竜宮レナの溜息 1 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/21(木) 22:53:45.85 ID:1jpuZCAf0 魅音「よーしわかったよ!犯人は梨花ちゃん、凶器はピストルで、場所は…図書館だ!」 沙都子「魅音さん早すぎですわ…どれどれ、あー当たりですわね」 魅音「へっへー余裕だね!」 圭一「くっそぉ〜また魅音に一歩先をいかれたか!よっしゃもういっかいだ!」 レナ「はぅ〜、まだ全然わかんなかったよぉ」 梨花「ボクはピストルなんか使わないのです。毒物でじわりじわりがいいのですよ」 沙都子「梨花、あなたが言うと本当っぽいですわね…」 4 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/21(木) 22:58:55.25 ID:1jpuZCAf0 転校からはや二週間、自分で言うのもなんだが俺はもう完全に雛見沢の一員となったと思う。 学校の生徒の名前も全員言えるし、近所のおばちゃんだってだいたい覚えたんだぜ。 さて、今はなにやっているかといえば、そう、部活だ。 6 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/21(木) 23:02:56.64 ID:1jpuZCAf0 この四人は俺が転校してくる前から、 おもに放課後に学校に残って"部活"名義のゲーム勝負をしていた。 そこに俺も半ば強制的に加入させられたというわけなんだが… こいつら新人の俺にも容赦ないんだよなぁ 沙都子「わかりましたわ!犯人はレナさん、凶器は斧、場所はラウンジですわ!」 魅音「おお早いねえ。えーっと…うん、正解だね」 7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/21(木) 23:09:29.74 ID:1jpuZCAf0 圭一「げー早すぎだろ沙都子ぉ!?」 沙都子「おーっほっほっほ!…あら圭一さんにレナさん、 まだ0ポイントですけど今日は体調でも悪いのかしらー」 圭一「へっ!でかい口たたいてられるのも今のうちだぜ、すぐ抜いてやるからみてろよぉ!」 レナ「そうだよ、だよ。絶対勝って罰ゲームは沙都子ちゃんにやらせてあげるね」 9 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/21(木) 23:10:31.88 ID:1jpuZCAf0 沙都子「おーっほっほっほ!すぐにそんなこともいえなくなりますわよー」 梨花「じゃあボクは圭一が罰ゲームに100ガバスです」 魅音「盛り上がってきたねえ!そんじゃあカードを戻してもう一回ね!」 11 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/21(木) 23:14:08.31 ID:1jpuZCAf0 二週間も住んでいればこの狭い村のことはほとんど把握した。 まずここ"能力者(=雛見沢症候群患者)"だけが住む村は今から5年ほど前に今の状態になったらしい。 というのは元々はここは普通の村で、能力者だけが住むように変わったのが5年前ということだ。 16 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/21(木) 23:19:41.26 ID:1jpuZCAf0 だれが何故この村を能力者のための村にしたのかはよくわからないが、 俺も移住させられたってことは結構大きな機関なんだろうな。 雛見沢症候群患者保護団体みたいなものなのかな? たしか両親から引っ越すとき詳しい話はされたんだけど… 急な引越しに混乱してちゃんと聞いてなかったからな。 17 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/21(木) 23:22:48.61 ID:1jpuZCAf0 俺、前原圭一は"この能力"に目覚めたのはひょんなことからだ。 能力に気づいたときは外出中で、 帰宅するとスーツでキメた知らないおっさんが家にいて、 「前原圭一君、あなたは雛見沢症候群という病気にかかりました」 なんて言われて、そこからとんとん拍子にこの村に引越しが決まって今に至っているわけなんだ。 最初は引越しする意味もわからなかったもんなぁ 19 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/21(木) 23:25:56.92 ID:1jpuZCAf0 "雛見沢症候群"ってのはその名のとおり病気だ。 生まれてすぐ発症している先天性の場合もあるし、 俺のように後天性のケースもある。 どんな病気かというと、なにかしらの"能力"をもつようになるんだ。 冗談じゃない。本気さ。 例えば富田君は『蹴った土を鉄球に変える』能力、岡村君は『電撃』の能力だったな。 21 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/21(木) 23:28:52.54 ID:1jpuZCAf0 富田君のように何かを別の何かに変える能力者は結構多い。 岡村君のような媒介となるものを必要としない能力者もいる。 つまり能力者のもつ能力は千差万別ってわけだ。 また、能力者である素質はあるが、自分の能力に気づかずにいたり使えない人もいる。 このケースも症候群患者によくいるらしい。 ちなみに名前の由来は雛見沢村で最初の被害者が出たから雛見沢症候群って名前なんだとさ。 23 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/21(木) 23:34:01.17 ID:1jpuZCAf0 さて、なぜこの能力をもつことが"病気"かというとだ。 これは俺の予想なんだが病気って言われてるのは、 きっと能力者なんて一般人からみたら恐怖な存在でしかないだろう。 もし歩いててちょっと肩がぶつかっただけでも能力者だったら 能力を使われて痛い目にあわされるんじゃないか、とかな。 もっと具体的にいえば能力を凶悪な犯罪につかわれて自分達の生活が脅かされるんじゃないかと思うだろう。 24 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/21(木) 23:37:02.97 ID:1jpuZCAf0 そんなやつらと一緒に生活なんてできない、 あんたらみたいな気持ち悪い人間じゃないやつらは隔離するべきだ!あいつらは病気だ! …とまぁそんな感じで雛見沢症候群なんて名前がついてしまったんだろう。 それで俺達みたいなやつが隔離されて一般人は安心して暮らせるってわけだ。 ん?話がまとまってないな…つまり差別的な意味で病気だと言われたんじゃないかってことだ。 26 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/21(木) 23:42:52.14 ID:1jpuZCAf0 疑問なのがどうやって能力者だけを隔離するのか、 つまりどうやって能力者を見つけるのかってことだが、 自己申告制なんかじゃない。 それなら一般社会で能力を使って楽したり悪事をはたらいたりするやつがでてくるし、 好き好んでわざわざ隔離されにくる物好きもそういないだろう。 俺も言われなきゃこなかったしな。 27 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/21(木) 23:47:01.28 ID:1jpuZCAf0 その能力者を見つけ出す仕組みの詳しいところは俺もわからないけど、 きっと見つける側も能力を使って能力者を探しているんだろう。 俺の場合は両親にだってこの能力のことは相談してないのに見つかったんだからな。 それもほんの数時間で見つかったんだ。 いったいどんあやつらなんだろう… 31 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/21(木) 23:50:33.59 ID:1jpuZCAf0 レナ「わかったよ!凶器は金属バット、場所はグラウンドで、犯人は、圭一君!」 圭一「ええっ!?まじかよくっそおおおお!」 魅音「レナ当たりだね!ってことは…罰ゲームは勝ちゼロの圭ちゃんにけってーー!」 沙都子「あらあら圭一さん、さきほどの強気は嘘でしたのかしらぁ」 梨花「人の罰ゲームは至福の時なのです」 32 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/21(木) 23:54:15.61 ID:1jpuZCAf0 圭一「はぁ〜…せっかく久しぶりの部活だったのになぁ」 魅音「さぁ圭ちゃん…これ着て一緒に帰ろ♪」 魅音が出したのは…ええ!?水着!??ビキニ?!もちろん女物!?!??!? 圭一「ちょ、ちょっとまてぇえええ!!!」 魅音「はいはい罰ゲームは絶対だよー?さっさとトイレにはいって着替えてきな! それともおじさんが手伝ってあげようか〜?」 33 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/21(木) 23:59:09.78 ID:1jpuZCAf0 レナ「はぁうううう!!!け、けけ圭一君のビキニ…うっ!」 沙都子「…レナさん、急に倒れましたけど大丈夫なんですの?」 梨花「いつものことなのです。にぱ〜☆…ところで魅ぃ、あのビキニは誰のですか」 魅音「へ?あたしのだよ。どして?」 梨花「…魅ぃがいいならいいのです」 35 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/22(金) 00:04:42.46 ID:tLhd7lSt0 TIPS-3 彼女は休みがち? はぁ〜罰ゲームとはいえ、村人にこんな姿みられたらもう外でれねぇよ… …しかし今日は久しぶりにあいつがきてくれて部活できたな〜。 毎日きてくれりゃあ放課後はずっと部活で遊べるのに。 部活は今大体週二回のペースだもんな。出席日数足りてるのか?あいつ… 魅音達は部活メンバーが全員そろわないと部活はしないって かたくなに主張してるし、まぁそれには俺も賛成だけどさ。 39 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/22(金) 00:09:09.11 ID:tLhd7lSt0 今度から俺が毎朝あいつの家まで迎えに行くか? 案外しっかりもののあいつも寝坊だったりするかもしれないしな… よし、明日の朝は早起きしてレナをたたき起こしてやるか。 明日からは毎日しっかり通わせてやるぜ!覚悟しておけよレナ! 40 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/22(金) 00:10:12.12 ID:tLhd7lSt0 魅音「圭ちゃーん!?早くしないとおいてっちゃうよー!」 圭一「ちょっと待って!着かたがわからな…置いてくなーー!」 ちくしょう、覚えてやがれ! …ところでこれ誰のビキニだ?…まさかな。 TIPS-終 43 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/22(金) 00:13:44.21 ID:tLhd7lSt0 *** レナ「ただいまー」 竜宮父「ああ、おかえり礼奈。今日もちょっと遅かったけど、部活とやらか?」 レナ「うん部活だよ。お父さんは、今日も役場にいってきた? お仕事みつかったかな、かな?」 46 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/22(金) 00:16:49.04 ID:tLhd7lSt0 竜宮父「え、あ、いや、今日は…リナさんと買い物にいってたんだよ! ほら、冷蔵庫に礼奈の好きなシュークリーム買っておいたぞ!」 レナ「お父さん、仕事しないとどんどんダメになっていくよ? 今はまだお母さんのお金があるからいいけどそれも有限なんだよ」 竜宮父「ああ…父さんもわかってるよ。明日…明日行くよ」 レナ「ホント?約束だよ」 47 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/22(金) 00:17:37.09 ID:tLhd7lSt0 レナ「…わかった。じゃあ、シュークリームもらうね」 そういうと私はそこから離れ二階の自室への階段を駆け上がった。 49 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/22(金) 00:20:53.14 ID:tLhd7lSt0 レナ「はぁ…」 ボフッ。 制服のまま私はベッドに倒れこむ。 最近私はある一人の女性のことでとても悩んでいる。 それはリナさんのことだ。 50 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/22(金) 00:26:27.44 ID:tLhd7lSt0 リナさんは最近父と仲の良い女の人。 きっと二人は大人のお付き合いをしているのだろう。 …たぶんだけど、お父さんはあの人と再婚するつもりでいるはずだ。 だけど…私はどうしてもあの人、リナさんを好きになれない。 女同士だからなんとなくわかる。 きっとリナさんも私が邪魔だと思ってるんじゃないかな。 51 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/22(金) 00:29:13.34 ID:tLhd7lSt0 あの人は父と仲良くしてるけど、本当は父のお金が目当てなんだと思う。 最近では父はリナさんに値が張るものを 豪快に買い与えているようだ。 前に父の預金額を通帳から調べたときに、 母からもらった慰謝料の貯金がだいぶ減っていた。 父は元々無趣味な人で、離婚してからいっそう お金を使う機会が減ったはずだ。 生活費以外で貯蓄が減ることがあまりなかった。 55 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/22(金) 00:35:37.82 ID:tLhd7lSt0 なのにあれだけお金を消費している原因は リナさんに貢いでいる意外考えられない。 前に父にそれとなくリナさんとのお付き合いを やめるように言ってみたけど全く手ごたえがなかった。 もう父はリナさんに骨抜きにされている。 なにを言っても聞いてはくれない気がする。 そうなると私にできることは、なにもない。 本人達が望んで付き合っているんだ。 私がどうこう言えるものでもないだろう。 56 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/22(金) 00:39:03.58 ID:tLhd7lSt0 いつもこの考えに行き着く。 結局どうすることもできないんだなぁ…私には… …あ、また電話がなってる。 この時間は、リナさんかな…今日もウチにくるんだ また居間のあの香水の残り香を消さなきゃ…あのニオイ嫌いだもん、 あぁ、今日は疲れた。 ちょっと…寝よう…… 58 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/22(金) 00:44:08.15 ID:tLhd7lSt0 レナ「…ん、あれ?あ、寝ちゃったんだ…」 窓を見るとすっかり暗くなっている。 時計を見ると二時間半ほど眠っていたようだ。 おなかがすいたな。そういえばごはん… お父さんとリナさんは外食でも行ったのかな? 60 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/22(金) 00:46:26.73 ID:tLhd7lSt0 階段を下りると明かりがついてる。 話し声が聞こえる。どうやらリナさん一人だけだ。 リナ「…うん、今いないよ。    アイス食べたいっていったら買いに行っちゃったのよ」 リナさんが電話している。そして父は今いないようだ。 私は悪いと思いながらもなんとはなしに電話を盗み聞きしていた。 61 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/22(金) 00:49:29.82 ID:tLhd7lSt0 リナ「うん!そうなの。今日実際に見せてくれたの、通帳。    4000万くらい入ってたわ」 リナ「だから今日…二時間後くらいかな、来てちょうだい。    そう、『リナになにしてくれとんじゃー!?』って感じね!あはは」 リナ「…いいのよ!まあすこしずつ搾取していくのもいいんだけどさ〜    やっぱ豪快に搾り取ってやりたいじゃない?」 リナ「だってあのひとやけに尽くしてくるし、ちょっと気持ち悪いのよねぇ」 リナ「…なによ?本当のワルはあんたでしょう?あはは」 リナ「ええ、それじゃまた後でね。    カモからしっかり搾り取ってやりましょう」 ピッ リナ「ふー…早く帰ってこないかな、あの人。うふふふふ」 …。 63 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/22(金) 00:52:17.67 ID:tLhd7lSt0 礼奈「リナさん…」 リナ「ッ!?…ああ、礼奈ちゃん。二階にいたんだ?    全然気づかなかったよ〜」 礼奈「ええ、寝てました。父はいないんですね」 リナ「そうなのよ。あの人今アイス買いに行ってるのよ。    レナちゃんの分も頼んでおいたわよ」 65 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/22(金) 00:58:30.39 ID:tLhd7lSt0 礼奈「…実は今日父から頼まれていたんですが、    リナさんにプレゼントがあるらしいんです」 リナ「え?プレゼント?」 礼奈「はい。でもちょっとここにはなくて、大きいものなので外にあるんです。    一緒に来てくれませんか?すぐそこですから 68 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/22(金) 01:01:46.30 ID:tLhd7lSt0 リナ「そうなの?でもなんで礼奈ちゃんが?」 礼奈「自分で渡すのは恥ずかしいから頼むと言われたんです。高級そうなものでしたよ」 リナ「…わかった、行くわ。案内お願いね」 礼奈「はい。じゃあ外へ行きましょう」 71 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/22(金) 01:05:08.82 ID:tLhd7lSt0 リナはきっとプレゼントは車だろうと思っていた。 前からあの人にほしいほしいとねだっていたし。 あれだけの大盤振る舞いをみせていたんだ、 そろそろそのくらいのものをポンと買ってもおかしくないだろう。 しかし、あのひとがわざわざ礼奈ちゃんに頼むというのが納得がいかなかった 72 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/22(金) 01:09:39.20 ID:tLhd7lSt0 あの人はいかにも "自分のお金で買ったプレゼントだよ?喜んでくれるよね?" とアピールしてくる人だ まさかこんなやり方でくるとは思わなかった。 リナ「礼奈ちゃん、結構歩いたけど、まだなの?    それにここ、ゴミ捨て場みたいだけど…」 73 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/22(金) 01:10:32.42 ID:tLhd7lSt0 礼奈「この辺でいいでしょう。すいませんがリナさん、    プレゼントを渡す前に…おはなしがあるんですが」 リナ「え、ええ。できればてみじかにお願いね。…あの人も家に帰ってくるし 74 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/22(金) 01:14:58.90 ID:tLhd7lSt0 礼奈「お父さんとどういうつもりで付き合ってるんですか?」 リナ「えっ、どうしたの急に…礼奈ちゃん、なんか変よ」 礼奈「いいから答えてみてください。    リナさんはお父さんの何が狙いなんですか」 リナ「狙いって…そりゃあいずれ結婚して幸せに…」 礼奈「嘘だッ!!」 79 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/22(金) 01:18:10.35 ID:tLhd7lSt0 リナ「っ!?」 礼奈「もう回りくどいことはなしにします。    さっきの電話、聞いてました。    たしか美人局っていうんですよね?ああいうの」 リナ「…」 礼奈「しばらくするときっと男の人がきて、    お父さんを脅してお金を要求するんでしょう?」 リナ「…」 80 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/22(金) 01:19:34.92 ID:tLhd7lSt0 礼奈「もう無駄ですよ?私、通報します。    もし嫌だったらさっきの男の人に電話して計画を中止するよう言ってください。    そして今後お父さんに近づかないでくだ…」 リナ「…黙れッ!!さっきからうるせぇんだよ!    電話盗み聞きなんかしやがって!てめえにとめられると思ってんのか!?    通報したきゃしてみろよ。てめぇだきゃあ絶対ぶっ殺してやるからさぁ!!」 81 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/22(金) 01:20:12.52 ID:tLhd7lSt0 礼奈「それが本性ですか。ほんとに醜いですね」 リナ「てゆーかぁ!アタシが今アンタをここで殺せばいいんじゃーん!あは!冴えてるゥ♪」 礼奈「…」 リナ「オラァ!脳みそぶちっまけてやるよォォォ!」 82 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/22(金) 01:20:42.55 ID:tLhd7lSt0 *** 84 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/22(金) 01:22:09.90 ID:tLhd7lSt0 *** 富竹「んー夜の散歩はいいねぇ!    ここに鷹野さんでもいれば最高なんだけど」 富竹「ん?…こんな時間にゴミ捨て場から声?…行ってみるか」 偶然夜の村を散策していた富竹は、 ごみ捨て場のほうから物音がするのに気づき、行ってみると二人の女性が口論していた。 88 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/22(金) 01:24:48.99 ID:tLhd7lSt0 しかも片方は村でたまに見かける竜宮レナだというのだから富竹は驚いた。 ??「…てゆーかぁ!アタシが今アンタをここで殺せばいいんじゃーん!あは!冴えてるゥ♪」 ??「オラァ!脳みそぶちっまけてやるよォォォ!」 そう叫ぶと、見知らぬ女は腕を振りかぶり、 レナにむかってそのこぶしを突き出した。 89 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/22(金) 01:29:05.22 ID:tLhd7lSt0 しかし二人は5メートルほどの距離があるので、もちろんこぶしは当たらない。 だがその瞬間そのリナの手の甲あたりからなにかが飛んだ。 そしてそれがレナのすぐ前の地面に着弾する。 レナはなにかを察したのか後ろに飛び退いた。 するとさっきまでレナが立っていた場所に2mくらいの柱が地面から突き出した 富竹「!?あれは、凍っている…氷の柱か? 90 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/22(金) 01:30:42.45 ID:tLhd7lSt0 よく見たらリナの右手の甲には牙、爪のようなものが浮いているように見える。 いまのはあれを打ち出したのか… ??「どうだい?アタシの"氷の爪"は。シビレるだろう?    いや、背筋が凍ったかな、かな?ひゃはははは!それぇ!」 女はレナ向かってに"氷の爪弾"を次々と発射する。 リナ「じっくりなぶり殺してやりたいとこだけど    時間もないしすぐ終わらせてあげるよ!」 92 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/22(金) 01:33:39.41 ID:tLhd7lSt0 だがレナは足場の悪いゴミ捨て場でも飄々としていて 連続で打ち出される氷の爪弾を軽々とかわしていた。 しかし"氷の爪"は着弾した箇所に氷柱をつくるので レナの避けられるスペースは序々になくなってきた。 既にあちらこちらに氷柱ができあがっている。 リナ「すばしっこいねぇ!!これでどうよッ!?」 リナが一気に二発氷の爪弾を発射する レナはほとんど氷柱によって周りを囲まれていたが、 器用にちょうど氷柱のないスペースにスッと避けた。 94 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/22(金) 01:36:53.26 ID:tLhd7lSt0 レナ「っ!?」 今まで流麗な身のこなしだったレナがそこで転倒した。 富竹「ど、どうしたんだレナちゃん…」 リナ「ぎゃーっはっはっは!かっこわりぃー!!    そこはお前がくると思って凍らせておいたんだよ!これで当たるでしょッ!!」 95 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/22(金) 01:37:36.25 ID:tLhd7lSt0 リナは体勢を立て直していないレナに氷の爪弾を発射した。 リナ「氷漬けになれやあああぁ!」 富竹「レナちゃん!!」 …。 礼奈「どうしたの?もう攻撃は終わったの?」 96 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/22(金) 01:41:40.49 ID:tLhd7lSt0 パキィンッ! 富竹「…どういう、ことだ?…」 さきほどレナにあたるはずだった氷の爪は"さっきまでレナがいた場所"に "たった今"着弾した。 リナ「は…え?ど、どういうこと…」 端から見ていた富竹にもわからなかった。 レナに氷の爪が当たったと思った瞬間、レナは"リナの目の前にいた"。 98 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/22(金) 01:43:10.17 ID:tLhd7lSt0 リナ「え?…なにいまの?嘘でしょ?あんた、どうやって避けたのよ…?」 礼奈「あれ?さっきまでの威勢はどうしました。    本当にころころ態度が変わる人だなぁ」 リナ「あ、あんたの能力は無生物を生物に変える能力でしょ!?    なんなのよいまのはぁ!!?」 礼奈「お父さん、そんなことまでリナさんに喋っちゃったんだ。    ホント、しょうがないなぁ」 100 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/22(金) 01:44:59.24 ID:tLhd7lSt0 リナ「ど、どういうことよ!?あの人に嘘をついたの!?    あんたの能力はなんなのよ!今能力使ったんでしょ!?」 礼奈「嘘なんかついてないよ。"レナ"の能力はその通り、    なんでもかぁいいいきものに変えちゃうんだよ?はぅー」 リナ「ふざけんなぁー!避けてもアタシの目の前に来たのがてめぇの失敗だ!    直に爪でぶったぎってやるよォ!!」 瞬く間に氷の爪を日本刀のような形状に変化させ、レナに横一文字に爪を振るう! 102 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/22(金) 01:50:10.70 ID:tLhd7lSt0 ズブッ リナ「…げふっ!がはっ、はああ、くっそが、ぐうぅ…な、なんなんだ、お前…」 礼奈「これで、もう二度とお父さんには近づけない」 富竹「…」 富竹は再度驚愕した。 女は確実にレナを射程距離に収め爪をなぎはらった。 しかし女の振るった爪は空を切った。 レナはいつの間にか女の背後にいた。 そして背中からいつ手に入れたのかわからないが、 持っていた包丁で女を深く刺していたのだ。 106 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/22(金) 01:55:39.46 ID:tLhd7lSt0 あの傷では女はもう助からないだろう。 しかし、まただ。またいつのまにかレナは"移動"していた。 しかも今度は包丁で刺す瞬間さえも見えなかった。 それに…さっきの会話からすると竜宮レナの能力は "無生物を生物に変える能力"であるはずなのに…どういうことだろうか… 富竹「これは調査が必要かもしれないな…」 *** 108 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/22(金) 02:01:44.90 ID:tLhd7lSt0 *** 礼奈「あ、もしもし?すいません、私竜宮といいますが、    あの、リナさんから伝言がありまして、はい。    えーっと、『予定は中止、園崎にみつかった』だそうです。    はいそうです。では失礼します」 ガチャッ リダイヤル機能を使ってリナが先ほど話していた相方の男に電話してやった。 しかし…こんなこと普通ならとても怪しいことに気づくだろう。 大事な、しかも知られたくないようなことを男にとって見ず知らずの少女に頼むはずがない。 いまから嵌めてやろうっていう男の娘に頼むなんてなおさらだ。 109 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/22(金) 02:04:31.35 ID:tLhd7lSt0 男も詳しく聞きたがっていたが、めんどくさいので早々と電話を切ってやった。 まぁ、もしその男がウチに来たとしても、リナと"同じこと"をするだけだ。 園崎の名前を使えばきっと怯んで簡単には動けないだろうと思って言ってみたけど… 足止めにはなるだろうか。 あとはリナの死体だ。リナを殺してからすぐ家に帰って電話したから まだ死体をあそこに置いたままだ。早く処理しよう…そして早く寝よう。今日はとても疲れた… *** 110 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/22(金) 02:07:29.86 ID:tLhd7lSt0 TIPS-4 相方の男 鉄平「おうどういうことやね!?園崎って…おい!    もしもし、もしもし!?…くそ、切りよった!」 鉄平は受話器をたたきつけると、さきほどまでの 金が手に入るという高揚感が一気に園崎への恐怖心に変わった。 111 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/22(金) 02:09:10.05 ID:tLhd7lSt0 (園崎?どういうことや?なんで本家がでてくんねん…  俺ら派手にやりすぎたんか?いや、金に困ったときしか美人局はやらんし  そんなはずない。とりあえずリナとは連絡つかへんし金もない…) 鉄平「…こういうときは、あそこやな」 TIPS-終 113 名前: ◆7LsipGI0Aw [] 投稿日:2008/08/22(金) 02:12:48.85 ID:tLhd7lSt0 竜宮レナの溜息・終 ここまで見てくださった方、ありがとうございました。 この話(一章)はここで終わりです。