長門有希の日記 1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 00:03:00.69 ID:TkOfgTCZ0 2008年03月×日 卒業式 本日付をもって、涼宮ハルヒの観測を終了。能力の消失を確認。 同時に、情報統合思念体からの独立を確認。 また、古泉一樹と朝比奈みくるも同様に任務を完了する。 両名を含むSOS団全員の卒業後の進路はK大学。 私という個体は、これから始まるだろう人間としての生活を楽しみだと感じている。 今日という日を記念して、日記を付けることにする。 2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 00:06:00.61 ID:TkOfgTCZ0 2009年7月×日 講義ノートの貸与 今日は彼から講義ノートを貸して欲しいとの依頼があった。 どんな形であれ彼と話す口実が出来るのは嬉しい。 『ありがとうな、長門』とお礼を言われた後、頭を撫でてもらった。 もうすぐテスト。彼の力になれるのならば幸い。 3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 00:08:40.81 ID:TkOfgTCZ0 2010年4月×日 花見 SOS団のメンバーで花見を行った。 以前はデータの集合にしか見えなかった桜を、美しいと思えるようになった。 少し、嬉しい。 皆で飲むお酒は美味しかった。 大学生活は楽しい。 また、来年も来れれば良い。そう思った。 4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 00:10:01.46 ID:TkOfgTCZ0 2011年12月×日 告白 先輩に告白された。 同じ学部の一つ学年が上の男性。名前は知らない。 彼に相談してみると、『長門がいいと思うなら付き合ってみたらどうだ』といわれた。 …少し、悲しい。 先輩には申し訳ないが断った。 いつか彼が気付いてくれるときがくるのだろうか。 来てくれると嬉しい。 5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 00:12:01.96 ID:TkOfgTCZ0 2012年2月×日 バレンタイン 彼にチョコレートを渡した。 恥ずかしかったが、受け取ってもらえてよかった。 …私の好意を、受け入れてくれるだろうか。 『ウマかったぞ』の一言が優しくて、また彼を好きになってしまった。 頑張った甲斐があった。 8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 00:13:36.67 ID:TkOfgTCZ0 2012年3月×日 ホワイトデー …期待していたわけではない。だから、別に良い。 10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 00:17:53.77 ID:TkOfgTCZ0 2012年3月×日 卒業 楽しかった大学生活も終わる。 これからはバラバラになってしまうと思うと、寂しい。 涼宮ハルヒは映画制作会社、古泉一樹は出版社、朝比奈みくるは大学院、彼は公務員。 私は研究施設で働くことになった。 12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 00:21:09.29 ID:TkOfgTCZ0 2015年3月×日 成功 私が受け持っていた研究テーマが大成功を収めた。 その功績で新たな研究の主任を任されることになった。 仕事自体は楽しい。 思念体とのコンタクトが途絶している現在、自ら発見することの喜びを見出した。 …皆は…彼は、今頃何をしているだろうか。 元気で居るだろうか。 64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 09:52:38.87 ID:TkOfgTCZ0 2016年8月×日 同窓会 久しぶりに皆に会えた。 驚くことに、涼宮ハルヒはもうすぐ結婚するらしい。 相手が彼ではない事を聞いてほっとしたのがバレていないと嬉しい。 …彼は、元気そうだった。少し痩せた。大人っぽくなった。 更に優しくなった。髪が少し長くなった。背が高くなった。 …私は、彼が好き。 どうすればいいの。 65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 09:56:44.07 ID:TkOfgTCZ0 2017年4月×日 涼宮ハルヒの結婚式 涼宮ハルヒはとても綺麗だった。 女である私から見ても、とても綺麗。 相手の人は、少しだけ彼に似ていた。 …羨ましいと思う。 私もいつか…そう願うのは、もうおかしいでは事ないはず。 だから帰りに、彼に話しかけてみた。 67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 10:00:54.39 ID:TkOfgTCZ0 2017年4月×日 彼と食事 結婚式以来再び彼と連絡と取り合うようになった。 今日は久しぶりに二人とも仕事が休み。 彼を食事に誘ってみた。 『晩御飯に一緒に行きたい。だめ?』 これだけのメールを打つのにこれ程緊張するとは思わなかった。 彼は相変わらず優しい。 楽しかった。 また行きたいと思う。 68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 10:04:56.20 ID:TkOfgTCZ0 2018年2月×日 雪の日 彼と一緒に出かけるようになって暫く。 私のことを『有希』と呼んでくれた。 嬉しくて泣いてしまいそうだったが、我慢した。 帰りに自宅に送ってもらう途中、彼が 『付き合ってくれ』 と言ってくれた。 泣いてしまった。 私は今日という日を絶対に忘れないと思う。 71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 10:09:49.32 ID:TkOfgTCZ0 2019年8月×日 指輪 彼が仕事場まで迎えに来てくれた。 急にだったのでびっくりした。 食事に言った後、彼がプレゼントを渡してくれた。 いつの間に私の指輪のサイズを知ったのだろうか。 左手の薬指、8号のピンクゴールドのリング。 結婚式はいつになるのだろうか。 嬉しい。幸せ。 76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 10:12:17.32 ID:TkOfgTCZ0 2020年4月×日 結婚 とても幸せ。 これからもずっとこんな生活が続けば良いと思う。 式にはSOS団の皆や、学生時代の友人、 驚いたことに新しいインターフェイスを介して情報統合思念体からも祝福を受けた。 皆には感謝してもしきれない。 ウェディング姿を綺麗だと言ってくれた。 …幸せ。 81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 10:16:31.76 ID:TkOfgTCZ0 2021年5月×日 妊娠 吐き気、倦怠感などの体調不良が原因で病院に行く。 妊娠1ヶ月。 彼との新しい命を紡ぐことが出来た。 必ず元気な子供を産んで、幸せにしてみせる。 彼が私にくれた愛情を、この子に与えてあげようと思う。 順調に行けば、この子も冬生まれになる。 86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 10:20:06.06 ID:TkOfgTCZ0 2021年9月×日 命名 医者の話によると、この子は女の子だという。 彼と一緒にその話を聞いた。 実は名前はもう決めてある。 有佳。 純粋で、美しい子に育って欲しい。 彼も異論はなかった。 94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 10:27:20.16 ID:TkOfgTCZ0 2022年1月×日 新しい命 好きな人との新しい命を生み出すことが出来た。 人間になれてこれ程嬉しいことはない。 有佳は予定よりもかなり早く生まれたためか、かなり体が小さい。 小さな声で、遠慮がちに産声をあげた。 彼と一緒に、大事に大事にしてあげようと思う。 96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 10:31:41.31 ID:TkOfgTCZ0 2023年1月×日 一回目の誕生日 今日は誕生日。 彼がケーキを買って帰ってくれた。 私は仕事を辞めているので、有佳と一緒に彼の帰りを待つ毎日。 有佳は驚くほどに運動能力の発達が早い。 将来は涼宮ハルヒを超えるほどの万能な子になるかもしれない。 誕生日プレゼントは、人形を買ってあげた。 98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 10:34:15.74 ID:TkOfgTCZ0 2023年4月×日 お父さん 実は彼と、どちらが先に呼んでもらえるか勝負していた。 有佳と一緒に居る時間は私のほうがずっと長いのに、 なぜか有佳は最初に『おとうさん』と言った。 少し悔しい。 しかし、有佳の成長が目ざましいのは喜ぶべきこと。 101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 10:37:26.03 ID:TkOfgTCZ0 2028年4月×日 小学校 有佳が小学校に入学した。 物静かな子なので苛められたりしないか心配。 入学式、なんと涼宮ハルヒと古泉一樹に出会った。 彼らの子供も同級生、しかも同じクラス。 有佳も楽しい学校生活を送ることができそう。 105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 10:42:52.45 ID:TkOfgTCZ0 2035年 美術部 有佳が美術部に入部したらしい。 運動と芸術に長けている有佳は他の体育会系から勧誘されたらしいが、 本人ははじめから美術部か文芸部に決めていたらしい。 親としては、すこし残念。 それから、涼宮ハルナちゃんがSOS団を作ったとの事。 美術部の部室が本拠地になりそうな気がする。 109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 10:49:37.19 ID:TkOfgTCZ0 2041年12月 回想 この日記も随分長い間続いてきた。 これで33年。12045日。 ノートも100冊近くになる。 思えば私が人間になってから、環境はかなり変化した。 普通の人間ならば、人生の折り返しとも言うべき年代。 彼もまた、若さはなくなってきている。 終わりを考えるのは辛い。 それでも私は幸せ。 111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 10:53:20.02 ID:TkOfgTCZ0 2045年4月×日 再び二人 有佳が家を出て一人で暮らすことになった。 見送った後、彼が私の肩を叩いて 『お疲れさん』 と言ってくれた。 貴方も、お疲れ様。 3人で暮らしてきたこの家は、有佳が出て行ってから妙に広く感じる。 寂しい。 114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 10:56:52.76 ID:TkOfgTCZ0 2050年12月×日 同窓会 久しぶりのSOS団。 皆懐かしい。朝比奈みくるは来なかった。 高校時代の話や、恋愛の話、子供の話、 色々な話をした。 皆幸せそう。 涼宮ハルヒが『有希はいつまで経っても変わらないで綺麗よね』 と言ってくれた。 少し、嬉しい。 117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 11:00:51.17 ID:TkOfgTCZ0 2070年12月×日 指令 肉体的な異変は今更言うまでもない。 誰もが気付いていながら、気付かない振りを続けてくれていた。 私の体は…老化しない。 情報統合思念体は私の精神活動の観測を続けており、 人間としての生活に自律進化の可能性を見出していた。 私の新たな使命は… 119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 11:03:50.86 ID:TkOfgTCZ0 2081年2月×日 無題 結婚式の時の言葉を思い出す。 『死が二人を別つまで』 誓いは果たされた。 本当に幸せだった。 彼も。キョンも、幸せそうな寝顔だと思う。 ありがとう。 124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 11:06:48.86 ID:TkOfgTCZ0 2081年2月×日 悲しい。 彼が居なくなった家はとても広い。 私一人には広すぎる。 有佳が『一緒に暮らす』と言ってくれた。 しかし、有佳には自分の幸せを満喫して欲しい。 127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 11:09:33.67 ID:TkOfgTCZ0 2081年3月×日 古泉一樹が彼を追う形で死去。 悲しい。本当に悲しい。涼宮ハルヒも、泣いていた。 告別式には多くの人が参加していた。 おそらくは機関の人間だと思う。 彼もまた、多くの人から愛された人。 古泉一樹、いままでありがとう。 130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 11:12:59.04 ID:TkOfgTCZ0 2081年3月×日 涼宮ハルヒ 涼宮ハルヒに呼び出され、ゆっくりと話をした。 『元祖SOS団も二人になっちゃったわね』 その言葉が辛かった。 それでも、SOS団を広く知らしめるという野望は達成され、 今も孫たちに引き継がれていると彼女は笑った。 いつまで経っても笑顔は変わらない。 さすがは初代団長、と言ったら、笑ってくれた。 132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 11:16:16.59 ID:TkOfgTCZ0 2082年5月×日 涼宮ハルヒが亡くなった。 これで残されたのは私一人。 団長、お疲れ様。 貴女のおかげで、とても楽しかったと思う。 とても幸せだったと思う。 彼女の告別式は、ささやかなものだった。 138 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 11:19:28.52 ID:TkOfgTCZ0 2151年1月×日 媒体に依存しない情報処理装置の開発に成功した。 私は再び研究施設に勤め、それなりの地位を得ている。 この発見と成功で、また新しい分野の研究に取り掛かれる。 研究に没頭している間は、辛いことを忘れられる。 148 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 11:26:14.49 ID:TkOfgTCZ0 2202年7月×日 時間遡行学分野の研究で、涼宮ハルヒの書いた基礎数式がでてきた。 彼女の気まぐれで書かれた落書きに私が様々な修正をかけて完成。 この発見で私は広く知られることになった。 151 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 11:28:59.80 ID:TkOfgTCZ0 2205年6月×日 街で朝比奈みくるらしき人物を見かけた。 あのふわふわしている雰囲気は紛れもなく彼女のもの。 声をかけようと思ったが、やめた。 彼女にとって私は知らない人でしかない。 それはともかく…相変わらず、肉体的な発達が著しい。 158 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 11:34:11.80 ID:TkOfgTCZ0 2210年4月×日 私が所長を務める研究所に、朝比奈みくるが就職した。 私は即刻彼女を助手に任命し、 私の知りうる限りの研究成果を彼女に託した。 勿論、SOS団に関する知識は省いて。 168 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 11:48:24.06 ID:TkOfgTCZ0 2211年7月×日 ついに 2001年より以前への時間遡行が不可能に。 その原因を解明するため、朝比奈みくるを特捜員に任命。 2年目にして重大な役割を任された彼女は緊張している様子。 『な、長門所長…私なんかがそんな大変なこと…』 と体を縮こまらせている。 緊張することはない、当該対象たちと楽しく遊んでくるだけだ、 と伝えると、幾分か楽にはなったようだ。彼女らしい。 …私を、よろしく。 176 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 11:56:13.23 ID:TkOfgTCZ0 2211年7月×日 報告 朝比奈みくるから報告があった。 当時の環境になじめず、私と接するのも緊張するとの事。 その私は現在の私とは同期していないからと伝えた。 それから、私と仲良くしてやって欲しいと。 これから数年間…帰ってくるのはすぐだが…楽しんでくるといい。 179 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 12:00:33.32 ID:TkOfgTCZ0 2211年7月×日 大変なことを思い出した。 このままだと朝比奈みくるは彼と一緒に寝たり、胸を押し付けたり… 規定事項とは言え、すこし悔しい。 でれでれいる彼の顔を思い浮かべると、 ひどく懐かしい気持ちになった。 181 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 12:05:26.56 ID:TkOfgTCZ0 2218年4月×日 帰還 朝比奈みくるが帰還した。 涼宮ハルヒの能力の消失、 …私の独立を確認したとの事。 そして、彼と私のその後のことも知った。 彼女は休暇もとらずに、 『キョン君のお墓参りに行きましょう』 と言ってくれた。 お墓参り…思えば一度も行っていない。 189 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 12:12:50.72 ID:TkOfgTCZ0 2218年4月×日 再会 『ついさっきまで一緒に居たのに…』 といって朝比奈みくるは泣いた。 そう、彼女にとってはついさっきの出来事だったのだ。 私にとってはもう、遠い昔の話。 有佳も、ここで眠っている。 貴方。おひさしぶり。私は元気でやっている。 貴方は…有佳は元気? 貴方の事を忘れた日は一度もない。 だけど…お墓にだけはきたくなかった。 私の中で生きていてくれれば十分だった。でもこれからはきちんと現実を見ようと思う。 私はこれからも任務が続く。 またいつか… 192 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 12:17:00.42 ID:TkOfgTCZ0 3072年11月×日 貴方、私は元気にしている。 もう随分長い間この日記も続いてきた。 もう何冊になるのか想像もつかない。 私の任務は終わらない。 200 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 12:20:41.66 ID:TkOfgTCZ0 10021年11月×日 貴方。私は元気にしている。 もう人間は進化を終えた。あとは退化していくだけ。 もしかしたらもうすぐ任務も終わるかもしれない。 もうすぐ、会えるかもしれない。 219 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 12:29:56.89 ID:TkOfgTCZ0 14021年9月×日 貴方、私は元気にしている。 情報統合思念体から指令の完了を命じられた。 私に与えられた選択肢は二つ。 終わるか、もう一度繰り返すか。 永劫にも思えた時間に、やっと終わりが訪れる。きっとそれは救いだと思う。 それとも、それでももう一度繰り返す覚悟で、貴方との僅かな時間をすごすか。 …貴方ならば、どうする。 230 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 12:34:44.25 ID:TkOfgTCZ0 2001年7月×日 私は目を覚ました。 懐かしい光景。私のマンション。 もう一度、貴方に会えるなら。 私はあの時間をもう一度生きようと思う。 きっともうすぐ貴方は、インターホンを鳴らして、こう言うはず。 『長門、あけてくれ』 247 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/08/17(日) 12:41:27.83 ID:TkOfgTCZ0 2002年12月×日 懐かしい顔、懐かしい声、私を呼んでくれる声。 すぐに私を呼んでくれなくなる声。 彼は今空間凍結で眠っている。 その寝顔を見ながら、私は…愛しく、懐かしく、悲しい気持ちになる。 これから彼と過ごす100年足らずの時間。 楽しみ。 何を伝えよう?何をしてあげよう? 何をしてもらおう?何を言ってもらおう? 楽しみで仕方ない。 だから彼が目覚めるまでの間、そして彼が居なくなってからの10000年以上を。 これまでの記憶を…14000年以上書き溜めた日記を本にして。 そうだ…窓辺で読んでいようと思う。 早く彼が目覚めるのを望みながら、私は今日も本を読む。 窓の外は雪。彼の眠る部屋は今日も無音。 早く、目覚めて欲しい。 249 名前: ◆r3yksmPHg2 [] 投稿日:2008/08/17(日) 12:42:57.38 ID:TkOfgTCZ0 終わりです。最後までお付き合いいただいてthxでした。 次回作もよろしく。