長門「……おねしょ」 445 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/26(月) 12:55:54.75 ID:E3qfO05KO 長門「・・・おねしょ」 長門「・・・」 長門「・・・」     *** チュンチュン ハルヒ「ん・・・」 ハルヒ「なに・・・腰のあたりが冷たい・・・」 ハルヒ「!」ガバッ ハルヒ「・・・嘘・・・これはなにかの間違いだわ・・・私が・・・そんな・・・」 キョン「んん・・・」 ハルヒ「!」 キョン「うう・・・もう朝か」 ハルヒ「お、おはようキョン」 キョン「おはようハルヒ・・・うう」 ハルヒ「ず、ずいぶん眠そうね」 キョン「うー・・・昨日は暖かかったのに冷えるな、今朝は」ブルブル ハルヒ「・・・それはあんたの寝相が悪いせいでしょ、     掛け布団がとなりのユキに半分かかっちゃってるじゃない」 キョン「通りで・・・ズズッ」 ハルヒ「ちゃ、ちゃんとかけて、もう少し寝てなさいよ」 キョン「ああ・・・いや、朝の温泉も一度入ってみたかったからな、目を覚ましてくるよ」 ハルヒ「そ、そう・・・まだちょっと時間には早いから、     みんなを起こさないようにそーっと行くのよ」 キョン「おう」 ハルヒ(その間に私はお布団と浴衣を・・・) 448 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/26(月) 13:12:41.19 ID:E3qfO05KO キョン「じゃあ行ってくる」 ハルヒ「え、ええ」 ハルヒ(でもどうしよう・・・よりによって遊びに来た旅館でなんて・・・) キョン「のわっ!」バターン! ハルヒ(!) ハルヒ「ちょっ、ちょっとキョンなにしてるのよ!     静かに行きなさいって言ったでしょ!」 キョン「いたた・・・違うんだハルヒ、右の足首が痛くて・・・     変な体勢で寝てたせいか・・・」 古泉「んん・・・おふたりとも朝から仲がいいですね」 ハルヒ「!」 古泉「ふふ、おはようございます。妬けてしまいますね」 みくる「ふぇぇ、おはようございますぅ・・・」 ハルヒ「みくるちゃんまで・・・」 キョン「寝てるとこすまなかったな、ふた――」 長門「・・・」 キョン「・・・3人とも」 古泉「いえいえ、それより、タオルを持っていらっしゃるということは朝風呂ですか」 キョン「あ、ああ」 古泉「そういうことでしたら、ぜひ僕もご一緒させてください」 キョン「構わんが、朝食の時間までだから、のんびりはしてられないぞ」 古泉「了解です」 449 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/26(月) 13:21:46.93 ID:E3qfO05KO ハルヒ(マズいわ・・・みんなが寝てる間になんとかしようとした私の計画が・・・) 古泉「では、行ってきます」 みくる「行ってらっしゃ〜い」 ハルヒ(ふたりには正直に話して協力を・・・     ダメだわ、高校生にもなって、おね・・・おねしょしただなんて言えない・・・) みくる「うう・・・砂漠でラクダさんに押しつぶされる夢を見ました・・・」 長門「・・・」 キョン「ふう、まさか貸し切り状態だとはな」 古泉「朝に入る温泉というのもまた格別ですね」 キョン「いきなりスキーに行くんだとか言い出されたときにはどうなることかと思ったが、     これも福引きで宿泊券を当てたハルヒのおかけだな」 古泉「まったく、涼宮さんにはいつも驚かされます」 450 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/26(月) 13:39:49.98 ID:E3qfO05KO みくる「ううーん・・・ふぁぁ・・・もうすぐ朝ごはんの時間ですし、お布団を・・・」 ハルヒ「!」 長門「・・・」コクッ みくる「よいしょっ、と」 長門「・・・」トサッ みくる「? 涼宮さんどうしたんですか、掛け布団を抱きしめて・・・」 長門「・・・」 ハルヒ「え?! ううんっ、そうね、しまわなくちゃね!」 みくる「顔色が少し良くないみたいですね・・・具合悪いんですか・・・?」 ハルヒ「そ、そうじゃなくて・・・その・・・」 長門「・・・」 みくる「もう少し横になっていたほうが・・・」 ハルヒ(キョンたちが帰ってくる前に隠さないと・・・     でも、お、おねしょしたお布団を押し入れには・・・) みくる「涼宮さん・・・?」 ハルヒ(これ以上は隠しておけないわね・・・     だ、大丈夫よ! みくるちゃんもユキも言いふらしたりしないわ!) 長門「・・・」 ハルヒ「あ、あのね・・・その・・・実は・・・」 みくる「ふぇ?」 ハルヒ「ほ、ほら、ゆうべはみんなでトランプしながらお茶をたくさん飲んだでしょ!?     そ、それで・・・その・・・」 452 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/26(月) 13:49:07.63 ID:E3qfO05KO 長門「・・・」 ハルヒ「だから・・・ね、いつもしてるってわけじゃないのよ?     た、多分、旅先でちょっと開放的になっちゃったというか・・・」 みくる「涼宮さん、なにを・・・」 長門「・・・」 ハルヒ「つまり・・・おね、おねしょしちゃったの」 みくる「ええっ」 ハルヒ「・・・」グスッ 長門「・・・」 みくる「・・・キョンくんと古泉くんが戻ってくる前になんとかしましょう!」 ハルヒ「みくるちゃん・・・」コクン 455 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/26(月) 14:01:14.49 ID:E3qfO05KO ハルヒ「でも、どうしよう・・・」 みくる「ううん・・・」 トントン、ガチャ・・・ ハルヒ「も、もう帰ってきちゃったの?!」 みくる「あわわわ」 ??「失礼します」スー ハルヒ「な、中居さん・・・」 中居「朝食のご用意をさせていただいてもよろしいでしょうか」 みくる「あっ、ええと、お願いします・・・あ!」 中居さん「?」 みくる「あの・・・あの・・・」 ハルヒ「みくるちゃん・・・ありがとう、でもいいわ、自分で言わないとダメよね」 みくる「涼宮さん・・・」 460 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/05/26(月) 14:18:18.42 ID:E3qfO05KO ハルヒ「中居さん・・・その・・・お布団を・・・汚してしまって・・・」 中居「あ、はい、大丈夫ですよ、他のお布団と一緒に置いておいてください」 ハルヒ「いえ・・・その・・・できれば、これだけ持って行ってしまってほしいんです・・・」 中居「?」 ハルヒ「あの・・・お、おねしょをしてしまって・・・」カーッ 中居「かしこまりました、では、そのお布団だけ先にいただいて行きますね」ニコッ ハルヒ「あ、ありがとうございますっ!」 みくる「よかったですね涼宮さんっ」 ハルヒ「うんっ」 長門「・・・」 461 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/05/26(月) 14:32:30.78 ID:E3qfO05KO キョン「ふー、いい湯だった」 古泉「ええ、今日で帰らなければならないのが残念なほどです」 キョン「また来ればいいさ、5人で」 古泉「そうですね、僕としては貴方とふたりっきりで温泉旅行というのも――」 キョン「黙れそれ以上言うな気色悪い」 ガチャ 中居「きゃっ」 キョン「うおっ」 ドサドサッ キョン「す、すみません、大丈夫ですか?」 中居「! ・・・え、ええ、こちらこそ申し訳ありませんっ」 古泉「僕らの部屋から布団を・・・おや、この染みは・・・」 中居「あっ、いえ、私がお茶をこぼしてしまいまして!    跡が残ってはいけないので早くお洗濯をと・・・」 古泉「そういうことでしたか。ご苦労さまです」 中居「い、いえ、では私は朝食のご用意もございますのでこれでっ」トトトッ 古泉「ふふ、ちょうど朝食の時間のようですね、楽しみです」 キョン(あの染みは・・・) 466 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/05/26(月) 14:46:54.30 ID:E3qfO05KO 古泉「どうかしました?」 キョン「いや・・・そうだな、俺も腹ぺこだ。     ――と、長門? トイレなら中にあるぞ」 長門「・・・」 古泉「なにかあったんですか?」 キョン「・・・」 長門「話がある」     *** みくる「いい中居さんでよかったですね」 ハルヒ「ええ、これでキョンたちにはバレずにすみそう・・・」 みくる「私も長門さんも絶対に言いませんから!」ニコッ ハルヒ「みくるちゃんのおかげだわ、本当にありがとう」 みくる「とんでもないですよぉ、・・・くしゅんっ」 ハルヒ「だ、大丈夫みくるちゃん」 みくる「いえ・・・寝汗がすごかったみたいです・・・     とても暑いところにいる夢を・・・くしゅっ」 ハルヒ「朝食を食べたら、時間もあるし、ユキも誘って温泉でさっぱりしましょう!」 みくる「はいっ」 467 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/05/26(月) 15:01:16.78 ID:E3qfO05KO 古泉「なるほど・・・」 キョン「・・・」 古泉「深夜に目が覚めてしまって、喉が渇いていたからお茶を飲もうとした」 長門「・・・」 古泉「新しく淹れようとしたら、ゆうべの飲みかけが湯のみに残っていたので    流しに捨てに行こうとしたところ・・・」 キョン「・・・」 古泉「布団からはみ出していた彼の足につまづいて、    手にした湯のみを涼宮さんのちょうど下半身の部分に落としてしまった」 長門「そう」 キョン「・・・ハルヒは掛け布団をかけていなかったのか?」 長門「昨夜は比較的、気温が高く、恐らくそれが原因で    涼宮ハルヒの掛け布団は半分以上、朝比奈みくるのほうに追いやられていた」 古泉「涼宮さんも貴方に負けず劣らず寝相があまり良くないようだ。    ふふ、似たもの夫婦ですね」 468 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/05/26(月) 15:13:08.87 ID:E3qfO05KO キョン「・・・ハルヒは起きなかったのか?」 長門「起きた」 キョン「なら!」 長門「情報操作は得意」 古泉「それはまた・・・大胆なことをしましたね」 キョン「・・・」 長門「涼宮ハルヒを再び眠らせ、記憶の一部を消去した。    この程度なら私の独断で許されている。はず。」 キョン「・・・こぼれたことをなかったことにはできなかったのか?」 長門「・・・」 キョン「長門?」 長門「最近、貴方と仲が進展してきていた涼宮ハルヒが気に入ら・・・」ボソッ キョン「なんだって?」 長門「・・・うかつ」 キョン「気づかなったのか・・・長門でも寝ぼけたりすることがあるんだな」 古泉「ふふ、さあ、謎も解けたところで部屋に戻りましょう」 469 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/05/26(月) 15:36:33.14 ID:E3qfO05KO 古泉「ただいま戻りました」 キョン「・・・」 みくる「おかえりなさい〜」 ハルヒ「あ、帰ってきた! もうすぐ朝ごはんを運んできてくれるそうよ」 古泉「ええ、今そこで仲居さんとすれ違いましたよ」 ハルヒ「!」 古泉「ね☆」チラッ キョン(俺に振るなというかその話を出すな馬鹿) キョン「あ、ああ」 ハルヒ「な、なにか聞いた・・・?」 みくる「・・・」オロオロ キョン「いや『私がお茶をこぼしてしまったから持っていく』ってさ」 ハルヒ「そ、そう! ・・・ほら、突っ立ってないで座りなさい!」 キョン「おう」 長門「・・・」 トントン ガチャ 仲居「失礼します、朝食をお持ちしました」スー 古泉「お待ちしてました」 キョン「おーうまそうだ」 みくる「おなかぺこぺこですぅ〜」 長門「・・・」グゥ ハルヒ「・・・ユキのおなかの鳴る音なんて初めて聞いたわ」 キョン「俺もだ」 古泉「長門さんも色々あってお腹がすいたのでしょう」 長門「・・・うかつ」 仲居「くすくすっ・・・では、ごゆっくり」 ハルヒ「ありがとう!     いただきまーす!」 470 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/05/26(月) 15:49:30.53 ID:E3qfO05KO ハルヒ「さぁみくるちゃん、ユキ、温泉に入るわよ!」 みくる「は〜い」 長門「・・・」コクッ 古泉「では僕たちはトランプと洒落込みましょうか」 キョン「よし、やるか」     *** ハルヒ「あー楽しかったわね!」 みくる「鶴屋へのお土産も買っちゃいましたぁ♪」←出し忘れた 古泉「涼宮さん、ありがとうございました」 ハルヒ「いいのよ、福引きのおかげでタダなんだから!」 長門「・・・」ウトウト キョン「・・・」 ハルヒ「キョンも眠そうねー     ・・・遅くまで起きてなにをやっていたのかしら」 キョン「・・・着いてから『券はひと部屋ぶんだし他の部屋は高くて予約できなかったから     川の字に寝ましょう』とか言い出した誰かのせいだ」 ハルヒ「しょ、しょうがないでしょ事実なんだからっ」 キョン「・・・」グゥ ハルヒ(勢いでとなりを取っちゃったけど、     私だってあんまり眠れなかったんだから・・・) 471 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/05/26(月) 15:58:59.25 ID:E3qfO05KO     *** キョン「ただいま」 妹「おかえりキョンくんっ」 キョン「今日も不思議探索とやらにつきあわされてクタクタだ」 妹「あ、キョンくんキョンくん」 キョン「どうした?」 妹「テレビで、キョンくんたちが行った旅館が特集されてるよ!」 キョン「・・・『口コミで広まったのか、ここ数日で爆発的な客数の増加・・・     仲居さんも大忙しで嬉しい困り顔です』か・・・」 妹「いいなぁ〜行きたかったなぁ」 キョン「・・・」 妹「どうしたのキョンくん」 キョン「いや、まさかな・・・よし、今度はお前も連れてってやるか」 妹「うんっ! キョンくんだいすきっ」 おわり 472 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[sage] 投稿日:2008/05/26(月) 15:59:54.77 ID:E3qfO05KO チビキャラ出てKONEEEEEEEEEEEEEEEE 474 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/26(月) 16:08:35.65 ID:E3qfO05KO ごめんあとひとつハルヒと仲居さんが話をするエピソードを飛ばしちまった 仲居さん本当にありがとうございましたいえいえ大切なお客さまですからにこ 助かった温泉も貸し切り状態だったし最高だったわ ・・・どうしたのいえ近くに有名なデザイナーが設計した旅館が新しくオープンして 立地条件の悪さもあってお客さまをごっそり持っていかれてしまって そうなのすごくいい旅館なのにありがとうございますぜひまたいらしてください 的な