キョン「長門、俺はハルヒのことが好きなのかもしれない」 112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/12(土) 12:43:26.98 ID:8GYPhoDH0 「長門ー入るぞー」 入ったらすぐに鞄を取り、帰るつもりだった。 ただ、扉を開けて真っ先に飛び込んできたのが、 窓の前に座りこみ、顔を赤くしながら月を眺めている長門の姿だったから。 見慣れないその姿に、俺は数十秒見とれていた。 「………あ」 我に返った俺は、すぐに本来の目的を思い出し、鞄を握り部屋をでる。 なぜかエレベーターにのっている間、心臓の鼓動がよく聞こえた。 ハルヒをみたときの感じに似ているのは、きっと気のせいだろう。 113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/12(土) 12:44:32.30 ID:8GYPhoDH0 翌日、放課後SOS団部室へと向かう。 部室に入ると、いつも通り本を読んでいる長門の姿が見えた。 気配で感じたのか、長門は本から俺へと視線をスライドさせる。 長門と、目が合った。 なぜだろう。俺は、目をそらす。 特に理由はない。嫌だったわけでもない。 ただ、ずっと目を合わせていられる気がしない。 おかしいぞ、俺 115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/12(土) 12:48:19.95 ID:8GYPhoDH0 「あら、みくるちゃんと小泉君はまだなの」 ハルヒが潔く扉をあけ、部室内に飛び込んでくる。 俺が今日は見ていないということを説明すると、どうでもよさそうな生返事が帰ってきた。 そのままハルヒはパソコンの前へと向かい、ディスプレイとにらみ合いを開始始めた。 「なにをしているんだ?」 パソコン前のハルヒに問う。 116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/12(土) 12:51:49.89 ID:8GYPhoDH0 「なにって、情報を探してるのよ。あのお祭りに関してなにか怪しい噂はないか」 「噂って…そんなもんないだろう」 「わからないじゃない!ところでキョン、ここどうすればいいか分からないんだけど…」 「ん?」 画面を確認すると、ちょっとしたエラーが発生していた。 乱暴な扱いに、さすがのパソコンも参ったのだろう。 「ああ、これはだな…」 たいした問題でもない。設定を少しいじると直るはずだ。 「あら、このフォルダ何?」 問題修正の際に少し開いてしまったフォルダ。 それは、俺がmikuruフォルダを隠していた場所でもあった。 ハルヒのことでいっぱいで、最近は存在すら忘れかけていたのだが……。これは困った。 「mikuru?みくるちゃんのかしら」 ハルヒはマウスを移動させ、そのフォルダを開こうとする。 やめろ!と声に出す前に、そのフォルダは開かれてしまった。だめだ。もうだめだ。 117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/12(土) 12:54:06.41 ID:8GYPhoDH0 画面いっぱいに広がる拡張子jpgのファイル達。 幸い、アイコンに画像自体は表示されていなかったので、開かなければどんなものかは分からない。 「画像ファイルがたくさんね……怪しいわ、このフォルダ……ねえキョン…?」 視線を向けられた俺は、目をそらす。言い返す言葉も思いつかない。 「あら、横にもう一つフォルダがあるわね。『my story』…?」 「ん…?」 118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/12(土) 12:55:34.03 ID:8GYPhoDH0 my story…?mikuruフォルダの横にもう一つ。 俺はそんなフォルダ作った覚えはない。なにかシステム関係のフォルダだろうか。 ハルヒがmy storyフォルダにポインタを移動させた瞬間、画面が暗闇につつまれる。 「あれ、どうしちゃったのよ、これ」 ハルヒが闇雲にキーボードを叩いたり、マウスクリック連打、するものの、パソコンに反応はない。 119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/12(土) 12:57:50.72 ID:8GYPhoDH0 「エラー起こったんじゃないか?もしかしてさっきのウィルスだった…?」 「ウィルスー!?あんた、これ明日までに直しときなさい!いいわね!」 そういってハルヒは席を立ち上がると、ややご機嫌斜めで部室を飛び出る。 俺はひとまず安心したのだが、パソコンが壊れてしまっていては困る。 確認のため、もう一度起動ボタンを押し直した。 「おや、動くじゃないか」 問題もなく起動しはじめるパソコンを見て、思わず声に出てしまった。 デスクトップが表示された後も、特に異常もなく操作できた。 念のためウィルスチェックなるものをしてみたが、なにも発見はされない。 120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/12(土) 13:03:44.06 ID:8GYPhoDH0 『彼と私は、二人きりで校舎を回る』 私は転校生。遠い所からこの学校に転校してきた。 私は普通とは違った存在。彼は特別な存在。 二人は、部室等を歩いていた。 ふと窓から白い粉が舞い降りてくる。 雪だった。 124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/12(土) 13:30:06.47 ID:8GYPhoDH0 祭り当日。 俺は集合十五分前に到着したのだが、すでに他のメンバーは集まっている。 喫茶店で適当に過ごした後、さっそく祭りに行くことになった。