ハルヒ「もう一度言ってみなさい!」 1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/07(火) 18:13:16.95 ID:Bc7eki/F0 キョン「だから、SOS団を辞めると言ったんだ。もう3回目だぞ」 ハルヒ「……」 キョン「分かったか? それじゃあ、俺は荷物まとめにとりかかるぞ」 ハルヒ「ちょ、ちょっと待ちなさい! 団長たる私の許可なく辞められると思ってるの!?」 キョン「もううんざりなんだよ、お前の我侭につき合わされるのも、お前のご機嫌取りをするのも」 ハルヒ「ご機嫌取りって……そ、そんなこと頼んだ覚えはないわ! アンタが勝手にやってるだけじゃない」 キョン「あのなあ。お前が直接言わなくても、そう望むだ」 長門「それ以上は」 キョン「……すまん。だが、俺は抜ける。これだけは何があっても揺らがない決定事項だ」 ハルヒ「うるさいうるさい! アンタに決定権なんかないの! とにかく、認めないからね!」 キョン「どうやら今日は駄目そうだな、日を改めてまた来るとする。朝比奈さんも、小泉もまだいないからな。俺も、最後くらい皆に挨拶したい」 ハルヒ「ちょっと、どこに行くの?」 キョン「帰るんだよ、お前が認めるまで何回でも来るが、金輪際団員としての活動は断固拒否する」ガラガラ ピシャッ ハルヒ「行っちゃった……。ねえ有希、キョンどうしちゃったのかしら」 長門「……分からない。けど、彼の言った事に虚偽はないと判断」 8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/07(火) 18:18:30.79 ID:Bc7eki/F0 ハルヒ「みくるちゃん、お茶!」 みくる「は、はいぃっ」 チョンチョン みくる「涼宮さん、なんだか機嫌悪いみたいです。何かあったんですか?」 小泉「おや、ご存知ないのですか? どうやら、彼がSOS団を辞めると涼宮さんに迫ったようですよ」 みくる「彼って、キョン君ですか!? ど、どうしてそんな」 小泉「詳しいところをは僕も分かりかねます。ただ、長門さん曰く、どうしようもないと」 みくる「ふえぇ……。キョンくん、どうしちゃったんだろう」 ハルヒ「そこの二人、何話してるの!?」 小泉「おっと、気付かれてしまいましたか。では、今日のところこの話はこれで終わりで」 みくる「は、はい」 ハルヒ「今日もキョン……こないな」 長門(彼は今頃……) 11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/07(火) 18:21:20.97 ID:Bc7eki/F0 キーンコーンカーンコーン 谷口「終わった終わったー。おーいキョン、帰ろうぜ」 キョン「ああ」 ハルヒ「ちょっと、キョン」 キョン「ん? ……なんだハルヒか。何か用か?」 ハルヒ「えっと、その……ぶ、部活、来なさいよ」 キョン「またその話か。言ったろ、俺はもうあそこには行かない。次行くときは、お前が俺の退団を認めて、皆に挨拶する時だ」 キョン「用件はそれだけか? ならもう行くぞ。この後予定があるんだ」 ハルヒ「予定って何よ」 キョン「行くところがある」 ハルヒ「……彼女?」 キョン「……さあどうかな、どっちにしてもハルヒには関係ないだろう」 ハルヒ「か、関係ないって、あんたねえ!」 国木田「おーいキョン、何やってるのー? 置いてくよー」 キョン「おっと、それじゃあな、ハルヒ」タッ ハルヒ「……」 16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/07(火) 18:23:31.49 ID:Bc7eki/F0 国木田「ねえキョン」 キョン「ん? なんだ?」 国木田「例のこと、涼宮さんたちには言ってないんでしょ? なんで?」 キョン「別に。知らない方がいいこともあるだろう、わざわざ言うまでもないと思ったのさ」 谷口「お、おい。お前それでいいのかよ、お前涼宮のことす」 国木田「谷口。……うん、そっか、そうだよね」 キョン「おっと、もうこんな所か、それじゃ俺、こっちだから」 谷口「お、おぉ」 国木田「分かった、それじゃあキョン、また明日ね」 キョン「おう、また明日」 キョン「また明日、か……」 18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/07(火) 18:25:15.21 ID:Bc7eki/F0 医師「では、また来週きてください」 キョン「分かりました」 医師「お大事に」 キョン「……どうも」 ガーッ キョン「ん? ……長門? それに小泉も」 小泉「お疲れ様です。長門さんから大まかな事情はお聞きしました」 長門「彼は知っておくべきだと判断した」 キョン「そうか。俺も小泉には言っておこうと思ってたんだ。すまんな小泉、閉鎖空間、多いだろう」 小泉「ええ、今までにない程のサイズが多々発生していますよ。ですが、それくらいお安い御用です。……貴方に比べれば」 キョン「……」 長門「病状は」 キョン「ああ、やっぱり治らないそうだ。現状維持が精一杯らしい」 19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/07(火) 18:26:16.08 ID:Bc7eki/F0 小泉「……そうですか。長門さん、貴女の力で何とかならないのですか?」 長門「それはできない。これは空間の流れ。あなたたちの言語で言うところの、運命。それを変えることは、私には不可能」 キョン「そういうことだ」 小泉「では、彼女、涼宮さんの力なら、或いは」 長門「私もそれを提案したが、却下された」 キョン「ああ。それだけはできない」 小泉「理由をお聞かせ願いたい」 キョン「確かにハルヒが望めば、この病気も治るのかもしれない。だが、それをしてしまったら、あいつはもう歯止めが利かなくなる、そんな気がするんだ」 小泉「歯止め、と言いますと?」 キョン「自分の力に気付いてしまうかもしれない。もしそうなったら、ハルヒは水を得た魚のようになるだろう。当然、世界はおかしくなる」 長門「可能性は否定できない」 小泉「ですが! 代わりに貴方が犠牲になっても、確実に世界は終わる! どの道同じ運命なら、助かりたいと思わないのですか」 キョン「それじゃ駄目だ。いつまでも子供じゃいられないだろう。時には思い通りにいかないこともある。ハルヒはまだそれを知らない」 小泉「……」 キョン「それを知ってもらいたいんだ。例え俺の命と引き換えだとしても」 25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/07(火) 18:29:04.66 ID:Bc7eki/F0 小泉「一つ解せない所があります。涼宮さんへの態度です。何か考えがあっての事だと思いますが、僕には皆目見当もつきません」 キョン「俺の病気を治してほしい、そう願う確率を少しでも下げるためだ。それには、嫌われるのが一番手っ取り早くて確実だと思ってな」 小泉「……」 キョン「って、少し傲慢だったか。俺は別にあいつの何でもないんだからな」 キョン「悪い、もう帰っていいか? 少し、辛い」 小泉「貴方が決めたことです、僕はもう何も言いたく無いですが。……いいのですか? 貴方と涼宮さんは」 キョン「……ああ、これでいい」 キョン(これで、いいんだ) 27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/07(火) 18:30:18.86 ID:Bc7eki/F0 ハルヒ(今日もキョン居ないな。ここの所頻繁に休んでるけど) ハルヒ「ちょっと谷口」 谷口「ん? どうした涼宮」 ハルヒ「最近キョンが来てないじゃない。何か知らない?」 谷口「さ、さあ。風邪でも引いたんじゃねーの」 国木田「最近調子悪そうにしてたからね、多分そうだと思うよ」 ハルヒ「……ふーん」 31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/07(火) 18:32:57.98 ID:Bc7eki/F0 ハルヒ(キョンがいないと、活動もあんまり楽しくないな) ハルヒ「……今日の活動はこれでお終い。みんなもう解散していいわよ」 みくる「え? 今お茶淹れた所ですよう?」 ハルヒ「悪いわね、みくるちゃん。それじゃ、お先に」ガラッ キョン「うお、吃驚した、急に開けるなよ」 ハルヒ「キョン! あんたどうしてここに? 今日休んでたじゃない」 キョン「ああ、昨日徹夜で漫画読んでてな、明け方に寝て、ついさっき起きた所だ」 長門・小泉「……」 ハルヒ「呆れた、どれほど心配したのか分からないの?」 キョン「それは悪かった。それで、ちょっと話があるんだが」 ハルヒ「何? 退団の話なら聞かないわよ」 キョン「お前も頑固だな。察しの通り、その話だ」 34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/07(火) 18:35:04.95 ID:Bc7eki/F0 ハルヒ「それじゃ皆、また明日」ガッ キョン「待て、しっかり聞け」 ハルヒ「嫌よ! 認めないって言ってるじゃない!」 キョン「……もうお前の返答を変えてる暇は無いんだ。悪いが、本当に今日限りで辞めさせてもらう。丁度みんな揃っているしな」 みくる「ふええ……キョンくん、本当に辞めちゃうんですか?」 キョン「すいません、朝比奈さん。でも、もう決めたことなんです」 ハルヒ「……」 キョン「改めて、皆。今までありがとう。これまで、なかなか楽しかった」 小泉「こちらこそ、楽しかったですよ。結局、一度もゲームには勝てず仕舞いだったのが、心残りですが」 長門「お疲れ様」 みくる「キョンくん……グスッありがとう」 ハルヒ「ちょっと、小泉君! 有希! みくるちゃん!」 キョン「皆……。それじゃあ、さようなら」スタスタ ハルヒ「……」 クルッ キョン「それからな、ハルヒ。これは、俺が『自分で望んだ事』だ」 ハルヒ「?」 キョン「じゃあな」スタスタ ハルヒ「待ってよ! ……ねえ」 ハルヒ「待って、よ……。グスッ うわああああああああああ」 みくる・小泉・長門「……」 38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/07(火) 18:37:49.01 ID:Bc7eki/F0 キョン「谷口、国木田」 谷口「よっ。遅かったな」 国木田「……終わったの?」 キョン「ああ」 国木田「そっか」 谷口「それで、後……どれくらいなんだ?」 キョン「医者の話じゃ、もって後2ヶ月らしい。信じられないぜ、まだこんなに元気なの……ゴホッゴホッ」 谷口・国木田「キョン!!」 キョン「大丈夫、今日はちょっと、喋りすぎただけだ」 谷口「と、とにかく、今日はもう帰って安静にしてろ、な?」 国木田「そうだよ、送っていくからさ」 キョン「……とう」 谷口・国木田「え?」 キョン「ありがとう、お前ら、俺の親友だ」 谷口・国木田「……」 40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/07(火) 18:39:22.40 ID:Bc7eki/F0 キョン「ゴホッゴホッ」 キョン(段々周期が短くなってきた……そろそろか) キョン「……そうだ、手紙でも、書いておくか」 キョン(不思議なものだな。終わりが近づくほど、いつもより冷静で素直自分に気付ける。もっとも、もう遅いんだがな) 44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/07(火) 18:42:29.05 ID:Bc7eki/F0 数日後 看護士「203号室です。面会時間は30分までとなっております」 古泉「分かりました、では、行きましょう」 キョン「……よう。きてくれたのか」 古泉「ええ、当然です、具合はいかがです?」 キョン「あんまりよく、ないな」 長門「無理して喋らないで」 みくる「キョンくん……」 キョン「え? あさひな……さん?」 古泉「勝手な行動だとは思いましたが、彼女もまたSOS団の一員です。彼女だけ事情を知らないのもどうかと思いまして」 キョン「そうか……ハルヒは」 長門「涼宮ハルヒは何も知らない」 古泉「貴方のご希望通りにしてあります」 キョン「そうか、ありがと……ゴホッゴホッ」 みくる「……やっぱり! あたし涼宮さんに伝えてきます! 世界がどうなっても、私はキョンくんに生きていて欲しいんです!」 キョン「だめですゴホッゴホッ ……おねがいします」 キョン「どうもきょうは、たいちょうがよくない。わるいが、かえってもらえるか」 古泉・長門・みくる「……」 50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/07(火) 18:46:16.15 ID:Bc7eki/F0 みくる「キョンくん……辛そうでした」 古泉「そうですね、喋ることすら苦痛のようでした」 長門「彼の病状は以前より悪化している」 みくる「古泉くん」 古泉「駄目です」 みくる「っ! なんでですか!?」 長門「彼の最後の願い。私たちにはそれを叶える義務がある」 古泉「長門さんの仰る通りです。僕たちには、それしかできないし、許されていないのです」 みくる「そんな……そんなのって……」 古泉「……長門さん、あと、どれくらいですか」 みくる「小泉くん!」 古泉「知っておかなければいけないことです」 みくる「そんな! 古泉くんは、キョンくんがどうなってもいいんですか!? そんなこと聞くなん」 古泉「僕だって! ……失礼。ですが、僕たちもそれ相応の覚悟はしておいた方がいい、ということです。酷な言い方ですが」 みくる「うぅ……」 古泉「……長門さん」 長門「あと……1週間」 61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/07(火) 18:52:25.15 ID:Bc7eki/F0 みくる「長門さんの力で、治さないまでも、進行を遅らせることはできないんですか?」 長門「可能。でも彼がそれを望んでいない」 みくる「でも、長門さんだって、キョンくんには生きていてもらいたいでしょう! だったら」 長門「私は」 長門「私は、彼が好き」 みくる「……え?」 古泉(……やはりそうでしたか) みくる「だったらなおさら」 長門「けどそれとは別。彼が悩んで決めたことに私は、口出ししたくない。……せめて、見守るくらいしか」 古泉「いずれにせよ、覚悟が必要なようですね」 長門・みくる「……」 古泉(これで、よかったのですか?) 64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/07(火) 18:57:02.43 ID:Bc7eki/F0 担任「涼宮……は今日も休みか」 谷口「なあ国木田。涼宮が休んでるのって」 国木田「言うまでも無くキョンのことだろうね」 担任「まぁ、都合はいいか。皆、今日は大事な話がある。茶化さずに聞いてくれ」 担任「最近休んでいる奴がいるだろう。涼宮じゃなく」 谷口・国木田(……キョンのことだ) 担任「実は、な」 ハルヒ「……学校、行きたくない。でも行けば、キョンがいるかも。……」 ハルヒ(どうしようかな……) 71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/07(火) 19:00:55.42 ID:Bc7eki/F0 プルルルル プルルルr 古泉「もしもし。……そうです、か。わかりました。……長門さん」 長門「何?」 古泉「皆さんに、集合して頂けるよう、お願いします」 長門「……彼?」 古泉「ええ。涼宮さんはここ数日学校に来ていないようなので、いつものカフェでいいでしょう」 長門「……了解した」 ハルヒ「どうしたの、古泉くん。急に呼び出して……」 長門・みくる「……」 古泉(涼宮さん、憔悴しきってるようだ……何事も、起きなければいいんだけど) 古泉「実は」 79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/07(火) 19:05:02.70 ID:Bc7eki/F0 ハルヒ「キョンが、死んだ?」 古泉「ええ、今日連絡がありました。先刻、症状が悪化し、そのまま……」 ハルヒ「ちょ、ちょっと待って小泉くん。そんな冗談、タチが悪いわ。本気で怒るわよ」 古泉「……」 みくる「涼宮さん……」 長門「……事実」 ハルヒ「……うそ。嘘よ! 確かにちょっと前から学校休みがちだったけど、それはただの風邪……まさか」 古泉「その通り。その時点で彼は入院していたのです」 ハルヒ「……でも、私、そんな。こと」 長門「私たちが事実を隠していた」 ハルヒ「っなんで!」 みくる「伝えない方がいいって、みんなで決めたんです……。何より、キョンくんが」 ハルヒ「そんな、そんなのって……うわあああああああああああああああ!」 88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/07(火) 19:08:02.51 ID:Bc7eki/F0 古泉「まずい!」 長門「安定が崩れかけている。このままでは」 みくる「涼宮さん! 落ち着いてください!」 ハルヒ「あああああああああああああああ!」 古泉「涼宮さん! このままでは……どうすれば」 キョン妹「いた! ハルにゃん!」 ハルヒ「っ……? キョンの……」 89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/07(火) 19:08:48.14 ID:Bc7eki/F0 古泉「止ま、った?」 長門「不安定な常態は続いている。涼宮ハルヒの精神を鎮めるべき」 みくる「っていっても……」 ハルヒ「どうしてここに……?」 キョン妹「あの、ね。ハルにゃん、これ」 ハルヒ「なに、これ。手紙?」 キョン妹「キョンくんがね。いなく、なったら、渡してくれって……ヒクッ」 ハルヒ「キョンが……?」ガサッ 90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/07(火) 19:09:41.74 ID:Bc7eki/F0  SOS団  正直、皆にこうして手紙を書く日が来るとは思わなかった。  これを読んでいるってことは、俺はもう……いやいい、そういうことを書きたいんじゃないんだ。  知っての通り、俺は多少捻くれてて、多分口じゃ言えないから、手紙を残すことにした。これでもちょっと照れるけど、伝えたい。 92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/07(火) 19:11:40.18 ID:Bc7eki/F0  古泉、最初はお前の事はあんまり好きじゃなかった。すました顔して、いけすかない奴だと思ったさ。  誤解しないで欲しいのは、あくまで最初だけだ ってこと。今は、最高の友達、だ。  お前はいつも冷静に物事を考えてて、それが的確で、よく俺は論破された。  それが悔しくて、半ば八つ当たり気味に言い返した事もあったな。すまなかった。  なんだかんだで、お前には色々助けられた。本当にありがとう。それじゃあな。  ……ああ、もう幾らか分からないくらい膨らんだ、お前の負け金。あれは全部チャラにしてやろう。  一回くらい、お前が勝ち誇る姿は見たかったんだがな。 96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/07(火) 19:13:51.29 ID:Bc7eki/F0  朝比奈さん。最初に言っておきたいです、泣かないでください。  優しい人です。きっと貴女は今泣いているのでしょう?  でも、そんな顔は似合いませんよ、見なくても分かります。  どうか、笑って見送ってやってください。最期のわがままってやつです。  朝比奈さんの淹れるお茶の味は、今でも覚えています。いつか教わろうと思っていたんですが。  ありがとうございました。 101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/07(火) 19:15:34.37 ID:Bc7eki/F0  長門。お前には助けてもらってばっかりだったな。感謝してもしきれないくらいだ。ありがとな。  貸してもらった本は全部覚えてる。面白かったぜ。  途中から、感情が少しずつ表に出るようになったよな。最初のお前を知っているから分かる。  対有機生命体……ああもう長い、面倒だ。とにかく、お前はもう、そんなのじゃない。れっきとした、人間だ。  芽生えた感情、大事にしてやって欲しい。 105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/07(火) 19:17:22.23 ID:Bc7eki/F0  最後に、我等が団長、ハルヒ。思えば始まりはお前との出会い。宇宙人、未来人どうたらとか、あの自己紹介はインパクトありすぎるぜ。  色々振り回されたし、それまでの俺の平凡な生活は、あの日から一変して非凡になったよ。  ま、悪い気はしなかったし、それなりに楽しかったんだけどな。  お前に冷たく当たったこと、すまなかった。ああするしかないと思ったんだ。  古泉たちを責めないでやって欲しい。お前に伝えるなと頼んだのは、俺なんだ。理由を詳しくは言えないけど。  今のお前たちがいる、この世界が好きだ。変わらないで欲しい。  だから、ハルヒも変わらないでいて欲しい。これまでみたいに、バカ元気で、騒がしくて。  宇宙人探しも頑張れよ。……いつか俺が言った事、覚えているか? 探しものは、得てして近くにある、ってな。  その答えはお前が見つけろ。これ以上俺からは言えん。  それじゃあ、楽しかった、ありがとうな。SOS団団長、涼宮ハルヒ。 109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/07(火) 19:20:15.55 ID:Bc7eki/F0 古泉「……僕も、勝ってみたかったですよ。貴方が負けて悔しがるのを、見たかった」 みくる「いつでも、教えてあげたのに……」 長門「私が、人間?」 ハルヒ「バカって何よ……自分の方がよっぽどバカじゃない……」 キョン妹「ハルにゃん……」 ハルヒ「キョンの……キョンのばかあああああああああああ! うわあああああああああああああああん」 110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/07(火) 19:20:39.28 ID:Bc7eki/F0 …… キョン(朝日が眩しいな。俺は死んだんじゃなかったのか?) キョン(ああ、そうか。今までのは全部、悪い夢だったんだな。本当に、夢でよかった) キョン(よし、そうとわかれば、学校に行くとするか。きっとまた退屈しない非日常が待ってる) キョン(今日は、晴れ、か) 終わり 114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/07(火) 19:22:38.38 ID:Bc7eki/F0 遅い投下すいませんでした。不慣れっていうの理由にしたらいけないかもだけどやっぱり不慣れ! 恋空っぽいのは、指摘されて初めて気が付いたw頭の中がスイーツ(笑)なのかも知れないorz 付き合ってくれた方、お疲れ様&ありがとうございました! こんなのでよければ気が向いた時にでも、また投下します! 129 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/10/07(火) 19:31:29.26 ID:Bc7eki/F0 うおおおおおおやっぱり最後はいらなかったかorz あんまり鬱すぎるのは好きじゃないから、最後にちょっとでも救いをいれようとしたのが間違いだった 期待に添えないendですいませんでした。 あと古泉→小泉事件も申し訳ない。 なんか謝ってばっかりだorz