ハルヒ「古泉君、あんたウザいわ」 19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/07(月) 16:38:23.64 ID:PqVqgWX80 「あたしの事どーでもいいみたいに話も聞かず同意ばっかして」 「……そう、ですね」 「ほら、今も」 「…すみません」 「古泉君は、何か思うことないの?自分の意見ってもの、ないの?」 「…」 ハルヒはじっと大きな目で古泉を直視して、唇をかみ締めた後 「古泉君のバカ!」 そう叫んで部屋から出て行った。 23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/07(月) 16:41:35.02 ID:PqVqgWX80 「…自分の…」 古泉は、ぽつ、と呟くと、主がいなくなり、静かになった部屋で、 長門専用となっているパイプ椅子を引き寄せて座った。 「…僕は…」 「古泉じゃねえか」 「…」 顔を上げるといつの間に入ってきていたのか、キョンが 自分の顔を見下ろしている。 「何してんだ、お前一人で。ハルヒはどうしたんだ」 「…涼宮さんは…」 「?」 24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/07(月) 16:44:00.23 ID:PqVqgWX80 「…あなたは、自分の意見があって、すばらしいですね」 「…は?いきなり何を言い出すんだ?気持ち悪いぞ」 あからさまに怪訝な表情のキョン。 それを見て取ると、いつもの微笑みを口元に貼り付けて 「もしも僕が、涼宮さんに口答えしたら、この世界はどうなると思います?」 聞いた。 28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/07(月) 16:48:28.52 ID:PqVqgWX80 「…?お前がそんなことしたら、ハルヒは怒るだろう」 「…やっぱり、ですよね」 「どうしたんだ、何かやっぱりおまえ変だぞ」 「ごめんなさい」 乾いた唇を舐めて、キョンの目を見る。 「…古泉?」 「…やっぱり、なんでもありませんよ。すみませんでした」 「…そうならいいが…」 早く帰れよ、とだけ言い置いて、キョンはドアの向こうに姿を消した。 「僕は、涼宮さんの精神安定剤…」 それは、自分の役割であり、仕事であり。 止めてしまえば世界は破滅する。 はあ、と息を吐く。白い。 「僕だって、自分の気持ちぐらいありますよ」 31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/07(月) 16:54:44.05 ID:PqVqgWX80 かつてのコンピ研部長の捜索。 勝手に家に入るハルヒに思ったことは、 「いいんじゃないですか?」 ではなく 「少しは遠慮した方が良いと思いますが」 だった。 口に出してしまえばそれは、ハルヒの神経を逆なでするだけの 記号になり、 ハルヒがバニーのコスプレをしたとき 「とてもお似合いですよ」 ではなく 「彼女にしたいぐらい可愛いですよ」 と思った。 言ってしまえば、それはハルヒを動揺させるだけの記号になってしまい 強いては世界の破滅につながるであろう。 ―自分の気持ちだって、ある。 「僕は、ずっと前から、涼宮さんが―」 喉元まで出掛かって気づく。 何を言おうとしている?自分は。 言ってしまえば、破滅する。 自分も、世界も、あの人の精神も。 33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/07(月) 17:04:24.94 ID:PqVqgWX80 「あれ?古泉くん」 ふわふわとした声が耳に届いた。 「…朝比奈さん」 「どうしたんですかあ?お一人ですねえ」 ひょこひょこと、大きな女性の象徴を揺らし歩いてくる。 こんなひ弱で、優しげなこの人にも、自分の意思は、ある。 「いや、少し考え事をしていました」 「考え事?なんだか珍しいですねえ」 うふふ、と笑ってみせるみくる。 「あさ、ひなさん」 「はい」 おもむろに立ち上がって、窓際に歩を進め、 「僕がもし、自分の感情を露にしたら、どう思います?」 「え?」 何を聞いているんだろう、と思う。 聞いたって何が変わることもない。 34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/07(月) 17:05:00.62 ID:PqVqgWX80 「そうですねえ、やっぱりなあって思います」 「…?」 「誰でも自分の意見を押しとどめておくことなんてできません。 古泉くんはいつでも涼宮さんに同意しているでしょう?」 「…」 「それは、あなたの役割かもしれません。でも―」 「…朝比奈さん?」 「やっぱり、古泉一樹としての感情はあるんだなあって、納得すると思うんです」 何で、心が洗われる? 古泉一樹としての、感情…。 涼宮ハルヒに望まれたから生まれた古泉一樹、 一人の人間としての古泉一樹。 本当の感情を押しとどめておく必要なんて、ないのかも 知れない? 38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/07(月) 17:09:08.41 ID:PqVqgWX80 言ってしまえば、それは 動揺させて、あの空間を生み出させる 材料にしかなりえないもの。 「朝比奈さん―」 「あ、ごめんなさい。お話している時間はないんでした。 またね、古泉くん!」 「あ、はい。また、明日」 「うふ、明日ね」 ばたん、閉まったドアを見つめて、 無意識に唇が言葉をつむぎだした。 「涼宮さん、好きです」 どん、と大きな音がした。 「?」 それは、さっきみくるが出て行ったドアの向こうからで。 40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/07(月) 17:11:20.86 ID:PqVqgWX80 がちゃ、とあけてみる。 ここの部室のドアは、内開き― 「きゃあああああああッ!!??」 黄色のカチューシャをした団長様が、転がり出た。 41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/07(月) 17:14:29.58 ID:PqVqgWX80 「…ッ、こ、古泉くん」 「涼宮、さん」 猫みたいに丸まった格好で申し訳なげな上目で見つめてくるハルヒ。 今の気持ちは 「涼宮さん、すごく、かわいらしいですよ」 「は…?!何言ってるのよ!!っていうか、助け起こして頂戴っ」 あせあせと取り繕うハルヒをみて、やっぱりかわいらしいと思った。 さっきの台詞は今言うには場違いすぎた、けれど、 同意じゃなく、 自分の意思を表示したかった。 43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/07(月) 17:20:38.38 ID:PqVqgWX80  「―はあ、ありがと、助かったわ」 「いえいえ」 ずずー、とお茶を啜るハルヒ。 「…」 「…」 何と言えない空気が充満した。 乾いた唇をお茶で潤してから口を開く。 「何、していたんですか?」 「!!…ちょっと、ね」 目線が絶え間なく動く。 これは、動揺の証。 やっぱり自分が本当のことを述べると、彼女を困惑させる―。 44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/07(月) 17:21:04.34 ID:PqVqgWX80 「キョキョキョ、キョンが!!!こここ古泉くんの様子がおかしいって、言ってた、から」 「あの人が?」 「だだだ、だから。さっきのこと、のせいかなって、思って」 「…」 だから戻ってきた、けれどバツが悪くてドアが開けられなかった、 というわけか。妙に納得する。 伊達に心理カウンセラーやっていないな、と自分に感服した。 それで 「聞いてしまったんですか?」 「…!―っ」 さっきの 「告白」 ぼっと、真っ赤にハルヒの顔が燃え上がった。 唇をかんでうつむく彼女をみてやっぱり思ったことは 「かわいいですよ」 47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/07(月) 17:28:00.22 ID:PqVqgWX80 「ばばばばバカじゃないの?!あたしのこと好きなんていってくるやつ 皆見た目でなのよ?!あたしの性格知っておいてよく…」 「性格を全て知った上で、顔も、表情も、行動も、しぐさも、全て。 熟知した上で言ったんですよ」 「あああっもう!古泉くん、あたしのことなんて好きじゃない、そうでしょ?! いつもみたいに、ほら、笑って「はい」って言いなさい!!」 「いやです」 明確に拒絶した。 はじめてみた。彼が断ったところなんて。 48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/07(月) 17:28:30.91 ID:PqVqgWX80 「僕は、涼宮さんのことが好きです。 これが、あなたに先ほどあるのか、と聞かれた 自分の意見、自分の意思です」 「〜〜〜ッ!!」 唇を軽く白くなるまでかみ締めて、 がたッ、と勢いよく立ち上がると ハルヒは 「あたしだって!だだだ団員としてはききき 嫌いじゃ、ないわ!!!」 と胸をそらして言い放った。 古泉はにこ、と微笑んで、ここで 「はい」 初めて本意での、<同意>をした。 〜〜 終わり!!何かいろいろ微妙ですまんかったorz 53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/04/07(月) 17:31:56.89 ID:PqVqgWX80 エチは あ え て 書きませんよー いや、でも希望があれば書くかもry