長門が猫を拾ったようです。 1 名前:1[] 投稿日:2008/04/23(水) 19:05:48.48 ID:4PYJHFdc0 長門「……」 猫「にゃあ」 長門「……ひとり?」 猫「にゃあ」 長門「……廃棄予定?」 猫「にゃあ」 長門「……延命作業。うちに来ると良い」 猫「にゃあ」 3 名前:1[] 投稿日:2008/04/23(水) 19:07:33.47 ID:4PYJHFdc0 長門「あなたの名前を決めないといけない」 猫「にゃあ」 長門「……にゃあ」 猫「にゃあ!」 長門「把握した。あなたの名前は『にゃあ』にする」 猫「にゃあにゃあ」 長門「私の名前は有希」 猫「にゃあ?」 長門「無理して覚えなくても良い」 猫「にゃあ」 6 名前:1[] 投稿日:2008/04/23(水) 19:09:20.26 ID:4PYJHFdc0 猫「……にゃあ」 長門「何」 猫「…………にゃあ」 長門「……お腹が減ったの?」 猫「……にゃあ」 長門「把握した。ミルクを再構成する。飲んで」 猫「にゃあ! にゃあにゃあ!」(ぺろぺろ) 長門「美味しい?」 猫「にゃあ」 9 名前:1[] 投稿日:2008/04/23(水) 19:12:19.52 ID:4PYJHFdc0 ハルヒ「あれ? 有希、なんか猫の匂いするわね」 長門「猫の匂いとは」 ハルヒ「こう生物って感じの匂いがするわね」 長門「そう」 ハルヒ「猫、飼ってるの?」 長門「拾った」 ハルヒ「へえ、そうなの。名前は?」 長門「にゃあ」 11 名前:1[] 投稿日:2008/04/23(水) 19:14:11.24 ID:4PYJHFdc0 長門「涼宮ハルヒにもっとちゃんしとした名前を付けてやれと言われた」 猫「にゃあ?」 長門「けれど、私にはちゃんとした名前の定義が分からない」 猫「にゃあ……」 長門「私がちゃんとした名前の定義を理解するまで、あなたの名前は『にゃあ』のままで良い?」 猫「にゃあ!」 長門「そう」 17 名前:1[] 投稿日:2008/04/23(水) 19:16:53.62 ID:4PYJHFdc0 キョン「おい長門、猫飼ったんだって?」 長門「そう」 キョン「そうかい。どんな猫なんだ?」 長門「黒猫」 キョン「ほお、今度うちのシャミセンと遊ばせてみないか?」 長門「……嫌」 キョン「え? 嫌、なのか? ……シャミセンは嫌いか?」 長門「にゃあは私だけのもの」 キョン「……そうかい。まさかお前からそんな言葉を聞くことになるとはな」 長門「?」 キョン「分かった。まあ、お前の気が向いたときで良い。きっと、シャミセンも喜んでくれるさ」 21 名前:1[] 投稿日:2008/04/23(水) 19:19:05.93 ID:4PYJHFdc0 長門「……にゃあ」 猫「にゃあ?」 長門「あなたは、友達という存在を作りたいと思う?」 猫「にゃあ?」 長門「……あなたは他の猫と遊びたいと思う?」 猫「にゃあ……?」 長門「あなたの好きにして良い。あなたが遊びたいなら、私もそれで良い」 猫「……にゃあ!」 長門「……この手は何」 猫「にゃあ! にゃあ!」 長門「慰めているつもり?」 猫「にゃあ!」(ぺろぺろ) 長門「……くすぐったい」 25 名前:1[] 投稿日:2008/04/23(水) 19:21:30.15 ID:4PYJHFdc0 みくる「長門さん、猫飼ったんですねぇ」 長門「そう」 みくる「良いなあ。猫さんって、可愛いですよねぇ」 長門「そう」 みくる「ぽぴぽぴしてて、くにゃくにゃしてて、へにょんってしてるんですよねぇ」 長門「それは同意しかねる」 みくる「今度、猫さん見せてくださいね」 長門「…………」 27 名前:1[] 投稿日:2008/04/23(水) 19:23:27.42 ID:4PYJHFdc0 長門「独り占めはよくない」 猫「にゃあ?」 長門「あなたを独り占めするのは止めることにする」 猫「にゃあ」 長門「この感情は有機生命体が独占欲と称しているもの」 猫「にゃあ」 長門「あまり好ましい感情ではない」 猫「……にゃあ?」 長門「今度の土曜日、SOS団の活動にあなたを連れて行こうと思う」 猫「にゃあ?」 長門「……許可を」 猫「にゃあ!」 30 名前:1[] 投稿日:2008/04/23(水) 19:26:47.36 ID:4PYJHFdc0 ハルヒ「へえ、これが有希ん家の猫なのね。可愛いじゃない」 古泉「確かに、とても高貴な雰囲気漂う猫ですね」 みくる「ぽぴぽぴですねぇ」 猫「にゃあ」 キョン「良かったのか、連れて来て」 長門「構わない」 キョン「そうかい。……可愛い猫だな」 長門「あなたの家の猫が見ても、そう感じると思う?」 キョン「さあ、どうだろうな」 長門「……この間の誘いは、まだ有効?」 キョン「この間のって、……ああ、シャミセンに会わせるってやつか?」 長門「そう」 キョン「勿論だ。何なら、この後でも良い」 長門「……ありがとう」 31 名前:1[] 投稿日:2008/04/23(水) 19:29:32.36 ID:4PYJHFdc0 古泉「名前は何と仰るんですか?」 長門「にゃあ」 古泉「にゃあ、ですか」 ハルヒ「だから、もっとちゃんとした名前を……」 キョン「ハルヒ。良いだろ、別に。にゃあ、だってちゃんとした名前だ」 ハルヒ「ま、まあ、キョンがそういうなら良いけど! ほら、にゃあ、こっちおいで」 みくる「にゃあ、ですかぁ。くにゃくにゃですねぇ」 猫「にゃあ!」 長門「参考までに聞いておきたい。もしも、あなたならどんな名前を付けるの?」 ハルヒ「そりゃあ、勿論キョ……って何言わせるのよ!」 長門「そう」 35 名前:1[] 投稿日:2008/04/23(水) 19:32:36.39 ID:4PYJHFdc0 猫「にゃあ」 ハルヒ「でも、これ本当に捨て猫なのかしら」 みくる「どういうことですかぁ?」 ハルヒ「例えば、親とはぐれただけとか……」 キョン「長門、どこで見つけたんだ?」 長門「公園のブランコの下で雨宿りをしていた」 古泉「それは、捨てられているか否か微妙な状況ですね」 ハルヒ「……ま、まあ、でも、首輪もしてないしね! それに、もし親猫とはぐれただけなら、迎えに来るわよ!」 長門「……そう」 猫「にゃあ?」 37 名前:1[] 投稿日:2008/04/23(水) 19:35:09.31 ID:4PYJHFdc0 長門「……花を摘みに行ってくる」 ハルヒ「私、余計なこと言っちゃったかしら」 みくる「長門さん、心なしかしょんぼりしてますねぇ……」 古泉「しかし、涼宮さんの仰るとおりです。この猫が捨て猫か否かは分かりません」 猫「にゃあ?」 キョン「……どうしたもんかねぇ」 39 名前:1[] 投稿日:2008/04/23(水) 19:38:48.99 ID:4PYJHFdc0 キョン「それじゃあ、そろそろ二次会だな。シャミセンとにゃあの対面式だ」 古泉「よっ、待ってました」 みくる「えへへぇ、猫さんが二人揃うって可愛いですねぇ」 長門「……そう」 ハルヒ「あら、有希、何そのデジカメ」 長門「撮る」 古泉「はは、長門さん、すっかり親馬鹿ですね」 長門「親馬鹿とは」 古泉「子供を思うあまり馬鹿になる、ということですよ」 長門「……にゃあは、私の子供ではない」 43 名前:1[] 投稿日:2008/04/23(水) 19:43:29.91 ID:4PYJHFdc0 シャミセン「……」(じーっ) 猫「にゃあにゃあ!」 シャミセン「しゃー!」 猫「にゃあ!」 ハルヒ「中々、仲良しじゃない」 みくる「可愛いですねぇ。ほわほわしましゅ」 キョン「長門」 長門「何」 キョン「さっきの話だが……」 長門「さっき、というと?」 キョン「古泉と喋ってただろ。親馬鹿がどうたらこうたらとか、私の子供じゃないとか」 長門「……」 キョン「なればいいじゃないか。お前がにゃあの親に」 長門「……私が?」 キョン「そうだ。すればいいだろ、にゃあをお前の子供に」 長門「……それは出来ない」 キョン「どうしてだ」 長門「実の親でない私でさえ、にゃあと離れたことを考えただけでエラーが発生しそうになる。     ……きっと、にゃあの実の親である猫の苦しさは計り知れない程のもの。     私には、出来ない。もしも親猫が見つかったならば、そのときはすぐに返却する」 キョン「……そうかい」 45 名前:1[] 投稿日:2008/04/23(水) 19:47:40.73 ID:4PYJHFdc0 キョン「それじゃ、今日はこの辺にするか」 ハルヒ「そうね。もうそろそろ暗くなるし。じゃあね、シャミセン」 みくる「また会いたいなぁ」 猫「にゃあ」 古泉「いやぁ、僕も猫が飼いたくなりました」 シャミセン「にゃー」 長門「それでは、また」 キョン「ああ、またな」 みくる「ほわほわしましたぁ」 ハルヒ「みくるちゃんは、いつでもほわほわしてる気がするけどね」 みくる「ふえ? ど、どういう意味ですかあ?」 古泉「そのままの意味だと思いますが」 猫「にゃあ」 ハルヒ「ほら、にゃあもそう思うって言ってるわよ! ね、有希もそう思うわよね!」 長門「否定はしない」 みくる「酷いですよぅ!」 猫「にゃあ!」 46 名前:1[] 投稿日:2008/04/23(水) 19:49:54.33 ID:4PYJHFdc0 長門「今日は騒がしい一日だった」 猫「にゃあ」 長門「とても、楽しかった」 猫「にゃあ!」 長門「……けれど、一つだけ気になる点がある」 猫「……にゃあ?」 長門「あなたは捨て猫? それとも、親猫からはぐれただけ?」 猫「……にゃあ」 長門「もしも、後者ならば、あなたの親猫を探さなければならない」 猫「……にゃあ」 長門「明日から、捜索活動を開始する」 47 名前:1[] 投稿日:2008/04/23(水) 19:52:06.98 ID:4PYJHFdc0 長門「まずは公園から」 猫「にゃあ」 長門「ブランコの下には何も無い」 猫「にゃあ」 長門「シーソーの下にも何も無い」 猫「にゃあ」 長門「草むらにも何も無い」 猫「にゃ……」(びくっ) 長門「何」 犬「わんわん!」 猫「にゃあ……」(ふるふる) 長門「犬が、怖いの?」 猫「にゃあ」 長門「大丈夫。私が守る」 猫「にゃあ?」 犬「わん」 長門「わん!」 猫「!」 長門「もう、大丈夫」 猫「にゃあ!」 49 名前:1[] 投稿日:2008/04/23(水) 19:56:16.08 ID:4PYJHFdc0 長門「公園内部は全て探したけれど見つからなかった」 猫「にゃあ」 ハルヒ「あら、有希じゃない。何やってんの?」 猫「にゃあにゃあ!」 ハルヒ「はいはい、こんにちは。あんた、本当に可愛いわねぇ」 長門「親猫の捜索活動」 ハルヒ「……親猫ってこの子の?」 長門「そう」 ハルヒ「一人で?」 長門「そう」 ハルヒ「……分かったわ。SOS団全員で探しましょう!」 長門「そこまでしてもらっては迷惑になる」 ハルヒ「何言ってんの! にゃあは可愛いから全然迷惑じゃないわよ!      それに、いつまでも親猫探すのも疲れるでしょう?      SOS団全員で一週間探して、それでも親猫らしきものと遭遇しなかったら、      にゃあは完全に有希のにゃあ!」 長門「……それでいいの?」 ハルヒ「私は別に良いわよ。それとも、誰か咎める人が居るの?」 長門「……」 ハルヒ「それじゃ決まりね! 皆には私から言っておくから!」 53 名前:1[] 投稿日:2008/04/23(水) 19:59:42.63 ID:4PYJHFdc0 ハルヒ「……というわけで、今日から一週間はにゃあの親猫捜索活動期間とします。      誰か異議のある人は居る!?」 みくる「良いですよぅ」 古泉「大変良い考えかと」 キョン「そうだな」 ハルヒ「それじゃ、皆、手を抜かずに探しなさいよ!」 古泉「と、涼宮さんは仰いましたが、少し気が引けますね」 キョン「まあな。……だが、手を抜いて探すようなことは絶対するなよ。      そんなことしても、長門にはバレバレだろうからな」 古泉「はは、そんなことしませんよ。後が怖そうだ」 みくる「…………」 56 名前:1[] 投稿日:2008/04/23(水) 20:04:15.03 ID:4PYJHFdc0 長門「あなたの親猫を探そうと皆頑張っている」 猫「にゃあ」 長門「……本当のことを言うと、私は頑張ることが出来ない」 猫「にゃあ?」 長門「彼には偉そうなことを言ったけれど、……いざとなると、出来ないかもしれない」 猫「……にゃあ」 長門「あなたを親猫に返却など、出来ないかもしれない」 猫「……にゃあ」 長門「あなたの親猫が見つからなければ良いとさえ思っている」 猫「……にゃあ」(ぺろぺろ) 長門「……あなたは優しい子」 猫「にゃあ」 長門「もう弱音は吐かない」 猫「にゃあ?」 長門「あなたの親猫を全力で捜索する。     そうしないと、もし、あなたの親猫が見つからなかったとして、     私があなたの親になることなど出来ない」 猫「にゃあ?」 長門「親という存在は子供の幸せの為に頑張るように出来ている」 猫「にゃあ……」 長門「私もあなたの幸せの為に頑張ろうと思う。自分の幸せを投げ打ってでも」 猫「にゃあ」    58 名前:1[] 投稿日:2008/04/23(水) 20:09:56.10 ID:4PYJHFdc0 ハルヒ「で、今日の捜索結果は?」 古泉「収穫無しです」 キョン「俺もだ」 長門「……私も」 みくる「…………」 ハルヒ「ん? みくるちゃんはどうだったの?」 みくる「……私も、何も……」 ハルヒ「そ。捜索活動三日目、進展無しね。それじゃ、今日は解散。皆、お疲れ様」 古泉「にゃあ氏の状態はどうですか?」 長門「極めて良好」 古泉「そうですか。あの……にゃあ氏にこれを……」 長門「……これは何」 古泉「鼠です。不二家からパクってきました」 長門「そう」 キョン「……ネタが古すぎやしないか」 古泉「そうですか? いま、機関内では空前のブームですよ」 みくる「…………」 古泉「朝比奈さん、どうかされたんですか? 元気が無いようですが」 みくる「ふえ? い、いえっ! そんなことは全く!」 キョン「無理はしないで下さいね」 みくる「あ、ありがとう。でも、大丈夫です……えへへ」 長門「……」 61 名前:1[] 投稿日:2008/04/23(水) 20:12:56.88 ID:4PYJHFdc0 長門「餞別」 猫「にゃあ?」 長門「古泉一樹からの」 猫「にゃあ?」 長門「食べて」 猫「にゃあ!」(ふるふる) 長門「不可能?」 猫「にゃあ!」 長門「そう。……やはり、キャットフードが一番?」 猫「にゃあ」 長門「それでは、この鼠は不二家に返品することにする」 猫「にゃあ」 長門「……撫でてもいい?」 猫「にゃあ!」 長門「……ふさふさ」 猫「にゃあ」(ごろごろ) 長門「喉が鳴っている。気持ち良い?」 猫「にゃあ!」 長門「そう。私も、あなたを撫でていると心地よく感じる」 猫「にゃあ」 長門「……眠くなってきた。おやすみ」 猫「にゃあ」 62 名前:1[] 投稿日:2008/04/23(水) 20:20:06.96 ID:4PYJHFdc0 ハルヒ「それじゃ、今日の報告は?」 古泉「収穫無しです」 キョン「俺もだ」 長門「……私も」 みくる「…………私もです」 ハルヒ「そ。捜索活動四日目、進展無しね。それじゃ、解散!」 長門「……」 長門「一日が長い」 キョン「ん?」 長門「正確には、捜索活動の結果を聞くまでの期間が長い」 キョン「……そうかい」 長門「こんなことは初めて」 キョン「あの無限ループの夏だって、お前は平気だったのにな」 長門「……どうして?」 キョン「ど、どうしてって聞かれても困るが。……それだけお前が人間らしくなったってことだろ」 長門「人間らしく」 キョン「そうだ。俺がもし長門と同じ立場だったら、お前と同じようになると思うぞ」 長門「体温を覚えておこうと努力する?」 キョン「ああ、毎日抱きながら眠るだろうな」 長門「いつもより多く餌を与えてしまったり」 キョン「するさ。極力優しくしてやろうとするだろうよ」 長門「……涙腺が崩壊しそうになる?」 キョン「なる。大丈夫だ、お前は何もおかしくない」 長門「そう」 63 名前:1[] 投稿日:2008/04/23(水) 20:22:03.16 ID:4PYJHFdc0 長門「……にゃあ」 猫「にゃあ」 長門「覚悟を決めようと思う」 猫「にゃあ?」 長門「あなたを手放す覚悟」 猫「にゃあ……?」 長門「さようなら。短い間だったけれど、楽しかった」 猫「にゃあ?」 長門「……最後の思い出に、一緒に寝ても良い?」 猫「にゃあ!」 64 名前:1[] 投稿日:2008/04/23(水) 20:25:31.22 ID:4PYJHFdc0 ハルヒ「それじゃ、今日の報告は?」 古泉「収穫無しです」 キョン「俺もだ」 長門「……私はある」 ハルヒ「え、それ本当なの!?」 長門「正確に言うと、私ではない。     ……朝比奈みくる。あなたは何らかの情報を手に入れている筈」 みくる「っ!」 ハルヒ「そうなの? みくるちゃん」 みくる「あ……あの……」 ハルヒ「正直に言いなさい」 みくる「……ごめんなさい。本当は捜索活動をする前から……」 古泉「心当たりがあったのですか?」 みくる「……ごめんなさい」 ハルヒ「……それで、そこは何処なの?」 みくる「私の家の近くにある公園です」 65 名前:1[] 投稿日:2008/04/23(水) 20:30:39.97 ID:4PYJHFdc0 みくる「その公園には、一匹のおっきな黒猫さんと、三匹のちっちゃな黒猫さんが居て……。      私は、時々、ミルクをあげたりしてたんです。      でも、ある日、ちっちゃな黒猫さんが二匹になってて……」 ハルヒ「それがにゃあってこと?」 みくる「最初は全然、イコールで結びつきもしませんでした。     でも、捜索活動をはじめるって聞いて、それで思い出して……」 長門「その公園に案内して」 みくる「きょ、今日ですか?」 長門「今日。今からにゃあを連れて来る。少し待っていて」 66 名前:1[] 投稿日:2008/04/23(水) 20:34:53.62 ID:4PYJHFdc0 猫「にゃあ……」 ハルヒ「ここが、その公園ね」 みくる「……はい。そこのドラム官の中に……」 古泉「猫が居るんですね」 みくる「うん。……あの……」 長門「行ってくる」 ハルヒ「え、一人で大丈夫なの?」 キョン「一人で行かせてやれ」 長門「……確かに居る」 猫「にゃあ」 長門「あなたの家族?」 猫「にゃあ」 長門「そう。それじゃあ、さようなら」 猫「にゃあ!」(がしっ) 長門「何?」 猫「にゃあ」(ぶんぶん) 長門「離して」 猫「にゃあ!」 長門「…………」 67 名前:1[] 投稿日:2008/04/23(水) 20:39:22.97 ID:4PYJHFdc0 長門「駄目。あなたは行かないといけない。     あなたは私と一緒に居るべきではない」 猫「にゃあ!」(ぶんぶん) 長門「大丈夫。あなたの親があなたを犬から守ってくれる。私が居なくても大丈夫」 猫「にゃあ!」(ぶんぶん) 長門「餌だって、あなたの親が与えてくれる。私が居なくても大丈夫」 猫「にゃあ!」 長門「どうして?」 猫「にゃあ」 長門「……遊びに来る」 猫「にゃあ?」 長門「あなたの家族にも挨拶がしたい」 猫「にゃあ」 長門「今までと接する時間が少し短くなるだけ」 猫「にゃあ……」 長門「あなたを守る人が変わるだけ」 猫「にゃあ……」 長門「大丈夫。あなたのことを忘れたりはしない」 猫「にゃあ!」 長門「あなたも、私のことを忘れないで居てくれる?」 猫「にゃあ!」 長門「そう。……それじゃあ、また」 猫「にゃあ!」 長門「…………」 69 名前:1[] 投稿日:2008/04/23(水) 20:41:43.28 ID:4PYJHFdc0  それからというもの、ちょくちょく公園で長門さんを見かけます。  そんなときの長門さんは、柔軟材みたいにほわほわした表情です。                         おしまい。