鶴屋さん「ハルにゃんはキョンくんのことがホントは好きなのかい?」 1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/08(火) 21:21:45.18 ID:KLbhCnL10 ハルヒ「ちょ!鶴屋さん・・・何言ってるの・・・キョンなんか!そんなワケないじゃない・・・」 キョン(何てこと聞きやがるんだ・・・) 鶴屋さん「あれれ?そうなのかい?それじゃあみくるはどうなんだい?」 みくる「わ・・・私は・・・その・・・禁則事項です・・・」 鶴屋さん「へ〜っ・・・それじゃあ長門っちは?」 長門「好き」 4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/08(火) 21:25:46.17 ID:KLbhCnL10 鶴屋さん「おやおや!これは凄い発言聞いちゃったよ!キョンくん!モテモテじゃないか!」 ハルヒ「ちょっと由希・・・そういう冗談を言うとキョンはマジになっちゃうわよ」 長門「冗談ではない。私は質問に答えただけ」 キョン「な、長門・・・」 ハルヒ「友達として好きってこと?」 長門「・・・」 鶴屋さん「おおっと!こいつはもしかするともしかするのかい??」 ハルヒ「由希、ハッキリしなさいよ」 14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/08(火) 21:31:47.36 ID:KLbhCnL10 鶴屋さん「ハルにゃん、何か顔恐いよ!どうしちゃったのさ!」 ハルヒ「そ、そう?私は別にどうでもいいんだけど」 鶴屋さん「よーしこの際だ!長門っち!思いきってキョンくんに思いを打ち明けるんだ! もうほとんど打ち明けちゃったのかな?」 キョン「な、長門。友達として好きってことなんだよな。仲間っていうかさ。いやー嬉しいよ」 長門「友達として・・・というのとは違う。私にもこの感覚ははっきりとは分からない。ただ、 あなたは特別な人だと認識している」 ハルヒ「ちょっと由希・・・どういうことよ!」 みくる「涼宮さん・・・恐いですう」 ハルヒ「べ・・・別にどうでもいいのよ?キョンはバカだから変なこと言うとマジになっちゃうから・・・」 古泉「僕はバイトがありますので・・・」 22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/08(火) 21:36:33.65 ID:KLbhCnL10 鶴屋さん「特別な人??これはもう決定打だね!ハルにゃん!どうだい!ここは盛大に二人を祝ってあげようじゃないか!」 ハルヒ「キョン!あんたはどうなの?あんたは由希のことどう思ってんのよ」 キョン「お・・・俺か?俺はだな・・・」 キョン(長門か・・・確かに長門のことは冬のあの事件以来、特別視してはいるが・・・うっ・・・長門!そんな目で 見ないでくれ!) ハルヒ「何で即答できないのよ」 みくる「つ、鶴屋さん・・・話題変えませんか?」 鶴屋さん「そ・・・そうだね!何かまずいこと聞いちゃったかな?」 ハルヒ「いいの。キョン。さっさと答えて。それから由希もはっきり言えばいいじゃない」 長門「・・・」 31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/08(火) 21:44:48.77 ID:KLbhCnL10 キョン(古泉がバイトに行ったってことはハルヒの奴相当イライラしちまってるな・・・仕方ない) キョン「あー長門のことは俺も好きだ。ただそれはSOS団・・・」 鶴屋さん「いやー!熱いねえ!こりゃ両思いじゃないかっ!めがっさ熱いにょろ〜!」 キョン「鶴屋さん、違うんですよ・・・長門は・・・」 鶴屋さん「皆まで言うな!君の言いたいことはよ〜く分かった!ここまでノロけられちゃ 私も恥ずかしいね!ハルにゃん!これは祝うしかないさっ」 ハルヒ「・・・・・・・有希はどうなの。キョンのこと愛してるの?」 長門「彼のことは信頼している。できればずっと一緒にいたい。通俗的な表現で使われる『愛している』という 言葉が私の感情を表現する言葉かどうかは分からない。私にもこの気持ちは解釈不可能」 40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/08(火) 21:49:52.82 ID:KLbhCnL10 みくる(やっぱり長門さんは、キョンくんのことを・・・) 鶴屋さん「回りくどい言い方だなあ。けど長門っちらしいや!こんな告白もアリなんだね」 ハルヒ「帰る」 キョン「おい!ハルヒ!」 みくる「す、涼宮さ〜ん!」 鶴屋さん「おお〜恐いねえ。ハルにゃんもしかしたら妬いてるんじゃないのかなっ?」 キョン「それは120%ありませんよ・・・」 みくる「わ、私、涼宮さんを追いかけてきます・・・」 43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/08(火) 21:53:42.72 ID:KLbhCnL10 キョン(まずいことになったなあ・・・) 鶴屋さん「ハルにゃん、急用かなっ?」 キョン「俺も行ったがいいかな・・・」 長門「あなたは行かなくていい」 キョン「長門・・・」 長門「・・・今の涼宮ハルヒは混乱状態にある」 鶴屋さん「おっと!もしかして私はお邪魔かい?みくるが一人じゃ心配だからちょっと様子を見てくるさっ」 ……部室に沈黙が訪れる。 46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/08(火) 22:02:43.78 ID:KLbhCnL10 キョン「長門・・・さっきのだけど・・・気持ちは嬉しかった」 長門「そう」 キョン「ただなあ。ああいう場面で言うとまずいんだ。 ハルヒは多分予想外のお前の返答にビックリしちまったんだよ」 長門「・・・不覚。私の単なるバグのせい。謝る」 キョン「長門・・・」 長門「以前にもバグの蓄積はあったが、最近もバグが蓄積されている。 私には対処ができない。できればこのバグの意味を知りたい」 キョン「まだお前はそれがバグなんて思ってんのか。それは正常な感情ってやつなんだ。 むしろお前が人間に近付いてるってことかもしれないな。これはいい傾向かもしれない」 長門「今までバグが発生すると私は読書や食事などでバグを抑制させてきた」 キョン「あーそんなことはやめちまえ。感情に従えばいいんだよ」 長門「そう・・・・・・」 53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/08(火) 22:09:43.72 ID:KLbhCnL10 長門「私はやはりあなたと一緒にいたいと思っている」 キョン「ハルヒの前ではそういうことは言っちゃダメなんだ」 長門「なぜ。あなたは感情に従えと言った」 キョン「おいおい・・・本気で俺のことが?」 長門「分からない。しかしバグを抑制すると私のバグは蓄積され続けるかもしれない。 そうするとまたおかしな行動を起こす可能性もないとは言い切れない」 キョン「また世界を再改変みたいなことされたらたまったもんじゃないな」 長門「そう」 キョン「とりあえず、とりあえずだ。そのバグとやらの話は今度ってことでな。 ハルヒが戻って来たら、さっきのはドッキリだったってことにしてくれないか」 長門「……分かった」 56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/08(火) 22:13:28.58 ID:KLbhCnL10 みくる「キョンくん」 キョン「朝比奈さん。ハルヒは見つかりましたか?」 みくる「今鶴屋さんが捕まえて部室まで連れて来てます・・・恐かったですう・・・ キョン「大丈夫です。さっきのことは古泉と俺で仕掛けたドッキリってことにしますから」 みくる「それは名案ですね。でも・・・長門さんはいいんですか?」 長門「問題ない。ドッキリだったと言う」 みくる「分かりました・・・じゃあ私は何も知らなかったことにしますね」 キョン「そうしてください。朝比奈さんまで仕掛け側だと分かったらハルヒの奴何するか分かりませんからね 犠牲者は俺と古泉だけで充分です」 62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/08(火) 22:17:46.94 ID:KLbhCnL10 鶴屋さん「ただいま〜!ハルにゃん力強いねえ!めがっさ引っ張ってきたよ!」 ハルヒ「……」 鶴屋さん「どうしちゃったのさ!」 キョン「なあハルヒ!実はな・・・さっきの話はドッキリだったんだよ!」 ハルヒ「え?」 長門「そう。古泉イツキと彼と私が仕掛けたドッキリ」 ハルヒ「そ、そうだったの?」 鶴屋さん「何だ!そうだったのかい!私まで騙されちゃったってことかい?」 キョン「そういうことです。あっはっはっはっは!」 みくる「ふえ〜ん!ビックリしましたよお」 鶴屋さん「いや〜ドッキリだったとしてもさ、ハルにゃんは何であんな反応だったんだい! 私はむしろそっちが気になるね!」 キョン(鶴屋さん・・・) 76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/08(火) 22:25:16.62 ID:KLbhCnL10 ハルヒ「わ、私は・・・」 鶴屋さん「皆まで言うな!ハルにゃんがキョンくんに惚れてることはよ〜っく分かったさっ! あれは嫉妬にょろ?この名探偵ちゅるやの目はごまかせないさっ!」 ハルヒ「違うってば!私は、キョンが有希に変なこと言って有希を騙してるんじゃないかなあって。 有希って騙されやすそうじゃない?」 鶴屋さん「でも結局はハルにゃんが騙されてたってことだねっ!そして本音が出ちゃったのさっ!」 ハルヒ「違うって!誰がこんなじゃがいもみたいなエロ男のことを!」 キョン「おいおい・・・そこまで言うか」 ハルヒ「ふん!何がドッキリよ。ただの団員のくせして、団長を騙そうなんて100年早いの! さっきはビックリしたんじゃなくて急用で電話しなくちゃいけなかっただけ! 何がドッキリよ・・・子供じゃあるまいし。古泉くんとキョンは、罰として明日裸で校庭走ってもらうからね」 キョン「おい!古泉だけにしとけよ!あいつなら、喜ぶ女も多いだろう」 93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/08(火) 22:37:26.72 ID:KLbhCnL10 ハルヒ「それもそうね・・・あんたなんかの裸見たところで誰も喜ぶ奴なんていないし」 キョン「そうだろ!古泉は見ての通り女子のファンはかなりいるんだ」 キョン(ふ〜。とりあえずハルヒはいつも通りに戻ったな) 鶴屋さん「それにしても・・・さっきのドッキリは参ったねえ!見事だよっ! 主演女優賞は長門っち!助演はキョンくんってとこかな!」 ハルヒ「有希は映画でも宇宙人役を本物みたいに演じただけあるわね。さすが私が見込んだだけのことはあるわ」 キョン「は、はは・・・そうだろ? 長門「こんなにうまくいくとは」 キョン(な、長門棒読みだぞ・・・) 鶴屋さん「私はSOS団はてっきりキョンくんの取り合いなのかと思ってたよ! 実はハルにゃんもみくるも長門っちも・・・皆キョンくんのことが好きなんじゃないのかってさっ!」 ハルヒ「あっはっは。鶴屋さん、考え過ぎだわ」 みくる「そうですよ・・・」 長門「……」 98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/08(火) 22:42:26.48 ID:KLbhCnL10 ハルヒ「あーでもたまにはこういうドッキリも悪くないわね。今度はあんたに仕掛けるからね。覚悟しときなさい!」 キョン「はいはい」 みくる「それじゃ、今日は私、鶴屋さんの家に寄って帰るので、先に帰りますね」 キョン(あーそれで朝比奈さんは今日はメイド服じゃなかったのか) 三十分後。 キョン「それじゃ、俺も帰るかな」 ハルヒ「あら、早いのね」 キョン「まあな」 キョン(古泉の奴と会っておかなきゃまずいだろうな。一応口裏を合わせておくか) 106 名前:1[] 投稿日:2008/04/08(火) 22:48:35.69 ID:KLbhCnL10 校門のところに古泉が立っていた。 キョン「おお。もう閉鎖空間は解消されたのか?」 古泉「突然消えました。それにしても参りましたよ・・・長門さんは涼宮さんの前で ああいった発言をされるとはね」 キョン「長門はバグのせいだと言ってたけどな」 古泉「困ったものです・・・」 キョン「それでだな・・・古泉、お前は神人と戦ったばかりで疲れてるかもしれんが、 明日はもっと疲れるかもしれないってことを伝えておこうと思ってな」 古泉「何でしょう。神人狩りには慣れていますから、お気になさらずに」 キョン「明日、お前は裸にされる」 古泉は黙り込んだ。 古泉「そ、それは・・・!」 キョン「何でだか分かるか」 古泉「そうですねえ・・・やめておきます。楽しみはとっておきたいものですからね」 そう言うと古泉は帰って行った。 キョン「何だあいつ・・・」 120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/08(火) 23:01:26.37 ID:KLbhCnL10 家に帰ると電話が鳴っていた。 キョン「もしもし・・・」 古泉「僕です」 キョン「何だお前か」 古泉「明日、何時頃部室に行けば良いのでしょう?一番重要なことを聞き忘れていました」 キョン「はあ?いつも通りでいいだろ。覚悟しておいたがいいぞ」 キョン(こいつはいつでも全部を知っているからな。たまには俺が騙すってのもいいかもしれんな) 古泉「覚悟ですか・・・。分かりました。それにしても・・・いつも通りの時間でいいのですか?」 キョン「いいんだよ。くっく・・・」 古泉「ふっふっふ・・・なるほど・・・あなたもなかなか・・・」 古泉(明日は誰も部室に来ないということでしょう) キョン「それじゃあ、明日を楽しみにな」 古泉「御意!」 129 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/08(火) 23:09:52.32 ID:KLbhCnL10 一方鶴屋邸では 鶴屋さん「いっや〜キョンくんもうまいこと言うねえ。ドッキリってことにしてハルにゃんを安心させるとは!」 みくる「き、気付いてたんですか?」 鶴屋さん「もちのろんさ!私だって空気くらい読めるさっ!あれ以上長門っちに告白させてたら ハルにゃんの怒り爆発だったからさ!」 みくる「恐かったですう・・・」 鶴屋さん「ハルにゃん、昇降口まで走って行って、何してたと思う?」 みくる「私、追いつけなかったので・・・」 鶴屋さん「私にもよく分からないけどさっ。髪をポニーテールにしてたのさっ! もしかするとキョンくんの気を引こうとしてたのかもねっ」 みくる「涼宮さんけなげ・・・」 138 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/08(火) 23:14:03.44 ID:KLbhCnL10 一方部室では ハルヒ「有希!今日の演技凄かったじゃない。うっかり私まで騙されちゃったわ。 明日古泉くんには裸で走ってもらうわ!」 長門「……古泉イツキは首謀者……仕方ない」 ハルヒ「ふふふ!今から楽しみだわ!それじゃあ私も今日は帰るわ!」 長門「そう」 ハルヒ「絶対古泉くんには明日何も言っちゃダメだからね!」 長門「了解した」 ハルヒ「それじゃあ!」 146 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/08(火) 23:20:34.14 ID:KLbhCnL10 電話が再び鳴った。 キョン「もしもし」 長門「今日は悪かった」 キョン「あー長門か。いいんだいいんだ。気にするなって」 長門「涼宮ハルヒはドッキリだと信じ込んでいる。問題ない」 キョン「そうか。古泉によれば閉鎖空間もすぐに解消したらしいからな」 長門「そう・・・・・・」 キョン「あー今度どっか行くか?図書館でも」 長門「あなたが迷惑でなければ」 キョン「いいんだ。いつもハルヒの監視ばっかじゃ退屈だろうし」 長門「日取りは」 キョン「そうだな。明後日の土曜にでも」 長門「了解した」 153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/08(火) 23:24:23.60 ID:KLbhCnL10 長門との電話を切った直後にまた電話が鳴る。 キョン「もしも・・・」 ハルヒ「誰と喋ってんのよ。話し中だったじゃない」 キョン「いや、その・・・何だ。古泉だよ。今日、途中で部を抜け出したから、 何か大事な話でもあったかどうかの確認だってさ」 ハルヒ「ふ〜ん・・・・・・」 キョン「で、何なんだよ。今日のドッキリなら悪かったな。まさかあんな引っかかるとは思わなかったんだよ」 ハルヒ「だから引っかかってないって言ってるじゃない。まあいいわ。別に何でもないわ。もう切る」 キョン「何なんだよ・・・」 ハルヒ「あー最後に。有希も同時に話中って珍しいわね」 キョン「・・・・・・」 ハルヒ「それじゃ明日」 174 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/08(火) 23:30:49.08 ID:KLbhCnL10 キョン(うかつに電話もできんな・・・まあいい。今日はもう寝よう・・・明日は古泉もいるだろうし何とかしてくれるだろ) 〜翌日 ハルヒは一日中憂鬱だった。 いつもの時間、部室に向かう。 キョン「朝比奈さん、早いですね」 みくる「ふふ。昨日の今日ですから・・・気になって」 キョン「ハルヒは来てないんですね」 みくる「ええ……そろそろ来ると思いますよ」 長門「問題ない。涼宮ハルヒはドッキリだと完全に信じている」 キョン「おお・・・いたのか長門」 長門「おでまし・・・」 古泉が満面の笑みで部室のドアを開けた。 古泉「あれ・・・長門さんに・・・朝比奈さんまで・・・」 182 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/08(火) 23:36:44.62 ID:KLbhCnL10 古泉は妙に怪訝な表情をしている。 古泉「どういうことでしょう・・・」 キョン「まあ待ってろ」 古泉「場所を変えるということですか?」 キョン「お前は何を言ってるんだ」 ハルヒ「お待たせー!」 古泉「す、涼宮さんまで・・・これは一体・・・」 キョン「くっくっく・・・」 古泉「いくら僕でも、女性の前では・・・」 ハルヒ「古泉くん!昨日はよくもやってくれたわね・・・それなりに覚悟してるんでしょうね!」 古泉「僕はいつでも本気ですよ」 ハルヒ「むかつくわ・・・。あんな子供じみた真似を・・・」 古泉「まあ確かに子供じみてるといえばそうかもしれませんね。隠しごとってやつですよ」 ニヤリと笑ってキョンの方を見る古泉 キョン「バカめ・・・」 193 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/08(火) 23:43:36.04 ID:KLbhCnL10 ハルヒ「それじゃあみくるちゃん!手伝って!有希も手伝うのよ!」 古泉「なっ!何をするんですか!な、長門さんまで!」 力では古泉と言えども長門には敵わない。 キョン(そんな目で俺を見るな、古泉!) 古泉「説明を・・・!」 キョン(何だそのすがるような目は!) ハルヒ「言い訳無用!」 古泉「どういうプレイなんですか!!!!」 古泉の絶叫を聞いたのは俺だけだった。 何かあいつは重大な勘違いをしていたらしい。 まあいいさ。いずれにせよ、俺は罰ゲームを逃れることができた。 204 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/08(火) 23:49:21.69 ID:KLbhCnL10 何か大切な物でも失ったかのような表情で放心状態になっている古泉を無視して、 俺は部室でボンヤリ過ごした。 ハルヒ「いやあ楽しかったわ!今日は帰るわ!」 キョン(すっかりハルヒは元通りだな。さて、明日の図書館のことも話したいし、今日は長門と帰るか) 朝比奈さんと古泉はその後、相次いで帰っていった。 古泉の背中が妙に寂しそうに感じたのは俺の気のせいに違いない。 キョン「長門、今日一緒に帰るか」 長門「了解した」 212 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/08(火) 23:54:01.26 ID:KLbhCnL10 キョン「長門、明日の図書館、いつものところでいいか?」 長門「いい」 キョン「そうか。ほかに行きたいところとかあったら遠慮しなくていいんだぞ」 長門「古書店」 キョン「分かった分かった。確か駅前にいい古本屋があるんだ。そこでいいか」 長門「いい」 気付くと長門のマンションの前まで来ていた。 キョン「ってうわ!!」 ハルヒ「あら・・・何してるのあんたたち」 キョン「か、帰ったんじゃなかったのか。こんなところで何をしてるんだ!」 ハルヒ「別に。偶然よ」 キョン「偶然って!お前の家とは反対方向だろうが!」 キョン(まずいな・・・昨日のこともあるし、何としてでもここはごまかし通さないといかん・・・) 223 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/08(火) 23:59:36.26 ID:KLbhCnL10 ハルヒ「さてと・・・健全な男女が、女性のマンションの前まで一緒に歩いて帰る・・・このことについて、 私が納得いくような解答が欲しいところね」 キョン「うん。お前の言うことはよく分かる」 ハルヒ「私はSOS団団長でありながら風紀委員でもあるの。さ、何だったらみくるちゃんも呼び出すわよ」 キョン「それはかえって話がこじれるだけだろう」 俺は頭をフル回転させた。 キョン「ハルヒ、実はだな・・・以前も話したと思うが、長門には親戚がいるんだ。 今度こそ長門を親戚が引き取って学校も転校させようとしてるんだ。というわけで俺が 説得にあたりにきたんだ」 ハルヒ「もういい。いつもそうやってあんたが言う嘘を私が信じてると思ってんの? 毎回毎回、ドッキリだったとか、家庭の事情だとか・・・都合よすぎるのよ!」 キョン(い、いつもなら、すんなりと信じるはずなのに・・・) 古泉「どうやら僕から説明してさしあげた方がよろしいでしょうね」 救いの神とはこのことだろう。茂みの中から古泉が現れた。 240 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/09(水) 00:05:12.81 ID:iqx99tLY0 ハルヒ「こ、古泉くん?」 古泉「お察しの通り・・・古泉です。先ほどは・・・なかなか酷い目に遭いましたが」 二日続けて閉鎖空間を出されてはたまったものではないのだろう。 古泉は俺の方を見るとウインクをしてみせた。気持ち悪かったことは言うまでもない。 古泉「先ほど、彼が説明した内容は真実です。それは僕が保証しましょう」 ハルヒ「でも・・・毎回毎回おかしすぎるわ。私はバカじゃないのよ!」 古泉「では、実際に親戚の人に来て頂きましょう」 新川さんも茂みの中から出てきた。 新川「長門の親戚の、新川と申します」 俺もすぐに話を合わせる。 キョン「そうだ。この人が前にも言ってた長門の親戚だ」 ハルヒ「ど、どうも・・・」 259 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/09(水) 00:10:32.81 ID:iqx99tLY0 新川「実は、以前にも彼と、古泉さんから説得を受けておりまして、 とりあえず今回は有希を転校させようという話は断念しました」 ハルヒ「あ、当たり前じゃない・・・有希はSOS団の泥棒猫・・・いや優秀な文芸部員なんだから」 新川「左様でございますか。それでは私はこれで」 古泉はもう一度ウインクをしてみせて、新川さんと一緒にどこかへ消えた。 ハルヒ「さすがにこれは信じるしかないわね・・・」 長門「今回は転校は覚悟していた・・・助かった。ありがとう」 キョン「いいんだ。礼なら古泉に言ってくれ」 キョン(それにしても、新川さんの顔はハルヒにバレてるはずなんだが・・・) 長門「情報操作は得意」 キョン「なるほどな」 ハルヒ「キョン!あんたそれじゃあもうここには用はないんでしょ。ちょっと着いてきなさい」 274 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/09(水) 00:16:30.77 ID:iqx99tLY0 一方鶴屋邸 鶴屋さん「二日連続でみくるが家に来るって珍しいねっ」 ところでキョンくんってポニーテール萌えかな?みくるはどう思う?」 みくる「え・・・え・・・」 鶴屋さん「もしもキョンくんがそうだとしたら、ハルにゃんの行動も分かるってもんさ! これは私たちはどっちを応援すべきなんだろうねっ!」 みくる(私としては上司の命令がないと何もできない・・) 鶴屋さん「ハルにゃんも素直じゃないからなあ!ここは先輩としてハルにゃんにもキョンくんに 気持ちを告白させるべきかなっ!」 みくる「それは・・・」 鶴屋さん「キョンくんが選べばいいんだよっ!」 みくる「ダメです鶴屋さん!」 鶴屋さん「あれれ・・・もしかしてみくるも・・・!!困ったねえ!やっぱりキョンくん大人気だっ!」 みくる(違うんです・・・これ以上厄介ごとを増やさないようにしないと・・・) 291 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/09(水) 00:25:13.23 ID:iqx99tLY0 ハルヒ「あんたさ、正直に言っていいのよ。別に私は人の恋路は邪魔しないから」 キョン「恋路?」 ハルヒ「昨日の有希の告白はマジでしょ?分かってるんだから」 キョン「だからあれはドッキリだと言っただろう!」 ハルヒ「ふーん・・・電話が偶然両方話し中だったのは?」 キョン「偶然だ。俺を信じろ」 ハルヒの肩を掴み、俺は真っ直ぐに見つめた。 ハルヒ「な、何よ・・・急に。そんな紳士ぶっちゃって」 キョン「嘘は言っていない」 ハルヒ「じゃ、じゃあ明日暇?」 キョン「えっ!!」 ハルヒ「やっぱりあんたに何の罰もないのはおかしいわよね。 だから明日は私と二人で、延々不思議探索!決まり!こ、これじゃ私にとっても罰ゲームみたいなもんだけど」 キョン「おい待てよ!」 いつものことながら、勝手に物事を決めるやつだ。 よりにもよって明日とはね・・・ 310 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/09(水) 00:31:00.24 ID:iqx99tLY0 キョン「どうしたもんかねえ・・・」 とりあえずに家に帰って長門に電話をかける。 キョン「明日なんだが、ちょっと急用が入ってな。やっぱり明後日の日曜日にしないか」 長門「・・・・・・」 キョン「ダメか?」 長門「日曜日は、図書館の休館日。しかも駅前の古本屋も日曜が定休日」 キョン「参ったなあ・・・来週はどうだ?」 長門「急用とは涼宮ハルヒのこと?」 キョン「うっ・・・ち、違う」 長門「ディスク・・・エラー・・・ディスク・・・エラー」 キョン「おい!また再改変とかやめろよ!」 長門「おそらく、明日、図書館にあなたと行けば解消されると思われる。 来週まで待った場合のバグの蓄積は致命的」 キョン「わ・・・分かった・・・」 325 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/09(水) 00:37:13.27 ID:iqx99tLY0 俺は、明日、ハルヒとも不思議探索の約束があり、長門とも図書館に行くという難題にぶち当たってしまった。 う〜む。下手をすればせっかくの古泉の努力が水の泡になっちまう。 ここは古泉に意見を聞くべきか・・・・・・。 古泉「もしもし」 キョン「実はだな・・・・・・」 古泉「今日はガッカリしましたよ・・・」 キョン「何のことだ」 古泉「まあいいでしょう。僕が勘違いしたのも悪いですし。 それでも、明日、二人の美女とデートという話など聞かされて、 僕は正直平常心は保てませんね」 キョン「お前、まさか・・・」 古泉「そのまさかです。そろそろ告白した方がよいでしょう。この際です」 キョン「あー話が長くなりそうだ。やはり女心ってのは女に聞くのが一番だな」 古泉「お察しの通り、僕はあなたが・・・」 ガチャリ・・・プープー 522 名前:1[] 投稿日:2008/04/09(水) 15:33:12.98 ID:iqx99tLY0 俺は朝比奈さんに電話をかけた。 みくる「もしもしキョンくん?」 キョン「あー朝比奈さん!とりあえず俺が軽い男じゃないという前提で聞いてほしいんですが」 みくる「はい・・・何でしょう」 俺は明日のダブルブッキングの話を朝比奈さんに聞かせた。 みくる「多分、涼宮さんは明日を楽しみにしてると思うなあ。長門さんもですよ」 キョン「いやあ困ったことになりました」 みくる「キョンくん!ここはキョンくんがはっきりしないとダメです。女の子としての意見ですよ 何ていうか、そういうあやふやな態度はダメだと思います」 キョン「俺としては長門を図書館に置いて、ハルヒと不思議探索って手も考えてるんですが」 みくる「長門さんはすぐ気付きます!前も同じことやって私長門さんに睨まれたんですから!」 キョン「そ、そうなんですか。分かりました……」 みくる「キョンくんは・・・長門さんと涼宮さん、どっちと行きたいんですか?それが一番重要だと思うんです」 俺はハルヒが好きなのか、長門が好きなのか・・・。 キョン「朝比奈さん・・・分かりました。自分で考えます。」 俺は電話を切って考えた。 528 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/09(水) 15:39:45.70 ID:iqx99tLY0 みくるの部屋 みくる(私はこの時間平面上では、恋愛はできない……。キョンくんもどうせ私のことは 何も思ってないみたいだけど……ホント、鈍感だなあ) ハルヒの部屋 ハルヒ(ちょwwwキョンとデートの約束取りつけちゃったwwwあああああ 顔赤くなってなかったかな!あああああああああああああ!思い出すとやばいwww 思い出すとああああああああああてなるwwwwww) ハルヒ「よし!キョンフォルダでも見てテンション上げなきゃ!」 キョンの寝顔集を見ながら、ハルヒはうとうとと眠った。 ハルヒ「おやすみ……キョン」 ハルヒ「おやすみ……ハルヒ」 531 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/09(水) 15:44:32.68 ID:iqx99tLY0 翌日……俺は目を覚ました。 胃が痛いぜ……。 そろそろどちらかに断りの電話を入れなければならない。 仕方ないが、ここは長門を優先させてもらおう。 言い訳めいているかもしれんが、ハルヒの約束はあまりに急だったからな。 キョン「は、ハルヒか……すまん!急用が入った!明後日にしてくれ」 ハルヒ「……」 長門が暴走するとハルヒより厄介だ……。 仮に閉鎖空間が出現しても古泉が苦労するだけで済む。 ハルヒ「理由を聞かせてもらおうかしら」 キョン「妹が熱出してな……明日病院に連れて行くことになった」 ハルヒ「妹ちゃんが……」 キョン「そういうわけで、すまんな。やっぱり罰ゲーム中止でも……」 ハルヒ「だーめ!明後日の日曜日!遅れたら死刑だから!」 キョン「やれやれ・・・分かったよ」 ハルヒ(ま、まあ明後日でもいいか・・・明日一日は何着ていくか考えよう) 538 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/09(水) 15:50:33.11 ID:iqx99tLY0 ハルヒの部屋 ハルヒ「もしもし」 阪中「あ、涼宮さん。私」 ハルヒ「あら、どうしたの」 阪中「いや〜涼宮さん今日すぐに部室行っちゃったから伝えられなくって。 岡部が進路の紙さっさと提出しろってさ」 ハルヒ「そ、そう……ありがとう」 阪中「あれ?元気ないね」 ハルヒ「そ、そう?至って普通だけど」 阪中「うふふ。隠さないでよ。クラスメイトなんだし。もしかして恋煩いとか?」 ハルヒ「そんなはずないでしょ!」 539 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/09(水) 15:52:59.64 ID:iqx99tLY0 阪中「もういいかげん素直になったがいいと思うなあ」 ハルヒ「えっ……」 阪中「いや、違うんだったらいいけど」 ハルヒ「当たり前じゃない。SOS団団長は恋なんてしないの」 阪中「うふふふ」 ハルヒ「じゃ、じゃあ切るわよ……」 ガチャリ・・・ 阪中「クラスの女子は皆気付いてるんだけどね……」 ハルヒ「素直になれか……どうやら最終手段しかないようね……」 540 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/09(水) 15:56:08.65 ID:iqx99tLY0 ー翌日 俺と長門は、図書館を散策した。 まあいつものように長門はひたすら読書に没頭しているが、 とりあえず楽しそうには見えた。 キョン「た、楽しいか?長門」 長門「楽しい」 キョン「それなら良かったぜ」 長門「バグは解消された」 キョン「そうか……」 長門「今後も定期的にこういった行動をするのが良いと思われる」 キョン「俺なんかでストレス発散になるんならいくらでも使ってくれ」 長門「そう……」ニヤリ 今長門がニヤついたように見えたのは気のせいだろう。 それよりも俺はハルヒがまたどこかに待ち伏せしていないかどうかを ビクビクしながらも、その後、古本屋を回り、何とか事なきを得た。 544 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/09(水) 15:58:26.00 ID:iqx99tLY0 翌日はハルヒとの不思議探索である。 キョン「は、ハルヒ……」 ハルヒ「何よ。妹ちゃんはもういいの?」 目を合わせようとしない。 ハルヒの髪型はポニーテールだった。 やれやれ……参ったぜ……。 これは言わざるを得んだろう。 キョン「ハルヒ……似合ってるぞ」 553 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/09(水) 16:01:59.30 ID:iqx99tLY0 鶴屋さんの部屋 みくる「というわけなんです。でもキョンくんの話聞いてると やっぱり涼宮さんなのかな……って私は思います。少なくとも涼宮さんは……」 鶴屋さん「ま、キョンくんが誰を好きにせよ、キョンくんの眼中に私は入ってないってことかっ! めがっさ落ち込むけどまあいいっさっ!SOS団にはやっぱり敵わないねっ!それにしても キョン君も罪な男だねっ!二人の美女とデートするなんてさっ! あの質問で、何気なくキョン君の好きな人を聞き出そうとしたんだけど失敗だったか! やっぱり私は外から見ているだけでいいのさっ!キョンくんが楽しそうならそれでいいのさっ!」 みくる「そ……そうだったんですか!それで鶴屋さんにしては変だなあって思ってたんです」 鶴屋さん「みくるの目はごまかせないねっ!これは内緒も内緒の話さ!」 みくる「は……はい!」 559 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/09(水) 16:07:10.58 ID:iqx99tLY0 長門の部屋 古泉「長門さん、それは恋心というよりは、親に対する子供の気持ちですよ」 長門「親?」 古泉「彼は、どちらかというと、あなたの父親のような存在ですね。 僕にはそんな風に見えますが」 長門「そう」 古泉「子供というのは、特に女の子というのは初恋の相手が父親だったりするものです それは恋愛感情というより嫉妬の感情ですね。父親ともっと一緒にいたいのに、 母親がいつも傍にいる……そこで嫉妬が生まれるわけです。厳密な愛とは違うのです」 長門「なるほど」 古泉「しかし、長門さんがそういった感情を抱かれたのは大きな進歩ですよ。 我々の負けでしょう。あの二人の熱々ぶりにはただただ呆れるばかりです」 長門「……」 古泉「納得頂けたでしょうか」 長門「了解した……」 古泉(ふふふ……意外に長門さんは騙されやすいですね。 ライヴァルを一人減らしましたよ……まだ僕は諦めませんがね) 567 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/09(水) 16:11:33.98 ID:iqx99tLY0 ハルヒの部屋 ハルヒ(今日はやばかったwwwプリクラwwww撮ったwwwwwwwwwwこれ永久保存wwww) ハルヒはまたキョンフォルダを開いたまま眠りについた。 ハルヒ「おやすみキョン……」 ハルヒ「おっと寝る前のキスはしなくていいのか」 ハルヒ「ちょっとやめてよキョン……」 ハルヒ「いいじゃないか」 ハルヒ「強引ね。しょうがないわねもう……」 ハルヒ「それにしてもお前のポニーテール……反則的なまでに似合っていたぞ」 ハルヒ「きゃあああああああああああああああああああああ寝れないwwwww」 574 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/09(水) 16:18:38.39 ID:iqx99tLY0 キョンの部屋 キョン「もしもし」 長門「昨日はありがとう」 キョン「いや、いいんだ」 長門「古泉一樹から私の感情は恋愛ではないと言われた」 キョン「そうか……」 長門「むしろ親子の感情」 キョン「親子?」 長門「あなたは私のことをどう考えているのか。それを聞きたい」 キョン(そうだな。部室でも言いそびれているからな) 575 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/09(水) 16:20:32.35 ID:iqx99tLY0 キョン「まず好きか嫌いかで言ったらもちろん好きだ。 ただそれが恋愛感情なのかってのは俺にも分からん。古泉が言う親子ってのは 俺にもいまいち意味が分からんな。俺としては、今まで通りの関係を続けるのがいいと思うんだが その……バグが爆発しない程度に、俺がいくらでも発散に付き合ってやるからさ」 長門「了解した……バグが蓄積しそうになったらまた図書館に。 現段階の有効手段はこれ以外見つかっていない」 キョン「一人で図書館ってのも発散になるかもしれないぜ」 長門「……」 キョン「ひ、一人じゃ嫌なのか?」 長門「おそらくそうと思われる。いずれにせよ、あなたは鍵」 キョン「分かったよ。ただ、なるべくハルヒのことにも気を遣ってな。 この前みたいに、あんなことハルヒの前で言ったりすると、古泉も大変だ」 長門「分かった。あれはこっちのミス」 キョン「それじゃあ、これからもよろしくな」 長門「よろしく」 長門「……泥棒猫はあっち」ボソリ キョン「今何か言ったか?」 電話は切れていた。 588 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/09(水) 16:27:36.01 ID:iqx99tLY0 ま、何にせよダブルブッキングは無事乗り切ったし、 ハルヒも長門も満足で、鶴屋さんのあの恐ろしい質問も曖昧に ごまかせた形で事態は収束したわけだ。 キョン(だが……一体誰が好きかって聞かれたら…… やっぱ朝比奈さん最高だっぜっ!!) 完 667 名前:1[] 投稿日:2008/04/09(水) 18:33:09.54 ID:iqx99tLY0 っていうのはうそピョンで、俺は特定の誰かに恋愛感情を持ったことはない。 長門はまあ特別な存在だ。どこかほっとけないっていうか、 いつも助けられている俺が言うのも何だが。 ハルヒはっていうと、いつも俺の生活の真ん中にいやがる。 やはり特別な存在といえるかもしれない。 まったく、何をやってるんだろうねえ。 翌月曜日、いつも以上に元気に見えるハルヒと長門は既に部室に来ていた。 今日はさすがに鶴屋さんは来ていない。 670 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/09(水) 18:34:21.57 ID:iqx99tLY0 ハルヒ「遅かったじゃない」 キョン「ああ。お前、今日クマが出来てるぞ」 ハルヒ「うるさいわね。ちょっと遅くまで勉強してたのよ」 キョン「そうか」 みくる「お茶です」 キョン「朝比奈さん、今日はツインテールなんですね」 みくる「ええ。教室で女の子たちに似合うとか言われて無理やりやられちゃいました」 キョン「似合ってますよ」 ハルヒ「イライライライライライライラ」 長門「……」 キョン「ちょっとトイレに行って来ますね」 バタン…… ハルヒ「邪魔者は消えたわ。みくるちゃん、団長の命令にそむいて勝手に髪型を変えないの。 今すぐ髪を元に戻しなさい」 みくる「え……は、はい」 673 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/09(水) 18:36:41.59 ID:iqx99tLY0 キョン「あれ、朝比奈さん、髪型戻しちゃったんですか」 みくる「すいません。涼宮さんに……」 ハルヒ「みくるちゃん。黙りなさい」 みくる「は、はい……」 キョン「ハルヒも昨日ポニーだったんですよ」 みくる「そ、そうなんですかあ?」 ハルヒ「うるさいバカキョン!今日は団の活動内容を決める日よ。さて……」 長門「昨日……?」ボソリ ハルヒ「来週あたりまた不思議探索でいいわね」 いつものように勝手に決めると、ハルヒは部室を出て行った。 677 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/09(水) 18:40:16.69 ID:iqx99tLY0 ハルヒの出て行った後、意外にも最初に口を開いたのは長門だった。 長門「昨日の涼宮ハルヒの髪型をなぜあなたが知っている」 キョン「へ?あーいや、古泉が偶然町で見かけてだな」 あのー長門さん、目つきがいつもより鋭い気がするんですが。 キョン「な、なあ古泉」 古泉「ええ。見かけました。」 古泉が俺に片目を閉じて見せる。やはり気持ち悪い。 長門「理解した」 みくる「……」 678 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/09(水) 18:42:19.98 ID:iqx99tLY0 そして土曜日。不思議探索が始まった。 今回もくじで割り当てを決めるわけだが、 俺は長門と同じになった。 キョン「さて、また図書館だろ?」 長門「それがよいと思われる」 キョン「もうバグは溜まってないのか」 長門「問題ない」 長門は図書館で黙々と本を読み、俺はライトノベルで時間を潰した。 679 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/09(水) 18:45:00.21 ID:iqx99tLY0 そして、午後。 またもや、くじの結果は長門と一緒だった。 キョン「長門……またお前か」 長門「そう」 キョン「おい、まさか情報操作してるんじゃないだろうな」 長門「……」 キョン「したんだな」 長門「だめ?」 キョン「ダメだ。あまり何回も同じになるとハルヒが怪しむだろ?」 長門「問題ない」 682 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/09(水) 18:48:19.35 ID:iqx99tLY0 キョン「問題あるんだよ。まあ俺だってお前と一緒で悪い気はしないぜ。 ただ、もうちょっとこう自然にだな、くじの成り行きに任せた方がいい」 長門「怒った?」 キョン「次やったら怒るかもしれん」 長門「分かった。もう情報操作はしない。 今後あなたがくじで操作する必要に迫られた時でも拒否する」 キョン「おい!もうちょっと融通をだな」 長門「……」 結局時間が半端に過ぎてしまっていたので、図書館に行くのはやめて 公園に行くことにした。 キョン「機嫌直してくれよ。くじで情報操作するときはできれば俺に許可をとってから頼む」 長門「分かった」 時間が来たので、俺たちはハルヒたちと合流した。 ハルヒは、いつも以上に不機嫌そうだったが、とりあえず解散ということになった。 687 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/09(水) 18:52:36.83 ID:iqx99tLY0 帰りに古泉と一緒になる。 古泉「しかし、長門さんも困りましたね。僕から言って聞かせたんですがね。 長門さんも実年齢は三歳のようなものですから、第一反抗期でも来ているのかもしれませんよ」 キョン「第一反抗期か。うん、あり得るな」 古泉「今日もくじで強引にあなたと組んだり、最近の行動はちょっと目に余りますね 涼宮さんの機嫌も最悪でしたね。 幸い、急なアルバイトは入りませんでしたが」 キョン「確かにな。最近の長門はちょっとおかしい。 だが、ちゃんと説教はしたからもう大丈夫だと思う」 古泉「その説教がきっかけで、また暴走なんてことにならなければいいんですがね」 キョン「それで暴走したらまた説教するさ」 古泉「困ったものです」 689 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/09(水) 18:54:58.43 ID:iqx99tLY0 翌日 ハルヒ「キョン!また来週も罰ゲームだからね。二人で不思議探索よ」 キョン「またかよ!今度は俺が何したって言うんだ!」 ハルヒ「嫌?」 キョン「え?」 ハルヒ「私と二人じゃ嫌かって聞いてんのよ、このエロナスビ!」 キョン「はっきり言おう。嫌だ」 ハルヒ「……」 ハルヒ「わ、私も嫌よ!」 キョン「おいハルヒー?」 ハルヒはそのまま教室を出て行った。 何だあいつは……。 嫌なら誘わなきゃいいのにな。 696 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/09(水) 18:58:07.68 ID:iqx99tLY0 遠巻きでやりとりを見ていた阪中が俺のところにやって来た。 阪中「キョンくん、さっきのはないと思うなあ。 あれは涼宮さんがデートに誘ってるのよ」 キョン「まさか……あいつは俺のことをただのじゃがいもくらいにしか思ってねーよ」 阪中「ホント、鈍感だなあ。いいから絶対さっきの約束断っちゃダメよ」 キョン「分かったよ」 ハルヒは屋上にいた。 キョン「おい、ハルヒ……」 ハルヒ「何よ」 キョン「さっきの件なんだがな、やっぱり行くことにする」 ハルヒ「本当?」 キョン「ああ。あと、さっきは嫌だとか言ってすまんな」 ハルヒ「いいのよ。今度は急用とか言わないように!」 キョン「はいはい」 699 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/09(水) 19:01:41.30 ID:iqx99tLY0 屋上から戻ってきたところで俺は喜緑さんに呼び止められた。 キョン「き、喜緑さん?」 喜緑さん「昨日、長門さんに説教をされたそうですね」 キョン「せ、説教というか……あれはあいつが悪いんですよ」 喜緑さん「困りましたよ。また暴走しそうになっていたところを 私が説得したんですよ」 キョン「そうだったんですか。困った奴だ……」 喜緑さん「長門さんは今日は学校をお休みです。多分明日には出て来れると思いますが」 キョン「分かりました。ちょっと俺からも何か言ってみますね」 喜緑さん「また何か長門さんがやらかしそうになりましたら私のところまで」 キョン「は、はい」 700 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/09(水) 19:05:37.20 ID:iqx99tLY0 放課後、俺は長門のマンションを訪れた。 長門「入って」 キョン「どうしたんだ。昨日暴走しかけたとか」 長門「今は問題ない。昨日の私はどうかしていた」 キョン「なあ、長門よ……。そんな俺の行動で暴走したりしなかったりはやめてくれないか」 長門「悪かった」 キョン「もう今後は俺がきっかけで暴走することはしないと誓ってくれ」 長門「誓う。暴走すると、姉からひどく怒られる」 キョン「お前に姉なんていたっけ?もしかして喜緑さんのことか?」 長門「名前を言うのもためらわれる」 キョン(長門がこれだけ恐縮するとは……喜緑さん、あなた一体どんなことを長門にしたんでしょうね) キョン「それじゃあ、まあ明日元気になったら戻って来いよ」 長門「了解した」 702 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/09(水) 19:08:47.78 ID:iqx99tLY0 マンションの前の公園で、俺は意外な人物と出くわした。 それは朝比奈さん(大)である。 キョン「どうも。何かあったんでしょうか」 朝比奈さん(大)「キョンくん。あなたは今、長門さんの暴走と涼宮さんからのアプローチで 困った状況に置かれていると思います」 キョン「そ、そうですね。ハルヒの奴は真意はわかりませんが」 朝比奈さん(大)「あなたはどちらかを選ばなければいけません。 多分、私が言わなくてもあなたが心の底から必要としている人は分かっていると思いますが」 キョン「……」 朝比奈さん(大)「とにかく、来週までにキョンくんは結論を出して下さいね。 できれば、この時間平面上の私には相談しないで、自分で決めて下さい」 キョン「分かりました。俺も男ですからね」 朝比奈さん(大)「安心しました。それでは」 朝比奈さん(大)はそれだけ言うと姿を消した。 やれやれ……。どちらか決めろか。それも自分で考えろという。 困ったことになった。 703 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/09(水) 19:11:08.38 ID:iqx99tLY0 俺はよく考えた。 ハルヒか、長門か・・・ 色んな想い出が走馬灯のように浮かんできた。 そして、俺は思った。 やっぱ朝比奈さん(大)も最高だっぜっ! 完 何ちゃって 708 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/09(水) 19:17:39.87 ID:iqx99tLY0 だが、俺は答えを出せずに、土曜日を迎えていた。 ハルヒのデートと称した不思議探索の日だ。 ふん、いくら鈍感な俺でもいい加減に気付いてきたぜ。 ハルヒの奴はまたしてもポニーテールだった。 最近髪を伸ばし始めていたのはそのためだったのか。 ああ、分かったよ。ハルヒは単なるクラスメイトでも SOS団団長でもない。 キョン「ハルヒ……愛してるぞ」 ハルヒ「ふえっ?は?今あんた何て言った?」 キョン「俺は人一倍鈍感だからな、お前の気持ちに気付いてやれなかった。 だが、この一週間色々考えて分かったんだよ。ハルヒ、やっぱりお前だってな」 ハルヒ「キョン!」 キョン「俺じゃダメか?」 ハルヒ「ううん。私もあんたしかダメみたい。あんたくらいバカな男の方が 私とはつりあうってものよ」 キョン「やれやれだ」 その後、俺たちは人目もはばからず抱き合っていた。 715 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/09(水) 19:23:54.35 ID:iqx99tLY0 エピローグ こうして俺とハルヒは付き合うことになったわけだが・・・。 ……最近奇妙なことが起きている。 鶴屋さん、朝比奈さん、長門の三人がポニーテールにしていることが多いのだ。 そしてハルヒはやけにこの三人に警戒している。 まさかな……。 完 721 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/09(水) 19:32:34.62 ID:iqx99tLY0 こんな落書き保守ってくれた人たちサンクスです。