かがみ「最近、こなたがさー」 1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/25(土) 08:23:35.43 ID:RIQqTH610 かがみ「うざいよねーwww何かに付けてアニメの話をしだすしさwwwww」 ちょっとした冗談のつもりだった。 かがみ「ほんっとオタクって感じだよねwwwww」 少なくとも、その時の私にとっては就寝前の姉妹談義の一貫だったはずだ。 つかさ「お姉ちゃん・・・あんな奴やっちゃおうよ・・・」 冷めきったつかさの表情を目にするまでは。 2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/25(土) 08:24:51.19 ID:RIQqTH610 かがみ「アハハ・・・え?どうしたのつかさ?」 つかさ「やっちゃおうよ・・・二人で・・・」 かがみ「ちょwwwなに言ってんのよ急にwwww」 つかさ「こなちゃんがうざいんでしょ?」 かがみ「そ、そりゃまあ・・・でもそういう意味じゃなくて、」 つかさ「嘘ついたの?私に?」 かがみ「そうじゃないけど・・・」 つかさ「私とこなちゃん、どっちが大事?」 5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/25(土) 08:26:08.49 ID:RIQqTH610 『こなた』、なんてこの場で答えられるわけがない。 私は空気が読めるから。 かがみ「それはもちろん・・・つかさ・・・だけど・・・」 嘘。この場を収める為の無為な迎合。 つかさ「だよねーwwwwえへへへへへっwwwwwwww」 だけど妹は笑っていた。ひたすらに無邪気な顔で。 6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/25(土) 08:28:02.91 ID:RIQqTH610 つかさ「よっこいしょーいちっとぉ・・・それじゃあ私は準備をしなくちゃね」 かがみ「準備?」 つかさ「明日から忙しくなりそうだから」 かがみ「は・・・?」 つかさ「お姉ちゃんは疲れてるでしょ?先に寝ちゃっててよ」 まるで部屋から私を追い出すかのように背を押される。 かがみ「ちょ待って!何の為の準備よ!?」 つかさ「もぅ〜お姉ちゃんったらぁ・・・決まってるじゃなぁ〜い・・・」 いじらしいほどの艶笑。 つかさ「こなちゃんをやる為の準備、でしょ?」 妹の笑顔で鳥肌が立ったのは、多分この時が初めてだと思う。 13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/25(土) 09:39:54.89 ID:RIQqTH610 翌朝。 つかさ「おはよー」 かがみ「お、おはよう・・・」 つかさ「なんだか元気ないねぇ?」 かがみ「そんなことないけど」 私より早くつかさが起きているなんて。 つかさ「急いでご飯食べて、ガッコー行こうよ!」 かがみ「そうね」 つかさ「楽しみだなぁ〜w」 16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/25(土) 09:46:29.79 ID:RIQqTH610 登校 かがみ「ねぇ・・・なんでそんなに鞄が膨らんでいるの?」 つかさ「なんでだろぉ〜ねぇ〜wwww」 かがみ「気になるじゃないの」 つかさ「ヒントわぁ〜ドラエモーン!秘密道具がまりもっこり!!」 かがみ「秘密、道具?」 つかさ「うん!困った時はやっぱり道具!!なんたって文明の利器、だからねっ!」 かがみ「・・・」 17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/25(土) 09:50:00.76 ID:RIQqTH610 学校玄関口 つかさ「ピコピコピコピコーン!瞬間接着ざぁ〜い!」 かがみ「ちょっと・・・そんなもの何に使うのよ?」 つかさ「でっきるぅ〜かなっ、でっきるぅ〜かな・・・」 かがみ「わくわくさぁ〜ん今日は何を作るのぉ〜?」 つかさ「こなちゃんのシューズと下駄箱のオブジェだよぉ〜」 かがみ「やめなさいよつかさっ!こんなこと間違ってる!!」 咄嗟につかさの手からボンドを叩き落とす。 つかさ「いたっ・・・」 かがみ「ご、ごめん・・・でもやっぱり・・・」 20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/25(土) 09:57:21.54 ID:RIQqTH610 つかさ「お姉ちゃんさ、今さら裏切る気?昨日言ったよね、私の方が大切だって」 かがみ「言ったけど・・・」 つかさ「それに最初にうざいって言いだしたのはお姉ちゃんのほうだよ?」 かがみ「あれはその・・・」 つかさ「あ、そうだよね!お姉ちゃんは気が早いから、回りくどいの嫌いだもんね!」 つかさが一頻り唸ったあと、明るく切りだした。 つかさ「じゃあこうしよっか?こんなやり方でなくて、もっと直接的にやるって方法に変えるとかさ!」 かがみ「それってどういう・・・?」 つかさ「だからさぁ、面と向かって『うざいから寄るな』って言うの!私とお姉ちゃんの二人で!!ね、完璧だよねwwwwwww」 声が大きい。 他の生徒達に聞こえたりしたら一大事だ。 かがみ「とりあえず落ち着いてよ、つかさ」 どうしよう・・・。 23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/25(土) 10:06:35.97 ID:RIQqTH610 結局、私はつかさを止めることが出来なかった。 つかさ「微妙にハミデント」 かがみ「・・・」 まずい。ホームルームまでの時間が迫ってきたために人が増えだしてきた。 かがみ「つかさ、早く行くわよ」 つかさ「そだねーw」 勘違いされては困るから・・・。 私がこなたを虐めているなんて・・・皆に勘違いされては困るから・・・。 だから、私は何もしない。それが私の精一杯。 それにつかさは飽きっぽいからすぐに投げだすと思う。きっと、銀のように数瞬にして熱が冷め切るはずだから。 それまで辛抱すればいい。 24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/25(土) 10:14:29.57 ID:RIQqTH610 教室(3年B組) 私の教室へ向かう前にみゆきに挨拶をしなきゃ。 かがみ「おはよー」 つかさ「おっはようwwwww」 みゆき「おはようございます。なんだか今日は張り切っておられますね」 みゆきに相談しようか? つかさ「・・・お姉ちゃん、わかってるよね」 呟くような牽制。 もしかして読まれている? みゆき「如何なさいましたか?」 かがみ「べ、べっつに何もないからwww勘違いしないでよねwwwww」 つかさ「そーそーwwwくさやとラフレシアの臭いについて、どっちが上か勝負してただけだよwwwww」 みゆき「・・・?」 かがみ「じゃあね、みゆき!また後で!!」 どうしよう・・・。 25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/25(土) 10:18:22.03 ID:RIQqTH610 3年C組 ここは私と古い付き合いのある二人に・・・ かがみ「おはよ」 みさお「おwwwはwwwwよwwwっうwwwwwww」 あやの「あらあら柊ちゃんw今日は隣じゃないのねwwwww」 かがみ「う、うん・・・ちょっとね・・・」 みさお「そんなことよりサメの話しようぜwwwww」 あやの「いいわねぇwww」 駄目だこいつら。 26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/25(土) 10:23:06.64 ID:RIQqTH610 私がそわそわしているうちに一時間目が終わり、早くも休み時間となった。 みさお「やっぱり隣に行くのかwwww」 あやの「私達は放置プレイなのねw」 かがみ「ごめんね」 こなたの身が心配だ。 私の思い過ごしかもしれないけど。 みさお「ごめんってwwwwちょwwwっうぇwwwwwwww」 あやの「冷たいお人ねwwww柊ちゃんってwwwww」 かがお「あ、あはは・・・」 今日は二人のテンションについていけそうにないかな・・・。 27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/25(土) 10:30:12.94 ID:RIQqTH610 教室の雑踏を割くようにしていつもの三人が集まっていた。 つかさ「誰がこんなことを・・・」 こなた「わかんないよ・・・私が来た時には既にシューズが下駄箱と蒸着してて・・・」 みゆき「それで?」 こなた「無理に引き剥がしたらアーマーブレイクしちゃって・・・」 つかさ「結果的に底板が外れて、ペラッペラのヒラメ状態になっちゃったと?」 かがみ「ね、ねぇどうしたの?」 こなた「あ、おはようかがみ。ほら、見てよこれ・・・」 こなたがシューズを脱いで机の上に並べた。 何れも底のゴムが外れて、靴ベらのみの状態になっている。 原因はわかっている。でも・・・。 かがみ「災難だったわね」 睨みを利かせるつかさの前ではこう答えるほかにない。 29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/25(土) 10:40:05.77 ID:RIQqTH610 つかさ「困っちゃったね」 こなた「うん・・・どうしてこんな事になってるんだろ・・・」 つかさ「たぶんだけどシューズのゴムと金属製の下駄箱が、 化学反応に限りなく近い何かを引き起こしてくっ付いちゃったんだよ」 みゆき「ですがそうなると私達のシュー」 つかさ「ゆきちゃんは少しだけお口を閉じててねw」 みゆき「みゅ〜・・・」 かがみ「ほら、落ち込んじゃ駄目よ皆!たまたまよ、たまたま!」 こなた「なっしー・・・うん、かがみの言う通りだね!」 かがみ「そうよ、だから気にし過ぎはよくないっ!」 みゆき「・・・そうですね」 つかさ「・・・」 チャイムが聴こえてきた。 かがみ「じゃあ、私は戻るからね」 はぁ・・・・・・。 31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/25(土) 10:50:15.46 ID:RIQqTH610 二時間目が終わり私が隣へ行こうと思っていたら、 意外にもこなたの方から姿を見せてきた。 かがみ「珍しいわね」 こなた「教科書貸して」 かがみ「・・・え?置き勉してるあんたが忘れもの?」 こなた「う、うん・・・あぁ〜ちょっとさ、この前久し振りに持って帰ったから・・・ それでそのまま家に置いてきちゃってさ・・・にはは・・・」 かがみ「しょうがないやつ・・・はい、どうぞ。落書きすんなよー」 こなた「うん・・・ありがと・・・大事に使うね」 かがみ「・・・行っちゃったか」 みさお「お熱いこったねお二人さん」 あやの「うふふ、そんなことは口にしちゃ駄目よ、みさちゃんw」 みさお「ああ・・・そうだなぁ・・・」 かがみ「変なことは言わないでよ二人とも」 33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/25(土) 11:01:16.46 ID:RIQqTH610 四時間目は体育で、隣との共同時間となっている。 早々に着替えを済ませた私が運動場へ行くと、制服姿のままで垣根に腰を据えていたこなたが目に入った。 かがみ「ちょっと、どうしたのよ?」 こなた「いやそのさ・・・体調悪かったから見学ってやつ?」 かがみ「サボりじゃなくて?」 こなた「てへり☆」 かがみ「何をその笑いは・・・ってことはやっぱり・・・」 こなた「おぉ〜怖い怖いぃ〜・・・ま、私のことは気にしないでよ。 ここに居るとかがみまでサボってるように思われちゃうよ?」 かがみ「それもそうだけど・・・もし体調悪いんならあんまり無理しないようにね」 こなた「ありがと、全然大丈夫だから」 つかさ「お姉ちゃぁーん!なにやってるのー!早くこっち来なよー!!!」 かがみ「あ、それじゃあね」 こなた「うん」 34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/25(土) 11:19:40.64 ID:RIQqTH610 つかさ「私達はこの試合に備えて街中で腕を磨いて来た!!!」 活気あふれるサッカーコート上において、私は傍観に徹していた。 こなたのほうが気になってそれどころではなかったから・・・。 時々こなたと目が合っては苦笑いを返される。なんの意味があるんだろう? つかさ「峰岸さんは歴史ある茶道部で精神力を!」 あやの「どうもぉ〜」 つかさ「日下部さんは陸上部でカールルイス信仰を学んだ!」 みさお「いや別に私はカール」 つかさ「あとは神社とかなんとかの誇りに掛けて、この勝利は渡さない!」 白石「おぉ〜っとぉ!出るかぁ〜つかさくんの必殺シュートォォォオオオ!!!」 つかさ「ネオファイヤ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!」 みゆき「くっ!そう何度も抜かれるわけには参りません!!」 白石「キーパーのみゆきくんが防御態勢に入ったァ!!!!」 なんでみんな、そんなに元気なの? 私だけ思い悩んでいるのが馬鹿みたいじゃない。 白石「おおっと!みゆきくん吹っ飛ばされたァ〜!」 ほんと、馬鹿みたい・・・。 36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/25(土) 11:28:22.96 ID:RIQqTH610 肩を並べて教室へ。 その3年B組前で別れようとした直後。 こなた「いつっ・・・!」 かがみ「え?どうしたの?」 こなた「足の裏が・・・」 足元を見た。 かがみ「画鋲が沢山落ちてる・・・」 みゆき「誰かが零されたのでしょうか?・・・大丈夫ですか、泉さん?」 つかさ「大丈夫?」 こなた「うん・・・気にしないでいいよ・・・」 みゆき「本来なら画鋲を踏むことを想定して造られているシューズですが・・・不運にも泉さんのものは・・・災難でしたね」 こなた「へーきへーきww私、足裏の皮の厚さには定評があるからさwwww」 口調の割には平気そうな顔に見えない、苦痛を抑えた表情じゃないか。 かがみ「保健室に行こう」 つかさ「あ、じゃあ私もついて行くよ」 38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/25(土) 11:39:43.88 ID:RIQqTH610 保健室 こなた「ごめんね」 かがみ「いいからいいから、消毒とかやっといた方がいいでしょ? ・・・それじゃあ悪いけど私達は先に戻ってるね」 つかさ「じゃーねぇー」 人通りが少ない廊下へ出た途端。 つかさ「お姉ちゃん、どういうつもり?」 かがみ「ってことはやっぱりあんたでしょ、やったの?」 つかさ「当たり前だよ。それよりお姉ちゃんはなんでこなちゃんの味方をするの?」 かがみ「怪我をしたら庇うのは当然でしょ?」 つかさ「先に言いだしたのはお姉ちゃんじゃない、それに今まで止めもしなかったくせに・・・。 なのに今さらいい子ぶるつもり?」 39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/25(土) 11:50:50.96 ID:RIQqTH610 かがみ「まさかあんたがこんなに陰湿なやり口を用いるなんて思わなかったからよ・・・。 てっきり一過性の熱をあげた冗談だって私は・・・」 つかさ「だったら朝の時点でなんで私を止めなかったの? それにこなちゃんが教科書を借りに行った時だって、体操服が無くなってた時だって・・・ お姉ちゃん、本当は気付いていたんじゃないの?」 かがみ「・・・」 つかさの言うとおり、確かな違和感が私にもあった。 つかさ「だけど言わなかった・・・こなちゃんにもね。 どうせ皆にバレるのが怖かったんでしょ?自分のやったこと、言ったことが公にされるのがさ。 我が身かわいさってやつだよね、おねぇ〜ちゃん?」 かがみ「そういうつもりは・・・」 つかさ「私達は姉妹、それも常に一緒に居るくらいの双子。それが周りからの認識。 私がバレた暁には、洩れなくお姉ちゃんも巻き込んであげるから。 例えお姉ちゃんがどれだけ弁解しようとも、証拠を提示しようとも・・・ 隣のクラスの繋がりと双子間の繋がり・・・果たしてどっちのほうが力は上かなぁ・・・?」 40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/25(土) 12:02:44.97 ID:RIQqTH610 かがみ「お前・・・!」 つかさ「その振り上げた左手、どうするの?私を殴る?その程度で私は怯まないよ?」 かがみ「くっ・・・」 つかさ「そう、それでいいの!それでこそ賢い賢い、私のお姉ちゃんだよ! やっぱりお姉ちゃんはそうでなくちゃねっ!変な輩なんかに惑わされちゃ駄目なんだから・・・めっ!」 かがみ「自分が何を言ってるのかわかってるの?」 つかさ「わかってなきゃこういうことはやれないよぉ〜。何事にもねぇ〜」 ふざけたような笑いを睨み付ける以外には、私に手などない。 つかさ「そういうことで、この後も 普 段 通 り の 私達という方向性でよろしく頼むね、おねぇ〜ちゃんっ」 42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/25(土) 12:11:23.99 ID:RIQqTH610 教室 つかさ「お待たせぇ〜ゆきちゃ〜ん」 みゆき「わっ!つかささんやめてください!」 かがみ「よっ・・・」 みゆき「あの、泉さんは・・・?」 かがみ「先生が手当中。消毒してもらってるから、もうちょっと掛かると思う」 つかさ「こなちゃん・・・可哀想だよねぇ・・・」 みゆき「そうですが・・・あれは事故ですからあまり気を落とさないようにしましょう。 周りが騒ぎたてると泉さんも却って気を病まれてしまうでしょうし」 つかさ「うん・・・そだね・・・」 かがみ「・・・」 45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/25(土) 12:22:29.91 ID:RIQqTH610 みゆき「皆さんが保健室へ向かわれている間に一応、画鋲は片付けておきましたが・・・」 かがみ「あ、ありがと。ごめんね」 みゆき「え・・・?あの、はい・・・学級委員として当然の務めですので、 隣のクラスのかがみさんが謝罪される必要はございませんよ。ですが・・・」 つかさ「どしたの?」 みゆき「どうして画鋲が散らばっていたのでしょうか? 毎回私が頼まれるのでわかることですが、今日は掲示物などが無かったと記憶していたのですが」 つかさ「ほら、みんな体育で慌ててたでしょ?きっと棚に置いてあった画鋲入れに偶然引っ掛かってさ・・・」 みゆき「はぁ、確かにそうかもしれませんね・・・」 つかさ「お姉ちゃんもそう思うよね?」 かがみ「・・・」 つかさ「・・・ね?」 かがみ「・・・うん、そうかもね」 ちくしょう。 48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/25(土) 12:30:53.43 ID:RIQqTH610 こなた「いやぁーお待たせぇwwwww」 つかさ「あ、おかえりー!」 みゆき「ええっと、足の具合のほうは・・・?」 こなた「だいじょーぶいっ!コンディショングリーン!」 明るく振る舞ってはいるけど、ぎこちなく歩いているじゃない。 本当は痛いんでしょ、その足? つかさ「よかったよぉ」 みゆき「その通りですね」 みゆきがあまり突っ込まないのは、先ほどの言葉のためのはず。 だったら私も蒸し返すのはよしておくべき。うん、それが正しい。 かがみ「さ、こなたも戻って来たところでお昼御飯にしましょ」 こなた「箸を付けずに待っていたかがみ萌えwwww」 かがみ「はいはい、うるさいうるさい」 でも良かった。大したことなくて。 52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/25(土) 12:42:11.95 ID:RIQqTH610 昼休み一杯を隣のクラスで過ごしたのは、つかさの動向を牽制するため。 つかさは私のことを信頼していない。だったら私が近くに居る間は目立った行動を控えるはず。 でもそれが出来るのは私が自由に動ける休み時間中に限られるわけで・・・。 みさお「時間一杯まで隣とかwwwもうお前3Bに嫁いじゃえよwwww」 あやの「でも、そうなったらみさちゃんも付いて行くんでしょ?」 みさお「まぁーなぁーwwwwww」 かがみ「日下部は相変わらずだな・・・」 みさお「おーおー、なにがだよぉ?」 かがみ「能天気だってことよ」 みさお「ひどくねwwwこいつ酷くねwwwww」 あやの「本当のことだしフォローのしようもないわねw」 みさお「うはwwwwwwwwww」 かがみ「はぁ〜・・・」 真夏の蝉以上に騒がしいな、こいつらは。 そんなあんた等がちょっとだけ羨ましいかもしれない・・・かな。 55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/25(土) 12:56:37.12 ID:RIQqTH610 授業中。 私は教師の言葉を右から左へと受け流しつつ、その空いた時間を思索へと充てている。 目下の議題はどうするべきかというその一点。 こなたに話すか? ・・・でも、それじゃあ却って心労を与えてしまう可能性がある。 気遣う素振りを見せていたつかさが、まさか主犯だったなんて・・・そんなのこなたには辛すぎるじゃない。 そこで次に思い当たったのが元凶であるつかさを止めるということ。 幸いにして現時点では全てが事故として処理されている。 つまりここでつかさを止めれば、この一連の流れは『不幸な事故』として処理されることになる。 ともなれば、こなたの足の傷が癒えると同時に事態も収束へと向かうはず。 ・・・うん、そうしよう。 あとはどうやってつかさを正気に引き戻すかだけか。 56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/25(土) 13:05:51.70 ID:RIQqTH610 五時間目の休み時間も野次に見送られつつ隣のクラスへ。 ・・・やっぱり三人とも一緒か。 かがみ「おーっす」 こなた「・・・あ、かがみ」 かがみ「問題ないようね」 こなた「怪我をすると急に優しくなるんだね、かがみは」 かがみ「いつだって私は優しさ溢れているでしょうに」 私の『問題ない』はそっちの方じゃないんだけどね。 ・・・まぁ、あんたの方も気になるけどさ。 つかさ「それでラフレシアがさぁ〜w」 話の主導を握るつかさを監視しているうちに、そのまま休み時間は終わった。 58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/25(土) 13:12:54.83 ID:RIQqTH610 どうにも逸って落ち着けないままな私とは対照的に、 淡々と進む時計の針が放課の訪れを告げた。 みさお「じゃあなぁ〜ひーらぎーwwww」 あやの「式には呼んでね」 かがみ「うるさい!そんなんじゃないって言ってるでしょうが!」 みさお「怖ぇー怖ぇ〜wwwww退散しようぜぇあやのーwwwwww」 あやの「そうしましょ」 かがみ「バイバイ、また明日ね」 あとは、こなたを無事に送り届けてその後につかさを・・・。 59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/25(土) 13:24:21.42 ID:RIQqTH610 かがみ「やっと一日終わったわねぇ」 みゆき「さて、かがみさんも参られたところで帰途へ着くとしましょうか」 つかさ「うん!」 こなた「そだねー」 私の眼が届かない、僅かだけども空いた時間が気に掛かってはいた。 でも変わりはないみたいだ。 つかさも一日にして万策を練れるはずもないようだし、今日はこれで打ち止めかな。 ふぅ・・・まずは一安心ね。 かがみ「じゃ、帰ろうか」 こなたの鞄を私が受け持つ以外は普段通りの下校風景。 たったそれだけの違いの日常。 あくまで傍目からは、だけど・・・。 61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/25(土) 13:29:13.80 ID:RIQqTH610 つかさ「バイバイこなちゃん」 こなた「ほいほーい、かがみもね」 かがみ「気を付けて帰りなさいよ」 こなた「分かってるよ・・・そんな保護者みたいに煩く言われなくてもさ」 かがみ「そう、なら良いけど」 こなた「そいじゃね」 明るく笑って見せながら、こなたは彼方へと歩いて行った。 62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/25(土) 13:46:43.48 ID:RIQqTH610 つかさ「やっぱり、お姉ちゃんはこなちゃん側に付くんだね」 人気が引いた途端にこれだ。 その嘘臭い微笑を見る度に、今まで私がつかさのことを低く評価しすぎていたと痛感させられてしまう。 こんなにも・・・狡猾で強かな奴だったとは・・・。 ましてや人を陥れようとする人間性を持ち合せていたなどとはとても・・・。 その点については今でさえ信じられない。 かがみ「やめないか、こんな下らないこと」 つかさ「あのさぁー・・・その話、昼にもしなかったっけ?」 かがみ「だから何?」 つかさ「お姉ちゃんはいつも後手後手なんだよ、あの時なにも言わなかったくせに今さら口を出してくる。 ほんといい所ばっかり持っていこうとするんだもんね。自分への被害が完璧になくなってから動こうとかさ」 かがみ「冷やかしはやめて。あの状況であんたを止めていたら、あんたはきっと騒ぎ立てていたでしょうが。 そうなったら傷付くのはこなた。私とあんた以上に、こなたに害が及んでしまう」 つかさ「そういうのを詭弁っていうんじゃないのかなぁ? こなちゃんの為だと言い張りつつも、本当は自分に都合のいい手を打っているだけじゃないの?」 かがみ「そんなことあるわけがないでしょ」 つかさ「お姉ちゃんってなんだかんだでプライドが高いもんね、妹として長年姉を見てきた私にはわかるよ」 かがみ「関係のない話で逸らさないで」 つかさ「ふーん・・・そう・・・」 66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/25(土) 13:59:36.29 ID:RIQqTH610 かがみ「大体、なんであんたはこんなことをしているわけ?人間として異常すぎるわ」 つかさ「なんでって言われてもさぁ・・・普通は人の行動に明確な理由なんてないものなんじゃない? お姉ちゃんがこの学校へ通っているのだって、こなちゃん達と仲が良いのだって、 その理由を誰かに聞かれたとして、たったの一言で答えられるものなのかぁ?」 かがみ「はぐらかすのも大概にしなさいよあんた!妹のくせにごちゃごちゃと――」 つかさ「家、着いたよ。あまり大声は出さないほうがいいと思うけどなぁ」 かがみ「・・・後で憶えておきなさいよ」 つかさ「私、忘れっぽいからメモ帳を貸してほしいかな」 かがみ「ふざけろ」 つかさ「ちょっとした冗談だよ、おねぇちゃん?」 かがみ「・・・」 75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/25(土) 14:44:55.64 ID:RIQqTH610 とのような殺伐としていた日々を送っていたのが、今から約半年前にあたる私達だった。 春先の突風で桜が乱れ散るように、狂気を振り撒いていたつかさも季節の裾と共に次第に淑やかになっていき、 今ではこうして皆仲良く鍋を囲む仲にまで発展している。 こなた「いやぁ〜あの時は怖かったよぉ〜wまさかつかさが糸を引いていたとはねぇ〜www」 つかさ「えへへw」 みゆき「私もつかささんの工作で、思わずかがみさんを疑ってしまいましたしね。 本当に申し訳ないことをしていたと今でも悔やんでおります」 みさお「ま、私はちゃんと柊を信じていたけどなーwwwww」 あやの「そのみさちゃんのせいで乱闘沙汰になっちゃったけどね」 こなた「なぜか私が一番に殴られたし、実は私情を挟んでいたんじゃないの?」 みさお「まっさかぁ〜wwww ・・・あ、もしかしてお前、私のことを疑っているんじゃねぇだろうな〜?」 かがみ「食べるか喋るかどっちかにしなさいよ、あんた達は」 つかさ「そういうお姉ちゃんもじゃないの?」 かがみ「ほんっと生意気な妹ね。ま、そういう所も可愛いから許すけどさ」 つかさ「ありがとう、お姉ちゃん。大好きっ」 折れた骨がより強く接合されるように。 辛い日々で一度は折れ掛けた私達の心も、二度と離れないよう強く繋ぎとめられたのかもしれない。 78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/25(土) 14:52:06.01 ID:RIQqTH610 先にエンディングを持ってくるという荒技 これでいつスレが落ちても怖くはない 暫く出なきゃならんし、ラストも書いたので必要ないなら落としといてくれ もし誰か暇な人がいたら代筆してくれるとありがたい ではさらば