園崎魅音の分裂 1 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/23(土) 22:05:28.70 ID:R1HC0h4X0 圭一「おはよーっと…沙都子は、休みか」 レナ「沙都子ちゃん…」 朝、教室に入ってまず沙都子の姿を探すが、いないようだ。 昨日は部活も久しぶりにやれたしあいつも気分転換になっていたようだけど… 梨花「圭一にレナ、魅ぃもおはようございますなのです」 レナ「沙都子ちゃん、来てないね」 魅音「あ、先生来るよ!はやく席ついて」 みんなはうなずくとホームルームのため各々の席に戻った 知恵先生が教室に入ってきた。今日も沙都子のいない一日が始まるのか… 4 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/23(土) 22:11:27.17 ID:R1HC0h4X0 知恵「昨日学校から帰った後北条さんを見た方はいませんか?」 ホームルームが始まってすぐに先生はこんなことを言い出した。 なにかあったのか? 知恵「…実は昨夜北条さんとその叔父さんが行方不明になられました」 圭一「はぁ!?沙都子が…行方不明!??」 魅音「ええ?ど、どういうことですか先生??」 梨花「………!?」 生徒達が一斉に騒ぎ出す。 6 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/23(土) 22:13:57.17 ID:R1HC0h4X0 知恵「みなさん静かに!」 圭一「お、おい魅音知ってたか!?」 魅音「あたしもびっくりだよ!どういうことよ!? ってかなんであたしに聞くよ!?」 知恵「もしお二人のどちらかでも見かけたら、 私か興宮警察署の大石という人に連絡してください」 7 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/23(土) 22:16:18.28 ID:R1HC0h4X0 ホームルームが終わったあと俺達は職員室の知恵先生の元へ 詳しい話を聞きに行った。 圭一「先生!沙都子と叔父が行方不明って、本当ですか!?」 知恵「落ち着いて前原くん、ここは職員室です」 魅音「圭ちゃん、ここは私にまかせて。 それで、どういう経緯で行方不明ってことになったんですか」 知恵「ええ、今日朝早くに警察の大石さんから電話があって、    沙都子ちゃんと叔父さんが失踪したって。先生も詳しいことはよくわかってないのよ」 10 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/23(土) 22:19:15.29 ID:R1HC0h4X0 魅音「じゃ先生は警察から連絡を受けただけなんだね?」 知恵「はい…学校が終わったら話を聞きに警察署へ行くつもりです」 圭一「よし、俺達も行こうぜ」 魅音、レナ、梨花ちゃんの三人がうなずいた。 知恵「あなた達よっぽど沙都子ちゃんが心配なのね…    じゃあ先生と一緒に行きましょう」 圭一「よろしくお願いします」 12 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/23(土) 22:24:05.88 ID:R1HC0h4X0 夕方、学校が終わって俺達は先生の車で輿宮警察署へ向かった。 知恵先生は受付の人に大石という人と面会したい旨を伝えたようだ。 知恵「会議室で話をしてもらえるみたい。行きましょう」 俺達は先生の後に続いた。 会議室のなかはクーラーはついていたが蒸し暑かった。 きっといま動かしたとこなのだろう。 用意してあったイスに座って待っていると、 一人の見た目若い、まだ新人のような男が入ってきた。 田中「今日は暑い中お越しいただきありがとうございます。    今日は大石は外回りでいないので代わりに私がお話させていただきます。田中です」 14 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/23(土) 22:26:28.06 ID:R1HC0h4X0 知恵「そうですか、お仕事中申し訳ありません。    北条沙都子ちゃんとその叔父の件について詳しく伺いにきました」 田中「助かります。明日あたりこちらから伺おうと思っていましたし」 圭一「それで、沙都子はいつ失踪したんですか?」 知恵「前原くん!もうすこし順をおって…」 田中「いえ、かまいませんよ。はやる気持ちもわかりますし」 知恵先生は自分の生徒の態度に申し訳なく思っているようだが俺達はそんなことどうでもいいんだ。 とにかく沙都子のことを知りたい。 17 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/23(土) 22:31:05.08 ID:R1HC0h4X0 田中「昨日の午後8時ころに110番が入りましてね。    北条沙都子さんと北条鉄平さんに対して捜索願いを出してほしいと」 圭一「ちょっと待ってください!なんで行方不明なんてわかるんですか!?    沙都子は昨日学校にいたんですよ!?」 魅音「たしかに、二人で出かけているのかもしれないし、    まだ行方不明と決め付けるには早すぎる段階だよね。    それに捜索願なんて誰がだしたの?」 田中「ええ、それに関してなんですが…    こちらに連絡されたのが入江診療所の入江先生でしてね」 魅音「監督が?あ、一人身だった沙都子を監護してるからか」 20 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/23(土) 22:33:38.60 ID:R1HC0h4X0 圭一「監督?入江先生って映画の監督でもやってんのか?」 レナ「入江先生は私達が所属してる野球クラブの監督もやってるんだよ」 圭一「なるほど、だから監督か。    で、なんで入江先生が連絡すると沙都子達が行方不明扱いにされるんだ?」 田中「それなんですがね。    昨日の失踪する直前入江先生が沙都子さんに電話で呼び出されているんですよ」 圭一「沙都子が入江先生を?」 田中「ええ。そして入江先生が家に到着したところ、    沙都子さんも鉄平さんも誰もいなかった、というわけです」 21 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/23(土) 22:35:02.60 ID:R1HC0h4X0 田中「しかも入江先生いわく沙都子さんは錯乱ぎみで、    もし外にでようものなら村人に危険が及ぶと言ってましてね」 魅音「それで村人に被害がでる前に探し出してほしいってわけか」 梨花「あの、沙都子はなんと言って入江に電話したのですか」 おとなしかった梨花ちゃんが大石に質問をぶつける。俺も気になっていたことだ 田中「ええと、たしか『叔父が怪我をしたので診にきてほしい』という内容でした」 圭一「叔父が、怪我?」 魅音「…」 22 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/23(土) 22:36:46.45 ID:R1HC0h4X0 これ以上警察署にいても情報は得られないだろうということで俺達は署を後にした。 その帰り道、知恵先生と別れてから魅音の家で沙都子について話し合うことになった。 レナ「圭一君は魅ぃちゃんの家は初めてだよね。    魅ぃちゃんちはすっごく大きいんだよ、だよ」 圭一「ほぉー、そいつは楽しみだな」 魅音「古い家だよ。手入れが大変でさ」 そんな話をしながら俺達は魅音の家へとやってきたわけだが… 23 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/23(土) 22:38:24.88 ID:R1HC0h4X0 圭一「うわぁー…なんつー家だよ。でかすぎるぜ」 レナ「ね、言ったでしょ」 圭一「よし、じ、じゃあ呼び鈴鳴らすぞ」 レナ「なんで緊張してるの」 ピンポーン しばらくすると、どたどたと落ち着きのない足音が俺達の方にやってきた。 魅音「はーい…お、やっときたね!    まぁ上がって上がって。梨花ちゃんはもう来てるよ」 25 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/23(土) 22:39:55.25 ID:R1HC0h4X0 圭一「お、お邪魔しまーす」 レナ「おじゃましまーす」 魅音の後についていく。しかしなんつー広い家だよ…。 居間に案内されると既に梨花ちゃんが待っていた。 梨花「レナに圭一、遅いのですよ」 圭一「ごめんごめん」 魅音「梨花ちゃん早いね」 梨花「魅ぃの家はお菓子がいっぱいでるので早く来て独り占めしてましたです」 テーブルにあるお盆の中を見るとお菓子が半分ほどなくなっていた。 28 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/23(土) 22:43:18.41 ID:R1HC0h4X0 しばし談笑していた俺達だが話のネタが切れはじめてきたころ、 魅音が話を切り出した。 魅音「さて、そろそろ本題にはいろうか」 圭一「…ああ、お茶のみにきたわけじゃないしな」 梨花ちゃんとレナも真剣な顔になる。 魅音「うん…早速だけど、沙都子がいなくなったことだけど、みんなはどう思ってるのかな」 レナ「…私は最初行方不明って聞いたときは、叔父さんが沙都子ちゃんを…その、虐待がいきすぎて 殺しちゃって、死体を隠して逃げたのかと思ったよ」 29 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/23(土) 22:45:30.83 ID:R1HC0h4X0 魅音「うん、私も…」 圭一「俺もだ。だけどあの沙都子から入江先生への電話、    あれはなんだったんだ…」 魅音「たしか『叔父が怪我をしたから診にきてほしい』って内容だったよね」 圭一「そして入江先生が北条家に着いたときには二人はいなかった…」 魅音「…うーん、叔父の虐待に沙都子が反抗して怪我をさせ、    焦った沙都子は叔父を診てもらうため診療所に電話、    その後油断した沙都子を叔父のやつが…ってところかな」 ガンッ!! テーブルを叩く音に皆びっくりする。誰かと思えば梨花ちゃんだった 30 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/23(土) 22:47:41.52 ID:R1HC0h4X0 梨花「…なんでみんな沙都子が殺されたと決めつけるのですか! まだわからないのです!きっと、沙都子は…沙都子はぁ!…生きて、うぅ…」 涙を流しながら俺達に訴える。 …なにやってんだよ俺は。そうだ、まだ決まっちゃいないんだ! 圭一「…そうだな梨花ちゃん、あいつがやられるわけないよな。悪かった」 魅音「ごめんよ、梨花ちゃん」 レナ「…」 32 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/23(土) 22:50:46.14 ID:R1HC0h4X0 圭一「よし…俺達で沙都子を捜そう!」 魅音「わ、私達で!?」 梨花「圭一…」 圭一「このまま警察の捜査をまってるだけなんて俺達がやることじゃねぇ!    俺達でできることをするんだ」 魅音「圭ちゃん…そうだね!よぉし、そうときまれば明日の休みは沙都子捜索だよ!    まずは聞き込み捜査だね」 圭一「おぉし!燃えてきたぜ!絶対見つけてやるからな、待ってろ沙都子ぉ!」 梨花「…ありがとう圭一」 34 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/23(土) 22:52:06.89 ID:R1HC0h4X0 よぉーし、こうなりゃ俺達無敵の部活メンバーに不可能はないぜ! 魅音「えーっと…警察と、監督のところかな。聞き込む必要があるのは」 圭一「じゃあ明日は二手に分かれて行動しよう」 魅音「あ、じゃあ私は監督の診療所へ向かうよ、あと一人は、けい…」 レナ「圭一くんは私と警察署へ行こうよ。まだ街のほう行ったことないでしょ?    一度は行ってみたほうがいいよ」 魅音「え、あ…」 38 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/23(土) 22:54:46.70 ID:R1HC0h4X0 圭一「おお、そうだな。助かるぜレナ!」 梨花「…じゃあボクと魅音で診療所へ行きます」 魅音「…うん、そうしよう」 圭一「よし、明日は気合入れていくぞ!みんな!」 レナ「おー!」 梨花「おー!なのです」 魅音「おー…」 42 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/23(土) 22:56:28.46 ID:R1HC0h4X0 TIPS−園崎魅音の憂鬱 話し合いが終わり、園崎魅音は一人自室でさきほどのことを思い返していた。 魅音「うう、圭ちゃんのばかぁ…    少しくらい気づいてくれてもいいじゃないかぁ。」 魅音「はぁ…もしかして、レナも圭ちゃんのこと…いやまさか」 コン、コン 魅音「ッ!? は、はーい!誰ですか」 沁子「おやすみ中のところ申し訳ありません」 44 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/23(土) 23:00:10.05 ID:R1HC0h4X0 魅音「なんだ沁子さんかー。どうかしました?」 沁子「お電話です」 魅音「電話ね、ありがとう。すぐ行くよ」 魅音「はい代わりました、魅音です」 魅音「あれ、鷹野さん!めずらしいねぇ。どうしました…    え?……はい、はい。わかりました。それじゃあ明日」 ガチャン 魅音「…そっかー。どうしよ…とりあえず梨花ちゃんに電話だ」 46 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/23(土) 23:03:19.24 ID:R1HC0h4X0 ふたたび受話器をとり番号を回す。 魅音「…あ、もしもし梨花ちゃん?魅音だけど、    明日の聞き込み調査ね、あれできなくなっちゃって」 魅音「それで明日は中止ってことに…いや、違うんだよ!園崎家の会合でさ!    …そりゃ沙都子のほうが大切だって!!でもねっ!…あ…切れちゃった」 魅音「はぁ〜、梨花ちゃん怒ってたなぁ…ほんっと、損な役回りだわ」 魅音「まぁ、これで明日の調査は中止になったし良しとするか」 沁子「電話、終わりましたか?お食事の準備が整いましたよ」 魅音「いっけない、ばっちゃを待たせちゃってるね。ありがと沁子さん」 TIPS−終 47 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/23(土) 23:04:21.13 ID:R1HC0h4X0 ??「…ち、…いち…おきなさ…!」 圭一「う、うーん…なんだよ…」 藍子「圭一!おきなさい、お客さんきてるのよ!」 圭一「あ、母さん…今何時だよ…」 藍子「いいから!お友達がきてるわよ!」 圭一「お客?…ああ、レナのやつ、いつもの場所に集合って言ったのに」 藍子「それがレナちゃんじゃなくて…」 48 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/23(土) 23:06:44.90 ID:R1HC0h4X0 伊知郎「け、けいいちぃいいい!」 圭一「うおっ!?なんだよ親父まで」 伊知郎「お、おきゃ、おきゃくさまが…か、かわいい!!」 圭一「…何言ってんだ。時間は…7時?」 藍子「さっきから待たせてるのよ!    はやくいってやりなさい!」 伊知郎「そうだぞ圭一!    あんなちっちゃくてかわいい子を待たせちゃいかんぞ!」 圭一「わかったよ!今行くから!…」 49 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/23(土) 23:07:39.48 ID:R1HC0h4X0 レナのやつ、いつもの場所で待ち合わせっていったじゃねえか。 それに10時集合だぜ。まだ全然時間あるってのに… このドアあけたら文句の一つでも言ってやらんと気が済まんぜ。 圭一「ちょっと早すぎだぜ〜、レ…な…?」 梨花「みぃ〜☆おはようございますなのです、圭一」 圭一「梨花ちゃん?」 51 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/23(土) 23:10:57.82 ID:R1HC0h4X0 まさか梨花ちゃんだったとは予想外だった。 とりあえず俺の部屋にあがってもらって話を聞こう。 圭一「それにしてもどうしたんだ?こんな朝早くに俺の家に」 梨花「お休みのところごめんなさいです」 圭一「それはいいけど、    今日は梨花ちゃんは魅音と診療所へ行くんだろ?」 梨花「そのことなのですが、    魅ぃに今日は聞き込み調査を中止にしようと言われましたのです」 53 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/23(土) 23:12:50.56 ID:R1HC0h4X0 圭一「中止ぃ?なんでだ?」 梨花「園崎家で会合があるとかで私がこれないから中止にしようとか、    そんな感じで言われたのです」 圭一「あいつ…沙都子と園崎とどっちが大事なんだよ!」 梨花「それで、今日はどうしましょう…圭一」 圭一「行こう。俺達は調査するんだ!魅音のやつなんか知るか!    梨花ちゃんは俺とレナと一緒に警察署に行こう。それでいいか?」 梨花「圭一…もちろんなのですよ!」 54 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/23(土) 23:15:59.09 ID:R1HC0h4X0 圭一「よし、そうと決まれば腹ごしらえだ。    梨花ちゃんは朝飯は食べたのか」 梨花「朝は食べなくても大丈夫なのです」 圭一「いかーーん!!そんなんじゃ大人のレディにはなれないぞ!    母さーん!メシをもう一人分追加してくれ!」 梨花「そんな、申し訳ないで…」 藍子「了解よー!たくさん食べてね♪」 梨花「…あ、ありがとうございますです」 55 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/23(土) 23:18:19.01 ID:R1HC0h4X0 メシ中は両親がずっと浮かれていた。まぁ子供は男一人だったからわからんでもないが… とくに親父なんてことあるごとに梨花ちゃんに話しかけていた。 それに見かねた母さんのスネ蹴りに微動だにしないところはすごかったが…全く恥ずかしいぜ。 圭一「…よし、そろそろレナと待ち合わせの場所に行くか」 梨花「圭一、いくらオセロで負けそうだからって逃げるのは卑怯なのですよ?」 圭一「い、いや!決して逃げるわけじゃない!もう時間が迫っている!」 梨花「…そうですね。そろそろいきましょう」 57 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/23(土) 23:21:32.21 ID:R1HC0h4X0 待ち合わせ場所に二人で行くとレナは既に待っていた。 圭一「待たせてわりいレナ」 梨花「お待たせしましたのです」 レナ「あれ、梨花ちゃんどうしたの?    たしか魅ぃちゃんと診療所じゃなかったかな、かな」 圭一「それが魅音のやつ園崎の会合とかで今日はいけないんだと。    それで一人じゃ心配だから俺達と行くといいと思って」 レナ「…そうなんだ。それじゃあ一緒に行こうか」 圭一「ああ。よし早速三人で警察署へ行こう」 59 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/23(土) 23:24:42.37 ID:R1HC0h4X0 熊谷「大石さん、起きてくださいよ大石さん」 大石「んん?熊ちゃん、もうちょっと寝かせてくださいよぉ…    昨日も徹マンで私、もう限界です」 熊谷「来たんですよ、北条沙都子の情報提供者が」 大石はそれを聞いてむくっと起き上がり、自分の頬をぱしっと叩く。 大石「…すぐ行きます。その方たちを会議室へ案内してください」 熊谷「どうすんですか」 大石「まぁ、私にまかせてください。んっふっふっふ」 61 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/23(土) 23:27:05.31 ID:R1HC0h4X0 熊谷「それじゃあこちらの部屋でおまちください。    すぐ担当のものが来ますので」 そういわれて俺達が案内された部屋は、 学校の教室よりちょっと小さいくらいの部屋で長机がロの字に置かれた、 いかにも会議室って感じの部屋だった。 圭一「ふぅ…意外とあっさりここまで来れたな」 レナ「そんなに緊張しなくても、圭一くんなにも悪いことしてないでしょ」 圭一「何もしてなくても警察ってだけで緊張するんだよ」 62 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/23(土) 23:28:04.18 ID:R1HC0h4X0 レナ「そうかなぁ?レナはなんともないよ」 梨花「圭一は幼女誘拐の犯罪予備軍なのです。    だからビクビクするのはしょうがないのです」 レナ「け、圭一くん、今のうちに自首しよう!    大丈夫、レナがついてるから」 圭一「なにもしてねぇよ」 65 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/23(土) 23:29:17.76 ID:R1HC0h4X0 そんな話をしていると俺達が入ってきたドアから人が入ってきた。 年配の、結構がっしりした人だ。この人が大石かな。 大石「どぉもぉ!暑い中わざわざ来てくださってありがとうございます。    私が大石です」 圭一「あ、どうも。こちらこそ…前原圭一です」 大石「あぁ!あの前原屋敷の息子さんですかぁ!    いやあ遠いところからどうもです」 66 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/23(土) 23:30:07.09 ID:R1HC0h4X0 レナ「竜宮レナです。こっちは古手梨花ちゃんです」 大石「おやおや女の子まですいませんねぇ」 レナ「今日は沙都子ちゃんの件についてお聞きしたいとこがあって来ました」 大石「あ、ああ。そうですね。無駄話なんかしててもしょうがないですもんねぇ。    それじゃあ早速本題へいきましょうか」 67 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/23(土) 23:32:15.01 ID:R1HC0h4X0 大石「あなた方は情報提供者と聞いたんですが、    まずそちらの話から聞かせてもらいましょうか」 圭一「はい…俺達が知っているのは、    沙都子の行方がわかるような情報ではないんですが、    関係あることだと思ったので話させてもらいます」 大石「大歓迎ですよぉ!そんな捜査が解決するような情報がごろごろしてたら、    もうとっくに北条さんは見つかってるってもんです」 圭一「どうも…ですが俺達が話すかわりに、    そちらも知っている情報全てを教えてくれませんか」 いままで緩んでいた大石の顔が締まる 大石「ほぉ〜…全部、ですか」 68 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/23(土) 23:34:49.90 ID:R1HC0h4X0 圭一「ええ。現段階でわかっていること全部です。    でないと話しません」 大石「交換条件ってやつですか。    もしかしてあなたたち自分で北条さん達を探すおつもりで?」 圭一「ええ、そうです」 大石「…わかりました。いいでしょう。    そのかわりあなたたちも、ちゃぁんと全部、話してってくださいよぉ?」 圭一「…ありがとうございます」 69 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/23(土) 23:37:03.97 ID:R1HC0h4X0 大石「それじゃああなた方からお願いします」 圭一「はい」 一度深呼吸して脳をクリアにする。 圭一「…行方不明になった叔父と沙都子の関係は知っていますか」 大石「関係…といいますと?」 圭一「沙都子は、叔父にひどい虐待を受けていたんです」 大石「ほう…」 大石は持ってきたノートに俺の発言を書き込み始めた。 70 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/23(土) 23:39:12.97 ID:R1HC0h4X0 圭一「そのせいで、学校に来たとき、    俺のことを叔父と間違えてとてもおびえたこともあります」 大石「…それで?」 圭一「そのときはなんとか何事もなく済みましたが…    沙都子は精神的にとてもまいっている様子でした。    それが沙都子が行方不明になる日の朝のことです」 大石「そうですか…」 72 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/23(土) 23:41:25.55 ID:R1HC0h4X0 圭一「…とにかく、叔父は沙都子にひどい虐待をおこなっていました」 レナ「だから、こんどの行方不明も叔父さんはただの被害者じゃないんじゃないか…    って思うんです」 大石「…ほぉ。例えばどう叔父が絡んでいると思います?」 レナ「…虐待がいき過ぎて、沙都子ちゃんを殺してしまって…」 圭一「レナ!」 レナ「…」 大石「…なるほど。あなたがたの言い分はわかりました」 74 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/23(土) 23:43:46.92 ID:R1HC0h4X0 圭一「はい、これで終わりです」 大石「そうですか…」 大石はそう言うとメモしていたノートを閉じて鉛筆を置いた。 そして俺達を難しい顔をして見直す。 大石「残念ですがねぇ、今言ってもらったことはもう存じているんですよ。    竜宮さんの推理は別としてね」 圭一「っ…本当ですか」 そうじゃないかと思ってはいたけど、やっぱりか… 75 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/23(土) 23:44:27.51 ID:R1HC0h4X0 大石「ええ。といってもおたくの学校の生徒に聞いたんですけどね」 レナ「…じゃあ、警察の知っている情報は教えてもらえないんですか」 大石「そうですねぇ、せっかくここまで来てもらって悪いんですが…」 梨花「そんな…」 …ここまで来て、あきらめられるかよ。 なんとしても、聞き出すんだ! 76 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/23(土) 23:45:19.12 ID:R1HC0h4X0 圭一「待ってください!そりゃああんた話がちがいますよ!」 大石「おお?…威勢がいいですなぁ。    こりゃおもしろい。どう違うっていうんです?」 大石の目つきが変わった。俺を試すような態度… なめんなよ!この前原圭一を! 圭一「俺達は知っている情報を話すから、その後あんた達話せっていったんだ」 大石「確かに言いましたねぇ」 77 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/23(土) 23:46:19.62 ID:R1HC0h4X0 圭一「あんたが知っている情報なら話さないなんてそんな条件なかったぞ!」 大石「え…?」 大石のやつ、ポカーンとしてやがる。やっぱ無理があるか… 大石「…これはこれは、確かに言ってはいませんなぁ」 圭一「そうだ!だから話すべきだ!」 大石「むちゃくちゃですなぁ…まぁいいか」 圭一「話してくれるのか!?」 78 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/23(土) 23:47:23.30 ID:R1HC0h4X0 大石「いいでしょう。特別サービスですよ?    普通はこんなサービスしないんですけどねぇ」 圭一「あ、ありがとうございます!」 梨花「圭一!さすがなのです」 大石「やれやれ、話すと言った途端にころっと態度を変えましたねぇ。んっふっふっふ」 圭一「あ、すいません…」 大石「それじゃあ、さっそくお話を…    といきたい所ですが、大事な話なんで部屋を変えましょう」 80 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/23(土) 23:48:11.40 ID:R1HC0h4X0 圭一「え?別にここでもいいですけど…」 大石「ないしょ話はここではできないんですよ。    さ、ついてきてください」 圭一「え、ちょっと大石さ…」 レナ「圭一くん、能力って本当に色々あるよね。    人によって多種多様、千差万別」 レナが急に俺を制止し何か言い出した。 なんだってんだ? 81 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/23(土) 23:49:19.19 ID:R1HC0h4X0 圭一「?…そうだけど、どうしたんだ急に?」 レナ「圭一くんは人に攻撃するだけの能力しか見てないからかな。    私達の会話を盗み聞きできる能力者がいない保証はないよね」 圭一「…そういうことか。    しかし、そんなのいくら気をつけてもしょうがないんじゃないか?」 大石「着けばわかりますよ。さ、行きますよ」 82 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/23(土) 23:50:32.59 ID:R1HC0h4X0 案内された部屋は『隔離室』と書かれていた。 大石「さ、どうぞどうぞ。怪しい部屋じゃあありませんよ」 そういわれて入らされた部屋は、さっきの会議室と同じくらいの広さで 特に変わったところはない普通の部屋だ。 ただ、部屋の真ん中にぽつん、と置かれた机とイスが変だなと思った。 広い部屋なのに、学校で使っているような机が一つとイスが二つ、真ん中に置かれているんだ。 大石「イスが二つしかないんですよねぇ…申し訳ないですが、    どなたかお二人は立っていてもらえますか」 83 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/23(土) 23:51:42.82 ID:R1HC0h4X0 代表ということで俺がイスに座る。 大石「それじゃあ少々お待ちください」 大石は入り口付近にある電話を取り誰かと話し始めた 大石「もしもし?はい、四人です。そうですねぇ…    30分てとこですか。はい、おねがいします」 そういって受話器を置く。そして机に向かってくる 大石「お待たせしました。それじゃあ始めましょうか」 大石がイスに座り俺と対面する。その瞬間、 85 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/23(土) 23:53:01.10 ID:R1HC0h4X0 フッ… 圭一「!? 音が…」 突然周囲の音がやんだ。 さっきまで聞こえていた車の走る音も、窓から見えるスズメの鳴き声も。 圭一「な、なんですかこれ!?」 大石「落ち着いてください。    今私達がいるこの部屋が"隔離"されただけです」 86 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/23(土) 23:53:56.59 ID:R1HC0h4X0 圭一「か、隔離?」 大石「ええ。今この部屋は外部から隔離されています。 私達の会話ももれないし、外から私達は見えません」 レナ「大丈夫、これも能力だよ。    ここではないしょ話するにはこうでもしないとだめなんだ」 圭一「な、なるほど。    じゃあ誰か能力者がこうして俺達を隔離してくれてるってことか?」 レナ「うん。その人は圭一くんもよく知ってる人だよ、だよ」 圭一「え?誰だよ」 レナ「ないしょ。」 88 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/23(土) 23:55:23.42 ID:R1HC0h4X0 大石「さて、それじゃあ早速本題にはいりますか。    ええと、私達が掴んだ情報でしたね」 圭一「はい、お願いします」 大石が胸ポケットから年季の入った手帳を取り出す。 大石「ああそれと、今から話すことはもちろん他言無用ですよ?」 圭一「わかりました」 レナと梨花ちゃんもうなずく。 89 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/23(土) 23:56:28.76 ID:R1HC0h4X0 大石「…こちらの知っている情報ですがね、    実はもうこの行方不明事件は大体わかっているんですよ」 圭一「え?そりゃあどういうことですか?」 大石「時間もないですし率直に言いましょう。    北条鉄平さん、北条沙都子さんのお二人は拉致されたんです」 梨花「!!…」 圭一「拉致!?」 …ど、どういうことだよ。 拉致されただって…一体だれが、何のために。 90 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/23(土) 23:57:20.95 ID:R1HC0h4X0 圭一「は、犯人は誰ですか!?今、沙都子はどこに…」 大石「落ち着いてください。順番に話しますから」 これが落ち着いてなんていられるかよ!沙都子が拉致!?なんでだよ! レナ「圭一くん、落ち着いて。私達は何のために来たの?」 圭一「レナ…」 …そうだよ、俺達は騒ぐためにきたんじゃない。 沙都子を取り戻すために来たんだ。クールになれ… 91 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/23(土) 23:58:30.32 ID:R1HC0h4X0 大石「…みなさんは"東京"という機関をご存知ですか?」 圭一「と、東京?…俺は知らないです」 レナ「…たしか、私が雛見沢村に引っ越す前に、    村に引越しを勧めた人たちが、"東京"と名乗っていました」 大石「そうです。前原さんのところにも来ませんでしたか?    まだ雛見沢村に来る前、移住を勧めて来た人が」 …あのスーツの怪しいおっさんのことか! 圭一「俺に能力のことについて説明してくれた人ですね?それなら来ました」 大石「そう、彼らは"東京"という機関に属している人間です」 93 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/23(土) 23:59:38.05 ID:R1HC0h4X0 大石「彼ら"東京"はあなた達雛見沢症候群患者を    保護、監視、治療する機関です」 東京…俺をここへ引っ越させたのはそういう奴等だったのか。 レナ「それで、その"東京"と沙都子ちゃんとはどういう関係があるんですか」 大石「実は、沙都子ちゃんと叔父を拉致したのが、その"東京"なんですよ」 圭一「東京が!?な、なんのためにですか」 大石「それは、沙都子ちゃんが、    雛見沢症候群の末期症状を引き起こしてしまったからです」 96 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/24(日) 00:01:00.15 ID:YgekLjbj0 圭一「末期症状?なんですかそれは」 大石「それはですねぇ…ここからは話したことが知られると、    私の首があぶないんでねぇ、よろしくお願いしますよぉ」 圭一「はぁ…」 大石「雛見沢症候群はですね、    単に能力に目覚める…というのだけが症状ではないんです。    雛見沢症候群患者はその名のとおり"病気"です。ある一定の確率で死に至ります」 圭一「死ぬ!?俺全然なんともないですよ?健康です」 97 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/24(日) 00:01:59.33 ID:YgekLjbj0 大石「ええ。あなた方はまだ若いから大丈夫なんです。    ただ、その能力体質が60歳くらいまで治らなかった場合、    それから後の人生は送れない可能性が高いんです」 レナ「つまり私達はこのまま雛見沢症候群が治らないと60歳で死ぬ…    そういうことですか?」 大石「ええ。理由は老年期に入ったことによる体力、そして精神力の低下が原因です」 大石「詳しい原因はわかってないんですが、能力が人体にとって害となり、    高熱を出し、まもなく死亡すると聞いています」 99 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/24(日) 00:02:43.29 ID:YgekLjbj0 俺達三人は唖然とする。そりゃそうだ。 満足に生きられず60歳で死ぬかもしれないなんて言われたんだ。 俺だってショックがでかい。 圭一「…その、俺達がこのままだと老後を生きられないってのはわかりました。    それで、沙都子の末期症状とはどんな状態なんですか」 大石「末期症状、通称L(レベル)4は今のあなた達より症状が進んだ状態です」    その兆候として以前とは別の能力が現れます」 圭一「別の、能力ですか…?」 100 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/24(日) 00:03:37.90 ID:YgekLjbj0 大石「はい。あなたたちも今なんらかの能力を持っていると思いますがね、    もし末期症状になるとそれとは別の能力が現れるんですよ」 大石「そしてその能力は、えーっと、なんだっけかな、    背後霊、みたいなものが出てくるらしいです」 圭一「は、背後霊ですか…」 大石「ええ。よってその二つ、能力が変わる・背後霊のようなものがでてくる、    このふたつが末期症状の兆候です。」 102 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/24(日) 00:04:45.74 ID:YgekLjbj0 圭一「はぁ…それだけなら別に問題ないんじゃないんですか?    いまさら背後霊がみえても…なぁ?」 梨花「み、みぃ…」 あれ、梨花ちゃん返事に困ってる感じだな。 おばけの話とか苦手だったのかな。 大石「いや、末期症状になると、老後なんですがねぇ、    なんというか…死に様が壮絶なんですよ」 圭一「死に様?ど、どういうことですか?」 大石「あなた達の状態、通称L2の老年期のように熱を出して苦しんで死ぬとか    そんなかわいいもんじゃないんです。暴走するんですよ。その能力を駆使してね」 104 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/24(日) 00:05:39.66 ID:YgekLjbj0 圭一「暴走、ですか?」 大石「雛見沢村は昔、鬼の住む村なんていわれてましたが、    正に鬼のように暴れまわるんですよ。力尽きるまでね」 圭一「…それも、老後の話なんですよね?」 大石「その通り。それでも暴走するのは老後です。    ですが特殊なケースもあります」 大石「なんらかの要因で末期症状が引き出される場合、    例えば精神的に大きなストレスを感じたりすると    末期症状を引き起こす時があります」 圭一「…もしかして、それが沙都子ですか!?」 109 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/24(日) 00:06:46.70 ID:YgekLjbj0 大石「はい…沙都子ちゃんは叔父の虐待により相当なストレスを感じていたようで、    昨夜末期症状を引き起こしました」 圭一「そんな…沙都子…」 大石「…更に悪いことにですねぇ、    精神的ストレスが原因で末期症状にはいるとおよそ数日後に暴走、    L5といわれる状態になります」 圭一「ええ!?じゃあ沙都子はすぐにでも…」 大石「ええ。我を忘れ暴走するでしょう」 110 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/24(日) 00:07:44.56 ID:YgekLjbj0 沙都子がそんなことになっているなんて全く知らなかった。 じゃあ俺達が知っている沙都子にはもう会えないのかよ… 圭一「それで、沙都子は"東京"に拉致されたってのは…」 大石「それがですねぇ、そこがちょっとややこしいところでしてねぇ…    ありゃりゃ、もうすぐ時間だ。ちょっと一息入れましょうか」 壁にかけられた時計をみると、話し始めてから三十分が経とうとしていた。 111 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/24(日) 00:09:06.24 ID:YgekLjbj0 TIPS- 入江のノート No.1 ○雛見沢症候群の段階的症状について 雛見沢症候群は以下のように段階的に区別される。 ・能力無自覚段階(L1) 雛見沢症候群にかかってはいるが、能力を自覚・使用することが出来ない状態。 見た目には健常者と変わりはないため発見が難しい。この段階では老後の症状はでない。 しかし次段階へ進む可能性があることを考えるとこの状態でも早期に発見、治療する必要がある。 尚、この段階では患者を隔離、保護する必要はない。 112 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/24(日) 00:10:13.16 ID:YgekLjbj0 ・能力自覚段階(L2) 患者本人が能力を自覚・使用することが出来る状態。 健常者と違い非科学的な超能力を使うことができる。 この状態では老年期を迎える頃に、能力が害となり突然高熱によって倒れ、数日後死に至る。 この段階では健常者にとっても危険であるので早急に隔離する必要がある。 なお、次段階のL3に進むきっかけとして、自然に進むケースと、外的要因(精神的ストレスなど) によって進むケースの二通りがある。 ・完全覚醒段階(L3):自然覚醒 雛見症候群の末期段階である。 症状として、L2とは違う(多少影響がある)能力が現れる。また、"スタンド"という人型の 霊的なものが出現する。一説によると、患者が能力をしようできるのはこの"スタンド"の影響であり、 L2の能力とこの段階の能力は多少似ていることから、L2ではこの"スタンド"の能力の一部が使えるにすぎないと言われている。 この段階での老年期の症状は、我を失い暴走する。とても危険であり、この段階に進んだ患者は 一刻も早く治療することが必要である。 113 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/24(日) 00:11:03.60 ID:YgekLjbj0 ・完全覚醒段階(L4):外的要因による覚醒 L2からなんらかの要因でL3に進んだ段階である。 この段階の特徴として、この段階に進んだ数日後にはL3の老年期の症状が出る。 つまり年齢に関係無く暴走する。 この段階に進んだ患者を発見、保護した場合は早急に東京本部に連絡しなければならない。 ・暴走段階(L5) 老年期に入ったL3患者、またはL4患者にみられる段階。 体力が無くなるまで能力を駆使し暴走する。精神力の低下により能力を自制できなくなった 反動と思われる。 この段階に進んだ患者を発見、保護した場合は早急に東京本部に連絡しなければならない。 TIPS-終 園崎魅音の分裂・終 115 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/24(日) 00:13:29.09 ID:YgekLjbj0 ここで園崎魅音の分裂は終わりです。ありがとうございました。 見てくださった方、支援してくださった方、wktkしてくださった方、 あなたが神か。