあるよ!ほら!」 若者B「あ、おいテメェ!抜け駆けしてんじゃねーよ!」 あきら「わ〜い!ありがとう〜>< 若者Aくん大好きだよ〜☆」 あきら「じゃあ、あきら友達待たせてるから〜、ばいにぃ〜☆」 若者A「お、おう、ばいに〜!」 若者B「あきらちゃん、紙とキノコもあるからまたいつでも呼んでくれよーっ」 153 名前:1 ◆wivGPSoRoE [sage] 投稿日:2008/11/08(土) 20:38:38.34 ID:YxzfBjec0 つかさ「あきちゃんモテモテだね……」 あきら「まぁね、あいつらここの常連、ああやってネタ貢いでくれるからたまに声かけてるの」 つかさ「そうなんだ、、……いつもあんなノリなの?」 あきら「あたし昔アイドルやってたからね、染み付いてんのよ」 つかさ「ええっ、そうだったんだ!……すごい、テレビとにも出てたの??」 あきら「あたりまえじゃん、深夜枠だけど、自分のラジオ番組とかも持ってたよ」 つかさ「そうだったんだ……今はもうやってないの?」 あきら「何年も前に事務所ブッチしてやめt」 あきら「!?」 つかさ「……どうしたのあきちゃん?急に固まって…」 つかさ「あっ!?」 あきら「…………なんでこいつがここにいんのよ」 162 名前:1 ◆wivGPSoRoE [sage] 投稿日:2008/11/08(土) 20:41:27.99 ID:YxzfBjec0 小野「やあやあやあやあ、こんばんはつかさちゃん」 小野「と、その隣にいるのは、小神あきらさん、かな?」 つかさ「えっ!?あきちゃんとだいちゃんって知り合いなの??」 つかさ「(っていうかだいちゃん今日仕事でこれないって…)」 あきら「…………」 183 名前:1 ◆wivGPSoRoE [sage] 投稿日:2008/11/08(土) 20:46:05.67 ID:YxzfBjec0 あきら「……つかさ、よく聞きな」 あきら「この通路をまっすぐ行った右の角にVIPルームがある、中にあたしの仲間が2人いるから先に入ってて」 あきら「仲間にはあんたの事一度話してあるから…入ったら白い特攻服の女に話しかけな、相手してくれるわよ」 つかさ「えっ、あきちゃんはどうするの? ……だいちゃんも」 小野「すまないつかさちゃん、僕は少しあきらさんと大人の話をするから先に行っててもらえるかな?」 小野「僕たちも後で入るから」 つかさ「う、うん、わかった ……ふたりともすぐにきてね」 あきら「ほら、さっきのハッパもっていきな、あいつらに渡すと喜ぶから」 つかさ「ありがとう!じゃあ行ってくるねっ」トタタタ… 198 名前:1 ◆wivGPSoRoE [sage] 投稿日:2008/11/08(土) 20:51:57.97 ID:YxzfBjec0 つかさ「(ここがVIPルームかぁ…………なんかお線香みたいなにおいがする……)」 そこは10畳ほどの広さの、ちょうどカラオケBOXを少し広くしたような部屋でした。 天井には大きなスピーカーのようなものがぶら下がっていて電子音をゴムみたいに引き伸ばしたような音楽を奏でていました。 真っ黒で高そうな革張りのソファーが壁沿いにズッと並んでいて、その上に眠たそうな目をした若い男女が座ったり寝転がったり お酒を飲んだり、水タバコを嗜んでいたり、おのおの自由にくつろいでいました。 その中でひときわ目立っていたのが一番奥の席に腰をすえていた白い特攻服の長身の女性。 間違いない、あの人があきちゃんの言っていた人だ。 つかさ「あのぅ……」 女の人「あァ?」 つかさ「ひっ……、あの、私、柊つかさといいます……あきちゃんの友達の、、」 男の人「あぁ!君がつかさちゃんか! あきらから話は聞いてるよ」 女の人「ああ、あきらが言ってた子ね……『トロくて頭悪そうなオカッパ』だっけ?」 つかさ「ええっ!……酷い、、(オカッパ??)」 211 名前:1 ◆wivGPSoRoE [sage] 投稿日:2008/11/08(土) 20:56:17.19 ID:YxzfBjec0 男の人「とりあえずうちらの紹介もしないとな」 男の人「俺の名前は杉田だ、よろしく、 それと、このおっかない姉ぇさんが後藤……ゴットゥーザって呼んでやって」 つかさ「……杉田さん、ゴットゥーザさん、始めまして…よろしくお願いします」 つかさ「ええっと……このマリファナ、あきちゃんからの差し入れです、よかったら」 杉田「おおすげぇ!これなかなかのユキネタだぞ、見ろよこのキラキラの樹脂!つかさちゃんなかなかいい子だな」 つかさ「あ、あのぅ……それ、あきちゃんが手に入れたものだから、お礼ならあきちゃんに」 杉田「さっそく試して見るか、つかさちゃんもどうだ?一本」 つかさ「ごめんなさい、私ケムリが出るのはちょっと……」 ゴットゥーザ「ポンプやるのにクサが無理とかめずらしいわね」 杉田「そっか、つかさちゃんはシャブ専門らしいもんな……じゃあコークとか好きなんじゃないか?」 つかさ「コーク?」 234 名前:1 ◆wivGPSoRoE [sage] 投稿日:2008/11/08(土) 21:02:09.73 ID:YxzfBjec0 質問が多かったので一応載せておきますね。 作中での小野は彼をイメージしてます。 http://up2.viploader.net/pic/src/viploader835396.png ちなみにゴットゥーザ http://up2.viploader.net/pic/src/viploader835403.jpg 239 名前:1 ◆wivGPSoRoE [sage] 投稿日:2008/11/08(土) 21:04:03.44 ID:YxzfBjec0 杉田「コカインの事だよ、シャブと同じアッパー系なんだ、試して見る?」 ゴットゥーザ「あんた……この子にハードなの勧めたらダメだって、あきらから言われてたでしょうが」 杉田「シャブをポンプで打つよりは全然ソフトっしょ? それにシャブなんかよりずっと楽しいぜ?」 ゴットゥーザ「あんたシャブやったことないくせに……」 つかさ「……やってみます」 杉田「お!」 つかさ「シャブに……似てるんですよね? どんな風になっちゃうのか気になるので……試して見たいです」 杉田「よしきた!まってなすぐに用意してやるから!」カチャカチャ… ゴットゥーザ「ちょっと、大丈夫なの?」 つかさ「……だいじょうぶです」 つかさ「(私はこなちゃんとは違うんだ、逃げたりなんかしないんだ)」 297 名前:1 ◆wivGPSoRoE [sage] 投稿日:2008/11/08(土) 21:18:38.37 ID:YxzfBjec0 杉田「よし出来た!この白い粉を鼻からスッと吸い込むんだ、お札をこうやって丸めて鼻に差し込むと吸い易いよ」 つかさ「やってみます」 杉田「よっしゃ!いったれ!」 つかさ「スッ……ズズズ………」 つかさ「うえっ!?げほっ!けほっ!…けほっ!…………ぅぅっ、何これぇ…鼻が痛いよ、、」 杉田「ははは、最初はそんなもんだって、すぐに効いてハイになってくるよ」 ゴットゥーザ「あんたはやんないのかよ」 杉田「いやあ、自分でやるより人がキマッてるの見る方が楽しいって言うかね?…………それにほら、俺ハッパ派だから、サーセンw」 つかさ「あ…あ…あぁ…………」ゾクゾクゾク… 310 名前:1 ◆wivGPSoRoE [sage] 投稿日:2008/11/08(土) 21:21:30.96 ID:YxzfBjec0 杉田さんに教えてもらったコークのハイはシャブのそれとはまったく違っていました。 シャブのようなキレはなかったけどその全身を包み込むような多幸感はまさにこの世のモノとは思えませんでした。 神仏級の力を手にしたかのような……まさにそんな感じでした。 つかさ「むぎぃぃぃぃいいいいいいいい!!!!ふひぃいいいい!!!!」 つかさ「話しがっ!話しがっ違うよっ!このトビっ!!こんなのシャブのトビとはぜんぜん違うよおおおあああ!!!」 杉田「でも良いでしょ?」 つかさ「すっごい、良いっ! 良すぎいいいいぃぃぃぃぃぃいいいいいいいい!!!」 杉田「あははは、ウケルw」 ゴットゥーザ「……」 323 名前:1 ◆wivGPSoRoE [sage] 投稿日:2008/11/08(土) 21:24:11.53 ID:YxzfBjec0 ゴットゥーザ「そう言えばあきらどうしてるのよ?一緒に来たんじゃないの?」 つかさ「あきちゃんは表でお友達とお話ししてるよ〜」 杉田「へぇ、あきらって俺ら以外に友達いたんだ?」 ゴットゥーザ「ファンは多いみたいね、まぁ、いつも適当に相手してほったらかしてるみたいだけど」 杉田「一昔前なら俺たちより例の3人組とつるむ事の方が多かったんだけどな〜、あきらの奴」 つかさ「へぇ、あきちゃんって知り合いたくさんいるんだね!その3人組みは今日遊びに来てないの〜?」 ゴットゥーザ「もういないよ」 つかさ「えっ?」 杉田「死んだ、殺されたよ……3人とも」 330 名前:1 ◆wivGPSoRoE [sage] 投稿日:2008/11/08(土) 21:27:30.34 ID:YxzfBjec0 つかさ「…………どうして」 杉田「あいつさ、その仲間3人組と共謀してヤクザの事務所から金とシャブを強奪したんだよ……もう何年も前の話だけど」 つかさ「!?」 ゴットゥーザ「ちょっとあんた!何話してんのよ!」 杉田「いいじゃねーか、ここらの連中はみんな知ってるよ」 つかさ「……どうしてそんなこと」 杉田「あいつが昔アイドルやってたのは知ってるだろ?その事務所ってのがどうやらヤクザつながりでさ」 杉田「事務所の連中、ギャラをピンハネして散々あきらの事働かせた挙句、売れなくなったらAVに移行させたんだよ」 つかさ「……AVって、まさか」 杉田「アダルトビデオだよ、今度見せてやろーか? 俺DVD持ってるぜw」 ゴットゥーザ「杉田っ!」 杉田「ジョ、ジョークだって、、」 杉田「でな、その次が…………シャブだ」 339 名前:1 ◆wivGPSoRoE [sage] 投稿日:2008/11/08(土) 21:31:59.66 ID:YxzfBjec0 つかさ「(……えっ)」ドクン 杉田「例の事務所、タレントが不眠不休で働けるように仕事で弱った娘にはシャブを入れてたんだよ」 杉田「それもバレない様に、初めのうちは差し入れのブラックコーヒーに混ぜたりね」 杉田「もちろんあきらも例外じゃなかった」 杉田「つかさちゃんも知ってるだろ? シャブが入ったら疲れなんて吹っ飛んでそれこそ不眠不休で動けるって」 杉田「当時のあきらのスケジュール帳見てドン引きしたぜ、一昔前のアイドルでもありえない仕事量だったからな」 つかさ「……」 つかさ「……それで、どうしてあきちゃんは事務所を襲おうとしたの?」 344 名前:1 ◆wivGPSoRoE [sage] 投稿日:2008/11/08(土) 21:36:35.88 ID:YxzfBjec0 杉田「あいつの両親、組に借金してたんだよ、それも組からの一方的なやり方でな」 杉田「あきらがそこの事務所に入ったのもそのため、子供なりに考えて自分の稼ぎで少しでも親の借金を賄おうとしたんだ」 杉田「期日までに埋め合わせできないと両親を埋めるってマネージャーからも脅されてたからなw」 つかさ「……あきちゃんの、お父さんとお母さんは………助かったの?」 杉田「間に合わなかった、……殺されたよ、ダムの一部にされたらしい」 杉田「あいつが事務所潰しに出た一番のきっかけはこれだな」 つかさ「………………そんな」 ゴットゥーザ「あいつらは最初から約束なんて守る気なかったのよ」 杉田「それでブチ切れちまったあきらは初め単身で事務所に乗り込む気だったらしいが」 杉田「その時クラスメイトだった仲良し3人組がどうしても協力したいって言い寄ってきたらしくてな」 杉田「人望の厚いあきららしい話しだよな」 353 名前:1 ◆wivGPSoRoE [sage] 投稿日:2008/11/08(土) 21:39:12.74 ID:YxzfBjec0 ゴットゥーザ「結局現金とシャブの強奪には成功、実質事務所に報復することはできたんだけど」 ゴットゥーザ「あきら以外の3人は組員に居場所を嗅ぎ付けられ、それぞれ別の場所で惨殺……」 杉田「見せしめって事で、3人の死体はバラバラにされて敢えて街の目立つところに晒されたんだ」 杉田「それからだな……あいつがあまり人と関わらないようになったのは」 つかさ「(…………そんな)」 つかさ「(…………私、全然知らなかった)」 363 名前:1 ◆wivGPSoRoE [sage] 投稿日:2008/11/08(土) 21:41:39.99 ID:YxzfBjec0 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 あきら「スパー…」 あきら「相変わらずお店のほうは繁盛してるの?」 小野「ええ、お陰様で」 あきら「昔とやり口は変わらないんでしょうね、どうせ、未だに怯える娘の口に飴玉を入れてるんでしょ?」 小野「基本的には昔からやり方は変わってませんね、以前に比べて少々好奇心旺盛な子が増えましたが」 小野「僕があきらさんのマネージャーだった頃が懐かしいですねぇ、あの頃のあなたはまだウブで可愛かったっけ……」 あきら「……」 あきら「つかさもあんたのとこから引いてるわけね」 小野「つかさちゃんはいいお客さんですよ、いつもご贔屓にして貰ってます」 あきら「……だと思ったわ」 371 名前:1 ◆wivGPSoRoE [sage] 投稿日:2008/11/08(土) 21:44:25.64 ID:YxzfBjec0 あきら「ところでどういう風の吹き回し? 六本木はあんたのシマじゃなかったはずだけど?」 小野「よくご存知ですね、そうなんですよ、おかげでこの街の情報がこっちに全然入ってこなくって……困っていたんです」 小野「別の組の人間もうろうろしてますし……正直怖くて怖くて、早くここから出たいくらいですよ」 あきら「つかさから聞いたの?」 小野「つかさちゃんを責めないであげてください、彼女は何も知らなかっただけなんです」 あきら「……チッ」 あきら「……あたしをどうする気?」 あきら「消しに来たんでしょ?」 377 名前:1 ◆wivGPSoRoE [sage] 投稿日:2008/11/08(土) 21:48:38.04 ID:YxzfBjec0 小野「そうですねぇ、ボスからは『連れて帰れ』と言われてます」 小野「でもそこから先は僕の管轄外なんですよ、あくまで僕はただの売人ですから」 あきら「……」 小野「あきらさん、僕の下につきませんか?」 小野「僕は能力のある人間を消すのは正直馬鹿げてると思うんです」 小野「あなたの持っている知識と情報は組にとって大きな武器となる、消してしまうにはあまりに惜しい」 小野「一緒に行きましょう、ボスには僕の方から話して見ます、……大丈夫ですよ、ボスは法も警察も怖くない場所にいるんです」 あきら「……」 あきら「警察にパクられる気なんてサラサラ無いけど、あんたらの仲間になる方がよっぽどゴメンだわ」 あきら「いっそ今ここであたしの頭を撃ち抜いたら? チャカ持ってるんでしょ?」 小野「…………まいったなぁ」 バタン!!!!!!! 警察「警察だ!!!!音をとめろ!!!!!」 388 名前:1 ◆wivGPSoRoE [sage] 投稿日:2008/11/08(土) 21:51:35.90 ID:YxzfBjec0 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 つかさ「…………」 杉田「暗い顔するなよ、もう過ぎた話しだ」 つかさ「…………」 ゴットゥーザ「話し戻るけど、あんたもシャブやってるんでしょ?」 ゴットゥーザ「悪いこと言わないから今のうちに止めときな……手遅れになる前にさ」 杉田「あきらの奴、いつもハッパくわえてるだろ? あれ、シャブ欲しくなる欲求を抑えるためなんだよ」 杉田「アイドル時代に散々やらされてたからな……ああでもしないと未だに身体がシャブを求めるんだと」 杉田「だからつかさちゃんも…」   バタン!!!! 若者「おい!ポリが来たぞ!!お前らもはやく逃げろ!!!!」 398 名前:1 ◆wivGPSoRoE [sage] 投稿日:2008/11/08(土) 21:54:23.78 ID:YxzfBjec0 バタバタバタバタ    バタバタバタバタ 杉田「おいおいマジかよ!」 つかさ「えっ……警察?」 ゴットゥーザ「はやく逃げるよっ!」 杉田「やべぇぞ!つかさちゃんも早く!こっちの出口だ!!」 つかさ「で、でもっ、あきちゃんとだいちゃんが!!」 ゴットゥーザ「あきらはこの程度で捕まる奴じゃないわよ!」 杉田「取り合えず出るぞ!!こんなとこでパクられたらマジなんにもなんねぇ!」 405 名前:1 ◆wivGPSoRoE [sage] 投稿日:2008/11/08(土) 21:57:29.74 ID:YxzfBjec0 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 警察「逃げるな!!!貴様ら!!!!」 警察「全員じっとしてろ!!!!」 バタバタバタバタバタ     ワァーーワァーー    バタバタバタバタバタ       キャーーキャーー 小野「逃げなくていいんですか?あきらさん」 あきら「あんたこそ……ずいぶん余裕ぶっこいてるけど…………パクられたら数年じゃ済まないわよ?」 小野「ですよね、はぁー…」 小野「ホントはこういう仕事好きじゃないんですよ、僕 ……いつもこんな感じで危険と隣り合わせだし」 小野「番組製作なんかでのんびりとシノギがしたかったなぁ……正直なところ」 あきら「あんたらが大原達にした事……あたし忘れてないからね」 414 名前:1 ◆wivGPSoRoE [sage] 投稿日:2008/11/08(土) 22:00:35.81 ID:YxzfBjec0 小野「ああ、あの3人組の事ですか……恨まれている方が気が楽ですよ」 小野「そういえば井の頭線の車輪に挟まれた大原さんの首、発見されるまで渋谷と吉祥寺間を48往復したそうですね」 あきら「……チッ」 あきら「……悪いけどこれ以上あんたと話す気はないわ」 小野「僕もそろそろ、いったん身を引きます」 小野「今日の話…………ゆっくり考えておいてくださいね」    ワァーーワァーー      キャーーキャーー 419 名前:1 ◆wivGPSoRoE [sage] 投稿日:2008/11/08(土) 22:04:27.18 ID:YxzfBjec0 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 私はクラブの階段を抜けてからも必死で走りつづけました。 さっきキメたコークが抜けてきたせいか…………妙に苛立ちと不安が襲う。 それに身体もだるくて重くて……まるで水の入った長靴を履いてるみたい。 ……人ごみにもまれているうちに杉田さんたちともはぐれちゃったし ……それからあきちゃんとだいちゃん……ふたりとも無事逃げ切れたのかな? やっぱり私は踏み込んではいけない世界へ来てしまったのでしょうか? こなちゃんの言うように、自分の身のたけ以上の世界を知ってしまったのでしょうか? 私もいつか……警察に捕まって そして、何年も何年も暗い牢屋の中へ閉じ込められて……旅行も海水浴も恋愛も結婚もできないまま死んじゃうのでしょうか? いやだ…………そんなの絶対いやだ…………逃げなきゃ…………早く逃げなきゃ………… そんなことばかり考えながら無我夢中で走っていると……突然誰かが私の腕をつかみました。 432 名前:1 ◆wivGPSoRoE [sage] 投稿日:2008/11/08(土) 22:08:30.53 ID:YxzfBjec0 ガシッ! つかさ「いやああああ!!!!」 かがみ「つかさっ!」 つかさ「いやああああ助けてぇ!はなしてぇ!!!」 かがみ「つかさ、落ち着いてっ!私よ!かがみよ!」 つかさ「はぁはぁはぁ………………お、お姉ちゃん?」 みゆき「つかささん、どこか怪我は無いですか?危ない目に遭いませんでしたか?」 つかさ「…………ゆきちゃんも……どうして?」 つかさ「…………ふたりともどうして?…………どうして私のことをつけてたの!?」 つかさ「…………ねぇどうして!??」 444 名前:1 ◆wivGPSoRoE [sage] 投稿日:2008/11/08(土) 22:11:29.76 ID:YxzfBjec0 みゆき「…やはり尾行していたこと……気づかれていましたか」 みゆき「実は私達…」 かがみ「……いいわみゆき…………私に話させて」 かがみ「つかさ、警察に通報したの私たちなの……あんたを付けてたら……たまたま違法パーティーの場面に出くわしたから」 かがみ「みゆきと相談した上で……さっきあそこの公衆電話から電話したの……匿名でね」 つかさ「…………えっ!?」 かがみ「それとねつかさ、怒らないで聞いて欲しいの……」 かがみ「あのね、お姉ちゃん…………つかさが今日出て行った後にね」 かがみ「………………………………つかさの部屋の中見ちゃったんだ」 つかさ「………………まさか」 つかさ「…………………………………………うそだよねぇ?」ガタガタ 460 名前:1 ◆wivGPSoRoE [sage] 投稿日:2008/11/08(土) 22:16:19.70 ID:YxzfBjec0 かがみ「うそじゃないよ…………そこでね、押入れの中に大きな鞄が入ってて……」 かがみ「私気になって……鞄の中を…………」 つかさ「……………………………………」 かがみ「悩みがあるなら何でも相談して欲しいの……お願い、何か辛いことがあったから手を出したんでしょ?」 かがみ「つかさ、お父さんやお母さんには黙ってるから教えて? どうしてあんな物に手を出しちゃったの?」 みゆき「(駄目ですかがみさん…これ以上つかささんを刺激しては……)」 かがみ「誰から教えてもらったの? 学校の帰りにいつも会いに行ってた友達?」 つかさ「……………………………………」 かがみ「私達……何でも協力するから…………独りで抱え込まないで…………お願い」 つかさ「…………………の……せいだよ」ボソ かがみ「…えっ」 つかさ「お姉ちゃんのせいだっていってるんだよ!!!!!!!!!!!」 468 名前:1 ◆wivGPSoRoE [sage] 投稿日:2008/11/08(土) 22:18:29.26 ID:YxzfBjec0 かがみ「……つかさ…?」 つかさ「…………へへ…………えへへへ…………」 つかさ「…………終わりだね…………もう、終わりだよお姉ちゃん」 つかさ「………………………そうだよぉ、お姉ちゃんの言うとおりだよぉ」 つかさ「…………私がいま夢中になってるのはシャブだよぉ?…………覚せい剤だよぉ?」 490 名前:1 ◆wivGPSoRoE [sage] 投稿日:2008/11/08(土) 22:22:04.48 ID:YxzfBjec0 つかさ「えへへ……いい気なもんだよねぇ?……こんなときでもお姉ちゃんはお姉ちゃん顔するんだもん」 つかさ「同じ日に同じ親から産まれてきたのに……数分先に産まれてきたってだけでお姉ちゃんだもんねぇ?」 つかさ「私がどんな気分で今まで生きてきたか分かる?……私に対する周りの評価はいつどんなときでもお姉ちゃんとの比較」 つかさ「周りから…お姉ちゃんと…比較されればされるほど…私は自身を…失い…惨めになって…」ブツブツ みゆき「つかささん……落ち着いてください、今つかささんは薬物離脱期のために一時的に情緒不安定になっているだけで…」 つかさ「ゆきちゃんはだまっててよ!」 みゆき「……っ」 つかさ「………………………そうだぁ…………いいこと思いついちゃったぁ」 つかさ「ぢつはさっき友達からコカインもらっちゃったんだぁ……せっかくだから…キメるところ見せてあげるよぉ」 かがみ「やめて!!」 みゆき「つかささん!駄目ですっ!!!」 私はお姉ちゃんとゆきちゃんの呼び止めに耳を傾けず……二人の見守る中……パケの中身を鼻からスッと吸い込みました。 504 名前:1 ◆wivGPSoRoE [sage] 投稿日:2008/11/08(土) 22:25:48.88 ID:YxzfBjec0 つかさ「イエーーーーーーーイ!!!!どうしたの二人とも浮かない顔しちゃってぇ!!!!こんなに星は輝いてるのにっ!!!!」 つかさ「さァ!!!一緒に走ろう!!!!満天の星達を背に!!!!この地球(ホシ)で生を受けたことを感謝しようよっ!!!!」 つかさ「こんな路地裏でいつまでもウジウジしてちゃダメだよ!!!!カビが生えちゃうぞっ!!!!!なーんてねっ!!!!!!」 つかさ「アハハハハハハ!!!!なーんてねっ!!!アハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!バルスァミコォス!!!!!!!」 かがみ「……ウッ……ウゥッ……グスッ……えぐっ……」 みゆき「……つかささん」 532 名前:1 ◆wivGPSoRoE [sage] 投稿日:2008/11/08(土) 22:30:07.69 ID:YxzfBjec0 つかさ「えへへへ〜! お姉ちゃん、ゆきちゃん、さっきは怒鳴っちゃってゴメンねぇ〜?」 つかさ「私もう怒ってないからぁ、ちっとも怒ってないからぁ〜」 つかさ「私、お姉ちゃんを許してあげることにしたんだぁ」 つかさ「だからお姉ちゃんも私のこと許してねぇ? こんなダメで出来の悪い妹だけど、許してねぇ〜?」 かがみ「…………えぐっ………えぐっ…………ヒック………………」 みゆき「…………」 つかさ「私はもうお姉ちゃんがいなくても大丈夫だよぉ!お姉ちゃんよりも頼もしい相棒がいるからぁ!」 つかさ「私、この子(シャブ)と一緒に生きていくって決めたんだぁ! 一生一緒にぃ〜! だから心配しないでねぇ〜」 みゆき「つかささん、ドラッグに負けてはいけません……呑まれてはいけません」 みゆき「ドラッグは……この上なく魅惑的です……でも決して……つかささんを救ってくれる救世主などではありません」 みゆき「ドラッグは人間の作った何よりも何よりも怖ろしい悪魔の……」 548 名前:1 ◆wivGPSoRoE [sage] 投稿日:2008/11/08(土) 22:33:24.64 ID:YxzfBjec0 つかさ「えへへ〜、つかさもう脳みそブッ壊れちゃってるから難しい話はわかんないよぉ〜」 つかさ「私こっちの世界に友達いっぱいできたんだぁ みんな良い人ばかりだよぉ 学校なんかよりずっと楽しいんだからぁ〜」 つかさ「だからね、私もう二度とみんなのところに帰ってこないからぁ〜、ゆきちゃん、寂しがりやのお姉ちゃんをよろしくね〜」 みゆき「つかささん、待って下さい!」 つかさ「サンキューバイバイ今までありがとう! さようならぁ〜」 みゆき「……つかささん」 かがみ「………えっぐ………ひっく………………うぅっ……うわああああああああああああああああああああああああああああ」 565 名前:1 ◆wivGPSoRoE [sage] 投稿日:2008/11/08(土) 22:37:22.91 ID:YxzfBjec0 つかさ「えへへ〜、つかさもう脳みそブッ壊れちゃってるから難しい話はわかんないよぉ〜」 つかさ「私こっちの世界に友達いっぱいできたんだぁ みんな良い人ばかりだよぉ 学校なんかよりずっと楽しいんだからぁ〜」 つかさ「だからね、私もう二度とみんなのところに帰ってこないからぁ〜、ゆきちゃん、寂しがりやのお姉ちゃんをよろしくね〜」 みゆき「つかささん、待って下さい!」 つかさ「サンキューバイバイ今までありがとう! さようならぁ〜」 みゆき「……つかささん」 かがみ「………えっぐ………ひっく………………うぅっ……うわああああああああああああああああああああああああああああ」 586 名前:1 ◆wivGPSoRoE [sage] 投稿日:2008/11/08(土) 22:41:03.82 ID:YxzfBjec0 さようなら、ゆきちゃん、こなちゃん、おねえちゃん 私は泣き崩れる二人の視線を背にけたたましく笑いながら、夜の雑踏に姿を消しました。 途中…私の心の中で善悪が葛藤しましたが……もう一度コークを鼻からスッ吸引すればたちどころにそんな気分は吹っ飛びました。 きっともう、二度とみんなとは会えないんだね。 ……さて、これからどうしましょう。私は一夜にして寝床もお金も家族も失いました。そして大切な友達も。 おなかは空いてないからご飯はまだいいや……取り合えず……寝床を探さなきゃ……。 ぱっと財布を見ると中身は100円……。 えへへ、困ったなぁ……カプセルホテルにも泊まれないや……。 あぁ〜そうだぁ、困ったときのだいちゃんだぁ、だいちゃんに電話して見よぉ〜っと! ピッピピパピパ つかさ「もしもし〜!だいちゃ〜ん? おねがーい、助けて欲しいのぉ〜!」 600 名前:1 ◆wivGPSoRoE [sage] 投稿日:2008/11/08(土) 22:44:46.25 ID:YxzfBjec0 つかさ「だいちゃん、お風呂ありがと〜、気持ちよかったよぉ」 小野「いえいえ、どういたしまして」 私はだいちゃんに車で迎えに来てもらい、その後だいちゃんのアパートまで連れてきてもらいました。 オシャレなだいちゃんにしては意外なくらいシンプルな部屋で、まるで2、3日前に引っ越してきたばかりのような印象を受けました。 シャワーを浴びてる最中、だいちゃんとあきちゃんの関係が気になりましたが……あえて考えないことにしました。 この世界の人たちは人から深く詮索されることを嫌うと思ったからです、内部事情には顔を突っ込まない……それがこの世界の暗黙のルールだと思ったから。 小野「いやぁ、それにしても僕がまだ六本木近辺をうろうろしててよかったよ、おかげでつかさちゃんをすぐに迎えに行けたからね」 つかさ「おかげで助かったよ〜、あの後おまわりさんがいっぱい来たから……だいちゃん捕まってないか心配してたんだよぉ〜」 小野「ありがとう、つかさちゃんは優しいね」 つかさ「えへへ〜」 612 名前:1 ◆wivGPSoRoE [sage] 投稿日:2008/11/08(土) 22:48:12.49 ID:YxzfBjec0 小野「ところでつかさちゃん、さっきの話だけどね」 小野「僕、個人的には……つかさちゃんを家に置いてあげてもいいかなって思うんだけど……」 小野「やっぱり金銭的な問題があってね……実は今の仕事……僕一人が食べていくので精一杯なんだ」 つかさ「……そっか、そうだよね」 小野「ごめんね……力になれなくて」 つかさ「いいよ、気にしないでだいちゃん」 つかさ「大丈夫だよ、私、もう大人だし!……アルバイトとかすれば一人でも生きていけるよ!」 小野「…………」 小野「……そうだ! そういえば知り合いにひとり当てがあるよ!」 つかさ「えっ」 小野「ちょっと待ってて、今連絡とって見るから!」 627 名前:1 ◆wivGPSoRoE [sage] 投稿日:2008/11/08(土) 22:50:54.96 ID:YxzfBjec0 だいちゃんは真剣な顔で電話の相手と話しをしていました。 途中、私の見た目の印象だとか、年齢とかの説明をしていましたが、だいちゃんに任せて何も考えないことにしました。 きっとだいちゃんなら全部うまくやってくれる、今までもずっと助けてくれたし、そう信じてだいちゃんに任せることにしました。 小野「つかさちゃん!オッケーだって!」 小野「知り合いがつかさちゃんの事を預かってあげても良いって言ってくれたよ!」 つかさ「ほんとう!?」 つかさ「ありがとうだいちゃん!!」 小野「ただね、一つだけ条件があるらしいんだ」 638 名前:1 ◆wivGPSoRoE [sage] 投稿日:2008/11/08(土) 22:53:28.24 ID:YxzfBjec0 つかさ「条件?」 小野「その知り合いも僕と同じで自営業やってるんだけど……ここのところ経営難らしくてね、人ひとり養う余裕も無いらしいんだ」 小野「それでね、寝床と食事を用意する代わりに従業員としてアルバイトをして欲しいんだって」 つかさ「それくらい全然へいきだよっ!」 つかさ「食事も寝床も与えてもらえるんでしょ?そこまでしてもらって何もしなきゃバチがあたっちゃうよ!」 小野「過酷なバイトらしいよ、平気?」 つかさ「うん!へいきだよ、私頑張るよ〜!」 小野「そうか、それを聞けて安心したよ^^」 654 名前:1 ◆wivGPSoRoE [sage] 投稿日:2008/11/08(土) 22:56:45.03 ID:YxzfBjec0 つかさ「えへへ〜、だいちゃんはいつも私の事を助けてくれるね」 つかさ「そのお友達にも迷惑にならないように頑張らなきゃ、私ドジだから」 小野「えらいね、その意気だよ」 小野「店長さん、見た目はちょっと強面だけど、ホントはとっても優しいお兄さんだから心配しないでね」 つかさ「うん!」 小野「あ、そうそう、それからね……これはここだけの話だけど」 小野「彼も随分シャブに嵌ってるみたいでさ……お仕事頑張った子にはこっそりシャブをプレゼントしてあげてるそうだよ」 つかさ「えっ!ホント!!?」 小野「だからつかさちゃんも頑張ってね」 つかさ「うん!私頑張る!頑張るよ!」 35 名前:1 ◆wivGPSoRoE[] 投稿日:2008/11/09(日) 00:03:39.62 ID:ZRoJmPc0 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 小野「というわけで、つかさちゃんの事はよろしく頼んだよ」 店長「…………クッチャ…クッチャ」 つかさ「…………」 つかさ「(ぅぅっ……だいちゃんの言ったとおりだ、なんだか怖そうな人だよぅ)」 つかさ「(さっきからずっとガム噛んでるし…………なんだか不安になってきた)」 小野「じゃあ僕はそろそろ帰るから、つかさちゃん、後は頑張ってね」 つかさ「あっ……だいちゃん、待って」  バタン つかさ「(ぁぅ……帰っちゃった)」 店長「おい、こっちに来い、ここのルール説明すっから」クチャクチャ 41 名前:1 ◆wivGPSoRoE[] 投稿日:2008/11/09(日) 00:07:52.44 ID:ZRoJmPc0 私は店長に奥の部屋へと連れて行かれました……が……その異様な光景に思わず息を詰まらせてしまいました。 そこは六畳ほどの狭い部屋で、私と同じくらいかそれより少し若いくらいの女の子が4人いました。 私が部屋に連れて来られても女の子達は全然興味が無いといった様子で、黙々と漫画を読んだり、テレビゲームをしたり 毛布に包まって寝ていたりしていました……。 店長「食事は一日二回だ、ベッドは無いから寝たくなったらそこの毛布に包まって寝ろ、あと風呂は使用禁止だ」 店長「シャワー浴びたけりゃ出張先のホテルで借りろ、生理用品は押入れの中のを勝手に使え、あとトイレはr」 店長は噛んでたガムを吐き出すと、とても早い口調でルールを説明しました。 途中言葉使いが早すぎて聞き取れない箇所もありましたが、聞き返したら怒られそうだったので理解しているふりをしました。 ここは何をする場所なのでしょうか?この女の子達はどこから来たのでしょうか? みんな同じ部屋で暮らしてるのにどうして誰一人会話をしようとはしないのでしょうか? 私の心に一抹の不安がよぎりました。 47 名前:1 ◆wivGPSoRoE[] 投稿日:2008/11/09(日) 00:10:42.43 ID:ZRoJmPc0 店長「もしもし『シスターウォーズ』です」 店長「あ、どうも〜、いつもお世話になってます、えぇ〜」 店長「いやぁ、ごめんなさい、長門ちゃんはいま体調を崩しておりましてぇ〜」 店長「替わりに新しい子入って来てますよぉ〜、ええそうなんです、処女なんですよぉ〜」 店長「可愛いですよぉ〜オススメです、あ、フィストはまだ出来ないんですよぉ、新人さんなんでねぇ〜」 店長が玄関で誰かと電話をしています、口調からしてお客さんでしょうか? 新しい子って……ひょっとして私の事? 難しい言葉がいっぱい出てきて何の話をしているのかよく分かりません。 店長「基本コース120分に本番中出しとAFのオプションですね? わかりましたぁ〜、いつもありがとうございます〜」ガチャッ 70 名前:1 ◆wivGPSoRoE[] 投稿日:2008/11/09(日) 00:19:35.17 ID:ZRoJmPc0 店長「おい、さっそく指名が来たから支度しろ」 つかさ「……えっ、しめい?」 店長「さっさと支度しろ!!」 つかさ「……は、はいっ!」 私は店長に言われるがままに服を着替え車に乗せられました。 これからこの車でお客様との待ち合わせ場所へ向かうそうです。 店長は店番があるとかで事務所に残り、代わりに別の店員さんが車で連れて行ってくれました。 運転中の店員さんは一言も話しかけてくれず、車の中は重苦しい空気が漂っていました……。 つかさ「(仕事は初めが肝心って言うし……不安だけどがんばろう)」 つかさ「(だいちゃんに紹介してもらったお店だもんね……はやく一人前にならなきゃ)」 80 名前:1 ◆wivGPSoRoE[] 投稿日:2008/11/09(日) 00:27:27.89 ID:ZRoJmPc0 店員「お待たせしました〜、ご指名いただきましたつかさちゃんです」 つかさ「柊つかさですっ、は、始めましてっ」 客A「よろしくつかさちゃん、礼儀正しいね、さすが新人さん」 客B「へぇ〜、けっこう可愛いじゃん?堀北系?この店この手の娘多いよなァ」 客C「処女とかマジどうでもいい、フィストできる奴いねぇのかよ?」 私達が到着した待ち合わせ場所……そこは人気のない河沿いの大きな橋の下でした。 きっとこの大柄な三人の男の人が店長と電話していたお客さん……。 三人とも髪の毛を編みこんでいたり、スキンヘッドだったり、ダボダボの服を着ていたり、少し怖そうな面持ちの人たちでした。 ……人を見た目で判断するのは良くないけど、こういう人たちのことを不良っていうのかなぁ? 私が通っていた学校にはいないタイプの人たちでした。 99 名前:1 ◆wivGPSoRoE[] 投稿日:2008/11/09(日) 00:34:36.88 ID:ZRoJmPc0 私はお客さんたちの車に乗せられて、別の場所へと連れて行かれました。 連れてこられた場所はどうやら人里はなれた場所にある古いホテルのようです。 看板や入り口には無数のネオンが飾ってあって、ピカピカと派手に光っていましたが、 建物が古いせいか、外壁のところどころにシミやヒビがはいっていて……どこか物悲しいふいんきが漂っていました。 私達四人はホテルの入り口で鍵を貰い、鍵の番号の部屋へと向かいました。 客C「きったねぇ〜ホテルだなァ、なんかクセーし」 客A「文句言うなよ、ここしか安いところ無かったんだよ」 客B「で、順番どうするんだよ、なぁ? 中出しのオプションつけたの俺だからな?分かってるよな?」 つかさ「…………」 客C「取り合えず女、脱げよ」 つかさ「……………………えっ」 108 名前:1 ◆wivGPSoRoE[] 投稿日:2008/11/09(日) 00:41:02.59 ID:ZRoJmPc0 つかさ「あ、あの、脱ぐって……」 つかさ「……………服を……ですか?……」 客C「はァ?決まってんだろそんなもん?ナメてるのか?」 つかさ「……ひっ」 つかさ「…………あ、あの、…………どうして服を?」 客C「……なんだこいつ?」 客B「もう剥いちまおうぜ!」 客A「おい、ちょっと待てよ…………ひょっとしてこの子、店から何も聞いてないんじゃないのか?」 118 名前:1 ◆wivGPSoRoE[] 投稿日:2008/11/09(日) 00:43:58.17 ID:ZRoJmPc0 客C「はァ?知るかよ、んな事マジどうでもいい」 客B「どっちにしろヤるんだから気にしなくていいじゃん」 客A「いや、何年か前もいただろ、ここの店の子で……何も聞かされずに来てパニックになった子」 つかさ「(……何の話をしてるんだろう)」 134 名前:1 ◆wivGPSoRoE[] 投稿日:2008/11/09(日) 00:46:44.10 ID:ZRoJmPc0 客B「ああ、あの泡ふいた娘か、あれはキモかったなぁ」 客C「え?俺全然気にならなかったんだけど?むしろ苦しんでくれたほうが興奮しね?」 客A「……俺ああゆうの好きじゃないんだよ、なんかレイプしてるみたいで」 客B「未成年とヤってる時点でレイプだろうが、綺麗ごと言うなよ」 客C「……あ〜ぁ、冷めるわ、こーゆー奴」 つかさ「…………」 147 名前:1 ◆wivGPSoRoE[] 投稿日:2008/11/09(日) 00:49:55.73 ID:ZRoJmPc0 客A「取り合えず説明くらいしてやろうよ……なぁ」 客B「…………」 客C「……好きにしろよ、もう」 つかさ「…………」 客A「つかさちゃんだっけ?……今日ここに何しに来たか分かる?」 つかさ「…………」 客A「なんにも聞いてないのか?」 つかさ「……はい」 客A「やっぱりな」 167 名前:1 ◆wivGPSoRoE[] 投稿日:2008/11/09(日) 00:57:05.13 ID:ZRoJmPc0 客A「ここがホテルなのは知ってるよな?ダブルベッドがあって、天井は鏡張りだ」 客A「ガラス張りの風呂はボタン一つでバブルバスになる………もうわかるだろ?」 つかさ「…………」 客A「ここはラブホで……君は俺達三人に抱かれるためにここに来たんだ」 客A「俺たちも君の店に金を払ってる、もう契約済みだ」 つかさ「…………」 客A「処女なんだってな、……きっと初めは痛いだろうし、……ショックだと思うけど」 客A「俺達も金を払ったからには引き返すわけにはいかないんだ………………気の毒だが諦めてくれ」 つかさ「…………」 188 名前:1 ◆wivGPSoRoE[] 投稿日:2008/11/09(日) 01:05:36.88 ID:ZRoJmPc0 そのとき私は…………なせか…………とても前にお父さんに読んでもらった古い物語を思い出していました。 私がまだ小さかった頃、私が理解しやすいようにお父さんが一言一言丁寧に読んでくれたお話。 ……イカロスの翼の物語。 イカロスのお父さんは自分とわが子に蝋と鳥の羽で作った大きな翼を与えました。 狭い塔を抜け出し…………二人で自由な大空へ旅立つために。 お父さんは息子のイカロスに言います。 『イカロスよ、空の中くらいの高さを飛ぶのだよ……高く飛ぶと、太陽の熱で翼が溶けてしまうから』 二人は飛びました。 農作業中の人々や羊飼いたちが彼らの姿を見て、神々が空を飛んでいるのだと思いました。 しかしイカロスは調子に乗ってしまった……父の忠告を忘れ、高く、高く飛んでしまいました。 好奇心旺盛なイカロスは、太陽に近づきすぎたために翼の蝋が溶けてしまい ……そのまま大海原へと落ちてしまったのです。 つかさ「…………グスッ……グスッ……ううっ……………………いっ、痛いっ!」 つかさ「…………痛い痛い痛い痛いっ!!やめてぇええええ!!!」 216 名前:1 ◆wivGPSoRoE[] 投稿日:2008/11/09(日) 01:11:42.77 ID:ZRoJmPc0 客C「ピーピー泣くんじゃねぇこのタレがァ!」  バシーーーーン!! つかさ「うああっ、ご、ごめんなさいっ、ごめんなさいっ、ごめんなさいっ」 客C「黙ってケツ振ってろ!!」 つかさ「………………っ…………たぃ……………」 つかさ「…………………………グスッ…………ヒグッ……」            ギシギシ……               ギシギシ…… 241 名前:1 ◆wivGPSoRoE[] 投稿日:2008/11/09(日) 01:17:16.69 ID:ZRoJmPc0 …………私、きっと、バチが当たったんです。 …………友達や家族の忠告を聞かず……………大空高く飛んでしまったから。 …………だから…………私は…………………きっと、神様に翼を焼かれてしまったんだと思います。 客A「ほら、出すから全部飲めよ」 つかさ「……んぐっ!?………んっ…………んんっ…………………………」 客B「こいつ濡れ悪すぎ……チンポいてぇよ」 客C「おい!ケツ浮かせるんじゃねぇ!!ちゃんと腰落とさねぇか!!」 つかさ「……………んん゙っ…………ん゙ん゙っ…………ん゙ん゙っ…………」 つかさ「(…………助けて…………苦しいよ…………助けて)」 257 名前:1 ◆wivGPSoRoE[] 投稿日:2008/11/09(日) 01:22:35.01 ID:ZRoJmPc0 身体中が痛い……おなかも……口も……喉も…………まるで焼けた鉄の棒を身体中につっこまれたみたい………… いったいどれくらいの時間がたったのだろう…………三人の男の人が代わる代わる何度も何度も………… まさかこんな苦しみがこの世にあったなんて………… だいちゃんは知ってて私をここへ送ったの?…………こんな地獄のような場所へ………… きっと私は死んでしまう…………殺されてしまうんだ………… ごめんね…………ゆきちゃん…………お姉ちゃん…………ふたりとも正しかったよ………… 私…………本当は一人じゃ何も出来ないくせに…………生意気なことばかり言って………… …………ごめんね…………みんな…………ごめんね………… 278 名前:1 ◆wivGPSoRoE[] 投稿日:2008/11/09(日) 01:27:10.72 ID:ZRoJmPc0 店長「初接客お疲れ、報酬やるからこっちこい」 つかさ「……………………はい」 さんざん嬲り者にされた後、私は解放され……もといたアパートへ戻されました。 半日は犯され続けていた気がしたけど……時計を見るとたった2時間しか経っていませんでした。 これからもずっと続くのかな?…………こんな地獄が。 腰が壊れて歩けなくなった私に店長が肩を貸して奥の部屋へと連れていってくれました。 血が私の足を伝ってポタポタと床にシミを作りました…… 295 名前:1 ◆wivGPSoRoE[] 投稿日:2008/11/09(日) 01:31:14.27 ID:ZRoJmPc0 店長「これはピル(避妊薬)だ、取り合えず飲んどけ」 つかさ「……………………はい」 店長「次だ、腕をだせ」 つかさ「…………えっ」 店長はそういうと静かに私の腕に注射針を刺しました。 はい、その通りです、それは紛れも無く私の大好きなシャブでした。 シャブのハイが私の身体を駆け巡った瞬間……スッと身体中の痛みが消えました。 ……同時に心の痛みも。 私はきっともう帰れない……携帯も没収された……このままずっとこの場所で……こうして死ぬまで働かされ続けるのでしょう。 でも、今はそんな難しいことを考えるのはやめよう…… 今はただ……この心地よいハイを……少しでも長く……味わいたいから…… 306 名前:1 ◆wivGPSoRoE[] 投稿日:2008/11/09(日) 01:35:08.56 ID:ZRoJmPc0 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 店長「つかさ、指名だ、準備しろ」 つかさ「……はい」 あれからどれくらいの月日が経ったのでしょう。 私はあの後何人ものお客様の相手をしました……それこそ朝起きてから夜寝るまでの間に……何人も何人も。 色々なお客様がいました、怖い人、優しい人、暴力的な人、刃物を使う人、縄で縛るのが好きな人、私の排泄物が好きな人。 最初は痛くて怖くて苦しくて……何度も死のうと思いました。 けど日にちが経つにつれ痛みは我慢できるようになり……ご褒美のシャブを生きがいとして頑張れるようになりました。 一般的にシャブをやると性欲が増してセックスが気持ちよくなると言いますが 私の場合、シャブを入れた後でもお客様からされる行為を気持ちいいと感じることはありませんでした。 ただ……少しだけ苦痛が和らぐので……そのぶん気持ちが楽になる程度でした。 お前ら「ハァハァハァ…………出すよ!つかさちゃん!中に出すよ!」 つかさ「……………………」 お前ら「いくぅ!いっくううううううう!!!!」 つかさ「……………………」 351 名前:1 ◆wivGPSoRoE[] 投稿日:2008/11/09(日) 01:42:38.79 ID:ZRoJmPc0 店長「つかさ、いつもの三名様から指名だ、準備しろ」 つかさ「……はい」 この日は例の三名様からの指名です……そう、あの日、私が始めて接客をしたお客様です。 今では月に二回かならず指名していただけるお得意様です。 客A「やぁ、ひさしぶりつかさちゃん、少し雰囲気が落ち着いたな」 客B「だいぶ慣れたんじゃね?なんかもう表情がプロっぽいじゃん」 客C「でもコイツ無駄にヨがらないところがいいよな?五月蝿くなくて」 つかさ「…………よろしくお願いします」 371 名前:1 ◆wivGPSoRoE[] 投稿日:2008/11/09(日) 01:46:50.22 ID:ZRoJmPc0 客A「そろそろ出すぞ、こぼさず飲めよ」 つかさ「…………コクン……コクン……コクン」 客B「……なーんかお前慣れたよなぁ〜?」 客C「五月蝿くねぇのはいいけど、あんまり無反応もねぇ?」 客B「そろそろ、オキニの替えどきじゃね?」 客C「だな!」 客A「おい、本人の前でそーゆーこと言うのやめろよ」 つかさ「……………………」 384 名前:1 ◆wivGPSoRoE[] 投稿日:2008/11/09(日) 01:51:03.03 ID:ZRoJmPc0 客B「だってこいつ気持ちいいのか気持ちよくないのかわかんねぇんだもん」 客C「だよなァ、フィストもNGだしさァ、俺は姉妹店のこなたちゃんの方がいいわ」 つかさ「(……………………ぇ)」 客A「こなたちゃんか……お前あんなガリガリの子供みたいな子がいいのかよ?」 つかさ「(……………………まさか)」 客C「そんなんじゃねーよ、あの子はフィストさせてくれるんだよ!だからオキニなんだよ!」 つかさ「(……………………まさか)」 409 名前:1 ◆wivGPSoRoE[] 投稿日:2008/11/09(日) 01:56:01.14 ID:ZRoJmPc0 つかさ「…………すみません」 つかさ「………………その子の話、教えてください」 客C「うるせーよ、お前には関係ねぇだろ」 客B「喋る暇あったら喘いでろタコ」 つかさ「………………お願いします……友達かもしれないんです」 客C「うるせーって言ってんだろ!殴られてぇーのか!」 客A「おい、ちょっと待ってやれ、なんだって? ……ともだち?」 422 名前:1 ◆wivGPSoRoE[] 投稿日:2008/11/09(日) 02:00:37.39 ID:ZRoJmPc0 つかさ「…………その子…………目の横に泣きホクロがありませんでしたか?」 客A「あったな」 客B「ああ、あったよ……俺から見て右側に」 つかさ「…………そ、それから身長は…………どれくらいでしたか?」 客A「そうとうちっさいよな?140かそこらだろ?」 客B「ああ、そんなだな、あと特徴といったら……長髪と口元くらいじゃね?」 つかさ「……………………くち…………もと?」 客A「そうそう、口元独特だよな、アヒル口って言うか猫口っていうか?」 つかさ「……………………」 つかさ「……………………うそだよね」 438 名前:1 ◆wivGPSoRoE[] 投稿日:2008/11/09(日) 02:06:21.43 ID:ZRoJmPc0 つかさ「お願いです…………その子の連絡先を教えてください…………友達なんです…………」 客C「もういいだろ、しつけーよお前」 つかさ「お願いです…………何でもしますから…………何でも言うこと聞きますから…………」 つかさ「その子の連絡先を…………」 客A「ちょっとかわいそうだよ、教えてあげるくらい良いんじゃないのか?」 客B「よくないだろ、ヤクザの店だぞ? んな危ない情報教えれるかよ」 客C「まてよ……、おい女、お前何でもするって言ったよな?」 つかさ「……………………はい」 客C「何でもするって事は俺達に何されてもイイって事だよなァ?」 つかさ「…………………………………………はい」 客C「フィストさせろフィスト」 464 名前:1 ◆wivGPSoRoE[] 投稿日:2008/11/09(日) 02:12:54.86 ID:ZRoJmPc0 客A「おい、やめとけよ、死んでしまうぞ」 客C「死なねぇよ!こいつよりチビのこなたちゃんだって出来るのによ? 百歩譲って人工肛門だろ」 客B「俺しらねぇ……」 つかさ「……………………やってみます」 客C「ほぅ、物わかりイイじゃねぇか、ほらさっさとケツ出せ」 つかさ「……………………はい」 客C「よし、力抜けよ」 客A「お前マジいい加減にしろって!」ゴツン 客C「いてぇ!何すんだよ?」 483 名前:1 ◆wivGPSoRoE[] 投稿日:2008/11/09(日) 02:17:52.78 ID:ZRoJmPc0 客A「俺らフィストのオプション付けてないだろ?ルール破ってヤクザの店の娘ケガさせたらどうすんだよ?」 客C「……だからってどつくこたァねぇだろが! みんなやってるよこれくらい!」 つかさ「……………………」 客A「つかさちゃん、君の友達なら姉妹店の『M女専門店 Dドライヴ』で働いてる」 客A「店の連絡先と場所はこの紙に書いてあるから後は自分で何とかしてくれ……これ以上は俺らも協力できない」 つかさ「……………………ありがとうございます」 つかさ「……………………本当にありがとうございます」 客B「知らねぇぞ……」 500 名前:1 ◆wivGPSoRoE[] 投稿日:2008/11/09(日) 02:24:22.70 ID:ZRoJmPc0 ブロロロロロ… 店員さんが運転する帰りの車の中で…………私はずっと考えていました。 さっきのお客様が言っていた子がもしもこなちゃんなら…………。 どうしてこなちゃんはそのお店で働くようになったのでしょうか? 私と同じように連れてこられたのでしょうか?…………だとしたら誰に?…………まさかだいちゃん? 私がこなちゃんをだいちゃんに紹介したから?…………あの時から狂い始めていたの? だとしたら私のせいだ…………なんとかしなきゃ…………なんとか…………。 こなちゃんを助けなきゃ…………でもどうやって? 店員「…………〜♪」 つかさ「…………」 つかさ「…………店員さん…………ちょっと聞いてもいいですか?」 店員「……うわっ!?びっくりした…………お前喋れるのかよ」 507 名前:1 ◆wivGPSoRoE[] 投稿日:2008/11/09(日) 02:28:57.37 ID:ZRoJmPc0 つかさ「あの、『M女専門店 Dドライヴ』って…………どんなお店なんですか?」 店員「あ〜ぁ、お前あの三名様から聞いたんだろ?あいつら常連らしいからな」 店員「うちの姉妹店のSMクラブだよ、ハードが売りのな、うちの店より繁盛してるらしいよ」 つかさ「あ、あの…………そこのお店で働くには…………どうすればいいんですか?」 店員「はあ、本気で言ってるのか?」 つかさ「…………はい」 店員「……やめといた方がいいぞ? 言っただろ、ハードが売りだって、めちゃくちゃさせられるぞ?」 店員「むこうの店でボロボロになった嬢がうちの店に流れて来るんだよ……だからみんな無口だろ?」 つかさ「…………ってことは…………私がそのお店へ移ることも可能ってことですよね?」 520 名前:1 ◆wivGPSoRoE[] 投稿日:2008/11/09(日) 02:34:43.77 ID:ZRoJmPc0 店員「なんでそんなに行きたいの? Dドライヴ」 つかさ「それは…………えっと………………………………」 つかさ「仕事で毎日痛いことされてるうちに…………その……楽しく感じるようになっちゃって」 店員「もっと強い刺激が欲しくなったってこと?」 つかさ「…………はい」 店員「……タフだなぁ、まぁいいんじゃない? 嬢の移動は良くあることだし、向うの店は嬢が足りてないって聞くし」 店員「店長に相談して見たら?」 つかさ「…………はい」 つかさ「…………ありがとうございます」 532 名前:1 ◆wivGPSoRoE[] 投稿日:2008/11/09(日) 02:39:29.59 ID:ZRoJmPc0 つかさ「あ……あの」 つかさ「…………トイレ行きたいんですけど、コンビニ寄ってもらっても良いですか?」 店員「もう少しで事務所に着くから我慢しろよ」 つかさ「…………お願いです…………もうもれそうで」 店員「仕方ないな、すぐに戻ってこいよ?逃げたりしたら俺が殺されるからな? 冗談だけど」 つかさ「…………ありがとうございます、すぐに戻ります」バタン 店員さんも万が一の事を考えていたのだろう……そこはコンビニというより田舎の小さなスーパーといった感じのお店でした。 周りは田んぼだらけ……野中に一軒ポツンと建ってました。 こんなところに駆け込んだところで助かるはずはない……周りには交番らしきところはないし、 客も一人もいない……レジにいるのはヨボヨボのお婆さんのみだ。 私はお店の中に入り、トイレには目もくれず、急いでレジのお婆さんに声をかけて電話を借りました。 …ジーコジーコジーコ    …プルルルル…プルルルル つかさ「(お願い誰か出てぇ!)」 536 名前:1 ◆wivGPSoRoE[] 投稿日:2008/11/09(日) 02:43:50.68 ID:ZRoJmPc0 電話『カチャッ……ただいま留守にしております……ピーと鳴りましたr』ガチャン つかさ「(…………どうしよう、誰も出ない、みんなどこへいったの?)」 つかさ「(はやくしなきゃ車で待ってる店員さんに怪しまれる…………はやくなんとかしなきゃ)」 つかさ「(………………………………そうだ!)」 私は大急ぎでポケットの中を探りました…………。 あった!…………これだ!あきちゃんとの思い出のライター! あきちゃんと離れたあとも…………ずっとお守りとして持っていたライター。 このライターにはあきちゃんの連絡先が書いてある…………こんなところで役に立つなんて……急いで電話しなきゃ! 544 名前:1 ◆wivGPSoRoE[] 投稿日:2008/11/09(日) 02:47:40.35 ID:ZRoJmPc0 電話『ただいま電話に出ることが出来ません……ピーと鳴りましたr』 つかさ「(うわあああ、しまった!この時間帯……あきちゃんは仕事中だったよ)」 つかさ「(ど、どうしよう…………)」 つかさ「(…………あれ?…………よく考えたら発信音の後にメッセージを残せば…………)」 つかさ「(そうだ、どうして気がつかなかったんだろう!まだ間に合う、メッセージを残さなきゃ!)」  ピーーッ つかさ「も、もしもし!あきちゃん!私!つかさ!柊つかさ!」 つかさ「お願い助けて欲しいの!友達が『M女専門店 Dドライヴ』ってお店で働かされてて私も…」  ピーーッ 549 名前:1 ◆wivGPSoRoE[] 投稿日:2008/11/09(日) 02:52:52.62 ID:ZRoJmPc0 つかさ「(…………話し終わる前に切れちゃった……大丈夫かな……ちゃんと伝わるかな)」 つかさ「(そうだ……もう一度……家に電話して見よう……留守でも発信音の後にメッセージを残せば…)」 つかさ「(でも、何てメッセージを残せば……………………私、お姉ちゃんにあんなに酷いことを言っちゃったんだよ?)」 つかさ「(私、どんな顔してお姉ちゃんに助けを求めればいいの?…………のうのうと『お姉ちゃん助けて』って言えばいいの?)」 つかさ「(…………できないよ…………そんなこと…………)」 つかさ「(私は…………どうすればいいの?)」 店員「お前、トイレはどうしたんだ?」 つかさ「…………ひっ!?…………て、店員さん」 店員「遅いと思って来て見たらこれだよ、   あ、お婆さん電話ありがとうございました」ガチャン つかさ「…………」 店員「車の中で話そうか」 つかさ「…………」 556 名前:1 ◆wivGPSoRoE[] 投稿日:2008/11/09(日) 02:56:43.15 ID:ZRoJmPc0 ブロロロロロ… 店員「…………」 つかさ「…………」 店員「どこへ掛けてたんだ?家か?警察か?」 つかさ「…………」 店員「俺は組の関係者じゃない……ただの雇われ運転手だ、だからあまり余計なことに口を挟みたくは無いが」 店員「変な気は起さないほうがいいぞ?別にうちの店は君らを監禁してる訳じゃないからな」 つかさ「…………えっ」 店員「監禁するにしては隙だらけだろう? 自由に出入りして良いんだよ、3ヶ月以上も勤めてて知らなかったのか?」 つかさ「…………じゃあどうして誰も部屋を出て行かないんですか?」 店員「ご褒美が貰えなくなるからに決まってるだろ」 つかさ「…………ぁ」ドクン… 一瞬シャブの感覚が私の首の後ろを走った。 558 名前:1 ◆wivGPSoRoE[] 投稿日:2008/11/09(日) 02:58:50.58 ID:ZRoJmPc0 店員「うちの店、嬢の9割以上がシャブ中の家出娘だ……君も実際そうだろ?」 つかさ「…………」 店員「どうなんだ?じゃあ君はあのアパートから逃げていいと分かったら出て行くのか?」 店員「帰る場所の無い家出娘がマタ開くだけで寝る場所も食事もシャブも用意してもらえるんだぞ?」 店員「君もどうせ本心では出て行く気なんてないんだろ?」 つかさ「…………」 560 名前:1 ◆wivGPSoRoE[] 投稿日:2008/11/09(日) 03:02:41.88 ID:ZRoJmPc0 店員「はぁ……」 店員「正直君らには同情するよ、若いのにシャブ漬けにされて春を売らされてるわけだもんな」 店員「ほんとなら今とか一番楽しい時期だろ、仲間と夜まで遊んだり、恋人といちゃついたり」 つかさ「…………」 店員「もう一年くらい運転手やってるから今はもう慣れたが……初めの頃は俺もキツかったよ」 つかさ「…………」 店員「君がコンビニ行ってる間に店長には連絡しといたから、君が姉妹店へ移動したいって話」 つかさ「……えっ」 店員「丁度人員不足だったらしくてな、大丈夫だってさ、よかったな、さっそく明日から配属だそうだ」 つかさ「…………あ、あ」 つかさ「…………ありがとうございます!」 564 名前:1 ◆wivGPSoRoE[] 投稿日:2008/11/09(日) 03:06:18.67 ID:ZRoJmPc0 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 店長「というわけで今日からお前はこの店の嬢だ、新しいルールはこの店の店長に聞け」 店長B「『M女専門店 Dドライヴ』の店長Bだ、宜しく」 つかさ「柊つかさです、宜しくお願いします」 店長「じゃあ俺は戻るから、粗相のないようにな」 つかさ「はい、店長……今までありがとうございました」 店長「お疲れさん」バタン 店長B「まぁ、ルールは基本的に前の店とかわらないはずだ、奥の部屋で説明するから上がりな」 つかさ「はい」 570 名前:1 ◆wivGPSoRoE[] 投稿日:2008/11/09(日) 03:13:25.92 ID:ZRoJmPc0 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 店長B「……とまぁ、ルールはこんなところだ、なんかわからないとこあるか?」 つかさ「……いえ」 店長B「プレイ内容は説明したとおりかなりハードになってると思うから、まぁその辺だけ注意しとけ」 つかさ「……はい」 部屋の大きさは以前働いていたお店のアパートと変わらない……六畳ほどの狭い部屋でした。 見回してみると14〜17歳くらいの年頃の女の子が3人、退屈そうに床でゴロゴロと寝転がっていました。 でもおかしいです……こなちゃんの姿が見えません……。 まさか……初めからこの店にはいなかった? 同じ名前の別人? 風俗店では源氏名を使うのは当たり前らしいし。 ……どうしよう……こなちゃんはいったいどこに? ガチャ 店員「こなたちゃんあがりました〜」 583 名前:1 ◆wivGPSoRoE[] 投稿日:2008/11/09(日) 03:18:19.00 ID:ZRoJmPc0 つかさ「…………ぁ…ぁ」 こなた「……はれ?……………………つかさと……よく似た子がいる…………」 つかさ「…………こなちゃん!?」 …………そこにいたのは紛れも無く…………私の大好きなこなちゃんでした………… …………でも…………その姿は…………もう…………私の知っているこなちゃんではありませんでした………… 598 名前:1 ◆wivGPSoRoE[] 投稿日:2008/11/09(日) 03:23:44.63 ID:ZRoJmPc0 やせ細った身体…………両腕と両足首に無数の注射痕…………ボサボサな髪の毛に…………定まらない焦点………… 目には大きなクマがあり……まるで何十年も寝ていないかのよう…………頬もこけて……顔色も老人のような褐色でした。 私は変わり果てたこなちゃんを抱きしめました…………浮き出たこなちゃんの肋骨が…………私の肌にコツンと触れました。 みずみずしかった肌も…………まるで水分を失ったかのように…………カサカサと乾燥し………… まるで…………古い木の皮を触っているような気がしました…………。 628 名前:1 ◆wivGPSoRoE[] 投稿日:2008/11/09(日) 03:28:35.20 ID:ZRoJmPc0 つかさ「…………うっ…………ぐすっ…………」 こなた「……つかさぁ?」 つかさ「…………ごめんなさい…………ごめんなさい…………私のせいだ…………」 こなた「……どうしたのぉ?……どうして泣いてるのぉ?」 こなた「……何か悲しいことでもあったのぉ?」 つかさ「…………ごめんなさい…………ごめんなさい…………ごめんなさい…………ごめんなさい…………」 つかさ「…………ううっ…………えっぐ…………ひっく…………」 こなた「……よしよし」 776 名前:1 ◆wivGPSoRoE[sage] 投稿日:2008/11/09(日) 16:48:49.73 ID:ZRoJmPc0 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 あきら「スパー…」 あきら「(あの六本木騒動から三月半…………)」 あきら「(ほとぼりも少し冷めたな……こうしてあたしが六本木の街をうろつけるのが何よりの証拠だ)」 あきら「(久しぶりに…………こうして外の空気も吸うのも…………)」 あきら「(…………ん?)」 『留守番メッセージ一件』 あきら「(仕事中に掛かって来てたのか…………誰からだ?)」ピッ 『も、もしもし!あきちゃん!私!つかさ!柊つかさ!』 『お願い助けて欲しいの!友達がM女専門店Dドライヴってお店で働かされてて私も………………………メッセージハ以上デス』 あきら「…………」 777 名前:1 ◆wivGPSoRoE[sage] 投稿日:2008/11/09(日) 16:49:38.67 ID:ZRoJmPc0 あきら「(……つかさか…………そういやそんな奴いたな)」 あきら「(…………あいつのおかげで随分と苦労させられたもんだ)」 あきら「(……………………)」 あきら「(……………………案の定…………小野の店に売られたか)」 あきら「(…………まぁしかたない…………自分でまいた種だ…………自分の尻は自分で拭え)」 あきら「(……………………あたしにはもう関係ない)」 かがみ「すみませーん!どなたでも結構ですー!この子に見覚えのある方はいませんかー?」 ただお「名前は柊つかさといいます、どんな些細な事でも結構です、知ってる方は情報提供お願いしますー!!」 あきら「……………………」 784 名前:1 ◆wivGPSoRoE[sage] 投稿日:2008/11/09(日) 16:51:18.89 ID:ZRoJmPc0 あきら「(あのツインテール………………あいつ身内だったのか)」 あきら「(……………ハハ……………これも何かの因果か?)」 あきら「(……………………まぁ…………そんなことはもうどうでもいい)」 あきら「(……………………あたしには関係ない)」 かがみ「あ! ま、まって!そこの女の子!!」 かがみ「き、きみ、パーティーの日にいたよね!? つかさと一緒に歩いてた子だよね!??」 あきら「……………………」 791 名前:1 ◆wivGPSoRoE[sage] 投稿日:2008/11/09(日) 16:52:50.73 ID:ZRoJmPc0 ただお「かがみ!知り合いなのか!?」 かがみ「…………つかさが消えた日にこの子が一緒に歩いてるのを見たの」 かがみ「…………お願い、教えて、つかさはどこにいるの? おしえてっ!!」 あきら「……あたしは関係ないだろ、自分の身内の事くらい自分らでなんとかしろよ」 ただお「頼む、何でもいい、知ってることを教えてくれないか?どんな些細な情報でもいいんだ!」 かがみ「お願い……助けて……あの子トロいから……きっと今頃……一人どこかで泣いてると思うの」 かがみ「私…………あの子に…………ぐすっ…………もしもの事が…………あったら…………」 ただお「つかさは私の大切な娘なんだ、頼む、協力してくれ! この通りだ!!」 あきら「……………………」 796 名前:1 ◆wivGPSoRoE[sage] 投稿日:2008/11/09(日) 16:54:12.63 ID:ZRoJmPc0 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 私がこなちゃんの働いている『姉妹店』に配属になってから数日が経ちました。 前のお店とタイムスケジュールはほとんど変わらず、指名が入れば朝から晩まで何人もの接客を行いました。 けれども、以前勤めていたお店の店員さんが言ったとおり……プレイ内容の過酷さは比較になりませんでした。 その内容は……………………私の口からは言いたくはありません…… ……非道すぎて……おぞましすぎて……人間とはこれほどにも醜く怖ろしいことを思いつく生き物なのかと思いました。 接客をしては……ボロボロになって戻って来て……シャブを打たれて……次の指名に答える…… それも、年端も行かない少女達が………………………………もちろん……私も……こなちゃんも…… 店長B「つかさ、こなた、新規のお客様から指名だ」 店長B「レズプレイコース300分だ、準備しろ」 つかさ「……はい」 こなた「……はい」 801 名前:1 ◆wivGPSoRoE[sage] 投稿日:2008/11/09(日) 16:55:29.20 ID:ZRoJmPc0 私達ふたりは車に乗せられ客と待ち合わせをしている場所へと向かいました。 今のお店に配属になってから……私は何度かこなちゃんとの脱走を考えていました。 就寝時間や……車での移動中を狙って………… でも、そのどれもうまくいきませんでした。 実際に逃げようと思えば逃げれるのかもしれない……本気になれば、夜中こなちゃんの手を引いて あのアパートを抜け出し……交番に駆け込めばいい。ホテルの電話で110番すればいい。 でも、私は、そんな行動を起す勇気がありませんでした…… たとえ脱走に成功しても……私達に帰る場所はあるのでしょうか? もしも警察に救出されても……違法薬物使用者の私達は……きっと少年院か精神病院で過ごすことになる。 それに、何年もシャブと離れた生活をするなんて……………………今の私には考えられない。 やっぱりシャブは魅惑的だ……きっと、私もこなちゃんも……心の底では……この店から離れたくないと思ってる。 今日も仕事頑張ろう……一生懸命頑張って……ご褒美をもらおう。 ……もうそれでいいや、ここが、私の望んだ世界だもん。 803 名前:1 ◆wivGPSoRoE[sage] 投稿日:2008/11/09(日) 16:56:34.38 ID:ZRoJmPc0 ブロロロロロ… つかさ「…………」 こなた「…………」 つかさ「…………きょうはこなちゃんと一緒だね」 こなた「……だねぇ」 つかさ「…………えへへ、こなちゃんとするなんて…なんだか恥ずかしいなぁ」 こなた「……そうだねぇ」 つかさ「…………でも私、こなちゃんなら平気だよ」 こなた「……私もつかさとなら平気だよ」 つかさ「…………お仕事頑張ろうね」 こなた「……そうだねぇ」 805 名前:1 ◆wivGPSoRoE[sage] 投稿日:2008/11/09(日) 16:57:48.81 ID:ZRoJmPc0 店員「ご指名いただきましたつかさちゃんとこなたちゃんです〜」 店員「料金は前払い制となっております〜」 客「…………」 連れてこられたのはやはりひと気の無い場所。 今回のお客様はニット帽にサングラス、さらには黒いバンダナをマスクのように口に巻いて顔を隠していました。 それはまるで……アメリカ映画とかで見る強盗団のような風貌。 おそらくは違法な遊びをするために顔を見られる事を恐れているんだろう。 後ろにはスモークのかかった黒塗りのハイエースが止まっていました。 客「乗れ」 私達は男性の言われるがままにハイエースに乗り込みました。 暗くてよく分かりませんでしたが……車内には他に2名のお客様が乗っているようです……。 みんな黒服にサングラス、それにマスク……私達はこれからこの3人の相手を5時間もさせられるようです。 車のドアを閉めた瞬間、車は急発進しました。 …………私達は生きて帰れるのでしょうか? 809 名前:1 ◆wivGPSoRoE[sage] 投稿日:2008/11/09(日) 16:59:32.46 ID:ZRoJmPc0 ブロロロロロ… つかさ「…………」 こなた「…………」 客2「……ねぇ、国道ってこっちの方向であってたかしら?」 つかさ「(えっ!?……声が…………女の人??)」 客1「ああ、このまま真っ直ぐだな、つーか、もうマスク外してもいいか? 暑苦しくてしかたねぇ」 客3「いいんじゃない? ……国道で覆面してたら逆に目立つでしょ?」 つかさ「(この声って…………まさか…………まさか)」 812 名前:1 ◆wivGPSoRoE[sage] 投稿日:2008/11/09(日) 17:01:05.55 ID:ZRoJmPc0 バサッ 杉田「あちぃー……バンダナなんかで覆面するんじゃなかったぜ……………………あっ、つかさちゃん久しぶり!驚いた?」 ゴットゥーザ「文句言ってんじゃないわよ?……あんたが救出作戦はバンダナでキメたいって言い出した癖に」 あきら「後藤、前向いて運転しなよ、危ない」スパー… つかさ「うそ……杉田さん……ゴットゥーザさん……あきちゃん」 つかさ「…………あ…………あ………………………」 つかさ「………………そっか……私の留守電聞いてくれたんだ」 つかさ「……………………………………助けに来てくれたんだ」 819 名前:1 ◆wivGPSoRoE[sage] 投稿日:2008/11/09(日) 17:03:18.62 ID:ZRoJmPc0 杉田「でもよぉ、せっかくギャングみたいな格好するなら黒塗りのキャデラックが良かったなぁ……ハイエースとか正直無いぜ?」 ゴットゥーザ「救出するのにそんな目立つ車乗ってどうするのよ?あんた映画の観すぎなんじゃないの?」 杉田「ハァ…夢がねーよお前、なぁ?つかさちゃん、こんな車より格好いいキャデラックの方が良かったよなぁ?」 つかさ「……………うっ…………ぐすっ…………………かっこいいよ…………ハイエース…………えっぐ…………」 杉田「……お、そうか…………つかさちゃんがそう言うならまあいいか、がはははは!」 あきら「泣くのはまだ早いよ? あんたのうちで家族が待ってる、それまで涙とっときな」 つかさ「………………えっぐ…………ひっぐ…………私…………帰ってもいいの?…………おうちに……?」 あきら「さぁ?いいんじゃない? 今回うちらもあんたの家族から泣きつかれてやったことだし」 あきら「まぁ、その代わり報酬はたっぷりいただいたけどね?」 つかさ「…………………………えっぐ…………ひっく………………ひっく……………………ありがとう」 杉田「俺は逆に感謝してるぜ? あんたの親父さんのおかげで新しい車のパーツが買そうだ」 こなた「……この人達だぁれ?……つかさのお友達?」 つかさ「…………えっぐ…………えへへ、そうだよぉ、…………みんな私の大切な友達だよぉ」 こなた「……そっかぁ……よかったねぇ、つかさ」 つかさ「…………うんっ………………よかった…………ほんとに…………よかったっ…………」 823 名前:1 ◆wivGPSoRoE[sage] 投稿日:2008/11/09(日) 17:05:32.09 ID:ZRoJmPc0 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 その後、私達は無事、家族との合流を果たしました。 お母さんやお父さん、お姉ちゃん達が泣きながら私のことを抱きしめてくれました。 私は何度も何度も謝りました。 そうじろうさんは変わり果てたこなちゃんを見てその場で泣き崩れ、気がふれてしまいました。 後で聞いた話ですが、私達が救出されてから数ヶ月後に、例のお店は摘発されてしまったそうです。 車で私を送迎してくれた店員さん……彼も捕まってしまったのでしょうか? お父さんが言うには、警察沙汰にしないという約束であきちゃんは私達の救出に協力してくれたそうです。 どうしてもお礼がしたいとお父さん達は何度もあきちゃんに説得したそうですが、 金を貰えただけで満足だし、近いうちに海外へ高飛びする予定だからヘタな気を使わないで欲しいと断られたそうです。 私はなんどもあきちゃんと連絡をとる約束をしました。 けれどその後、あきちゃんから連絡が来ることはありませんでした。 827 名前:1 ◆wivGPSoRoE[sage] 投稿日:2008/11/09(日) 17:06:40.79 ID:ZRoJmPc0 私達ふたりはその後、すぐさま総合病院で治療を受けることになりました。 度重なる薬物摂取と長期間の性交渉がたたり……私達の身体は見た目以上に消耗していたようです。 主治医の一人が他の先生との会話中に小さな声で『これはないわ』『肝臓がフォアグラ状態だ』と言っているのが聞こえました。 同時に、病院の検査で…………私は妊娠していることが判明しました。 性交渉の後、毎回ピルを渡されていましたが、どうやら100%避妊できる薬ではなかったようです。 お父さんやお母さん、お姉ちゃん達は私のことを不憫に感じたのかワアワアと大きな声で泣き崩れました。 でも、私は赤ちゃんをおろす気は無かった……だってお腹の子には罪はないもの。 産まれ出てくる子は憎いレイプ犯の子供かもしれないと初めは散々反対されましたが 私がこの子をわが子として育てたいという強い意思を伝えたところ……最後にはみんな納得してくれました。 そして、私の検査結果が出た少し後にこなちゃんの検査結果を聞かされました。 こなちゃんの検査結果…………覚醒剤の長期使用による眼底出血が原因で左目は失明、右目の視力も現在低下傾向。 同じく覚醒剤の長期使用による大脳皮質下部の機能障害。 限度を超えた性交渉による内臓裂傷…………そして、HIVの感染。 832 名前:1 ◆wivGPSoRoE[sage] 投稿日:2008/11/09(日) 17:08:19.18 ID:ZRoJmPc0 私は薬物依存の入院治療も受けることになりました。 治療を受けていた病室はまるで野戦病院のような古い建物でした、もう30年以上も改築されていないらしく 白かったであろう壁紙は茶色く薄汚れ、ところどころにヒビや何かをこぼしたようなシミがついていました。 シャブの副作用のせいか、そのシミをジッと見ているとだんだん膨らんできて毛むくじゃらの動物みたいになって 私のお腹の上まで伸びてきそうな気がしたので、あまり長く見つめないようにしていました。 そう、そうなんです、私、最近、何もかもに敏感になっていて、それもすべてシャブをやめてから。 毎日のようにシャブを決めていた頃にはそれこそ気がつかなかったのに。 だって、少しでも身体が疲れたらシャブをいれてたんだよ、禁断症状なんて感じる間もなかったよ。 でも、今は違う、こんなシャブともっとも離れた場所にある病院のベッドで、 コーヒーすら与えてもらえない生活を何日もつづけているんです。 本当に些細なこと、そう、さっき言ったような壁のシミなんてのもそう、もっと些細なもので言えば このシーツのシワ……そう、ああ、気づいちゃった、シーツのシワの事を見ちゃった…… だめだ、このシーツのシワが気になりだすといつもフラッシュバックに引き込まれるんだ…… ああ、助けて、シーツが、そう、たぶんみんなに言ってもわからないよ、凄く怖くて苦しいの、 まるで、このシーツのシワがどんどん大きくなって切り立った渓谷みたいにせり上がって私の体をズタズタに引き裂こうとするの やめてやめて、私のお腹には赤ちゃんがいるの!お願い、私から離れて!!助けてええええええええええええ!!!! 836 名前:1 ◆wivGPSoRoE[sage] 投稿日:2008/11/09(日) 17:09:43.13 ID:ZRoJmPc0 私は手足を拘束されて安定剤を打たれました。 ナースの人たちは『あなたのためよ』『あなたのためよ』といいながら私の手足にカチャカチャと拘束具をつけました。 先生の話によると、私の禁断症状や幻覚は覚醒剤以外のものも原因になっているといっていました。 おそらくPCPという薬物がシャブの混ぜ物に使われていたのだと教えてもらいました。幻覚が強いのもきっとこれが原因だろうって。 PCP?なんだろうそれ、そんなの聞いたこと無いよ。 …ああ、でもよかった、仰向けのこの姿勢なら、シーツに目をやらなくてすむ。 私は病室の壁にある排気口を見つめていました。ファンが回転しているのかな? 中からプロペラが回転するような音がしてる。 ファンファンファンファンファンファン…… つかさ「(ああ、駄目だ、気分が悪くなってきた、プロペラの音がだんだん耳鳴りのように大きくなってくる)」 ファンファンファンファンファンファンファンファンファン………… つかさ「(いや、いや、嫌、嫌、嫌、怖いよ、おねがい、止まって)」 グァアン!!!!グァアン!!!!グァアン!!!!グァアン!!!!グァアン!!!!グァアン!!!!グァアン!!!!グァアン!!!! つかさ「あああああああ!!!!!!!怖い怖い怖い!!!やめてええええええ!!!!!誰かとめてええええええええ!!!!!!!!」 840 名前:1 ◆wivGPSoRoE[sage] 投稿日:2008/11/09(日) 17:12:13.19 ID:ZRoJmPc0 そう、そのプロペラ音は次第に大きくなってどんどん大きくなって、しまいには人の怒鳴る声や泣き叫ぶ声、 助けを求める声に聞こえてきました、声の大きさはそれこそ耳をつかまれて大声で叫ばれているようなものもあれば 静かに耳元でボソボソボソ……と語りかけてくるようなものもありました。 私は必死に音を消そうともがき、頭を右へ左へ動かしましたが、その声は消えるどころか次第に鮮明になり そのうち私の大好きな友達や家族、知っている人たちとなって語りかけてきました。 こなた『つかさぁ〜、目が見えないよぉ〜、ねぇ、どうしてぇ〜?、ねぇ、どうしてぇ〜?、ねぇ、どうしてぇ〜?』 つかさ「いやあああああああああ!!ごめんなさい!!!ごめんなさい!!!ごめんなさい!!!」 そうじろう『こなたが壊れてしまった、きみのせいだ、おかげで僕も精神病院に入る羽目になったよ、ははは、君のせいだ』 あきら『どうして・・・あたしのこと・・・売ったんだよぉ・・・? あんたの事・・・助けてあげたのに・・・・』 赤ちゃん『ママ……僕をここから出して……ママのお腹の中……すごく苦しいんだ……お願い……ここから出して』 つかさ「もうやめてええええええええええええ!!!!!!!!ゆるしてええええええええええええええええ!!!!!!!」 つかさ「いやあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!」 つかさ「もう殺してえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!」 852 名前:1 ◆wivGPSoRoE[sage] 投稿日:2008/11/09(日) 17:14:55.10 ID:ZRoJmPc0 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 あれから数ヶ月が過ぎ、入院治療が終わり、私は外来治療を受けるようになりました。 禁断症状も以前に比べると少し落ち着いた気がします……といっても、未だに幻覚幻聴には悩まされていて、 踏み切りの音やパチンコ店の音、テレビの画面などでフラッシュバックを起こしてしまいます。 お医者様は禁断症状が完全になくなることは……おそらく死ぬまで無いだろうと言っていました。 これが後遺症なのだ…………普通に生活しているだけで幻覚や幻聴の恐怖が襲う………… また、禁断症状が強く出れば出るほど…………身体中がシャブを求める。 …………もう一度だけ…………もう一度だけ………… でも…………次に手を出してしまったら…………今度こそ絶対に抜け出せない。 お腹の赤ちゃんも……大きくなってきました……この子の為にも、私は二度と薬物には手を出さないと決めました。 結局…………自分を救うことが出来るのは…………他でもない自分自身なのだ。 かがみ「つかさー、こなたのお見舞い行くわよ〜?」 つかさ「まって、すぐ用意する」 856 名前:1 ◆wivGPSoRoE[sage] 投稿日:2008/11/09(日) 17:16:24.29 ID:ZRoJmPc0 かがみ・つかさ「お邪魔します〜」 こなた「…………お見舞いに来てくれたの?」 かがみ「そうよ、つかさのお腹見せてやろうと思ってね!見てやってよ、こんなに大きくなっちゃって!」 つかさ「えへへ、さいきんお腹の中で動いてるのが分かるんだよ〜」 こなた「…………そっかぁ、よかったねぇつかさ」 つかさ「えへへ〜」 こなた「…………でもごめんねつかさ、私、目が良く見えないんだ」 こなた「…………もっと近くで見てもいい?」 つかさ「…………こなちゃん」 つかさ「……………………えっぐ………………ひっぐ…………………」 つかさ「(…………ごめんね…………こなちゃん…………ごめんね)」 863 名前:1 ◆wivGPSoRoE[sage] 投稿日:2008/11/09(日) 17:18:15.26 ID:ZRoJmPc0 こなた「…………わぁ、大っきいねぇ……生命の神秘を感じるねぇ」ナデナデ つかさ「……えへへ…………ぐすっ…………男の子なんだぁ」 かがみ「あんたもだいぶ顔色良くなってきたわね、はやく退院しなさいよ?」 こなた「…………かがみん私がいないと寂しいんでしょ〜?」 かがみ「……なっ、…………そ……そりゃあ……………………少しくらいは///」 こなた「…………ありがとう、うれしいよ」 こなた「…………つかさも良いお母さんになってね」 つかさ「……うん、こなちゃんも早く良くなってね」 かがみ「つかさの出産には絶対立ち会うこと!いいわね、それまでには良くなりなさいよ」 こなた「…………うん、わかった」 こなた「…………ありがとう、二人とも」 871 名前:1 ◆wivGPSoRoE[sage] 投稿日:2008/11/09(日) 17:20:17.05 ID:ZRoJmPc0 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 あれからどれくらいの月日が経ったのだろう…… 私のおなかがもうすぐ臨月を迎えるという頃には季節は一周し、冬の始まりを迎えていました。 そうそう、私最近お母さん雑誌にはまっているんです。……今日も近所の本屋さんで購入した育児雑誌を読みながら、 葉の落ちた街路樹が並ぶ通りを歩み、帰路へと向かっていました。風は冷たかったけれどお日様が照っていたので寒くはありませんでした。 通りに人はほとんどいませんでしたが、手をつなぎあって歩く恋人達や買い物袋をさげたおばさん、そして子供連れの家族がいました。 私はその子供連れの家族……お父さんとお母さんの間に入り両親の手を握りながら幸せそうに微笑むその女の子に未来のわが子を重ねました。 少し切なくて、私の胸を締め付けたけど……私の心の中に何か暖かいものが宿るのを感じました。 ……きっとこれが幸せなんだ。 874 名前:1 ◆wivGPSoRoE[sage] 投稿日:2008/11/09(日) 17:20:54.71 ID:ZRoJmPc0 私は持っていた雑誌を胸に抱き、その微笑ましい親子を眺めていました。 ……しかしそこで私を襲った違和感、記憶、そわそわさせる何か。 私はその親子の…父親の男性を知っている気がするのです。 いや、きっと知っている……覚えている。 そう、ハッキリと思い出した……遠い遠い昔の古いお友達。 私の物語はすべてこの人が始まりだったんだ。 最後に彼と決着をつけなきゃ、いまここで。 これから産まれてくる子と、これからの私の物語のためにも。 私は勇気をふりしぼって、その男性に声をかけました。 881 名前:1 ◆wivGPSoRoE[sage] 投稿日:2008/11/09(日) 17:22:42.67 ID:ZRoJmPc0 つかさ「小野だいすけ……さん、ですよね?」 小野「…ん?」 小野「えっ!?つかさちゃんかい?」 彼は一瞬おどろいて見せましたが、私の顔とおなかへ2、3度チラチラと目をやり終えると 全てわかったよといった表情で微笑み返してきました。 ……昔から変わらないだいちゃんの笑顔でした。 884 名前:1 ◆wivGPSoRoE[sage] 投稿日:2008/11/09(日) 17:23:32.67 ID:ZRoJmPc0 小野「やあやあやあやあ、これは、ずいぶんと長い間会わなかったね。」 小野「元気にしていたかい? 風邪をひいたりしていなかったかい?」 つかさ「……」 妻「あなたの知り合い?」 小野「そうだよ、この子はね、僕の昔の友人なんだ、名はつかさ、柊つかさちゃん」 娘「パパのお友達〜?」 小野「そうだよ、パパのお友達だよ〜」 小野「そうだ、良い子だからママと先にお家に帰ってようか、パパはこのお友達と少しばかりお話がしたいんだ」 娘「わかった〜!」 妻「さき行ってるけど、はやく帰ってきてよ、部屋の飾りつけ手伝ってもらわなきゃいけないんだから」 小野「ああ、すぐにもどるよ……ほんの少し話をしたらね」 つかさ「……」 895 名前:1 ◆wivGPSoRoE[sage] 投稿日:2008/11/09(日) 17:25:32.82 ID:ZRoJmPc0 小野「いやいやすまないつかさちゃん、今日は娘の3歳の誕生日でね、妻と街まで買出しに来ていたんだ」 つかさ「……だいちゃん、奥さんいたんだ」 小野「ああ、言ってなかったかな? 結婚してもう5年になるよ」 小野「結婚当初は優しくて可愛らしかったんだけどね、今じゃすっかり僕のほうが尻にひかれてるよ、ははは」 つかさ「……」 つかさ「……こなちゃんをお店に送ったのはだいちゃんなの?」 つかさ「……だいちゃんとあきちゃんはどんな関係なの?」 つかさ「私、もう嘘は聞きたくない、本当の事を教えて」 小野「まいったな」 897 名前:1 ◆wivGPSoRoE[sage] 投稿日:2008/11/09(日) 17:26:21.03 ID:ZRoJmPc0 小野「彼女はね、自分から希望したんだよ、そう、彼女は君よりずっと好奇心が強かった」 小野「学校を休んでまで僕の店へ来るようになってね……お金も無いのにさ」 小野「心配になって知り合いに相談したんだよ、僕のため、そして彼女のために」 つかさ「ごまかさないでよ……本当はどうなるかわかってたくせに」 つかさ「私達があの後どんな目に遭ったか知ってるの??」 つかさ「私のおなか見てわからない??何とも思わない??」 つかさ「それに、こなちゃんなんて……こなちゃんなんて…………ぐすっ……えっぐ」 小野「……」 900 名前:1 ◆wivGPSoRoE[sage] 投稿日:2008/11/09(日) 17:27:02.20 ID:ZRoJmPc0 小野「いやすまない、たしかに君達には悪いことをしたとは思っているよ」 小野「少女期という光のような一瞬の時代を奪ってしまったわけだからね」 小野「でもしかたなかったんだ、僕たちも……商売だから、辛いけどしかたなかった」 つかさ「……」 小野「でもさ、君も一時の夢を見ることが出来たじゃないか?そうだろう?」 つかさ「……何をいってるの?」 小野「なんなら今ここで打ってあげようか?気持ちが楽になるよ?」 つかさ「えっ」 だいちゃんは私の目をまっすぐ見すえてニコッと笑いながら、ポンプを打つ仕草をして見せました。 一瞬……身体中にあの感覚が走りました。 905 名前:1 ◆wivGPSoRoE[sage] 投稿日:2008/11/09(日) 17:28:32.59 ID:ZRoJmPc0 つかさ「……ゃ…ぁ…だ、だめだよ」 つかさ「私は……もう、やらない……って」 小野「……ぷっ」 小野「あははははははは」 つかさ「……?」ハァハァ… 小野「冗談だよ、冗談、家族連れてショッピング行ってたんだよ? そんなモノ持って歩けるわけないじゃないか」 小野「にしてもつかさちゃん、君はもう相当だね……僕がまだ商売していた頃はそれほどでもなかったのに」 つかさ「……どういうこと?」 小野「僕、あの商売から足を洗ったんだ、そうだな、もう半年以上前になるよ」 小野「今は完全に安全無害さ……そう、全て君のおかげだ」 つかさ「えっ?」 910 名前:1 ◆wivGPSoRoE[sage] 投稿日:2008/11/09(日) 17:30:21.52 ID:ZRoJmPc0 小野「僕はねつかさちゃん、君にとても感謝しているんだ、そう、君のおかげで僕は自由になったんだよ」 小野「君があきらさんを僕に紹介してくれた、何年も探していたんだ、彼女が僕の事務所を抜けてからもね」 小野「やっと会えたんだ、彼女がどこで何をしているのかもすぐに調べることが出来た、そう、君のおかげなんだよ」 つかさ「…………まさか」 つかさ「…………まさか、そんな」 つかさ「…………うそだよね、嘘でしょ?」 つかさ「…………あきちゃんとずっと連絡が取れないの、かならず連絡するって言ってたのに」 つかさ「…………ねぇ、だいちゃん、あきちゃんをどうしたの?どこへやったの!?答えてよ!!!!」 小野「それ以上知ってどうなるんだい?」 っつかさ「答えて!!!!」 小野「はぁ、そうだね、あきらさんか、……彼女は遠い国へいったよ、ここではないずっと遠い場所へね」 つかさ「…………外国?」 小野「どうだろうね、僕も詳しくは知らないよ、きっともっといいところじゃないかな?」 つかさ「…………」 919 名前:1 ◆wivGPSoRoE[sage] 投稿日:2008/11/09(日) 17:32:22.57 ID:ZRoJmPc0 小野「それにね、僕はもう組の人間じゃないんだから、そんな話を聞かれても答えられないよ」 小野「今ね、僕、声優の仕事をしているんだ、知り合いの伝でね」 小野「手取りは半分以下になっちゃったし、安定もしていないけど、何より安全で安心で満足しているんだ」 つかさ「…………」 小野「つかさちゃん、僕を恨むかい?」 つかさ「…………………グスッ…………グスッ……………」 小野「すまない、本当に悪いことをしたね」 つかさ「…………グスッ、……恨んでないよ、全部私の責任だし」 つかさ「…………巻き込んだみんなの分まで背負って生きてくよ」 小野「そうか、恨まれているほうが気が楽なんだけどね」 925 名前:1 ◆wivGPSoRoE[sage] 投稿日:2008/11/09(日) 17:34:05.66 ID:ZRoJmPc0 小野「そろそろ行ってもいいかな、妻と、娘を待たせているんだ」 つかさ「…………」 つかさ「……私ももう行くよ」 小野「そうか、それじゃあこれでさようならだね、つかさちゃん」 小野「良いお母さんになってね」 そういって彼はゆっくりと私の前から姿を消しました。 私のことなんてきっと、取るに足らない、まるでもいだリンゴの一つ程度にしか、彼の目には映っていないんだ。 もういこう、私も帰らなきゃ……頭の悪い私には難しいことはわからない。 ならもう難しいことなんて考えないでおこう。 私のせいで涙を流した全ての人たちを背負って生きていこう。 こなちゃん、あきちゃん、ゆきちゃん、そうじろうさん、お母さん、お父さん、お姉ちゃん達、そしてこれから産まれてくる赤ちゃん。 そうだ、私は赤ちゃんが生まれてきたらうんと幸せにしてあげよう、あと何年生きられるかわからないけど 愛情いっぱいに育てて、かっこいいも着せて、そして、わかる年頃になったら全て話してあげよう。 頑張らなきゃ、私も、良いお母さんになるために。失敗ばかりしちゃったけど、これから少しでも頑張って生きよう。 930 名前:1 ◆wivGPSoRoE[sage] 投稿日:2008/11/09(日) 17:35:36.83 ID:ZRoJmPc0 この話を聞いてくれたみなさん、そろそろこの物語も終わりに近づいてきたみたいです。 みんなは私とどこへでも一緒にいたよね、一緒に笑って、一緒に元気になって、優しい人は一緒に泣いてくれたね。 ごめんね、こんな話を聞かせて、頭いたくなっちゃったよね。でも、みんなに聞いてもらえて少し気が楽になったよ。 これが私の懺悔です。私の犯した罪をたくさんの人に知ってもらえてよかった、えへへ これから私が生きてゆく物語は、ごめんなさい、みんなを一緒に連れて行くことはできないんだ。 それは私だけの新しい物語だから。 そろそろ行かなきゃ、みんな、私はみんなのこと絶対に忘れないよ。 だから、みんなも、みんなのバカでドジなつかさがいたってことを時々思い出してもらえるとうれしいな。 それじゃあ、さようなら、お元気で。 Fin