前原圭一が空気嫁を手に入れたようです 1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/20(土) 23:19:53.04 ID:UkRH0gxi0 圭一「ふぅ」 圭一「お小遣いをためて、苦心の末ようやく手に入れただけのことはあるぜ 圭一「南極シリーズ。ふふふ。噂以上のできだったぜ!」 圭一「これもまた、ひとつの萌の形か……」 圭一「しかし……事が終わった今、どう始末しよう」 圭一「親に見つからないようにしないと」 2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/20(土) 23:21:57.93 ID:UkRH0gxi0 圭一「とりあえず洗って空気を抜いてしまっておくか」 圭一「けっこう面倒だな……」  〜1週間後〜 圭一「飽きてきた」 圭一「使った後いちいち洗って始末するのも面倒だし」 圭一「いつ親に見つかるかも分からないし……」 圭一「そろそろ処分する時期か?」 圭一「普通のゴミには出せないし。仕方ない。こっそり山へ埋めに行くか」 6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/20(土) 23:24:40.04 ID:UkRH0gxi0 圭一「よし! これでOK!」 圭一「茶髪のウィッグをかぶせてセーラー服を着せて鉈を持たせれば、誰がどう見ても竜宮レナにしか見えない」 圭一「これなら自転車の後ろに乗せて山へ移動しても、誰にも怪しまれないはず」 圭一「ちょうど親も仕事の関係で東京へ出かけているし。決行は今日しかない!」 圭一「しっかりつかまってなよ、レナ!」 圭一「うん、圭一くん!(裏声)」 圭一「おいっ! 出発!」 9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/20(土) 23:28:24.49 ID:UkRH0gxi0 沙都子「今日のお肉の安売りは絶対に見逃せませんわ!」 沙都子「急いで買いに行かないと……ん?」 沙都子「あら? あれは圭一さん?」 沙都子「自転車の後ろに乗ってるのは、レナさん? どこに行ってるのでしょう」 沙都子「あの道を進めば人気のない森に……」 沙都子「なにかあるのかしら?」 14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/20(土) 23:32:08.71 ID:UkRH0gxi0  〜山奥〜 沙都子「お肉の特売どころじゃありませんことよ」 沙都子「圭一さんとレナさんったら、こんな薄暗い山奥に2人きりで何をしに向かっているのでしょう」 沙都子「………は!? ま、まま、まさか、これは……」 沙都子「これは、逢引き!?」 沙都子「でも、そんな……逢引きだなんて……でも2人きりでこんな森の奥まで来るなんてそれ以外に考えられませんし」 沙都子「あら? 圭一さんが自転車から降りてシャベルを土に……穴を掘り始めましたわ?」 沙都子「え? え? え?」 17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/20(土) 23:34:48.70 ID:UkRH0gxi0 沙都子「そ、そんな……そんな! そんなぁ!」 沙都子「レナさんが……レナさんが、地面の上に横たわったまま身動きもせずぐったりと!?」 沙都子「なな、なんで、どうしてですの!? どうして、圭一さんが、レナさんの頭をつかんで掘った穴の中へ……」 圭一「そだ。どうせ埋めるんだから、最後に一発やっとくか」 圭一「よっと」 沙都子「きゃーっ!」 19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/20(土) 23:38:16.91 ID:UkRH0gxi0 圭一「ふぅ。なかなか良かった」 圭一「今生の別れも済んだことだし。もう思い残すこともないぜ」 圭一「さあ。さっさと埋めて帰るとするか!」 圭一「ん? さっき誰かの声が聞こえたような気がしたが……?」 圭一「誰もいないよな? いるはずねぇか。こんな深い山奥に人なんて来るはずない」 圭一「さて。すっきりし。カップラーメンでも買って帰るか!」 圭一「ふふふ〜ん♪」 沙都子「あ、ああ、あああ……なんてこと……」 21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/20(土) 23:43:59.57 ID:UkRH0gxi0 レナ「こんにちは〜。圭一くん!?」 伊知郎「おや、レナちゃんじゃないか。どうしたんだい、うちの前で」 レナ「あ、圭一くんのお父さん。こんにちは。圭一くんはお出かけ中ですか?」 伊知郎「私たちも今ちょうど東京から帰ってきたところでね。圭一がどうしているかは分からないんだ」 レナ「家にはいないみたいですね。困ったな。宿題のプリントを持って来たのに」 伊知郎「それじゃあ、家に上がっていきなさい。そのうち圭一も帰ってくるだろう」 レナ「いいんですか?」 伊知郎「ああ。せっかく来てくれたんだから。圭一の部屋に上がって、待っててくれるかな」 圭一「ふふ〜ん♪」 圭一「ただいまーっと」 伊知郎「おかえり。どこへ行っていたんだ、圭一。シャベルなんて持って」 圭一「あ、父さん帰ってきたんだ。おかえり」 圭一「シャベルは、まあ、ちょっとね……部活で使ってたんだ」 伊知郎「そうか」 圭一「そ、それじゃ、俺は部屋に行ってるから」 22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/20(土) 23:49:43.79 ID:UkRH0gxi0 圭一「うーむ。しかし今になって思えば、南極嫁を捨てたのは早計だったかな」 圭一「飽きたとはいえ、けっこう根の張る代物だったし。またいつか使いたくなる時があるかもしれないのに」 圭一「まあいいか。しばらくはH本でまったりと……うおっ!?」 レナ「………」 圭一「なな、なんだ……!? なんで俺の部屋に南極嫁が!?」 圭一「山に捨ててきたはずの南極ワイフが、俺の部屋に戻ってきてる!?」 圭一「そそ、そんなバカな! 埋めたダッチワイフが部屋に戻ってくるなんて……」 圭一「ひょっとしてあれは本物のレナ……なわけないか」 圭一「レナが俺の部屋に上がりこんで寝てるなんてありえるわけないもんな」 圭一「どど、どうしよう……超こえぇ……捨てたダッチワイフの呪いだ!!」 圭一「昔、なんかの漫画で読んだことある!」 圭一「ダッチワイフをないがしろにした呪いが、ついに俺の身にも!? ひぃぃ!」 23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/20(土) 23:53:01.59 ID:UkRH0gxi0 伊知郎「どうしたんだ、圭一?」 圭一「あ、と、父さん!? お、俺ちょっと、もう一回でかけてくる!!」 伊知郎「あ、おい、圭一! レナちゃんは…… 圭一「レレ、レナのことなんて、知らないよ俺! じゃあ急ぐから!」  ばたん 伊知郎「ん? 何かあったのか?」 レナ「……あふ」 レナ「ふわあぁ……あ……」 レナ「いっけない。圭一くんの部屋でついつい居眠りしちゃった」 レナ「圭一くん、遅いな」 圭一「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい!」 圭一「ダッチワイフさんごめんなさい!」 30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/20(土) 23:59:03.84 ID:UkRH0gxi0 沙都子「はあはあはあ……」 沙都子「ちゃんと確認しないと……あれがレナさんの……圭一さんがレナさんを埋めていたのかどうかを、確認しなきゃ」  ざくざく 沙都子「とにかく、あれが本当に圭一さんとレナさんだったのかを確認しないと!」 沙都子「圭一さんがレナさんを土に埋めるなんて恐ろしいことをするはずない……うぅぅ……ぐす……」  ざくざく ざくざく 沙都子「よいしょ……はあはあはあ……レ、レナさんの髪の毛が見えてきましたわ……」 沙都子「……あら? なんですの、これ?」 沙都子「これは……ビニール? ん?」 沙都子「変な口をしたビニール製の人形ですわ??」 沙都子「これって、一体なんなんでございましょう?」 35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/21(日) 00:03:44.78 ID:MVrtMnhW0 沙都子「よく分かりませんが、よかった………」 沙都子「圭一さんがレナさんを山奥に埋めていたなんて恐ろしい想像が外れて、本当によかったですわ」 沙都子「でも、一体このビニール人形は何なのでしょう? どうして圭一さんはこの人形に制服なんて着せてるのでしょう?」 沙都子「謎は深まるばかりですわ」 沙都子「持って帰って梨花に聞いてみましょう」  〜10分後〜 圭一「はあはあはあ!」 圭一「確か、ここだったよな、南極嫁を埋めた場所は」 圭一「………あれ?」 圭一「あれ? あれ? あれ?」 圭一「なんで……なんで土が掘り返されてて、南極がなくなってるんだ!?」 37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/21(日) 00:09:00.54 ID:MVrtMnhW0 圭一「ここに来る途中で、やっぱり俺の部屋に横たわっていたのは本物のレナだったんじゃないかと思ったりもしたが、これではっきりした」 圭一「やっぱりあれは南極だったんだ! 俺に山奥へ埋められ、俺に恨みを抱いたダッチワイフがここを這い出て家に帰ってきたんだ!」 圭一「ここは普段から、絶対に誰も訪れることのない深山! 偶然通りかかった人が偶然土を掘りおこし、偶然埋まっていた南極を持ち帰るなんてありえるはずがない!」 圭一「どう考えても、やつがひとりで這い出てきて帰ったとしか思えない!」 圭一「ひ、ひいぃぃぃ!」 圭一「どど、どうしよう、どうしよう! お、お、おれ、俺は一体、どうしたらいいんだ!?」 圭一「まさか、これがオヤシロ様の呪いってやつなのか!?」 圭一「い、いやだ! こんなの絶対に嫌だ!」 40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/21(日) 00:14:48.74 ID:MVrtMnhW0  〜古手神社〜 沙都子「ただいまですわ」 梨花「おかえりなのですよ、沙都子。お肉の安売りには間に合いましたですか?」 沙都子「それどころじゃないのですわよ、梨花。これをご覧くださいませ」 梨花「ブッ!」 梨花「げほっげほっ! うー、ごほごほ! お、お茶が……」 沙都子「どうしたんですの、梨花? 大丈夫ですこと?」 梨花「さ、沙都子……なんて物を小脇にかかえて帰ってきやがったのですか……」 沙都子「それが私にも分からないのですわよ」 沙都子「実はですね。今日私がお肉を買いに行っていたら…… 梨花「なるほど。事情はだいたいのみこめましたです」 沙都子「それで、梨花にはこれがなんだか分かりますかしら? 変な顔をしたビニール人形ですけれど」 梨花「ま、まあ、ね……」 梨花「ええと……それはですね……」 梨花「浮輪なのですよ。にぱー☆」 沙都子「浮輪? ああ、なるほど! そういわれればそうですわね!」 沙都子「よくワニとかイカダの形をした浮輪が売られてますものね!」 梨花「そ、その類の人形なのですよ……にぱー」 43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/21(日) 00:20:17.85 ID:MVrtMnhW0 沙都子「まったく。ワニとかイカダならともかく、こんな等身大の女性をかたどった浮輪を買うなんて、圭一さんらしいですわね!」 梨花「実に圭一らしいのですよ……圭一め……」 沙都子「そうですわ、梨花! せっかく面白いものが手に入ったことですし、これから市民プールへ泳ぎに行きませんこと!?」 梨花「え!? その浮輪を持ってですか!?」 沙都子「そうですわよ。梨花も言ってたじゃありませんか。今日は特別暑いから、沢に泳ぎに行きたいって」 梨花「た、確かに今朝そう言いましたけど……」 沙都子「ちょうどいいじゃありませんこと。どうせなら、興宮の市民プールへ行きましょうよ!」 梨花「……ぼ、僕はやめておいた方がいいと思うのです……」 沙都子「なにをおっしゃってますの。行きますわよ!」 沙都子「せっかくの休日なのですから、魅音さんやレナさん、圭一さんも誘って行きましょう!」 梨花「………沙都子以外の人がみんな気まずい思いをすることになるのです」 沙都子「???」 49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/21(日) 00:25:13.85 ID:MVrtMnhW0 圭一「はあはあはあ! と、とりあえず家に帰ろう!」 圭一「そしてどうなっているのか、状況を確認しよう! いつまでも動き回るゾンビのようなダッチワイフを野放しにはできないからな!」 圭一「話して解決できるなら交渉するし、供養が必要なら供養もする!」 圭一「とにかく丁重に成仏していただかないと!」 レナ「あれ、圭一くんじゃない。おーい!」 圭一「あ、レナ!」 レナ「圭一くん、どこ行ってたの? 泥だらけだよ、だよ?」 圭一「いや、こ、これは……」 圭一「そ、そうだレナ! レナはここへ来る途中、レナを見かけなかったか?」 レナ「え? レナが、レナを? どういうことだろ? だろ?」 圭一「ああ、いや……すまん。見てないならいいんだ。俺もだいぶ混乱してるな」 圭一「すまん! 俺、急ぐからもう行くな!」 レナ「あ! 圭一くん!」 レナ「行っちゃった」 レナ「家にプリント置いてきたって伝えたかったのに……」 50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/21(日) 00:31:24.36 ID:MVrtMnhW0  〜前原家〜 圭一「はあはあはあ! た、ただいま!」 伊知郎「おかえり。って、なんだ圭一、その泥だらけの格好は!」 圭一「ごめん、父さん! 俺、後で掃除するから!」  だだだだだ 伊知郎「まったく。困ったものだな。せっかくレナちゃんからプリントを預かっているというのに」 伊知郎「もう知らん。居間の机の上においておけば、夕食までには気づくだろう」 圭一「くそっ! いない! 南極のやつ、俺の部屋から出てどこへ行ったんだ!?」 圭一「逃がしたのはまずかったな……父さん、南極のこと見かけてるかな」 圭一「父さん!」 伊知郎「なんだ騒々しい。父さんは疲れてるんだ。静かにしてくれ」 圭一「ごめん。あのさ、今日、えと……レナがうちに来てなかったかな?」 伊知郎「レナちゃんか。ああ、きてたよ。さっき眠そうな顔で帰ったところだ」 圭一「やっぱりそうだったんだ……ありがとう父さん!」 圭一「父さんの話しぶりからして、まだ遠くへは行ってないな!」 圭一「逃がさないぞ、南極! かならずこの前原圭一さまが成仏させてやるからな!」 53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/21(日) 00:39:26.70 ID:MVrtMnhW0  〜園崎家〜 梨花「こんにちは〜、なのです」 魅音「おや、梨花ちゃんに沙都子じゃん。どうしたんだい?」 沙都子「実は、これから梨花と2人で興宮の市民プールに泳ぎに行くところなのですけれど、どうせだったら部活メンバーも一緒にどうかと思いまして。お誘いに来たのでございますわ」 魅音「そうだったのかい。そりゃいいね!」 魅音「おじさんも今朝から暑くってさ。沢へ泳ぎに行こうかな〜なんて思ってたところだから、丁度よかったよ!」 沙都子「決まりですわね! それじゃ、あとはレナさんと圭一さんを誘えば全員集合ですわね!」 梨花「圭一がもじもじして居心地悪そうにしているのも、想像してみるとけっこう面白そうなのですよ。にぱー☆」 魅音「ところで、さっきから沙都子が小脇にかかえてるレナそっくりのビニール袋はなんだい? 等身大人形?」 沙都子「うふふ、どうです? 珍しいでござましょ? これは浮輪なのですわ!」 魅音「浮輪? 浮輪って、あのワニとかトドとかの形をした乗っかるタイプの浮輪?」 魅音「へ〜、おじさんもいろんな玩具を見てきたけど、こんな浮輪は初めてみるわ! 面白いじゃない!」 梨花「玩具は玩具でも、大人の玩具だから」 詩音「あら、沙都子に梨花ちゃんじゃないですか。はろろ〜ん」 詩音「ん? あれ? ひょっとして沙都子が持ってる大きい人形って、まさか……」 詩音「ぬが────ッ!」 57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/21(日) 00:47:33.73 ID:MVrtMnhW0 沙都子「どうしたんですの、詩音さん? 突然ゴジラのような奇声をあげて」 詩音「沙都子! その人形、どこで手に入れたのですか!?」 沙都子「この浮輪ですの? これはですね、私がお肉の特売に向かってる途中……  〜雛見沢・県道〜 圭一「レナー!」 レナ「あれ? 圭一くん? どうしたんだろ、だろ。さっきすれ違ったばかりなのに」 圭一「なあレナ。ひとつ聞かせてくれ。お前はレナだよな? 茨城から去年引っ越してきた、我ら雛見沢分校のクラスメイト、竜宮レナだよな!?」 レナ「なにを言ってるの、圭一くん。そんなの当たり前じゃない。レナはレナだよ?」 圭一「よかった。こっちは本物か」 レナ「??」 圭一「じ、実はな……ええと、なんていうか、なんて説明していいやら……」 圭一「い、今だな、この雛見沢内に、レナそっくりの人物がいるんだ」 レナ「はう? レナそっくりの、レナじゃない別人ってこと?」 圭一「そうなんだ! にわかには信じられないと思うが、信じてくれ。事実なんだ」 レナ「圭一くんの様子からすると、ウソをついてるようには見えないし。おかしな話だけど、信じるよ」 圭一「信じてくれたか。ありがとう!」 圭一「それで、もしレナそっくりのレナじゃない別人を見つけたり話にきいたりしたら、すぐ俺に知らせてくれないか?」 レナ「い、いいけど?」 レナ「レナじゃない…別人……。レナそっくりの、レナ以外の人物……」 レナ「こ、これって、まさか……前に鷹野さんから借りたスクラップ帳に書かれてあった、あのことなんじゃ……!」 62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/21(日) 00:55:48.57 ID:MVrtMnhW0 レナ「圭一くん! 圭一くんの言うレナじゃない竜宮レナがこの雛見沢内にいるっていう情報は、本当なの!?」 圭一「ああ。間違いない。俺がこの目で見ている」 レナ「……なんていうこと……あの突拍子もない鷹野さんのオカルト話が、まさか真実だったなんて……!」 レナ「圭一くん、これはもうキミと私だけの問題じゃないよ。鷹野さんや警察にも連絡して、すぐに対応しなくちゃいけない重大なこと!」 圭一「えぇ!? い、いや、そこまですることじゃ……ていうか、なんて鷹野さん?」 レナ「そんなことより! 急ぎましょう!」  〜園崎家〜 詩音「お姉! 私はひとっ走りして、圭ちゃんに会ってきます!」 魅音「う、うん。でも、突然どうしたんだい?」 詩音「話は後です。いいですか? 私が戻るまで、絶対にプールに行ってはいけませんよ!」 詩音「あんのスケベ! 色気づきやがって!」 詩音「私の沙都子になんてものを触らせやがる!」 詩音「公開処刑だ!」 詩音「レイプレイプレイプレイプレイプレイプレイプレイプレイプレイプレイプレイプ!」 詩音「クラウザーU世!」 64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/21(日) 01:03:37.57 ID:MVrtMnhW0 三四「ななな、なんですって!? スクラップ帳のアレが現れたですって!?」 レナ「はい。かなり信頼できる筋からの情報です」 三四「うふふ。そうなの……それは大変ねぇ」 レナ「それで例のスクラップ帳を持参して、警察に協力を仰ぐつもりなんですが、鷹野さんにも同行していただけませんでしょうか?」 三四「くすくす。そうねぇ」 三四(まさか私が適当に書いたオカルトチックな鷹野流ジョークが実在するなんて) 三四(おもしろいじゃなぁい。いいわ。たとえ茶番だと分かっていても、つきあってあげるわぁ) 三四「それじゃ、いきましょうか」 レナ「はい!」 入江「あ、あの、鷹野さん? まだ仕事中なのですが?」 三四「緊急事態よ、入江先生。あとのことは全て先生にお任せするわね」  〜入江診療所前〜 詩音「この圭ちゃん野郎、なに上等きめてくれてんのさ!」 圭一「うひいぃ! 首が、首がしまる……!」 詩音「ファッキュー!」 68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/21(日) 01:13:07.95 ID:MVrtMnhW0  〜園崎家〜 魅音「この人形につけてあるカツラとか制服、本当にレナの物そっくりだよね」 沙都子「圭一さんったら、どこでこんな小道具を手に入れたんでございましょうね」 梨花「しっかりハイソックスまではかせてあるのです。凝っているのですよ」 魅音「あ、そうだ。このカツラと制服をっと……」  ごそごそ 魅音「私がつけたら、どう? レナにそっくりでしょぉ?」 沙都子「魅音さんがカツラをつけても髪がはみ出てますわよ!」 梨花「カツラの中に括っている後髪をつめこめばいいのです」 魅音「こうかな。よいしょ……っと!」 沙都子「なんですのその頭! マッシュルームみたいに大きく膨れ上がってましてよ!」 魅音「しかたないじゃん。シュートヘアーのカツラに髪をつめこんでんだから」 圭一「ごめんなさい。反省してます。謝りますから、このことはレナたちには内密に」 詩音「仕方ないですね。今回だけですよ。貸し1ということで大目に見てあげます」 圭一「すまん。恩に着る」 詩音「でも、ダッチワイフが動き出すなんて話。信じられるわけないじゃないですか」 圭一「俺も冷静に考えてみると、何かの間違いだったんじゃないかと思えてきた」 レナ「殺せ! 宇宙人を殺せ!」 三四「レナちゃんったら。スイッチ入っちゃってるわね。うふふ」 73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/21(日) 01:20:22.66 ID:MVrtMnhW0 圭一「あああー! おお、おれ、おれ、おれの空気嫁がッ!」 圭一「動いている!」 魅音「今度はどう? ぐっと髪を詰め込んでみたから、さっきよりは頭が目立たなくなったでしょ?」 梨花「みー。これなら、後姿はレナそっくりなのですよ」 沙都子「あら、詩音さんが帰ってきたようですわよ。圭一さんやレナさんも一緒ですわ」 梨花「それは都合が良いのです」 レナ「あ、あ……あれは、間違いない、私だ!」 レナ「もうひとりの私じゃない私がいた!」 圭一「俺の嫁!」 三四「あら、魅音ちゃんじゃない。こんにちは」 魅音「鷹野さんじゃないですか。どうしたんですか、こんな時間に。まだ診療所はやってる時間ですよね」 圭一「俺が悪かった! 成仏してくれマイワイフ!」 圭一「悪霊退散! 悪霊退散!」 魅音「うわっ! ちょ、圭ちゃん!? なんで塩をかけるの!? や、やめ……!」 レナ「死ねぇ偽物め!!」 魅音「ぎゃあああぁぁぁ!」 魅音「なな、なにやってんのレナ!? なんで鉈なんて振り回してるのさ!?」 78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/21(日) 01:28:45.15 ID:MVrtMnhW0 レナ「あはははは! あっははははは! 私は救うの!」 レナ「この雛見沢を! 日本を! 地球を!」 レナ「私たちの住まうこの地上を、お前らのような薄汚いエイリアンに奪われてなるものか!」 魅音「ちょっとレナ! わけの分からないこと言ってないで、よく見て! ほら、私だよ! 魅音だよ!」 レナ「はあはあはあ!」 レナ「魅ぃちゃんの偽物まで用意していたのか、宇宙人め! その頭、たたき割って緑色の血を一滴のこらず搾り取ってやる!!」 魅音「うわああぁぁぁん!」 圭一「悪霊退散! 悪霊退散!」 詩音「ちょっとレナさん! 暴れないでください! 部屋の中がメチャクチャに!」 詩音「鷹野さん! 笑ってないで止めてください!」 三四「レナちゃん! 見たでしょ!? 宇宙人は園崎家の敷地内にいた。これがどういうことか分かる?」 レナ「つまり、園崎家が事件に関わっているということですね!」 詩音「なに煽ってるんですか!?」 三四「レナちゃん! さあ、行くわよ! 敵の本拠地へ!」 レナ「本拠地!?」 三四「そう!」 三四「古手家の聖域! 祭具殿よ!」 圭一「南無阿弥陀仏! 南無阿弥陀仏! 南極1号! 南極1号!」 84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/21(日) 01:36:46.93 ID:MVrtMnhW0 レナ「皆殺し! 皆殺し! 地球を救え! 宇宙人なんてクソクラエ! エイリアンなんてウンコクラエ!」 三四「そうよ! その意気よ! その調子で祭具殿の入り口をブチ破るのよ!」 圭一「南無阿弥陀仏! 南無阿弥陀仏!」 魅音「うわああぁぁぁん! やだよぉ、追ってこないでぇぇ! えーん、もうやだぁ!」 詩音「まてぇ! なんて足の速い! 獣道でなければ単車が使えるのに!」 沙都子「一体どういうことですの!? なんでレナさんと圭一さんはあんなわけのわからないエキセントリックなことを口走っているんですの!?」 梨花「これもすべて圭一の性欲と鷹野の知識欲のせいなのです」 羽入「あうあうあう! 梨花、なんとかあの暴走トレインを祭具殿に着く前に止めてくださいなのです!」 羽入「でないと僕のおうちが真っ二つにされてしまうのです!」 羽入「あうあうあうあうあうあうあうあう!」 梨花「大丈夫よ。鷹野がそんなことすはずないわ」 羽入「分からないのですよ!」 レナ「燃やせ! 焼き尽くせ! 祭具殿を! 悪の根城を! 本能寺のように!」 三四「いいけど、祭具を全部運び出してからにしてちょうだいね。くすくす」 羽入「ほらぁ、あんなこと言ってるのです!」 梨花「どうしたものかしらね」 86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/21(日) 01:45:40.95 ID:MVrtMnhW0 富竹「………う〜ん……むにゃむにゃ………」 富竹「……うふふ。鷹野さんったら……もう食べられないよ……zzz……」 富竹「………うひひ………みんな見てるよ……」 ???「富竹……富竹……」 富竹「ぇう? だ、だれだい? どこからともなく、古手神社の境内で日向ぼっこしながら惰眠をむさぼっている僕の夢の中で呼びかけてくるのは?」 ???「富竹。あなたにお願いしたいことがありますです」 富竹「ま、まさか、あなたは、オヤシロ様!?」 富竹「この神々しいまでの光! やさしく、慈しみに満ちた暖かい輝き!」 ???「そうなのです。僕がオヤシロさまなのです。あうあう」 ???「今、雛見沢を鎮護する古手神社祭具殿に危機がせまっているのです」 富竹「祭具殿に、危機?」 ???「はい。とても恐ろしい狂気がものすごい悪意をもって迫っているのです」 ???「その者たちは祭具を全て持ち出し、祭具殿に火を放って焼き払おうとしているのです」 富竹「なんだって!? この雛見沢を守る祭具殿を、焼き尽くそうとしているだって!?」 ???「あなたにその輩たちを食い止めてもらいたいのです」 富竹「ああ、お安い御用さ。この愛すべき雛見沢に仇をなそうとする者たちなど、この僕が蹴散らしてみせるよ!」 ???「頼んだのですよ、勇敢なる戦士、富竹ジローよ」 92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/21(日) 01:52:33.50 ID:MVrtMnhW0 圭一「南無阿弥陀仏! 南無阿弥陀仏!」 レナ「南無阿弥陀仏! 南無阿弥陀仏! 南無阿弥陀仏! 南無阿弥陀仏!」 三四「レッツファック! 走りだした衝動はもう止まらない!」 魅音「止まってよー! わぁぁぁん! もう帰りたいよー!」 魅音「助けて、おかーさーん!」 レナ「皆殺し! 全殺し! 宇宙人なんてバラしてしまえ! 犯罪になんてなりはしない! だってここは治外法権!」 圭一「南無阿弥陀仏! 南無阿弥陀仏!」 三四「燃やし尽くすのよ! ファイヤー! おーほっほっほ!」 富竹「そこまでだ!」 魅音「富竹のおじさま!?」 富竹「祭具殿を焼き払うなど、そんな恐ろしいことをもくろんでいたなんて」 富竹「鷹野さん! いくらあなたでも許されることではないですよ!」 富竹「さあ、バカなことはやめて、今すぐ帰ろう。オヤシロ様も困っているよ」 三四「やーよ」 富竹「やーよって言われても。僕がやーよだよ」 97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/21(日) 02:01:05.47 ID:MVrtMnhW0 富竹「たとえ鷹野さんが相手でも、引いてはいけない時がある」 富竹「それが、そう! まさに今なんだよ!」 三四「ジローさんなんて大嫌い」 富竹「………え?」 三四「私の研究の邪魔をするなんて。優しかった、私の大好きだったジローさんなら絶対にするはずないもの」 富竹「いや、それは……」 三四「大きな包容力で私を包んでくれる。たとえ神を敵に回したとしても、世界中の人間に逆らったとしても、最後の最後まで私を支えてくれる人」 三四「それが私の知っている、私の大好きなジローさんよ!」 富竹「そ、そこまで持ち上げられても……」 三四「あなたはジローさんじゃないわ! 私のジローさんじゃない! あなたなんて、ただの筋肉ダルマよ!」 富竹「そ、そんな……!」 富竹「ぅぅう………!」 富竹「オヤシロさま、ぼ、僕は……やはり……」 三四「今よ、レナちゃん、圭一くん! ジローさんを取り押さえるのよ!」 102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/21(日) 02:07:10.11 ID:MVrtMnhW0 富竹「うおおおぉぉぉおおぉぉぉぉぉ!」 富竹「富竹ダブルラリアートッ!!!」  バッキィィィ! 圭一「ぐわぁ!」 レナ「きゃあっ!」 三四「な、なんですって!? そんな……ジローさんは私の愛を失いかけ、非力な筋肉に成り果てていたはずなのに!」 富竹「鷹野さん……確かに僕はキミの愛を失うことが恐ろしいよ。こういう子どもっぽところに惹かれていることも確かさ」 富竹「だけどね。それでも、それでも言わなければいけないことがあるんだ! 僕にしか言えないことがあるんだ!」 富竹「今日こそ言わせてもらうよ! ずっとキミに振り回されてきた僕だけど、今日こそは言うよ! オヤシロ様の力を借りて!!」 富竹「放火はいけないことです!」 富竹「悪いことをするなら、予算はあげません!」 三四「なななな、なんですってぇ!!?」 110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/21(日) 02:13:44.75 ID:MVrtMnhW0 三四「くうぅぅ……! まさかここでお金の話を出されるとは……想定外だったわ!」 富竹「雛見沢に溶け込み、秘密裏に研究を進める気がないのなら、もうこの研究は終わりにするよう上司に報告します!」 三四「そ、それだけは!」 三四「……ごめんなさい、ジローさん。私が間違っていたわ」 富竹「分かってくれたのかい、鷹野さん!」 三四「ついテンションが上がっちゃって、ノリでここまで来てしまったけれど、よく考えたら祭具殿に火を放つなんて恐ろしいことですものね」 富竹「よかった。平和的に話がついて僕も助かったよ」 三四「もう二度と軽率な真似はしないわ! 誓うわ!」 富竹「その言葉が聞ければ満足さ。もう僕から言うべきことは何もない!」 三四「だから予算カットは見送ってね!」 富竹「これで祭具殿の危機は去った!」 富竹「オヤシロ様、安心ください!」 羽入「あうあうあう! 熟年カップル愛憎劇に2人が陶酔してる間にみんな行ってしまったのですよ!」 116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/21(日) 02:24:36.40 ID:MVrtMnhW0 レナ「氏ね氏ね氏ね氏ね氏ね氏ね氏ね!」 圭一「南無阿弥陀仏南極1号! 南無阿弥陀仏愛人1号!」 詩音「鷹野さんはリタイヤしたけど、あの2人がトランス状態であることに変わりはないです!」 梨花「急がないと、祭具殿バッドエンドは目前なのです!」 入江「待ちなさい、そこの2人!」 沙都子「監督!?」 入江「まずいですね。精神が非常に昂ぶっています。このままでは雛見沢症候群を発症しかねない危険な状態です」 圭一「どいてください、監督! そこの祭具殿の奥にダッチワイフを蘇らせた古代の呪いが目覚めているんです! 早くなんとか封印しないと、雛見沢中がダッチワイフの群で溢れかえってしまう!」 レナ「その祭具殿の中に危険な寄生虫を研究している施設があるんです! 雛見沢の平和のためにも、そこをどいてください監督!」 入江「2人とも、だいぶ興奮しているようじゃないですか。ここはひとつ鎮静剤でも打って冷静になりませんか?」 レナ「私たちは冷静です! 冷静に判断して雛見沢の危機を救おうとしているのです!」 圭一「監督だって嫌でしょう!? 使い古しのダッチワイフが人と同じように生活している雛見沢なんて!」 入江「確かにそれは嫌ですね……」 122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/21(日) 02:32:05.65 ID:MVrtMnhW0 レナ「鎮静剤なんて不用です! 話なら祭具殿で全てをやり終えてからゆっくりしますので。監督は引っ込んでてください!」 圭一「そうだ! ダッチワイフの呪いを解かない限り、雛見沢に明日はない!」 入江「でもですね。大事の前の小事ともいいますし、あれ? ちょっと違うかな?」 入江「とりあえずですね。ここでじっくり考えをまとめるのも良いと思うのですが」 圭一「そんなまだるっこしいことしてられません! 今すぐ乗り込むんだ!」 圭一「でないと雛見沢は、メイドヘブンどころか南極帝国になってしまいますよ!」 入江「なんと! それは看過できない一大事ですね!!」 梨花「いいからとっとと注射打つのです」  どす 圭一「うひん!」 バタッ レナ「ああん!」 バタッ 梨花「ふう。これでようやく大人しくなったのです」 入江「おのれ南極帝国! 我がメイドパラダイスに敵対するイカ臭そうな不浄の勢力め!」 入江「この入江京介が! 神聖なるメイド神に代わり! 神罰をくれてやります!」 入江「ええい、この邪魔な錠前め! こうしてやる! こうしてやる! えい! えい!」 梨花「入江も一本打っとくといいのです」  どす 入江「めいど」 バタッ 126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/21(日) 02:40:08.95 ID:MVrtMnhW0 レナ「ごめんね、魅ぃちゃん。いっぱいいっぱい怖い思いさせちゃって……」 魅音「いや、いいんだよ。悪いのはレナだけじゃないんだしさ。それに、アクション映画なみのスリルを感じられたしさ。肌で」 圭一「すまん。俺もどうかしてたよ。冷静に考えたら、ビニールでできたダッチワイフが動き出したりするわけないよな」 詩音「まったくです。圭ちゃんはもうちょっと思慮深く行動することを心がけるべきです」 梨花「詩ぃが言っても説得力がないのです」 富竹「でも、何にしても祭具殿が無事でよかったじゃないか」 三四「そうね。私の研究の金銭的危機も回避できたわけだし。祭具殿の中が見学できなかったのは残念だけど」 入江「私まで熱くなってしまって。面目ない」 魅音「まあ、仕方ないよ。いろんな不幸な偶然が重なって、今回みたいな騒ぎになってしまったんだから。特定の誰かが悪いってわけじゃないよ」 圭一「さすが部活の部長は心が広いな」 魅音「当然! これでも園崎家の時期頭首なんだからね! それくらいの器の大きさは持ってないと!」 詩音「とりあえず、一件落着ってところですかね」 沙都子「そうですわね。とんだ騒動でしたわ」 レナ「そうだ、沙都子ちゃん。さっきから気になってたんだけど」 沙都子「なんですの?」 レナ「沙都子ちゃんは、なんでダッチワイフなんて持ってるの?」 圭一「………」 130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/21(日) 02:46:16.34 ID:MVrtMnhW0  〜園崎家・地下祭具殿〜 魅音「圭ちゃん、なにか申し開きはある?」 圭一「………ないです」 詩音「潔いことですね」 レナ「ダッチワイフにレナの格好させるなんて。どういうつもりなのかな、圭一くん」 圭一「………反省しております」 沙都子「まったく。なんで浮輪を山に埋めていたのかは分かりませんが、紛らわし行為は謹んでいただきたいものですわ!」 圭一「………申し訳ない」 圭一「ちくしょー。こんなことになるんだったら、空気嫁なんて買うんじゃかったぜ」 圭一「ダッチワイフはもう懲り懲りだよ」 詩音「で、圭ちゃん。手と足、どっちがいいですか?」 圭一「手と足? なにがだ?」 詩音「やだなぁ。とぼけちゃって」 詩音「ケジメですよ」 圭一「けじめ?」 136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/21(日) 02:52:54.00 ID:MVrtMnhW0  〜前原家〜 圭一「ただいま……」 圭一「疲れた……。今日は疲れた………いろんな意味で。肉体的にも精神的にも」 圭一「だいたいあいつらは分かってないんだよな。男にとって空気嫁という、妄想を具現化したアイテムがどれほどの価値をもつかを」 圭一「でも今回のことで懲りたよ。もうダッチワイフはたくさんだ」 伊知郎「おかえり圭一」 圭一「ああ」 圭一「あれ? 玄関に届け物が。父さんにか」 圭一「封が空いてる。中身は……ちょっと見ちまえ……」 圭一「………」 圭一「『前原伊知郎様 ラブドール 右代宮縁寿1/1サイズ』」 圭一「…………」 圭一「………おやじ………」 圭一「わかってるじゃないか」   おしまい 150 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/09/21(日) 03:19:21.80 ID:MVrtMnhW0 こんな時間までつきあってくれてありがとう。うんこ行ってて感謝の言葉が遅れたことを謝ります。 全然展開を考えてなかったから最後の方が尻すぼみになってしまったけど。 少しでも楽しんでもらえたらそれで満足です。 じゃまた、何かの機会にでも。