ハルヒ「…キョンまだかしら…」 544 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/17(木) 01:25:20.86 ID:gluu3/NVO いつからこうなっちまったんだ? 終わらない今日。いや、終わらないってのは語弊があるな。 きっかけは多分俺だった。 545 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/17(木) 01:27:30.15 ID:gluu3/NVO いつからだろう、時期はわからない。 でも俺はいつからか、ハルヒのことをSOS団の一員ではなく、一人の女の子として見ていた。やがて雪山での一件を経て…自分の気持ちにハッキリと気がついた。 ハルヒと一緒に時を過ごすようになり、非現実が現実を侵食して。危険な思いを幾度となくするようになり、俺は決心してハルヒを部室に呼び出した。 言わずに後悔したくない。 547 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/07/17(木) 01:29:07.47 ID:gluu3/NVO だから、言ったんだ。 「ハルヒ、付き合ってくれ」 世界が、グンニャリと歪んだ 「!」 ハルヒが何か言っている気がしたけど、もう何にも聞こえなくなって… 549 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/07/17(木) 01:30:26.44 ID:gluu3/NVO 〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ガタッ! ハルヒ「ッ?!…なんだ、オセロのコマか」 ガチャッ! 「キョンッ?!遅かったじゃない!あと、入る時はノックぐらいしなさいよ!」 「ハルヒ、大事な話がある」 キョンは真剣な表情をしていた。 いつも浮かべている、どこか面倒臭そうな疲れたようなそれじゃなかった。 「な、なによ…」 じっと見つめられて、あたしは顔が紅くなるのを感じた。 「あのなハルヒ、」 550 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/07/17(木) 01:31:23.20 ID:gluu3/NVO 〜〜〜〜〜〜 ガタッ! 「オセロのコマがなんで鳴るのよ!」 あたしはビックリして飛び起きた。 身体中が火照って、汗ビッショリ。 パジャマが肌に貼りついていて気持ち悪かった。 胸がドキドキしておさまらない。 あれ? パジャマ?なんで? あれ? …あれ? ここ、あたしの部屋? あたしは、部室でみんな、ううん、キョンを、待っていたんじゃなかったっけ。 どうして家にいるの? どうしてパジャマで寝ていたの? あたしのどうしてここにいるの? あたし… どうしちゃったんだろう? 551 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/07/17(木) 01:32:42.75 ID:gluu3/NVO 身体をベッドから半分起こして、一つ、深呼吸した。 学校に行って、お昼に皆でご飯を食べて、放課後団活して、夜は休んで。 明日も、明後日も。来週も来月も、ずっと。 ずっとみんなで愉快に過ごすのよ! ドキドキもベタついた汗も収まったみたい。 夜中目を覚ますなんてあたしらしくもないわ! 552 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/07/17(木) 01:34:53.08 ID:gluu3/NVO 〜〜〜〜〜〜〜 沈黙。 「なによ、それ」 やっちまった。 呆然としていたハルヒが再起動してひねり出した言葉を聞いて、俺は内心頭を抱えたくなった。 「そんなの、なによ、」 「ハルヒ、あのな、俺は」 ハルヒが団長席から立ち上がってバンッ!と机を叩いた。 553 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/07/17(木) 01:36:00.28 ID:gluu3/NVO 「ダメッ!ぜんっ、ぜん、駄目!」 ドスン、ドスンと足音踏み鳴らしながら俺の前に立つ。 「、だから」 「言い訳しない!」 べし、と鼻にデコピンされた。痛い。 「はいはい」 「…期待したあたしが馬鹿みたいじゃない…」 え? 「なんでもないわよ!帰る!みんなにもそう言っておいて!」 ハルヒはカバンを手にすると乱暴にドアを開けた。 「おや」 「古泉くん、悪いけど今日は団活中止にしてくれる?」 「わかりました、皆さんには僕から連絡しておきますね」 「ありがと。じゃ、あたし帰るわね!」 「お疲れさまでした」 まるでつむじ風のようにハルヒは部室を飛び出していった。 561 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2008/07/17(木) 02:03:44.29 ID:gluu3/NVO だが、 ハルヒが立ち去ってから少しの間をおいて、朝比奈さんと長門が部室にやって来た。 長門はパイプ椅子に座り、ハードカバーの本のページをめくり。 朝比奈さんはお茶を淹れてくれた。 「座ってください、立ちっぱなしは良くないですよ?」 古泉の声に俺は我に返り、いつもの席に座る。 すまん、また失敗したようだ。 「そうでしょうか?」 古泉の声には責めるような色合いはなかった。 どういうことだ? 「これまでのように涼宮さんが帰ってからすぐ、朝に巻き戻っていないからですよ」 「今までと違う情報データが涼宮ハルヒに生じ、それが今日を進行させた。大きな進展。悪いことではない」 長門の俺を見る目がほんの少し暖かい気がする。 ありがとう、長門。 562 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/07/17(木) 02:05:04.20 ID:gluu3/NVO 「今機関に確認してみたのですが…」 古泉は携帯をポケットにしまって、俺に向き直った。 「閉鎖空間の発生は今のところないそうです。少しは進歩があったのでしょう、涼宮さんの中で。変わらない日常を変えようとするきっかけを生じさせたんです、今回」 「キョン君だから出来たことなんです」 そうだといいんだが… 「大丈夫ですよ」 天使のスマイルを浮かべて、朝比奈さんはハッキリと言い切った。 「明日はやって来ます。(涼宮さんだって…)」 どうしてわかるんです?今日が終わるって。 「禁則事項です(涼宮さんのためにも、ね)」 563 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2008/07/17(木) 02:06:01.45 ID:gluu3/NVO あいかわらずの伝家の宝刀ですか。でも、今はその言い回しも悪くない。 「大丈夫」 パタン、と長門は本を閉じた。 「信じて、涼宮ハルヒを」 あぁ、信じているさ。 〜〜〜〜〜〜 学校の帰り道で、ハルヒからメールがきた。 『明日は早く来なさいよっ!遅刻したら罰金だけじゃ済まさないんだからね!』あぁ、待望の明日が来る。 俺とハルヒのこれからは、明日から進めればいいんだよな? おわり